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【唎酒師が解説】日本酒の「薫酒」「爽酒」「醇酒」「熟酒」とは?4タイプの特徴について解説!
日本酒は、味や香りで薫酒(くんしゅ)、爽酒(そうしゅ)、醇酒(じゅんしゅ)、熟酒(じゅくしゅ)と4つのタイプに分類されます。それぞれの違いを知っていると、日本酒選びがぐんと楽しく簡単になりおすすめです。 今回は、日本酒の4タイプ分類について詳しく紹介します。それぞれの特徴やおすすめの飲み方など、ぜひ参考にしてください。 1.日本酒の4タイプ分類とは (出典元:NPO法人FBO) 日本酒の4タイプ分類は、味や香りの個性によって日本酒を分類したものです。 爽酒(そうしゅ) 薫酒(くんしゅ) 醇酒(じゅんしゅ) 熟酒(じゅくしゅ) 爽酒は、味わいがスッキリとしたキレのあるタイプ。薫酒は、リンゴや洋梨のようなフルーティーな香りを楽しめます。 コクのある日本酒を味わいたいときは、醇酒がおすすめ。熟酒は、熟成による複雑な味と香りが魅力です。 4タイプの個性を知ると、自分好みの日本酒を見つけやすくなります。「こんな味わいの日本酒があったんだ!」と意外な発見もあるかもしれません。さらに、相性のよい料理をあわせれば日本酒×料理のマリアージュを堪能できます。 2.香りの高い薫酒 「薫る酒」と書くように、薫酒は華やかな香りのお酒です。甘さを感じるタイプも多く、飲みやすさから日本酒ビギナーにも好まれています。 2-1.薫酒の特徴 薫酒は、リンゴや洋梨のようなフルーティーな香りが特徴です。華やかな香りは吟醸香(ぎんじょうか・ぎんじょうこう)と呼ばれます。 吟醸香は「吟醸造り」によって生まれる香りです。よりよく精米した米を原料に、低温でゆっくりと発酵させることで香り成分が醪(もろみ)に閉じ込められ、搾ったときに華やかな香りが生じやすくなります。 また、搾りたての「新酒」は、吟醸造りでなくても華やかな香りがたつことがあります。薫酒好きは秋から冬にかけての新酒シーズンも要チェックです。 2-2.薫酒に該当する日本酒 吟醸香が特徴の薫酒は、吟醸造りで造られた以下のお酒に多くみられます。 吟醸酒 純米吟醸酒 大吟醸酒 純米大吟醸酒 名前に「純米」とついているのは、米と米こうじのみで造られた日本酒です。また、「大」とつくほど、より小さく精米した米を原料としています。 2-3.薫酒のおすすめの楽しみ方 薫酒を楽しむおすすめの温度帯 冷や(15℃前後) 薫酒の華やかな香りを消さないためには、15℃前後の温度帯で楽しむのがおすすめです。冷やしすぎると、せっかくの香りや甘みを感じにくくなってしまいます。 冷やした状態からゆっくりと味わいながら、温度とともに変化する香りを楽しむのもおすすめですよ。 おすすめの酒器 薫酒を飲むときにぜひおすすめしたいのが、ワイングラスに注ぐスタイルです。グラスのぽってりとした形状が香りを包み込み。フルーティーな香りを感じやすくなる飲み方です。 薄いガラス製のグラスを使うことで、シャープな味わいも感じやすくなります。薫酒の香りとともに、スッキリした飲み口を楽しめるでしょう。 相性のいい料理例 華やかな香りの薫酒には、同じように香りが特徴的な料理がマッチします。柑橘系の食材や、ハーブ類とも相性ばつぐんです。シュワシュワと泡立つスパークリングタイプの薫酒は、食前酒として楽しむのもおすすめですよ。 【和食】 ハモの梅肉添え、大根とゆずの甘酢漬け 【その他】 サーモンの香草焼き、ベトナム風サラダ 3.軽快でなめらかな爽酒 爽酒は、軽快でシンプルな香りの日本酒です。スッキリとした味わいは、料理の魅力を引き立ててくれます。食中酒として好まれることの多いタイプです。 3-1.爽酒の特徴 爽酒は、「淡麗」「シャープ」「キレがある」などと表現される、スッキリとした味わいが特徴です。香りはシンプルで穏やか。料理とともに飲み飽きせずに楽しめます。 3-2.爽酒に該当する日本酒 爽酒に該当する日本酒には、主に以下の2種類が挙げられます。 普通酒 本醸造酒 普通酒は、流通する日本酒全体の約65%を占めるお酒です。コンビニやスーパーなどで手軽に購入できます。 また、本醸造酒は米と米こうじ、醸造アルコールを原料とする日本酒です。アルコール度数の高い醸造アルコールにより、キリッとした味わいが生み出されています。 より爽やかな個性を楽しみたいときは、「生酒」もおすすめです。通常の日本酒造りでおこなう加熱殺菌処理をしていないため、よりフレッシュな飲み口を堪能できます。 3-3.爽酒のおすすめの楽しみ方 爽酒を楽しむおすすめの温度帯 冷や(5~15℃) 燗(45~50℃) 爽酒は、幅広い温度帯で楽しめる日本酒です。シャープなキレ味を楽しみたいときは、ぜひ冷やしてみてください。加水調整をしていない「原酒」であれば、ロックやソーダ割にするのもおすすめです。 また、普通酒や本醸造酒は、温めるとキレのある味わいが引き立ちます。ぐんと温度を上げ、冷める間の変化を楽しめるスタイルも、冷やでも燗でも楽しめる日本酒ならではの飲み方です。 おすすめの酒器 スッキリとした味わいの爽酒には、ガラス製や磁器製の酒器がおすすめです。特に、ガラス製のぐい呑みは涼やかさを演出してくれます。 普通酒や本醸造酒はコストパフォーマンスに優れ、日常酒として気軽に楽しめることが魅力です。お気に入りの酒器を用意すれば、家飲み時間がより充実したものになりそうですね。 相性のいい料理例 香り控えめ、ドライテイストの爽酒は食中酒にぴったりのお酒です。味わいが繊細な和食の良きパートナーとなってくれます。 口内のリフレッシュ作用もあるため、油ものと合わせるのもおすすめです。ロックやソーダ割、ジュース割にすれば、唐揚げや焼き鳥にも絶妙にマッチします。 【和食】 冷奴、刺身、そば、天ぷら、鶏のから揚げ、焼き鳥 【その他】 タコのマリネ、冷製パスタ 4.コクのある醇酒 味の濃い酒、という意味をもつ「醇」という文字。その名のとおり、醇酒はコクのあるお酒です。米と米こうじのみで造られる「純米酒」に多く、燗酒にするとより魅力がアップします。 4-1.醇酒の特徴 醇酒は旨味成分を多く含み、味の余韻が長く続くお酒です。口当たりまろやかで、ゆったり味わいたくなる魅力にあふれています。和食とマッチする銘柄も多く、日本酒本来の魅力を堪能できるタイプです。 4-2.醇酒に該当する日本酒 醇酒には、米と米こうじのみを原料とする以下の2種類が該当します。 純米酒 特別純米酒 また、ラベルに「生酛(きもと)」や「山廃(やまはい)」とある日本酒も、醇酒タイプのお酒が多いです。昔ながらの製法で造られるこれらの日本酒は、繊細かつ深みのある味わいを堪能できます。 4-3.醇酒のおすすめの楽しみ方 醇酒を楽しむおすすめの温度帯 冷や(15~20℃) 燗(40~45℃) 醇酒のコクは、冷やしすぎると感じづらくなってしまいます。温めるときは、ほどよいぬる燗がおすすめです。湯気とともに広がるやわかな香りが、心をほっと和ませてくれます。 おすすめの酒器 味に深みのある醇酒は、ぜひ陶磁器で楽しんでみてください。温かみのある材質が、醇酒の魅力を引き立ててくれます。 飲み口に厚みがあり、まろやかな旨味や甘みを感じやすくなるのも特徴です。燗酒で楽しめるよう、とっくりとおちょこをセットで揃えるのも良いですね。 相性のいい料理例 ごはんがおかずの良きパートナーであるように、醇酒もペアリングの幅が広いお酒です。相手が風味の強い発酵食品でも、旨味成分が上手に調和し新たなハーモニーが生まれます。 また、生酛造りや山廃造りの日本酒は、チーズや生クリームと好相性。乳酸菌由来のクリーミーな風味が、グラタンやラザニアのような洋食メニューと絶妙にマッチします。 【和食】 ぶり大根、おでん、筑前煮、鮭のホイル焼き、カラスミ、イカの塩辛 【その他】 サイコロステーキ、グラタン、ラザニア、チーズフォンデュ 5.熟成された熟酒 熟酒は、一定年数熟成させたお酒です。時間を重ねることで、味や香りだけでなく見た目も変化します。市場に出回る数は少ない、希少性の高いタイプです。 5-1.熟酒の特徴 熟成を重ねた熟酒は、見た目が茶色や黄色、琥珀色に変化します。通常の日本酒に比べ、トロリと粘性があるのが特徴です。 複雑な香りは、ナッツやドライフルーツのよう。甘み、苦味、旨味とさまざまな要素が凝縮し、ブランデーやウイスキーをたしなむように、少しずつ楽しみたくなる味わいです。 日本酒は、温度や光の影響を受けやすいお酒です。美味しい熟酒に育てるためには、適切な環境で管理する必要があります。 そのため、年数を重ねた熟酒ほど価格帯は上がるものの、希少性の高さと個性的な味わいから、近年は海外でも注目を集めています。 5-2.熟酒に該当する日本酒 熟酒タイプの日本酒の多くは、ラベルに以下のような表記があります。 古酒 熟成酒 秘蔵酒 どれほど熟成させたお酒を「古酒」や「熟成酒」とするのか公的な定義はないものの、熟酒を飲みたいときはこれらの表記を参考にするとよいでしょう。 5-3.熟酒のおすすめの楽しみ方 熟酒を楽しむおすすめの温度帯 冷や(常温20~25℃) 燗(35℃前後) 熟酒は、常温やぬる燗で味わうのがおすすめです。温めすぎても冷やしすぎても、複雑かつ魅力的な香りが飛んでしまいます。グラスを手で温めれば、温度による香りの変化も楽しめますよ。 おすすめの酒器 少しずつじっくりと味わいたい熟酒には、小さめの酒器が適しています。飲み干すまでの時間も短く、コンディションが良い状態で楽しめるでしょう。 香りを楽しむお酒、ブランデー用のブランデーグラスや、小さなショットグラスもおすすめです。年数を重ねた熟酒の雰囲気にマッチするよう、風情のある素材やデザインの酒器を選ぶのも良いですね。 相性のいい料理例 複雑で重厚感のある味わいの熟酒には、味の濃い料理やスパイスをきかせた料理が良く合います。食後酒としてデザートと合わせるのもおすすめです。 意外性のあるおすすめデザートは、和菓子の羊羹(ようかん)。小豆の甘さとつるりとした舌ざわり、熟酒の濃密な味わいが、なんともいえないハーモニーを生み出します。 【和食】 西京漬け、山椒をきかせたウナギのかば焼き、豚の角煮、羊羹 【その他】 ブルーチーズのハチミツ添え、ドライフルーツ、ナッツ、チョコレートケーキ まとめ ひとくちに日本酒といっても、個性はさまざま。香りのあるものからコクのあるものまで、多くのタイプが存在します。 温めたり冷やしたりと、飲用スタイルの幅の広さも日本酒ならではの魅力です。ぜひ、日本酒4タイプを参考に、自分好みの味わいや、日本酒の楽しみ方を見つけてみてくださいね。
酒粕には栄養たっぷり!酒粕に含まれる栄養と効能を解説
酒粕は、さまざまな効能が期待できる発酵食品です。血圧を下げる働きや美容効果、便秘予防効果があるといわれています。 今回は、酒粕の効能についてくわしくご紹介。食べるときの注意点も解説します。酒粕のおいしい食べ方もぜひ参考にしてください。 1.酒粕とは? 酒粕は、日本酒造りの工程で生まれる副産物です。蒸した米と米麹、水を発酵させた「醪(もろみ)」と呼ばれる白い液体を搾ると、液体の日本酒と、個体の酒粕とにわかれます。 米由来の栄養をたっぷりと含む酒粕は、料理にも用いられる発酵食品です。主に甘酒や粕汁、粕漬けなどに使用されます。 2.酒粕によって得られる効能 酒粕は、たんぱく質やビタミン、食物繊維などを含む食品です。米由来の成分だけでなく、麹菌や酵母が生成するさまざまな栄養素が含まれ、健康面における効能や美容効果が期待できます。 2-1.ペプチドによる冷え性改善、血圧低下作用 ペプチドは牛乳や魚などに含まれ、効能はそれぞれに異なります。酒粕ペプチドの特徴は、冷え性改善や血圧低下作用があることです。 酒粕ペプチドは、医薬品のように急速に血圧を低下させるのではなく、ゆるやかに血圧の上昇を抑えるといわれています。また、血流を拡張する作用があるため、冷え性改善にも効果的です。 2-2.オリゴ糖や食物繊維による整腸作用 酒粕には、100gあたり5.2gの食物繊維が含まれています。食物繊維には整腸作用があり、便秘予防に効果的です。また、発酵の際に生まれるオリゴ糖は、大腸でビフィズス菌を増殖させ腸内環境を整えてくれます。 2-3.レジスタントプロテインによるコレステロールの低下 レジスタントプロテインとは、胃で消化されにくいたんぱく質のことです。小腸で食べ物の油や脂質をキャッチし、体外へと運び出す働きがあります。 結果、コレステロール値を下げたり、肥満予防につながったりとさまざまな効果が期待できます。酒粕のほか、大豆や米などにも含まれる成分です。 2-4.免疫力を高める作用 日本酒造りに欠かせない麹菌や酵母菌には、免疫力をアップさせる作用があります。 麹菌は日本酒造りのほか、味噌や醤油、みりんといった日本由来の発酵食品に使われるカビの一種です。また、酵母菌には、腸内の免疫細胞に働きかけるβグルカンという成分も含まれています。 2-5.ビタミンB群による美肌効果 酒粕は、ビタミンB群を豊富に含む食品です。皮膚の健康を維持するといわれるビタミンB2の含有量は、100gあたり0.26mg。たんぱく質の代謝を助けるビタミンB6は、100gあたり0.94mg含まれています。 肌のうるおいを保つセラミドの一種、グルコシルセラミドも含まれるため、食品と摂取するほか、パックとして活用すると保湿効果が期待できます。 参考:文部科学省「食品成分データベース」 https://sake-5.jp/sake-lees-pack/ 3.酒粕を加熱すると栄養素はどうなる?食べるときの注意点 栄養豊富な酒粕ですが、食べる時にはいくつか注意が必要です。特に気を付けたいのがアルコール分。妊婦さんや子どもさん、運転前などは摂取を控えましょう。ここでは、加熱して食べる際のポイントもご紹介します。 3-1.酒粕にはアルコールが含まれている 酒粕には、100gあたり8.2gのアルコールが含まれています。そのため、お酒に弱い方や運転前、妊婦さんやお子さんは注意が必要です。 加熱したとしても、少量のアルコールは残ってしまいます。特に、甘酒には米麹由来のノンアルコールタイプと、酒粕を使ったアルコールを含むタイプがあるため気を付けてください。 市販されている酒粕甘酒の多くは、アルコール度数1%以下と非常に少ない量に調整されています。とはいえ、気になるときは控えたほうがよいでしょう。 3-2.酒粕を加熱するときは汁ごと摂取する 酒粕に含まれる栄養素には、加熱すると減少したり、水に溶けだしてしまったりするものがあります。そのため、酒粕を加熱するときは、粕汁のように汁ごと摂取できるメニューがおすすめです。 ただし、加熱したとしてもすべての栄養素が失われるわけではありません。気軽においしく酒粕を楽しんでみてください。 4.酒粕のおいしい食べ方 酒粕は定番メニュー粕汁のほか、粕漬けやスープなどに活用できます。 粕漬けは、酒粕に味噌や砂糖、酒、塩などを加えて魚を漬け込む調理法です。鮭やタラなどを半日漬け込めば、あとは焼くだけでおいしい魚の粕漬け焼きができあがります。 また、洋風のスープ仕立てもおすすめです。酒粕を溶かした出汁で野菜を煮込み、豆乳と味噌で仕上げると、酒粕の栄養素に野菜のビタミンや食物繊維がプラスされたスープになります。 もっと手軽に食べたいときは、板状の酒粕をトースターで焼いてみてください。砂糖醤油やはちみつをかければ、外はこおばしく中はふっくらとしたお菓子のような一品に仕上がります。 5.妊婦さんが酒粕を食すのは注意が必要 栄養満点で美容などにも効果のある酒粕ですが、妊婦さんが食すのは注意が必要です。 なぜなら、酒粕にもアルコールが含まれており、妊娠中にアルコールを摂取すると、胎盤を通じてアルコールがお腹の赤ちゃんに入り、悪影響を及ぼすといわれています。 早産や流産、分娩異常の原因になるほか、胎児性アルコール症候群(FAS)を引き起こす可能性があるため注意が必要です。 妊娠中に安全なアルコール量は解明されていないため、妊娠中や妊娠を望む時期は酒粕も控えたほうがよいでしょう。 まとめ 日本酒造りの副産物、酒粕は栄養豊富な食品です。おいしいだけでなく、さまざまな効能が期待できます。アルコールを含むことをふまえつつ、ぜひ日々の食事に活用してみてください。
【唎酒師が解説】日本酒にワイングラスをおすすめする3つの理由。日本酒に合うワイングラスの選び方のポイントも解説
「日本酒をワイングラスで飲むのってどういう利点があるの?」 「日本酒をワイングラスで楽しむにはどんなワイングラスを選べばいいの?」 「どんな日本酒がワイングラスで飲むのにおすすめ?」 この記事はそんな方へ向けて書いています。 日本酒の飲むための酒器はおちょこやぐい吞みのほか、ワイングラスで楽しむのもおすすめです。ワイングラスの老舗メーカー、リーデルからも日本酒用のグラスが販売されています。 今回は、日本酒にワイングラスをおすすめする3つの理由について解説!日本酒のタイプにあわせたグラスの選び方やワイングラスで楽しむのにおすすめの日本酒もご紹介します。 一度ワイングラスで日本酒を味わえば、お酒の楽しみ方がグッと広がるはず。購入におすすめのブランド情報もぜひ参考にしてください。 1.日本酒にワイングラスをおすすめする3つの理由 日本酒にワイングラスをおすすめする理由には、以下の3点があげられます。 日本酒の色合いを楽しめる 日本酒の香りが引き立つ 繊細な口当たりを楽しめる 1つめは、日本酒の色合いをグラスの外側から楽しめること。スパークリング日本酒であれば、グラスの底から泡が立つ様子も確認できます。 2つめは、日本酒の香りが引き立つことです。特に、リンゴや洋ナシのようなフルーティーな香りの日本酒は、ワイングラスで味わうのがおすすめ。底が丸く、口がすぼまった形状のワイングラスはお酒の香りをグラスの中に閉じ込めてくれます。 また、3つめにあげているように、ガラス製のワイングラスは繊細な口当たりを楽しめることが特徴です。唇に当たる部分が薄いほど、シャープなキレ味を堪能できます。 2.日本酒のタイプにあわせたワイングラスの選び方 日本酒のタイプは、香りや味わいで以下の4つのタイプに分類されます。 薫酒(くんしゅ) 爽酒(そうしゅ) 熟酒(じゅくしゅ) 醇酒(じゅんしゅ) また、ワイングラスの形状も、丸い形のものからストレート型までタイプはさまざまです。 それぞれ相性の良い組み合わせを選べば、日本酒をもっとおいしく楽しめます。ここでは、日本酒のタイプにあわせたワイングラスの選び方を紹介していきますね。 2-1.薫酒(くんしゅ):吟醸酒にはブルゴーニュ型、モンラッシェ型 「薫る」「酒」とあるように、薫酒タイプのお酒はフルーティーな香りが特徴です。主に、純米大吟醸酒、吟醸酒などが薫酒に該当します。 薫酒には、底がぽってりと丸いブルゴーニュ型やモンラッシェ型、口の開いたラッパ型のグラスがおすすめです。日本酒のフルーティーな香りと味わいをぞんぶんに楽しめます。 2-2.爽酒(そうしゅ):普通酒、本醸造酒にはフルートグラス 「爽酒」は、スッキリとキレのあるタイプの日本酒です。後口は軽く、香りも穏やかな普通酒や本醸造酒などが該当します。 シンプルな味わいの爽酒には、ストレート型で背の高いフルートグラスがおすすめです。シュワッと泡立つスパークリング酒にも適しています。グラスの底から細かな泡が立つ様子を確認できますよ。 2-3.熟酒(じゅくしゅ):熟成酒にはブランデーグラスをチョイス 「熟酒」には、年月をかけて熟成させた熟成酒が該当します。黄金色や琥珀色に変化した見た目と、複雑な香り、重厚な味わいが特徴です。 濃醇な旨味を持つ熟酒には、ブランデーグラスをチョイスしてみてください。ブランデーグラスは、口の広いクラシカルタイプのほか、ステムと呼ばれる持ち手の長い小さなタイプも多く見られます。熟酒をちびりちびりと楽しむときに最適なグラスです。 2-4.醇酒(じゅんしゅ):純米酒、生酛系にはボルドー型 「醇酒」は、深いコクと旨味を持つタイプのお酒です。主に、米と米麹のみを原料とする純米酒が該当します。また、伝統製法「生酛造り(きもとづくり)」で生まれるお酒も、複雑かつ豊かな味わいが特徴です。 醇酒の深い味わいには、重厚感のあるワインに用いられるボルドー型ワイングラスをあわせましょう。卵型のグラスが香りをやさしく包み込み、甘味や旨味、酸味のバランスを整えてくれます。 3.「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」というコンテストもある 「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」は、2011年に誕生した日本酒コンテストです。2022年の出品数は1000点以上。数ある銘柄のなかから、54点が最高金賞を受賞しました。 評価はすべて、銘柄を伏せたブラインド審査でおこなわれます。お酒の品質の良し悪しを競うことではなく、あくまでも日本酒の魅力を広く伝えていくことが目的です。 ワイングラスで飲むお酒選びに迷ったら、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」の受賞酒を参考にするのもおすすめですよ。 【公式サイト】ワイングラスでおいしい日本酒アワード 4.日本酒をワイングラスで!おすすめブランド5選 ここからは、ワイングラスのおすすめブランド5選を紹介します。高級ガラスメーカーからデイリーユースにおすすめのブランドまで、幅広くピックアップしました。ぜひお気に入りの1脚を見つけてくださいね。 4-1.RIEDEL(リーデル) RIEDEL(リーデル)は、高い品質と伝統の技を誇るワイングラスの老舗ブランドです。 リーデルのおすすめポイントは、日本酒用のグラスをリリースしていること。大吟醸用の「オー」や「ヴィノム」、純米酒用の「エクストリーム」など、幅広いラインナップが揃います。 木箱入りの商品は、日本酒好きな方へのプレゼントにもおすすめです。デカンタセットもあるため、好みにあわせたグラスをセレクトできますよ。 リーデル公式オンラインショップ (出典元:リーデル公式オンラインショップ) 4-2.LOBMEYR(ロブマイヤー) LOBMEYR(ロブマイヤー)は、オーストリアウィーンの高級ガラスメーカーです。貴族御用達の称号を受けたシャンデリアは、「光の彫像」と呼ばれる美しさ。ウィーンの王宮やオペラハウス、教会やホテルといった建造物を長年にわたり彩ってきました。 ロブマイヤーのワイングラスは、カリ・クリスタルという素材を採用し、軽く強度が高いのが特徴的。公式通販では、日本酒とセットになった「パトリシアン」や「バレリーナ」などのワイングラスが販売されています。 1脚あたり2万円前後のグラスは、大切な贈り物やプレミア日本酒を味わうシーンにおすすめです。 ロブマイヤー(LOBMEYR)公式通販オンラインショップ| (出典元:ロブマイヤー(LOBMEYR)公式通販オンラインショップ|) 4-3.STOLZLE LAUSITZ(シュトルツル ラウンジッツ) ドイツで約500年の歴史を持つガラス産業の中心地、ドレスデン近郊にあるガラスメーカーです。伝統的な製法と最先端技術を融合させたグラスは、シンプルでありながら機能性とコストパフォーマンスに優れています。 1脚あたり1000円台から購入できる美しいグラスは、レストランだけでなく一般家庭でも人気です。リムのないタンブラー型も豊富で、日々の食卓に高品質なグラスを求める方におすすめのブランドといえるでしょう。 4-4.SCHOTT ZWIESEL(ショット・ツヴィーゼル) ドイツのショット・ツヴィーゼルが手掛けるのは、耐久性と美しさを兼ね備えたワイングラスです。プロが使用するグラスとして、世界120ヵ国以上の有名レストランや高級ホテルで採用されています。 耐久性のひみつは、チタンとジルコニウムを配合した素材「トリタンクリスタル」。表面硬度が高く、傷が付きにくいのが特徴です。 スタンダードなテイスティング用のワイングラスは、2脚で4000円台と手ごろな価格帯。バリエーションも豊富なので、色々なタイプのグラスを揃えたい方にもおすすめです。 SCHOTT ZWIESEL(ショット・ツヴィーゼル)オンラインショップ (出典元:ツヴィーゼル・ジャパン) 4-5.iittala(イッタラ) iittala(イッタラ)は、エレガントでありながらも親しみやすいデザインで人気のガラスメーカーです。近年はガラス製品以外にも、北欧デザインのテーブルウェアが女性から高い人気を得ています。 イッタラの手掛けるワイングラス「エッセンス」は、ボウルの下部が広がったモダンなデザインが印象的。日常をちょっとオシャレに彩ってくれる、デイリーユースにぴったりのグラスです。 リムなしのタンブラーやお酒を入れておくカラフェも販売されているので、好みに合わせて揃えるのも楽しいですよ。 iittala/Arabia 公式通販サイト (出典元:iittala/Arabia 公式通販サイト) 2.ワイングラスで楽しむのにおすすめの日本酒10選 2-1.伯楽星 特別純米 伯楽星は「究極の食中酒」をコンセプトに醸されるお酒です。メロンやバナナのようなフルーティーな香りをワイングラスに注ぐことでより豊かに感じることができます。 味わいはバランスがよく、爽やかな酸味とキレの良さによって非常に食中酒に向いているお酒です。 (出典元:新澤醸造店) 2-2.甲子 純米 やわらか 地の恵 千葉産の契約栽培している五百万石を使用し、地下水を仕込水として米と米麹のみで仕込んだmade in千葉の純米酒です。 落ち着いたふんわりとした香りをワイングラスで楽しむことができます。原料由来の旨み成分を生かしたまろやかな口当たりとコクがありつつ、しっかりとした味わいを楽しむことができます。 (出典元:株式会社飯沼本家) 2-3.紀土-KID- 純米大吟醸 Sparkling 華やかなボトルの「紀土(きっど)」のスパークリング酒には、半分の大きさまで削った山田錦が使われています。香りはやや甘く、米の旨味も楽しめるお酒です。グラスに注ぐと細かな泡とともにフルーティーな香りが立ち上ります。 シャンパンのように、ぜひワイングラスで楽しんでみてください。 (出典元:うらの酒店) 2-4.陸奥八仙 赤ラベル 特別純米 栓を開けた瞬間から果実のようなフルーティーな香りが広がります。口当たりはまろやかでみずみずしい甘みを感じることができ、旨みや酸味のバランスが非常にいいお酒です。 (出典元:八戸酒造株式会社ONLINE SHOP) 2-5.一ノ蔵 純米吟醸 プリンセス・ミチコ 「プリンセス・ミチコ」は宮城県産のササニシキに、美智子上皇后陛下が皇太子妃時代に献呈されたバラ、プリンセス・ミチコから分離した花酵母である、東京農業大学バラ酵母PM-1を使用した日本酒です。この酵母は全国の7つの蔵元でしか使用許可がおりていない貴重な限定品。 バラを思わせるような華やかな香りと、透明感のあるキレがいい日本酒です。日本酒が好きな女性へのプレゼントにもおすすめ。母の日や大切な人への贈り物にもぴったりです。 (出典元:株式会社一ノ蔵) 2-6.作 玄乃智...
【唎酒師監修】日本酒の糖質は他のお酒よりも高い?気をつけるべきは日本酒よりおつまみの選び方
「日本酒は他のお酒より糖質が多いのか知りたい」 「日本酒ってお米からできているお酒だから、太りやすいのか知りたい」 この記事はそんな方へ向けて書いています。 日本酒は数字だけ見るとワインやビールより糖質が高いお酒です。一方で、アルコール度数が高いぶん、1杯あたりの糖質量はほかのお酒より少ないケースも考えられます。 今回は、日本酒のカロリーや糖質について詳しく解説します。「日本酒の糖質が気になる」という方は、ぜひ低糖質おつまみや飲みすぎを防ぐポイントも参考にしてくださいね。 1.日本酒の糖質、カロリーはどのくらい? 原料がお米の日本酒は「糖質、カロリーが高く太りやすい」というイメージを持たれがちなお酒です。実際に日本酒のカロリーや糖質はどのくらいなのでしょうか?まずは、日本酒とワインやビールなどを比較してみましょう。 カロリー・糖質(100mlあたり) カロリー(kcal) 糖質(g) 日本酒(純米酒) 103 3.6 赤ワイン 73 1.5 ビール 40 3.1 ウイスキー 237 0.0 焼酎(単式蒸溜) 146 0.0 【参考】文部科学省「第2章 日本食品標準成分表」 こうしてみると、カロリーはウイスキーが一番高く、次いで焼酎、日本酒と続くのがわかります。また、糖質量はウイスキーや焼酎が0.0gであるのに対し、日本酒は3.6gです。 ただし、ウイスキーや焼酎、日本酒はアルコール度数が高いお酒。水で割ったりロックで飲んだりすることが多く、1杯あたりのカロリーや糖質量は以下のように変化します。 カロリー・糖質(1杯あたり) 1杯の平均量(ml) カロリー(kcal) 糖質(g) 日本酒(純米酒1合) 180 約185 約6 赤ワイン(グラス) 125 約91 約1.8 ビール(中ジョッキ) 400 160 12.4 ウイスキー(ロック) 30 約71 0.0 焼酎(ロック) 90 約131 0.0 【参考】文部科学省「第2章 日本食品標準成分表」 こうしてみると、日本酒1杯あたりのカロリーはビールとさほど変わらず、糖質量は低いことがわかるのではないでしょうか。もちろん、飲みすぎればカロリーも糖質も余分に摂取することになりますが、適度に楽しむぶんには、日本酒は特別に糖質が高いお酒ではないといえるでしょう。 2.気をつけたいのはお酒よりおつまみ ダイエット中に気を付けたいのは、お酒よりもおつまみの内容です。「お酒を飲むと、ついつい食べ過ぎてしまって…」という経験はありませんか?これが、お酒を飲んで太ってしまう本当の原因だと考えられます。 お酒を飲むと、摂取したアルコールを代謝・分解するための糖分を補おうと、普段より食欲が増進されます。お腹いっぱいなのにシメのラーメンやお茶漬けが欲しくなるのも、この食欲増進作用によるものです。日本酒自体のカロリーは低くても、一緒に食べる料理の量や内容によっては、カロリー過多につながってしまいます。 また、飲酒時の体内では、食べ物よりアルコールのカロリー消費が優先されます。食べ物のカロリー消費は後回しになってしまうため、高カロリーのおつまみは特に注意が必要です。 ダイエット中にお酒を楽しみたいときは、お酒を飲みながら食べる料理は普段より脂肪がつきやすいことを意識してみてくださいね。 3.日本酒のおともにおすすめ!低糖質おつまみ5選 おいしい日本酒は、おいしいおつまみを合わせて楽しみたいものですよね。ここからは、お酒のおともにおすすめの低糖質おつまみ5選をご紹介します。 どれも簡単に用意できるのもうれしいポイント。コンビニやスーパーで手軽に購入できるものばかりなので、ぜひおつまみの定番候補に入れてみてください。 3-1.枝豆 おつまみの代表格「枝豆」は、たんぱく質やビタミン、食物繊維、ミネラルなどの栄養素を含む野菜です。そもそも枝豆は、大豆の未熟な豆の部分。栄養豊富なことはもちろん、100gあたりの糖質量は約4.3gと糖質が気になるときにおすすめです。 冷凍で出回ることの多い枝豆ですが、本来の旬は6~8月です。生の場合は塩ゆでにして、夏酒ロックと一緒に楽しむのもおすすめですよ。 3-2.クリームチーズ クリームチーズも、100gあたりの糖質量が2.3gと低糖質な食品です。日本酒のおつまみにするときには「いぶりがっこチーズ」にしてみてください。 いぶりがっこは、お漬物を燻した秋田の名産品です。いぶりがっこでクリームチーズを挟んだ「いぶりがっこチーズ」は、コクのある純米酒のようなお酒によく合います。クリームチーズは脂肪分が豊富に含まれているため、ダイエット中の食べ過ぎには気を付けてくださいね。 3-3.お刺身 まぐろやサーモン、イカなどの代表的なお刺身の糖質は0~0.1gです。魚の種類によって異なるものの1切れあたりのカロリーも低く、ダイエット中におすすめのおつまみといえます。 新鮮なお刺身のおともには、香り控えめでスッキリしたタイプのお酒がおすすめです。お互いの魅力を引き立てるペアリングになりますよ。 3-4.豆腐 大豆から作られる豆腐は、低糖質な食品の代表格です。こっくりした純米酒からスッキリタイプの本醸造酒まで、幅広いジャンルのお酒によく合います。 キリッと冷やした冷酒には冷奴、燗酒には湯豆腐をおともに楽しんでみてください。香り高い日本酒をワイングラスで味わうときは、豆腐サラダのアレンジもおすすめです。 3-5.焼き鳥 部位や味付けによってカロリーが変わるものの、焼き鳥は糖質が低いおつまみです。なかでも、ささみや砂肝、軟骨などは低カロリーで低糖質。味付けはタレではなく塩をチョイスしてください。手羽先や皮も糖質が低い部位ですが、カロリーは高めなので食べ過ぎに注意してくださいね。 4.日本酒の飲みすぎ、おつまみの食べすぎを防ぐ4つのポイント 日本酒の飲みすぎやおつまみの食べすぎを防ぐには、以下の4つのポイントに気を付けてください。 空きっ腹でお酒を飲まない お酒はマイペースでゆっくりと 温かい燗酒で楽しむ 和らぎ水(やわらぎみず)を飲みながら楽しむ これらのポイントをおさえれば、悪酔いや二日酔いを防ぐ効果も期待できます。年末年始など、お酒を飲む機会が増える時期にもおすすめですよ。 4-1.空きっ腹でお酒を飲まない 空きっ腹でお酒を飲むと、胃から小腸へアルコールが急速に吸収されすぐに酔いがまわってしまいます。悪酔いするだけでなく、食欲増進効果が高まり食べすぎに繋がるため注意が必要です。 また、アルコールには胃を荒らす作用があります。胃を保護するためにも、飲酒の前には軽く食べ物をつまんでおくように心がけましょう。 4-2.お酒はマイペースでゆっくりと お酒は自分のペースでゆっくりと楽しみましょう。アルコールの吸収速度が弱まり、食べすぎ飲みすぎを防ぐ効果が期待できます。 また、日本酒は枝豆や豆腐、魚といった高タンパクな食品のほか、ビタミンやミネラル豊富な野菜とも相性の良いお酒。食べすぎを防ぐためにも、ゆったりと料理と日本酒のペアリングを楽しむのがおすすめです。 4-3.温かい燗酒で楽しむ 「冷たいお酒はついつい飲みすぎてしまう」というときは、日本酒を温めてみましょう。温かい燗酒であれば、自然と飲む量が抑えられます。ゆっくり少量ずつ飲むため、肝臓への負担が少ないこともメリットのひとつです。 特に、米と米麹だけで造られる「純米酒」や、昔ながらの製法で造られる「山廃」などのお酒は、燗酒にするとさらなる魅力が広がります。燗酒は寒い冬だけのものと決めつけず、ぜひいろいろなシーンで味わってみてください。 4-4.和らぎ水(やわらぎみず)を飲みながら楽しむ 和らぎ水(やわらぎみず)とは、日本酒の合間に飲む水のことです。日本酒と同量、またはそれ以上の水を一緒に飲むことで、悪酔いや二日酔い予防効果が期待できます。血中アルコール濃度の急上昇が抑えられるため、食べすぎ予防にも効果的ですよ。 5.日本酒と糖質にまつわるQ&A 5-1.日本酒は血糖値を上げますか? 醸造酒である日本酒・ビール・ワイン、他に果物の入った甘い飲み物などは糖質が含まれているため、血糖値は上がります。 5-2.糖質制限中でも日本酒を飲んで大丈夫ですか? 糖質制限の目安としては、一般的に1食あたりの糖質量を20g以下、1日60g以下にするとされています。日本酒であれば1合あたりの糖質は約6gで、厚生労働省が推奨している、1日に飲むアルコールの適正量も同じく1合なので、一緒に食べる料理やおつまみの糖質量に気をつければ日本酒は1合までであれば問題ありません。 5-3.日本酒の種類によって、糖質に違いはありますか? 日本酒には純米酒や本醸造酒、吟醸酒などいくつか種類がありますが、わずかながら糖質量に差はあります。 文部科学省「第2章 日本食品標準成分表」より、100gの普通酒に含まれる糖質量は4.9g、純米酒は3.6g、本醸造酒は4.5g、吟醸酒は3.6g、純米吟醸酒は4.1gと違いがあります。 まとめ お米から造られる日本酒は、カロリーや糖質が高いと思われがちです。しかし、1度に摂取する量を考えると、特別にカロリーや糖質が高いわけではないことがおわかりいただけたのではないでしょうか。 ダイエットを意識するときは、おつまみの量や内容に気を付けてみてください。お酒を飲みすぎないよう、合間に和らぎ水などを挟むことも大切です。ちょっとずつ工夫しながら、今日もおいしい日本酒を楽しみましょう。
【唎酒師が解説!】日本酒と料理のペアリングを楽しもう!日本酒の4タイプ別の基本とコツを解説
日本酒と料理のペアリングのコツは、日本酒の香りや味の個性を知ることです。日本酒は、香りや味わいの要素をもとに大きく4つのタイプに分類されます。 日本酒に合わせるおつまみの選び方もペアリングを考えて選ぶと、よりおいしく日本酒を楽しむことができます。 今回は、唎酒師がペアリングの基本をご紹介!日本酒がもっと美味しく、そして楽しくなる組み合わせをわかりやすく解説します。 1.ペアリングとは? ペアリングとは、お酒と料理の相性のことです。ペアリングを楽しむ代表的なお酒といえば、ワイン。「肉料理には赤ワイン、魚料理には白ワイン」といったペアリングを耳にしたこともあるのではないでしょうか。 「ペアリング、なんだか難しそう…」と心配しなくても大丈夫! 「焼肉にはやっぱりビール」「アツアツのから揚げにはレモンサワー」普段何気なくしているこれらの組み合わせも、りっぱなお酒と料理のペアリングです。 日本酒×料理のペアリングのコツは、日本酒の4つのタイプを知ることから始まります。甘口や辛口で悩んでいた人も、日本酒選びがもっとわかりやすく、もっと楽しくなりますよ。 2.日本酒の4つのタイプを知ろう 「引用:SSI『日本酒の香味特性別分類(4タイプ)』」 日本酒は、香りと味わいの要素によって大きく以下の4つに分類されます。 爽酒(そうしゅ) 薫酒(くんしゅ) 醇酒(じゅんしゅ) 熟酒(じゅくしゅ) 相性が良い食材や料理は、タイプによって異なります。ラベルのチェックポイントも紹介するので、自分の好みの日本酒を見つける際の参考にしてくださいね。 https://sake-5.jp/four-types-of-sake-classification/ 2-1.爽酒(そうしゅ) お酒の特徴 「爽やか(さわやか)」と字にあるとおり、軽快でシンプルな香りが大きな特徴。「淡麗」「シャープ」「キレがある」と表現されることが多い日本酒です。爽酒のラベルには、主に以下の2種類の名称が記載されています。 普通酒 本醸造酒 普通酒は、醸造アルコールと呼ばれる材料を多く添加したお酒です。流通する日本酒全体の約65%を占めています。つまり、日本酒のなかでもっとも多いタイプが爽酒ということになりますね。 そのほか、加熱殺菌をしていない「生酒」も爽酒にあたります。日本酒ビギナーにおすすめの低アルコール日本酒も、スッキリと軽い味わいが特徴です。 米の外側をより多く精米して仕込んだ「精米歩合(せいまいぶあい)」の高い日本酒も、爽酒の個性を持つ場合があります。 相性のいい食材や料理 香り控えめ、ドライテイストの爽酒は食中酒にぴったりのお酒です。白身魚や豆腐が持つ繊細な味わいも消すことがありません。 口内をリフレッシュさせる効果もあるため、油ものと合わせるのもおすすめ。価格帯もリーズナブルなものが多く、晩酌のおともにぴったりの日本酒です。 【和食】 冷奴、刺身、そば、天ぷら、鶏のから揚げ、焼き鳥 【その他】 タコのマリネ、冷製パスタ 美味しい温度帯 冷や(5~15℃) 燗(45~50℃) 爽酒は幅広い温度帯で楽しめる日本酒です。特に、シャープなキレ味は冷やすほど感じやすくなります。普通酒や本醸造酒は温めるとキレのある味わいが引き立ち、燗酒好きにも人気です。 2-2.薫酒(くんしゅ) お酒の特徴 「薫酒」は華やかでフルーティーな香りを持つ日本酒です。味わいはスーッと喉に流れるように清らか。まろやかな甘みを持つものも多くみられます。 「バナナや白桃のような、フルーティーな香りがする薫酒が飲みたい」というときは、ラベルに以下のような表示のある日本酒をチェックしてみてください。 吟醸酒 純米吟醸酒 大吟醸 純米大吟醸 薫酒の華やかな香りは「吟醸香(ぎんじょうか・ぎんじょうこう)」と呼ばれます。吟醸酵母を使用したお酒から生まれる香りです。 近年は「純米酒」や「特別純米酒」と表記されたものにも、吟醸酵母が使用されている場合があります。 そのほか、搾りたての「新酒」から華やかでフルーティーな香りが感じられることも。薫酒好きは秋冬の新酒シーズンも要チェックです。 相性のいい食材や料理 華やかな香りを持つ薫酒は、同じように香りや酸味のある料理と相性抜群。柑橘系の食材やハーブ類とも良く合います。食中酒はもちろん、食前酒としても楽しむのもおすすめです。 【和食】 ハモの梅肉添え、大根とゆずの甘酢漬け 【その他】 サーモンの香草焼き、ベトナム風サラダ 美味しい温度帯 冷や(15℃前後) 薫酒の華やかな香りを消さないためには、15℃前後の温度帯で楽しむのがおすすめです。冷やしすぎると、せっかくの香りや甘みを感じにくくなってしまいます。 華やかな香りを引き立てるためにはグラスにもひと工夫。口の広いワイングラスに注げば、より一層フルーティーな香りが引き立ちますよ。 2-3.醇酒(じゅんしゅ) お酒の特徴 ふくよかな香りにコクのある飲み口。「醇酒」は旨味成分を多く含み、味の余韻が深く、長く続く日本酒です。醇酒には、米と米麹のみを原料とする以下の2種類が該当します。 純米酒 特別純米酒 また、ラベルに「生酛(きもと)」や「山廃酛(やまはいもと)」と書かれた日本酒も醇酒タイプです。昔ながらの製法で造られるこれらのお酒は、繊細でありながらも深みのある味わいが感じられます。 そのほか、「原酒」と書かれた加水されていないものや、熟成させたものも醇酒の特徴を持つお酒です。 相性のいい食材や料理 白米と合わないおかずはないように、米の旨味を持つ醇酒もペアリングの幅が広いお酒です。素材の生臭さを抑える効果もあるため、魚介類にも良く合います。相手が風味の強い発酵食品でも、旨味成分が上手に調和するのが特徴です。 また、乳酸菌由来のクリーミーな風味を持つ生酛や山廃酛は、チーズや生クリームとも好相性。ラベルにがっつりと漢字が書かれていながら意外や意外、洋食とのペアリングは抜群です。 【和食】 ぶり大根、おでん、筑前煮、鮭のホイル焼き、カラスミ、イカの塩辛 【その他】 サイコロステーキ、グラタン、ラザニア、チーズフォンデュ 美味しい温度帯 冷や(15~20℃) 燗(40~45℃) 醇酒のコクのある味わいは、冷たすぎると感じにくくなってしまいます。燗にするときは、ほどよいぬる燗がおすすめです。常温に近い温度帯でも美味しく楽しめます。 2-4.熟酒(じゅくしゅ) お酒の特徴 ハチミツやドライフルーツのように複雑で凝縮した香り。見た目は茶色や黄色に色づき、とろりと粘性があるのが特徴です。熟酒タイプの多くには、ラベルに以下のような表記があります。 古酒 熟成酒 秘蔵酒 3年から10年近く熟成させた味わいは、濃醇で出汁に例えられることもあるほど。市場に出回る数は少なく、希少性の高いお酒です。 相性のいい食材や料理 熟酒は、ほかのタイプにはない複雑で重厚感のある味わいが持ち味です。味の濃い料理や、スパイスをきかせた料理と良く合います。食後に飲むお酒として、デザートと合わせるのもおすすめです。 意外性のあるペアリングは、なんと和菓子の羊羹(ようかん)!小豆の甘さとつるりとした舌ざわり、熟酒の濃密な味わいが、なんともいえないハーモニーを生み出します。 【和食】 西京漬け、山椒をきかせたウナギのかば焼き、豚の角煮、羊羹 【その他】 ブルーチーズのハチミツ添え、ドライフルーツ、ナッツ、チョコレートケーキ 美味しい温度帯 冷や(常温20~25℃) 燗(35℃前後) 熟種は温めすぎても冷やしすぎても複雑味のある香りが飛んでしまいます。常温や、ぬる燗で楽しむのがおすすめです。 あえて冷たい温度帯から飲み始め、グラスを手で温めながら香りの変化を楽しむのもおすすめ。ブランデーグラスやショットグラスで楽しむ熟酒もオツなものですよ。 3.季節で楽しむ!日本酒と料理のペアリング ここからは、4タイプの日本酒と季節の料理とのペアリングを紹介します。 春 薫酒 ...
【唎酒師監修】日本酒は常温保存でも大丈夫?日本酒の常温保存について解説
「日本酒って常温保存できるのか知りたい」 「常温保存できるならどういうことに気をつければいいのか知りたい」 この記事はそんな方へ向けて書いています。 日本酒は、常温で保存しても腐ることのないお酒です。ただし、お酒の種類や保存環境によっては、味や香りが変化してしまいます。おすすめは冷蔵庫での保存ですが、日本酒瓶は大きく、庫内にスペースがない場合もあるかもしれません。 今回は、日本酒の常温保存について解説します。日本酒の美味しさをキープするための保存のポイント、熟成に関する情報もぜひ参考にしてくださいね。 1.日本酒は常温で保存しても大丈夫? 高いアルコールを含む日本酒は、常温保存でも腐敗の心配がなく、長期保存に適したお酒です。 そのため、日本酒には賞味期限の表示義務がありません。ラベルに「〇年〇月〇日」というような数字を見ることがあるかもしれませんが、これは賞味期限ではなくお酒が瓶に詰められた日時です。 一方で、日本酒は温度や光の影響を受けやすいお酒でもあります。高温の環境下では、腐ることはなくても品質が変化してしまう可能性があるため注意が必要です。 そもそも、“常温”といっても季節によって温度はさまざま。厚生労働省の「常温保存可能品に関する運用上の注意」では、外気温を超えない温度を“常温”と定義しています。四季の変化を考えると、一般的に15℃~30℃が常温の目安です。 つまり、常温で保存できるとはいえ、夏場の暑い部屋に日本酒を置いていると品質が変化してしまう可能性があるということ。日本酒業界でもさまざまな意見があるものの、可能であれば15℃以下の環境で保存したほうが安心といえるでしょう。 また、次のように「火入れ(ひいれ)」と呼ばれる加熱殺菌処理の有無によっても、常温保存できるケースは異なってきます。 1-1.火入れした日本酒は常温保存が可能なお酒 日本酒の製造工程では、火入れと呼ばれる加熱殺菌処理を2度おこないます。お酒の味を変化させる糖化酵素や、劣化につながる火落ち菌(ひおちきん)などの微生物を除去するためです。 火入れをしたお酒は品質が変化しにくく、常温保存が可能となっています。基本的に、ラベルに「火入れ」と書かれているものや、「生」と表記がないものは火入れしたお酒です。酒販店では冷蔵ケースではなく、常温で販売されていることもあるでしょう。 ただし、火入れしたお酒も、光のあたる場所や温度が高い場所で保存すると品質が変化してしまいます。具体的な常温保存のポイントは、後の章で詳しく解説していきますね。 1-2.生酒は冷蔵保存がおすすめ 「生酒(なまざけ・きざけ)」とは、1度も火入れをしていない日本酒のことです。生酒には、糖化酵素や火落ち菌などが生きた状態で残っています。そのため、生酒は冷蔵保存が基本です。常温で保存すると、生酒ならではの味や香りが損なわれてしまいます。 また、1度だけ火入れをした日本酒は、「生詰め酒」や「生貯蔵酒」などと呼ばれます。これらのお酒も冷蔵保存がおすすめです。香りや味の変化が抑えられ、酒蔵が目指す味わいそのままを楽しむことができます。 ここがPOINT! 一般的に常温は15℃~30℃ 常温保存に適した火入れのお酒も、15℃以上の環境では味や香りが変化する可能性がある 火入れをしていない生酒は冷蔵保存が基本 2.日本酒は常温保存で熟成することも 日本酒は、常温で長期間保存すると味や香りが変化していきます。茶色く色づき、複雑な香りと味わいを持つお酒へと変化したものが「古酒(こしゅ)」と呼ばれる日本酒です。 近年は、日本酒を熟成させた熟成古酒(じゅくせいこしゅ)が注目を集めています。ただし、前述したように常温と呼ばれる温度帯は幅広いため注意が必要です。 保存に適切ではない環境下では、美味しく変化する“熟成”ではなく、不快な味や香りが生じる“劣化”につながってしまいます。熟成古酒を推進する「長期熟成酒研究会」では、自宅での熟成に以下の温度を推奨しています。 純米酒・本醸造酒 吟醸酒 常温 初めの1年間は4℃(冷蔵保管) その後は15℃~18℃ 参照:長期熟成酒研究会 純米酒や本醸造酒、吟醸酒などの種類は、お酒のラベルで確認できます。また、熟成には常温保存に適した火入れのお酒がおすすめです。純米酒や本醸造は7年から8年後、吟醸酒は12年から13年後が飲み頃だといわれています。 3.日本酒の常温保存、美味しく飲める期間の目安は? 火入れしたお酒は、常温保存に適しているとお伝えしました。ただし、味や香りは時間と共に徐々に変化していきます。「美味しく飲める期間」=「蔵が目指す味わいを楽しめる期間」とするのであれば、なるべく早く飲むのがおすすめです。 とはいえ、「なるべく早くってどのくらいなの?」と具体的な期間が気になるものですよね。この判断は、お酒によって実にさまざま。たとえ火入れをしていても「半年以内には飲んでほしい」というお酒もあれば、「もっと期間を置いても味や香りは変わりませんよ」というお酒もあります。 そのため、具体的な期間を知りたいときは、酒蔵や酒販店などに相談してみるのがおすすめです。次で紹介するように、適切な環境で常温保存できているかによっても美味しく飲める期間は異なります。 4.日本酒を常温保存するときのポイント4つ 日本酒を常温保存するには、以下の4つのポイントをおさえておきましょう。美味しい状態をより長くキープできます。 光のあたらない場所に保存する 低温で温度変化の少ない場所を選ぶ 匂いが強いものを近くに置かない 横置きではなく、縦置き 熟成古酒を作りたいときも、これらのポイントを意識してみてください。日本酒を劣化させることなく、古酒として育てることができます。 4-1.光のあたらない場所に保存する 日本酒は、光の影響を受けやすいお酒です。保存するときは、光のあたらない場所を選びましょう。紫外線に長時間あたると、日光香(にっこうしゅう)と呼ばれる木が焦げたような香りが生じる可能性があります。 家の中であれば、押し入れや扉付の戸棚の中などの冷暗所に保存するのがおすすめです。スペースがない場合は、段ボールに入れて涼しい場所に置くという方法もあります。 ちなみに、日本酒の瓶が茶色や緑に色付けされているのも光の影響を抑えるためです。箱入りの商品であればそのまま保存できますが、箱がない場合は新聞紙で包んでおくと安心ですよ。 4-2.低温で温度変化の少ない場所を選ぶ 光と同様に、日本酒に変化をもたらすのが温度です。日本酒は高温の環境で保管すると、老香(ひねか)と呼ばれる不快な香りが生じます。フルーティーな心地よい香りも、徐々に減少してしまうでしょう。 日本酒を保存するのであれば、なるべく低温の温度変化の少ない場所を選んでください。前述した押し入れや戸棚の中も、夏場に暑くならないか確認しておくのがおすすめです。 4-3.匂いが強いものを近くに置かない 日本酒を保存するときは近くに匂いの強いものを置かないようにしましょう。近くに匂いが強いものがあると、未開封であってもお酒に匂いが移る可能性があります。 特に、石鹸や漬物樽のような匂いの強いものは注意が必要です。棚に保存するときは、一緒にしまうものにも気を配ってみてくださいね。 4-4.横置きではなく、縦置き 日本酒は、横置きではなく縦置き保管が基本です。横置きにするとお酒と空気が触れる面積が大きくなり、酸化が進んでしまいます。 酸化とは、お酒の成分が酸素と結合し、味や香りが変化することです。特に、飲みかけのお酒は横にすると空気と触れる面積が多くなるため、なるべく縦置きにするよう心がけましょう。 5.日本酒の常温に関するQ&A 5-1.日本酒を持ち運ぶ際って常温になるけど大丈夫ですか? 日本酒の持ち運びはずっと常温の環境に置いておくというわけではないので特に問題ありません。ただ、キンキンに冷やした日本酒を持ち運ぶ際は温度変化をなるべく抑えるために保冷バッグのようなものを用紙するのがおすすめです。詳しくは下記の記事を参考にしてみてください。 日本酒は外に持ち運びできる?日本酒を持ち運ぶときは保冷バッグがおすすめ! 5-2.例えば3年経った日本酒は飲めますか? 3年の保管状況によって大きく左右されます。未開封で冷蔵保存をしていれば問題なく飲むことができますが、開封済みで暑い環境に置いていれば劣化している可能性があります。 わかりやすいのは日本酒の香りを確認してみてください。もし普通の日本酒とは違うツンと鼻をつくようなニオイがするときは、老香(ひねか)という劣化臭がする場合は味わいも落ちているため、あまり飲むのはおすすめできません。 まとめ 高いアルコール分を含む日本酒は、長期保存に適したお酒です。適切な環境で保存すれば、熟成による味の変化も期待できます。 ただし、火入れをしていない生酒は、冷蔵保存が基本です。早めに飲み切ったほうが、生酒ならではのフレッシュな旨味を楽しめます。日本酒を最高の状態で飲むためにも、適切な管理と飲むタイミングをぜひ意識してみてくださいね。
【唎酒師が解説】「日本酒の水割りはまずい?」それって作り方のせいかも!原因と解決策をご紹介
日本酒の水割りは美味しくなさそう、実際に日本酒の水割りをやってみたけど、まずかったという人もいるのでは?実は日本酒の水割りには「正しい作り方」があるのです。この作り方を守っていないと、美味しい水割りもまずく感じてしまうことも。 今回は日本酒の水割りの作り方のポイントをチェックしていきましょう。 1. 日本酒の水割りはまずい?それって作り方が間違ってるのかも 日本酒の水割りは邪道なのでは?と思う人もいるかもしれませんが、実は日本酒の水割りは昔からある飲み方なのです。さらに一部の蔵元では、日本酒を水で割ることを提唱しているところもあります。 つまり日本酒の水割りがまずいと思っている人は、作り方が間違っているのかもしれません。美味しい日本酒の水割りは間違いなく存在します。 2. 日本酒の水割りを「まずい」から「美味しい」へ。ポイントを紹介 日本酒の水割りはまずいと思っているあなた。日本酒に適当に水を混ぜていませんか?日本酒の水割りを飲むときは、日本酒と水の選び方、温度、そしてアルコール度数にポイントがあります。まず、先に日本酒の水割りの作り方をご紹介します。 <正しい日本酒水割りの作り方> 冷蔵庫で冷やしておいた グラスと日本酒を取り出します グラスに先に水を注ぐ グラスの底から 1cm を目安に 日本酒を加え、底から5cm もしくはグラス半分くらいまで注ぐ。 4cmの日本酒と1cmの水で、およそ 8:2。 日本酒が 15度であればこれで アルコール度数が 12% ほどになります! https://sake-5.jp/sake-with-water/ 次に、水割りに適した日本酒の選び方や、お水の選び方など、日本酒の水割りを美味しくするポイントをご紹介! 2-1. 日本酒の選び方 日本酒ならすべて水割りすれば美味しいというわけではありません。日本酒は温めた方がすべて美味しいというわけではないですよね。それと同じなのです。 水割りをするときは、甘口で味わいのしっかりとした銘柄がおすすめ。元々後味すっきりで水のようにさらさらと飲めるような辛口の日本酒を水割りしてしまうと、味が薄く感じることでまずい…となってしまうのです。 甘口な日本酒の見分け方はこちらを参考に! https://sake-5.jp/sweet-and-dry-sake/ オススメの甘口日本酒もご紹介しています! https://sake-5.jp/sweet-sake/ 2-2. 水の選び方 どんなに美味しい日本酒でも水がまずかったら、水割りが美味しくないのは当たり前です。日本酒の水割りに使う水は「軟水」がおすすめ。硬水はミネラルなどがたくさん含まれているので、日本酒の風味を邪魔してしまうことも。 軟水は、特別な高級なものを買わなくても、コンビニなどでも手軽に買える「いろはす」や「南アルプスの天然水」、「クリスタルガイザー」などでOKです。 水道水ももちろん軟水です。都内の水道水は、昔は飲めたものじゃないなんて言われたこともありましたが、最近は長年の努力によって飲める水になってきています。つまり水道水で水割りにしてもいいのです。気になる人は煮沸してから使うと◎。 同じ軟水でもそれぞれの地方で水道水は水質などがいろいろと違うため、いつも安定した日本酒の水割りを飲みたい人は、自分が美味しいと感じられるミネラルウォーターを探してみましょう。 2-3. 水割りの温度 日本酒が温度によって味が変化するのは水割りにしても一緒です。水の温度は5~8℃くらいがベスト。冷蔵庫に冷やすとだいたい5~8℃くらいになります。これは冷酒と同じ温度で、ほどよい香りと甘味が楽しめる温度です。 冷やしすぎると酸味が強く出てしまうので、まずいと感じてしまうかもしれません。5~8℃は口に含んだときに心地よく冷たさを感じることができ、口の中で温まるとほどよい甘味が生まれるいい温度といえます。 2-4. アルコール度数は12度を目安に! 日本酒を作るときの黄金比は「8:2」といわれています。しかしこれはあくまでも目安。正しい水割りの作り方は、日本酒のアルコール度数を見て調整した方がいいのです。 アルコール度数が高い日本酒は、8:2で割ってもアルコールが強くて苦手という人もいるでしょう。そのため、アルコール度数は12度を目安に調整するのがベスト。 とはいっても、毎回自分で分量を計算するのは面倒という人のために、12度になるようにアルコール度数の割る分量を表で紹介します!! 15度 18度 20度 日本酒の量 80ml 約70ml 60ml 水の量 20ml 30ml 40ml アルコール度数 12% 12% 12% まとめ そもそも水が加えられているものも多い日本酒。いままで日本酒の水割りをまずいと思っていたのは、作り方のせいかもしれません。水割りに適した日本酒を選び、水の種類やアルコール度数にもこだわって作ってみてくださいね。
【2023年最新版】暑い夏に飲みたい、おすすめの夏酒20選!
「夏酒」とは、夏場に出荷される日本酒のことです。暑い夏が近づくと、各蔵から涼やかなボトルの夏酒が続々登場し始めます。今回は、2023年おすすめの夏酒20選を一挙ご紹介!暑い季節にぴったりの味わいをぜひ楽しんでみて下さいね。 1.2023年おすすめの夏酒20選 夏酒は、なんといっても冷やして美味しいことが魅力です。冷たくしても旨味や香りのバランスが崩れず、日本酒ならではの味わいを楽しめます。 シュワッと微発泡なものも多く、喉越しを楽しめることもポイント。「暑くてたまらない!」というときは、氷を浮かべてオンザロックにしても美味しいですよ。 各蔵が自信を持って送る夏酒の数々、早速チェックしていきましょう! 1-1.白龍 純米吟醸 夏 さ・ら・ら 涼しげなボトルの「夏 さ・ら・ら」はライトな味わいの夏酒です。香りは甘く、実にさわやか。暑い夏でもゴクゴク飲みたくなってしまいます。アルコール度数低めで、後口はキレ良く、さらり。透明感のある味わいは、ぜひ冷やしてお楽しみください。 (出典元:白龍蔵元 吉田酒造) 1-2.富久長 辛口純米 夏 暑い夏にはキリッとした美味しさの日本酒を。富久長(ふくちょう)の「辛口純米 夏」は酸味とキレが際立つお酒です。瀬戸内海に面した蔵で生まれる日本酒は、魚介類との相性もぴったり。もぎたてのキュウリやトマト、ゴーヤのような夏野菜と合わせても美味しいですよ。 (出典元:さぶん酒店) 1-3. きのえねアップル 「きのえね アップル」は、リンゴをシャクッとかじったときのような瑞々しさがあふれるお酒です。リンゴ酸を生み出す「77号酵母」を使い、白ワインのように軽やかな味わいを実現しています。 キリっと冷やすとさらに飲みやすく、味の濃い料理や揚げ物とも好相性。暑い夏、あえて揚げたてアツアツのから揚げと合わせるのもおすすめです。 (出典元:株式会社飯沼本家) 1-4.いづみ橋 夏ヤゴ スパークリング ヤゴのラベルがかわいい「いづみ橋 夏ヤゴ」は、シュワシュワ感が心地よいスパークリング酒です。赤とんぼの幼虫「ヤゴ」が元気に育つ、きれいな田んぼで栽培した酒米を使用しています。 シュワッとした口当たり、喉越し、ほのかな甘さは暑い夏にぴったり!蝉の声を聞きながらゴクゴク飲みたくなる味わいです。 (出典元:泉橋酒造株式会社) 1-5.ゆきの美人 純米吟醸 夏吟醸 しぼりたて 生 「ゆきの美人」の夏酒は、しぼりたてのフレッシュさが持ち味です。本来であれば、日本酒のしぼりたての季節は寒い冬。ゆきの美人を造る秋田醸造は、マンションの1階という気密性のある立地と最新設備で、夏でもしぼりたての美味しさを実現しています。 香りはほどよく喉越しはさわやか。「美人」という名のとおり、エレガントな味わいを楽しめる夏酒です。 (出典元:矢島酒店) 1-6.愛宕の松 ひと夏の恋 純米吟醸 思わずキュンとしてしまうネーミングの夏酒「ひと夏の恋」。原料には食用米である「ひとめぼれ」を使用しています。香りはメロンのように甘くさわやか。甘みが訪れたかと思うと酸が際立ち、スッとキレていきます。 どこか名残惜しさを感じてしまうのは、まさにひと夏の出会いのよう。しっかり冷やすとより一層味わいが引き立ちますよ。 (出典元:新澤醸造店) 1-7.紀土〈KID〉 純米吟醸 夏ノ疾風 軽やかでシャープな味わいは、まさに疾風。夏の暑さを吹き飛ばす風のように、さわやかな味わいのお酒です。 香りは青りんごのようにフレッシュ。「紀土(きっど)」ならではの優しい口当たりも感じられます。青く広がる空と入道雲。子どもの頃に走り回った田舎の風景を思い出させる夏酒です。 (出典元:大和屋酒舗) 1-8.明鏡止水 癒し系純米 日本の夏 金魚すくいにかき氷。立ち並ぶ屋台の間を行くのは浴衣の家族。「明鏡止水(めいきょうしすい)」の夏酒には、信州の夏の風景がデザインされています。 どこか懐かしさを感じさせるラベルのように、お酒は優しい味わい。ほのかな柑橘系の香りとキレ味も楽しめます。スッキリと飲み飽きせず、食事と合わせるお酒としてもおすすめですよ。 (出典元:大澤酒造株式会社) 1-9.フモトヰ 夏純吟 透明なボトルがなんとも涼やかな「フモトヰ 夏純吟(ふもとい なつじゅんぎん)」。軽やかさを意識しつつ、本格的な純米吟醸の味わいを兼ね備えたお酒です。 地元山形の酵母を使い、夏酒らしい喉越しの良さも実現。いただくときは冷やしすぎないのがポイントです。おともにはぜひ、ゆでたての山形名物だだちゃ豆を。夏の最高のペアリングができあがりますよ。 (出典元:麓井酒造株式会社) 1-10.日高見 吟醸 夏吟 漁港町で生まれる「日高見(ひたかみ)」は、「酒でやるなら日高見だっちゃ!」がテーマのお酒。魚介類との相性ばつぐんで、お寿司と合わせる日本酒としても愛されています。 際立つのは酸味と旨味、香りのバランス。暑い夏でもスイスイと美味しくいただけます。透明ボトルの内側からのぞく両面ラベルも要チェックです。 (出典元:さかや栗原) 1-11.山形正宗...
【2023年最新版】酒米の王様「山田錦」とは?山田錦で造られたおすすめの日本酒20選も紹介!
おすすめの日本酒を探す際に、使用されている酒米を参考にするのも日本酒の選び方の一つです。 日本酒のラベルで見かける「山田錦」という文字。「なんのこと?」と不思議に思ったことはありませんか? 山田錦は兵庫県を主な産地とする酒米のこと。良質な日本酒ができることから「酒米の王様」ともいわれています。今回は、山田錦で造られたおすすめ日本酒をご紹介します! 1.「山田錦」ってどういう酒米? 「山田錦(やまだにしき)」は、1936年(昭和11年)に兵庫県で誕生した酒米です。現在も全生産量の70%近くが兵庫県で栽培されています。 なかでも最高峰といわれるのが「特A地区」で育った山田錦です。 特A地区 兵庫県三木市(吉川町)、加東市(東条町、社町)、小野市、神戸市北区 特A地区の土は、リンやマグネシウムといった酒米に必要な栄養素を豊富に含んでいます。1日の寒暖差が大きく、稲が育ちやすいことも特徴です。 心白(しんぱく)が線状で高精白の日本酒ができる 心白とは、米粒の中心に白く光って見える部分のことです。心白部分が大きいと、麹菌が繁殖しやすい反面、精米時に崩れやすくなります。 山田錦は心白が線状に入っているため、崩れにくく、精米で米の外側をより多く削ることができます。精米歩合50%以下、つまり一粒の米を半分以上削って仕上げる吟醸酒造りに適していたのです。 1980年に入ると、華やかな香りを持つ吟醸酒ブームが起こります。山田錦を商品名にする蔵も多く、その名は広く知られることとなりました。 「山田錦」が酒米の王様といわれる理由 山田錦は、米質がやわらかく質の良い麹(こうじ)ができるといわれています。タンパク質が少なく、雑味のない日本酒ができることも王様といわれる理由のひとつです。香りは品よく、ふくよかな味わいの日本酒に仕上がります。 また、山田錦の稲は背が高いため、倒れやすく栽培にコストがかかります。山田錦の価格は、ほかの酒米に比べ約1.5倍。最高峰の山田錦は2倍近くになることも珍しくありません。 精米で外側を削れば削るほど、同じ量の山田錦からできるお酒の量は少なくなります。高精白の山田錦で造る日本酒が高価格になるのも納得ですね。 2.山田錦で造られてるおすすめ日本酒20選 ここからは、山田錦で造られているおおすすめ日本酒をご紹介します!どれも蔵のこだわりが詰まった銘柄ばかり。近年は、自社の田んぼで山田錦を栽培する蔵も少なくありません。ぜひ、日本酒選びの参考にしてくださいね。 2-1.獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分 「磨き二割三分」とは、精米歩合23%のこと。米の外側を77%削っていることを表しています。山田錦の中心部分だけを贅沢に使った純米大吟醸です。 香りは品よく華やか。ハチミツのように上品な甘さです。舌の上を流れるなめらかさは、まるで水のよう。「二割三分」という数字以上の満足感、驚きを与えれくれる獺祭(だっさい)の自信作です。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 2-2.醸し人九平次 La Maison(ラ・メゾン)山田錦 「La Maison」は、フランス語で「家」を表す言葉。フランス、ブルゴーニュでワイン造りも手がける「醸し人九平治」が家飲み用に送るブランドです。 アルコール度数は14%とライトな仕上がり。使用するのは、兵庫県黒田庄の田んぼで自ら栽培した山田錦です。ぜひ好みの料理を用意して、カジュアルにお楽しみください。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 2-3.みむろ杉 ろまんシリーズ Dio Abita 低アルコール酒 奈良県の今西酒造が送る「ろまんシリーズ」の1本。酒米は、仕込み水が湧く水脈上にある田んぼで契約農家とともに育てています。加水をしていない原酒ながら、アルコール度数13%とライトな仕上がりです。 香りはもぎたての果実のようにフレッシュ。口に含むと甘みと酸味がジュワッと広がります。和食にも洋食にも合う、日本酒初心者におすすめの銘柄です。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 2-4.岩の井 山廃 純米大吟醸 「岩の井」こだわりの山廃仕込みの日本酒です。山廃仕込みとは、手間ひまかかる伝統製法のこと。濃醇で奥深い味わいのお酒に仕上がります。 山田錦を40%まで磨いた純米大吟醸は、香りおだやかでキレのある辛口タイプ。山廃ならではのコクと酸味が活きています。料理の味をじゃませず、1杯、また1杯とグラスが進むお酒です。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 2-5.天狗舞 山廃純米大吟醸 日本酒ファンからも人気が高い「天狗舞(てんぐまい)」。伝統の山廃止仕込みで知られる石川県の地酒です。蔵で熟成させた純米大吟醸は、うっすらと山吹色に色づいています。 しっかりとしたコクがありつつ、後味はスッキリ。和食に洋食、中華と合わせる料理を選びません。冷やでも、ぬる燗でも美味しい日本酒です。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 2-6.フモトヰ 生もと...
【2023年最新版】華やかな香りと軽快な味わいが特徴な酒米「美山錦」。美山錦で造られたおすすめ日本酒15選を紹介
おすすめの日本酒を探す際に、使用されている酒米を参考にするのも日本酒の選び方の一つです。 美山錦(みやまにしき)は、日本酒造りに欠かせない原料である酒米の一種。米と水、麹で造られる日本酒は、酒米の個性によって味わいが大きく変化します。 日本酒について詳しくなっていく中で、「美山錦について知りたい。」「美山錦で造られた日本酒を飲んでみたい。」という方もいるのではないでしょうか。 今回は、美山錦の特徴や味わいを詳しく解説!美山錦を使ったおすすめ銘柄も登場するので、ぜひ日本酒選びの参考にしてくださいね。 1.酒米「美山錦」とは? 美山錦は、長野県や東北地方を中心に栽培される酒米です。1972年(昭和47年)、長野県農事試験場が「たかね錦」に放射線処理をおこない、突然変異したものからより良い個体を選抜。1978年(昭和53年)年に「美山錦」と命名されました。 美山錦という名は、心白(しんぱく)と呼ばれる米粒の中心部分が、北アルプスの雪のように美しいことに由来するといわれています。 1-1.「山田錦」「五百万石」に次ぐ全国第3位の作付け量を誇る酒米 耐寒性のある美山錦は、長野県や秋田県、山形県、岩手県など寒い地域で栽培されています。 山田錦(やまだにしき)、五百万石(ごひゃくまんごく)に次ぎ、作付け量は全国第3位。同じく寒冷地方で育つ酒米「出羽燦々(でわさんさん)」の親にもあたる品種です。 平成30年度酒造好適米の銘柄別生産状況 品種 生産量(単位:トン) 山田錦 33,916 五百万石 21,203 美山錦 6,408 その他 34,330 総検査数量 95,856 参考:農林水産省「令和元年産酒造好適米の生産量(推計値)」 1-2.美山錦は華やかな香りと軽快な味わいが特徴的 美山錦で造った日本酒は、華やかな香りを持つのが特徴です。味わいは軽快でキレがあり、食事と一緒に楽しむお酒に適しています。 飲み飽きしないスッキリとした味わいは、日常酒として楽しむお酒にぴったり。冷やでも燗でも味のバランスが崩れず「晩酌には日本酒が欠かせない」という日本酒ファンにも好まれています。 2.美山錦で醸されたおすすめ日本酒15選 ここからは、美山錦で醸されたおすすめ日本酒15選を紹介します。すべてに共通するのは、食事とあわせて楽しめる食中酒であること。ぜひ好みのおつまみを用意して、美山錦が生み出す味わいを楽しんでみてくださいね。 2-1.雪男 純米酒 「雪男(ゆきおとこ)」は、新潟県を代表する人気蔵「青木酒造」の代表銘柄。美山錦を使った純米酒は、米の旨味とシャープなキレ味を持ち合わせています。 地元魚沼の郷土料理、干物や漬物といった塩味の効いた料理とも好相性。寒い冬にゆったりと楽しみたくなる、飲み飽きしない美味しさです。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 2-2.真澄 YAWARAKA TYPE-1 「真澄(ますみ)」は長野県で360年余りの歴史を持つ老舗蔵。新たに誕生した「YAWARAKA TYPE-1」は、アルコール度数12度と通常の日本酒に比べライトな仕上がりです。 手に取りやすいシンプルなラベルデザインには「日本酒になじみのない方、若い方にも気軽に楽しんでほしい」という蔵の想いが込められています。味わいは美山錦らしく、スッキリと軽やか。和食はもちろん、洋食とのペアリングもおすすめです。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 2-3.くどき上手 生吟醸酒 多くの人々の心を魅了し、説き伏せる戦国武将をイメージした酒「くどき上手」。加熱処理をしていない生のお酒「生吟醸酒」は、浮世絵ラベルがひときわ目を引く1本です。 くどき上手らしいフルーティーな香り、美山錦のキレのある味わいは実に爽やか。ぜひキリッと冷やしてシャープな飲み口をお楽しみください。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 2-4.楯野川 純米大吟醸 美山錦 中取 火入 「中取(なかどり)」とは、日本酒を搾る工程で2番目に出てくるお酒のこと。香り、味ともに優れた部分だけを瓶詰めした贅沢な1本です。 原料には山形県産の美山錦を使用し、シャープな味わいを生み出しています。人気銘柄「楯野川(たてのかわ)」のフラッグシップともいえる1本です。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 2-5.くどき上手 ばくれん 美山錦 吟醸 超辛口 「ばくれん」が目指したのはキレが際立つ超辛口の味わい。およそ2年間、低温でじっくり熟成させることで、ただ辛いだけではない深みのある超辛口酒が誕生しました。 使用したのは55%まで精米した美山錦。ほんのり甘く、フルーティーで品の良い香りも特徴です。ラベルに書かれた「ばくれん(すれていてずるがしこい)」女性のように、スイスイとグラスが進みます。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 2-6.正雪...
【2023年最新版】超辛口でおすすめの日本酒15選!
おすすめの日本酒を選ぶ際に、甘口や辛口といった味わいから選ぶのも日本酒の選び方の一つです。 日本酒の「超辛口」とは、日本酒度+10以上にあたるお酒。辛いといってもピリ辛味ではなく、糖度が少ないぶん、スパッとキレのある味わいに仕上がります。 今回は、おすすめの超辛口酒15選をご紹介!日本酒通も思わずうなる超辛口の世界を、ぜひお楽しみください。 1.「超辛口」の日本酒度はだいたいどれくらい? 日本酒は、日本酒度+10以上になると超辛口だといわれています。辛口にあたる日本酒は糖度が少なく、スッキリとキレのある味わいが特徴です。 味わい 日本酒度 標準 +1.4~-1.4 やや辛口 +1.5~+3.5 辛口 +3.5~+3.9 大辛口 +6~ 大辛口である+6を上回る超辛口の日本酒は、スパッとしたキレが持ち味。 「そもそもキレってなんなの?」と疑問に思う方は、甘さや香りがベタつくことなく、心地よい余韻を持ちながらスッと引いていく感じをイメージするといいかもしれません。 超辛口の日本酒は香りも控えめなものが多く、温めて楽しむ燗酒としても好まれています。 2.おすすめの超辛口日本酒15選 ここからは、おすすめの超辛口日本酒15選をご紹介します。日本酒度が高いものは、なんと+20という銘柄も! 日本酒通も納得のキレのある味わいを、ぜひチェックしてみてくださいね。 2-1.来福 純米吟醸 超辛口 日本酒度は+18!「来福(らいふく)」の超辛口はシャープなキレの良さが持ち味です。 茨城県で生まれる「来福」は、ナデシコやツルバラといった花酵母を使ったお酒。甘く華やかな銘柄が多いなか、超辛口は極力香りを抑えた仕上がりとなっています。 辛さのなかにしっかりとした旨味もあるため、食事とあわせて楽しむのもおすすめです。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 2-2.ゆきの美人 純米吟醸 山田錦 6号酵母 超辛 超辛と名付けられた「ゆきの美人」は、キレのなかにやさしい旨味を持ち合わせた日本酒です。醸造元は、秋田県の秋田醸造。マンションの1階という特殊な環境で、年間を通した酒造りを可能としています。 フレッシュかつ酸味の効いた味わいは、「ゆきの美人」ならでは。こってりした料理とも相性が良く、口のなかの脂分をさっぱり洗い流してくれますよ。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 2-3.加賀鳶 山廃純米 超辛口 「加賀鳶(かがとび)」のテーマはズバリ、粋(いき)!粋なキレ味を出すために、米本来の旨味にこだわった酒造りを追求しています。 山廃(やまはい)と呼ばれる手間ひまかかる製法で造られた超辛口酒は、コクと酸味が調和したお酒。辛いだけではない、じんわりとした旨味が感じられます。冷やはもちろん、燗酒にして楽しむのもおすすめです。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 2-4.天狗舞 超辛口純米 ブルーボトルが涼やかな辛口酒は「天狗舞(てんぐまい)」の夏季限定品。スッキリとした旨味が際立つお酒です。 口に含むと感じるのは、さわやかな酸味。甘みを抑えたキレのある味わいは、肉料理や揚げ物と相性ばつぐんです。キリッと冷やせばより一層澄み切った味わいが引き立ちますよ。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 2-5.不動 純米 超辛口 無炭素濾過 「不動(ふどう)」の超辛口酒は低温で長期間発酵させたお酒です。じっくりと寝かせることで、まろやかな味わいを実現しています。 芳醇なコクがありつつスッとキレる後口の良さは、さすが日本酒度+18!というところ。ついついもう1杯とグラスが進みます。寒い冬には燗酒にして、おでんとあわせるのもおすすめです。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 2-6.くどき上手 ばくれん...
ラグジュアリー日本酒”MINAKI”と和フレンチのペアリング体験イベントレポ
2023年6月6日(火)、麻布十番に潜む大人の隠れ家のようなフレンチレストラン「釜津田」にてラグジュアリー日本酒ブランド"MINAKI"の「極幻(GOKUGEN)」と新商品である「極幻 FORMULA.2」のペアリングイベントが開催されました。 この記事ではMINAKIの「極幻(GOKUGEN)」「極幻 FORMULA.2」の詳細と唎酒師ライターがイベント体験した様子をたっぷりとお伝えします。 1.ラグジュアリー日本酒ブランド"MINAKI"とは "MINAKI"は2022年2月にリリースされたラグジュアリー日本酒です。 "時"に焦点を当て、大切な人と過ごすひとときを鮮やかに彩ることができたら。そんな思いを込めて造られました。 現在MINAKIには3つのプロダクトが存在していますが、今回はペアリング体験でいただいた「極幻(GOKUGEN)」「極幻 FORMULA.2」について紹介いたします。 ※香りや味わいについてはペアリングの項目にて触れさせていただきます。 1-1.極幻(GOKUGEN) 極幻(GOKUGEN)はMINAKIが代表作として世に送り出す究極の一本。海外のコンクールや品評会でも数々の賞を受賞しています。 使用されている酒米は兵庫県産山田錦。日本酒らしい上品な味わいとクリアな旨味のバランスを目指して辿り着いたのは“精米歩合17%”でした。 精米は削れば削るほど時間と手間のかかる工程であり、精米歩合17%にするためになんと200時間以上の時間をかけて磨き上げられています。手間とコストにとらわれず、酒蔵の持つ技術を惜しみなく駆使することで、雑味のない至高の味わいを実現しています。 醸造パートナーとして極幻(GOKUGEN)を醸したのは奥羽自慢。MINAKIの「ラグジュアリーな日本酒体験を届けたい」という想いに共感いただいたことからパートナーシップが始まり、真摯な日本酒造りに共に向き合っています。 1-2.極幻 FORMULA.2 極幻シリーズとして新たな究極を表現した極幻 FORMULA.2。原料に使用されている酒米は山形県のオリジナル酒米である「雪女神」。 「雪女神」は大粒で粗タンパク質が少なく、心白の発現率が高いなど、高い精米歩合が必要とされる大吟醸酒造りに最適な醸造特性を持っています。これらの特性を最大限引き出し、雪どけ水のような透明感とパッと目が覚めるようなはっきりとした輪郭のある上品な味わいに仕上げています。 また、超軟水の天然の井戸水を仕込み水として使用し、長期低温醸造に適した冬の寒さと地元で丁寧に育てられた質の良い酒米。そして、これらの素材を最大限に引き出すべく、確かな技術力をもつ造り手たち。これらの自然、気候風土、人と技術が渾然と溶け合う山形の「テロワール」を豊かに感じて頂ける一本です。 2.極幻 FORMULA.2とサラダを中心とした前菜でスタート 2-1.極幻 FORMULA.2の香りと味わい お料理との相性を確認する前に、極幻 FORMULA.2 生酒を楽しみます。 まずは軽くスワリングをして極幻 FORMULA.2の香りを確認。香りはみずみずしい青りんごや白ブドウのようにフルーティーで上品な香りを楽しむことができます。 香りからとても期待値が上がってきたので早速一口...。率直な感想として出てきたのが「美味しい!いいお酒だなあ」という感想です。 まず口に含んだ瞬間感じるのは非常になめらかな口当たりと生酒ならではのフレッシュさです。くどい甘さではなく上品な甘みが口内に広がり、ほどよい旨味を感じると思えば、心地よい余韻を残しながらスーッと消えていきます。 このキレの良さは食中酒としてはどんな料理とも合いそうな気がするので、早速料理とのペアリングを試してみましょう! 2-2.前菜やフリットとも調和する極幻 FORMULA.2 ペアリングとして提供いただいたのは以下の4品です。 ・鱧(ハモ)と鮮魚のフリット 梅のソース ・水タコ ガスパチョソース ・ズワイガニと紫キャベツのマリネ ・有機野菜のサラダ 有機野菜のサラダ・ズワイガニと紫キャベツのマリネは、フレンチドレッシングの味わいが極幻 FORMULA.2の持っているみずみずしい香りと相性が抜群です。旨味という面でも極幻 FORMULA.2の旨みがズワイガニの旨みに負けることなくマッチしています。 水タコ ガスパチョソースは淡白な水ダコの味わいとトマトベースのガスパチョソースからなるほのかな酸味がクセになります。 鱧と鮮魚のフリットはビールを使った生地で揚げられているため外はサクサク、中はふわふわでとても美味しいです。アクセントで添えられた梅のソースによってさっぱりと食べることもできるのでいくらでもいけちゃいます。揚げ物であるフリットがもつ脂をFORMULA.2がキレイに流してくれます。そして、梅のソースの酸味との相性も抜群です。 生酒をいただいた後は極幻 FORMULA.2 火入れもいただきました。火入れはフレッシュさはありながらも、原料であるお米由来のふくよかな旨みが生酒より強調されている印象を受けました。 生酒と火入れ、どちらのFORMULA.2もいただいたどの料理とも相性が良く、料理とお酒双方がお互いの美味しさを引き立て合うペアリングでした。 3.極幻(GOKUGEN)はメイン料理と共に 3-1.極幻(GOKUGEN)の香りと味わい 極幻(GOKUGEN)は深みのあるビターな香りの後に、みずみずしい果実のような香りを楽しむことができます。FORMULA.2より、やや強めにお米由来の香りを感じることができました。 極幻(GOKUGEN)において最も驚いたのが飲んだときの口当たりの良さです。超軟水の天然水を飲んでいるかのようなあまりにも柔らかくなめらかな口当たりに非常に驚きました。 味わいはバランスの良い甘みと旨み、そしてほのかな苦味と心地のよい酸味の余韻を感じながらスッ消えていく、体に染み渡るという表現が合うような美味しさです。 こちらも食中酒としてどんな料理ともよく合いそうな印象。さっそくメイン料理とのペアリングを試してみましょう! 3-2.極幻(GOKUGEN)は濃厚な旨みともよく合う! メインとしていただくのはコクや旨味が強い以下のメニューです。 ・パテドカンパーニュと赤玉ねぎのピクルス ・ローストビーフ ポートワインソース ・チキンポッシェ りんごのソース ・ヤングコーンソテー・ズッキーニフリット 左手のパテドカンパーニュは豚の脂とほのかな塩気によってお酒が欲しくなるおいしさ。思わず極幻(GOKUGEN)に手を伸ばせばキレイな酸味によって脂を流してくれます。また、赤玉ねぎのピクルスも非常にさっぱりといただけるのでパテドカンパーニュの良き相棒となっています。 ローストビーフ ポートワインソースは濃厚なお肉の旨みを堪能することができます。この濃厚なお肉の旨みにも決して負けることなく、極幻(GOKUGEN)が持っている旨みと酸味によって、マッチしています。 チキンポッシェ りんごのソースは、しっとり柔らかく旨みが凝縮されたチキンポッシュに程よく酸味と甘味の効いたりんごのソースがこの上ないパートナーに。 ヤングコーンソテー・ズッキーニフリットはどちらも素材本来の旨みと甘みを楽しむことができます。 極幻(GOKUGEN)とのペアリングもこの旨み・甘み・酸味が非常によく合って相性抜群です。 4.最後に酒粕アイスの食べ比べを楽しんで〆 ペアリングを楽しんだ後に提供いただいたのが、普通のお酒からできた酒粕を使ったアイスと極幻FORMULA.2からできた酒粕を使ったアイスの食べ比べです。 どちらも使われたお酒は違うものの、酒粕に味わいの違いなんてあるのかな?なんて思っていましたが、ちゃんと違いがあって驚きました。 普通のお酒を使った酒粕アイスはどちらかというとあっさり・さっぱりとしています。一方、極幻FORMULA.2から作られた酒粕アイスは酒粕の甘みが濃厚かつ、酒粕の甘みが長く残るのが印象的でした。 さっぱりした方がいい、濃厚なアイスが好きなど個人によって好みは別れるかと思いますが、どちらもとても美味しかったです。 5.ラグジュアリー日本酒MINAKIの今後の展望 美味しいお酒と共に前菜からメイン、デザートと至福のひとときを過ごすことができました。 最後にMINAKIの今後の展望についてお聞きしてみました。 現状、「こういう日本酒を出す!」という確定していることはないものの、方向性としては現在磨きをかけた(精米歩合が低い)お酒をリリースしているので、逆にほとんど磨かず、高級ラインのお酒を作るなども検討しているとのこと。また、本日いただいた極幻(GOKUGEN)を熟成させており、これが5年後10年後おいしいお酒として出来上がっていたら、古酒の販売も考えていきたいと仰っていました。 MINAKIの今後の商品展開がとても楽しみですね! MINAKIの「極幻(GOKUGEN)」「極幻 FORMULA.2」は自分で楽しむのはもちろん、大切な人との至福のひとときを鮮やかに彩ってくれます。また、日本酒を飲んだことがないという方へのプレゼントとしても、うってつけのお酒だと思ったのでぜひプレゼントを選ぶ際に検討してみてはいかがでしょうか? 『MINAKI 極幻(GOKUGEN)』 [価格]¥29,800(税込¥32,780) [製造場所]山形県 [原料米]兵庫県産山田錦100% [内容量]720ml [精米歩合]17% [アルコール分]15% [公式URL]https://minaki-sake.com/products/gokugen 『MINAKI 極幻...