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日本酒の1日の適量はどのくらい?適量で日本酒を楽しもう!

日本酒の1日の適量はどのくらい?と気になったことはないでしょうか。「百薬の長」といわれるお酒も、飲みすぎると体調不良につながってしまいます。 今回は、日本酒の1日の適量や、お酒に含まれるアルコール量の計算方法などを紹介します。日本酒をおいしく適量で楽しむための飲み方もぜひ参考にしてください。 1.日本酒の適量はどれくらい? 昔から「百薬の長」ともいわれるお酒。とはいえ、飲みすぎると体調を崩してしまいますよね。まずは日本酒の1日の適量を確認していきましょう。 1-1.純アルコール量の適量は「1日20g程度」 日本酒をはじめとするお酒には、アルコールが含まれています。厚生労働省の発表によると、適量とされるアルコール摂取量は、1日あたり約20gです。 また、アルコールの代謝能力が低い方は、20gより少ない量が適量とされています。65歳以上の高齢者や女性なども同様です。 参考:厚生労働省「アルコール」 純アルコール量の計算方法 お酒に含まれるアルコール量は、以下の式で計算できます。 純アルコール量(g)=お酒の量または摂取量(ml)×アルコール度数/100×0.8(アルコール比重) 例えば、アルコール度数15%の日本酒を1合(180ml)飲んだ場合の総アルコール量は、21.6gです。 180ml×0.15×0.8=21.6g この計算式を使えば、ビールやワインなどの総アルコール量も算出できます。普段飲んでいるお酒のアルコール量が気になったときは、ぜひチェックしてみてくださいね。 1-2.日本酒の適量は1日1合(180ml)が目安 アルコール量の適量をふまえると、日本酒の適量は1日1合(180ml)程度と考えられます。これは、日本酒のアルコール度数が15%だった場合の数字です。 日本酒のアルコール度数は15~16%が一般的ですが、「原酒」と呼ばれる加水調整していない日本酒のなかには、アルコール度数が18%以上のものもあります。 その場合、1日の適量は150ml前後です。いずれも1合を超えると適量をオーバーしてしまうことを覚えておきましょう。 1-3.日本酒と他のお酒の適量の比較 日本酒のアルコール度数が15%であるのに対し、ビールのアルコール度数は5%が一般的です。前述した計算式に当てはめると、適量は1日あたり中瓶1本(500ml)程度になります。 一方で、アルコール度数の高いウイスキーの適量は、日本酒の半分以下です。アルコール度数が高いぶん、日本酒のようにそのまま飲むだけでなく、ロックやソーダ割などで楽しむ機会も多くなるでしょう。 2.日本酒を適量で楽しむための飲み方 「適量はわかっていても、ついつい飲みすぎてしまう」というときは、飲み方に気を配ってみましょう。飲みすぎをおさえながら日本酒をおいしく楽しめます。 2-1.小さな酒器で適量を楽しむ 日本酒を適量で楽しむためには、酒器にひと工夫。ぐい呑みのような大きな酒器ではなく、小さなおちょこを選んでみましょう。少しずつ飲むことで酔いがゆるやかになり、悪酔いも防げます。 とっくりに日本酒を入れ、おちょこに注ぎながら味わうのもおすすめです。1合サイズのとっくりなら、1日の適量を把握できます。とっくりとおちょこをセットで用意すれば、家飲みタイムがより楽しいものになりそうですね。 2-2.和らぎ水を取り入れる 和らぎ水(やわらぎみず)とは、お酒の合間に飲む水のことです。洋酒の合間に飲む「チェイサー」にあたります。 アルコール度数の高いお酒を一度に飲むと、体内のアルコール濃度が上がり、悪酔いや体調不良につながります。酔った勢いで、ついついお酒を飲みすぎてしまうこともあるのではないでしょうか。 和らぎ水には体内のアルコール濃度を下げ、二日酔いの原因となる有害物質の排出を促す働きがあるといわれています。悪酔いや飲みすぎを防ぐ作用もあるため、日本酒を楽しむときは和らぎ水を用意しておきましょう。 2-3.水や炭酸で割って飲む アルコール度数の高い日本酒は、水や炭酸で割るのもひとつの楽しみ方です。アルコール度数が下がり、胃腸への負担も軽くなります。 ソーダやジュースなどで割れば、お家でも手軽に日本酒カクテルが味わえます。適量を守りつつ、ぜひ自由なスタイルで日本酒を楽しんでみてください。 https://sake-5.jp/sake-cocktail-easy/ 2-4.おつまみと一緒に楽しむ 日本酒を楽しむときは、おつまみを用意しましょう。日本酒だけではアルコールがすぐに吸収され、酔いが早く回ってしまいます。あらかじめ軽食をつまんでおくのもおすすめです。 枝豆や冷奴といった定番おつまみに、刺身や鍋物、揚げ物と日本酒は食事と合わせておいしいお酒です。好みのおつまみをパートナーに、ゆるりと日本酒を楽しむ習慣を付けたいですね。 https://sake-5.jp/recipes-for-snacks-to-go-with-sake/ 2-5.アルコール度数の低い日本酒で楽しむ 近年は、アルコール度数10%ほどの低アルコール日本酒が販売されています。味わい軽やかで飲みやすい低アルコール日本酒は、日本酒ビギナーにもおすすめです。アルコールの摂取量を抑えながら日本酒を楽しめます。 シュワッとしたスパークリング酒のほか、乳酸菌飲料のような甘酸っぱいにごり酒などタイプはさまざま。低アルコール酒に目を向けると、日本酒選びがより楽しくなりますよ。 https://sake-5.jp/abyss-drinking-comparison/ まとめ 日本酒の適量は、1日あたり1合程度です。ビールやチューハイなどに比べアルコール度数が高いぶん、1日の適量は少なくなります。 日本酒にはアルコール度数の高い原酒や低アルコールタイプがあること、炭酸割などで飲むスタイルがあることを参考に、自分に合った適量をおいしく楽しんでくださいね。

日本酒は体にいいお酒?日本酒の効能・健康効果について解説!

お酒は「百薬の長」と聞くけど、日本酒には健康的な効能があるの?と疑問に思う方がいるかもしれませんが、実は日本酒には健康にも美容に嬉しい効能がたくさんあるというのはご存知でしょうか? お米と水からできるお酒で、アルコール度数も高めなので「日本酒が健康にいいお酒なの?」驚かれる方もいるかもしれません。この記事では日本酒による効能について解説します。 1.日本酒の主な効能(ストレス解消、美容効果、健康効果) 日本酒には皆さんの体に嬉しい効能がたくさんあります。中でも効果の大きな3つの効能についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 1-1.ストレス解消効果 日本酒には、セロトニンと呼ばれるストレス解消に役立つ成分が含まれています。セロトニンとは気持ちを落ち着かせ、緊張感・不安を和らげる働きをするのでストレス軽減に効果があるといわれています。 「お酒を飲んで今日のストレス発散するぞ~♪」と言っている人がよくいますが、これも理にかなっていたんですね。ただし、飲み過ぎはかえって健康に悪いため、ストレス発散などのやけ酒は厳禁です。 1-2.美容効果 「日本酒を仕込む杜氏(とうじ)さんの手がきれいだ」という話が有名になったことから、日本酒には美容効果もあるといわれ美意識の高い女性を中心に注目されています。 日本酒にはたくさんの有効成分が含まれていますが、その中でも「コウジ酸」「フェルラ酸」という2つのアンチエイジング成分が含まれているので、Wアンチエイジング効果があるといわれています! ”コウジ酸”はシミの元となるメラニンができないように抑制する効果があり、シミを防いでくれることから美白効果があるといわれていて、”フェルラ酸”はポリフェノールの一種で細胞の老化を防止して元気にしてくれる働きがあります。 他にも肌のターンオーバーを促すフルーツ酸「AHA」なども日本酒には含まれています。ターンオーバーが促進され肌の健康が保たれれば、ニキビの改善にも繋がります。 これらの効能によって、「日本酒は肌の内側からのWエイジング効果が期待できる」ということになりますね。 1-3.健康効果 日本酒は農林水産省でも「適量を摂取すれば健康に効果がある」と認められています。 美容効果でも触れた”フェルラ酸”は活性酸素が体内で増えてしまうのを抑える効果があります。 「日本酒飲むと体のがぽかぽかするなぁ~」という体験もあるかと思いますが、血行促進してくれるのも日本酒の健康効果の一つ。 日本酒は冷え性の方にもおすすめなのですが、日本酒に含まれるアデノシンという成分は「血管を拡張し血流を改善する」働きがあるのです。 高血圧の方に嬉しい血圧を下げる働きをする”ペプチド”も含まれていますが、全ての必須アミノ酸やビタミン・ミネラルなども豊富に含まれる日本酒。 疲れたとき、元気になりたい時、なんだか体がスッキリしない時には適量を美味しく飲んでリフレッシュしてください。 2.日本酒に含まれる栄養素 日本酒に特に多く含まれる栄養素を箇条書きでまとめました。 コウジ酸(メラニン抑制・細胞活性化) フェルラ酸(抗酸化作用・細胞の老化防止) ペプチド(血圧を下げる) 必須アミノ酸(疲労回復・エネルギー源・血糖値調整) ビタミンB6(たんぱく質の働きをサポート) アデノシン(血管拡張・血流促進) ミネラル(細胞活性化・骨や歯の形成) 日本酒は先ほどもご紹介したように、一度に摂取するのが難しい栄養素を一度にとれ『(万病のもとになる)ストレスを軽減しつつ美容・健康効果を効率よく摂取』することができるのです。 2-2.健康と美容に効果がある理由 多くの有効成分を含む日本酒、健康・美容にも大きな効果があることをお伝えしてきました。 発酵食品ならではの栄養素もありますが、バランスよく体に必要な栄養を摂取できるからこそ、体の内側からのケアに期待ができるのも日本酒の良いところ。 筋肉だけでなく髪や肌、爪を作るのに欠かせないたんぱく質のサポートをするビタミンB6も重要ですが、すべての必須アミノ酸が含まれているというのもポイント。 お酒を飲んでリラックスする、というだけでなく根本的にストレスを取り除きながら有効な栄養素がとれる日本酒ならではの健康効果も大きいのではないでしょうか。 3.他にもある日本酒の効能 日本酒には健康・美容・ストレス軽減に効果があるとご紹介しましたが、他にもいくつかの良い効能があるのでご紹介します。 3-1.記憶力が改善される 日本酒に含まれるペプチドには血圧を下げる働きがある、としてご紹介しましたが、実はペプチドには記憶力を向上させる働きもあることをカルピス株式会社 発酵応用研究所が発見されています。 発酵乳の中から、“記憶力向上”作用を示す成分を発見しました。この成分は、乳酸菌が牛乳に含まれる乳たんぱく質を分解することで得られるペプチドであることが明らかとなりました。 乳酸菌が作るペプチドに記憶力向上作用を発見|アサヒカルピスウェルネス株式会社 乳たんぱく質を分解することで得られるペプチドが、日本酒にも含まれているとは断定できませんが、「最近うっかり忘れちゃうことが増えたな…」という実感があるなら日本酒を毎日少しずつ飲んでみると、良い効果がでるかもしれませんね。 3-2.血行が改善される 日本酒に含まれるアデノシンは「血管を広げて血流をよくする」という効能があるので、飲めば体がポカポカしてくると感じる方も多いのではないでしょうか。 冷え性の方はもとより、ストレスによっても血流が悪くなりますから、「ストレスたまってるなぁ」と感じたときにも日本酒がおすすめですよ。 3-3.生活習慣病の予防になる 一度かかるとその後の生活に大きな影響を与える生活習慣病を予防するのにも日本酒が一役買ってくれます。 日本酒に含まれるフェルラ酸は吸収率も良いポリフェノールなのですが、様々な方面に高い効果があるということで医療現場でも利用シーンが増えているのだとか。 がんの増殖を抑制したり、肝硬変の予防、糖尿病の予防(血糖値を下げる)、脳機能の改善など健康・美容面でのアンチエイジングが期待できるのが日本酒なのです。 4.健康にいいとは言っても飲み過ぎには注意 日本酒は健康にも美容にも、心の健康にも良い!とは言っても当然飲みすぎてはいけません。 健康的に日本酒をたしなむには『1日1合(180ml)程度』にしておきつつ、できれば血行促進効果を妨げないよう『熱燗』で飲むのがおススメ、と覚えておいてください。 まとめ 最後にこの記事で紹介した、日本酒を適量飲むことで期待できる精神面・健康面・美容面での嬉しい効能を箇条書きでまとめます! ストレス軽減 アンチエイジング効果(美肌・美白) 血圧を下げる 血行促進(育毛にも効果あり) 記憶力改善 生活習慣病の予防 これだけ多くの効能がある日本酒、良さを生かして楽しむためには 『空腹で飲まず、肝臓に負担を書けない豆腐や赤身肉・魚をつまみながら1日に1合程度が目安』 と覚えておいていただければ、楽しく健康的な余暇の時間を過ごしていただけるのではないでしょうか。

【唎酒師監修】プレゼントにもおすすめの日本酒グラス20選。グラスの選び方のポイントも解説

「日本酒を楽しむためのグラスの選び方が知りたい」 「日本酒を楽しむのにおすすめのグラスが知りたい」 この記事ではそんな方へ向けて書いています。 おちょこで飲むことが多い日本酒、たまには気分を変えてグラスの酒器でおしゃれに楽しんでみませんか?ガラス製の美しい日本酒グラスは、プレゼントにもおすすめです。 今回は日本酒をよりおいしく楽しむための、日本酒グラスの特徴や選び方などを紹介します。プレゼントにおすすめの日本酒グラス9選も、ぜひチェックしてみてくださいね。 1.日本酒グラスの特徴 一口に日本酒グラスといっても、色合いや形状はさまざま。近年は、ワイングラスと同じ形状の日本酒グラスも出回っています。 日本酒グラスのいちばんの特徴は、ガラス製の美しい見た目です。光に透かしながら、外側からお酒の色合いを楽しめます。 また、ガラスならではの口当たりも大きな特徴です。ガラスが薄いほどシャープな口当たりへと変化し、お酒本来の味や香りが感じられます。 色や形など、デザイン性の高い日本酒グラスはギフトにもおすすめです。なかには、複雑なカット加工が施された美しいグラスも販売されています。背の高いグラスには、スパークリング酒を注ぐこともできますよ。 口径の広いグラスは日本酒をロックスタイルで味わえるなど、おしゃれで涼やかな飲用シーンを演出してくれる酒器といえるでしょう。 2.プレゼントに喜ばれる日本酒グラス15選 ここからは、プレゼントに喜ばれる日本酒グラス15選をご紹介します。デザイン性の高いグラスや木箱付きのグラスなど、タイプもさまざま。ワイングラスメーカーが製造する日本酒グラスもありますよ。ぜひ、贈る相手を思い浮かべながらチェックしてみてくださいね。 2-1.アデリア 日本酒グラス 桜水紋 ¥2,031(税込) 曇りガラスに上品な花柄をあしらっているのが「アデリア 日本酒グラス 桜水紋 約90ml」。手が小さな女性でも持ちやすいサイズ感です。金箔を押した高級感のある化粧箱に封入されているため、母の日のプレゼントにぴったり。 ガラス素材ということもあり、冷酒を注げばひんやりと涼しい手触りを楽しめます。お盆休みに帰省するときの手土産にも最適なグラスです。 (出典元:amazon.co.jp) 2-2.東洋佐々木ガラス 富士山 冷酒杯揃え ¥3,300(税込) 「東洋佐々木ガラス 富士山 冷酒杯揃え」は冷酒グラスがペアになった商品。富士山を模した赤と青のデザインが特徴的です。友人カップルや両親へのプレゼントにいいでしょう。化粧箱に入っているため、結婚祝いなどにもおすすめです。 冷酒用のグラスですが、冷やしたワインを飲むときにも使えます。使い勝手の良さを喜んでもらえますよ。 (出典元:ONLINESHOP BY東洋佐々木ガラス) 2-3.RIDEL 大吟醸 オー ¥5,500(税込) 「RIEDEL(リーデル)」は、世界有数のワイングラスメーカーです。ワインの品種ごとにさまざまなグラスを生み出すRIEDELが、日本酒用に開発したのが「大吟醸 オー」。縦長にのびたグラスは、大吟醸の豊かな香りを包み込んでくれます。 大吟醸は、酵母由来の華やかな香りが特徴的なお酒です。洋ナシや白桃のようなフルーティーな香りを持つ日本酒は、白ワインのようと言われることもあります。 それだけに、「大吟醸オー」は白ワインを美味しく楽しめることもポイント。ステム(脚)がないタンブラーのため、ソフトドリンクを注ぐなど幅広いシーンで活用できます。RIEDELのなかではカジュアルなシリーズのため、お手頃な価格帯で購入できるのもうれしいですね。 (出典元:リーデル・オー) 2-4.津軽びいどろ 花凛シリーズ ¥3,300~(税込) 津軽びいどろは、鮮やかな色合いが特徴の青森県のガラス製品です。「花凛シリーズ」は、木枡の中に縦長のグラスがセットされています。 職人の手仕事で生まれたグラスは、冷酒の美味しさをきりっと引き立てる涼やかな風合い。しゅわしゅわと泡が立ち上る、スパークリング酒を楽しむのもおすすめです。 山桜、萌黄、茜と津軽の自然を思わせるカラーリングは女性にも好評。甘口日本酒や日本酒カクテルにもぴったりの装いです。縁起物の木枡にはちょっとしたおつまみを入れて、器として楽しむこともできますよ。 (出典元:ハンドメイドガラスの伝統工芸品「津軽びいどろ」) 2-5.田島硝子 江戸切子 富士山グラス ¥5,500(税込) 江戸からの伝統を現在に受け継ぐ「江戸切子」。田島硝子の江戸切子は、職人が丹精こめてひとつずつ造り上げるガラス製品です。 なかでも、「富士山グラス」は海外の方にも好まれる美しい逸品。ひとつひとつ吹き上げされたグラスの底に、富士山が入っています。山頂には砂彫りで表現された雪がうっすらと。「おみやげグランプリ2015」では、日本を代表するお土産としてグランプリを受賞しました。 サイズはロックグラスとタンブラーの2種類。暑い夏にはたっぷりの氷と一緒に、またはソーダ割りにしたりと、日本酒の楽しみ方を広げてくれるグラスです。 (出典元:田島硝子株式会社) 2-6.レーマン 酒マスト ¥5,500(税込) 大手日本酒メーカー「八海山」と世界的グラスメーカー「LEHMANN(レーマン)」の合作で生まれたのが「酒マスト」です。酒+Must(マスト)、すなわち酒に必要不可欠であることを意味するグラスは、日本酒を味わうためだけに誕生しました。 下部はぽってりと丸く開口部をシャープに仕上げたデザインは、日本酒の香りを楽しむための形。舌全体に日本酒が行きわたるよう、あえて顎を高めに持ち上げる設計がなされています。 ワイングラスのようにリム(脚)がついているのは、世界中で日本酒を味わってほしいという思いから。日本酒の代表メーカーが本気で造り上げたグラスで、ぜひお気に入りの一杯を味わってみてはいかがでしょうか。 (出典元:日本クリエイティブWEB) 2-7.KIKINO:技 ― waza ¥3,630 KIKINOの「技 ― waza」は、甘みと酸味のある日本酒におすすめのグラスです。 こだわりはその形状。お酒を飲むとき、グラスの縁と舌が平行に近い角度になるため、お酒がゆっくりと口の中に入り甘みと酸味を感じやすくなります。 貴醸酒と呼ばれる甘みの強いお酒や、甘口日本酒、甘酸っぱい日本酒を飲むときは、グラスにもひと工夫。「技 ―...

「SAKE COMPETITION 2023」結果発表!授賞式レポート

2023年6月14日(水)、市販日本酒の品評会「SAKE COMPETITION 2023」の上位入賞酒が発表されました! 授賞式会場のザ・ペニンシュラ東京に集ったのは、上位に入賞した各蔵の代表者たち。プレゼンターとして、日本酒の魅力や文化を世界に広める活動を続ける中田 英寿氏、居酒屋探訪家としての活動で知られる吉田 類氏なども駆け付けました。 今回は熱気あふれる授賞式の様子とともに、各部門の結果、1位を受賞した蔵元へのインタビューをお届けします。 「SAKE COMPETITION 2023」日本全国335蔵の日本酒が集結 「SAKE COMPETITION(サケ コンペティション)」は、世界最大級の日本酒品評会です。 「ブランドによらず消費者が本当に美味しい日本酒にもっと巡り会えるよう、新しい基準を示したい」という理念のもと、2012年にスタート。コロナ禍での休止を経て、2023年は4年ぶりの開催となりました。 "ブランドによらず"とあるように審査方式は銘柄を伏せたブラインド審査を徹底。酒造業界に精通する審査員たちによって、酒質のみを純粋に評価した世界一の日本酒が決定します。 決審会の様子はこちらから 「SAKE COMPETITION 2023」開催!世界一美味しい日本酒が決定 本年は、全国335の酒蔵が出品。全1,000点にもおよぶ日本酒のなかからこの日、各部門の1位に輝く銘柄が発表されました。 「SAKE COMPETITION 2023」受賞酒一覧 「SAKE COMPETITION 2023」は、「純米酒部門」「純米吟醸部門」「純米大吟醸部門」「SUPER PREMIUM 部門」と4部門の審査を実施。会場には、各部門の上位に入賞した酒蔵の代表者が招待されました。 ただし、実際の順位までは各蔵に伝えられていません。10位から1位へと、司会者が受賞酒を読み上げるごとに会場の緊張は高まります。 1位受賞酒が発表されると歓声が湧き、各蔵の代表がお互いに受賞をたたえ合う姿も。日本酒好きのプレゼンターたちも感激のメッセージを送るなど、会場は喜びのムードに包まれました。 純米酒部門のプレゼンターを務めた吉田 類氏は「純米酒は飲用温度の幅が広いお酒。燗酒好きにとって、おいしい純米酒が登場することほどうれしいことはない」と、大和蔵酒造株式会社・山内 信雄氏と笑顔で握手。 また4部門に加え、日本酒ソムリエアプリSakenomyが選ぶ「Sakenomy Best Brewery of the Year」、次世代の日本酒の造り手を応援する「ダイナースクラブ若手奨励賞」、JAL機内酒として提供される「JAL空飛ぶSAKE賞」の受賞酒も発表されました。 純米酒部門 部門出品数 273点、予選通過数...

【唎酒師が解説】日本酒は酒器によって楽しさが変わる!酒器ごとの特徴も解説

日本酒には様々な飲み方・楽しみ方がありますが、酒器選びも日本酒の楽しみ方の一つです。 日本酒の酒器は、ガラス製や陶器製、錫(すず)など実にバリエーションが豊富です。近年はワイングラスで楽しむおしゃれなスタイルも見かけますよね。 酒器は雰囲気だけでなく、日本酒の味や香りに大きく影響するアイテム。「酒器を変えたら日本酒がまったく違う味わいに」と驚くことも少なくありません。今回は、日本酒好きにおすすめの酒器選びのポイントについて紹介します! 1.酒器によってなにが変わる? 「酒器(しゅき)」とは、お酒を注いだり飲んだりするための容器のことです。日本酒の香りや飲み口、味わいの感じ方は酒器によって次のように変化します。 1-1.香りの感じ方 日本酒の香りの感じ方は、酒器の形状によって変化します。リンゴや洋梨のようなフルーティーな香りを感じやすいのは、ぽってりと丸い形をした酒器です。 反対に、小ぶりで直線的な形状の酒器は香りを感じにくく、穏やかな香りの日本酒を飲むときに適しています。 日本酒の香りを楽しみたいときは、あえて大きめの酒器に注ぐのもひとつの方法です。お酒と空気が触れ合うことで香り成分が引き出され、味わいもまろやかに変化します。 また、木製の枡(ます)を使うと、日本酒本来の香りに木の香りがプラスされます。ヒノキや杉など、特徴的な香りの素材でできた酒器に注げば、また違った個性を楽しめそうですね。 1-2.飲み口の感じ方 飲み口の感じ方は、酒器の素材や厚みによって変化します。リムと呼ばれる縁の部分が薄いほどシャープに、厚いほど飲み口がやさしく感じられるでしょう。 ガラスの製品のなかには、非常に薄い素材の酒器も存在します。日本酒の香りや味わいをダイレクトに感じたいときにおすすめです。 1-3.味わいの感じ方 香りや飲み口の感じ方は、味わいにも影響します。人によっては、フルーティーな香りの日本酒ほど甘く感じられることもあるでしょう。 また、飲み口がやさしい酒器を使うと、味わいまろやかに感じることもあります。さらに、ガラスの涼しげな見た目や、陶器の温かみのある風合いが味の印象を左右することも。味の感じ方は人それぞれだからこそ、酒器選びはおもしろく奥が深いといえそうですね。 1-4.温度による味の変化 日本酒は、冷やしたり温めたりと幅広い温度帯で楽しめるお酒です。酒器の素材や形状にこだわれば、温度による味の変化をより楽しめます。 キリッと冷やした日本酒を楽しみたいときは、ガラス製の酒器がおすすめです。見た目が涼やかなだけでなく、お酒の冷たさが唇や指先からダイレクトに感じられます。 燗酒のパートナーには、小ぶりのお猪口(ちょこ)を選んでみましょう。温かいうちに飲み干せるだけでなく、お猪口から立ち上る香りやじんわりとした酒器の温もりなど、燗酒ならではの醍醐味を堪能できます。 2.酒器に使われる素材ごとの特徴 日本酒の酒器には、以下のようにさまざまな素材が使われています。 陶器 磁器 漆器 ガラス 木製 錫(すず)やチタンなどの金属製 前述したように、素材の見た目や手触りは味わいの印象を左右します。飲み口の感じ方、温度の感じ方も素材によってさまざまです。それぞれの特徴を知ると、酒器選びがもっと楽しくなりますよ。 2-1.陶器 陶器とは、粘土を原料とする焼き物のことです。一定の厚みがあり、素朴な風合いからは温もりが感じられます。 燗酒に用いられることも多く、和の食卓にもなじむアイテムです。代表的な焼き物には、備前焼や萩焼、瀬戸焼などが挙げられます。 2-2.磁器 磁器は、陶石(とうせき)と呼ばれる石の粉と粘土を原料とする焼き物です。陶器に比べ厚みは薄く、柄が入った華やかなタイプも数多く見られます。 質感はつるりとなめらかで、見た目は涼しげな印象です。前述した陶器とあわせ、陶磁器と呼ばれることもあります。 2-3.漆器 漆器は、木や紙の表面に漆(うるし)を塗り重ねたものです。艶のある黒色や赤色の漆器は、おめでたい席で目にすることも多いかもしれませんね。 漆器は保温性に優れ、燗酒の温かさを比較的長い間キープしてくれます。耐久性もあり、年月を重ねるごとに色艶が変化していくことも大きな特徴です。 2-4.ガラス ガラス製の酒器は、冷酒を楽しむときにおすすめです。唇があたるリム部分が薄いものであれば、飲み口がよりスムースに感じられます。 中身が見えやすく、日本酒の色合いを楽しめることもメリットのひとつです。丸い形状のワイングラスであれば、日本酒のフルーティーな香りをより感じやすくなるでしょう。 2-5.木製 枡のような木製の酒器は、軽く吸水性があることが大きな特徴です。ヒノキや杉を原料にしたものは、個性的な木の香りも感じられます。木ならではの質感や温度の伝わり方、口当たりなど、陶磁器やガラスにはない魅力を兼ね備えた酒器です。 2-6.錫(すず)やチタンなどの金属製 錫製の酒器は、熱伝導に優れているのが特徴です。燗酒は温く、冷酒は器までしっかり冷えた状態で楽しめます。 また、熱伝導率が良いということは、手の温もりもお酒に伝わりやすいということです。日本酒を注いだ酒器を手で包み込むように持てば、温度による味の変化を楽しめます。 チタンは熱伝導率が低く、保温力と保冷力に優れていることが特徴です。アウトドアで日本酒を楽しむ際も、好みの温度帯を長時間キープできます。 錫、チタンともに金属特有の臭いが付く心配がないことも魅力です。さらに、錫は日本酒の味わいをまろやかにするといわれています。 一度錫の酒器で日本酒を味わえば、その違いに驚くはず。金属製の酒器は高価格帯のものが多いですが、機会があればぜひ試してみてくださいね。 3.日本酒を飲むための酒器 日本酒を飲むための酒器といえばお猪口が代表的ですが、近年はワイングラスで楽しむスタイルも定着しつつあります。 酒器の種類の違いも、味や香りを左右する重要な要素です。ここからは、日本酒を飲むための酒器についてチェックしていきましょう。 3-1.猪口 日本酒を楽しむ酒器として、真っ先に「お猪口」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか? 「ちょこ」という呼び名は、安直なことを表す「直(ちょく)」に由来するといわれています。「直」には「ちょっとしたもの」「手軽なもの」という意味もあり、まさにちょこっとしたお猪口の姿を現すようですね。 ひとくちにお猪口といっても、形や素材など種類はさまざま。なかでも、底にぐるぐるっと青いうずが書かれたお猪口は「蛇の目の唎猪口(じゃのめのききちょこ)」と呼ばれています。青いうず模様があるため浮遊物や色合いが見やすく、杜氏や蔵人なども使用するお猪口です。 3-2.ぐい呑み お猪口よりも少し大きめの酒器は「ぐい呑み」と呼ばれます。「ぐいっと」「ぐいぐい」日本酒を飲めることが名前の由来です。 少し大きめのぐい呑みは、常温のお酒をゆったり楽しみたいときにおすすめです。副菜をちょこっと盛り付ける小鉢としても活用できますよ。 3-3.枡(ます) 木製の「枡(ます)」は、日本酒気分をグッと盛り上げてくれるアイテムですよね。「増す」「益す」という意味を持つことから、枡に注いだ「枡酒」は祝いの席でも好まれています。 また、飲食店でしばしば目にするのが「もっきり」と呼ばれるスタイルです。もっきりは、枡の中にグラスを置き、こぼれるほどなみなみと日本酒を注ぐ飲み方のこと。枡の木の香りがお酒に移り、また違った風合いが楽しめます。 3-4.グラス 背が高く、開口部が広いワイングラスは、日本酒の華やかな香りを引き立ててくれます。香りが特徴の「大吟醸」「吟醸酒」と呼ばれる日本酒におすすめの酒器です。 スパークリングタイプの日本酒は、細く背の高いフルートグラスに注ぐのもおすすめ。美しい泡立ちを楽しめ、ドライな味わいがさらに引き立ちます。 ボルドー型ワイングラス ボルドー型ワイングラスは、香りが穏やでコクのある日本酒を楽しむときにおすすめです。グラスの形状がふくよかな香りを引き出してくれます。 ブルゴーニュ型ワイングラス 丸みのあるブルゴーニュ型ワイングラスは、華やかな香りの日本酒に適しています。グラスの形状が香りを包み、フルーティーな香りをより感じやすくなりますよ。 切子 冷たい日本酒を楽しむときは、切子グラスに注いでみましょう。見た目も涼やかで、冷たいうちに飲み切れます。リムが薄いものほど口当たりも良く、キリッとした味わいを感じやすくなることも特徴です。 4.日本酒を注ぐための酒器 日本酒を注ぐための酒器にもさまざまな種類があります。それぞれの特徴を知り、飲むための酒器とセットで揃えるのもまた楽しいですよ。 4-1.とっくり 燗酒を飲むときのお猪口のパートナー「とっくり」。くびれた首にぽってりとしたフォルムを持つ、お酒を注ぐための酒器です。とっくりの名前は、お酒を注ぐときの「とくりとくり」とした音に由来するといわれています。 本来、醤油やお酢の貯蔵容器だったとっくりが酒器として使われ始めたのは、江戸時代に入ってからのこと。それまでは「銚子(ちょうし)」と呼ばれる柄のついた酒器を用いるのが一般的でした。近年は「氷ポケット」のついた冷酒用のとっくりも登場しています。 4-2.片口 「片口(かたくち)」は日本酒を注ぐ容器です。ふちの片側に、とがらせた口のような注ぎ口がついています。とっくりとの大きな違いは、開口部が広く、おわん型が多いこと。日本酒の香りを感じやすい形状です。 4-3.ちろり 容器ごとお湯に入れて温める燗酒用の酒器です。鍋に掛けられるよう、ふちには取っ手が付いています。 名前の語源は「ちろりとすぐに温まるから」「地炉(いろり)で温めるから」などさまざま。銅や錫(すず)、アルミ製が多く、冬の日本酒時間を彩るアイテムです。 4-4.銚子(ちょうし) 銚子は、注ぎ口と長い柄の付いた酒器です。古くは江戸時代から、あらたまった酒宴や三三九度などの儀式で用いられてきました。 現在は「お銚子1本ください」のように、とっくりを意味する言葉として使用されています。 5.日本酒を楽しむための酒器の選択のポイント 日本酒をよりおいしく楽しむために、酒器を選ぶときには以下のポイントに気を付けてみましょう。 日本酒の色合いから素材を選ぶ 日本酒の香りの特徴から形を選ぶ 飲む温度で大きさを選ぶ 味わいの好みから口径の大きさを選ぶ ちょっとの工夫で味の印象が大きく変わり、日本酒を味わう時間がより楽しいものになりますよ。 5-1.日本酒の色合いから素材を選ぶ 日本酒は、製法によって無色透明のものやうっすら黄色く色付いたものが存在します。長年熟成させた古酒は、茶色や琥珀色の見た目が特徴です。 個性的な色合いの日本酒は、ガラス製のグラスや白い磁器製の酒器に注ぐと、その風合いをより一層楽しめます。複雑な香りと味わいが魅力的な古酒は、飲み切りサイズのショットグラスに注ぐのもおすすめです。 5-2.日本酒の香りの特徴から形を選ぶ 酒器の形は、香りの感じ方に大きく影響します。特に、香りの違いを感じやすいのがワイングラスです。丸く湾曲したグラスが日本酒を包み込み、広い口径からふわっと香りを立ち上らせます。華やかな香りの日本酒におすすめの形です。 反対に、お猪口やぐい呑みのような背の低い酒器は、スッキリとした味わいの日本酒に適しています。「キレがある」といわれるような辛口日本酒も、よりおいしく楽しめるでしょう。 5-3.飲む温度で大きさを選ぶ 日本酒を注ぐ酒器は、飲み切りサイズを選ぶのがポイントです。温かい燗酒も、最後までおいしい状態で味わえます。 直接口を付ける酒器は、日本酒の温度に合わせて選びましょう。冷酒や燗酒の場合は、小さな酒器のほうが好みの温度帯のままおいしくいただけます。 常温のお酒は、あえて大きめの酒器で気軽に楽しむのもおすすめです。少し大ぶりのぐい吞みに注ぎ、ぐいっといただくスタイルもまた粋ですね。 5-4.味わいの好みから口径の大きさを選ぶ 酒器の口の広さは、味の感じ方に大きく影響します。口の小さいもの、大きいもので口内に入るお酒の量が変わるからです。 口の小さなお猪口の場合、お酒は少しずつ口に入っていきます。そのため、味わいは軽快に感じられるのが特徴です。特に、キレのあるドライなお酒を飲むときに適しています。 反対に、ぐい呑みのように口の広い酒器は、口内に入るお酒の量は多くなり、味わいがより濃醇に感じられます。どっしりとした旨味を持つ日本酒は、口の広い酒器のほうがおいしさがより引き立つでしょう。 ちょっと変わったところでは、お酒を注ぐ酒器選びにもひと工夫。「お酒の味が固いかな」と感じたときは、口の広い片口を使ってみてください。空気とお酒が触れ合う面積が多いぶん、飲み口がまろやかになる効果が期待できます。 6.日本酒のタイプ別で見る酒器の選び方のポイント 日本酒は、味や香りの個性によって図のような4タイプに分類されます。それぞれの個性をに合った酒器を選べば、日本酒のおいしさはさらに引き立ちます。4タイプ分類の特徴とともに、酒器選びのポイントを確認していきましょう。 4タイプ分類についてはこちらの記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。 日本酒の「薫酒」「爽酒」「醇酒」「熟酒」とは?4タイプの特徴について解説! 6-1.薫酒 薫酒は、華やかな香りをもつ日本酒です。味わいは軽く、ほんのりと甘みを感じることもあります。吟醸香(ぎんじょうか・ぎんじょうこう)が特徴的な「吟醸酒」に多いタイプです。 薫酒には、香りを感じやすい酒器を選んでみましょう。具体的には、丸い形状のワイングラスや、香りがダイレクトに感じられる口が広がったグラスがおすすめです。リムの薄いものであれば、薫酒ならではのスムースな飲み口も堪能できます。 6-2.爽酒 爽酒は「キレがある」といわれるようなシャープな飲み口が特徴です。香りは穏やかなタイプが多く、冷酒から燗酒まで幅広い温度帯で楽しめます。 冷酒で楽しむ際は、冷たいまま飲み切れる切子のような酒器がおすすめです。リムの薄い磁器製のお猪口に燗酒を注げば、キリっとした飲み口も楽しめるでしょう。 6-3.醇酒 醇酒は、ふくよかな香りとまろやかなコク、深みのある味わいが魅力です。燗酒にするとコクと旨味がさらに引き立ちます。米と米こうじのみで造られる「純米酒」や、昔ながらの製法を用いた「山廃」「生酛」と呼ばれるお酒に多いタイプです。 醇酒はぜひ、陶器製の酒器に注いで味わってみてください。やわらかな手触りと厚みのある飲み口が、醇酒の魅力をより引き立ててくれます。 温めた「山廃」や「生酛」を味わう際は、口の広い平盃もおすすめです。盃全体から日本酒の複雑かつ繊細な香りが立ち上り、奥深い旨味を堪能できます。 6-4.熟酒 熟酒は、個性的な見た目と味わいを兼ね備えたお酒です。長期間熟成させた「熟成酒」や「古酒」と呼ばれる日本酒が該当します。 見た目は黄色や茶色、琥珀色に色づき、スパイスやナッツ、ハチミツを思わせる香りが特徴です。通常の日本酒にはないような、甘みや苦味、酸味が重厚なハーモニーを奏でます。 少しずつゆったり楽しみたい熟酒は、小ぶりの酒器に注ぐのがおすすめです。ショットグラスや白い磁器製のお猪口に注げば、色合いがさらに映えます。 香りを引き出したいときは、ブランデーグラスを試してみてください。ゆっくりとグラスを回すごとに香りが広がり、光の当たり具合で変化する熟酒ならではの色合いも楽しめます。 まとめ 透明のガラス、温かみのある陶磁器、金属製の錫と日本酒用の酒器はさまざま。色や形など、自分のお気に入りを揃えるのも楽しみのひとつですよね。 味や香りの感じ方をガラリと変える酒器は、日本酒の大切なパートナー。大好きな日本酒にあわせ、とっておきの酒器を選んでみませんか?

【唎酒師が解説】日本酒は瓶のサイズ・種類がたくさん!自分に合ったサイズを見つけよう

「瓶で売られている日本酒って、どのくらいのサイズのバリエーションがあるのか知りたい」 「日本酒の瓶でも茶色や緑など色の違いがるのはどうしてなのか知りたい」 この記事はそんな方へ向けて書いています。 日本酒というと一升瓶のような大きな瓶のイメージする人も多いですが、最近はさまざまなサイズの日本酒を見かけますよね。 しかし瓶のサイズを見ても、どのくらいの日本酒が入っているのかピンとこない、自分が飲むのにちょうどいいサイズがわからないという人も少なくありません。 また、日本酒の瓶には様々な色もあります。なぜ日本酒の瓶の色には種類があるのでしょうか? 今回は日本酒の瓶の種類と、どんなときに適したサイズなのかご紹介していきます。 1.日本酒の瓶のサイズは大きく4種類! 日本酒の瓶のサイズは大きくわけると、一升瓶・四合瓶・二合瓶・一合瓶の4種類です。小さいサイズは味が違うという人もいますが、基本的に同じ銘柄であれば、大きさは変わっても同じ製法で作られているので同じ味です。 それぞれの瓶の内容量やカロリーなどをチェックしましょう。 一升瓶 四合瓶 二合瓶 一合瓶 サイズ 1800ml 720ml 300~360ml 180ml カロリー 1,854kcal 741kcal 309~370kcal 185kcal 銘柄の種類 多い 多い 少ない 少ない ※日本酒 100ml = 103kcal で計算 (出典元:食品成分データベース(文部科学省)) 一合は180ml。二合瓶だけは360mlだけではなく、300mlや330mlなど内容量にばらつきがあります。カロリーは日本酒の種類によって差がありますが、おおよそ内容量と同じと考えれば間違いありません。 小さい瓶を取り扱っている銘柄は少なめですが、最近はコンビニなどでも日本酒が売られているので増えてきています。 1-1.日本酒といえば一升瓶!(1800ml) 日本酒といえば一升瓶ですよね。日本酒を飲まない人でも、飲食店などに一升瓶でずらっと並んでいるのを見たことがある人も多いのではないでしょうか。 自分の好きな日本酒をたっぷり飲みたい、自宅に友人を招いて大人数で日本酒を飲むといったときは一升瓶が便利。 一升瓶は量が多いので、一気に飲み切らないときもあります。できれば開けたら一週間以内には飲み切るのがベスト。 また日本酒は保存方法を守らないと劣化してしまうので注意しましょう。日本酒を保存するときは縦置きにしましょう。横に置いてしまうと空気に触れる面積が多いため酸化が早くなってしまい、さらにキャップに日本酒が触れるため味が変化してしまう恐れも。 ちなみに日本酒を保存するときの適正な温度は「-5度」。一般的な冷蔵庫には実は-5度の空間が存在しません。チルドですら0度前後なので、保存場所に困りますよね。日本酒が大好き、味にこだわりたいという人は、日本酒専用の冷蔵庫を購入するのがおすすめ。専用の冷蔵庫なら、-5度を保つことができ、大きい一升瓶の縦置きも簡単にできます。 1-2.人気の高い四合瓶!(720ml) 持ち運びもしやすく、保存するときも場所を取らないと人気のサイズが四合瓶。自分好みの日本酒が数本あり、日によってさまざまな種類を飲みたい人におすすめのサイズです。 ちなみに読み方は「よんごうびん」。「しごうびん」でも間違いではないのですが、「死」というイメージがあるためお祝い事や法事などでは言わない方がいいでしょう。ちなみに四合瓶は720mlであることから、「ナナニー」と酒屋さんは呼ぶこともあるのだとか。 1-3. 何故かサイズに違いのある二合瓶(300~360ml) 二合なのだから360mlかと思いきや、360mlの他に330mlや300mlがある二合瓶。 量が少ないので物足りないという人もいますが、一日のアルコール摂取量を守るにはちょうどいいサイズなのです。 日本酒は一升瓶や四合瓶が主流なので、二合瓶の銘柄は少なめ。一度飲んで美味しいとわかると今まで二合瓶を買っていた人も一升瓶や四合瓶を買うようになるので二合瓶は少ないのかもしれませんね。 1-4. 飲みきりサイズの一合瓶(180ml) 一合瓶は飲みきりサイズなので、初めての銘柄を飲むときや少しだけ日本酒が飲みたいというときにおすすめ。保存方法に気を使う日本酒ですが、一合瓶ならフレッシュなうちに飲み切ることができるので、いつもはビール派・ワイン派だけど、たまに日本酒が飲みたくなるといった人に向いています。 一合瓶も二合瓶と同じく銘柄は少なめです。やはり気に入ったものは大きいサイズで買う人が多いからでしょう。地酒などは一合瓶も多いので、さまざまな種類を少しずつ楽しめるのがうれしいですね。 2.日本酒の瓶の色の違い 茶色や緑色、夏のお酒には青色や透明なものなど日本酒の瓶は色にもバリエーションがあります。日本酒の瓶に色がある理由は、「紫外線」から日本酒を守るためです。 紫外線の影響を受けた日本酒は、「日光臭(にっこうしゅう)」が発生します。焦げ臭や獣臭(けものしゅう)とも呼ばれる、傷んだ玉ネギやガスのような臭いです。 繊細な香りと味わいをもつ日本酒にとって、紫外線は大敵。透明の瓶では、中身が光にさらされてしまいます。そのため、日本酒を詰める瓶の多くに色がついているのです。 日本酒の瓶の色についてはこちらの記事で詳しく紹介しているので参考にしてみてください。 日本酒の瓶の色には理由がある?日本酒の瓶に色がついている理由を解説 まとめ 日本酒のサイズがわかると、自分が美味しく飲み切ることができる量がわかり、常にフレッシュな日本酒を飲むことができます。 また、日本酒を選ぶときも瓶の色に着目してみるのもいいかもしれません。 サイズが大容量の方がたくさん飲めていいと一概にはいえないので、品質を保つことにもこだわって日本酒を選んでみてくださいね。

【唎酒師が解説】開封後の日本酒はいつまで飲める?保存方法から劣化の見分け方まで解説!

「開封後の日本酒がいつまでおいしく飲めるのか知りたい」 「開封後の日本酒の保存はなにに気をつければいいのか知りたい」 「開封後に劣化してしまった日本酒の特徴が知りたい」 この記事はそんな方へ向けて書いています。 日本酒は賞味期限がないお酒ですが、開封後は味や香りが変化しやすいため早めに飲み切るのがおすすめです。 今回は、開封後の日本酒の保存方法や、風味が落ちてしまった日本酒の特徴を紹介します。時間が経った日本酒の使い道などもぜひチェックしてみてくださいね。 1.開封後の日本酒は未開封よりも早く劣化していく 開封後の日本酒は、未開封の状態よりも早く劣化していきます。なぜなら、お酒が空気に触れることによって酸化が進んでいくからです。 酸化とは、お酒の色が変わったり、味わいが変化したりする現象を意味します。お酒の酸化は、決して悪いことばかりではありません。例えば、お酒をグラスに移して空気に触れさせると、味わいがまろやかに変化するというメリットもあります。 一方で、空気に触れた状態で長期間保存していると、色合いが茶色く変化したり、苦味や酸味が生じたりといった劣化につながってしまいます。 蔵の目指す味わいをそのまま楽しむ意味でも、開封後の日本酒はなるべく早く飲み切るのがおすすめといえるでしょう。 2.開封後の日本酒はいつまで美味しく飲める? 開封後の日本酒を美味しく飲める期間は、製造方法により異なります。日本酒の製造過程では「火入れ」と呼ばれる加熱殺菌処理を2度おこないますが、以下のように加熱をしない「生」タイプのお酒もあるからです。 加熱をしていないお酒は、フレッシュなだけに品質が変わりやすい状態です。そのため、開封後に美味しく飲める期間も限られてしまいます。銘柄により味わいの変化は異なるため、以下の期間はあくまでも目安として飲み切るまでの参考にしてくださいね。 2-1.2回火入れをした日本酒は1カ月以内が目安 2回火入れをした日本酒は、開封後1カ月以内に飲み切るのがおすすめです。空気に触れることで、味や香りは徐々に変化していきます。 味わいがまろやかになったり、香りがおだやかになったりといった変化も、日本酒のおもしろさのひとつです。そのなかで、風味が落ちないうちに美味しく味わうには1カ月を目安にすると良いでしょう。 2-2.生酒や生詰め酒・生貯蔵酒は数日以内が目安 1度も火入れをしていない生酒や、火入れ回数の少ない生詰め酒・生貯蔵酒は早めに飲み切るようにしましょう。特に、生酒はフレッシュな香りと味わいが特徴です。開栓後は数日以内に飲み切ったほうが、生酒の魅力を存分に堪能できます。 また、これらのお酒は冷蔵保管が基本です。お酒の劣化を防ぐためにも、購入前後とも冷蔵庫に入れキリッと冷やしてその美味しさを楽しんでください。 生酒についてより詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。 日本酒の生酒とは?火入れをした日本酒との違いや楽しみ方を解説! 3.開封後の日本酒の保存方法 生酒はもちろん、火入れをしているお酒も開封後は冷蔵保存がおすすめです。また、縦置きにしたり、紫外線を避けたりすることで美味しい状態をより長くキープできます。 3-1.冷蔵庫で保存する 開封した日本酒は、冷蔵庫で保存しましょう。火入れをしているお酒も、冷蔵庫で保存することで香りや味わいの変化がおさえられます。 火入れをしているお酒であれば、開封前は常温保存が可能です。ただし、温度の高い場所で保存すると「老香(ひねか)」と呼ばれる劣化臭が生じる可能性があるため、なるべく涼しい場所に置くように心がけてください。 3-2.縦置きをする 冷蔵庫内では、なるべく縦置きで保管しましょう。飲みかけの日本酒を横向きにすると、お酒と空気が触れる面積が増え酸化が進んでしまいます。 冷蔵庫に縦置きできるスペースがないときは、小さな容器に移し替えるのもおすすめです。その際は、乾燥した清潔な容器を使用してくださいね。 3-3.紫外線や光には当てないようにする 開封前後とも、日本酒は紫外線や光が当たらない場所に保存しましょう。紫外線に当たると色が茶色く変化し、「日光臭(にっこうしゅう)」と呼ばれる劣化臭が生じる可能性があります。 日本酒専用のセラーであれば、保存もより安心です。紫外線や光の影響を最小限に抑えられます。開封前の日本酒はもちろん、開封後の日本酒も美味しい状態をより長くキープできますよ。 4.開封後に風味が落ちた日本酒3つの特徴 開封後に時間が経ち、風味が落ちた日本酒には次のような3つの特徴が現れます。 色合いが茶色く変化する 不快に感じられる香りが生まれる 苦味や酸味が生まれる まだ美味しく飲めるかな?と気になる日本酒があるときは、これらの特徴がないか確認してみてください。お酒が劣化していないかを判断する目安になります。 4-1.色合いが茶色く変化する 日本酒は、年数の経過とともに色合いが茶色く変化していきます。これは開封後の日本酒も同様です。特に、紫外線や光を浴びる環境で保存していた場合は、色付くスピードが速くなるでしょう。 近年注目を集めている「熟成酒」も、時間の経過とともに色合いが変化するお酒です。ただし、開封しているお酒は、熟成ではなく酸化の影響が大きいと考えられます。この場合、香りや味わいもあわせて状態を判断してみてください。 4-2.不快に感じられる香りが生まれる 日本酒は、空気や光の影響を受けると香りに変化が現れます。開封後に時間が経つことで、ツンとした不快な香りが生まれることもあるでしょう。 これは「老香」や「日光臭」と呼ばれ、劣化したお酒によく現れる香りです。この場合、日本酒は風味が落ち、蔵の目指す味わいとは異なるものになってしまったと考えられます。 4-3.苦味や酸味を感じることも 日本酒の味わいは、時間の経過とともに徐々に変わっていきます。なかには、熟成させることでまろやかな味わいに変化することもあるでしょう。 一方で、開封後に風味が落ちたお酒には、苦味や酸味といった特徴が現れます。決して飲めないお酒になってしまったわけではありませんが、その際は次に紹介する使い道も検討してみてください。 5.開封後に時間が経った日本酒の使い道 「飲みかけの日本酒、うっかりいつまでも置いたままにしてしまった」という経験はありませんか? 「なんだか香りも味も美味しいとは言えないけど、捨てるのはもったいない…」というときは、料理やお風呂に使うのもひとつの方法です。 5-1.料理酒として使う 日本酒を使った料理は、香りが上品に仕上がります。また、素材がふっくらとやわらかくなったり、コクがプラスされたりと、さまざまなメリットが生まれるのが特徴です。料理酒の代わりに活用するほか、汁物や鍋に加えるのもおすすめですよ。 料理酒の代用としての使い方はこちらの記事で詳しく紹介しているので、参考にしてみてください。 日本酒は料理酒としても使える!日本酒と料理酒の違いなどについて解説 5-2.お風呂に入れて日本酒風呂に 飲み頃を過ぎた日本酒がたくさんあるときは、日本酒風呂はいかがでしょうか?日本酒風呂は、美肌効果や発汗作用が期待できるといわれています。 日本酒を入れる目安は、コップに1~3杯程度。肌が弱い方は少量にするほか、子どもや妊婦の方などは避けがほうがベターです。問題ない方は、初めは少量ずつ試しながら自分に合う量を見つけてみてくださいね。 日本酒風呂についてはこちらの記事で詳しく紹介しているので、参考にしてみてください。 日本酒風呂で美肌をGET!日本酒はデトックス効果も期待できる優秀な入浴剤 6.開封後の日本酒に関するQ&A 6-1.開封後に常温で置いておいた日本酒は飲めますか? 日本酒はそもそも腐るということはありませんので、飲めるには飲めます。しかし、開封後の日本酒を常温で置いておくことで劣化しており、常温で置いている期間の長さにもよりますが、長ければ香りや味わいが著しく損なわれている可能性が考えられます。 飲む前に香りを確認してみて、本来の日本酒とは違う鼻をつくような香りがしたら、味わいも劣化している可能性が高いです。 6-2.開封後に数年経過した日本酒は飲めますか? 火入れをしていない生酒などは劣化している可能性が高いですが、2回火入れをされている一般的な日本酒で、冷蔵保存をしている環境であれば、いい方向に熟成されている可能性もあります。 ツンと鼻をつくような老香(ひねか)ではなく、カラメルのような濃醇な香りがした場合は劣化ではなく、いい方向に熟成がされています。 まとめ 日本酒は、開封して空気に触れることで味や香りが変化しやすくなります。そのため、開封後はなるべく早く飲み切るのがおすすめです。特に、火入れをしていない生酒は、早めに味わったほうがフレッシュな香りやジューシーな旨味を堪能できます。 日本酒の味わいをキープするには、開封前も冷蔵庫や冷暗所で保存することが大切です。ぜひ、蔵から送り出された味わいそのままに、日本酒の美味しさを楽しんでください。

【唎酒師が解説】日本酒の「薫酒」「爽酒」「醇酒」「熟酒」とは?4タイプの特徴について解説!

日本酒は、味や香りで薫酒(くんしゅ)、爽酒(そうしゅ)、醇酒(じゅんしゅ)、熟酒(じゅくしゅ)と4つのタイプに分類されます。それぞれの違いを知っていると、日本酒選びがぐんと楽しく簡単になりおすすめです。 今回は、日本酒の4タイプ分類について詳しく紹介します。それぞれの特徴やおすすめの飲み方など、ぜひ参考にしてください。 1.日本酒の4タイプ分類とは (出典元:NPO法人FBO) 日本酒の4タイプ分類は、味や香りの個性によって日本酒を分類したものです。 爽酒(そうしゅ) 薫酒(くんしゅ) 醇酒(じゅんしゅ) 熟酒(じゅくしゅ) 爽酒は、味わいがスッキリとしたキレのあるタイプ。薫酒は、リンゴや洋梨のようなフルーティーな香りを楽しめます。 コクのある日本酒を味わいたいときは、醇酒がおすすめ。熟酒は、熟成による複雑な味と香りが魅力です。 4タイプの個性を知ると、自分好みの日本酒を見つけやすくなります。「こんな味わいの日本酒があったんだ!」と意外な発見もあるかもしれません。さらに、相性のよい料理をあわせれば日本酒×料理のマリアージュを堪能できます。 2.香りの高い薫酒 「薫る酒」と書くように、薫酒は華やかな香りのお酒です。甘さを感じるタイプも多く、飲みやすさから日本酒ビギナーにも好まれています。 2-1.薫酒の特徴 薫酒は、リンゴや洋梨のようなフルーティーな香りが特徴です。華やかな香りは吟醸香(ぎんじょうか・ぎんじょうこう)と呼ばれます。 吟醸香は「吟醸造り」によって生まれる香りです。よりよく精米した米を原料に、低温でゆっくりと発酵させることで香り成分が醪(もろみ)に閉じ込められ、搾ったときに華やかな香りが生じやすくなります。 また、搾りたての「新酒」は、吟醸造りでなくても華やかな香りがたつことがあります。薫酒好きは秋から冬にかけての新酒シーズンも要チェックです。 2-2.薫酒に該当する日本酒 吟醸香が特徴の薫酒は、吟醸造りで造られた以下のお酒に多くみられます。 吟醸酒 純米吟醸酒 大吟醸酒 純米大吟醸酒 名前に「純米」とついているのは、米と米こうじのみで造られた日本酒です。また、「大」とつくほど、より小さく精米した米を原料としています。 2-3.薫酒のおすすめの楽しみ方 薫酒を楽しむおすすめの温度帯 冷や(15℃前後) 薫酒の華やかな香りを消さないためには、15℃前後の温度帯で楽しむのがおすすめです。冷やしすぎると、せっかくの香りや甘みを感じにくくなってしまいます。 冷やした状態からゆっくりと味わいながら、温度とともに変化する香りを楽しむのもおすすめですよ。 おすすめの酒器 薫酒を飲むときにぜひおすすめしたいのが、ワイングラスに注ぐスタイルです。グラスのぽってりとした形状が香りを包み込み。フルーティーな香りを感じやすくなる飲み方です。 薄いガラス製のグラスを使うことで、シャープな味わいも感じやすくなります。薫酒の香りとともに、スッキリした飲み口を楽しめるでしょう。 相性のいい料理例 華やかな香りの薫酒には、同じように香りが特徴的な料理がマッチします。柑橘系の食材や、ハーブ類とも相性ばつぐんです。シュワシュワと泡立つスパークリングタイプの薫酒は、食前酒として楽しむのもおすすめですよ。 【和食】 ハモの梅肉添え、大根とゆずの甘酢漬け 【その他】 サーモンの香草焼き、ベトナム風サラダ 3.軽快でなめらかな爽酒 爽酒は、軽快でシンプルな香りの日本酒です。スッキリとした味わいは、料理の魅力を引き立ててくれます。食中酒として好まれることの多いタイプです。 3-1.爽酒の特徴 爽酒は、「淡麗」「シャープ」「キレがある」などと表現される、スッキリとした味わいが特徴です。香りはシンプルで穏やか。料理とともに飲み飽きせずに楽しめます。 3-2.爽酒に該当する日本酒 爽酒に該当する日本酒には、主に以下の2種類が挙げられます。 普通酒 本醸造酒 普通酒は、流通する日本酒全体の約65%を占めるお酒です。コンビニやスーパーなどで手軽に購入できます。 また、本醸造酒は米と米こうじ、醸造アルコールを原料とする日本酒です。アルコール度数の高い醸造アルコールにより、キリッとした味わいが生み出されています。 より爽やかな個性を楽しみたいときは、「生酒」もおすすめです。通常の日本酒造りでおこなう加熱殺菌処理をしていないため、よりフレッシュな飲み口を堪能できます。 3-3.爽酒のおすすめの楽しみ方 爽酒を楽しむおすすめの温度帯 冷や(5~15℃) 燗(45~50℃) 爽酒は、幅広い温度帯で楽しめる日本酒です。シャープなキレ味を楽しみたいときは、ぜひ冷やしてみてください。加水調整をしていない「原酒」であれば、ロックやソーダ割にするのもおすすめです。 また、普通酒や本醸造酒は、温めるとキレのある味わいが引き立ちます。ぐんと温度を上げ、冷める間の変化を楽しめるスタイルも、冷やでも燗でも楽しめる日本酒ならではの飲み方です。 おすすめの酒器 スッキリとした味わいの爽酒には、ガラス製や磁器製の酒器がおすすめです。特に、ガラス製のぐい呑みは涼やかさを演出してくれます。 普通酒や本醸造酒はコストパフォーマンスに優れ、日常酒として気軽に楽しめることが魅力です。お気に入りの酒器を用意すれば、家飲み時間がより充実したものになりそうですね。 相性のいい料理例 香り控えめ、ドライテイストの爽酒は食中酒にぴったりのお酒です。味わいが繊細な和食の良きパートナーとなってくれます。 口内のリフレッシュ作用もあるため、油ものと合わせるのもおすすめです。ロックやソーダ割、ジュース割にすれば、唐揚げや焼き鳥にも絶妙にマッチします。 【和食】 冷奴、刺身、そば、天ぷら、鶏のから揚げ、焼き鳥 【その他】 タコのマリネ、冷製パスタ 4.コクのある醇酒 味の濃い酒、という意味をもつ「醇」という文字。その名のとおり、醇酒はコクのあるお酒です。米と米こうじのみで造られる「純米酒」に多く、燗酒にするとより魅力がアップします。 4-1.醇酒の特徴 醇酒は旨味成分を多く含み、味の余韻が長く続くお酒です。口当たりまろやかで、ゆったり味わいたくなる魅力にあふれています。和食とマッチする銘柄も多く、日本酒本来の魅力を堪能できるタイプです。 4-2.醇酒に該当する日本酒 醇酒には、米と米こうじのみを原料とする以下の2種類が該当します。 純米酒 特別純米酒 また、ラベルに「生酛(きもと)」や「山廃(やまはい)」とある日本酒も、醇酒タイプのお酒が多いです。昔ながらの製法で造られるこれらの日本酒は、繊細かつ深みのある味わいを堪能できます。 4-3.醇酒のおすすめの楽しみ方 醇酒を楽しむおすすめの温度帯 冷や(15~20℃) 燗(40~45℃) 醇酒のコクは、冷やしすぎると感じづらくなってしまいます。温めるときは、ほどよいぬる燗がおすすめです。湯気とともに広がるやわかな香りが、心をほっと和ませてくれます。 おすすめの酒器 味に深みのある醇酒は、ぜひ陶磁器で楽しんでみてください。温かみのある材質が、醇酒の魅力を引き立ててくれます。 飲み口に厚みがあり、まろやかな旨味や甘みを感じやすくなるのも特徴です。燗酒で楽しめるよう、とっくりとおちょこをセットで揃えるのも良いですね。 相性のいい料理例 ごはんがおかずの良きパートナーであるように、醇酒もペアリングの幅が広いお酒です。相手が風味の強い発酵食品でも、旨味成分が上手に調和し新たなハーモニーが生まれます。 また、生酛造りや山廃造りの日本酒は、チーズや生クリームと好相性。乳酸菌由来のクリーミーな風味が、グラタンやラザニアのような洋食メニューと絶妙にマッチします。 【和食】 ぶり大根、おでん、筑前煮、鮭のホイル焼き、カラスミ、イカの塩辛 【その他】 サイコロステーキ、グラタン、ラザニア、チーズフォンデュ 5.熟成された熟酒 熟酒は、一定年数熟成させたお酒です。時間を重ねることで、味や香りだけでなく見た目も変化します。市場に出回る数は少ない、希少性の高いタイプです。 5-1.熟酒の特徴 熟成を重ねた熟酒は、見た目が茶色や黄色、琥珀色に変化します。通常の日本酒に比べ、トロリと粘性があるのが特徴です。 複雑な香りは、ナッツやドライフルーツのよう。甘み、苦味、旨味とさまざまな要素が凝縮し、ブランデーやウイスキーをたしなむように、少しずつ楽しみたくなる味わいです。 日本酒は、温度や光の影響を受けやすいお酒です。美味しい熟酒に育てるためには、適切な環境で管理する必要があります。 そのため、年数を重ねた熟酒ほど価格帯は上がるものの、希少性の高さと個性的な味わいから、近年は海外でも注目を集めています。 5-2.熟酒に該当する日本酒 熟酒タイプの日本酒の多くは、ラベルに以下のような表記があります。 古酒 熟成酒 秘蔵酒 どれほど熟成させたお酒を「古酒」や「熟成酒」とするのか公的な定義はないものの、熟酒を飲みたいときはこれらの表記を参考にするとよいでしょう。 5-3.熟酒のおすすめの楽しみ方 熟酒を楽しむおすすめの温度帯 冷や(常温20~25℃) 燗(35℃前後) 熟酒は、常温やぬる燗で味わうのがおすすめです。温めすぎても冷やしすぎても、複雑かつ魅力的な香りが飛んでしまいます。グラスを手で温めれば、温度による香りの変化も楽しめますよ。 おすすめの酒器 少しずつじっくりと味わいたい熟酒には、小さめの酒器が適しています。飲み干すまでの時間も短く、コンディションが良い状態で楽しめるでしょう。 香りを楽しむお酒、ブランデー用のブランデーグラスや、小さなショットグラスもおすすめです。年数を重ねた熟酒の雰囲気にマッチするよう、風情のある素材やデザインの酒器を選ぶのも良いですね。 相性のいい料理例 複雑で重厚感のある味わいの熟酒には、味の濃い料理やスパイスをきかせた料理が良く合います。食後酒としてデザートと合わせるのもおすすめです。 意外性のあるおすすめデザートは、和菓子の羊羹(ようかん)。小豆の甘さとつるりとした舌ざわり、熟酒の濃密な味わいが、なんともいえないハーモニーを生み出します。 【和食】 西京漬け、山椒をきかせたウナギのかば焼き、豚の角煮、羊羹 【その他】 ブルーチーズのハチミツ添え、ドライフルーツ、ナッツ、チョコレートケーキ まとめ ひとくちに日本酒といっても、個性はさまざま。香りのあるものからコクのあるものまで、多くのタイプが存在します。 温めたり冷やしたりと、飲用スタイルの幅の広さも日本酒ならではの魅力です。ぜひ、日本酒4タイプを参考に、自分好みの味わいや、日本酒の楽しみ方を見つけてみてくださいね。

酒粕には栄養たっぷり!酒粕に含まれる栄養と効能を解説

酒粕は、さまざまな効能が期待できる発酵食品です。血圧を下げる働きや美容効果、便秘予防効果があるといわれています。 今回は、酒粕の効能についてくわしくご紹介。食べるときの注意点も解説します。酒粕のおいしい食べ方もぜひ参考にしてください。 1.酒粕とは? 酒粕は、日本酒造りの工程で生まれる副産物です。蒸した米と米麹、水を発酵させた「醪(もろみ)」と呼ばれる白い液体を搾ると、液体の日本酒と、個体の酒粕とにわかれます。 米由来の栄養をたっぷりと含む酒粕は、料理にも用いられる発酵食品です。主に甘酒や粕汁、粕漬けなどに使用されます。 2.酒粕によって得られる効能 酒粕は、たんぱく質やビタミン、食物繊維などを含む食品です。米由来の成分だけでなく、麹菌や酵母が生成するさまざまな栄養素が含まれ、健康面における効能や美容効果が期待できます。 2-1.ペプチドによる冷え性改善、血圧低下作用 ペプチドは牛乳や魚などに含まれ、効能はそれぞれに異なります。酒粕ペプチドの特徴は、冷え性改善や血圧低下作用があることです。 酒粕ペプチドは、医薬品のように急速に血圧を低下させるのではなく、ゆるやかに血圧の上昇を抑えるといわれています。また、血流を拡張する作用があるため、冷え性改善にも効果的です。 2-2.オリゴ糖や食物繊維による整腸作用 酒粕には、100gあたり5.2gの食物繊維が含まれています。食物繊維には整腸作用があり、便秘予防に効果的です。また、発酵の際に生まれるオリゴ糖は、大腸でビフィズス菌を増殖させ腸内環境を整えてくれます。 2-3.レジスタントプロテインによるコレステロールの低下 レジスタントプロテインとは、胃で消化されにくいたんぱく質のことです。小腸で食べ物の油や脂質をキャッチし、体外へと運び出す働きがあります。 結果、コレステロール値を下げたり、肥満予防につながったりとさまざまな効果が期待できます。酒粕のほか、大豆や米などにも含まれる成分です。 2-4.免疫力を高める作用 日本酒造りに欠かせない麹菌や酵母菌には、免疫力をアップさせる作用があります。 麹菌は日本酒造りのほか、味噌や醤油、みりんといった日本由来の発酵食品に使われるカビの一種です。また、酵母菌には、腸内の免疫細胞に働きかけるβグルカンという成分も含まれています。 2-5.ビタミンB群による美肌効果 酒粕は、ビタミンB群を豊富に含む食品です。皮膚の健康を維持するといわれるビタミンB2の含有量は、100gあたり0.26mg。たんぱく質の代謝を助けるビタミンB6は、100gあたり0.94mg含まれています。 肌のうるおいを保つセラミドの一種、グルコシルセラミドも含まれるため、食品と摂取するほか、パックとして活用すると保湿効果が期待できます。 参考:文部科学省「食品成分データベース」 https://sake-5.jp/sake-lees-pack/ 3.酒粕を加熱すると栄養素はどうなる?食べるときの注意点 栄養豊富な酒粕ですが、食べる時にはいくつか注意が必要です。特に気を付けたいのがアルコール分。妊婦さんや子どもさん、運転前などは摂取を控えましょう。ここでは、加熱して食べる際のポイントもご紹介します。 3-1.酒粕にはアルコールが含まれている 酒粕には、100gあたり8.2gのアルコールが含まれています。そのため、お酒に弱い方や運転前、妊婦さんやお子さんは注意が必要です。 加熱したとしても、少量のアルコールは残ってしまいます。特に、甘酒には米麹由来のノンアルコールタイプと、酒粕を使ったアルコールを含むタイプがあるため気を付けてください。 市販されている酒粕甘酒の多くは、アルコール度数1%以下と非常に少ない量に調整されています。とはいえ、気になるときは控えたほうがよいでしょう。 3-2.酒粕を加熱するときは汁ごと摂取する 酒粕に含まれる栄養素には、加熱すると減少したり、水に溶けだしてしまったりするものがあります。そのため、酒粕を加熱するときは、粕汁のように汁ごと摂取できるメニューがおすすめです。 ただし、加熱したとしてもすべての栄養素が失われるわけではありません。気軽においしく酒粕を楽しんでみてください。 4.酒粕のおいしい食べ方 酒粕は定番メニュー粕汁のほか、粕漬けやスープなどに活用できます。 粕漬けは、酒粕に味噌や砂糖、酒、塩などを加えて魚を漬け込む調理法です。鮭やタラなどを半日漬け込めば、あとは焼くだけでおいしい魚の粕漬け焼きができあがります。 また、洋風のスープ仕立てもおすすめです。酒粕を溶かした出汁で野菜を煮込み、豆乳と味噌で仕上げると、酒粕の栄養素に野菜のビタミンや食物繊維がプラスされたスープになります。 もっと手軽に食べたいときは、板状の酒粕をトースターで焼いてみてください。砂糖醤油やはちみつをかければ、外はこおばしく中はふっくらとしたお菓子のような一品に仕上がります。 5.妊婦さんが酒粕を食すのは注意が必要 栄養満点で美容などにも効果のある酒粕ですが、妊婦さんが食すのは注意が必要です。 なぜなら、酒粕にもアルコールが含まれており、妊娠中にアルコールを摂取すると、胎盤を通じてアルコールがお腹の赤ちゃんに入り、悪影響を及ぼすといわれています。 早産や流産、分娩異常の原因になるほか、胎児性アルコール症候群(FAS)を引き起こす可能性があるため注意が必要です。 妊娠中に安全なアルコール量は解明されていないため、妊娠中や妊娠を望む時期は酒粕も控えたほうがよいでしょう。 まとめ 日本酒造りの副産物、酒粕は栄養豊富な食品です。おいしいだけでなく、さまざまな効能が期待できます。アルコールを含むことをふまえつつ、ぜひ日々の食事に活用してみてください。

【唎酒師が解説】日本酒にワイングラスをおすすめする3つの理由。日本酒に合うワイングラスの選び方のポイントも解説

「日本酒をワイングラスで飲むのってどういう利点があるの?」 「日本酒をワイングラスで楽しむにはどんなワイングラスを選べばいいの?」 「どんな日本酒がワイングラスで飲むのにおすすめ?」 この記事はそんな方へ向けて書いています。 日本酒の飲むための酒器はおちょこやぐい吞みのほか、ワイングラスで楽しむのもおすすめです。ワイングラスの老舗メーカー、リーデルからも日本酒用のグラスが販売されています。 今回は、日本酒にワイングラスをおすすめする3つの理由について解説!日本酒のタイプにあわせたグラスの選び方やワイングラスで楽しむのにおすすめの日本酒もご紹介します。 一度ワイングラスで日本酒を味わえば、お酒の楽しみ方がグッと広がるはず。購入におすすめのブランド情報もぜひ参考にしてください。 1.日本酒にワイングラスをおすすめする3つの理由 日本酒にワイングラスをおすすめする理由には、以下の3点があげられます。 日本酒の色合いを楽しめる 日本酒の香りが引き立つ 繊細な口当たりを楽しめる 1つめは、日本酒の色合いをグラスの外側から楽しめること。スパークリング日本酒であれば、グラスの底から泡が立つ様子も確認できます。 2つめは、日本酒の香りが引き立つことです。特に、リンゴや洋ナシのようなフルーティーな香りの日本酒は、ワイングラスで味わうのがおすすめ。底が丸く、口がすぼまった形状のワイングラスはお酒の香りをグラスの中に閉じ込めてくれます。 また、3つめにあげているように、ガラス製のワイングラスは繊細な口当たりを楽しめることが特徴です。唇に当たる部分が薄いほど、シャープなキレ味を堪能できます。 2.日本酒のタイプにあわせたワイングラスの選び方 日本酒のタイプは、香りや味わいで以下の4つのタイプに分類されます。 薫酒(くんしゅ) 爽酒(そうしゅ) 熟酒(じゅくしゅ) 醇酒(じゅんしゅ) また、ワイングラスの形状も、丸い形のものからストレート型までタイプはさまざまです。 それぞれ相性の良い組み合わせを選べば、日本酒をもっとおいしく楽しめます。ここでは、日本酒のタイプにあわせたワイングラスの選び方を紹介していきますね。 2-1.薫酒(くんしゅ):吟醸酒にはブルゴーニュ型、モンラッシェ型 「薫る」「酒」とあるように、薫酒タイプのお酒はフルーティーな香りが特徴です。主に、純米大吟醸酒、吟醸酒などが薫酒に該当します。 薫酒には、底がぽってりと丸いブルゴーニュ型やモンラッシェ型、口の開いたラッパ型のグラスがおすすめです。日本酒のフルーティーな香りと味わいをぞんぶんに楽しめます。 2-2.爽酒(そうしゅ):普通酒、本醸造酒にはフルートグラス 「爽酒」は、スッキリとキレのあるタイプの日本酒です。後口は軽く、香りも穏やかな普通酒や本醸造酒などが該当します。 シンプルな味わいの爽酒には、ストレート型で背の高いフルートグラスがおすすめです。シュワッと泡立つスパークリング酒にも適しています。グラスの底から細かな泡が立つ様子を確認できますよ。 2-3.熟酒(じゅくしゅ):熟成酒にはブランデーグラスをチョイス 「熟酒」には、年月をかけて熟成させた熟成酒が該当します。黄金色や琥珀色に変化した見た目と、複雑な香り、重厚な味わいが特徴です。 濃醇な旨味を持つ熟酒には、ブランデーグラスをチョイスしてみてください。ブランデーグラスは、口の広いクラシカルタイプのほか、ステムと呼ばれる持ち手の長い小さなタイプも多く見られます。熟酒をちびりちびりと楽しむときに最適なグラスです。 2-4.醇酒(じゅんしゅ):純米酒、生酛系にはボルドー型 「醇酒」は、深いコクと旨味を持つタイプのお酒です。主に、米と米麹のみを原料とする純米酒が該当します。また、伝統製法「生酛造り(きもとづくり)」で生まれるお酒も、複雑かつ豊かな味わいが特徴です。 醇酒の深い味わいには、重厚感のあるワインに用いられるボルドー型ワイングラスをあわせましょう。卵型のグラスが香りをやさしく包み込み、甘味や旨味、酸味のバランスを整えてくれます。 3.「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」というコンテストもある 「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」は、2011年に誕生した日本酒コンテストです。2022年の出品数は1000点以上。数ある銘柄のなかから、54点が最高金賞を受賞しました。 評価はすべて、銘柄を伏せたブラインド審査でおこなわれます。お酒の品質の良し悪しを競うことではなく、あくまでも日本酒の魅力を広く伝えていくことが目的です。 ワイングラスで飲むお酒選びに迷ったら、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」の受賞酒‌を参考にするのもおすすめですよ。 【公式サイト】ワイングラスでおいしい日本酒アワード 4.日本酒をワイングラスで!おすすめブランド5選 ここからは、ワイングラスのおすすめブランド5選を紹介します。高級ガラスメーカーからデイリーユースにおすすめのブランドまで、幅広くピックアップしました。ぜひお気に入りの1脚を見つけてくださいね。 4-1.RIEDEL(リーデル) RIEDEL(リーデル)は、高い品質と伝統の技を誇るワイングラスの老舗ブランドです。 リーデルのおすすめポイントは、日本酒用のグラスをリリースしていること。大吟醸用の「オー」や「ヴィノム」、純米酒用の「エクストリーム」など、幅広いラインナップが揃います。 木箱入りの商品は、日本酒好きな方へのプレゼントにもおすすめです。デカンタセットもあるため、好みにあわせたグラスをセレクトできますよ。 リーデル公式オンラインショップ (出典元:リーデル公式オンラインショップ) 4-2.LOBMEYR(ロブマイヤー) LOBMEYR(ロブマイヤー)は、オーストリアウィーンの高級ガラスメーカーです。貴族御用達の称号を受けたシャンデリアは、「光の彫像」と呼ばれる美しさ。ウィーンの王宮やオペラハウス、教会やホテルといった建造物を長年にわたり彩ってきました。 ロブマイヤーのワイングラスは、カリ・クリスタルという素材を採用し、軽く強度が高いのが特徴的。公式通販では、日本酒とセットになった「パトリシアン」や「バレリーナ」などのワイングラスが販売されています。 1脚あたり2万円前後のグラスは、大切な贈り物やプレミア日本酒を味わうシーンにおすすめです。 ロブマイヤー(LOBMEYR)公式通販オンラインショップ| (出典元:ロブマイヤー(LOBMEYR)公式通販オンラインショップ|) 4-3.STOLZLE LAUSITZ(シュトルツル ラウンジッツ) ドイツで約500年の歴史を持つガラス産業の中心地、ドレスデン近郊にあるガラスメーカーです。伝統的な製法と最先端技術を融合させたグラスは、シンプルでありながら機能性とコストパフォーマンスに優れています。 1脚あたり1000円台から購入できる美しいグラスは、レストランだけでなく一般家庭でも人気です。リムのないタンブラー型も豊富で、日々の食卓に高品質なグラスを求める方におすすめのブランドといえるでしょう。 4-4.SCHOTT ZWIESEL(ショット・ツヴィーゼル) ドイツのショット・ツヴィーゼルが手掛けるのは、耐久性と美しさを兼ね備えたワイングラスです。プロが使用するグラスとして、世界120ヵ国以上の有名レストランや高級ホテルで採用されています。 耐久性のひみつは、チタンとジルコニウムを配合した素材「トリタンクリスタル」。表面硬度が高く、傷が付きにくいのが特徴です。 スタンダードなテイスティング用のワイングラスは、2脚で4000円台と手ごろな価格帯。バリエーションも豊富なので、色々なタイプのグラスを揃えたい方にもおすすめです。 SCHOTT ZWIESEL(ショット・ツヴィーゼル)オンラインショップ (出典元:ツヴィーゼル・ジャパン) 4-5.iittala(イッタラ) iittala(イッタラ)は、エレガントでありながらも親しみやすいデザインで人気のガラスメーカーです。近年はガラス製品以外にも、北欧デザインのテーブルウェアが女性から高い人気を得ています。 イッタラの手掛けるワイングラス「エッセンス」は、ボウルの下部が広がったモダンなデザインが印象的。日常をちょっとオシャレに彩ってくれる、デイリーユースにぴったりのグラスです。 リムなしのタンブラーやお酒を入れておくカラフェも販売されているので、好みに合わせて揃えるのも楽しいですよ。 iittala/Arabia 公式通販サイト (出典元:iittala/Arabia 公式通販サイト) 2.ワイングラスで楽しむのにおすすめの日本酒10選 2-1.伯楽星 特別純米 伯楽星は「究極の食中酒」をコンセプトに醸されるお酒です。メロンやバナナのようなフルーティーな香りをワイングラスに注ぐことでより豊かに感じることができます。 味わいはバランスがよく、爽やかな酸味とキレの良さによって非常に食中酒に向いているお酒です。 (出典元:新澤醸造店) 2-2.甲子 純米 やわらか 地の恵 千葉産の契約栽培している五百万石を使用し、地下水を仕込水として米と米麹のみで仕込んだmade in千葉の純米酒です。 落ち着いたふんわりとした香りをワイングラスで楽しむことができます。原料由来の旨み成分を生かしたまろやかな口当たりとコクがありつつ、しっかりとした味わいを楽しむことができます。 (出典元:株式会社飯沼本家) 2-3.紀土-KID- 純米大吟醸 Sparkling 華やかなボトルの「紀土(きっど)」のスパークリング酒には、半分の大きさまで削った山田錦が使われています。香りはやや甘く、米の旨味も楽しめるお酒です。グラスに注ぐと細かな泡とともにフルーティーな香りが立ち上ります。 シャンパンのように、ぜひワイングラスで楽しんでみてください。 (出典元:うらの酒店) 2-4.陸奥八仙 赤ラベル 特別純米 栓を開けた瞬間から果実のようなフルーティーな香りが広がります。口当たりはまろやかでみずみずしい甘みを感じることができ、旨みや酸味のバランスが非常にいいお酒です。 (出典元:八戸酒造株式会社ONLINE SHOP) 2-5.一ノ蔵 純米吟醸 プリンセス・ミチコ 「プリンセス・ミチコ」は宮城県産のササニシキに、美智子上皇后陛下が皇太子妃時代に献呈されたバラ、プリンセス・ミチコから分離した花酵母である、東京農業大学バラ酵母PM-1を使用した日本酒です。この酵母は全国の7つの蔵元でしか使用許可がおりていない貴重な限定品。 バラを思わせるような華やかな香りと、透明感のあるキレがいい日本酒です。日本酒が好きな女性へのプレゼントにもおすすめ。母の日や大切な人への贈り物にもぴったりです。 (出典元:株式会社一ノ蔵) 2-6.作 玄乃智...

【唎酒師監修】日本酒の糖質は他のお酒よりも高い?気をつけるべきは日本酒よりおつまみの選び方

「日本酒は他のお酒より糖質が多いのか知りたい」 「日本酒ってお米からできているお酒だから、太りやすいのか知りたい」 この記事はそんな方へ向けて書いています。 日本酒は数字だけ見るとワインやビールより糖質が高いお酒です。一方で、アルコール度数が高いぶん、1杯あたりの糖質量はほかのお酒より少ないケースも考えられます。 今回は、日本酒のカロリーや糖質について詳しく解説します。「日本酒の糖質が気になる」という方は、ぜひ低糖質おつまみや飲みすぎを防ぐポイントも参考にしてくださいね。 1.日本酒の糖質、カロリーはどのくらい? 原料がお米の日本酒は「糖質、カロリーが高く太りやすい」というイメージを持たれがちなお酒です。実際に日本酒のカロリーや糖質はどのくらいなのでしょうか?まずは、日本酒とワインやビールなどを比較してみましょう。 カロリー・糖質(100mlあたり) カロリー(kcal) 糖質(g) 日本酒(純米酒) 103 3.6 赤ワイン 73 1.5 ビール 40 3.1 ウイスキー 237 0.0 焼酎(単式蒸溜) 146 0.0 【参考】文部科学省「第2章 日本食品標準成分表」 こうしてみると、カロリーはウイスキーが一番高く、次いで焼酎、日本酒と続くのがわかります。また、糖質量はウイスキーや焼酎が0.0gであるのに対し、日本酒は3.6gです。 ただし、ウイスキーや焼酎、日本酒はアルコール度数が高いお酒。水で割ったりロックで飲んだりすることが多く、1杯あたりのカロリーや糖質量は以下のように変化します。 カロリー・糖質(1杯あたり) 1杯の平均量(ml) カロリー(kcal) 糖質(g) 日本酒(純米酒1合) 180 約185 約6 赤ワイン(グラス) 125 約91 約1.8 ビール(中ジョッキ) 400 160 12.4 ウイスキー(ロック) 30 約71 0.0 焼酎(ロック) 90 約131 0.0 【参考】文部科学省「第2章 日本食品標準成分表」 こうしてみると、日本酒1杯あたりのカロリーはビールとさほど変わらず、糖質量は低いことがわかるのではないでしょうか。もちろん、飲みすぎればカロリーも糖質も余分に摂取することになりますが、適度に楽しむぶんには、日本酒は特別に糖質が高いお酒ではないといえるでしょう。 2.気をつけたいのはお酒よりおつまみ ダイエット中に気を付けたいのは、お酒よりもおつまみの内容です。「お酒を飲むと、ついつい食べ過ぎてしまって…」という経験はありませんか?これが、お酒を飲んで太ってしまう本当の原因だと考えられます。 お酒を飲むと、摂取したアルコールを代謝・分解するための糖分を補おうと、普段より食欲が増進されます。お腹いっぱいなのにシメのラーメンやお茶漬けが欲しくなるのも、この食欲増進作用によるものです。日本酒自体のカロリーは低くても、一緒に食べる料理の量や内容によっては、カロリー過多につながってしまいます。 また、飲酒時の体内では、食べ物よりアルコールのカロリー消費が優先されます。食べ物のカロリー消費は後回しになってしまうため、高カロリーのおつまみは特に注意が必要です。 ダイエット中にお酒を楽しみたいときは、お酒を飲みながら食べる料理は普段より脂肪がつきやすいことを意識してみてくださいね。 3.日本酒のおともにおすすめ!低糖質おつまみ5選 おいしい日本酒は、おいしいおつまみを合わせて楽しみたいものですよね。ここからは、お酒のおともにおすすめの低糖質おつまみ5選をご紹介します。 どれも簡単に用意できるのもうれしいポイント。コンビニやスーパーで手軽に購入できるものばかりなので、ぜひおつまみの定番候補に入れてみてください。 3-1.枝豆 おつまみの代表格「枝豆」は、たんぱく質やビタミン、食物繊維、ミネラルなどの栄養素を含む野菜です。そもそも枝豆は、大豆の未熟な豆の部分。栄養豊富なことはもちろん、100gあたりの糖質量は約4.3gと糖質が気になるときにおすすめです。 冷凍で出回ることの多い枝豆ですが、本来の旬は6~8月です。生の場合は塩ゆでにして、夏酒ロックと一緒に楽しむのもおすすめですよ。 3-2.クリームチーズ クリームチーズも、100gあたりの糖質量が2.3gと低糖質な食品です。日本酒のおつまみにするときには「いぶりがっこチーズ」にしてみてください。 いぶりがっこは、お漬物を燻した秋田の名産品です。いぶりがっこでクリームチーズを挟んだ「いぶりがっこチーズ」は、コクのある純米酒のようなお酒によく合います。クリームチーズは脂肪分が豊富に含まれているため、ダイエット中の食べ過ぎには気を付けてくださいね。 3-3.お刺身 まぐろやサーモン、イカなどの代表的なお刺身の糖質は0~0.1gです。魚の種類によって異なるものの1切れあたりのカロリーも低く、ダイエット中におすすめのおつまみといえます。 新鮮なお刺身のおともには、香り控えめでスッキリしたタイプのお酒がおすすめです。お互いの魅力を引き立てるペアリングになりますよ。 3-4.豆腐 大豆から作られる豆腐は、低糖質な食品の代表格です。こっくりした純米酒からスッキリタイプの本醸造酒まで、幅広いジャンルのお酒によく合います。 キリッと冷やした冷酒には冷奴、燗酒には湯豆腐をおともに楽しんでみてください。香り高い日本酒をワイングラスで味わうときは、豆腐サラダのアレンジもおすすめです。 3-5.焼き鳥 部位や味付けによってカロリーが変わるものの、焼き鳥は糖質が低いおつまみです。なかでも、ささみや砂肝、軟骨などは低カロリーで低糖質。味付けはタレではなく塩をチョイスしてください。手羽先や皮も糖質が低い部位ですが、カロリーは高めなので食べ過ぎに注意してくださいね。 4.日本酒の飲みすぎ、おつまみの食べすぎを防ぐ4つのポイント 日本酒の飲みすぎやおつまみの食べすぎを防ぐには、以下の4つのポイントに気を付けてください。 空きっ腹でお酒を飲まない お酒はマイペースでゆっくりと 温かい燗酒で楽しむ 和らぎ水(やわらぎみず)を飲みながら楽しむ これらのポイントをおさえれば、悪酔いや二日酔いを防ぐ効果も期待できます。年末年始など、お酒を飲む機会が増える時期にもおすすめですよ。 4-1.空きっ腹でお酒を飲まない 空きっ腹でお酒を飲むと、胃から小腸へアルコールが急速に吸収されすぐに酔いがまわってしまいます。悪酔いするだけでなく、食欲増進効果が高まり食べすぎに繋がるため注意が必要です。 また、アルコールには胃を荒らす作用があります。胃を保護するためにも、飲酒の前には軽く食べ物をつまんでおくように心がけましょう。 4-2.お酒はマイペースでゆっくりと お酒は自分のペースでゆっくりと楽しみましょう。アルコールの吸収速度が弱まり、食べすぎ飲みすぎを防ぐ効果が期待できます。 また、日本酒は枝豆や豆腐、魚といった高タンパクな食品のほか、ビタミンやミネラル豊富な野菜とも相性の良いお酒。食べすぎを防ぐためにも、ゆったりと料理と日本酒のペアリングを楽しむのがおすすめです。 4-3.温かい燗酒で楽しむ 「冷たいお酒はついつい飲みすぎてしまう」というときは、日本酒を温めてみましょう。温かい燗酒であれば、自然と飲む量が抑えられます。ゆっくり少量ずつ飲むため、肝臓への負担が少ないこともメリットのひとつです。 特に、米と米麹だけで造られる「純米酒」や、昔ながらの製法で造られる「山廃」などのお酒は、燗酒にするとさらなる魅力が広がります。燗酒は寒い冬だけのものと決めつけず、ぜひいろいろなシーンで味わってみてください。 4-4.和らぎ水(やわらぎみず)を飲みながら楽しむ 和らぎ水(やわらぎみず)とは、日本酒の合間に飲む水のことです。日本酒と同量、またはそれ以上の水を一緒に飲むことで、悪酔いや二日酔い予防効果が期待できます。血中アルコール濃度の急上昇が抑えられるため、食べすぎ予防にも効果的ですよ。 5.日本酒と糖質にまつわるQ&A 5-1.日本酒は血糖値を上げますか? 醸造酒である日本酒・ビール・ワイン、他に果物の入った甘い飲み物などは糖質が含まれているため、血糖値は上がります。 5-2.糖質制限中でも日本酒を飲んで大丈夫ですか? 糖質制限の目安としては、一般的に1食あたりの糖質量を20g以下、1日60g以下にするとされています。日本酒であれば1合あたりの糖質は約6gで、厚生労働省が推奨している、1日に飲むアルコールの適正量も同じく1合なので、一緒に食べる料理やおつまみの糖質量に気をつければ日本酒は1合までであれば問題ありません。 5-3.日本酒の種類によって、糖質に違いはありますか? 日本酒には純米酒や本醸造酒、吟醸酒などいくつか種類がありますが、わずかながら糖質量に差はあります。 文部科学省「第2章 日本食品標準成分表」より、100gの普通酒に含まれる糖質量は4.9g、純米酒は3.6g、本醸造酒は4.5g、吟醸酒は3.6g、純米吟醸酒は4.1gと違いがあります。 まとめ お米から造られる日本酒は、カロリーや糖質が高いと思われがちです。しかし、1度に摂取する量を考えると、特別にカロリーや糖質が高いわけではないことがおわかりいただけたのではないでしょうか。 ダイエットを意識するときは、おつまみの量や内容に気を付けてみてください。お酒を飲みすぎないよう、合間に和らぎ水などを挟むことも大切です。ちょっとずつ工夫しながら、今日もおいしい日本酒を楽しみましょう。

【唎酒師が解説!】日本酒と料理のペアリングを楽しもう!日本酒の4タイプ別の基本とコツを解説

日本酒と料理のペアリングのコツは、日本酒の香りや味の個性を知ることです。日本酒は、香りや味わいの要素をもとに大きく4つのタイプに分類されます。 日本酒に合わせるおつまみの選び方もペアリングを考えて選ぶと、よりおいしく日本酒を楽しむことができます。 今回は、唎酒師がペアリングの基本をご紹介!日本酒がもっと美味しく、そして楽しくなる組み合わせをわかりやすく解説します。 1.ペアリングとは? ペアリングとは、お酒と料理の相性のことです。ペアリングを楽しむ代表的なお酒といえば、ワイン。「肉料理には赤ワイン、魚料理には白ワイン」といったペアリングを耳にしたこともあるのではないでしょうか。 「ペアリング、なんだか難しそう…」と心配しなくても大丈夫! 「焼肉にはやっぱりビール」「アツアツのから揚げにはレモンサワー」普段何気なくしているこれらの組み合わせも、りっぱなお酒と料理のペアリングです。 日本酒×料理のペアリングのコツは、日本酒の4つのタイプを知ることから始まります。甘口や辛口で悩んでいた人も、日本酒選びがもっとわかりやすく、もっと楽しくなりますよ。 2.日本酒の4つのタイプを知ろう 「引用:SSI『日本酒の香味特性別分類(4タイプ)』」 日本酒は、香りと味わいの要素によって大きく以下の4つに分類されます。 爽酒(そうしゅ) 薫酒(くんしゅ) 醇酒(じゅんしゅ) 熟酒(じゅくしゅ) 相性が良い食材や料理は、タイプによって異なります。ラベルのチェックポイントも紹介するので、自分の好みの日本酒を見つける際の参考にしてくださいね。 https://sake-5.jp/four-types-of-sake-classification/ 2-1.爽酒(そうしゅ) お酒の特徴 「爽やか(さわやか)」と字にあるとおり、軽快でシンプルな香りが大きな特徴。「淡麗」「シャープ」「キレがある」と表現されることが多い日本酒です。爽酒のラベルには、主に以下の2種類の名称が記載されています。 普通酒 本醸造酒 普通酒は、醸造アルコールと呼ばれる材料を多く添加したお酒です。流通する日本酒全体の約65%を占めています。つまり、日本酒のなかでもっとも多いタイプが爽酒ということになりますね。 そのほか、加熱殺菌をしていない「生酒」も爽酒にあたります。日本酒ビギナーにおすすめの低アルコール日本酒も、スッキリと軽い味わいが特徴です。 米の外側をより多く精米して仕込んだ「精米歩合(せいまいぶあい)」の高い日本酒も、爽酒の個性を持つ場合があります。 相性のいい食材や料理 香り控えめ、ドライテイストの爽酒は食中酒にぴったりのお酒です。白身魚や豆腐が持つ繊細な味わいも消すことがありません。 口内をリフレッシュさせる効果もあるため、油ものと合わせるのもおすすめ。価格帯もリーズナブルなものが多く、晩酌のおともにぴったりの日本酒です。 【和食】 冷奴、刺身、そば、天ぷら、鶏のから揚げ、焼き鳥 【その他】 タコのマリネ、冷製パスタ 美味しい温度帯 冷や(5~15℃) 燗(45~50℃) 爽酒は幅広い温度帯で楽しめる日本酒です。特に、シャープなキレ味は冷やすほど感じやすくなります。普通酒や本醸造酒は温めるとキレのある味わいが引き立ち、燗酒好きにも人気です。 2-2.薫酒(くんしゅ) お酒の特徴 「薫酒」は華やかでフルーティーな香りを持つ日本酒です。味わいはスーッと喉に流れるように清らか。まろやかな甘みを持つものも多くみられます。 「バナナや白桃のような、フルーティーな香りがする薫酒が飲みたい」というときは、ラベルに以下のような表示のある日本酒をチェックしてみてください。 吟醸酒 純米吟醸酒 大吟醸 純米大吟醸 薫酒の華やかな香りは「吟醸香(ぎんじょうか・ぎんじょうこう)」と呼ばれます。吟醸酵母を使用したお酒から生まれる香りです。 近年は「純米酒」や「特別純米酒」と表記されたものにも、吟醸酵母が使用されている場合があります。 そのほか、搾りたての「新酒」から華やかでフルーティーな香りが感じられることも。薫酒好きは秋冬の新酒シーズンも要チェックです。 相性のいい食材や料理 華やかな香りを持つ薫酒は、同じように香りや酸味のある料理と相性抜群。柑橘系の食材やハーブ類とも良く合います。食中酒はもちろん、食前酒としても楽しむのもおすすめです。 【和食】 ハモの梅肉添え、大根とゆずの甘酢漬け 【その他】 サーモンの香草焼き、ベトナム風サラダ 美味しい温度帯 冷や(15℃前後) 薫酒の華やかな香りを消さないためには、15℃前後の温度帯で楽しむのがおすすめです。冷やしすぎると、せっかくの香りや甘みを感じにくくなってしまいます。 華やかな香りを引き立てるためにはグラスにもひと工夫。口の広いワイングラスに注げば、より一層フルーティーな香りが引き立ちますよ。 2-3.醇酒(じゅんしゅ) お酒の特徴 ふくよかな香りにコクのある飲み口。「醇酒」は旨味成分を多く含み、味の余韻が深く、長く続く日本酒です。醇酒には、米と米麹のみを原料とする以下の2種類が該当します。 純米酒 特別純米酒 また、ラベルに「生酛(きもと)」や「山廃酛(やまはいもと)」と書かれた日本酒も醇酒タイプです。昔ながらの製法で造られるこれらのお酒は、繊細でありながらも深みのある味わいが感じられます。 そのほか、「原酒」と書かれた加水されていないものや、熟成させたものも醇酒の特徴を持つお酒です。 相性のいい食材や料理 白米と合わないおかずはないように、米の旨味を持つ醇酒もペアリングの幅が広いお酒です。素材の生臭さを抑える効果もあるため、魚介類にも良く合います。相手が風味の強い発酵食品でも、旨味成分が上手に調和するのが特徴です。 また、乳酸菌由来のクリーミーな風味を持つ生酛や山廃酛は、チーズや生クリームとも好相性。ラベルにがっつりと漢字が書かれていながら意外や意外、洋食とのペアリングは抜群です。 【和食】 ぶり大根、おでん、筑前煮、鮭のホイル焼き、カラスミ、イカの塩辛 【その他】 サイコロステーキ、グラタン、ラザニア、チーズフォンデュ 美味しい温度帯 冷や(15~20℃) 燗(40~45℃) 醇酒のコクのある味わいは、冷たすぎると感じにくくなってしまいます。燗にするときは、ほどよいぬる燗がおすすめです。常温に近い温度帯でも美味しく楽しめます。 2-4.熟酒(じゅくしゅ) お酒の特徴 ハチミツやドライフルーツのように複雑で凝縮した香り。見た目は茶色や黄色に色づき、とろりと粘性があるのが特徴です。熟酒タイプの多くには、ラベルに以下のような表記があります。 古酒 熟成酒 秘蔵酒 3年から10年近く熟成させた味わいは、濃醇で出汁に例えられることもあるほど。市場に出回る数は少なく、希少性の高いお酒です。 相性のいい食材や料理 熟酒は、ほかのタイプにはない複雑で重厚感のある味わいが持ち味です。味の濃い料理や、スパイスをきかせた料理と良く合います。食後に飲むお酒として、デザートと合わせるのもおすすめです。 意外性のあるペアリングは、なんと和菓子の羊羹(ようかん)!小豆の甘さとつるりとした舌ざわり、熟酒の濃密な味わいが、なんともいえないハーモニーを生み出します。 【和食】 西京漬け、山椒をきかせたウナギのかば焼き、豚の角煮、羊羹 【その他】 ブルーチーズのハチミツ添え、ドライフルーツ、ナッツ、チョコレートケーキ 美味しい温度帯 冷や(常温20~25℃) 燗(35℃前後) 熟種は温めすぎても冷やしすぎても複雑味のある香りが飛んでしまいます。常温や、ぬる燗で楽しむのがおすすめです。 あえて冷たい温度帯から飲み始め、グラスを手で温めながら香りの変化を楽しむのもおすすめ。ブランデーグラスやショットグラスで楽しむ熟酒もオツなものですよ。 3.季節で楽しむ!日本酒と料理のペアリング ここからは、4タイプの日本酒と季節の料理とのペアリングを紹介します。 春 薫酒 ...

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