開封後の日本酒ってどうしたら?保存方法から劣化の見分け方まで解説!

宅飲みの定番といえる日本酒。上等な銘柄になると、毎日少しずつ飲みたいことも多いですよね。しかし、そこで気になるのが賞味期限です。一度開封した日本酒はいつまで大丈夫なのでしょうか。

今回は開封後の日本酒の賞味期限、保管方法などについて解説していきます。

1.開封後の日本酒の消費期限、経過について

開封前、開封後の日本酒のそれぞれの取り扱いや違いについては、以下の記事で解説しています!

日本酒の保存期間のキーは”開封前後”と”生酒”。期間の説明から注意点まで解説!!

1-1. 開封後の日本酒はいつまでが期限?

開封後の日本酒がどれくらい持つかは、保存する環境に大きく影響を受けます。常温で放置していると季節によっては3週間ほどで火落ち菌という菌が繁殖して、異常な酸味を発して飲めなくなってしまいます。

火落菌は酒以外の培地に生育せずメバロン酸を要求する真性火落菌と,普通培地に良く増殖しメバロン酸要求性のない火落性乳酸菌との両者に大別される。<中略>アルコール分15%の清酒に火落菌を植えて30℃に21日間おいた時,非常に良く生育する菌16株とそうでない菌50株との2群にはっきり分かれる。<中略>強い菌のほとんどはホモ型の真性火落菌であり,弱い菌は火落性乳酸菌とヘテロ型の真性火落菌である。

<出典元>日本釀造協會雜誌 65巻(1970),2号 – 火落菌について より 著者:野白 喜久雄 氏(国税庁醸造試験所), 百瀬 洋夫氏(国税庁醸造試験所)

ですが、開封後の日本酒も日本酒セラーや冷蔵庫などの、きちんとした環境で管理すれば、数ヶ月〜数年という長い期間、酒質こそ多少変化はしますが、熟成の変化を楽しみつつ美味しく楽しむことができます。

なので、冷蔵庫などの空きがない場合であれば、できれば3週間を目処に飲みきってしまうのが好ましいでしょう。

1-2. 開封後は3日~5日ほどで味や香りなど、酒質が変化してくる

一般的に、開封した日本酒には他の菌が入り込み、劣化してしまうといわれています。ですが、開封直後は固くて荒々しい味わいの日本酒が、数週間も経ってみると酒質が変化して、むしろ飲みやすくなった。ということも多くあります。

適切な環境で保存することを意識すれば、開封後3~5日で味わいの変化は感じられますが、数ヶ月と酒質の変化を香りと舌で楽しむことが可能です!味が変化するのが気になる。という場合は、飲みきりサイズの日本酒を購入したり、飲むタイミングを見計らって開封するのもおすすめです。

また、一升瓶を開けたけど飲みきれないという場合には、小さな容器に移して冷蔵庫で保管するもの良いです。一升瓶と比べ空気に触れる面積が少なくなるため、次に開けた時にもフレッシュな味わいを楽しむことができますよ。

ここがPOINT!

  • 開封後の日本酒は、日本酒セラーや冷蔵庫で保存できれば、数ヶ月〜数年の保存も可能
  • 常温で保存すると、3週間ほどで火落ち菌が繁殖し、酸っぱく飲めない味になってしまう
  • 開封後は3日~5日ほどから、日本酒の酒質の変化を楽しめる

2.製造法による酒質の変化スピードの違い

日本酒は製造法によって酒質の変化のスピードが異なります。ここからは各製造法ごとに違う劣化について詳しく解説していきます。

2-1. 火入れを2度した日本酒(生と表記のない日本酒)

日本酒のなかで最も酒質の変化のスピードが遅いのは、火入れを2度してある銘柄です。火入れとは簡単にいうと加熱処理のこと。熱によって殺菌が施されてあるため、酵母や菌の活動が最小になっているため変質しにくい特性があります。

一般的な銘柄は火入れを2度行うことがほとんど。「生◯◯」という記載がなければ、火入れを2度している=劣化しにくい日本酒と考えることができます。

2-2. 生貯蔵酒や生詰め酒

日本酒には火入れを1回のみで済ませた銘柄もあります。これらの種類は「生貯蔵酒」「生詰め酒」と呼ばれる種類。余分な加熱をしていないためフレッシュな味わいを楽しむことができる点が特徴ですが、2回火入れされた銘柄よりも傷みやすくなっています。

ラベルに生貯蔵酒、生詰め酒の記載があるときは早めに飲み切ることを意識しましょう。

2-3.生酒

日本酒で最も劣化しやすいのが「生酒」という種類です。生酒はまったく火入れをせずに出荷される日本酒。原料由来の新鮮な風味を楽しむことができます。しかし、雑菌が繁殖しやすいデメリットがあるため、日本酒セラーなどのきちんとした保管環境がないと長期保管は難しくなってしまいます。

ここがPOINT!

  • 「生」という言葉がついているものは、「火入れ」していないので変質しやすい

生酒や純米酒のイメージ写真

3. 日本酒が悪くなっていないかの判断ポイント

開封後の日本酒が、もしすでに劣化していたら…と心配になる事がありますよね。日本酒の劣化は次の要素で確かめることができます。

3-1. 黄色っぽくまたは茶色っぽく色が変化している(安心度70%)

日本酒は時間が経過することで、茶色に変色していることがあります。この場合は劣化しているのではなく、日本酒に含まれているアミノ酸による影響。飲んでも体に影響はありません。

しかし、茶色に変色した日本酒は飲むことに抵抗がありますよね。その場合は煮込み料理などの調味料として使うのがおすすめです。日本酒特有のコクが追加されるので、飲み切れない場合も料理酒として使っていきましょう。

3-2. 口に含んだときに変な酸味がある(安心度50%)

日本酒が劣化する原因の多くは空気に触れることによる酸化です。日本酒が酸化すると見た目に大きな変化はありませんが、味が格段に落ちます。

もし、開封後の日本酒を飲んだときにピリッとした辛さ、酸味を感じなければ酸化している可能性が高いです。不良品というわけではないので、誤解しないように注意してください。

3-3. 白い濁りが発生している(安心度30%)

白ボケという、酵素蛋白粒子が成長して白くなっている現象か、火落ち菌というものが繁殖しているサインの可能性があります。前者であれば飲めますが、後者の火落ち菌の場合はあきらめるしかありません。

火落ち菌とは?

火落ち菌とは特殊な乳酸菌の一種です。アルコールのなかでも繁殖できる性質を持っており、お酒にとっては天敵。火落ち菌が繁殖すると、日本酒が白く濁り、鼻をつく独特な臭みを発します

火落ち菌自体は体に害がないので飲んでも問題はないです。しかし、火落ち菌によって劣化した日本酒はとても飲めた味ではありません。日本酒から異臭を感じたときは飲まずにそのまま捨てたほうがいいでしょう。

タンパク混濁とは?

日本酒の濁りはただの「タンパク混濁」の可能性もあります。タンパク混濁とはその名のとおり、日本酒に含まれるタンパク質が固形化する現象。もともとの成分が沈殿して白く濁ったように見えるのです。

この場合はとくに風味の劣化といったものはありません。火落ち菌が増殖していると勘違いして捨てるのはもったいないので、匂いをチェックして判断してください。

ここがPOINT!

  • 白く濁っている日本酒は「火落ち菌」が繁殖し、酸味で飲めなくなっている可能性があるので要注意

女性 断る 反対する

4. 開封後の日本酒の正しい保管場所について

日本酒は一度開封したら適切な場所で保管することが大事です。以下の条件を満たす場所なら変質するスピードを遅くすることができるので、参考にしてみてください。また、もっともオススメなのは日本酒セラーなどの日本酒の保存に適した環境を用意することです!

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4-1. 涼しい場所

日本酒の保管に一番大事なポイントは涼しい場所であることです。室温が高い場所では雑菌が繁殖しやすくなり、衛生的によくありません。できれば直射日光の当たらない暗所に置いておきましょう。

日本酒は温度変化に弱い性質があります。同じ涼しい場所でも、時間帯によって急激に低温になるような場所は避けてください。温度の変化が少ない場所を選ぶことが大切です。

お酒の種類によって多少異なりますが、一般的には5度前後の涼しい場所であれば2年ほど、15度ほどの一定温度であれば1年ほどの保管が可能と言われています。

4-2. 空気に触れない場所

開封後の日本酒は空気によって酸化し、風味が劣化していきます。保管の際はできる空気に触れない場所が理想です。とはいえ、専用のセラーでもない限り、空気に触れない場所は難しいですよね。

一般家庭では冷蔵庫などの空気の流れが落ち着いているところに保管するのがおすすめです。先にも触れた涼しい場所にも該当しているので、スペースがあれば冷蔵庫に保管しましょう。

4-3. 光の当たらない場所

日本酒は開封、未開封問わず光の当たらない場所に保管するのが基本です。直射日光を避けることは前項まででも触れましたが、蛍光灯のような人工灯も厳禁。光が当たることで、日本酒が変色する可能性があります。

よくある例はキッチンなどの片隅に開封済みの日本酒をそのまま置いておくことです。蛍光灯など室内の照明が当たるため、収納棚や冷蔵庫に保管しておきましょう。

もし日本酒がもともと入っていた箱がある場合は、箱の中に入れて保管することをオススメします。

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ここがPOINT!

  • 日本酒の保管にもっとも適しているのは「日本酒セラー」
  • 日本酒セラーが無い場合は冷蔵庫。それも難しい場合は冷暗所で保管しましょう

冷蔵庫の中を覗く女性

6.まとめ

開封後の日本酒について解説しました。日本酒は賞味期限のないお酒。しかし、ちょっとしたことですぐに風味が劣化するデリケートな性質もあります。本来のおいしさのまま飲むには開封後にすぐ飲み切るのが理想です。

もし、何回かに分けて飲むのであれば本記事で紹介した保管方法を参考にしてください。少しの工夫で日本酒の風味を保つことができます。

ここがPOINT!

  • 開封後の日本酒は、日本酒セラーや冷蔵庫で保存できれば、数ヶ月〜数年の保存も可能
  • 常温で保存すると、3週間ほどで火落ち菌が繁殖し、酸っぱく飲めない味になってしまう
  • 開封後は3日~5日ほどから、日本酒の酒質の変化を楽しめる
  • 「生」という言葉がついているものは、「火入れ」していないので変質しやすい
  • 白く濁っている日本酒は「火落ち菌」が繁殖し、酸味で飲めなくなっている可能性があるので要注意
  • 日本酒の保管にもっとも適しているのは「日本酒セラー」
  • 日本酒セラーが無い場合は冷蔵庫。それも難しい場合は冷暗所で保管しましょう