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【唎酒師が解説】日本酒の水割りはまずい?おいしい日本酒の水割りの作り方を解説

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【唎酒師が解説】日本酒の水割りはまずい?おいしい日本酒の水割りの作り方を解説

執筆者情報

shiho
お酒とねこでできているライター。日本酒、ウイスキー、ワイン…すべてのお酒をこよなく愛す。酒好きが高じて利酒師免許を取得。 blog「わたしの酒棚」 https://sakadana.net/

監修者

日本酒ラボ編集部
日本酒ラボに携わってから日本酒のおいしさ・奥深さを知り、唎酒師の資格を取得。日本酒ラボを通して、日本酒のおいしさ・楽しさを日本酒にもあまり馴染みがない方にもお伝えしていきます。

日本酒の水割りは、日本酒を飲み慣れない方におすすめの飲み方です。水を足すことで全体のアルコール度数が下がり、飲みやすい味わいに変化します。

今回は、おいしい日本酒の水割りの作り方をご紹介します。日本酒と水の比率や、水割りに適した日本酒の種類など、ぜひ参考にしてください。

1.おいしい日本酒の水割りを作るためのポイント

おいしい日本酒の水割りを作るポイントは、全部で4つ。日本酒や水の種類、温度、割る度合いなどに気を付けてみましょう。

  1. しっかりとした味わいの日本酒を選ぶ
  2. 水は軟水がおすすめ
  3. 日本酒と水を冷やしておく
  4. アルコール度数12度を目安に割る

もちろん、ポイントを参考にアレンジするのもおすすめです。まずは基本をおさえ、自分好みの割合を見つけてみてくださいね。

1-1.しっかりとした味わいの日本酒を選ぶ

水割りを作るときは、しっかりした味わいの日本酒を選ぶのがおすすめです。具体的には、ラベルに「原酒」や「純米酒」と書かれた日本酒がよく合います。

原酒とは、製造工程で加水がされていないお酒のこと。一般的な工程では、搾ったお酒に水を加えてアルコール度数や香味の調整がおこなわれます。

加水されていない原酒は、高いアルコール度数としっかりとした味わいが特徴です。水を加えても味の輪郭がぼやけず、水割りならではの個性が楽しめます。

また、米と米こうじのみを原料とする純米酒は、ふくよかな味わいが特徴です。

「日本酒の水割りを試してみたけど、なんだか味がぼんやりしてしまう」と感じるときは、ぜひ日本酒の種類に目を向けてみてください。

1-2.水は軟水がおすすめ

水割りに使う水は、軟水がおすすめです。口当たりがやさしく、水割りがより飲みやすくなります。

水道水をはじめ、市販されているミネラルウォーターの多くは軟水です。とはいえ「水割りに硬水がNG」というわけではありません。

硬水を使った水割りは、キリッとした味わいに仕上がります。まずは飲みやすい軟水の水割りから試し、飲み比べてみるなど違いを楽しんでみてください。

1-3.日本酒と水は冷やしておく

日本酒は、温度により味が変化しやすいお酒です。冷やすと香りが抑えられ、シャープな味わいが引き立ちます。反対に、温めると香りがふくらみ、味わいに深みが生まれるのが特徴です。

日本酒を飲み慣れない方にとっては、温めたときの香りやアルコール感がきつく感じられるかもしれません。

飲みやすい水割りを作るのであれば、日本酒と水はあらかじめ冷やしておきましょう。

目安はそれぞれ5℃~8℃程度と、冷蔵庫で保管したときの温度です。事前に2つを冷やしておくことで、よりスッキリとした飲み口を楽しめます。

1-4.アルコール度数12度を目安に割る

日本酒のアルコール度数は15度~16度が一般的です。対して、ビールのアルコール度数は5度前後。ワインのアルコール度数は12度前後と、日本酒は比較的度数の高いお酒であることがわかります。

「日本酒が飲みづらい」と感じる理由には、アルコール度数の高さもあげられるのではないでしょうか。

水割りにするときは、まずはアルコール度数12度を目安に割ってみましょう。そこから好みにあわせ、水の量を調整してみてください。12度を目安とする日本酒と水の割合は、以下のとおりとなります。

日本酒のアルコール度数 15度 18度 20度
日本酒の量 80ml 約70ml 60ml
水の量 20ml 30ml 40ml
水割りのアルコール度数 12度 12度 12度

2.おいしい日本酒の水割りの作り方

ポイントをおさえたら、水割り作りにチャレンジ!材料は日本酒と水だけと、いたってシンプルです。

アルコール度数が下がり、よりやさしい口当たりが楽しめる水割りは、日本酒ビギナーにもおすすめ。「今日はほんのり酔いたい」というときにも、ぜひ試してみてください。

1.グラス・日本酒・水を冷やしておく

「よりキリッとした味わいを楽しみたい」、「暑い日にスッキリとした水割りを楽しみたい」というときは、グラスも冷やしておくのがおすすめです。

日本酒と水の温度が上がることなく、水割りのおいしさをキープできます。

2.グラスに日本酒を注ぐ

白瀧酒造の「上善如水(じょうぜんみずのごとし)」は、雪解け水のようにやさしく軽やかな味わいが魅力的。新米で仕込まれたこちらは、ほどよい甘味としっかりとした旨味が特徴的な商品です。

グラスに注げば、甘く華やかな香りがふわり。アルコール度数は16度~17度と若干高く、日本酒と水の分量は4:1を目安にしています。

3.水を注ぐ

水は鳥取県・奥大山のミネラルウォーター。硬度約20mg/Lの軟水です。そのまま飲んでもおいしい水を静かに日本酒とあわせていきます。

4.軽く混ぜて完成

マドラーなどで軽く混ぜたら、日本酒の水割りのできあがり!好みに合わせ、水やお酒を足しつつ仕上げてください。

まとめ

日本酒の水割りは、アルコール感を抑えつつ日本酒の香りや味わいを楽しめる飲み方です。日本酒ビギナーはもちろん、普段お酒を飲み慣れている方も飲み疲れすることなく日本酒を味わえます。

おいしく作るポイントをおさえれば、日本酒の世界がさらに広がります。自分好みの味わいを見つけながら、ぜひ自由に日本酒を楽しんでみてください。