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日本酒と焼肉は相性最高!相性がいい理由とは?

日本酒は、焼肉と相性の良いお酒です。それぞれが持つうま味成分の相乗効果で、美味しさがよりアップします。 今回は日本酒と焼肉の相性が良い理由や、焼肉におすすめの日本酒をご紹介します。これまで焼肉にはビールだったという方も、ぜひ日本酒とのペアリングを試してみてくださいね。 1.日本酒と焼肉は相性抜群!その理由は? 日本酒は焼肉と相性が良いお酒です。その理由は、双方が持つ「うま味成分」にあります。 うま味は、甘味や酸味、塩味、苦味といった基本味のひとつです。うま味成分はさまざまな食品に含まれ、大きく以下の3種にわかれます。 うま味成分 うま味成分を含む食品 グルタミン酸 昆布、チーズ、白菜、トマト、醤油、味噌 イノシン酸 鶏肉、牛肉、豚肉、かつお節 グアニル酸 干ししいたけ、乾燥ポルチーニ うま味成分は単独で使うより、複数を組み合わせたほうが美味しさがアップします。昆布のグルタミン酸と、かつお節のイノシン酸を組み合わせた出汁(だし)もその一例です。 日本酒×焼肉も、うま味の相乗効果が期待できるペアリング。日本酒はグルタミン酸、肉はイノシン酸を含むため理にかなった組み合わせといえます。 2.焼肉と合う日本酒の種類や温度帯 日本酒は、フルーティーな香りのものや旨味の強いものなど、さまざまな種類があります。また、冷やしたり温めたりと幅広い温度帯で楽しめるお酒です。 焼肉と合わせるときは、種類や温度にもこだわってみましょう。より美味しさが引き立つペアリングが生まれます。 2-1.焼肉に合う日本酒の種類 焼肉に合うのは、しっかりとした旨味が感じられる日本酒です。米と米麹のみで造られる「純米酒」は深いコクがあり、タレの濃い味にも負けることがありません。 ラベルに「生酛(きもと)」や「山廃(やまはい)」と書かれた日本酒もおすすめです。複雑かつ繊細な香りと味わいが、肉の旨味と絶妙にマッチします。 また、スッキリ感のある「本醸造酒」は、口内の脂分を洗い流してくれます。焼肉とも相性が良く、お箸を次へと進めてくれるお酒です。 2-2.焼肉に合う日本酒の温度帯 焼肉におすすめの「純米酒」は、温めると味わいがふくよかに変化します。「生酛」や「山廃」も同様です。どっしりとした旨味が焼肉の旨味とマッチし、お酒が進むペアリングができあがるでしょう。 アツアツ、ジューシーな焼肉に冷たいお酒を合わせたいときは、ロックスタイルもおすすめです。ラベルに「原酒」と書かれたタイプは味がしっかりしているため、ロックにしても味がぼやけません。BBQのおともには、冷たさと爽快感を味わえるソーダ割も美味しいですよ。 3.焼肉におすすめの日本酒5選 ここからは、焼肉におすすめの日本酒をご紹介します。純米酒や山廃、原酒などさまざまなタイプを取り揃えました。ぜひ好みのスタイルで日本酒×焼肉のペアリングを楽しんでみてくださいね。 3-1.貴 特別純米 米の旨味とキレを兼ね備えた「貴(たか)」は、冷やでも燗でも美味しいお酒です。後口に爽やかな香りが広がり、ついついもう一杯とグラスが進みます。魚介類とも相性が良く、肉や海鮮を楽しむBBQにもおすすめです。食中酒として幅広いシーンで活躍してくれます。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 3-2.天狗舞 山廃仕込 純米酒 昔ながらの製法、山廃の魅力を存分に感じられる日本酒がこちら。石川県の「天狗舞(てんぐまい)」です。山吹色のお酒をそっと口にすれば、深い旨味がじんわりと広がっていきます。 焼肉はもちろん、すき焼きやジビエのような肉料理にもおすすめです。常温にぬる燗、熱燗と好みの温度でお肉とのペアリングを楽しめます。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 3-3.農口尚彦研究所 YAMAHAI GOHYAKUMANGOKU 無濾過生原酒 「無濾過生原酒」とは、ろ過や加熱処理、加水をしていないお酒のことです。酒米・五百万石(ごひゃくまんごく)を使った山廃仕込みのお酒はキレが良く、口内の脂分をさらりと洗い流してくれます。.農口尚彦氏は、酒造りの神さまともいわれる杜氏のひとり。外箱付きのこちらのお酒は、贈答用にもおすすめです。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 3-4.七田 純米 七割五分磨き 雄町 無濾過生 ふくよかな味わいをもたらす酒米、雄町(おまち)の魅力あふれる1本です。ろ過や加熱処理をしていないため、深い旨味を楽しめます。焼肉のおとも、キムチやナムルなどの個性もしっかりと受け止めてくれる美味しさ。焼肉好き、お酒好きにはこたえられない銘柄です。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 3-5.豊潤 大分三井 白麹仕込み 日本酒造りには、黄麹を使うのが一般的です。こちらのお酒は、焼酎造りに用いることが多い白麹で仕込まれています。白麹由来の甘酸っぱい味わいは、グレープフルーツのような爽やかさ。ロックやソーダ割にしてライムを浮かべれば、焼肉のおともにぴったりの1杯ができあがります。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) まとめ 日本酒と焼肉は、うま味の相乗効果が期待できるペアリングです。お互いの良さが引き立ち、肉もお酒もより美味しく楽しめます。燗酒にしたり、ロックやソーダ割にしたりと味わい方は無限大。ぜひその日の気分にあわせたペアリングを楽しんでみてくださいね。

「地酒」の定義とは?日本酒や清酒との違いを解説

日本各地で造られている地酒(じざけ)。見聞きする機会は多いものの「地酒とは?」と聞かれると答えに迷う方も多いのではないでしょうか。 今回は、地酒の定義や日本酒との違いについて解説します。さらに、日本各地の地酒の特徴やおすすめ銘柄もご紹介。地酒の世界を知れば、日本酒がもっと美味しく楽しいものになりますよ。 1.地酒とは?定義や日本酒との違い 地酒とは、特定の地域で造られたその土地ならではのお酒のことです。昭和後期には地酒ブームが巻き起こり、新潟の淡麗辛口のお酒が人気を博しました。まずは、地酒の定義や日本酒との違い、地酒ブーム誕生の背景についてみていきましょう。 1-1.地酒の定義は2つ 「精選版 日本国語大辞典」では、「地酒」は以下のように定義されています。 〘名〙 その土地でつくられる酒。その土地独特の酒。いなか酒。 参考:コトバンク「地酒とは」 “その土地でつくられる酒”という定義でみた場合、日本酒以外にも地酒は存在するといえます。近年は、小さな醸造所が造るクラフトビールや国産ワインも人気です。 また、デジタル大辞泉では地酒を以下のように定義しています。 その地方でつくられる清酒。特に、灘(なだ)や伏見(ふしみ)を除いた地方のものをさす。 参考:weblio辞書「地酒の意味・解説」 ここでいう清酒とは、いわゆる日本酒のことです。灘は兵庫県、伏見は京都府に位置します。江戸時代、灘や伏見は日本酒の主要産地でした。その他の地域のお酒は地酒と呼ばれ、別の物として扱われていたのです。 現在は、大手酒造メーカーが手がけるような、全国流通するお酒以外も地酒と呼ばれています。一般的には、灘や伏見を除いた地域で、小規模生産されるお酒を指すことが多いでしょう。 1-2.地酒と清酒、日本酒の違いとは? “その地方でつくられる清酒”と定義されているように、地酒は清酒のひとつです。清酒とは、米と米麹、水を原料に発酵させてこしたお酒のこと。国税庁の酒税法では、清酒は以下のように定義されています。 ・米、米こうじ及び水を原料として発酵させて、こしたもの ・米、水及び清酒かす、米こうじその他政令で定める物品を原料として発酵させて、こしたもの(イ又はハに該当するものを除く。)。但し、その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が米(こうじ米を含む。)の重量をこえないものに限る。 ・清酒に清酒かすを加えて、こしたもの 参考:国税庁「酒税法における「清酒」の定義」 これらの条件を満たしていれば、海外で造られたお酒も清酒に該当します。一方で、「日本酒」という呼び名は、国産米を使用し国内で醸造されたお酒のみに用いられるものです。海外産の米を使っていたり、海外で醸造し輸入されたりしたお酒は、日本酒を名乗ることができません。 近年は、フランスやアメリカなどでも清酒が製造されています。地酒の世界は日本国内だけでなく、海外にも広がっているといえるでしょう。 1-3.地酒ブームが生まれた理由 地酒という言葉が全国に広まったのは、昭和後期の地酒ブームがきっかけです。地酒ブーム誕生の背景には、昭和初期から続いた「級別制度」の廃止がありました。 級別制度とは、「特級」「一級」「二級」のように日本酒をランク分けした制度のことです。品質ではなく、酒税額の違いを基準としていた級別制度は、消費者に「高額なお酒ほど美味しい」という誤った認識を与えていました。 長年続いた級別制度が廃止されると、大手が造る特級酒から、地方の小さな蔵が造る地酒へと消費者の注目が移っていきます。なかでも、新潟のスッキリとした味わいのお酒は人気を呼び、淡麗辛口ブームとともに地酒ブームを世に生み出しました。 2.地域別!地酒の特徴とおすすめ日本酒 ここからは、北は北海道、南は沖縄まで全国の地酒の特徴をご紹介します。米と米麹、水というシンプルな原料から生まれる日本酒は、土地の個性が現れやすいお酒です。「どんなお酒を飲もうかな」と迷ったら、おすすめ銘柄もぜひ参考にしてください。 2-1.北海道 豊かな自然と広大な土地に恵まれた北海道。寒さ厳しい北の地では『吟風(ぎんぷう)』や『彗星』、『きたしずく』といった北海道生まれの酒米を使った酒造りがおこなわれています。 道内に3つの蔵を持つ「上川大雪(かみかわたいせつ)」が造るのは、北海道弁でついつい飲んでしまうことを意味する“飲まさる酒”。蔵のひとつ五稜乃蔵は、帯広畜産大学のキャンパス内に位置します。 ほかにも、日本最北端の酒蔵「国稀(くにまれ)」、公設民営型の酒蔵「三千櫻(みちざくら)」、旭川の名水を仕込み水にする「男山(おとこやま)」とどれも人気の蔵ばかり。地酒は後味がスッキリとしたタイプが多く、食の宝庫といわれる北海道の味覚と良く合います。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 2-2.東北 青森の「田酒(でんしゅ)」に岩手の「赤武(あかぶ)」、秋田の「新政(あらまさ)」と日本酒ファンに支持される銘柄が勢揃いする東北地方。なかでも福島は、9年連続『全国新酒鑑評会』での金賞受賞数日本一を誇ります(令和4年時点)。 また、山形にはプレミア日本酒「十四代(じゅうよんだい)」を造る高木酒造も存在します。「浦霞(うらかすみ)」で知られる佐浦酒造は、1724年(享保9年)に宮城県に創業した老舗蔵です。 フルーティーな香りのお酒、深い旨味のあるお酒など味わいも多種多様。どれもクオリティが高く、いろいろな銘柄を試しながら自分の好みのお酒を見つけたい方におすすめです。 2-3.中部 日本海に面する新潟から太平洋に面する愛知まで、エリアが広い中部地方にはさまざまな地酒が集まります。 新潟を代表するのは、かつて淡麗辛口ブームを巻き起こした地酒の数々です。「久保田(くぼた)」や「八海山(はっかいさん)」、「越乃寒梅(こしのかんばい)」など、旨味がありつつスッキリとした味わいのお酒が並びます。 富山の「勝駒(かちこま)」や石川の「加賀鳶(かがとび)」は、海の幸にベストマッチのキレ味鋭い後口が魅力。福井の地酒「黒龍(こくりゅう)」は、香り高い大吟醸の代表銘柄です。 また、アルプスの山々が連なる長野は酒造りが盛んで約80を超える蔵が存在します。愛知の「醸し人九平次(かもしびとくへいじ)」は、日本から世界へ羽ばたく地酒の代表種です。エレガントな味わいは海外でも評価が高く、パリのレストランで採用されています。 2-4.関東 関東地方にも人気銘柄が勢揃い。埼玉の「花陽浴(はなあび)」、神奈川の「いづみ橋(いづみばし)」と、日本酒ファンから愛される地酒が並びます。 なかでも栃木の「鳳凰美田(ほうおうびでん)」は、フルーツを思わせる華やかな香りが魅力的。ほんのり甘く清らかな味わいで、日本酒を飲み慣れない方にもおすすめの地酒です。 2-5.近畿 伏見のある京都をはじめ、奈良や和歌山など2府5県を含む近畿地方。自然豊かな地域も多く、近年は新たな人気銘柄が続々と登場しています。 「紀土(きっど)」は和歌山の豊かな自然が育む地酒です。酒蔵は稲作が盛んな地域に建ち、清らかな井戸水が酒造りに使われています。 また、日本酒発祥の地ともいわれる奈良の「風の森(かぜのもり)」は、ほのかな発泡感と複雑味のある味わいが人気の地酒です。地元の米をなるべく削らず使った酒からは、自然の豊かさ、力強さを感じることができます。 2-6.中国 中国地方は日本海に面した山陰地方と、瀬戸内海に面した山陽地方にわかれます。冬の寒さが厳しい山陰地方の地酒は、燗酒にするとより美味しく味わえるのが特徴です。鳥取の「千代むすび(ちよむすび)」、島根の「十旭日(じゅうじあさひ)」など地酒の魅力を堪能できる銘柄が揃います。 広島県の西条は、日本有数の酒どころとして知られる地域です。銘酒のひとつ「白牡丹(はくぼたん)」を造る蔵は、300年以上の歴史を誇ります。 また、瀬戸内近くの酒蔵では、牡蠣に合うさまざまな地酒が造られています。富久長(ふくちょう)の「シェルラバーズ」もそのひとつです。シュワシュワッとした発泡感とキレのある酸味が牡蠣の旨味を引き立ててくれます。 2-7.四国 四国地方のなかでも、特にお酒好きが多い地域として知られるのが高知県です。観光スポット『ひろめ市場』には地元の屋台が集結し、明るいうちから地酒と料理を楽しめます。 「酔鯨(すいげい)」や「船中八策(せんちゅうはっさく)」など、高知の地酒はキリッとした辛口タイプが多いのが特徴です。瀬戸内の恵みがもたらす魚介類とあわせれば、スイスイと盃が進みます。 2-8.九州・沖縄 焼酎の名産地である九州でも、数多くの日本酒が製造されています。特に、稲作が盛んな北九州は米どころであり酒どころです。福岡には50以上の蔵が存在し、「庭のうぐいす」や「若波(わかなみ)」、「田中六十五(たなかろくじゅうご)」などの地酒が人気を博しています。 また、大分の地酒はスッキリした味わいとほんのりとした甘さが魅力です。さわやかな香りの「ちえびじん」は、和食だけでなくイタリアンにも良く合います。 沖縄の泰石(たいこく)酒造は、沖縄唯一の蔵であり、日本最南端の酒蔵。代表酒「黎明(れいめい)」は、ふくよかな旨味とキレの良さをあわせ持ち、沖縄のお土産にもおすすめです。 3.地酒をより楽しむためのポイント ここまでご紹介したように、地酒にはその土地ならではの個性が現れます。より楽しみたいときは、土地の風土が感じられる地元の食材とあわせるのがおすすめです。また、実際に蔵へ足を運べば、地酒の魅力をより身近に感じることができます。 3-1.酒蔵に足を運んでみる 地酒に興味を持ったら、ぜひ実際に蔵へ足を運んでみてください。地酒が生まれる土地の風土をよりはっきりと感じられるはずです。蔵によっては試飲や販売スペースが設けられています。酒蔵の多い地域に足を運び、酒蔵めぐりを楽しむのもおすすめです。 また、蔵によっては見学を受け付けており、見上げるほど大きなタンクや、日本酒造りに使う道具を間近に眺めることができます。見学時は、蔵のホームページなどで見学の有無を確認してから出かけるのがおすすめです。 酒造り期間中であれば、蔵人たちが働く姿やもろみが発酵する様子を見学できます。蔵内には甘い香りが広がり、お酒好きにはたまらない体験となるでしょう。 https://sake-5.jp/sasaki-sake-brewery-tour-experience-report/ 3-2.地酒と名産品のペアリングを楽しむ 日本酒は食事とあわせて楽しめるお酒です。自宅で地酒を味わうときは、ぜひ地酒が造られた土地の名産品を合わせてみてください。 秋田のお酒にはいぶりがっこ、広島のお酒には牡蠣など、料理とのペアリングを考えると日本酒選びがより楽しくなります。コクとキレを兼ね備えた北海道のお酒には、魚介類やチーズ、ラム肉のような旨味の強い食材もおすすめです。 燗酒で美味しい山陰のお酒は、カニ料理のベストパートナー。旨味と旨味の相乗効果がたまらないペアリングができあがりますよ。 まとめ 日本各地で造られる個性豊かな地酒。その土地の風土を感じられる地酒には、日本酒の魅力がたっぷりと詰まっています。 合わせる料理を工夫したり、実際に蔵に足を運んだりすればいつもの一杯もより美味しく感じられるはず。ぜひ各地を旅するように、さまざまな地酒を味わってみてくださいね。

日本酒を-5度で保存するためのおすすめのセラーはこれ!

日本酒の保存には-5度がいいというのはわかったけど、-5度で保存できるセラーやケースってどういうのがあるのかわからないと思うこともあるのではないでしょうか。 今回は日本酒を最適に保存できる-5度の設定ができる日本酒セラーを紹介します。 1. 日本酒をマイナス5度で保管できるアクアの「SAKE CABINET CSR-15H」 特徴1.マイナス10度~プラス10度で5段階の温度設定が可能 SAKE CABINETは-10℃、-5℃、0℃、5℃、10℃の5段階で温度設定が可能です。 マイナス5度で開封したあとの日本酒も長期保存したり、0度や5度に設定して熟成させる楽しみ方もできます。 5段階で設定できるので、日本酒のストックが無いときは普通の飲み物を入れておくなどもできますね。 特徴2.四合瓶は最大12本、一升瓶は9本まで縦置き可能 上段では最大12本の四合瓶、中段では最大9本の一升瓶が縦置き可能となっています。 たくさんの本数が入るのもメリットですが、ポイントは「縦置き」ができることです。 日本酒は横置きにすると空気に触れる面積が増え、酒質が落ちていってしまいます。 冷蔵庫では縦置きはドアポケットにしか縦置きできるスペースがないため、日本酒にとってあまりいい環境とは言えません。 特徴3.リビングでの使用も考慮したサイズとデザイン性 幅50.3cm×奥行59.8cm×高さ131cmとコンパクトなサイズ感なのでご家庭に難なく置いておくことができます。 また庫面には七宝柄が施され和を感じるスタイリッシュなデザインでインテリアとして生活に溶け込むため、リビングにも問題なく置くことができます。 【SAKE CABINET CSR-15Hまとめ】 温度設定:-10℃、-5℃、0℃、5℃、10℃ (5段階で設定可) 収納本数:四合瓶 約12本(上段) + 一升瓶 9本(中段) + 二合瓶 4本(BOX) 紫外線防止:密閉型 縦置き:可能 サイズ:幅50.3cm×奥行59.8cm×高さ131cm その他:コンパクトなので家庭にも置ける   まとめ 家庭用ならSAKE CABINET, がおすすめ! コンパクトで十分な機能が備わっているSAKE CABINETは家庭用で日本酒を楽しむのにうってつけです。 日本酒をたくさん買うけど、ストックしておく場所がないという方に、ぜひいかがでしょうか?

日本酒からリンゴやバナナのようなフルーティーな香りがするのはなぜ?

米を原料とする日本酒から、なぜフルーティーな香りがするの?と疑問に感じたことはないでしょうか。リンゴやバナナのような香りの正体は、吟醸香と呼ばれるものです。 今回は、日本酒からフルーティーな香りがする理由についてご紹介します。甘い香りのお酒は飲みやすく、日本酒ビギナーにもおすすめです。香りの種類も解説するので、ぜひ日本酒選びの参考にしてくださいね。 1.日本酒のフルーティーな香りの正体「吟醸香」 日本酒から感じるフルーティーな香りは「吟醸香(ぎんじょうこう・ぎんじょうか)」と呼ばれます。リンゴや洋梨、バナナといったフルーツや花などに例えられる香りです。 吟醸香のあるお酒は、和食だけでなくイタリアンやフレンチなどにもよく合います。香りが華やかで、日本酒ビギナーでも飲みやすい銘柄が多いことが特徴です。また、吟醸香は「吟醸造り」と呼ばれる製法によって生まれます。 2.フルーティーな吟醸香が生まれる理由「吟醸造り」 吟醸香は、吟醸造りと呼ばれる製法で生まれます。吟醸造りとは、より小さく削った米を原料に、低温でゆっくりと発酵させる製造方法のことです。 日本酒の主原料である米と米麹は、目に見えない微生物「酵母」の働きによってお酒へと変化します。吟醸香は、酵母がアルコール成分と同時に生成するものです。 米を小さく削ること 低温でゆっくりと発酵させること 吟醸造りの特徴であるこれらの要素は、酵母の働きに影響し以下のような理由で吟醸香を生み出します。 2-1.米を小さく削る吟醸造り 日本酒の原料となる米は、外側を削ってから使用します。米の表面に含まれる脂質やタンパク質などは、酵母の栄養素となる一方で、多すぎると雑味の原因となり得るからです。 米を削ることは「磨く」とも表現され、その度合いは精米歩合(せいまいぶあい)と呼ばれます。 吟醸造りに用いられるのは、精米歩合60%以下と外側を4割以上削った米です。精米歩合50%以下と、より磨いた米を用いた日本酒は「大吟醸酒」と表示されます。 吟醸造りによって、低栄養かつ低温の環境に置かれた酵母は、通常のアルコールのほかに「高級アルコール」にあたる成分を発生させます。 この高級アルコールが、リンゴや洋梨といったフルーツに例えられる吟醸香の正体です。香り成分は米を磨くほど生まれやすく、大吟醸酒は華やかな香りの銘柄が多く見られます。 2-2.低温でゆっくり発酵させる吟醸造り 低温で長期間発酵させる吟醸造りは、冬の寒い時期におこなうのが一般的です。低温でゆっくりと発酵させることで、酵母が生成した香り成分は蒸発することなく醪(もろみ)にとどまってくれます。 より磨いた米を原料に低温で長期発酵させる大吟醸酒は、コストがかかるぶん高価格帯が主流です。なかでも、米と米麹のみを原料とする「純米大吟醸酒」は、贈答用にも適した銘柄が揃います。 3.フルーティーな香り「吟醸香」の種類 フルーティーな香りの吟醸香は、「サッパリとした香り」と「濃醇な香り」の2タイプにわかれます。これは、香りを生成する成分の違いによるものです。 日本酒を選ぶときは「リンゴみたいな香り」「甘いバナナの香り」など、香りに着目してみるのもおすすめです。自分好みの香りや味をより見つけやすくなりますよ。 3-1.リンゴや洋梨のようなサッパリとした吟醸香 リンゴや洋梨のようなサッパリとした吟醸香は、「カプロン酸エチル」と呼ばれる成分に由来するものです。カプロン酸エチルを含む日本酒は、適度に冷やすと香りがより引き立ちます。香りを包み込むワイングラスで味わうのもおすすめです。 近年は、カプロン酸エチルを生成するさまざまな酵母が開発されています。清酒鑑評会の出品酒に採用されることも多く、フルーティーな香りの代表種といえるでしょう。 3-2.バナナやメロンのような濃醇な吟醸香 バナナやメロンのような濃醇な甘さを思わせる吟醸香は、「酢酸イソアミル」に由来します。伝統的な吟醸香でもある酢酸イソアミルは、「きょうかい9号」や「きょうかい14号」といった古くから存在する酵母によって多く生成されるものです。 酢酸イソアミルを含むお酒は、適度に温めると香りがふくよかに変化します。常温やぬる燗などでゆったりと楽しむお酒におすすめです。 まとめ フルーティーで華やかな香りのお酒は、日本酒を飲み慣れない方にもおすすめです。より磨いた米を使っているぶん雑味がなく、スッキリとした味わいも楽しめます。 リンゴやバナナなど、香りの違いに着目すれば日本酒選びの幅がより一層広がります。ぜひ、香りも含めた日本酒のさまざまな個性を感じてみてくださいね。

日本酒は横置きしてもいいの?そんな疑問を解決!

日本酒が残ってしまい冷蔵庫を開けると、置くスペースがなかったという経験がある人もいるのではないでしょうか。 日本酒を縦に置くスペースが取れない場合、横置きにしてもいいのでしょうか。 今回は冷蔵庫で横置きにしたときに、日本酒にはどのような影響があるのか、また正しい日本酒の保管方法を学んでいきましょう。最後に飲み切れなかった日本酒の活用方法もご紹介しているので参考にしてみてくださいね。 1. 日本酒って冷蔵庫で横置き保存していいの? 日本酒を冷蔵庫に保管しようと思ったら、置けるスペースがないなんてことありませんか?一升瓶の縦置きはなかなか難しいこともあるでしょう。横置きならなんとか置ける場所を発見したら、横向きに保管してもいいのでしょうか。 1-1. 日本酒を保管するときは縦置きが基本。 実は日本酒を保管するときは縦置きがいいのです。横置きにすることで、キャップの部分に日本酒が触れ、味や風味が変化してしまうことがあるのです。また、横に置くと縦に置いたときよりも空気に触れる面積が多くなるので、これも味や風味を損なう原因となります。 さらに、日本酒の栓がしっかりと閉まっていなかったときや、元々打栓が安定していない場合、横置きにすると漏れてしまうこともあるため、縦置きが基本なのです。 https://sake-5.jp/sake-how-to-save/ 1-2.冷蔵庫の場合は、どの部屋で保管するかが重要! 冷蔵庫はご存知のとおり場所によって温度が違います。日本酒の保存は「-5度」がベストといわれていますが、家庭用の冷蔵庫に保存する場合どの部屋がいいのかおすすめ順にご紹介します。 肉や魚、生鮮食品に適している「パーシャル室」の温度は約-3度。縦置きできるのであればパーシャル室がおすすめです。 次におすすめなのが「チルド室」。約0度なのでこちらも日本酒の保存には適しています。 パーシャル室やチルドが狭い場合におすすめなのは「冷蔵庫」。こちらは約3度。一番縦置きしやすい場所です。ただしドアポケットなど入り口近くは5~7度くらいになることも多いので、日本酒は奥の方に入れるのが◎。 冷蔵庫の次に温度が低いのは「野菜室」。こちらは約5度ですが、大きい瓶でも縦置きできるのが魅力的。 ちなみに冷凍庫は-18度。冷凍するともつイメージがありますが、凍らせるときは瓶のまま凍らせると割れることがあるので、ちょっとした工夫が必要です。 https://sake-5.jp/sake-store-in-the-refrigerator/ 1-3. 紫外線や温度変化の高いところよりは、冷蔵庫で横置き! 日本酒は「紫外線」・「温度変化」・「空気」からの刺激を受けると劣化してしまいます。 そのため、直射日光が当たる場所や温度が高い・変化が激しい場所よりは、縦置きができなくとも冷蔵庫などの冷暗所で横置きで保管した方がいいといえます。縦に置けないからといって常温のまま部屋に放置するのはやめましょう。 ここがPOINT! 日本酒は「縦置き」での保管が基本 冷蔵庫内でのおすすめ順はパーシャル室>チルド室>冷蔵庫 紫外線が当たる場所や温度変化の高い場所よりは冷蔵庫内で横置きしたほうがいい 2. 冷蔵庫で横置きの場合、どれくらい持つ? 2-1. 未開封なら、そこまで期限は気にしなくてOK!10年後でも飲めるケースも。 日本酒は食品表示法でも賞味期限の表示は免除されており、適切な環境で保存した未開封のものであればいつまでも飲むことができます。そのため、正しく保管すれば保存期間を気にしなくてもOKです。 しかし、横置きの場合、スクリューキャップの金属部分に触れることにより、味や風味が変化する可能性が考えられます。化学的な数値としてみると多少変化があるくらいで、人が飲んでわかるくらい味が変わるわけではありませんが、気になる人は早めに飲みましょう。 また、未開封でも“生酒”や”生貯蔵酒”の日本酒は賞味期限が短いので、最初から冷蔵庫で保管し、早めに飲み切りましょう。 2-2. 開封後の日本酒は3日~5日で酒質が変化。数ヶ月で変化を楽しみつつ飲みきろう! 日本酒の開封後は、どんなにしっかり栓をしても、空気に触れるので3~5日で酒質が変化してきます。5日以内を目安に飲み切る方がいいですが、酒質が変化することで、決して飲めなくなるわけではないので数ヶ月で味の違いを楽しむのもあり。開けたばかりのものより、少し時間が経った方が美味しかったという日本酒も人によってはあるようです。 ここがPOINT! 未開封であれば保存期間は気にしなくてもOK!ただ、横置きすると味が変わったのがわかるくらいではないが味は落ちる 未開封でも“生酒”や”生貯蔵酒”の日本酒は賞味期限が短いので、最初から冷蔵庫で保管し、早めに飲み切ろう。 日本酒の開封後は、どんなにしっかり栓をしても、空気に触れるので3~5日で酒質が変化してきます。ただ、味の違いを愉しむというのもあり。 3. もし飲みきれなかった日本酒は? 時間が経ってしまいあまり美味しくない、一升瓶でもらったけど好みの味ではなかったなどの理由で飲み切れなかった日本酒は、そのまま捨ててはいけません。日本酒は飲めなくてもさまざまなシーンで活躍します。 3-1. 料理酒として使える! 日本酒は料理酒として使えます。料理の味に影響することはほとんどないので、自分が苦手な味の日本酒を料理に使っても問題ありません。煮物を作るときやスープなど、和食には欠かせないものです。 https://sake-5.jp/sake-cuisine/ 3-2. 日本酒風呂として使える! かなり劣化してしまった日本酒は、飲むのも料理に使うのも気が引けますよね。そんなときは入浴剤代わりに日本酒を入れてみましょう。身体が温まるので寒い季節にもぴったりです。 https://sake-5.jp/sake-bath/ ここがPOINT! 飲みきれなかった日本酒は料理酒としてや入浴剤代わりにお風呂に入れて有効活用! まとめ 日本酒は基本的には「縦置き」が正しい保管方法です。しかしどうしても縦置きできないときは、環境が悪い場所に縦置きするよりも、冷蔵庫に横置きの方がおすすめです。また、一升瓶で縦に置けないときは他の容器に移し替えるという手もあります。 縦置きする場所が常にないけど日本酒が大好きという人は、ワインセラーならぬ日本酒セラーを購入するという手もあります。縦置き保管はもちろんのこと、日本酒の保管に適した「-5度」を保つことができますよ。 日本酒の保存に関しての完全版はこちら! https://sake-5.jp/sake-preservation-complete-version/

大きい日本酒は容器で小分けの保管がおすすめ!冷蔵庫保存のポイントも解説

日本酒が好きな人は、好きな銘柄を一升瓶で買うことが珍しくありません。しかし、一升瓶は大きすぎて置き場所に困ってしまうものです。冷蔵庫に入らず、せっかくの高級銘柄でも保管に困ってしまいすぐに飲み切ってしまいます。 そんなときに思いつくのが別の容器に小分けすることです。みなさんも日本酒を小分けにする方法が気になっていると思います。 そこで今回は日本酒を小分けする方法を具体的に解説します。移し替えのポイントも解説しているので、参考にしてみてください。 1.一升瓶が大きすぎるときは小分けにして保存しよう 一升瓶が大きすぎて困る!という場合は、小分けにして保存するのがおすすめです。小分けにすれば、空いたスペースに収納しやすくなります。小分けする方法は以下を参考にしてください。 1-1.一升瓶の量は1800ml 一升瓶は具体的な数値に換算すると1800mlになります。市販の大型ペットボトルと同じくらいの容量ですね。ペットボトルは横にして置いておきやすいですが、一升瓶はそうはいきません。丸みがあるため、横にすれば不安定になります。縦にすれば、大きすぎて収まらないことが多いです。 現状、一升瓶の置き場所に困っている人は、次の項目で説明する容器を用意してみてください。 1-2.用意するもの 一升瓶を小分けする場合、容器なら何でもいいわけではありません。基本的には、以下で解説する容器を選んでください。 煮沸消毒してある密閉可能な瓶やボトル 一升瓶の小分けに最適なのは「煮沸消毒してある密閉可能な瓶やボトル」です。おすすめなのはスイングボトル。ガラス瓶ですが、密閉用のフタがついています。BARなどで見かけることも多いでしょう。 スイングボトルには250ml、500mlとサイズが豊富にあります。大きいものだと、1Lサイズもありますね。量販店や通販サイトから購入できます。安いものはワンコインで買えるので、気に入ったものを探してみてください。 「わざわざ瓶のボトル買うのは...」と抵抗があるときは、匂いのない飲料のボトルで代用しましょう。身近なものでいえば、ミネラルウォーターや炭酸水です。ジュースなどのボトルは日本酒の香りが落ちるため、使わないようにしましょう。 (出典元:amazon) 煮沸消毒のやり方 小分け用の容器を用意したら、事前に煮沸消毒をしましょう。消毒をしないと、雑菌によって日本酒が傷んでしまいます。煮沸消毒のやり方は以下のとおりです。 洗い桶やタライに熱湯を溜める 溜めた熱湯に容器を数分沈める 容器を自然乾燥させる 以上が煮沸消毒のやり方です。基本的には熱湯に容器を沈めておけば問題ありません。注意点は消毒したあとに水分をふき取らないことです。布巾などを使うと、再び雑菌が付着する可能性があります。取り出した容器はキッチンペーパーの上などに置いて、自然乾燥させてください。 漏斗(ロート) 一升瓶を小分けするときは、漏斗があると便利です。一升瓶は重量があるため、ボトルにキレイに注ぐのは難しいです。漏斗があれば、日本酒がこぼれるのを防ぐことができます。なくても問題はありませんが、できれば用意したほうがいいでしょう。 漏斗は一般的なホームセンターで購入することができます。100円ショップなどでも取り扱いがあるので、探してみてください。 ここがPOINT! 一升瓶など冷蔵保に入らない日本酒は小分けにして保存がおすすめ 一升瓶の小分けに最適なのは「煮沸消毒してある密閉可能な瓶やボトル」。おすすめなのはスイングボトル。 「わざわざ瓶のボトル買うのは...」と抵抗があるときは、匂いのない飲料のボトルで代用も可。(身近なものでいえば、ミネラルウォーターや炭酸水) 煮沸消毒の手順①洗い桶やタライに熱湯を溜める→②溜めた熱湯に容器を数分沈める→③容器を自然乾燥させる 2.移し替えと冷蔵庫保存するときのポイント 一升瓶を小分けは、ただ別の容器に移し替えればいいわけではありません。いくつかのポイントがあります。詳しくは以下で解説していきます。 2-1.口元ギリギリまで入れる 一升瓶を小分けするときは、新たな容器の口元ギリギリまで入れるのが大事です。日本酒は空気に触れることで劣化が早まります。そのため、口元近くまで満たすことで、容器内部に空気が溜まらないようにするのです。 ただし、小分けしていくと、最後だけ口元まで満たす量には足りないことがあります。できれば、事前にサイズの小さな容器も用意しておくと、キレイに小分けすることができるでしょう。 2-2.冷蔵庫の中では縦置き 日本酒を冷蔵庫で保存するときは、なるべく縦置きにしてください。キャップに触れて雑味が混ざる可能性があります。横にすれば、空気に触れる面積が広がる点にも注意が必要です。日本酒の劣化が早まります。 日本酒を冷蔵庫で保存する予定があるときは、事前にスペースの幅と高さを測っておくといいでしょう。保存に適切な容器を探すことができます。 2-3.マイナス5度で保存できると理想 日本酒はマイナス5度で保存するのが理想といわれています。ただし、マイナス5度の環境を簡単に用意するのは難しいです。最もカンタンなのは冷蔵庫のパーシャル室に保存すること。パーシャル室の平均温度はマイナス3度です。マイナス5度に近い環境なので、日本酒の保存に適しています。 一升瓶のままなら入らないかもしれませんが、小分けすればパーシャル室で保存するのもカンタンです。日本酒の冷蔵保存については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。 冷蔵庫の各部屋の温度について詳しくはこちら。   https://sake-5.jp/vegetable-room-in-refrigerator/ https://sake-5.jp/sake-how-to-save/ ここがPOINT! 一升瓶を小分けするときは、新たな容器の口元ギリギリまで入れるのが大事 日本酒を冷蔵庫で保存するときは、なるべく縦置き 日本酒はマイナス5度で保存するのが理想 まとめ 一升瓶に入った日本酒を小分けする方法を解説しました。大きくて邪魔になりがちな一升瓶も、小分けすることで収納がラクになります。冷蔵庫に入れることができれば、日本酒の品質を長く保つことができるでしょう。 ぜひ、一升瓶の置き場所に困っている人は本記事を参考に小分けしてみてください。キッチンや物置きが片付き、スペースに余裕が生まれるはずです。

日本酒の正しい保存方法を学ぶ!マイナス5度が最適って知ってた?

美味しいものも保存方法を間違うと台無しになってしまいます。日本酒も例外ではなく、保存方法には気をつけなくてはいけません。 日本酒には賞味期限が書かれておらず、長期保存に向いている飲み物であることが知られています。 しかし正しい保存方法でなければ長期保存に向いている日本酒でさえ飲めない状態になってしまうこともあります。しっかりと保存の仕方を学んでいきましょう! 1.日本酒の保存のポイントは「光・温度・空気」 日本酒は種類によって保存方法が少し変わってきますが、基本的に冷暗所で保管するのがポイント。冷暗所とは、一定に低い温度で保たれた、日の当たらない暗い場所のことです。1~15℃くらいの場所のことをいいます。 よく冷暗所と呼ばれる場所は、床下や流しの下などです。ちょうどいい冷暗所がないときには、発泡スチロールの容器を使う人もいます。日本酒の保存に冷暗所が適している理由を見ていきましょう。 1-1.日本酒は光に弱い 日本酒の大敵である光。それは紫外線が出ているからなのです。紫外線が出ているのは日光だけではなく、蛍光灯などからも出ているので、室内に置いてあるからといって安心してはいけません。 日本酒の専門店などで冷蔵庫のライトが消えているのは、つけ忘れているのではなく、紫外線を防ぐためだったのですね。たった数分でも日向香(ひなたか)という、匂いの原因になってしまうため要注意。どうしても光を遮ることができないときは、新聞紙で日本酒の瓶を巻くといいでしょう。未開封でも開封後でもとにかく日本酒は光から守ることが大切なのです。 瓶に色がついている理由 日本酒の瓶は緑や茶など濃い色が多くなっています。このように濃い瓶の場合は、紫外線の吸収率がいいため、劣化しにくいといえます。しかし最近は透明や薄い青などでフレッシュな日本酒の印象を与えたり、女性人気の高い日本酒はピンクなど可愛らしい色で売り出したりしているものもあります。このように、薄い色の瓶は光から守ってくれるものがないため、劣化しやすくなっているので、より慎重に保存しなくてはなりません。 1-2.温度の変化で劣化する 温度も紫外線と同じくらい日本酒の味などに影響します。急激な温度変化にも弱い日本酒は、一定の温度に保たれた場所で保管するのが基本です。高温になると、老香(ひねか)という劣化した匂いがしてきます。温度と同じく湿度も保たれた場所で保管しましょう。 日本酒のキャップは金属製のことが多いため、湿度が高いと錆びる原因になります。まれにコルクの栓がしてあることがあります。コルクの場合は乾燥しすぎると、よくないため湿度が高めの場所で保存する方がいいでしょう。 1-3.空気に触れると劣化する 日本酒を開けたあとに劣化する理由は酸化するからです。酸化は空気に触れるたびに起こります。日本酒が瓶に詰められるときは真空状態ですが、開けると気をつけても空気に触れないというのは無理です。空気に触れることで、香りや旨味が生まれる種類の日本酒もありますが、開けてから1週間以上経つと酸化してしまうので開封後はなるべく早く飲みきりましょう。 ここがPOINT! 日本酒の保存は冷暗所(1~15℃くらいの場所)が基本 日本酒は「紫外線」「温度変化」「空気」に弱い飲み物   2.日本酒は縦に置く?横に置く? 日本酒を保管するときは縦置きが基本です。サイズによっては横向きにしないと入らないなんてこともあるかもしれませんが、横向きにするとキャップに日本酒が触れることで味が変化してしまう可能性が。 また縦に置いたときよりも、横の方が空気に触れる面積が増えるため、酸化が早くなってしまうのです。ちなみにワインの空気抜きは日本酒にも使えることがあります。酸化を防ぎたいときは使ってみてはいかがでしょうか。 ここがPOINT! 日本酒を保管するときは縦置きが基本 3.日本酒は冷蔵庫に入れる 生酒や吟醸酒、開封後の日本酒は冷蔵庫で、生貯蔵酒と記載がない純米酒・本醸造酒・古酒などは常温でもOKといわれることがありますが、実は日本酒はマイナス5度が最適な環境なのです。 そのためできれば常に冷蔵庫で縦置きにして保存するのがおすすめ。冷蔵庫ではマイナス5度にはなりませんが、常温よりも良い状態を保つことが可能です。 また「光を防ぐ」効果もあるため、可能な限り冷蔵庫で保存しましょう。 ここまで紹介した保存方法を簡単にまとめてみます。 保存方法 理由など 光を避ける 紫外線で劣化するため 温度差を避ける 急激な温度変化で劣化するため 空気を避ける 空気に触れると劣化するため 縦置きにする キャップに触れると劣化するため 最適な温度 マイナス5度が日本酒に最適です!   4. マイナス5度保管にこだわるなら日本酒セラーが最高! マイナス5度が日本酒の保管に適していることはわかりましたが、冷蔵庫の温度をご存知ですか? 冷蔵庫の種類によって差はありますが、冷蔵室は3~5度、ドアポケット部分は6~9度、チルドは0度前後、野菜室は3~7度、冷凍室は-20~-18度となっています。 こうして温度をみると日本酒にぴったりのマイナス5度の空間が冷蔵庫にはないことがわかります。 いったいどこに保管すればいいのかと悩んでいる日本酒通の皆さん!実は日本酒専用のセラーが発売されています。たくさんの日本酒をそろえている人や、日本酒にこだわりのある飲食店の皆さんには日本酒セラーをおすすめします。 https://sake-5.jp/sake-cellar/ https://sake-5.jp/sake-cabinet-review-2/ ここがPOINT! 日本酒を大事に保管するなら、紫外線を遮断できて温度管理も完璧な日本酒セラーがベスト! 5.まとめ 日本酒はただ置いておくだけではダメなのです。せっかく購入してきた日本酒ですので、美味しく飲めるように保存方法にも気を配りましょう。紫外線から守り、温度や湿度にも気を配ります。 そして日本酒の保管は-5度が最適。 冷蔵庫には-5度という環境が残念ながらありません。美味しい状態で常に日本酒を楽しみたい人は、日本酒セラーも考えてみてはいかがでしょうか。 ここがPOINT! 日本酒の保存は冷暗所(1~15℃くらいの場所)が基本 日本酒は「紫外線」「温度変化」「空気」に弱い飲み物 日本酒を保管するときは縦置きが基本 日本酒を大事に保管するなら、紫外線を遮断できて温度管理も完璧な日本酒セラーがベスト!

日本酒の飲み方を徹底紹介!温度別の名称からおすすめの飲み方まで解説します

安くて美味しい銘柄からギフトに最適な銘柄まで、幅広いバリエーションが揃う日本酒。近年は、世代を問わず宅飲みの定番になってきました。この記事にたどり着いた方も「日本酒を楽しみたい!」と、飲み方を学んでいるのではないでしょうか。 今回は日本酒の飲み方のバリエーションをまとめてみました。王道から意外な飲み方まで解説するので、ぜひ参考にしてみてください。 1.温度による日本酒の飲み方、楽しみ方 日本酒は、温度によって味や風味が変化するお酒です。冷たいものから温かいものまで、好みの温度帯で楽しめます。温度による呼び名は、大きく以下の3種類です。 冷酒 冷や(常温) 燗酒 温度 5~20度 20~25度 30~60度 メリット 香りが和らぎ、スッキリとした口当たりになる。お酒を飲み慣れない人でも飲みやすい。 銘柄本来の味や香りを楽しめる。 お酒の香りや味わいが際立ち、深いコクを感じられる。温度が高くなるほどとドライな飲み口を楽しめる。   冷蔵庫がなかった時代、温めたお酒以外はすべて「冷や(ひや)」と呼ばれていました。明確なルールはないものの、現在は冷蔵庫で冷やしたお酒は「冷酒」、常温のお酒は「冷や」と呼ぶのが一般的です。 まずは、冷酒、燗酒、冷やのそれぞれの特徴をみていきましょう。 1-1.冷やして楽しむ飲み方「冷酒」 冷やして楽しむ「冷酒」は、日本酒のポピュラーな飲み方です。冷酒の呼び方は、温度によってさらに細かく分類されます。 涼冷え(15度前後) 15度あたりまで冷やした日本酒は涼冷え(すずびえ)と呼ばれます。一般的な冷蔵庫で冷やした場合、取り出して数分ほど置いた状態です。日本酒の香りが際立ち、料理にも良く合います。 冷たすぎず、舌の上で日本酒をじっくりと味わえることも特徴です。季節を問わず飲みやすい温度といえるでしょう。 花冷え(10度前後) 花冷え(はなびえ)は、10度前後まで冷やした状態を指します。家庭なら冷蔵庫から取り出してすぐの状態が目安です。涼冷えよりも香りが柔らかくなり、日本酒特有のキレが増します。 涼冷え→花冷えの順に飲むと、日本酒の香りとうま味を楽しめます。先に花冷えを飲むと、涼冷えがぬるく感じてしまうので注意しましょう。 雪冷え(5度前後) 5度あたりまで冷やした日本酒は雪冷え(ゆきびえ)と呼ばれます。まさにキンキンに冷えた状態といった感じですね。冷たさとあわさって、のど越しが爽快になります。 冷奴のようなさっぱりとしたおつまみと相性が良く、真夏の晩酌におすすめです。 1-2.温めて楽しむ飲み方「燗酒」 温めた日本酒は「燗酒(かんざけ)」といいます。自宅で飲むには温める手間がありますが、日本酒好きのなかには燗酒好きも多く存在します。燗酒は冷酒と同じように温度ごとに呼び方が変わります。   日向燗(30度前後) 30度くらいに温めたお酒は日向燗(ひなたかん)と呼ばれます。ぽかぽかと陽がさす暖かな日向をイメージさせる温度です。湯気がふわりと立ちはじめ、やわらかな口当たりを楽しめます。 人肌燗(35度前後) 人肌燗(ひとはだかん)は名前のとおり、35度前後の人肌に温めた日本酒です。香りが豊かで、口当たりがやわらかくなるのが特徴。冷酒が飲みづらいと感じた場合も、人肌燗なら飲みやすいかもしれません。 和食と相性が良く、煮物などと一緒に楽しむ食中酒におすすめです。 ぬる燗(40度前後) ぬる燗は40度あたりまで温めた状態です。ぬるいとはいえ、口に含むと少し熱く感じられます。日本酒のコクがより豊かになるといわれる温度帯です。 特に、純米酒をぬる燗にすると米の旨味がふくらみます。日本酒を飲み慣れない方も飲みやすい温度といえるでしょう。 上燗(45度前後) 45度まで温めた日本酒は上燗(じょうかん)と呼ばれます。より熱くなることでアルコールの刺激が強くなり、味わいは引き締まって感じられるでしょう。 熱燗(50度前後) 熱燗(あつかん)は、50度前後に温めた日本酒です。居酒屋メニューにも並ぶことから、燗酒のなかでも馴染みのある飲み方かもしれません。湯気と一緒に豊かな香りが広がります。 体をじんわり温めてくれるので、冬の晩酌にぴったり。鍋物と一緒にいただくのがおすすめです。 おいしい燗酒の作り方はこちらの記事を参考にしてみてください。 意外と難しくない!日本酒のおいしい燗酒の作り方 飛び切り燗(55度~60度) 55度~60度に温めたお酒は、飛び切り燗(とびきりかん)と呼ばれます。その呼び名からも、アツアツであることがわかりますね。飛び切り燗は、キリッと引き締まったドライな味わいを好む方におすすめです。 一度温度が上がってから徐々に常温へと戻るまでの味の変化も楽しめます。 1-3.常温のまま楽しむ飲み方「冷や」 常温で飲む日本酒は冷や(ひや)といいます。「冷」という字が使われているため、冷酒と混同されますが別物です。具体的な温度は20~25度あたりでしょうか。口当たりがよく、各銘柄の特徴をそのまま味わえる温度です。 はじめて飲む銘柄は冷やで味や香りを確かめる人も多く、日本酒ファンに好まれる飲み方ともいえるでしょう。 2.器にこだわった日本酒の飲み方 日本酒を飲むときは「酒器(しゅき)」にこだわってみることも大切です。酒器とは読んで字のごとく、お酒を飲む器のこと。日本酒は酒器の形状によって、味や香りの感じ方が変化します。 ここでは、日本酒にあう酒器3種をご紹介します。酒器についてより詳しく知りたいという方は、こちらの記事も参考にしてみてください。 日本酒は酒器によって楽しさが変わる!酒器ごとの特徴も解説 2-1.徳利とおちょこで日本酒を飲む 古くから使われているのが徳利(とっくり)とおちょこです。徳利は日本酒を貯めておくための容器。おちょこは日本酒を注いで、直接口をつける容器のことです。どちらも和の酒器で、日本酒らしさが感じられます。 流通している徳利とおちょこは、陶器や磁器が一般的です。土を焼いた陶器は口当たりがやさしく、手に触れたときに温かみが感じられます。磁器製の酒器は華やかな絵柄が入ったものも多く、見た目も楽しめるのが特徴です。 日本酒をたしなむなら1セットは持っておきたい徳利とおちょこ。おすすめのおちょこはこちらの記事でご紹介しています。 おちょこのおすすめ10選。おちょこの選び方のポイントも解説 2-2.グラスで日本酒を飲む 日本酒はグラスに注いで飲むこともあります。涼しげな印象のグラスは、冷酒と相性が良い酒器です。ガラス製の酒器は縁が薄く、口当たりが良くなるメリットがあります。 おすすめのグラスについては、こちらもぜひチェックしてみてください。 プレゼントにもおすすめの日本酒グラス14選。選び方のポイントも解説 2-3.ワイングラスで日本酒を飲む 日本酒は、種類によってワイングラスで飲むのもおすすめです。ワインを注いだときに香りが立ちやすいよう設計されているため、日本酒のフルーティーで華やかな香りを引き立ててくれます。 お酒を飲むときにオシャレな雰囲気を演出できることもメリットのひとつです。好みのデザインを選べば、幅広いシチュエーションで利用できます。 日本酒にワイングラスをおすすめする3つの理由。ワイングラスの選び方のポイントも解説 3.料理とあわせた日本酒の飲み方 日本酒は、料理の味を引き立ててくれるお酒です。心をほっと和ませる和食には芳醇な味わいの純米酒、イタリアンやフレンチにはフルーティーな香りの吟醸酒など、料理との組み合わせを楽しめます。 濃密な甘みと複雑な香りが絡み合う熟成酒は、スイーツとのペアリングもおすすめです。具体的なあわせ方やおつまみレシピは、こちらでたっぷりとご紹介していますので、参考にしてみてください。 おうちで簡単!唎酒師が作る日本酒に合う絶品おつまみレシピ20選 4.日本酒初心者におすすめの飲み方、楽しみ方 温度や酒器以外にも日本酒にはさまざまな楽しみ方があります。ロックにしたり、ソーダで割ったりと飲み方は無限大。どれも日本酒をおいしく楽しむことができるので、ぜひ試してみてくださいね。 4-1.日本酒ロック 大きな氷に少量の日本酒で楽しむ日本酒ロックは、飲み口がとてもスッキリして飲みやすいのが特徴です。 日本酒ロックの作り方などについてはこちらの記事でもご紹介しています。 日本酒をロックで飲んでみよう!氷を入れるだけで夏気分♪ 4-2.日本酒のソーダ割り 日本酒をソーダで割ると、アルコール度数が下がり炭酸の爽快感でさらに飲みやすくなります。おすすめは「原酒」と呼ばれる加水調整していない日本酒を使ったソーダ割りです。 レモンやライムなどを添えれば、さらに爽快感がアップします。ちょっぴり苦めのグレープフルーツなどもおすすめです。開栓から日が経つ日本酒も、ソーダ割りにしてレモンやライムなどをしぼれば美味しく楽しめます。 おすすめの割合などは、ぜひこちらの記事を参考にしてください。 日本酒はソーダ割りも美味しい!爽快なのどごしが夏にぴったり! 4-3.みぞれ酒 日本酒にはアルコールが含まれているため、-5度よりさらに低い温度でなければ凍ることはありません。 その特性を利用して作るのがみぞれ酒です。 日本酒とグラスを一緒に冷凍庫(-18度)に入れ90分待ち、90分たったら取り出した日本酒をグラスに50cm程度の高さから入れることで、日本酒がグラスにぶつかる衝撃でシャーベット状になり、みぞれ酒が完成します。 日本酒は冷凍すると瓶が割れる可能性有り!保存方法〜みぞれ酒の作り方を解説! 4-4.日本酒のだし割り 冬におすすめの飲み方が「おでんのだし割り」です。おでんのだしを燗酒で割り、軽く七味唐辛子を振りかけると美味しいだし割りが完成します。 だし割りの発祥のお店など、日本酒のだし割りについてはこちらの記事でもご紹介しています。 日本酒をもっと楽しめる"出汁割り"。+αで楽しめるアレンジもご紹介! 4-5.日本酒カクテル 日本酒はそのまま飲むだけでなく、カクテルにして楽しむのもおすすめです。 サムライ・ロックやカルピシュなどのカクテルは飲みやすく、日本酒を飲み慣れない方でも美味しく楽しめます。 おうちで簡単に作れる日本酒カクテルレシピはこちらで詳しくご紹介しています。 【おうち時間をもっと楽しく】おうちで簡単に作れる日本酒カクテルレシピ9選! 4-6.バニラアイスがけ ちょっと変わった飲み方を楽しみたいときは、日本酒をバニラアイスにかけてみてください。おすすめは、スパークリング日本酒や熟成酒のバニラアイスがけです。フルーツを添えれば、日本酒の世界が広がる大人のデザートができあがりますよ。 5.日本酒を飲むときに気を付けたいポイント 日本酒はあくまでもお酒のため、飲み方によっては体調を崩してしまったり、思わぬ失敗をしてしまったりすることがあります。美味しく楽しく日本酒を味わうためにも、気を付けたいポイントをおさえておきましょう。 5-1.和らぎ水(チェイサー)を忘れずに飲む 日本酒を飲むときは、水も一緒に口にするようにしましょう。日本酒と一緒に飲む水は、和らぎ水(やわらぎみず)と呼ばれます。洋酒にを飲むときのチェイサーにあたるものです。 日本酒と一緒に和らぎ水を飲むことで、アルコールによる脱水症状を回避でき頭痛や二日酔い予防に役立ちます。 お酒を飲むと頭痛が起きるのはなぜ?頭痛を予防する日本酒の楽しみ方も解説! 5-2.覚えておきたい飲み方のマナー 飲み方のマナーを覚えておくと、お酒の席で役立ちます。例えば、お酒を注いでもらうときのおちょこは、両手で支えるのがマナーです。お酒を注ぐときの徳利も両手で持つようにしましょう。 また、飲食店などでは「もっきり」で日本酒が提供されることがあります。もっきりとは、枡のなかに入れたグラスになみなみとお酒を注ぐスタイルのことです。 この場合、まずは枡にお酒を少々移してからグラスに口を付けます。グラスの日本酒が少なくなったら、枡のお酒をグラスに移しましょう。 グラスではなく、枡に直接口を付けて飲んでもマナー違反にはあたりません。その際は角ではなく、平らな部分から飲むようにしましょう。枡から飲むことで、木の香りと日本酒の香りのハーモニーを楽しめます。 日本酒を枡で楽しむ「枡酒」とは?枡酒の魅力や飲み方を紹介 6.飲み切れなかったときは?覚えておきたい日本酒の保存法 4合瓶(750ml)で販売されることの多い日本酒は、1度には飲み切れないこともあるかもしれません。 ラベルに「生」という字があるお酒の場合は、冷蔵保管が基本です。火入れと呼ばれる加熱殺菌処理をしていない生酒は、品質が変わりやすい一面があります。 火入れをしているお酒の場合も、光や温度の影響を受けにくい冷暗所で保管するようにしましょう。空気に触れると酸化が進むため、きれいな小型容器に移して保管するのもおすすめです。 日本酒の保存は常温より冷蔵庫が正解◯!特に火入れしていない生酒は保存に注意! まとめ 日本酒は、温度や酒器、あわせるおつまみでさまざまに楽しめるお酒です。ロックやソーダ割りにすれば、グッと飲みやすくなることもあるでしょう。 これからどんどん日本酒を楽しみたい!という方は、今回ご紹介した飲み方にぜひチャレンジしてみてください。「これだ」と思える相性の良い飲み方に出会えるかもしれませんよ。

おうちで簡単!唎酒師が作る日本酒に合うおつまみレシピ20選

美味しい日本酒には美味しいおつまみがかかせない!という方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、お家で居酒屋気分を味わえるおすすめおつまみを紹介します。 定番おつまみからチーズを使った洋風おつまみまで、お酒がすすむメニューが勢揃い。どれも飲みたいときにササッと作れるかんたんレシピばかりですよ。より美味しく楽しめる「日本酒4タイプ」にあわせたおつまみの数々、ぜひチェックしてみてください♪ 1.おつまみ選びのヒントに!日本酒の4つの分類 日本酒は、コクや香りによって以下の4つに分類され、それぞれに合うおつまみを選ぶと、さらにお酒が進むペアリングが生まれます。 薫酒(くんしゅ) 爽酒(そうしゅ) 熟酒(じゅくしゅ) 醇酒(じゅんしゅ) 米を原料に造られる日本酒は、ご飯がすすむ煮物や焼き魚、照り焼き、和え物などと相性の良いお酒です。また、フルーティーな香りに深いコク、ドライテイストなど、銘柄ごとの個性が大きな魅力でもあります。 より相性の良いおつまみを楽しみたいときは「フルーティーな香りの日本酒にはちょっと洋風」、「コクのある日本酒には濃い味付け」など、お酒のタイプに合わせたメニューを選んでみてください。 「このお酒はどのタイプ?」と疑問に思ったら、ラベルに書かれた「吟醸」や「純米」という文字をチェックしてみてるのがおすすめです。お酒の個性を知るおおまかなヒントになりますよ。 1-1.吟醸酒、大吟醸酒 :薫酒(くんしゅ) 「薫酒(くんしゅ)」は、薫る(かおる)酒と書くように、華やかな香りが特徴的な日本酒です。吟醸香(ぎんじょうこう)と呼ばれる華やかでフルーティーな香りを持つ「吟醸酒」や「大吟醸酒」に多く見られます。 ワイングラスに注いで香りと味わいを楽しんだり、フレンチやイタリアンと組み合わせても美味しいタイプです。 1-2.普通酒、本醸造酒、生酒:爽酒(そうしゅ) 「爽酒(そうしゅ)」は、香りやコクが控えめでスッキリした味わいの日本酒です。「淡麗辛口」や「ドライテイスト」と表現されることもあります。 爽酒タイプの日本酒は、「普通酒」や「本醸造酒」に多く見られます。また、加熱処理をしていない「生酒」もフレッシュで爽やかな味わいが際立つお酒です。 1-3.長期熟成酒、古酒:熟酒(じゅくしゅ) 「熟酒(じゅくしゅ)」タイプには、一定期間熟成させた「長期熟成酒」や「古酒」があてはまります。琥珀色や濃い茶色の色合い、複雑な熟成香、重厚な味わいが特徴です。 1-4.純米酒:醇酒(じゅんしゅ) 「醇酒(じゅんしゅ)」は、4つのなかでもっともコクがあるタイプです。米のふくよかな香りと旨味、しっかりした飲みごたえが感じられる「純米酒」に多く見られます。 また、「山廃(やまはい)」や「生酛(きもと)」と呼ばれる日本酒も醇酒タイプが多いお酒です。温めるとさらに味に深みが生まれ、燗酒にも向いています。 2.日本酒の温度別、おつまみの合わせ方 日本酒は、冷やしたり温めたりと幅広い温度帯で楽しめるお酒です。おつまみも日本酒の温度にあわせて用意してみましょう。 例えば、鮮度が命のお刺身には適度に冷やしたお酒が良く合います。温かい煮物や煮魚には、燗酒のペアリングもおすすめです。 また、日本酒はそのまま飲むだけでなく、ロックやソーダ割にしても美味しく味わえます。キリッと冷えた日本酒ロックや、爽快感あふれるソーダ割は揚げ物とベストマッチ。唐揚げやフライドポテトと合わせて、爽快なのど越しを楽しんでみてください。 3.薫酒(くんしゅ)に合うおつまみレシピ 華やかでフルーティーな香りを持つ薫酒は、和食はもちろん洋食にも合うお酒です。ほんのり苦味のある野菜や、ハーブ類を使ったあっさりしたタイプのおつまみと良く合います。 3-1.トマトとモツァレラのカプレーゼ イタリア生まれのサラダ「カプレーゼ」はフルーティーな香りの薫酒と好相性。バジルを加えて香り×香りの相乗効果を楽しんで♪ レシピ オリーブオイルに塩少々とドライバジル、ブラックペッパーを加える。半分にスライスしたミニトマト(そのままでも)とモツァレラチーズをあえる。 3-2.アボカドとサラダチキンの柚子胡椒マヨ 手軽に使えるサラダチキンを使ったマヨサラダは、柚子胡椒がアクセント。柚子の香りとピリッとした辛味に、するするとお酒がすすみます。 レシピ マヨネーズ(大さじ1)に柚子胡椒(小さじ1/2)を加える。レモン汁をかけたアボカド(1個)と、カットしたサラダチキン(50g)をあえてできあがり。 3-3.はんぺんのハム&チーズ焼き 淡白な味わいのはんぺんは、薫酒と相性の良い食材です。ハム&チーズをはさんでこんがり焼けば、ふわふわ食感が楽しいおつまみができあがります。 レシピ はんぺんを横半分にカットし、ハムとチーズをはさむ。フライパンできつね色になるまで焼く。 3-4.タコとホタテの和風カルパッチョ ワイングラスで楽しむスパークリング酒や、香り高い薫酒にあわせたいメニューです。白身魚のお刺身で代用しても◎ レシピ カットしてお皿に並べたタコ&ホタテに、レモン汁をまわしかける。オリーブオイル(大さじ1)と醤油(小さじ1)をよく混ぜ、上からかける。 3-5.大根の梅じそサンド 梅の酸味と青じその香りが薫酒と相性ぴったり。冬から春に販売される新酒にも合う和風おつまみです。 レシピ 大根を5mm幅の半月状にカットし、真ん中に切込みを入れる。青じそと潰した梅干しをはさんで完成。 4.爽酒(そうしゅ)に合うおつまみレシピ ドライテイストの爽酒は、シンプルな和風おつまみやピリ辛味と好相性。今回はピックアップしていませんが、唐揚げや天ぷらといった油ものとも良く合います。暑い夏はロックスタイルやソーダ割で楽しんでも◎ 4-1.薬味たっぷり冷奴 おつまみの定番、冷奴は薬味をたっぷりと乗せて。薬味の爽やかな香りと苦みが、爽酒のスッキリとした味わいを引き立てます。 レシピ ネギ、ミョウガ、しょうがのすりおろしなど、好みの薬味を用意する。豆腐にたっぷりと乗せ、醤油をまわしかける。好みでごま油やラー油をたらしても◎ 4-2.きゅうりとわかめのツナマヨサラダ ちょっと時間があるときは、きゅうりをササッとスライス。ツナマヨでコクを足せば、爽酒とバランスのとれたおつまみサラダができあがります。 レシピ 薄くスライスしたきゅうり(1本)に塩をふり、しばらく置いてキュッと絞る。乾燥わかめは水に戻して絞っておく。めんつゆ(大さじ1)にマヨネーズ(大さじ1/2)を加えよく混ぜる。油をきったツナ缶ときゅうり・わかめを、めんつゆマヨであえて完成。 4-3.ピリ辛こんにゃくの炒り煮 作り置きもOKの炒り煮は、爽酒と良く合うピリ辛味に。辛さが苦手な方は、唐辛子をおかかに代えても◎。 油を使わないため、ダイエット中にもおすすめのおつまみです。 レシピ こんにゃく(1枚・250g)はスプーンなどでちぎるように切る。パチパチ、キュウキュウと音が鳴るまで、から煎りする。水分が飛んだら、醤油(大さじ1)、みりん・酒(各大さじ1/2)、唐辛子を加えて煮詰める。 4-4.塩辛ポテトサラダ 人気おかずの定番、ポテトサラダは塩辛をプラスしておつまみ風に仕上げましょう。マヨネーズのコクと塩辛の塩味、じゃがいもの甘味が、爽酒と絶妙にマッチします。 レシピ じゃがいも1個を濡れたキッチンペーパーとラップで包み、500Wで約8分加熱。やけどに注意しながら皮をむき、熱いうちにつぶす。粗熱が取れたらマヨネーズ(大さじ1~2)、塩辛(20~30g)を混ぜる。※マヨネーズと塩辛の量はお好みで。 4-5.さっぱり砂肝ポン酢 コリコリッとした砂肝ポン酢は、お家で居酒屋気分を楽しめるおつまみです。作り置きをして味が染みた翌日に味わうのもおすすめ。 レシピ 砂肝(100g)を薄く切り、茹でて水をきっておく。ネギを加え、ポン酢(大さじ1)、ごま油少々であえて完成。 5.熟酒(じゅくしゅ)に合うおつまみレシピ 琥珀色の熟酒のおつまみは、ウイスキーやブランデーにあわせるつもりで選んでみましょう。意外なところでは、スイーツとのペアリングがおすすめです。ナッツやドライフルーツ、ニンニクの個性も、熟酒の深い味わいが受け止めてくれます。 5-1.酒粕×クリームチーズ×フルーツナッツ 酒粕×クリームチーズはお酒好きにぜひおすすめしたい組み合わせ。ドライフルーツの甘味とナッツの風味が、熟酒と絶妙にマッチします。 レシピ 酒粕(50g)、クリームチーズ(30g)、ハチミツ(小さじ1)、好みのドライフルーツとナッツ混ぜる。※酒粕が固いときは、電子レンジで10~20秒加熱してみてください。 5-2.オイルサーディンの缶詰アヒージョ 手軽に完成された味わいを楽しめる缶詰は、お酒好きの心強い味方です。ニンニクと唐辛子を加えて、熟酒が進むアヒージョ風に。 レシピ オイルサーディン缶にスライスしたニンニクと輪切りの鷹の爪を入れ、オーブントースターでフツフツするまで焼く。※熱くなるので取り出し時に注意! 5-3.長ネギとメンマのピリ辛和え ピリッと辛い中華風メニューも、熟酒におすすめのおつまみです。瓶詰メンマを汁ごと使えば、手軽に本格的な味わいに仕上がります。 レシピ ごま油をひいたフライパンに、メンマ(1瓶・100g)を汁ごと入れる。汁が煮詰まったら、醤油とラー油少々を回しかけ、少々煮詰めて火を止める。斜めに薄切りした長ネギ(1/4本)を加え、余熱で混ぜる。 5-4.牡蠣のバターソテー 牡蠣は生でも日本酒と相性ばつぐんの食材。熟酒と合わせるときは、バター醤油を使ったコクのあるおつまみで。 レシピ 水気をきった牡蠣に薄く小麦粉を振り、バターソテーする。火が通ったら仕上げに醤油をまわしかける。 5-5.熟酒のアイスクリームがけ トロリと粘度があり、甘さと香りが濃い熟酒はバニラアイスにかけて味わうのもおすすめです。そのほか、チョコレートやあんこといったスイーツとも好相性。ぜひ、新しい日本酒の楽しみ方にチャレンジしてみてください。 6.醇酒(じゅんしゅ)に合うおつまみレシピ コクのある醇酒のおつまみは、ご飯におかずを合わせるように選んでみましょう。味噌や醤油を使った和食はもちろん、バターやチーズを使ったメニューとのペアリングもおすすめですよ。 6-1.きのこのバターホイル焼き 旨味がギュッと詰まったきのこは、醇酒と相性ばつぐんの食材。ホイルに包んでトースターに入れれば、お酒をちびちび飲む間に美味しいおつまみができあがります♪ レシピ 好みのきのこをアルミホイルの中央に置き、日本酒とちょろっとまわしかけ、塩コショウをふりバターを乗せて包む。オーブントースターで7~8分蒸し焼きにし、しょうゆをかけていただく。 6-2.油揚げのネギ味噌&キムチーズ 味噌、キムチ、チーズは、醇酒と相性の良い発酵食品です。油揚げのこおばしい香りも醇酒の味わいを引き立てます。 レシピ 味噌・みりん(各大さじ1)と砂糖少々、刻みネギでネギ味噌をつくる。油揚げ2枚にネギ味噌、キムチ&チーズをそれぞれ乗せ、オーブントースターで焼く。 6-3.ニンジンとレンコンのきんぴら 和食の王道、きんぴらも立派なおつまみメニューに♪ ちょっと濃い目の味付けが燗にした醇酒にぴったりです。 レシピ 千切りニンジン(1本)とレンコンの水煮(100g)をごま油で炒める。火が通ったら、醤油(大さじ1.5)、酒・みりん(各大さじ1)を入れる。水分が飛んだらごまを振って完成。 6-4.めんたい玉子焼き 居酒屋でついつい頼んでしまうふわふわ玉子焼き。明太子をくるっと包めばお酒にぴったりの味わいに。 レシピ 卵(3個)に顆粒だし少々を加えて混ぜる。油を引いたプライパンに卵を流し、まんなかに明太子を乗せて巻く。※あえて甘口の卵で仕上げるのもオススメ 6-5.電子レンジで肉豆腐 お腹がすいた…でもお酒も飲みたい!というときはボリューミーなおつまみを♪ 電子レンジを活用すれば、味の染みた肉豆腐があっという間にできあがります。 レシピ 醤油・酒・砂糖(各大さじ1)に豚バラ肉(100g)を漬ける。耐熱容器に焼き豆腐(1/3丁)、スライスした長ネギ、豚肉を汁ごと順に重ね、ラップをかけて電子レンジ(500W)で5分加熱する。 まとめ 美味しい日本酒を片手におつまみをいただく時間は、日本酒好きにとってまさに至福のひととき。1日の終わり、日本酒とおつまみを楽しみたいときは、かんたんレシピが心強い味方です。 日本酒をちびりちびりと飲みながら、手軽に調理できることもうれしいポイント。好みのおつまみを用意して、今日も日本酒で乾杯!

日本酒の賞味期限は?賞味期限の目安や劣化した日本酒の特徴を解説

日本酒には、実は賞味期限がないことをご存じですか?「え!ということは、何年も味が変わらないの?」と驚く方も多いのではないでしょうか。 日本酒には賞味期限の表記はありませんが、未開封な状態と開封後とでは、美味しく飲める期間が異なります。今回は、日本酒の賞味期限や保存のポイントについてご紹介!余ったお酒の使い道も、ぜひ参考にしてくださいね。 1.日本酒に賞味期限の表示はない 食品などに必ずと言って良いほど記載がある賞味期限ですが、日本酒には賞味期限の表示がありません。日本酒はアルコール度数が高いぶん腐敗しにくく、国税庁から消費期限・賞味期限の表記は必要ないとされているからです。 ー(問 25)酒類において、表示の省略ができる事項はありますか。   酒類については、「保存の方法」、「消費期限又は賞味期限」、「栄養成分(たんぱく質、脂質、炭水化物及びナトリウム)の量及び熱量」※の表示を省略することができます。ただし、これらの事項を表示する場合には、食品表示基準に沿った表示を行う必要があります。(食品表示基準第3条第3項) (出典元:食品表示法における酒類の表示のQ&A – 国税庁) また、食品表示法では、ワインなどのお酒類全般も賞味期限の表示が免除されています。 ラベルに記載されているのは「製造年月」 日本酒のラベルに、賞味期限と似たような日付を見かけたことはありませんか?これは、賞味期限ではなく「製造年月」を表しています。 製造年月とは、日本酒を瓶に詰めた月または日にちのことです。画像のように年数と月のみの表示もあれば、日にちまで含めたものもあります。賞味期限の表示義務がないのに対し、製造時期は法的に記載が定められています。 ここがPOINT! ・ 日本酒の賞味期限は、国税庁から表記は必要ないと発表されている ・ラベルに記載するのは製造年月 2.開封前の日本酒の賞味期限の目安 そもそも賞味期限とは、「袋や容器を開けないまま、美味しく食べられる期限」のことです。日本酒は賞味期限のないお酒ですが、5年、10年たっても品質が変わらないわけではありません。 開封しなければ腐敗のリスクは少ないものの、美味しく楽しむには一定の期間があると考えられます。特に「生酒」は以下のように飲み頃が短いお酒です。 2-1.加熱処理をした日本酒は1年がひとつの目安 加熱処理をした日本酒の賞味期限は、製造時期からおよそ1年間がひとつの目安になります。 日本酒は、お酒を絞ったあとと瓶に詰める前の2回「火入れ」と呼ばれる加熱処理をおこなうのが一般的です。加熱処理をした日本酒は、ラベルに火入れと書かれていたり、酒販店で常温で並べられたりしています。 ただし、近年は製造技術の進歩や保管のノウハウにより、数年たった日本酒でも美味しさがキープできるといわれています。味や香りがよりまろやかに変化した日本酒は「熟成酒」として人気です。日本酒の熟成については、後の章で詳しくご紹介します。 2-2.生酒・生貯蔵酒や生詰め酒は約6~7カ月 「生酒」や「生貯蔵酒」などは、製造時期から約6~7カ月の間に飲むのが良いといわれています。 「生酒」とは、1度も加熱処理をしていない日本酒のことです。出荷前に1度だけ加熱処理した日本酒は「生貯蔵酒」、貯蔵前に1度だけ加熱処理をした日本酒は「生詰め酒」と呼ばれます。 火入れの目的のひとつとして挙げられるのが、日本酒の保存性を高めることです。火入れをしていない生のお酒は、そのぶん品質が変化しやすい状態にあります。これらのお酒は冷蔵保管を心がけ、なるべく早めにフレッシュな味わいを楽しみましょう。 生酒についてさらに詳しい内容を知りたい方はこちらを参考にしてみてください。 日本酒の生酒とは?火入れをした日本酒との違いや楽しみ方を解説! 3.開栓後は早めに飲み切る 日本酒は、開栓して空気に触れると「酸化」と呼ばれる現象が始まります。酸化が進むと、香りが不快に感じられたり、味わいが変化したりするため注意が必要です。 食品や飲料は、賞味期限があっても開封後は早めに食べたり飲んだりしたほうが良いといわれています。賞味期限がない日本酒も同様に、開栓後は早めに飲み切るように心がけましょう。 特に生酒や生貯蔵酒といったお酒は味の変化も早いため、開栓後は1週間以内に飲み切るのがおすすめです。 開栓後の日本酒がおいしく飲める期間などのついてはこちらを参考にしてみてください。 開封後の日本酒はいつまで飲める?保存方法から劣化の見分け方まで解説! 4.日本酒の保存方法3つのポイント 日本酒の美味しさをキープするためには、保管時に次のポイントを意識してみてください。賞味期限のない日本酒の飲み頃を逃すことなく、酒蔵が目指す味わいを楽しめます。 冷暗所か冷蔵庫で保管する 縦置きで保管する 紫外線に当てないようにする ここでは保管のポイントとあわせ、温度や光が日本酒に与える影響も確認していきましょう。 4-1.冷暗所か冷蔵庫で保存する 日本酒は、冷暗所か冷蔵庫で保管するのが基本です。温度の高い場所で保管すると、色合いが茶色く変化するほか「老香(ひねか)」と呼ばれる劣化臭が生じるリスクが高まります。 特に、火入れをしていない生酒は冷蔵庫で保管してください。酒販店でも、生酒は冷蔵庫に入れられています。ネットショップなどで日本酒を購入するときは、必要に応じてクール便を選択できるかなども確認してみてくださいね。 4-2.縦置きをする 日本酒は、なるべく縦置きで保管しましょう。キャップが金属製の場合、お酒が金属に触れることで味が変化してしまうと言われています。特に、飲みかけの日本酒は縦置き保管が基本です。横置きにすると空気と触れる面積が増え酸化が進んでしまいます。 冷蔵庫に縦置きできるスペースがないときは、小さな容器に移し替えるのもおすすめです。その際は、清潔で乾燥した容器を使用してくださいね。 日本酒を小分けに保存するやりかたはこちらを参考にしてみてください。 大きい日本酒は容器で小分けの保管がおすすめ!冷蔵庫保存のポイントも解説 4-3.紫外線や光には当てないようにする 紫外線に当たった日本酒は、色が茶色く変化し「日光臭(にっこうしゅう)」と呼ばれる劣化臭が生まれます。そのため、日本酒は日に当たらない場所に保管することが大切です。常温で保管する際も、光の差し込まない場所を選びましょう。 5.未開封で5年10年と保存すれば熟成酒に 近年、日本酒ファンの間で注目を集めているのが「熟成酒」です。 そもそも熟成とは、年月を経て食品の旨味や風味が増すこと。熟成させた日本酒は「古酒」とも呼ばれ、複雑な香りと濃醇な味わいを持ちます。 前述した保存方法を心がけ、未開封の状態で適切に保存すれば自宅でも熟成酒を楽しめます。人生の節目に購入した日本酒を熟成させ、5年後、10年後の記念日に開けるのもおすすめです。 日本酒の熟成と劣化の違いは?熟成をするうえでのポイントを解説! 6.風味が落ちてしまった日本酒の色や香り、味わいの変化 時間が経ち風味が落ちてしまった日本酒は、色や香り、味わいに変化が生まれます。「まだ美味しく飲めるかな?」と気になる日本酒があるときは、以下の項目を確認してみてくださいね。 6-1.日本酒の色や見た目の変化 5年、10年と適切な環境下で保管された「熟成酒」は、透明から琥珀色、赤茶色へと色合いが変化します。紫外線や光を浴びた日本酒も同様です。 ただし、紫外線を浴びた場合は同時に風味が落ち、香りも不快なものへと変化してしまいます。日本酒の色が変わったときは、香りも含めて状態を判断するのがおすすめです。 6-2.日本酒の香りの変化 日本酒は、開栓してから時間が経過したり、光や紫外線に当てたりしていると「老香」や「日光臭」と呼ばれる香りが生じます。これらは、ツンと鼻をつくような不快感を生じる香りです。この場合、日本酒は風味が落ち、蔵の目指す味わいとは異なるものになってしまったと考えられます。 6-3.日本酒の味の変化 日本酒の味わいは、時間の経過とともに徐々に変化していきます。なかには、熟成させることでまろやかな味わいに変化することもあるでしょう。 ただし、お酒が空気に触れて酸化した場合は、苦味や酸味が生じてしまいます。決して飲めないお酒になってしまったわけではありませんが、その際は次に紹介する使い道も検討してみてください。 7.開封後に時間が経った日本酒の使い道 「飲みかけの日本酒、うっかりいつまでも置いたままにしてしまった」という経験はありませんか? 「なんだか香りも味も美味しいとは言えないけど、捨てるのはもったいない…」というときは、料理やお風呂に使うのもひとつの方法ですよ。 7-1.料理酒として使う 日本酒を使った料理は、香りが上品に仕上がります。また、素材がふっくらとやわらかくなったり、コクがプラスされたりと、さまざまなメリットが生まれるのが特徴です。料理酒の代わりに活用するほか、汁物や鍋に加えるのもおすすめですよ。 さらに詳しい内容を知りたい方はこちらを参考にしてみてください。 日本酒は料理酒としても使える!日本酒と料理酒の違いなどについて解説 7-2.お風呂に入れて日本酒風呂に 飲み頃を過ぎた日本酒がたくさんあるときは、日本酒風呂はいかがでしょうか?日本酒風呂は、美肌効果や発汗作用が期待できるといわれています。 日本酒を入れる目安は、コップに1~3杯程度。肌が弱い方は少量にするほか、子どもや妊婦の方などは避けたほうがベターです。問題ない方は、初めは少量ずつ試しながら自分に合う量を見つけてみてくださいね。 日本酒風呂の効能や注意点などさらに詳しい内容を知りたい方はこちらを参考にしてみてください。 日本酒風呂で美肌をGET!日本酒はデトックス効果も期待できる優秀な入浴剤 8.ベストな保存環境をキープできる日本酒セラー 日本酒専用のセラーがあれば、一定の温度帯で日本酒の味や香りをキープできます。 通常の冷蔵庫では難しい縦置き保管ができることも魅力です。日本酒用に設計されているため、保管場所を気にすることなく日本酒との出会いを楽しめます。 その日の気分、料理に合わせて日本酒を選べば、自宅でも居酒屋気分を満喫できます。「いろいろな銘柄を少しずつ楽しみたい」「酒蔵から届く味わいそのままに美味しさをキープしたい」という方におすすめですよ。 日本酒選びがもっと楽しくなった。唎酒師が導入した日本酒セラーとは? まとめ 日本酒は賞味期限のないお酒ですが、美味しさを楽しむには早めに飲み切るのがおすすめです。一方で、近年はあえて長期間保存する「熟成酒」も注目を集めています。 日本酒を熟成させたい場合も含め、保存時はいくつかのポイントを心がけることが大切。涼しく紫外線の当たらない場所で保管しつつ、酒蔵が届けてくれた味わいを楽しみましょう!

日本酒は冷凍すると瓶が割れる可能性有り!保存方法〜みぞれ酒の作り方を解説!

保存のため、またはみぞれ酒を作るために、日本酒をそのまま冷凍庫に入れてもいいのか不安ですよね。冷凍庫で瓶が割れていたら、他の食材にも影響してしまいます。 また、日本酒にはさまざまな飲み方・楽しみ方ができるお酒でもあり、その楽しみ方の一つにみぞれ酒があります。 今回は日本酒を冷凍したい人に、日本酒の凍る温度や凍らせるときの注意点、みぞれ酒の作り方もご紹介します。 1. 日本酒は、冷凍庫で保存できる? 日本酒は-5度で保存するのがいいといわれていますが、実は冷凍保存も可能です。一般的な家庭用冷蔵庫でも冷凍保存は可能なのでしょうか? 1-1. 日本酒は-10度以下で凍り始める 日本酒は温度が-10度以下になると凍り始めます。アルコールが凍る温度は-114.5度といわれているため、アルコール度数が高ければ高いお酒ほど凍りにくくなります。 正確な計算方法ではないですが、アルコール度数にマイナスをつけた温度がそのお酒が凍る温度といわれています。つまりビールはアルコール度数が5度くらいなので、-5度程度で凍ります。ワインは14度前後、日本酒は15度前後、焼酎は35度前後、ウォッカは40度以上のアルコール度数になるので、冷凍庫で完全に凍るのはビールやカクテルなどアルコール度数が10度以下の低いものだけです。 1-2. 冷凍庫の温度は-20度〜-18度 一般的な家庭用の冷蔵庫の冷凍室は、日本工業規格によって-18度以下とするよう決められています。そのため家庭用の冷凍室はだいたい-20~-18度に設定されています。 そのため冷凍庫で日本酒を保存することは可能です。しかし日本酒も完全には凍りません。焼酎などアルコールが高いお酒もシャーベット状にはなります。ブランデーなどもアルコール度数が高いので凍ることはありませんが、とろっとした状態になり、冷やして飲むのとはまた違った楽しみ方ができます。 1-3. 中途半端に凍った日本酒は、みぞれ酒として人気 中途半端にシャーベット状に凍ったお酒をみぞれ酒といいます。日本酒のみぞれ酒は純米酒がおすすめ。味の変化が少なく、凍らせても風味を損なう可能性が低く美味しい日本酒のみぞれ酒を楽しむことができます。 ここがPOINT! 日本酒は、冷凍庫で保存できるが、凍りづらい特性をもっている!(-10度以下で凍り始める) 冷凍庫の温度は-20度〜-18度なので、日本酒は凍り始めるが完全には凍らない 中途半端に凍った日本酒は、シャーベット状のみぞれ酒として人気! 2. 冷凍庫で日本酒を凍らせると瓶が割れる可能性がある 買ってきた日本酒をそのまま冷凍庫で凍らせてしまうと、瓶が割れてしまう可能性があります。日本酒を凍らせるときにどうしたらいいのでしょうか? 2-1. 水は凍らせると体積が増える 通常であれば固体、液体、気体の順に体積が増えますが、水は液体の状態よりも固体である氷の方が、体積が大きいのです。氷の方が10%ほど体積は増えるため、そのまま凍らせると膨張してしまい、瓶が割れる可能性があるのです。 2-2. 凍らせる場合は、別の容器に移し替えましょう 日本酒を凍らせると体積がかなり増えるので、瓶が割れる可能性があります。膨張しても余裕のある紙パックやペットボトル、かなり厚手のガラスの瓶はそのまま凍らせることもできますが、それ以外は危ないので別の容器に移し替えましょう。 日本酒は匂いが移りやすく、空気に触れれば触れるほど劣化するので、しっかり密閉できる容器が◎。そのためキッチン用品が豊富なホームセンターなどで、冷凍可能なガラス容器などを購入するのがおすすめです。 2-3. 日本酒を凍らせると、酒質に変化はある? 日本酒を凍らせると、味や香りが変化するという種類もあれば、全く変わらないというものもあります。こればかりは好みもあるので凍らせてみないとわからないですが、冷凍して保存する場合は、何度も解凍〜冷凍が繰り返されないように温度が安定した状態になるようにしましょう。溶けたり、凍ったりを繰り返すと風味が落ちてしまう可能性があります。 ここがPOINT! 【注意】日本酒をそのまま冷凍庫で凍らせると、瓶が割れてしまう可能性がある! 凍らせる場合は、瓶以外の容器に移し替えるようにしましょう 何度も溶けたり凍ったりを繰り返すと、風味が落ちてしまう可能性があります 3. 暑い夏に試してみたいみぞれ酒の作り方! 暑い夏にぴったりの日本酒のみぞれ酒は、家の冷蔵庫でも簡単に作れます。作り方をチェックしていきましょう。 3-1. 用意するもの 日本酒(アルコール度数 15度以下) 200~300ml グラス アルコール度数が高すぎると凍らないので、15度以下がおすすめ。瓶の日本酒だと忘れてそのまま凍らせてしまった場合、割れる可能性があり危ないので、別の容器に移すか、ふなぐち菊水一番しぼりのように缶の日本酒の方が安全です。 3-2. 作り方 日本酒をまずは冷蔵庫で冷やします。冷蔵庫の温度は約5度。しっかりと冷やしたいので、開け閉めするときに温度変化が起こるドアポケットなどではなく、なるべく奥の方へ入れ4時間以上冷やしましょう。 冷蔵庫でしっかり冷やしたら、日本酒とグラスを一緒に冷凍庫(-18度)に入れ90分待ちます。 90分経ったら日本酒をゆっくりと衝撃を与えないよう静かに冷凍庫から取り出し、一緒に冷やしたグラスに50cmくらいの高さから注ぎます。日本酒がグラスにぶつかる衝撃でシャーベット状になり、みぞれ酒の完成です。 まとめ 日本酒は冷凍保存も可能ですが、凍らせるときは容器に気をつけましょう。またみぞれ酒は暑い夏に日本酒を飲みたいときにぴったりです。味の変化は日本酒によるので、さまざまな日本酒でみぞれ酒を試してみては? ここがPOINT! ...

玉川・木下酒造│日本酒は楽しく、自由だ【京都府京丹後市】

京都の北部、京丹後市に位置する酒蔵「木下酒造」。江戸時代から建つ蔵では、時間と温度による変化を楽しむ酒『玉川(たまがわ)』が醸されています。 業界初の外国人杜氏、フィリップ・ハーパー氏が教えてくれたのは、日本酒本来の楽しさであり素晴らしさ。今回は、ハーパー杜氏から伺った酒造りのこだわり、木下酒造の魅力をたっぷりとお伝えします。 1.「木下酒造」江戸から180年の歴史を受け継ぐ蔵 竹林が静かに揺れる小さな無人駅。京丹後鉄道かぶと山駅から少し下った先にあるのが、今回訪問する酒蔵「木下酒造」です。 創業は江戸後期の1842年(天保13年)。銘酒『玉川(たまがわ)』の名は、蔵のそばを流れる上川谷川の“玉のような”美しさに由来しています。酒造りが本格化する冬の時期、笑顔で出迎えてくれたのは、フィリップ・ハーパー杜氏です。 杜氏(とうじ)とは、酒造りのリーダーとなる人のこと。奈良や茨城、大阪の蔵で数々の経験を重ねたハーパー杜氏は、2007年(平成19年)に木下酒造の杜氏に就任します。当時、木下酒造は長年蔵を支えた中井杜氏が逝去され、廃業をも視野に入れている状況でした。 蔵元・木下 善人氏とともに“新生 玉川”を掲げたハーパー杜氏は、江戸時代の製法で造る『Time Machine(タイムマシーン)』、夏酒『Ice Breaker(アイスブレーカー)』と新たな銘柄を次々と世に送り出します。 また、杜氏となったその年から“家付き酵母”による酒造りに着手。現在も蔵全体の約4割のお酒が、江戸時代から蔵に棲みつく酵母の力によって生まれています。 2.酵母無添加 自然仕込の酒 目に見えない微生物“酵母”は、酒造りに欠かせない存在です。酵母がなければ、米と米麹、水からお酒は生まれません。多くの蔵は、日本醸造協会から頒布される“きょうかい酵母”を酒造りに使用しています。 また、酵母がすくすく育つ環境を作るためには“乳酸菌”が必要です。乳酸菌を人の手で加えず、自然に任せて酵母を育てる手法は「生酛(きもと)」、「山廃(やまはい)」と呼ばれます。 木下酒造が自然仕込と呼ぶお酒には、乳酸菌も酵母も添加されていません。 材料は米と米麹、そして裏山から流れる水だけ。蔵に棲みつく多様な微生物が複雑に働き合い、最後に酵母が生き残る。神秘的な営みによって自然仕込のお酒は育まれていきます。 生酛や山廃の経験はもちろんあったものの、ハーパー杜氏にとって酵母無添加の酒造りは初の試みでした。江戸時代から建つ分厚い土壁がむき出しの蔵は、自然仕込の酒をイメージしやすい環境だったといいます。 近年、遺伝子レベルで蔵の酵母を分析したところ、きょうかい酵母とは全く縁のない、別の酵母であることが判明したそう。およそ180年ものあいだ、土壁に、梁に棲みつく酵母たちが現代の『玉川』を生み出しているのです。 「この仕事は微生物との会話です。目に見えないものが、酒を造る」 そう語るハーパー杜氏のもうひとつのこだわりが、時。時間の対話のなかから生まれる熟成酒です。 3.「時」を楽しむ熟成酒 玉川を語るうえで欠かせないのが「時間」です。商品の多くは、蔵内で一定期間眠りについた後、世界へと羽ばたきます。 搾りたての段階で、5~10年の古酒と同じ色合いのお酒『Time Machine』は、さらに寝かせることで美しいルビー色に。10年以上の時を経ると、色はコーヒーのように濃く、複雑かつやさしい味わいへと変化していきます。 令和元年には、10年以上の時を重ねた自然仕込のお酒『燻銀(いぶしぎん)』をリリース。4合瓶3万円台という従来の蔵にはない価格帯だったにも関わらず、各方面で好評を博しました。 一方で、熟成酒を育てるためには、もとのお酒を造る技術力とともに一定の資金力が求められます。できたお酒を売ることなく、在庫として維持管理する必要があるからです。 ハーパー杜氏が就任した頃、貯蔵能力が500石以下だった蔵は、増築を重ねながら貯蔵設備を増やしてきました。現在は、4~5年の時を経た熟成酒が通年商品として数多く販売されています。 「それができるのも、蔵元自身が熟成酒に魅せられているから。すきじゃないと、できないことです」 高級品だけにしたくないとハーパー杜氏が続けるように、熟成酒の多くが、他のお酒と変わらない価格帯であることに驚きます。瓶には酒造年度(BY)を示すシールが貼られ、ビンテージを意識しながら購入できることも魅力です。 「造るのも飲むのも楽しいから、種類がどんどん増えてしまって」 苦笑交じりに教えてくれるハーパー杜氏。飲むのが楽しいという言葉は、温度にも時間にも左右されない『玉川』の美味しさに裏打ちされたものでした。 4.温度や時間に縛られない「玉川」の魅力 日本酒は、冷やしたり温めたりと幅広い温度帯で楽しめるお酒です。一方で、飲み慣れない方には、自分で燗を付けるのは難しいと思われがちな一面もあります。 温めすぎると旨味が消えてしまったり、一度温めてから冷めると風味が抜けてしまうお酒が多いこともまた事実。ハーパー杜氏に相談したところ、木下酒造の燗酒には55℃以下は存在しないという驚きの答えが返ってきました。 55℃は、飛び切り燗と呼ばれる燗酒で一番高い温度帯です。木下酒造の燗酒は、その上を行く65℃や70℃が当たり前。アツアツなほど、ふわっとやわらかな味わいに変化するといいます。一度ドーンと温度を上げてから、徐々に常温に戻るまでの味の変化もまた、玉川ならではの醍醐味なのだそう。 「この変化が、めちゃくちゃ楽しいんです」 ロックで提案されている夏酒『Ice Breaker』でさえ、温めるとまた美味しく楽しめるというハーパー杜氏。ハーパー杜氏が日本酒に魅せられるきっかけになったという温度による味の変化を、玉川であれば存分に堪能できます。 十人十色、人に個性があるように、日本酒の個性も実にさまざまです。フレッシュさが持ち味のお酒は、なるべく早く飲んであげたほうがその個性を活かしきることができます。 玉川は、時間とともに変化する美味しさが個性であり、何よりの魅力。飲食店などで「玉川は最初の1杯より、最後の1杯が美味しい」といわれる所以です。 また、世界への販路拡大を考えた際、温度や時間で品質が変わりやすいお酒はどうしてもリスクを抱えがちです。海外では、要冷蔵のお酒が常温の棚に並べられてしまうことも少なくありません。 その点、玉川であれば行く先々で異なる魅力を花開かせることができます。その土地の風土によって、唯一無二の存在へと姿を変えられる。木下酒造では、玉川が旅だった先での変化を「第2の酒造り」と呼んでいます。 「日本酒は嗜好品だから、どうぞ好きに遊んでほしい。難しく考えず遊びの道具として楽しんで」 ハーパー杜氏の口から何度もこぼれた「楽しんで」という言葉。かつて、22歳で来日したハーパー氏は、出会った日本酒好きの友人とともに、音楽や日本酒と戯れる日々を過ごしたといいます。 青春ともいえるその時間は、どんなに楽しく豊かなものだったろう。思いをはせると同時に、日本酒の魅力、すばらしさを再認識させてもらえたひと時でした。 5.京丹後の久美浜から、世界へ 一つひとつ手作業で貼られていく、小さなシールたち。蔵人をはじめ、店頭に立つ方、販売に携わる方、多くの人々の手によって玉川は世界へと送り出されていきます。 蔵が創業した天保13年。江戸時代の人々にとって、酒は日々の疲れを癒し心和ませるアイテムだったはず。令和となったこの時代、玉川は世代も性別も、国籍さえも自由に飛び越え、人と人とを繋いでいます。 そして、蔵で眠る熟成酒たちは、時間を越えた先にある未来の人との出会いを待っている。 「日本酒って難しそう」そう感じる方こそ、ぜひ自由に『玉川』を味わってみてください。ハーパー杜氏がかつて日本酒の扉を開いたように、新たな日本酒の楽しさ、おもしろさがそこから広がっていくはずだから。 木下酒造有限会社 [所在地] 京都府京丹後市久美浜町甲山1512 [電話番号] 0772-82-0071 [酒蔵直営店 営業時間]9:00~17:00(1月1日を除く) [公式URL] https://www.sake-tamagawa.com/

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