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日本酒の水割りを美味しく作る方法を紹介!アルコール度数12度、温度は5度が目安

日本酒の飲み方といえば、冷やしたり温めたり温度を変えるというイメージが強いですが、「水割り」で飲んだことはありますか? 日本酒に何かを混ぜるなんて邪道だ!と思う人もいるかもしれませんが、水割りファンも増えているようです。今回は日本酒の水割りの魅力についてご紹介します。 1. 日本酒の水割りにするメリットは「飲みやすさ」 日本酒の水割りの魅力は、なんといっても飲みやすくなること。日本酒はビールやワインと比べるとアルコール度数が高めで、とくに「原酒」と呼ばれる日本酒は20度前後のものがほとんどです。味や香りは好きなのに、アルコール度数が高めで飲みにくい、すぐに酔ってしまうという悩みを解決してくれるのが水割りなのです。 2.日本酒の水割りの作り方とポイント! 水割りは日本酒に水を加えるだけですが、美味しく飲むちょっとしたコツがあります。薄くなりすぎると、日本酒の味や風味を大きく損なってしまいますので、おおよそ アルコール度数12度を限度に希釈するのがベストです! 作り方とポイントをくわしく見ていきましょう。 2-1. 用意するもの グラス(冷蔵庫で事前に冷やすと◎) 軟水 日本酒 (この記事では、アルコール度数15度を想定しています ※後述) 全て冷蔵庫で冷やしておくと、ぬるくなりにくいのでおすすめです! 2-2. 日本酒の水割りの作り方 冷蔵庫で冷やしておいた グラスと日本酒を取り出します グラスに先に水を注ぐ グラスの底から 1cm を目安に 日本酒を加え、底から5cm もしくはグラス半分くらいまで注ぐ。 4cmの日本酒と1cmの水で、およそ 8:2。 日本酒が 15度であればこれで アルコール度数が 12% ほどになります! もし、まだアルコールが強いと感じられる場合は、氷を入れて少しずつ変化を楽しむか、少しずつ水を加えてください。 https://sake-5.jp/put-ice-water-split/ 2-3. 水割りを作るときのポイント! 甘口で味わいのしっかりした銘柄がおすすめ! 日本酒ならすべて水割りすれば美味しいというわけではありません。日本酒は温めた方がすべて美味しいというわけではないですよね。それと同じなのです。 水割りをするときは、甘口で味わいのしっかりとした銘柄がおすすめ。元々後味すっきりで水のようにさらさらと飲めるような辛口の日本酒を水割りしてしまうと、味が薄く感じることでまずい…となってしまうのです。 甘口と辛口の日本酒の見分け方は下記の記事を参考にしてみてください。 https://sake-5.jp/sweet-and-dry-sake/ 水割りに適したのは軟水 日本酒の水割りは「軟水」がおすすめ。水割りを考える人は「飲みやすくしたい」という思いが強いため、ミネラルの含有量が少ない軟水の方が、まろやかで優しい口当たりになります。ちなみに水道水は軟水ですので、浄水器にかけた水道水で水割りをしても大丈夫です。 一方、硬水がNGというわけではありません。日本酒のキリっとした引き締まった味は残したいけど、二日酔いは避けたいので飲みすぎに気をつけたいといったときは硬水を選びましょう。肉料理や味付けの濃い料理のときは、軟水よりも硬水の方が◎。 水割りの温度は冷蔵庫から出してすぐの5度 日本酒が温度によって味が変化するのは水割りにしても一緒です。水の温度は5~8℃くらいがベスト。冷蔵庫に冷やすとだいたい5~8℃くらいになります。これは冷酒と同じ温度で、ほどよい香りと甘味が楽しめる温度です。 冷やしすぎると酸味が強く出てしまうので、まずいと感じてしまうかもしれません。5~8℃は口に含んだときに心地よく冷たさを感じることができ、口の中で温まるとほどよい甘味が生まれるいい温度といえます。 日本酒と水の割合は アルコール度数 12%...

日本酒の飲み方を徹底紹介!温度別の名称からおすすめの飲み方まで解説します

安くて美味しい銘柄からギフトに最適な銘柄まで、幅広いバリエーションが揃う日本酒。近年は、世代を問わず宅飲みの定番になってきました。この記事にたどり着いた方も「日本酒を楽しみたい!」と、飲み方を学んでいるのではないでしょうか。 今回は日本酒の飲み方のバリエーションをまとめてみました。王道から意外な飲み方まで解説するので、ぜひ参考にしてみてください。 1.温度による日本酒の飲み方、楽しみ方 日本酒は、温度によって味や風味が変化するお酒です。冷たいものから温かいものまで、好みの温度帯で楽しめます。温度による呼び名は、大きく以下の3種類です。 冷酒 冷や(常温) 燗酒 温度 5~20度 20~25度 30~60度 メリット 香りが和らぎ、スッキリとした口当たりになる。お酒を飲み慣れない人でも飲みやすい。 銘柄本来の味や香りを楽しめる。 お酒の香りや味わいが際立ち、深いコクを感じられる。温度が高くなるほどとドライな飲み口を楽しめる。   冷蔵庫がなかった時代、温めたお酒以外はすべて「冷や(ひや)」と呼ばれていました。明確なルールはないものの、現在は冷蔵庫で冷やしたお酒は「冷酒」、常温のお酒は「冷や」と呼ぶのが一般的です。 まずは、冷酒、燗酒、冷やのそれぞれの特徴をみていきましょう。 1-1.冷やして楽しむ飲み方「冷酒」 冷やして楽しむ「冷酒」は、日本酒のポピュラーな飲み方です。冷酒の呼び方は、温度によってさらに細かく分類されます。 涼冷え(15度前後) 15度あたりまで冷やした日本酒は涼冷え(すずびえ)と呼ばれます。一般的な冷蔵庫で冷やした場合、取り出して数分ほど置いた状態です。日本酒の香りが際立ち、料理にも良く合います。 冷たすぎず、舌の上で日本酒をじっくりと味わえることも特徴です。季節を問わず飲みやすい温度といえるでしょう。 花冷え(10度前後) 花冷え(はなびえ)は、10度前後まで冷やした状態を指します。家庭なら冷蔵庫から取り出してすぐの状態が目安です。涼冷えよりも香りが柔らかくなり、日本酒特有のキレが増します。 涼冷え→花冷えの順に飲むと、日本酒の香りとうま味を楽しめます。先に花冷えを飲むと、涼冷えがぬるく感じてしまうので注意しましょう。 雪冷え(5度前後) 5度あたりまで冷やした日本酒は雪冷え(ゆきびえ)と呼ばれます。まさにキンキンに冷えた状態といった感じですね。冷たさとあわさって、のど越しが爽快になります。 冷奴のようなさっぱりとしたおつまみと相性が良く、真夏の晩酌におすすめです。 1-2.温めて楽しむ飲み方「燗酒」 温めた日本酒は「燗酒(かんざけ)」といいます。自宅で飲むには温める手間がありますが、日本酒好きのなかには燗酒好きも多く存在します。燗酒は冷酒と同じように温度ごとに呼び方が変わります。   日向燗(30度前後) 30度くらいに温めたお酒は日向燗(ひなたかん)と呼ばれます。ぽかぽかと陽がさす暖かな日向をイメージさせる温度です。湯気がふわりと立ちはじめ、やわらかな口当たりを楽しめます。 人肌燗(35度前後) 人肌燗(ひとはだかん)は名前のとおり、35度前後の人肌に温めた日本酒です。香りが豊かで、口当たりがやわらかくなるのが特徴。冷酒が飲みづらいと感じた場合も、人肌燗なら飲みやすいかもしれません。 和食と相性が良く、煮物などと一緒に楽しむ食中酒におすすめです。 ぬる燗(40度前後) ぬる燗は40度あたりまで温めた状態です。ぬるいとはいえ、口に含むと少し熱く感じられます。日本酒のコクがより豊かになるといわれる温度帯です。 特に、純米酒をぬる燗にすると米の旨味がふくらみます。日本酒を飲み慣れない方も飲みやすい温度といえるでしょう。 上燗(45度前後) 45度まで温めた日本酒は上燗(じょうかん)と呼ばれます。より熱くなることでアルコールの刺激が強くなり、味わいは引き締まって感じられるでしょう。 熱燗(50度前後) 熱燗(あつかん)は、50度前後に温めた日本酒です。居酒屋メニューにも並ぶことから、燗酒のなかでも馴染みのある飲み方かもしれません。湯気と一緒に豊かな香りが広がります。 体をじんわり温めてくれるので、冬の晩酌にぴったり。鍋物と一緒にいただくのがおすすめです。 おいしい燗酒の作り方はこちらの記事を参考にしてみてください。 意外と難しくない!日本酒のおいしい燗酒の作り方 飛び切り燗(55度~60度) 55度~60度に温めたお酒は、飛び切り燗(とびきりかん)と呼ばれます。その呼び名からも、アツアツであることがわかりますね。飛び切り燗は、キリッと引き締まったドライな味わいを好む方におすすめです。 一度温度が上がってから徐々に常温へと戻るまでの味の変化も楽しめます。 1-3.常温のまま楽しむ飲み方「冷や」 常温で飲む日本酒は冷や(ひや)といいます。「冷」という字が使われているため、冷酒と混同されますが別物です。具体的な温度は20~25度あたりでしょうか。口当たりがよく、各銘柄の特徴をそのまま味わえる温度です。 はじめて飲む銘柄は冷やで味や香りを確かめる人も多く、日本酒ファンに好まれる飲み方ともいえるでしょう。 2.器にこだわった日本酒の飲み方 日本酒を飲むときは「酒器(しゅき)」にこだわってみることも大切です。酒器とは読んで字のごとく、お酒を飲む器のこと。日本酒は酒器の形状によって、味や香りの感じ方が変化します。 ここでは、日本酒にあう酒器3種をご紹介します。酒器についてより詳しく知りたいという方は、こちらの記事も参考にしてみてください。 日本酒は酒器によって楽しさが変わる!酒器ごとの特徴も解説 2-1.徳利とおちょこで日本酒を飲む 古くから使われているのが徳利(とっくり)とおちょこです。徳利は日本酒を貯めておくための容器。おちょこは日本酒を注いで、直接口をつける容器のことです。どちらも和の酒器で、日本酒らしさが感じられます。 流通している徳利とおちょこは、陶器や磁器が一般的です。土を焼いた陶器は口当たりがやさしく、手に触れたときに温かみが感じられます。磁器製の酒器は華やかな絵柄が入ったものも多く、見た目も楽しめるのが特徴です。 日本酒をたしなむなら1セットは持っておきたい徳利とおちょこ。おすすめのおちょこはこちらの記事でご紹介しています。 おちょこのおすすめ10選。おちょこの選び方のポイントも解説 2-2.グラスで日本酒を飲む 日本酒はグラスに注いで飲むこともあります。涼しげな印象のグラスは、冷酒と相性が良い酒器です。ガラス製の酒器は縁が薄く、口当たりが良くなるメリットがあります。 おすすめのグラスについては、こちらもぜひチェックしてみてください。 プレゼントにもおすすめの日本酒グラス14選。選び方のポイントも解説 2-3.ワイングラスで日本酒を飲む 日本酒は、種類によってワイングラスで飲むのもおすすめです。ワインを注いだときに香りが立ちやすいよう設計されているため、日本酒のフルーティーで華やかな香りを引き立ててくれます。 お酒を飲むときにオシャレな雰囲気を演出できることもメリットのひとつです。好みのデザインを選べば、幅広いシチュエーションで利用できます。 日本酒にワイングラスをおすすめする3つの理由。ワイングラスの選び方のポイントも解説 3.料理とあわせた日本酒の飲み方 日本酒は、料理の味を引き立ててくれるお酒です。心をほっと和ませる和食には芳醇な味わいの純米酒、イタリアンやフレンチにはフルーティーな香りの吟醸酒など、料理との組み合わせを楽しめます。 濃密な甘みと複雑な香りが絡み合う熟成酒は、スイーツとのペアリングもおすすめです。具体的なあわせ方やおつまみレシピは、こちらでたっぷりとご紹介していますので、参考にしてみてください。 おうちで簡単!唎酒師が作る日本酒に合う絶品おつまみレシピ30選 4.日本酒初心者におすすめの飲み方、楽しみ方 温度や酒器以外にも日本酒にはさまざまな楽しみ方があります。ロックにしたり、ソーダで割ったりと飲み方は無限大。どれも日本酒をおいしく楽しむことができるので、ぜひ試してみてくださいね。 4-1.日本酒ロック 大きな氷に少量の日本酒で楽しむ日本酒ロックは、飲み口がとてもスッキリして飲みやすいのが特徴です。 日本酒ロックの作り方などについてはこちらの記事でもご紹介しています。 日本酒をロックで飲んでみよう!氷を入れるだけで夏気分♪ 4-2.日本酒のソーダ割り 日本酒をソーダで割ると、アルコール度数が下がり炭酸の爽快感でさらに飲みやすくなります。おすすめは「原酒」と呼ばれる加水調整していない日本酒を使ったソーダ割りです。 レモンやライムなどを添えれば、さらに爽快感がアップします。ちょっぴり苦めのグレープフルーツなどもおすすめです。開栓から日が経つ日本酒も、ソーダ割りにしてレモンやライムなどをしぼれば美味しく楽しめます。 おすすめの割合などは、ぜひこちらの記事を参考にしてください。 日本酒はソーダ割りも美味しい!爽快なのどごしが夏にぴったり! 4-3.みぞれ酒 日本酒にはアルコールが含まれているため、-5度よりさらに低い温度でなければ凍ることはありません。 その特性を利用して作るのがみぞれ酒です。 日本酒とグラスを一緒に冷凍庫(-18度)に入れ90分待ち、90分たったら取り出した日本酒をグラスに50cm程度の高さから入れることで、日本酒がグラスにぶつかる衝撃でシャーベット状になり、みぞれ酒が完成します。 日本酒は冷凍すると瓶が割れる可能性有り!保存方法〜みぞれ酒の作り方を解説! 4-4.日本酒のだし割り 冬におすすめの飲み方が「おでんのだし割り」です。おでんのだしを燗酒で割り、軽く七味唐辛子を振りかけると美味しいだし割りが完成します。 だし割りの発祥のお店など、日本酒のだし割りについてはこちらの記事でもご紹介しています。 日本酒と出汁を合わせて飲む「出汁割り」がおいしい!出汁わりを楽しむためのポイントを解説 4-5.日本酒カクテル 日本酒はそのまま飲むだけでなく、カクテルにして楽しむのもおすすめです。 サムライ・ロックやカルピシュなどのカクテルは飲みやすく、日本酒を飲み慣れない方でも美味しく楽しめます。 おうちで簡単に作れる日本酒カクテルレシピはこちらで詳しくご紹介しています。 【おうち時間をもっと楽しく】おうちで簡単に作れる日本酒カクテルレシピ9選! 4-6.日本酒のバニラアイスがけ ちょっと変わった飲み方を楽しみたいときは、日本酒をバニラアイスにかけてみてください。おすすめは、スパークリング日本酒や熟成酒のバニラアイスがけです。フルーツを添えれば、日本酒の世界が広がる大人のデザートができあがりますよ。 5.日本酒を飲むときに気を付けたいポイント 日本酒はあくまでもお酒のため、飲み方によっては体調を崩してしまったり、思わぬ失敗をしてしまったりすることがあります。美味しく楽しく日本酒を味わうためにも、気を付けたいポイントをおさえておきましょう。 5-1.和らぎ水(チェイサー)を忘れずに飲む 日本酒を飲むときは、水も一緒に口にするようにしましょう。日本酒と一緒に飲む水は、和らぎ水(やわらぎみず)と呼ばれます。洋酒にを飲むときのチェイサーにあたるものです。 日本酒と一緒に和らぎ水を飲むことで、アルコールによる脱水症状を回避でき頭痛や二日酔い予防に役立ちます。 お酒を飲むと頭痛が起きるのはなぜ?頭痛を予防する日本酒の楽しみ方も解説! 5-2.覚えておきたい飲み方のマナー 飲み方のマナーを覚えておくと、お酒の席で役立ちます。例えば、お酒を注いでもらうときのおちょこは、両手で支えるのがマナーです。お酒を注ぐときの徳利も両手で持つようにしましょう。 また、飲食店などでは「もっきり」で日本酒が提供されることがあります。もっきりとは、枡のなかに入れたグラスになみなみとお酒を注ぐスタイルのことです。 この場合、まずは枡にお酒を少々移してからグラスに口を付けます。グラスの日本酒が少なくなったら、枡のお酒をグラスに移しましょう。 グラスではなく、枡に直接口を付けて飲んでもマナー違反にはあたりません。その際は角ではなく、平らな部分から飲むようにしましょう。枡から飲むことで、木の香りと日本酒の香りのハーモニーを楽しめます。 日本酒を枡で楽しむ「枡酒」とは?枡酒の魅力や飲み方を紹介 6.飲み切れなかったときは?覚えておきたい日本酒の保存法 4合瓶(750ml)で販売されることの多い日本酒は、1度には飲み切れないこともあるかもしれません。 ラベルに「生」という字があるお酒の場合は、冷蔵保管が基本です。火入れと呼ばれる加熱殺菌処理をしていない生酒は、品質が変わりやすい一面があります。 火入れをしているお酒の場合も、光や温度の影響を受けにくい冷暗所で保管するようにしましょう。空気に触れると酸化が進むため、きれいな小型容器に移して保管するのもおすすめです。 日本酒の生酒の保存方法については下記の記事で詳しく紹介しているので参考にしてみてください。 生酒の保存方法とは?賞味期限ってある?生酒の保存について解説 まとめ 日本酒は、温度や酒器、あわせるおつまみでさまざまに楽しめるお酒です。ロックやソーダ割りにすれば、グッと飲みやすくなることもあるでしょう。 これからどんどん日本酒を楽しみたい!という方は、今回ご紹介した飲み方にぜひチャレンジしてみてください。「これだ」と思える相性の良い飲み方に出会えるかもしれませんよ。

【唎酒師監修】日本酒の正しい保存方法!期限から落とし穴まで総まとめ

正しい日本酒の保存方法って、色んな意見や情報が多くて「日本酒をもらったけど、どう保存したらいい?」「常温での保存は良くないって聞いた…」と、不安になることは多いけど、結局どうしたらいいのかがわかりにくいです。 そんな方のために、日本酒の保存について当メディアで、日本酒の本来の賞味・消費期限や悪くなった日本酒の見分け方も説明した上で、正しい日本酒の保存方法についてまとめました! 人によってさまざまなこだわりがあるとは思いますが、当メディアでのオススメの日本酒の保存方法についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね! 1.日本酒には賞味期限の表示がない!保存期間の目安は? 保存について考える上で重要なのが「賞味期限・消費期限」。 食料品のパッケージには必ずといっていいほど書いてある賞味期限ですが、日本酒には賞味期限の表示がないことをご存知ですか?賞味期限が書いていないと、おいしく楽しめる期間や、ずっと保存していた日本酒が安全なのか見分けられなくて心配に感じる人もいると思いますが、表記がないのには理由があるんです! 日本酒の賞味期限については下記記事でも解説しているので参考にしてみてください。 【唎酒師が解説】日本酒の賞味期限は?賞味期限の目安や劣化した日本酒の特徴を解説 1-1. 日本酒に賞味期限の表示がない理由 日本酒に賞味期限が書いていないのは、法律で消費期限・賞味期限の表示を省略できると決まっているから。 ー(問 25)酒類において、表示の省略ができる事項はありますか。   酒類については、「保存の方法」、「消費期限又は賞味期限」、「栄養成分(たんぱく質、脂質、炭水化物及びナトリウム)の量及び熱量」※の表示を省略することができます。ただし、これらの事項を表示する場合には、食品表示基準に沿った表示を行う必要があります。(食品表示基準第3条第3項) (出典元:食品表示法における酒類の表示のQ&A – 国税庁) 食品表示法では、日本酒をはじめワインやカクテルなどのお酒類全般で、賞味期限の表示が免除されているんです。また、日本酒のラベルには日付の表記があって、賞味期限と似ているため勘違いしやすいのですが、これは「製造年月」。こちらは必ず記載することが義務付けられています。 1-2. ラベルに書いてある製造年月とは? 製造年月というと、お酒をしぼった日というイメージが浮かぶ人もいると思いますが、日本酒の製造年月は、お酒をしぼった日ではなく、その日本酒が製造された年・月の表示のこと。日本酒が作られるまでには、【「原料をしぼる」→「原料をろ過する」→「火入れをする」→「貯蔵をする」→「熟成をする」】という手順があり、これらの過程を経て瓶詰めされていきます。 製造年月を付けるタイミング 日本酒の製造年月は、容器に詰められた日や、出荷時期であることが多いですが、小さい蔵元の場合は、一度にまとめてビン詰めを行うため、ラベルの日付と出荷時期が一致しないこともあるのだとか。。 さらに、一度ビンに詰められた日本酒でも、貯蔵されていたものは出荷するときの日にちを製造年月として表記しても良いとされているので、ビン詰めをした日にちと製造年月がズレてしまうこともあるのです。 1-3. 保存期間に大きく関わる「火入れ」と「生酒」の違い 日本酒の保存について語るときに、とても重要になってくるのが「火入れ」「生酒」というキーワードなので先に解説します。 生酒とは、製造過程で「火入れ」という加熱処理を行っていない種類のことです。日本酒は火入れの回数、タイミングで種類が分けられています。詳しくは下記を参考にしてください。 生酒と火入れによる日本酒の違い 日本酒の火入れ回数による名称の違いは以下のとおり。 火入れを行わない 生酒 貯蔵後に火入れ1回 生貯蔵酒 貯蔵前に火入れ1回 生詰め酒 貯蔵前後に火入れ1回ずつ 二回火入れ   生酒は、火入れを一度も行っていない日本酒。一般的な日本酒はボトルに貯蔵する前後に1回ずつ、合わせて2回の火入れが行われています。 生酒と火入れの中間として、生貯蔵酒・生詰め酒があります。日本酒は火入れの回数、タイミングで風味が異なるので、興味がある方は実際に飲み比べてみてください。 火入れをする理由 日本酒の製造過程で火入れをする1番のワケは、日本酒の品質低下につながる火落ち菌などの微生物を除去し、糖化酵素の動きを止めて品質を安定させるため。その代わりに原料の香りが落ちやすいのがデメリットだと言われています。 いっぽう、生酒は火入れを行っていない日本酒。米の旨味がそのまま残っているため、新鮮な風味を楽しむことができます。しかし、加熱処理をしていないため、劣化しやすいのが特徴です。 日本酒の生酒と火入れを見分ける方法 日本酒が生酒か火入れかを見分けるにはラベルを確認しましょう。日本酒のラベルには火入れごとの名称が記載されていて、火入れをしていない日本酒ならラベルに「生酒」と書いてあり、一目で火入れ回数がわかるようになっています。 前述した火入れ回数による名称の違いを参考に、おうちにある日本酒のラベルをチェックしてみてください。 1-4. 日本酒(火入れ、生酒)のそれぞれの保存期間の目安 日本酒をは、「生酒」か「火入れ」かで大きく変わってきます。「生貯蔵酒」や「生詰め酒」は、およそ2つの中間として考えてください。 (また、保存環境によって変わってしまうので、あくまでも目安としてご確認ください。) 保存場所(冷暗所、冷蔵庫)ごとの保存方法や期間の目安については、この記事の後半で触れていますので、気になる方はぜひチェックしてくださいね。 火入れ・未開封 火入れ・未開封の日本酒は、保存環境が悪くなければいつまでも飲むことができますが、冷暗所であれば製造年月から1年以内に飲むことをおすすめします。日本酒セラーや冷蔵庫などで熟成できれば、より長い期間で熟成させて楽しむこともできるかも! おいしさのピークを越えたお酒は老ね(ひね)てしまい、変色したり甘みや苦みが強くなってしまうことがあります。 火入れ・開封済み 開封をすると空気中の酸素による酸化や菌によって3~5日で酒質が変化すると言われています。(酒質の変化はけっして悪い意味ではなく、熟成も含みます) 開封後でも数ヶ月かけて変化を楽しみながら飲めますが、環境によっては火落ち菌が発生して飲めなくなる可能性もあるため、保存方法には注意が必要です! 生酒・未開封 生酒は火入れされていないため、酵母が生きていてフレッシュな風合いがあるのが特徴。酵母が生きていて常温では発酵が進んでしまい保存が効かないので、製造日から9ヶ月以内には飲みきるのがオススメです。生酒は常温での保存はNGです! 生酒・開封済み 生酒で開封済みの場合、日本酒セラーのような適切な保存方法で保管していたとしても2週間以内が目安となります。また上記同様常温での保存はNGです! 1章のまとめ! 日本酒は賞味期限の表記が法律で免除されている(ラベルに表示されてる日付は製造年月)。 火入れ・生酒の違い加熱処理の有無。火入れをすると酵母の活動が止まり品質が安定する 保存期間の目安は「火入れ・生酒」「未開封・開封済み」で異なる。 未開封 開封済み 火入れ有り 遅くとも製造年月から1年以内には飲みきることをおすすめ 3~5日で酒質が変化。数ヶ月かけて変化を楽しむのもあり。 生酒 9ヶ月以内に飲みきるのがオススメ。温度に注意! 2週間以内が目安 2.日本酒を適切に保存するための3つのポイント 2-1. 理想の温度はマイナス5度 日本酒の味を決める成分に含まれる酵母や酵素等の活動は、低温になればなるほど鈍くなります。それ故に日本酒は温度変化と温度が高いところに弱いです。低めで常に一定の温度が保てる場所が◯。日本酒が凍らず、酒質の劣化を最低限に抑えられる理想の温度がマイナス5度となっています。 2-2. 紫外線が当たらない場所に保管する 紫外線を浴びてしまうと日向香(ひなたか)という匂いの原因になってしまい、日本酒の香りが損なわれてしまうため紫外線が当たらない場所がおすすめ。 2-3. 空気に触れる面積などは少ないほうがいい デリケートな日本酒は空気に触れると酸化してしまい酒質の劣化に繋がります。保管する場合は空気に触れる面積が少なくなる縦置きが基本となります。 2章のまとめ! 日本酒の保管は冷暗所(理想はマイナス5度で紫外線を避け、縦置き保存) 日本酒は「紫外線」「温度変化」「空気」に弱い飲み物 3. 悪くなってしまった日本酒の判断ポイント! 3-1.黄色っぽくまたは茶色っぽく色が変化している(安心度70%) 日本酒は時間が経過することで、茶色に変色していることがあります。この場合は劣化しているのではなく、日本酒に含まれているアミノ酸による影響。飲んでも体に影響はありません。 3-2. 口に含んだときに変な酸味がある(安心度50%) 日本酒が劣化する原因の多くは空気に触れることによる酸化です。日本酒が酸化すると見た目に大きな変化はありませんが、味が格段に落ちます。 もし、開封後の日本酒を飲んだときにピリッとした辛さ、酸味を感じなければ酸化している可能性が高いです。不良品というわけではないので、誤解しないように注意してください。 3-3.白い濁りが発生している(安心度30%) 白ボケという、酵素蛋白粒子が成長して白くなっている現象か、火落ち菌というものが繁殖しているサインの可能性があります。前者であれば飲めますが、後者の火落ち菌の場合はあきらめるしかありません。 火落ち菌とは? 火落ち菌とは特殊な乳酸菌の一種です。アルコールのなかでも繁殖できる性質を持っており、お酒にとっては天敵。火落ち菌が繁殖すると、日本酒が白く濁り、鼻をつく独特な臭みを発します。 火落ち菌自体は体に害がないので飲んでも問題はないです。しかし、火落ち菌によって劣化した日本酒はとても飲めた味ではありません。日本酒から異臭を感じたときは飲まずにそのまま捨てたほうがいいでしょう。 タンパク混濁とは? 日本酒の濁りはただの「タンパク混濁」の可能性もあります。タンパク混濁とはその名のとおり、日本酒に含まれるタンパク質が固形化する現象。もともとの成分が沈殿して白く濁ったように見えるのです。 この場合はとくに風味の劣化といったものはありません。火落ち菌が増殖していると勘違いして捨てるのはもったいないので、匂いをチェックして判断してください。 ↓傷んだ日本酒の見分け方から、日本酒を無駄にしない”飲む以外の消費方法” についてはこちら!↓ https://sake-5.jp/sake-expiration-date/ 3章のまとめ! 「黄色や茶色に変化」熟成の過程だ思われます。味や風味に問題がなければ飲めます。 「白い濁り」火落ち菌が発生している可能性があります。匂いをかいで異常がないか確かめましょう。(ただの「タンパク混濁」であれば問題なし) 4.日本酒保存方法:冷暗所で保存する場合 可能であるならば日本酒はご家庭の冷蔵庫に入れたほうがおいしさを損なわずに済みますが、一升瓶など大きい日本酒は冷蔵庫に入らないこともしばしば。そんなときはどうすればいいのでしょうか? 4-1.保管する場所はどういう場所がいい? 日本酒は「紫外線」「温度変化」「空気」に弱い飲み物。この3つを避けた冷暗所が基本。冷蔵庫以外でのオススメは床下収納やキッチンの戸棚などが該当します。ただし、季節や部屋の温度等に左右されるので過信は禁物。 4-2.保管期間はどれくらい? 日本酒の保存は「火入れ or 生酒」と「開封前 or...

女性審査員によるコンクール「Japan Women’s SAKE Award~美酒コンクール~」の試飲会&表彰式レポ

2023年10月27日(金)、日本の國酒である日本酒を、酒類資格を保有する十分にテイスティング能力のある女性のみが厳正に審査を行う、日本国内初のコンクール「Japan Women’s SAKE Award~美酒コンクール~」の上位入賞酒が発表されました! 表彰式会場のPASONA SQUAREに集ったのは、上位に入賞した各蔵・企業の代表者たち。表彰式とともに試飲会も開催されました。 今回は活気溢れる試飲会の様子とともに、各部門の表彰式の結果をお届けします。 Japan Women’s SAKE Award~美酒コンクール~とは Japan Women’s SAKE Award~美酒コンクール~(通称:美酒コン)とは、「日本の伝統文化の継承」「地域経済の活性化」「女性が活躍する社会の実現」を基本理念とし、日本の國酒である日本酒を、酒類資格を保有する十分にテイスティング能力のある女性が厳正に審査を行う、日本国内初のコンクールです。 ソムリエ、客室乗務員、女将、シェフなど日本酒と日々密接にかかわる女性たちも審査に加わります。画期的なポイントは、エントリー部門は特定名称別ではなく、香りと味わいを主軸とした6部門である点です。 6部門の内訳は「スパークリング」「フルーティー」「ライト&ドライ」「リッチ&ウマミ」「エイジド」「ロウ・アルコール」で構成されています。 試飲会の様子 表彰式前の試飲会では多くのゲストやメディア関係者がコンクールにて表彰される蔵の日本酒を、特徴の解説などを受けながら楽しむ様子が見られました。 私も試飲会にて多くの日本酒を楽しませていただきました! 日本酒の試飲会とともに、会場にて¥500で販売されていたのは福井の食材が使われたおつまみパック。福井県は本コンクールにて総合コーディネーターを務める友田晶子氏の故郷であり、第2回美酒コンクール2024の審査・表彰式の会場でもあります。 おつまみパックのラインナップは本コンクールの審査基準にもなっている6部門とそれぞれのペアリングが考慮されており、スパークリング部門の日本酒と「甘エビのサクサク手巻き寿司」、フルーティー部門の日本酒と「越のルビートマト、越前柿、花ラッキョウのクリームチーズ和え」、ライト&ドライ部門の日本酒と「福井サーモンのロールキャベツ、みょうが添え」、リッチ&ウマミ部門の日本酒と「ふくいポークの味噌漬け」、エイジド部門の日本酒と「胡麻芋団子」、ロウ・アルコール部門の日本酒と「胡麻豆腐」の6品。どれも日本酒との相性は抜群でおいしいおつまみでした。 Japan Women’s SAKE Award~美酒コンクール~審査結果 美酒 of the Year 2023 天山 純米全麹仕込み 20年熟成/天山酒造株式会社 Top of the Best 2023(フルーティー) 雪小町 大吟醸原酒五十一号 特黒/有限会社渡辺酒造本店 Top of...

【2023年最新版】青森の日本酒おすすめ14選!自然豊かな青森で醸される日本酒を紹介

青森県は、日本酒ファンに支持される「田酒」に「豊盃」、フルーティーな香りの「陸奥八仙」と数々の銘酒が造られている地域です。熱燗で美味しい辛口酒も揃います。 今回は、青森の日本酒の魅力を解説!日本酒ビギナーがおさえておきたい、おすすめ銘柄も紹介します。「青森ではどんな日本酒が造られているの?」と気になる方はぜひチェックしてみてください。 1.青森で日本酒を醸す酒蔵 青森県は、県土の67%を森林が占める自然豊かな地域です。山々から流れる雪解け水は自然のフィルターをくぐり抜け、酒造りに欠かせない清らかな水へと生まれ変わります。 古くから酒米の開発が盛んで、酒造りに適した上質な米が栽培されていることも大きな特徴です。県内の各蔵では、青森の自然の恵みを活かした酒造りが行われています。 1-1.西田酒造店 代表銘柄は、田の酒と書いて「田酒(でんしゅ)」。創業1878年(明治11年)の蔵では、職人の手仕事による丁寧な酒造りが続けられています。 原料米にこだわり、幻の酒米といわれた“古城錦”の復活にも着手。“仕事は楽しみながら”という蔵の雰囲気が垣間見えるSNSにも注目です。 1-2.八戸酒造 日本海へと流れ込む新井田川沿いに建つ八戸酒造。有形文化財に登録されている建造物は、今もなお大正時代の風情を醸し出しています。 創業銘柄「陸奥男山(むつおとこやま)」は、明治時代から地元の人々に愛されてきました。平成入りに誕生したフルーティーな香りの「陸奥八仙(むつはっせん)」は、陸奥男山に並ぶ定番酒としてその名が知られています。 1-3.鳩正宗 青森県の内陸部、十和田市に位置する酒蔵です。「鳩正宗」の名は、昭和初期に蔵の神棚に棲みついた一羽の白鳩を守り神としたことに由来しています。 かつては南部杜氏が仕込みに参加していたものの、2004年(平成16年)からは十和田の蔵人のみで酒造りをスタート。以来、代々受け継がれてきた歴史と現代技術の融合により上質な酒が生み出されています。 1-4.三浦酒造 5代目蔵元となる兄弟を筆頭に、家族と地元の人々が切り盛りする小さな酒蔵です。酒米「豊盃米(ほうはいまい)」を使用する全国唯一の蔵でもあります。 原料米の多くは、地元農家が丹精込めて栽培したものです。仕込み水には井戸から湧き出る岩木山の伏流水を使い、ほっと心が和む味わい深い酒を醸し続けています。 1-5.桃川 発祥は江戸時代の自家用醸造という歴史深い酒蔵です。屋号である「桃川」は、仕込み水に百石川(ももいしがわ)の伏流水を使用したことに由来しています。 蔵のキャッチフレーズは“いい酒は朝が知っている”。大切な人と美味しいお酒を酌み交わし、翌朝に気持ちいい目覚めが迎えられるようにとの想いと共に、蔵では丁寧な酒造りが行われています。 1-6.松緑酒造 桜の名所でもある弘前城の城下町に建つ松緑酒造。江戸時代には、酒造りに欠かせない「酒母(しゅぼ)」造りを生業として栄えていました。 日本酒製造は1904年(明治37年)にスタート。青森から世界へ羽ばたく酒を目指し、地元で愛される「松緑」をはじめとする豊富なラインナップを取り揃える酒蔵です。 1-7.八戸酒類 創業は江戸時代後期の1786年(天明6年)。初代の橋本八右衛門(はちうえもん)は、呉服商で身をたてていた人物でした。 9代続く蔵の杜氏を務めるのは、もともと日本酒を飲むのが大好きだったという上井杜氏。酒造りに適した冷涼な環境のもと、地元の良質な米と地下から汲み上げる自然水、伝統技法で生まれる日本酒は各界で高く評価されています。 2.青森で作られている酒造好適米 酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)とは、酒造りに適した特性をもつ米のことです。通称「酒米(さかまい)」と呼ばれ、各県では地域の特性を活かした品種が開発されています。 青森県を代表する酒米のひとつが「華吹雪(はなふぶき)」です。粒が大きく栽培しやすいことから、全国でも高い生産量を誇ります。米の旨味に満ちた味わいを生み出し、純米酒に使用されることが多い品種です。 また「華想い(はなおもい)」は、青森県の酒米の王様と称される品質の良さが特徴です。精米時に割れづらく、原料に小さく削った米を使用する吟醸酒に適しています。 さらに、青森県内では2018年(平成30年)に「吟烏帽⼦(ぎんえぼし)」の利用がスタート。冷害に強い吟烏帽⼦は県内各地で栽培でき、青森の地酒の可能性をさらに広げるきっかけとなりました。 3.青森の日本酒おすすめ14選 ここからは青森のおすすめ日本酒14選をご紹介!地元をはじめ全国の日本酒ファンに愛される銘柄が揃いました。青森を訪れた際はもちろん、酒販店や飲食店で出会った際はぜひチェックしてみてください。 1.田酒(でんしゅ) 田の酒「田酒」は、醸造アルコールや醸造用糖類などを使用しない旨口の純米酒です。商品化までに3年の月日を費やし、1974年(昭和49年)に誕生しました。 なかでも華想いを原料とした「純米大吟醸 百四拾 田酒」は、洗練された香りと味わいが特徴的な1本です。後口はすっきりとキレ良く、飲み進めるほどに米の旨味が体に染み渡ります。 (出典元:若松屋酒店) 2.陸奥八仙(むつはっせん) 八戸酒造で1998年(平成10年)に誕生したブランドです。その名は中国の故事、酔八仙(八人のお酒の仙人の物語)に由来します。飲む人に酒仙の境地で酒を楽しんでもらいたいという、蔵の思いが込められた日本酒です。 フルーツを思わせる香りは心地よく、日本酒ビギナーでも親しみやすい味わいが魅力です。なかでも「陸奥八仙 ピンクラベル 吟醸(火入)」は、メロンのように甘い香りと芳醇な味わいを楽しめます。 (出典元:八戸酒造) 3.豊盃(ほうはい) 全国で唯一の使用となる豊盃米をメインに醸される日本酒です。上質な米と蔵の井戸から湧き出る伏流水、蔵元家族や地元の人々の手により、唯一無二の個性が生み出されています。 蔵のスタンダードとなる「豊盃 純米吟醸 豊盃米」は、酒米のもつ繊細な甘みと香りが光る1本。青森の自然が生み出す美味しさを心行くまで堪能できます。 (出典元:くるみや) 4.鳩正宗(はとまさむね) 蔵の名を冠した「鳩正宗」は、小さく磨いた青森県産の酒米で造られる日本酒です。なかでも「吟麗 純米大吟醸 中取り」は、青森県の酒米の王様といわれる華想いを原料としています。 精米歩合は40%と、米の中心部分のみを贅沢に使用していることも特徴です。さらに、お酒を搾ったときに特に質が良いとされる、中取り部分のみが瓶詰めされています。香りと味わいともに品よく、贈答用にもおすすめの1本です。 (出典元:鳩正宗株式会社) 5.桃川(ももかわ) 「桃川」の魅力は、芳醇な旨味とまろやかな口当たりです。ラベルには、桃川をこよなく愛したという酒好きの画家・小杉放菴の文字が記されています。 おすすめは、酒米・華想いを使用した「桃川 大吟醸純米 華想い」です。2021年のインターナショナル・ワイン・チャレンジでは、純米大吟醸の部で金賞に輝きました。グラスに注ぐと華やかな香りがふわっと広がり、清らかな飲み口を堪能できます。 (出典元:桃川オンラインショップ) 6.善知鳥(うとう) 「田酒」を醸す西田酒造店の青森限定商品です。原料には、酒米の王様といわれる山田錦を使用。人工的な圧力をかけずにゆっくりと搾った酒のなかでも、質の良い中取り部分のみが瓶詰めされています。 洋梨を思わせる上品な香りの後には、しっとりと奥深い余韻が広がります。青森を代表する貴重な鳥「善知鳥」の名の通り、希少性を感じさせる贅沢な1本です。 (出典元:矢島酒店) 7.喜久泉(きくいずみ) 西田酒造店が創業以来造り続ける銘柄です。「喜久泉」の名には、幾久しく喜びが続くように、という蔵の願いが込められています。 おすすめは「大吟醸 喜久泉」。フルーツを思わせる心地よい香りが広がる一品です。しっかりとした旨味、キレが両立した辛口の味わいを堪能できます。 (出典元:矢島酒店) 8.六根(ろっこん) 松緑酒造が新たな酒造りへの挑戦の意を込めて送るブランドです。サファイア、ルビー、タイガーアイなど個性豊かなラインナップが揃います。 公式のオンラインショップで購入できる「六根 純米大吟醸 華想い」は、青森の酒米と酵母で造られた日本酒です。ラベルには、弘前の春景色を思わせる「花筏(はないかだ)」がデザインされています。香り良く上品な味わいで、記念日の乾杯にもふさわしい一品です。 (出典元:松緑酒造オンラインショップ) 9.如空(じょくう) 南部杜氏の伝統の技が生み出す味わい深い日本酒です。全国新酒鑑評会をはじめとする多くの鑑評会で、輝かしい受賞歴を誇ります。 リーズナブルなレギュラー酒から、米の旨味にあふれる純米酒、香り高い吟醸酒と幅広いラインナップが揃うことも魅力です。お酒を飲むシチュエーションや好みにあわせた1本に出会えます。 (出典元:八戸酒類株式会社) 10.八鶴(はちつる) 協会10号酵母の発祥蔵ともいわれる、八戸酒類の八鶴蔵で造られる日本酒です。協会酵母とは、日本醸造協会が頒布する酵母菌のこと。良質な米と伝統技法で生まれる「八鶴」は、「如空」と共に蔵の歴史を支えています。 おすすめは「八鶴 濃醇超辛純米酒 剛酒」。しっかりとした飲みごたえがありながら、抜群のキレが特徴的な1本です。和食はもちろん、揚げ物や中華のような味の濃い料理とのペアリングを楽しめます。 (出典元:八戸酒類株式会社) 11.陸奥男山(むつおとこやま) 青森の恵みが生み出す米の旨味とともに、スパッとしたキレ味を堪能できる銘柄です。地元で古くから愛されてきた八戸を代表する地酒でもあります。 なかでも「陸奥男山 超辛純米」は、男山らしいキレ味鋭い個性が光るお酒です。冷やはもちろん、常温で、燗酒でと温度による味の変化を楽しめます。 (出典元:八戸酒造株式会社) 12.杉玉(すぎだま) 酒造・桃川の四大ブランドのうちのひとつです。“うまさの杉玉”と称されるように、しっかりとした米の旨味を堪能できます。 香りは穏やかで口当たりやさしく、合わせる料理を選ばないのもうれしいポイントです。「純米酒」は180mlから販売されているため、気軽に老舗蔵の味わいを楽しめます。 (出典元:桃川株式会社) 13.亀吉(かめきち) 青森県黒石市に位置する酒蔵、中村亀吉酒造が醸す日本酒です。大正時代から長きに渡り、青森の地酒として人々に親しまれてきました。 クラシックなラベルに身を包むお酒は、どこか懐かしさを感じさせる佇まい。味わいはまろやかで、しみじみとした美味しさに酔いしれることができます。冷やをはじめ、燗酒にしてゆるりと楽しむのもおすすめです。 (出典元:はただ酒店) 14.ねぶた 青森の夏を彩る祭り「ねぶた」が表現されたキリッとした味わいの日本酒です。「辛口ねぶた」は、全国燗酒コンテスト2018で金賞を受賞。ぬる燗はもちろん、あつあつに温めれば爽快な飲み口がさらに引き立ちます。 ラベルにねぶたがが描かれた「火祭りねぶた生貯蔵酒」は、青森のお土産にもおすすめです。 (出典元:桃川オンラインショップ) まとめ 青森県では、日本酒好きにはたまらない美味しい日本酒が数多く造られています。日本酒ビギナーでも飲みやすい、すっきりとした味わいの銘柄が揃うことも魅力です。 日本酒選びに迷ったら、産地に着目してみるのもひとつの方法です。青森の豊かな自然を思いながら、その美味しさをぜひ楽しんでください。

「生酛造りのきもとさん」「たまには酔いたい夜もある」など個性的な商品を生み出す秘訣とは?沢の鶴さんにインタビュー!

創業から300年以上の歴史を誇る老舗酒蔵「沢の鶴」。もともとは米屋の副業として創業し、米の旨味をしっかりと引き出した酒造りに取り組んできました。 そんな沢の鶴では「SHUSHU Light」や「生酛造りのきもとさん」「たまには酔いたい夜もある」など他の酒蔵にはない個性的な商品が展開されています。 これらの個性的な商品はどのようにして生まれているのでしょうか?今回は沢の鶴さんに個性的な商品を生み出す秘訣をお聞きしました! 1.新商品発売に至るまでの裏側にはたくさんの工程がある 1-1.全ての社員がアイデアを提案できる環境 今回インタビューをさせていただいたのは、沢の鶴株式会社 マーケティング室 室長の宮﨑さん。まずは、普段マーケティング室ではどのような業務を主にしているのか聞いてみました。 「マーケティング室は大きく分けて5つの業務を担っています。ブランディング、営業支援、ECサイトのショップ運営、資材関係の調達、お客様相談室の5つです。さらにこの5つも細分化をしていくと様々な業務があるため、マーケティング室の業務は多岐にわたります。」 ー業務範囲がそこまで多岐にわたるというのは非常に驚きました!その中でも今回はブランディングについて、深掘りをさせていただきます。新しい商品を開発する時というのはどのような工程を踏んでいるのでしょうか? 「まずは商品アイデアがどこから出てくるのかについてです。これは主に4パターンありまして、1つ目はマーケティング室から『こういう新商品が作りたい』という提案を会社にして、会社側がやってみようかということであれば、そのアイデアが採用され進んでいきます。」 「2つ目が営業からのアイデアです。営業が消費者に1番近い立場で市場が今どういうものを欲しているのかという情報収集を常にしてくれているので、そこからアイデアを吸い上げて考えていきます。3つ目は他企業さんとのコラボです。これは最近力を入れているのですが、取引のある企業や、異なる業界の方と協力・共創して、新しいものを生み出すということをしています。」 「4つ目は社員からの公募です。会社にとってプラスになることであれば、応募できる環境が整っています。応募されたアイデアが形になったこともあります。」 「生まれたアイデアについては、マーケティング室で会社にとってプラスになるのか、売れる可能性があるのかを検討します。そのアイデアがいいものであれば、会社に提案をするという流れになります。」 1-2.商品コンセプトや酒質設計はどのようにして決まる? ー沢の鶴さんでは様々な方面から、商品に関するアイデアが集まるようになっているのですね。商品のコンセプトというのはどのように決めているのでしょうか? 「コンセプトの決め方には色々な手法がありますが、王道のやり方としてはターゲットを作って、そのターゲットに向けて開発していくという手法です。他にはニーズ型とシーズ型と言われている手法を用いています。」 「ニーズ型というのは、市場で求められている情報を詳しく集めてそこに可能性があるのかを社内外で調べていく手法です。シーズ型は我々メーカーとして持っている技術や強みを見直して、それを市場に受け入れられるように合わせて商品を生み出す手法です。これらの手法を用いてコンセプトを考えています。」 ーコンセプトが決まった商品の酒質設計を考えているのはマーケティング室のみなさんですか?それとも現場で酒造りをしている方々でしょうか? 「酒質設計に関しても色々なパターンがあります。お酒造りの現場から『こんなにおいしいお酒ができました』ということもあれば、『こういうお酒を作って欲しい』という営業からのリクエストだったり、はたまた他社ではこんな面白い商品があるけれど、うちでも造ることができるかみたいな話だったり。」 「具体例として挙げると『たまには酔いたい夜もある』の酒質は瑞宝蔵の責任者が提案してくれました。この酒質は割って飲むと絶対おいしいよというアイデアを社内公募で出してくれました。」 1-3.新しい商品を生み出すのは簡単なことではない ー宮﨑さんにとって、新しい商品を生み出す時に最も大切にしていることはなんでしょうか? 「私がいつも念頭に置いているのは『そのアイデアがユニークかどうか』です。ユニークっていろんな意味があると思うのですが、言い方を変えると差別化できているか、個性があるのかということですね。その商品を沢の鶴が出すということに意義があるのかいつも考えています。」 ーなるほど、たしかに「生酛造りのきもとさん」や「たまには酔いたい夜もある」などはユニークな商品ですよね。新しい商品を生み出す時に最も大変なことってどのようなことがあるのでしょうか? 「会社として一丸となって商品を消費者に届けるんだという意識の共有が1番大変ですね。新商品が消費者に届くまでには、造り手や売り手など多くの人が関わっています。多くの人が関わることで、解決すべき課題がでてくるので、それをクリアにして、商品を消費者に届けるんだという認識を全社員が持てるようにすることが大変です。」 ーそういった大変さから商品化にたどり着けないアイデアもやはりあるのでしょうか? 「商品化できないアイデアというのは山ほどありますよ。この仕事に携わってから100以上はあると思います。少し前にあった事例ですと、社内公募で採用されたアイデアが商品化の手前までいったのですが、コロナなどの社会情勢もあって、発売中止になったこともありましたね。」 ー新しい商品を生み出すというのはそれだけ大変なことなんですね... 2.自社にはない視点を活かして ー「SHUSHU Light」では、デザイン事務所のシーラカンス食堂さん、「たまには酔いたい夜もある」「生酛造りのきもとさん」などは株式会社TRINUSさんなど他企業とタッグを組んで商品開発に取り組まれていました。タッグを組まれた背景としては沢の鶴さんの中に課題感があったからなのでしょうか? 「はっきりとした課題がありました。社内のみで物事を考えると固定観念に縛られたり、過去からの流れを汲んでしまい結果として同じようなものばかりができてしまう。沢の鶴だったらこれだよねというような既視感のある商品ばかりが生まれてしまうということが今も含めて多々ありました。」 「そういった状況を打開したいということで多方面にアンテナを張りました。シーラカンス食堂さんというおもしろいデザイン事務所さんに関しては、代表の方の講演を当時の上司がたまたま聞きに行ったことで繋がりが生まれました。TRINUSさんに関しては雑誌の記事で特集をされており、興味深い取り組みをされているなと思ったので問い合わせ、そこから協力して新しい商品を創るということがスタートしました。」 「商品コンセプトについてニーズ型とシーズ型という話が出たのですが、TRINUSさんからは弊社の長所や強みに着目していただいて、商品コンセプトに反映していただくシーズ型の手法をうまく用いて、今までにはない商品を生み出す手助けをしていただいています。」 3.他にはないユニークな商品をこれからも ー直近ですと、「生酛造りのきもとさん」がリリースされて間もないですが、社内外の反応というのはいかがでしょうか? 「好評いただいておりまして、キャッチーな見た目なのでジャケ買いの可能性もあるという話も聞いています。ただ中身は本格的なお酒ですので飲んでいただいて、ジャケ買いした方でも味わいのファンになっていただけると思っています。」 ー「生酛造りのきもとさん」がリリースされてからまだ間もないですが、すでに次に作る商品は決まっているのでしょうか? 「まだ細かいことはなにも決まってないですが、しっかりユニークさをもったコンセプトの商品を引き続き作っていきたいと思っています。」 「触れておきたいのが2023年3月に立ち上げた『八継』という熟成酒のブランドをしっかり育てていきたいですね。熟成酒というのは非常に価値のあるものです。今回リリースした熟成酒は50年ものなんですけど、今から造ろうと思っても絶対に作ることができない唯一無二の価値を持っています。他にはないユニークな商品として熟成酒の価値をどのようにお伝えしていくのか3~4年の構想期間を経て、今年の3月にリリースしました。」 ー次はどんなユニークなコンセプトを持った商品がリリースされるのか非常に楽しみです!本日は商品開発について貴重なお話をたくさん聞かせていただきありがとうございました! まとめ 日本酒の商品企画について我々消費者が見聞きする機会というのはほぼないと思うのですが、今回は沢の鶴株式会社 マーケティング室 室長 宮﨑さんにインタビューにて深掘りをさせていただきました! 日本酒が造られるまでには、現場で造られている方以外にも本当に多くの方が1つの商品に関わられているというのがお話を聞いて実感しました。 日本酒を飲むときは、その商品が生まれるまでの背景に想いを馳せながら飲むのも日本酒の楽しみ方の1つとしていかがでしょうか? 会社概要 社名:沢の鶴株式会社 代表者:西村隆 創業:享保2年(1717年) 事業内容:清酒「沢の鶴」の醸造、販売、及び関連事業 コーポレートサイト:https://www.sawanotsuru.co.jp/site/

おちょこに描かれた青い円の模様には意味がある?おちょこの青い円の意味や利き酒の楽しみ方を解説!

日本酒を飲むときに使うおちょこ。目にすることの多い青い円は、「蛇の目(じゃのめ)」と呼ばれます。 蛇の目のおちょこは、日本酒の味わいを確かめるために作られたものです。今回は、蛇の目という呼び名の由来や役割などについて紹介します。 利き酒のポイントも紹介するので、ぜひ自宅で日本酒の飲み比べを楽しむ際の参考にしてくださいね。 1.おちょこの青い円の名前や役割 おちょこの底に書かれた青い円は「蛇の目(じゃのめ)」と呼ばれます。蛇の目が付いたおちょこは、日本酒のテイスティング「利き酒(唎酒)」に用いられるのが一般的です。まずは、蛇の目という名前の由来や青い円の役割についてみていきましょう。 1-1.おちょこの青い円の名前とその由来 「蛇の目」の呼び名は、江戸時代に作られた傘の名前に由来しています。白く太い円が描かれた当時の傘は、模様が蛇の目(へびの目)に見えることから「蛇の目傘」と呼ばれていました。 蛇の目のおちょこが誕生したのは、1911年(明治44年)のこと。第1回全国新酒鑑評会で、審査員用のおちょことして作られたのが始まりです。 現在は日本酒をイメージさせるおちょことして、利き酒用としてだけでなく、イベントや飲食店などでも幅広く用いられています。 1-2.蛇の目のおちょこの青い円の役割 蛇の目のおちょこの青い円には、お酒に浮かぶ細かな浮遊物を見えやすくする役割があります。 無色透明の日本酒は、醪(もろみ)と呼ばれる白い液体を布などに入れて搾り、さらに小さな滓(おり)を取り除くことでできあがります。なかにはあえて滓を残して仕上げる日本酒もあり、蛇の目の青い円はそれらを確認するのに役立つというわけです。 また、日本酒はろ過の有無や熟成度合いによって色合いが変化するお酒です。青と白のコントラストはお酒の色合いを引き立て、微妙な色の違いを判別する際に役立ちます。 1-3.蛇の目のおちょこのサイズ 蛇の目のおちょこのサイズは、三勺(約54ml)や五勺(約90ml)が一般的です。なかには、ぐい呑みサイズの八勺(約144ml)のおちょこも販売されています。 また、多くの酒蔵では「本利きちょこ」と呼ばれる1合(約180ml)サイズのおちょこが使用されます。サイズは大ぶりですが厚みは薄く、蛇の目が手描きで描かれているのが特徴です。 2.蛇の目のおちょこを使った利き酒の楽しみ方 蛇の目のおちょこを使うと、自宅でも気軽に利き酒を楽しめます。日本酒の味や香りが客観的に感じられ、自分好みの味わいをより見つけやすくなりますよ。 2-1.利き酒とは そもそも利き酒とは、酒造りに携わる人が行う「官能検査」のことです。 酒蔵では、前述した本利きちょこを使い、お酒の出来栄えを評価する利き酒が行われてきました。また、全国新酒鑑評会のようなお酒を品評する場でも利き酒が行われています。 近年はアマチュアを対象とした「きき酒大会」が開かれるなど、利き酒は消費者にとっても身近なものになりつつあります。飲食店などで複数のお酒を一度に楽しめる「利き酒セット」を見かけることも多いですよね。 「リンゴのような香りで味わいはスッキリ」「落ち着いた香りでコクがある」など、味わいを客観的に表現できるようになると、自分の好みの日本酒を見つけやすくなります。酒販店や飲食店でも、日本酒の好みについてわかりやすく伝えられるようになりますよ。 2-2.利き酒を楽しむためのポイント 日本酒は、温度によって味わいが変化しやすいお酒です。利き酒の際は、15~18℃のやや冷えた温度帯にすると味や香りを感じやすくなるでしょう。 お酒の色合いを確かめるため、利き酒は自然光に近い照明の下で行うのがおすすめです。香りの感じ方に影響しないよう、香りの強い化粧品や香水などの使用は控えましょう。 一度にたくさんのお酒を評価するプロの利き酒は、お酒を口に含んでから吐き出すのが一般的です。自宅で利き酒を楽しむ際は、ぜひ少しずつおいしく味わってください。悪酔いを防ぐため、和らぎ水を用意しておくと安心ですね。 2-3.利き酒の楽しみ方3ステップ 利き酒は、視覚や嗅覚、味覚を使いながら日本酒の個性をチェックしていきます。蛇の目のおちょこに日本酒を注いだら、まずは色合いのチェックからスタートしましょう。 ステップ1.色合いを確かめる 搾ったばかりの日本酒は、うっすらと黄色く色付いているのが一般的です。その後「濾過(ろか)」の工程を経て色や香りが調整されます。 日本酒のなかには、ろ過をしていない山吹色のお酒や、白くにごった「にごり酒」などが存在します。微発泡感のあるお酒や、琥珀色の熟成酒など色合いはさまざまです。 まずは「透明度が高い」「白くにごっている」「淡い黄色」など、日本酒の味わいにつながる色の個性を、蛇の目模様を見ながら確認していきましょう。 ステップ2.香りを確かめる 色合いの次は香りをチェックします。おちょこに鼻を近づけ、上立つ香(うわだちか・うわだちこう)と呼ばれる香りを確認しましょう。その後、口に含んで含み香(うくみか・ふくみが)を感じていきます。 日本酒の香りは、花や果実を思わせるや穀物のような香り、蜂蜜のような甘い香りなど多岐に渡ります。花や果実のような香りは「吟醸香(ぎんじょうか・ぎんじょうこう)」と呼ばれ、吟醸酒に多く発現する香りです。 また、穀物や乳製品を思わせる香りは、生酛や山廃といった昔ながらの製法で造る日本酒に多くみられます。熟成酒は、蜂蜜やナッツのような複雑かつ甘い香りがするのが特徴です。香りからも、ぜひ日本酒の原料や製法などの個性を感じ取ってみてください。 ステップ3.最後に口で味わいを感じる 香り、色合いの次はいよいよ味わいを確認。蛇の目のおちょこに口を付け、日本酒を味わってみましょう。 ひとくちに「甘い」といっても、サラリとした軽やかな甘みやふくらみのある甘みなど、感じ方は人それぞれです。お酒によっては、後口にキリリとした酸味が感じられることもあります。 「これは温めて飲んでみたいな」「おつまみを合わせるなら何にしよう」など、具体的な飲み方を想像するのも、日本酒を楽しむための利き酒ならでは。合間に和らぎ水でクールダウンしながら、自分好みの味わいを見つけてみてくださいね。 まとめ 青い円が描かれた蛇の目のおちょこは、利き酒用に作られたものです。青色の蛇の目模様は、日本酒の色合いなどを評価する際に役立ちます。 蛇の目のおちょこを使えば、自宅でも気軽に利き酒にチャレンジできます。色や香り、そして味わいの違いを知り、日本酒の奥深さや楽しさを感じてみてはいかがでしょうか。

山三酒造の日本酒4種を紹介!再始動した蔵のこだわりにペアリングも

1867年(慶応3年)創業。2015年より休蔵状態だったものの、現蔵元の決意と情熱により、2023年2月に再始動を果たした長野県上田市の「山三酒造(やまさんしゅぞう)」。 3月31日(金)には、先代の想いを受け継ぐリブランド商品「真田六文銭(さなだろくもんせん)」に加え、酒蔵名を冠した新たなブランド「山三」がリリースされました。 今回は、少量仕込みの丁寧な酒造りから生まれる4商品をご紹介。信州上田の酒文化に新たな息吹をもたらす、山三酒造の魅力をお届けします。 「山三酒造」信州上田の老舗蔵の想いを胸に再始動 山三酒造は、豊かな自然に恵まれた長野県上田市に位置する酒蔵です。蔵の背景に広がるのは、限りのない空と雄大な山々。冬場に積もる雪は自然のフィルターをくぐり抜け、清らかな伏流水となり、日本酒にクリアな味わいをもたらします。 創業から150年の歴史をもつ山三酒造は、後継者問題などから2015年より休蔵状態にありました。 「ものづくりがしたい、自分らしい仕事がしたい」という想いを抱えていた現蔵元の荻原氏は、長野県佐久市出身。山三酒造との出会いをきっかけに、「地元の酒蔵を守りたい」と蔵の再建へ乗り出します。 山三酒造の大きなこだわりは、地元長野県八重原産の米を使用し、加水をしない“原酒”の状態で日本酒を提供することです。 一般的な酒造りの工程では、アルコール度数や味わいの調整のため、搾ったあとのお酒に割水(わりみず)が加えられます。 今回ご紹介する4つのラインナップは、すべてが加水、ろ過、加熱処理がされていない無濾過生原酒。酒瓶には蔵が目指すフレッシュな味、香りがそのまま閉じ込められています。 山三 紫翠(しすい) 山三 山霞(やまかすみ) 山三 初雪(はつゆき) 真田六文銭 初陣(ういじん) 老朽化していた設備、建物を一新するところから始まったという山三酒造再建に向けた道のり。 若き杜氏、栗原 由貴氏と共に設備も見直され、酒造りの要となる麹を造る部屋、麹室(こうじむろ)は高品質な麹が製造される場へと生まれ変わりました。 さらに、醸造方法は大型タンクの大量生産からサーマルタンクでの小仕込みへと移行。低温環境のもと細部まで手がかけられた日本酒は、口にした途端はっとするほどの瑞々しい味わいに満ちています。 https://sake-5.jp/interview-with-yamazan-shuzo 山三 紫翠×リンゴのカッテージチーズサラダ ポン、という軽やかな開栓音とともに広がるのは、蜜リンゴのように甘く艶やかな香り。グラスのなかでは、細かな泡が静かに弾けて消えていきます。 口に含んだとたんに押し寄せるフレッシュな印象は、まるでほんの今、蔵で搾ったばかりのお酒をいただいているかのよう。後口はキレ良く、食中酒はもちろん、お酒単体でもゆるりと楽しみたい美味しさです。 皮付きリンゴにカッテージチーズ、仕上げに黒コショウをきかせたサラダと組み合わせれば、食事の始まりを告げる爽やかな1杯に。その日の気分や料理にあわせ、ほんのり温めていただくのもおすすめです。 温度が上がることで口当たりは丸く、より優しい表情へと変化し、信州上田に広がる情景のように心をほっと和ませてくれます。 山三 紫翠(しすい) 希望小売価格 3,080円(税込) 純米大吟醸 無濾過生原酒 山田錦(原料米) 磨き三割九分(精米歩合) 獨鈷山系伏流水 七号酵母 14度(アルコール度数) 山三 山霞×栗ときのこのコンフィ 山々にかかる霞のように白いにごり酒は、旨味たっぷりの秋の味覚とともに。果実感あるジューシーな甘味とほのかな酸味、ふわりと心地よい後口が料理の味わいを引き立てます。 オイルを纏ったきのこは、バゲットやクラッカーにのせていただくのもおすすめです。「山霞」のほのかなガス感が、舌の上の油分をさらりと洗い流してくれます。 夏には鮎のような川魚とあわせれば、自然の息吹を感じるたまらないペアリングとなりそう。春は山菜、冬はジビエと四季折々の山の恵みと楽しみたい日本酒です。 山三 山霞(やまかすみ) 希望小売価格 2,530円(税込) うすにごり 無濾過生原酒 山恵錦(原料米) 磨き五割(精米歩合) 獨鈷山系伏流水 アルプス酵母 15度(アルコール度数) 山三 初雪×みぞれ鍋 瓶の底にうっすらと澱(おり)が積もる「初雪」は、4本のなかでも一番元気な印象です。開栓で空気が流れ込むのを合図に、細かな泡が次から次へと瓶底から立ち上ります。 長野県の酒米と酵母が奏でるのは、上品な甘さと酸味、しっかりとした旨味のハーモニー。それぞれが一体となりながら、舌の上でハラリとほどけて溶けていきます。 その儚さは、木々や土に舞い落ちた綿雪がすっと消えてなくなるかのよう。アツアツのみぞれ鍋をおともにすれば、出汁の美味しさ、お酒の美味しさが体に染み入る組み合わせができあがります。 あっさりした鍋物はもちろん、牡蠣の土手鍋やキムチ鍋など旨味の強いスープにもあわせたい、味わい深いにごり酒です。 山三 初雪(はつゆき) 希望小売価格 1,870円(税込) うすにごり 無濾過生原酒 ひとごこち(原料米) 磨き六割(精米歩合) 獨鈷山系伏流水 アルプス酵母 15度(アルコール度数) 真田六文銭×にんにく焼き鳥・ねぎま 信州上田、真田家の家紋を酒名とし、地元で愛されてきた「真田六文銭」。勇ましいラベルの文字はそのままに、素材と造りはすべて見直され、山三酒造の精神を受け継ぐ酒として復活を遂げました。 口当たりジューシーでありながら、後口はキリッと硬派な印象。山三らしさのなかに、ひと味違った個性が光ります。 少し熱めにお酒を温めながら、にんにくを串に刺した焼き鳥と、ねぎまをスタンバイ。信州上田のご当地グルメ、にんにく醤油タレでいただく「美味だれ(おいだれ)焼き鳥」をイメージしたおつまみです。 パンチのきいた焼き鳥をほおばりながら、燗酒をコクリ、コクリ。タレの旨味とキリッとした酒の風味が絡み合い、もう1本、もう1杯と食と酒が進みます。 「150年の歴史をもつ地元の蔵を守りたい」蔵元のそんな想いが心に染みる、信州上田の地酒です。 真田六文銭 初陣(ういじん) 希望小売価格 1,870円(税込) 無濾過生原酒 ひとごこち(原料米) 磨き六割(精米歩合) 獨鈷山系伏流水 七号酵母 16度(アルコール度数) まとめ 黄金色に実った稲穂が頭を垂れる、秋の信州上田。2期目の仕込みを間近に控えた蔵元は、「スパークリング酒など新たなジャンルも視野に入れながら、山三のスタンダードといえる酒の完成を目指したい」と今後の展望を語ってくれました。 復活を遂げた山三酒造では、古くから変わらぬ自然の恵みを礎に、蔵元と杜氏、蔵人たちの手によって新たなストーリーが紡がれようとしています。 受け継がれてきた伝統と、これから始まる歴史の1ページに想いを馳せながら山三酒造の日本酒を味わってみてはいかがでしょうか。 山三酒造株式会社 [住所]長野県上田市御嶽堂687-1 [電話番号]0268-42-2260 [公式サイト]https://yamasan-sake.jp/index.html

休蔵に入っていた山三酒造が事業継承により復活。進化した山三酒造蔵元にインタビュー!

1867 年(慶応3年)創業の山三酒造は、信州上田の真田家の家紋『真田六文銭』を酒名に冠した、飲み易くすっきりした味の地酒として愛されてきましたが、作り手の高齢化と設備の老朽化により、事実上の休蔵状態になっていました。 創業から150年以上の歴史を積み重ねてきた由緒ある酒蔵の歴史が途絶えてしまいかねない状況だったところ、地元・長野県佐久市出身である荻原氏が、150年超の歴史を築いてきた山三酒造に感銘を受け、ゼロからの再スタートともいえる思い切った事業の再構築を決意。 今回は歴史ある山三酒造の名をそのままに事業を継承した荻原氏に、山三酒造が再始動するまでの軌跡に迫っていきます。 1.伝統を引き継ぎ日本酒の世界へ 話を伺ったのは山三酒造の事業継承をした現代表、荻原慎司氏。 荻原氏はもともと日本酒関係の仕事に携わっていたわけではなく、全くの別業界から事業継承をし現在は山三酒造の蔵元として、山三酒造の歴史と伝統を引き継いでいます。 「私は元々遊技場の販売事業を運営していましたが、他社と競い合う業界の構図に疑問を抱き、次第にもっと個性を活かし自由に売買ができるようなものを作って世界に売っていけるような仕事をしていきたいと思うようになりました。」 「長くできること」「世界に進出することができるもの」を軸に取り組める事業を探していた時、荻原氏に声をかけたのが地元である長野県佐久市に蔵を構える戸塚酒造でした。 「私は長野県佐久市出身で、地元には酒蔵さんがたくさんあります。その中の一つ、戸塚酒造さんとは元々とても仲良くさせていただいていました。ある時、その彼から作り手の高齢化と設備の老朽化により、事実上の休蔵状態になっている酒蔵があると聞きました。戸塚酒造の蔵元さんとは以前から私がものづくりに携わりたいという思いは話していたので、やってみないかというお話をいただいたのが事業継承に至ったきっかけになります。」 かくして、荻原氏は探していた2つの軸にも条件が合致し、150年超の歴史を築いてきた山三酒造の歴史と伝統を引き継ぎ、世界に出せる日本酒を造るため、ゼロからの再スタートともいえる思い切った事業の再構築を図ることを決意しました。 2.ゼロスタートから日本酒が造れるようになるまで 2-1.杜氏栗原氏との出会い 事業継承をすると決めてからまず荻原氏が取り組んだのが、日本酒の造り方に関する勉強と実践でした。 「日本酒に関する知識というのはほぼ0からのスタートでしたので、戸塚酒造さんのところで1シーズン朝から晩まで日本酒造りについて勉強をさせていただきました。造りを経験してからは、山三酒造内の片付けに着手しました。ただ、このときに何がいらない機材で逆に何が必要な機材かわからないという問題に直面したのです。その時『これは先に杜氏を探すしかない』と思い、杜氏探しを始めました。」 杜氏探しは様々な方からのご紹介もありましたが、なかなか理想とする杜氏とは出会えずに時間が過ぎていきました。そこで思い切って杜氏探しの求人を出しました。 「求人を出してからは全国から何人か応募をいただきました。その中の1人が現在山三酒造にて杜氏をしている栗原です。栗原は京都のハクレイ酒造で7年間酒造りに携わっており、2019年からは製造主任を務めていました。」 栗原氏自身もいつか杜氏として酒造りをしていきたいという思いがあり、常に杜氏募集の情報を探していたところ、山三酒造の求人を見つけ、応募しました。山三酒造を訪ねて荻原氏と話をする中でその経験や熱意が買われ、山三酒造の杜氏として迎え入れられました。 2-2.理想の日本酒を造るための環境作り 杜氏栗原氏を迎え入れて徐々に山三酒造内の設備を整えていきますが、この環境作りが事業継承をしてから最も大変だったと荻原氏は振り返ります。 「栗原を迎え入れてから、どういう酒蔵になっていきたいか、どういう日本酒を作っていきたいかを話し合いました。私は一部既存の設備も使えるものもあるかと想定したのですが、栗原と話をしていく中で、元々の山三の設備だと酒質を上げていくのは難しいということで、設備は一新しました。」 「建物の老朽化(雨漏りや壁が崩れたりしていた)や設備の一新によって使わなくなった機械が山のようにあったので、建物の修繕と使わない機械を片付けてお酒が造れる環境にもっていくまでが本当に大変でした。」 栗原氏が主導する新たな山三酒造の日本酒造りでは、酒造工程の大切さを順に表した「一麹、二酛、三造り」という格言を実現するために、醸造方法と設備が実現されました。 最も重要な「一麹」の麹造りでは、より高品質にするために麹室を一新。 機械式から全量を箱麹製法に切り替え、自然通風による製麹法へ移行しています。「二酛、三造り」についても、微細な変化にまで目が届くように、これまでの大型タンクでの大量生産からサーマルタンクでの小さな仕込みに完全移行しました。 さらに、冷蔵設備の導入により、衛生面の向上と温度管理された低温環境下で製造することで、日本酒のフレッシュさが維持できるようになっています。 こうして山三酒造再始動への準備はいよいよ整いました。 3.山三酒造が醸す日本酒のこだわり 3-1.地域性へのこだわり 2023年2月に再始動をしてから1期目として始まった日本酒造り。荻原氏に山三酒造が醸す日本酒のこだわりを聞きました。 「1つは地域性へのこだわりです。上田市は、美しい山々に囲まれ、清らかな水で高品質な日本酒を生産するための基盤があります。また、縁あって地元の八重原地区で情熱を持って酒米を作る米農家の方との出逢いがありました。そんな恵まれた環境と原料で地域性を活かした独自の味わいを持った日本酒を生産していきたいと思っています。」 「ただ、まだ1期目ということもあって山三酒造としての個性は模索している最中です。技術の向上や知見を広めるために原料の選定、醸造プロセスなど、品質に関するあらゆる要素を徹底的に追求し、革新的な日本酒造りにチャレンジしていきたいです。」 3-2.ラベルへのこだわり 地域性へのこだわりの他に山三酒造が造る日本酒にはラベルへのこだわりも見られました。 例えば「山三 山霞」には「うすにごり/無濾過生原酒/山恵錦/磨き五割/獨鈷山系伏流水/アルプス酵母/一五度」と細かに情報が記載されています。 「例えば純米酒といっても作り方は様々です。それぞれちゃんとした違いやこだわりがあるのに、それらが全て同じ『純米酒』として一括りにされてしまうのが少しもったいないなと感じていました。なので、山三の日本酒は手にとっていただけるお客様にこだわりをわかりやすくお伝えすることができるよう、ラベルにも細かく情報を出しています。」 4.山三酒造のこれから 4-1.少しでも地元に恩返しができたら 設備の一新から多くのこだわりによって生まれたプロダクトは「真田六文銭 初陣」「山三 初雪」「山三 山霞」「山三 紫翠」の4本。 休眠していた蔵が復活を果たし、地元のイベントに出るときなどは多くの喜びの声をいただくといいます。 「市長さんをはじめ、商工会や地元の方には非常によくしていただいています。地域に貢献できるようなイベントには積極的に参加させていただき、少しでも地元のみなさんに恩返しができたらいいなと思っています。」 4-2.多くの収穫を得て、2期目へ 最後に2期目に向けて、荻原氏に今後の山三酒造の目標を聞きました。 「技術だったりとか伝統的な地域性だったり、色々なものを大事にしながら最高品質のものを追求して造っていくという点を最も重要視しています。また、今年は1期目として修正点も含め多くの収穫を得ることができました。それらの経験を活かしながら来期は山三酒造の代表銘柄になり得るお酒をまずしっかり造っていくことが重要だと思っています。」 2023年2月から再始動をした山三酒造。日本酒ラボでも4本を試飲させていただいたのですが、どれも1期目とは思えない完成度を誇るおいしいお酒でした。山三酒造の4本については下記の記事にてレビューしているので、ぜひそちらもご確認ください。 https://sake-5.jp/introduction-of-yamazan-sake-brewery 事業継承によって、伝統を引き継ぎながらも新しく生まれ変わった山三酒造。来期はどんな日本酒を造るのか、これからが楽しみな酒蔵として目が離せません。 5.プロダクト紹介 5-1.山三 紫翠(しすい) 果実のような爽やかな香りと、大自然から溢れる湧き水のような澄み切った味わいが特徴の純米大吟醸。青々とした美しい山に抱かれ、瑞々しい生命力に満ちた信州上田の「紫幹翠葉」な情景が広がる。 5-2.山三 山霞(やまかすみ) 信州上田を包む山々にかかる山霞をイメージした、うすにごりの無濾過生原酒。「山恵錦」が持つ豊かな米の味わいと果実感のあるジューシーさとやさしい酸味が、わずかな炭酸ガスとともにバランス良くふくらみ、やさしくはかない余韻の後味。山霞の後には生命力に溢れた澄んだ空気と蒼天が広がる。 5-3.山三 初雪(はつゆき) 初雪をイメージした、うすにごりの無濾過生原酒。「ひとごこち」が持つ洗練された米の味わいと果実感のある香り、酸味、甘みや苦味などの複雑な味が調和し、さらりとほどける余韻で飲み飽きしない定番の純米酒。はらはらと初雪が風に舞い、人肌に触れしんと消えていく。 5-4.真田六文銭 初陣(さなだろくもんせん ういじん) 信州上田、真田家の家紋として有名な真田六文銭を酒名に冠し、純米醸造で飲み易いすっきりした味の地酒として愛されてきた。その精神を受け継ぎながら、素材から造りまですべてを見直し、新たな山三酒造として醸す伝承と研鑚の純米酒。穏やかで品の良い香りとクリアな味わい、キレが良いすっきりした無濾過生原酒の食中酒。 【会社概要】 〒386-0412 長野県上田市御嶽堂687-1 TEL:0268-42-2260 FAX:0268-42-3884 E-mail:info@yamasan-sake.jp ホームページ: https://yamasan-sake.jp/

甘酒のアルコール度数について解説!甘酒を飲んだ後の運転は飲酒運転になる?

年末年始に神社などで振る舞われることの多い甘酒。「アルコール度数はどのくらい?」「運転前や子どもは飲んでも大丈夫?」と気になったことはないでしょうか。 甘酒はアルコールを含むもの、含まないものがあるため、心配なときはどんな甘酒なのか種類を確認するのがおすすめです。 今回は甘酒の種類やアルコール分について紹介します。甘酒のアルコール分が気になるときは、ぜひ参考にしてください。 1.甘酒にアルコールは含まれてる? 「酒」という字が付く甘酒。栄養豊富で夏バテ予防にも効果的な飲み物ですが「アルコールが含まれているのでは?」と気になってしまいますよね。 実は、甘酒はノンアルコールタイプのものと微量にアルコールを含むものの2種類があります。 ノンアルコールタイプは、米麹で作られる麹甘酒です。米と米麹、水を原料とする麹甘酒は、お子さんや妊婦さん、運転前のドライバーも安心して飲むことができます。 一方、酒粕と砂糖、水で作る酒粕甘酒は注意が必要です。そもそも酒粕は、日本酒を搾ったあとに残る固形物。多くの栄養素とともに、約8~10%のアルコール分が含まれています。 加熱段階で多くのアルコール分は飛んでしまうものの、完全にゼロになるわけではありません。また、酒税法では「アルコール度数が1%以上のもの」を酒と分類しています。 市販の酒粕甘酒は、アルコール度数1%未満の「ノンアルコール飲料」に該当するものがほとんどです。だからといって、運転前に大量に飲んだり、アルコールに弱かったりすると酒気帯び運転の基準値を超えてしまう可能性があります。 麹甘酒も酒粕甘酒も、「飲む点滴」といわれるほど栄養豊富な飲み物です。アルコールを含まないものを選びたいときは、原料に注目してみてくださいね。 2.甘酒の種類 前述したように、甘酒には米麹から作られる麹甘酒と、酒粕から作られる酒粕甘酒の2種類があります。 アルコールを含まないものを飲みたいときは、麹甘酒がおすすめです。酒粕甘酒には微量のアルコール分が含まれるものの、酒粕ならではの風味を感じることができます。 2-1.米麹から作られた甘酒 米麹から作られる麹甘酒は、アルコール分を一切含まない飲み物です。やわらかく炊いた米に米麹と水を加え、温度管理をしながら一定時間寝かせるとできあがります。 一般的な製法では、砂糖を加えることもありません。麹甘酒の甘さは、デンプンがブドウ糖へと糖化されることで生まれます。 ブドウ糖をはじめ、ビタミンや食物繊維、オリゴ糖などの栄養素も豊富。甘酒のアルコール分が気になるときにおすすめです。 2-2.酒粕から作られた甘酒 酒粕から作られる酒粕甘酒には、微量ながらもアルコール分が含まれています。市販の酒粕甘酒の多くはアルコール分1%以下ですが、アルコールを摂取したくないときは控えたほうがよいでしょう。 酒粕甘酒も、麹甘酒と同様に多くの栄養素を含む飲み物です。日本酒の原料となる米や米麹、酵母由来の成分がギュッと凝縮されています。 甘酒にするときは、お湯で溶かした酒粕に砂糖を加えるのが一般的です。仕上げにおろししょうがを加えれば、体がぽかぽかと温まるホットドリンクができあがります。 3.運転前やお子さんが甘酒を飲む前の注意点 運転前やお子さんが甘酒を飲むときは、量や原料に注意しましょう。安心して甘酒を楽しみたいときは、麹甘酒を選ぶのがおすすめですよ。 3-1.酒粕からできている甘酒は飲みすぎない 前述したように、酒粕甘酒には微量のアルコールが含まれています。アルコール1%未満とはいえ、お子さんは避けるのがベターです。 また、通常であれば飲酒運転にはならない酒粕甘酒も、大量に飲むと酒気帯び運転の基準値を上回ってしまう可能性があります。極端にアルコールに弱い方は、少量であっても運転に影響が出てしまうこともあるでしょう。 運転前であれば、酒粕甘酒は飲まない、または飲みすぎないほうが安心です。 3-2.外で振る舞われる甘酒は、避けるか確認を取る アルコール分が気になるときは、外で振る舞われる甘酒は控えたほうが無難です。手作りの甘酒は、アルコール分をはっきり確認できません。加熱していても、酒粕のアルコール分が多く残っている可能性があります。 原料を確認し、米麹で作られていれば運転前のドライバーやお子さんも安心です。アルコール分を気にすることなく甘酒を楽しめます。 まとめ 甘酒に含まれるアルコール分は、原料により異なります。アルコールを避けたいドライバーやお子さん、妊婦さんなどは、米麹で作られる甘酒が安心です。 甘酒には、疲労回復効果や健康効果が期待できる栄養素が豊富に含まれています。アルコールが気になるときは飲み方に気を付けながら、ぜひ美味しく味わってみてください。

【2023年10月最新版】日本酒おすすめランキング1位~50位!日本酒の選び方のポイントも解説【唎酒師監修】

「日本酒は好きだけど種類が多くて選べない!」「どんな日本酒が人気なの?」と思ったことはありませんか?自分好みの1本を見つけたいときは、さまざまな人気銘柄を試してみるのもおすすめです。 そこで今回は、日本酒アプリ「さけのわ」のランキングをもとに「2023年10月最新版の日本酒おすすめランキングTOP50」をご紹介!日本酒選びのポイントも解説します。ぜひ、酒販店や飲食店で日本酒を楽しむ際の参考にしてくださいね。 1.【2023年10月最新版】日本酒おすすめランキングTOP50 日本酒アプリ「さけのわ」の人気ランキングを参考に、日本酒おすすめランキングTOP50をご紹介!(2023年10月16日時点)各銘柄の特徴も解説していきます。「どんな日本酒が飲まれてるの?」「人気の日本酒が知りたい!」という方は、ぜひチェックしてみてくださいね。 1位.新政(あらまさ) 1位にランクインしたのは、秋田県『新政酒造』の「新政(あらまさ)」です。秋田県産の米を使い、米と米麹で生まれる純米酒のみを製造しています。 フレッシュかつ繊細な香りと味わいは、日本酒業界に革命を起こしたといわれるほど。6号酵母を使用した「No.6(ナンバーシックス)」をはじめ、酒米の違いを楽しむ「Colors(カラーズ)」など、個性的なブランドが多くのファンを魅了しています。 (出典元:新政酒造株式会社オフィシャルサイト) 2位.十四代(じゅうよんだい) 『高木酒造』の造る「十四代(じゅうよんだい)」は、人気の高さと入手の難しさから「幻」ともいわれるお酒です。日本酒ファンなら、ぜひ一度は試してみたい銘柄ともいえるでしょう。 代表銘柄は「特別本醸造 本丸 秘伝玉返し」。十四代が有名になるきっかけとなったお酒です。一般的にはリーズナブルな本醸造の造りでありながら、吟醸酒に匹敵する香りと味わいを堪能できます。 (出典元:amazon) 3位.風の森(かぜのもり) 「風の森(かぜのもり)」は、奈良県の『油長酒造(ゆちょうしゅぞう)』が造る日本酒です。大きな特徴は、シュワッとした微発泡感と果実を思わせるフレッシュな香り。後口の苦味がナチュラルな魅力を引き立てます。 驚くべきは、精米歩合80%とあまり外側を削らない米で良質な味わいを生み出していること。日本酒へのイメージを良い意味で大きく覆し、誕生以来高い注目を集めるお酒です。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 4位.作(ざく) 第5位には、三重県『清水清三郎商店』が造る「作(ざく)」がランクイン。心地よい香りとやわらかな味わい、スッキリとしたキレの良さが人気を集めました。 玄乃智(げんのとも)、穂乃智(ほのとも)をはじめとするラインナップの豊富さも「作」の魅力。300ml容量で販売されている銘柄も多く「いろいろなお酒を試したい」という日本酒ビギナーにもおすすめの日本酒です。 (出典元:清水清三郎商店) 5位.而今(じこん) 三重県の『木屋正(きやしょう)酒造』が造る「而今(じこん)」は、6代目が自ら生み出したブランドです。その名には「過去に囚われず、未来にも囚われず、今をただ精一杯に生きる」という意味が込められています。 すべてを手作業で丁寧に仕込む「而今」は、フルーティーな香りとフレッシュな味わいが持ち味。繊細な和食はもちろん、洋食とあわせて楽しむのもおすすめです。 (出典元:木屋正酒造) 6位.鳳凰美田(ほうおうびでん) 「鳳凰美田(ほうおうびでん)」は、華やかでフルーティーな香りが特徴的な日本酒です。醸造元の『小林酒造』では、地元栃木県の酒米を中心に日光山系の伏流水を用いたお酒が造られています。 「フルーティーな香りの日本酒が好き」「甘みがありつつスッキリした後味が好み」という方におすすめしたい銘柄です。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 7位.仙禽(せんきん) 第6位にランクインした「仙禽(せんきん)」は、お酒が造られる土地の風土を重視して造られています。原料米には、仕込み水と同じ水脈上で育った山田錦や雄町、亀の尾(かめのお)などを使用。さらに、蔵に住み着く天然の酵母を用いるなど、古くて新しいナチュラル製法で生まれるお酒です。 定番商品はもちろん、「かぶとむし」や「雪だるま」といったラベルのかわいいシーズン商品もおすすめですよ。 (出典元:仙禽オフィシャルサイト) 8位.田酒(でんしゅ) 青森県の地酒として名高い銘柄がこちら。第7位にランクインした「田酒(でんしゅ)」です。「田んぼの味わいそのままに」という思いから生まれた「田酒」は、純米酒のみが製造されています。 「田酒」の大きな特徴は、燗酒でより魅力が花開くこと。日本酒通にも愛される本格的な味わいは、炙ったスルメやイカの塩辛のような定番おつまみと合わせるのがおすすめです。 (出典元:酒の志筑屋) 9位.赤武(あかぶ) 2014年に誕生以来、多くのファンに愛され確固たる地位を築き上げた銘酒「赤武(あかぶ)」。若いスタッフを中心に造られる日本酒は地元岩手を飛び出し、全国各地で高い人気を集めています。 岩手県産の米で造られる日本酒は、フルーツを思わせるさわやかな香りとスッキリとした飲み口が特徴。真っ赤な武士が描かれたラベルはもちろん、味わいもまた一度手にすれば忘れられない個性を放っています。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 10位.鍋島(なべしま) 「鍋島(なべしま)」は、佐賀県の『富久千代酒造』が造る日本酒です。2011年の「インターナショナルワインチャレンジ(IWC)」では、日本酒部門最高賞となる「チャンピオン・サケ」を受賞。ナチュラルでやさしい味わいは、国内はもちろん海外でも高く評価されています。ラインナップも幅広く、製法や酒米による味の違いを楽しめますよ。 (出典元:富久千代酒造) 11位.寫楽(しゃらく) 「寫樂(しゃらく)」は、福島県の『宮泉銘醸(みやいずみめいじょう)』が造る日本酒です。山田錦に雄町、愛山(あいやま)など質の良い酒米を使い分け、シーズンごとに個性的な銘柄を生み出しています。 なかでも、特A地区の山田錦を小さく磨いて仕込んだ「寫樂 純米大吟醸 極上二割」は蔵自慢の逸品。味わい、スペックともに贈答用にもおすすめの1本です。 (出典元:宮泉銘醸株式会社) 12位.獺祭(だっさい) 山口県の酒蔵を拠点に、銀座や博多、フランスに直営店を持つ『旭酒造』のお酒「獺祭(だっさい)」。日本酒ビギナーでも、名前を聞いたことがあるという方は多いのではないでしょうか。 なかでも、精米歩合23%の「獺祭磨き二割三分」は、獺祭の名を世に知らしめるきっかけとなったお酒。華やかな香りとハチミツのように品の良い甘さは、多くの日本酒ファンを魅了し続けています。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 13位.紀土(きっど) 第14位にランクインしたのは「紀土」と書いてキッドと読む日本酒です。醸造元は、和歌山県の『平和酒造』。原料となる酒米は、地域の人々と蔵人たちの手によって栽培されています。 香りはおだやかで甘みは程よく、体にすっと染み渡るような美味しさ。温かな紀州の土地を思いながら、ゆったりと楽しみたい味わいです。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 14位.黒龍(こくりゅう) 日本酒通にも人気の「黒龍(こくりゅう)」は、福井県の地酒です。その歴史は古く、大吟醸を世に知らしめる先駆けとなった銘柄でもあります。 香り高く、それでいてスッキリとした味わいは、食事と合わせる食中酒におすすめ。「黒龍 石田屋」や「黒龍 二左衛門」などの限定商品は、お世話になった方への贈り物にも適しています。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 15位.総乃寒菊(ふさのかんきく) 九十九里浜近くの酒蔵で昔ながらの手仕事によって生まれる日本酒です。大きな特徴は、火入れと呼ばれる加熱殺菌処理をしていない生酒であること。搾りたての香り、味わいを堪能できます。 「総乃寒菊」は4種の酒米を使い分け、千葉をメインとする4つのテーマを表現。低アルコール酒やコシヒカリを使ったお酒など、蔵の技とこだわりが光るラインナップが並びます。 (出典元:寒菊銘醸) 16位.花陽浴(はなあび) フルーティーな香りとほのかな酸味、甘味はまるでパイナップルのよう。『南陽醸造(なんようじょうぞう)』が手がける「花陽浴(はなあび)」は、フルーティーな甘口タイプの日本酒です。 とろりとした芳醇な甘さと、後口のジューシーな酸味も印象的。キラキラとしたラベルのように、一度飲んだら忘れられない個性が光るお酒です。 (出典元:矢島酒店) 17位.醸し人九平次(かもしびとくへいじ) 「醸し人九平次(かもしびとくへいじ)」は、ワインのようにエレガントな味わいの日本酒です。ワインの本場、フランスのシェフ・ソムリエに高く評価されたことをきっかけに、日本でも人気が広がっていきました。 醸造元は米が育つ場所そのものに敬意を払い、2010年からは兵庫県黒田庄で自ら山田錦の栽培を開始。繊細な香りと気品あふれる味わいは、ぜひワイングラスでお楽しみください。 (出典元:醸し人九平次 KUHEIJI) 18位.雪の茅舎(ゆきのぼうしゃ) 茅舎(ぼうしゃ)とは、かやぶきの家のこと。「雪の茅舎」は、雪深い秋田県の『齋彌(さいや)酒造店』で生まれる日本酒です。 酒造りに使用されるのは、蔵オリジナルの自家培養酵母。微生物の環境を大切にしている蔵は、酒蔵として日本で初めてオーガニック認定されています。蔵が復活させたといわれる「山廃(やまはい)」のお酒は、複雑かつ繊細な味と香りが魅力的。日本酒通からも評価の高い人気銘柄です。 (出典元:雪の茅舎醸造元 齋彌酒造店) 19位.陸奥八仙(むつはっせん) 1998年(平成10年)に青森県の『八戸酒造』で誕生したブランドです。その名には、酒仙(お酒の仙人)境地でお酒を楽しんでもらいたいという蔵の思いが込められています。 後味がスッキリとしたタイプが多く、八戸の海産物と好相性。果実のように華やかな香りの「赤ラベル」、「ピンクラベル」は口当たりまろやかで日本酒ビギナーにもおすすめです。 (出典元:八戸酒造株式会社) 20位.飛露喜(ひろき) 喜びの露がほとばしることを意味する「飛露喜(ひろき)」は、『廣木酒造』復活のきっかけとなった日本酒です。製造数は限られており、販売と同時に完売してしまうことも珍しくありません。 香りはおだやかでまろやかな口当たり。ジュワッと広がる甘みと旨味は、心地よい余韻とともにスルリと喉を通りすぎていきます。飲食店などで見かけたときは「ぜひ」とおすすめしたい銘柄です。 (出典元:松仙) 21位.加茂錦(かもにしき) 加茂錦の「荷札酒」は、若き蔵人田中悠一氏が造り上げた日本酒です。田中氏が酒造りに携わったのは大学在学中のこと。当時は決して酒好きなほうではなかったというものの、天性のきき酒能力と酒造りへの想いが、各方面で支持される「荷札酒」を生み出しました。 現代の食卓に合う酒をテーマとした日本酒は、香り華やかでコクがあり、すーっとキレる綺麗な後口が印象的。荷札には酒米の種類や精米歩合、タンクNo.などが記されています。 (出典元:大和屋酒舗) 22位.信州亀齢(しんしゅうきれい) 原料には、長野県産の美山錦や蔵自らが栽培したひとごこちを使用。蔵に古くから住み着く酵母、伝統的な手法によって「信州亀齢」は生まれます。 フルーツや花を思わせる上品な香り、繊細かつエレガントな味わいは多くの人々を惹きつけてやみません。生産数は決して多くはないものの、全国に多くのファンを持つ日本酒です。 (出典元:岡崎酒造) 23位.栄光冨士(えいこうふじ) 山形県鶴岡市で古くから愛される地酒「栄光富士」。日本酒造りは冬場におこなうのが一般的ななか、酒蔵では年間通して美味しいお酒が造られています。 平均年齢が若く、多くの蔵人が働く蔵で生まれるのは、斬新なラベルやネーミングの「栄光富士」です。昔なじみの大吟醸をはじめ、「ハイパーノヴァ」や「森のくまさん」などバリエーションは実に豊富。日本酒の楽しみ方とともに、新たなファン層を広げています。 (出典元:はせがわ酒店) 24位.くどき上手 ネーミングはもちろん、浮世絵ラベルも印象的な日本酒「くどき上手」。その名前は、人の心を説き伏せ戦国時代を生き抜いた、武将の姿に由来するといいます。 手間暇かけて造り上げ品質管理を徹底した「くどき上手」は、まさに人の心を魅了する味わい。個性的なラインナップのなかには「超辛口」と銘打った日本酒度+20のお酒もありますよ。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 25位.光栄菊(こうえいぎく) 佐賀県の地酒「光栄菊(こうえいぎく)」は、2006年に販売休止となったものの、2019年に復活を遂げた銘柄です。生産量の少なさと人気の高さから、入手の難しいお酒のひとつでもあります。 香りはライチや青りんごのようにフルーティー。アルコール度数低めの銘柄が多く、日本酒を飲み慣れない方にもおすすめです。 (出典元:さいとう酒店 |...

クラフトサケとは?お米を原料に造られる新しいジャンルのお酒の魅力を解説!

「クラフトサケ」は、日本酒の製造法をベースにした個性豊かなお酒です。白くクリーミーなどぶろくや、ハーブが香るお酒などさまざまな味わいを楽しめます。 今回は、クラフトサケが注目される背景やおすすめ醸造所をご紹介します。固定概念に縛られないクラフトサケの世界、たっぷりとお楽しみください。 1.クラフトサケとは? 「クラフトサケ」とは、日本酒の製造方法をベースに、さまざまな要素を取り入れたお酒のことです。2022年6月に設立されたクラフトサケブリュワリー協会では、クラフトサケを以下のように定義しています。 日本酒(清酒)の製造技術をベースとして、お米を原料としながら従来の「日本酒」では法的に採用できないプロセスを取り入れた、新しいジャンルのお酒。 (引用元:クラフトサケブリュワリー協会)   そもそも「日本酒」としてお酒を販売するためには、酒税法で定められたルールをクリアする必要があります。代表的なルールとして挙げられるのが、米と米麹のみを原料とすることや、もろみを濾すことなどです。 クラフトサケのひとつである「どぶろく」は、もろみを濾さずに仕上げます。また、フルーツやハーブで香りづけをするなど、日本酒には当てはまらない製法がクラフトサケの特徴であり魅力です。 日本古来の製造方法をベースにニュータイプの味わいを生み出すクラフトサケは、古くて新しいお酒として多方面から注目を集めています。 2.クラフトサケが注目される背景 各地でクラフトサケが注目される背景には、日本酒の製造免許取得の難しさがあげられます。 日本酒に限らず、アルコール1%以上のお酒を造るためには、製造免許が必要です。しかし、長年にわたり日本酒の新規の製造免許は原則として発行されていません。国内では日本酒需要が減少しており、蔵が増えると需要と供給のバランスが崩れてしまうからです。 「日本酒を製造したい!」と思った場合、免許を持つ酒蔵に製造を依頼したり、酒蔵そのものを買収し自身がオーナーになる必要があります。 一方で、クラフトサケは、日本酒製造をベースとした「その他の醸造酒」や「雑酒」、「リキュール」にあたるお酒です。つまり、日本酒の製造免許がなくても、それらに該当する免許を取得すれば造ることができます。 また、2021年には規制が一部緩和され、海外輸出用の日本酒製造にかぎり新規免許が取得できるようになりました。規制緩和を受け、海外用に日本酒を、国内用にクラフトサケを展開しようという醸造所も登場しています。 独立を目指す若者にとっては醸造所が製造技術を磨く場となるなど、クラフトサケは日本酒業界の未来を担う新たな存在といえるでしょう。 3.クラフトサケを造る注目の醸造所8選 「クラフトサケ、どんなお酒か飲んでみたい!」そんな方に向け、早速おすすめ醸造所8選をご紹介します。クリーミーなどぶろくやハーブが香るお酒など、クラフトサケは豊かなバリエーションが魅力です。驚きと喜びを運んでくれるニュージャンルのお酒、ぜひチェックしてみてくださいね。 3-1.WAKAZE (出典元:WAKAZE公式) 「WAKAZE(わかぜ)」は日本とフランスに拠点を持つ醸造所です。各地でレストランも運営し、日本酒の魅力を世界へと発信しています。 「ELDERFLOWER サケ(エルダーフラワーサケ)」は、原料にフランスカマルグ産の米と米麹を使用。さらに、同じくフランス産のエルダーフワラーという花で爽やかな香りを引き出しています。 甘酸っぱくクセのない味わいはワイングラスで楽しむのがおすすめです。キリッと冷やし、フランス生まれのクラフトサケの魅力をお楽しみください。 3-2.haccoba -Craft サケ Brewery- 「haccoba(はっこうば)」は、2021年2月に福島県南相馬市に誕生した醸造所です。ジャンルを越えた自由な酒造りを目指し、食事とお酒を一緒に楽しむパブも併設しています。 「はなうたドロップス」は、東北に伝わるどぶろく製法とビールの製法をかけ合わせたお酒です。白麹が生み出す爽やかな酸味とホップ由来の苦味を楽しめます。 その他、米や米麹と一緒にベリー類を発酵させた「べりーべりー」や、稲わらの燻製香をまとわせた「わらわらしやがれ」など心躍る銘柄が勢揃い。どのクラフトサケにも、日々の幸せに寄り添うお酒を、という醸造所の思いがあふれています。 (出典元:haccoba -Craft サケ Brewery-) 3-3.木花之醸造所 浅草初のどぶろく醸造所として誕生した「木花之(このはなの)醸造所」。木花之という名前は、酒造りの神様でもある木花之開耶姫(コノハナノサクヤビメ)に由来しています。 醸造所の大きな特徴は、都内のどぶろく醸造所として初となる麹室(こうじむろ)を併設していることです。自ら酒造りに欠かせない米麹を造り、濾さないお酒「どぶろく」を醸造しています。 定番「ハナグモリ」は、舌触りなめらかで優しい甘さのお酒です。クセも少なく、さらりとした飲み心地を楽しめます。 酒造りを目指す若者のステップアップの場になれば、という思いから誕生した醸造所では、酒造りの未来を担う若者たちが活躍中。併設店舗ではどぶろくと共に料理を楽しめます。 (出典元:木花之醸造所 ONLINE STORE) 3-4.ハッピー太郎醸造所 「ハッピー太郎醸造所」店主の池島幸太郎氏は、発酵アドバイザーとして麹造りも手がける人物です。蒸した米に麹菌を繁殖させた麹は、日本の発酵食品に欠かせない存在。醸造所では、滋賀県の郷土食、鮒ずしも製造販売しています。 どぶろく製造が始まったのは2021年。自然循環農法を30年以上続ける農家「シバタグラウンドミュージック」の米を主原料に、土壌の恵みを感じる深い味わいを生み出しています。 ピンク色が鮮やかな「苺屋はな」には、無農薬栽培のいちごを使用。滋賀県の豊かで美しい自然を体感できるクラフトサケです。 (出典元:GOOD EAT CLUB) (出典元:ハッピー太郎醸造所) 3-5.LAGOON BREWERY 「LAGOON BREWERY(ラグーンブリュワリー)」は、新潟県の福島潟のほとりに建つ蔵です。日本酒の製造免許の規制緩和を機に、2021年に誕生しました。 オレンジ色の「翔空 サケマルゲリータ」は、地元の名産トマトとバジルを使ったクラフトサケ。日本酒の香りとトマト、バジルが魅惑的なハーモニーを織り成します。 自然栽培の米を原料にするなど、持続可能な酒造りにも注目です。「ほぼ麹ドブロク」はシュワッとした発泡感とジューシーな旨味を堪能できます。 (出典元:LAGOON BREWERY 公式オンラインショップ) 3-6.稲とアガベ醸造所 秋田県の「稲とアガベ」は、免許取得の規制緩和を活かし、輸出用の日本酒製造を目指す醸造所です。 さらに、男鹿を清酒製造免許の新規申請を可能にする「日本酒特区」にと、男鹿酒シティ構想を推進。地域創生も視野に入れながら、日本酒業界と男鹿の活性化に取り組んでいます。 「稲とアガベ」は、テキーラの原料アガベから精製されるアガベシロップを用いたお酒です。代表である岡住氏は日本酒好き、妻はテキーラ・マエストロの資格を持つほどのテキーラ好きだったことから誕生しました。 実は、岡住氏は「木花之醸造所」の初代醸造長。「DOBUROKU ホップ」はビール造りに使用されるポップを副原料にどぶろくの新たな世界観を生み出しています。 (出典元:稲とアガベ) 3-7.LIBROM Craft サケ Brewery コンセプトは「日本酒文化をもっと身近に」。「LIBROM(リブロム)」は醸造所とバーを併設したクラフトサケバーです。醸造所は福岡県の街中に位置し、バーでは酒造りの様子を間近に感じながらお酒と料理を楽しめます。 丸いフォルムのボトルに詰められたクラフトサケは、いちごにみかん、レモングラスなど実に個性豊か。「GINGER」は福岡県糸島市産の生姜を使用した爽やかな香りと甘味、酸味が特徴的なお酒です。 「APPLE」は福岡県産のりんごを米や米麹とともに発酵させ、甘酸っぱく心地よい香りを引き出しています。見た目もカラフルでお酒好きな方へのプレゼントにもおすすめしたいクラフトサケです。   (出典元:LIBROM Craft サケ Brewery) 3-8.ぷくぷく醸造 「ぷくぷく醸造」は、2022年7月に創業のファントムブルワリーです。ファントムブルワリーとは、実体のない醸造所のこと。ぷくぷく醸造のお酒は県内外の酒蔵を間借りして造られています。 コンセプトは、クラフトビールの技術を掛け合わせた日本酒の追求。クラフトサケには、ホップの爽やかな香りと苦みが溶け込んでいます。醸造家の立川氏は、木花之醸造所で醸造監修も務める人物です。お酒を通して福島の沿岸に田畑が増えたらと、原料は福島県産に限定し個性豊かな商品を生み出しています。 まとめ クラフトサケは、豊かな個性が魅力的なニュータイプのお酒です。味や香りは醸造家の手で幾重にも表情を変えます。ハーブやホップが香るなど、クラフトサケはまさに新感覚の味わい。ぜひ手に取ってクラフトサケの自由な世界を楽しんでみてくださいね。

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