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日本酒が好きで台湾から日本へ。未来日本酒店/KUBOTA SAKE BARの店長 翠さんにインタビュー!

未来日本酒店/KUBOTA SAKE BARは渋谷パルコ地下1階にあるお店です。未来日本酒店のテーマは「知名度やスペックだけじゃない。コンセプトやストーリーで選んだ新しい”SAKEセレクトショップ”」。 セレクトショップなので日本酒を買うことができるのはもちろんのこと、1杯500円から日本酒を楽しめたり、テイスティングとAI味覚判定で、自分好みの日本酒を提案してくれる「YUMMY SAKE」という味覚判定サービスもあるなど様々な日本酒の楽しみ方があるお店です。 「YUMMY SAKE」は実際に体験してみましたので、こちらの記事で紹介しております。 https://sake-5.jp/yummy-sake/ 今回は未来日本酒店/KUBOTA SAKE BARの店長である翠(すい)さんにインタビューをさせていただきました! 翠さんは日本酒にとても詳しく、翠さんと日本酒のお話をすることを目的に訪ねるお客さんもいるほど。 今回は翠さんが日本酒を好きになったきっかけや、初心者の方におすすめの日本酒などを聞いてみました。日本酒に興味はあるけどあと一歩が踏み出せないという方はぜひ参考にしてみてください。 1.初めて日本酒を飲んだときの印象は決していいものではなかった 編集部 翠さん、本日はよろしくお願いいたします! いまでこそ日本酒に詳しい翠さんですが、初めて日本酒を飲んだときの印象ってどうでした? 翠さん よろしくお願いします! 初めて日本酒を飲んだときはもう12年前くらいだと思うのですが、やっぱり一般の人と同じようにアルコール感の強いお酒であまりおいしいとは思えませんでしたね。 お話をしているとわかるのですが、翠さんは本当に日本酒が大好きなのが伝わり、知識も豊富なのでこれは意外でした...! 翠さん 私自身が台湾出身ということもあり、台湾はお茶も甘いものが多くて、私も甘いものが大好きなんですね笑。 なので、初めて日本酒を飲んだときはアルコール感の強いお酒だなあというのが最初の印象でした。 2.日本酒を好きになった理由:日本酒はおもしろいお酒 編集部 元々日本酒に対してよくない印象から、現在のような日本酒好きになったきっかけはどのようなことがあったのでしょうか?   翠さん 初めはよくない印象だったんですけども、どんどん他の日本酒を飲んでみたら結構甘いお酒もあるし、純米大吟醸のようなフルーティーで華やかなお酒もあって、「日本酒って意外とおもしろいな」と。 ワインとかって目を瞑って飲んでもワインだってわかると思うんですよね。でも、日本酒で目を瞑って甘酸っぱいお酒とか飲むと「これもしかしたらワイン?」って当てられないときもあるので、そういう日本酒の味わいの違いが面白いと思って好きになりました。   編集部 利き酒をするとはっきりとわかるんですけど、日本酒ってほんとにそれぞれに個性が目立つお酒ですよね。 「YUMMY SAKE」で10種類飲み比べをさせていただいたのですが、どれも味わいや香りに個性があって、そこは本当に日本酒のおもしろいところだと思います。     翠さん あとは特に私達外国人にとって、日本酒を好きになるきっかけがそれぞれの産地によって使うお米とか、地域の郷土料理に合わせてお酒が造られていたりとか、それって私達外国人にとっても日本の歴史とか地理とかも勉強になるので、日本酒からだけでも日本の様々なことが知れるっていうのが日本酒を好きになった理由でもあります。   編集部 たしかに日本酒のバックには積み重ねてきた歴史がありますし、日本酒から日本の歴史を知ることができるのは面白いですね! 3.久保田ってどんな日本酒? 編集部 未来日本酒店/KUBOTA SAKE BARでは久保田を多く扱っていますが、翠さんにとって久保田はどんなお酒ですか?   翠さん 久保田はすごくスタンダードなお酒で飲みやすい・手に入りやすい・あとはいい意味で味わいにブレがない。 これは日本酒の魅力の1つでもあると思うんですけども、小さい酒蔵さんですと同じ銘柄でも毎年味が違うということが結構多い。 でも、久保田は毎年味わいにブレがなく均一で、日本酒初心者の方からしたら、味わいにブレがないっていうのはすごく安心できる要素ではないかなと思います。   編集部 今年のこのお酒は昨年と変わったな〜というのは割と日本酒ではよくありますけど、日本酒の初心者の方にとっていつでも美味しい安定した味というのは嬉しいポイントですよね。 翠さん あと全部の商品について、ホームページで説明が書いてあるのですごい初心者にも親切ですよね。 お酒を飲むときってやっぱりおつまみとかが欲しくなると思うんですけど、ホームページには合わせる料理やレシピも書いてあって、とても勉強にもなるのでそれが初心者的には親切で久保田というお酒のいいところだと思っています。   (出典元:朝日酒造) 3-1.日本酒初心者におすすめの久保田の銘柄 編集部 初心者におすすめできる久保田ですが、その久保田の中でも特にどのお酒が初心者におすすめですか?   翠さん 久保田の中で初心者の方におすすめは「久保田 純米大吟醸」と「久保田 千寿 純米吟醸」ですね。久保田といえば淡麗辛口なので、その中の定番。千寿は一番飲みやすいと思います。 純米大吟醸は今風のいわゆる華やかな香りのあるお酒なので、それもすごく初心者の方にとっても受け入れやすいんですよ。だからこの2本は初心者の方にとってもおすすめで、うちのお店でもこの2種類はすごく人気。3つ選ぶとしたらスパークリングもおすすめです。     編集部 個人的には「久保田 千寿 純米吟醸」はやわらかな口当たりとスッキリとした飲み口で本当に飲みやすいと思います。何から飲んでいいかわからないと思っている方にはおすすめですね!   4. MIRAI SAKE COMPANYで働き始めてどれくらい? 編集部 翠さんは現在こちらのお店で店長を務めていますが、 MIRAI SAKE COMPANYに正社員として入ったのはいつ頃からですか? 翠さん MIRAI SAKE COMPANY自体はもう4年ほどで、渋谷PARCO店ではオープンのときからずっといますので、二年半になると思います。 MIRAI SAKE...

【唎酒師が解説】日本酒のアルコール度数は15度前後。日本酒のアルコール度数が高い理由とは?

日本酒は、アルコール度数の平均が15度前後のお酒です。ウイスキーや焼酎より低いものの、ビールやワインに比べ度数は高くなります。 今回は、日本酒のアルコール度数が高い理由について紹介します。度数が高い日本酒をおいしく楽しむポイントや、低アルコール日本酒の情報もぜひチェックしてみてくださいね。 1.日本酒のアルコール度数の平均は15度前後 日本酒のアルコール度数は、15度前後が一般的です。実際の度数は、ラベルで確認できます。 ただし、なかにはアルコール度数20度の日本酒や、10度に満たない日本酒もあります。一方で、アルコール度数40度といった日本酒は見かけません。これは、酒税法で日本酒のアルコール度数が決められているためです。 まずは、日本酒の定義を確認しつつ、日本酒とほかのお酒のアルコール度数を比較してみましょう。 1-1.酒税法の規定は22度未満 酒税法では、日本酒のアルコール度数は22度未満に定められています。原料の主な定義は、米と米麹、水などです。つまり、原料の条件をクリアしても、アルコール度数22度を超えるお酒は日本酒として販売できないことになります。 一般的に、市場に出回る日本酒のアルコール度数は15~16度です。原酒と呼ばれる加水調整をしていない日本酒の場合は、19度近くになることもあります。 また、近年は低アルコール日本酒も登場するなど、日本酒のアルコール度数は銘柄によって幅広いのが特徴です。 1-2.高い?低い?ほかのお酒とアルコール度数を比べてみよう 平均度数15~16度の日本酒は、ほかのお酒と比べて度数は高いのでしょうか?ビールやワインなどと平均的な度数を比較してみましょう。 ビール 5~7度 ワイン 12度 日本酒 15~16度 焼酎 20~25度 ウイスキー 40度   グイッと飲むようなビールと比較すると、日本酒のアルコール度数はずいぶん高いことがわかります。焼酎、ウイスキーなどは日本酒より度数が高いですが、ロックにしたりソーダ割りにしたりして飲むことが多いお酒です。 ちなみに、ビール・ワイン・日本酒は原料を酵母で発酵させる「醸造酒」、焼酎・ウイスキーは醸造酒を蒸溜する「蒸留酒」にあたります。 醸造酒のなかでも、日本酒のアルコールが特に高いのはなぜなのでしょうか?次の章で詳しく掘り下げていきますね。 2.日本酒のアルコール度数が高い理由「並行複発酵」 日本酒は「並行複発酵(へいこうふくはっこう)」と呼ばれる方法で造られます。並行複発酵とは、醸造酒造りに欠かせない「アルコール発酵」と「糖化」を同時におこなう方法です。 そもそもアルコールは、酵母が糖分を食べるアルコール発酵によって生成されます。ところが、日本酒の主原料である米には、糖分がほとんど含まれていません。糖分を生み出すため、日本酒造りでは麹菌の力で米のデンプン質を糖分へと糖化させます。 このアルコール発酵と糖化をひとつのタンクの中で同時におこなう並行複発酵は、世界でもめずらしい醸造方法です。同時に、高いアルコールを生み出す手法でもあります。使用する酵母にもよるものの、一連のアルコール発酵が完了した時点でのアルコール度数はおよそ20%前後です。 その後、仕込み水を加える「加水」と呼ばれる工程により、日本酒の香りや味わい、アルコール度数は調整されます。なかには加水をすることなく、発酵の具合を調整しながら低アルコールに仕上げる日本酒もあります。 https://sake-5.jp/sake-production-process/ 3.度数の高い日本酒には「和らぎ水」も一緒に 「日本酒を飲むといつも悪酔いしてしまう」そんなふうに感じたことはありませんか? 前述したように、日本酒はビールやワインと比べアルコール度数が高いお酒です。焼酎やウイスキーのように、何かで割って飲むことも少ないですよね。 アルコール度数の高い日本酒を飲むときは「和らぎ水(やわらぎみず)」を添えるのがおすすめです。度数の高いお酒は酔いやすいことをふまえたうえで、ぜひ日本酒をおいしく楽しんでください。 3-1.アルコール度数の高いお酒で悪酔いする理由 そもそも、お酒を飲むと「酔っぱらった」と感じるのは、血液に入ったアルコールが脳に到達し神経細胞に作用するためです。 胃や小腸から吸収されるアルコール量は、度数が高いお酒ほど多くなります。純アルコール20gをお酒の容量に換算すると、ビールは500mlであるのにに対し、日本酒は180mlです。つまり、ビールと同じようにグイグイと日本酒を飲むと、そのぶん多くアルコールを摂取してしまうということですね。 また、アルコールは通常であれば、肝臓で無害な酢酸へと分解されます。ただし、一度に多くのアルコールを摂取すると分解が追い付かず、体に有害な「アセトアルデヒド」として残ってしまうのです。体内に残ったアセトアルデヒドは、悪酔いや二日酔いといった症状を引き起こしてしまいます。 https://sake-5.jp/sake-is-not-prone-to-intoxication/ 3-2.「和らぎ水」で悪酔いや脱水症状を防ごう 「和らぎ水」とは、日本酒を飲む合間に口にする水のことです。洋酒にあわせるときは「チェイサー」とも呼ばれます。 和らぎ水には「悪酔いや二日酔い予防」、「脱水予防」といった2つの効果が期待できます。日本酒はアルコール度数が高めなお酒ですが、割って飲むよりもストレートな飲み方が一般的です。日本酒を飲むときは、ぜひ和らぎ水を添えるように意識してみてください。 二日酔いや深酔いを予防する アルコール度数の高いお酒を大量に飲むと、悪酔いしてしまいがちです。日本酒の合間に和らぎ水をはさむめば、体内のアルコール濃度を下げる効果が期待できます。 和らぎ水の効果は、日本酒と同じ分量を飲むことで得られるといわれています。飲食店などで日本酒を楽しむときは、和らぎ水もあわせてオーダーしてみてください。 飲酒による脱水症状を防ぐ アルコールには利尿作用があるため、お酒を飲むとトイレに行く回数が増えやすくなります。そのため、たくさん飲むほど脱水症状を招きやすくなってしまうのです。 日本酒を飲む合間に和らぎ水を飲めば、アルコールによる脱水症状を防ぐことができます。特に、汗をかきやすい夏場はお酒と水をセットで楽しむのがおすすめです。 4.低アルコールの日本酒も登場 近年は、アルコール度数の低い日本酒も続々と登場しています。「アルコール度数の高いお酒は苦手」「もっと気軽に日本酒を楽しみたい」という方におすすめです。なかには、白ワインのように楽しめるライトな味わいの銘柄もあります。 シュワシュワッとしたスパークリング日本酒も、低アルコール酒が多いのが特徴です。また、とろりと白く濁る「にごり酒」は、ヨーグルト酒のような感覚で楽しめます。 低アルコール日本酒は、ロックにしたり、ソーダやビールで割ってもおいしいお酒です。日本酒はむずかしいという枠にとらわれず、ぜひいろいろなバリエーションを楽しんでみてくださいね。 https://sake-5.jp/abyss-drinking-comparison/ 5.まとめ 日本酒の高いアルコール度数は、世界でもめずらしい並行複発酵によって生まれるものです。酒蔵では、生き物である酵母の働きを管理しながらお酒の発酵度合いを見極めていきます。 日本酒のアルコール度数が気になるときは、低アルコール酒からチャレンジしてみるのもおすすめです。日本酒選びに迷ったら、ぜひラベルのアルコール度数も参考にしてみてください。「こんな日本酒があったんだ!」とうれしい驚きに出会えるかもしれませんよ。

日本酒と梅干しは実は相性が抜群!梅干しを使ったオススメのおつまみも紹介

日本酒に合わせるおつまみの中でも、日本酒と梅干しは、とても相性の良い組み合わせ。日本酒に梅干しを入れる飲み方は、二日酔い予防効果も期待できます。近年は日本酒と梅干しで作る調味料「煎り酒」も人気です。 今回は「日本酒×梅干し」の楽しみ方や梅干しを使ったおつまみについて紹介します。 1.日本酒と梅干しは相性が抜群! 日本酒の味わいと梅干しの酸味、塩味は相性抜群。ほかのお酒にはない、味の相乗効果が生まれます。 ひとくちに「梅干し」といっても、味の個性はさまざま。「梅干しはすっぱくないと」「甘酸っぱい梅干しが好き」など、好みも人それぞれですよね。 個々の好みに寄り添う梅干しのように、種類が豊富なことが日本酒の良いところです。梅干しと相性の良い日本酒を選べば、「日本酒×梅干し」の組み合わせがさらに楽しくなりますよ。 1-1.梅干しの酸味と塩分が日本酒をより引き立てる 塩辛や漬物のようなしょっぱいおつまみは日本酒と好相性。ついついお酒がすすみますよね。梅干しの塩分も同様に、日本酒の味わいを引き立ててくれます。 梅干し最大の特徴といえば「酸味」ですが、本来、強い酸味のある食材はお酒の個性を消してしまうといわれています。酸味が特徴的なお酒と合わせると、個性がぶつかってしまうことも少なくありません。 しかし、日本酒は比較的酸味や苦みが少なく、梅干しのすっぱさと上手に調和してくれます。酢の物や、酢でしめた魚とも相性の良いお酒です。 1-2.「日本酒×梅干し」は二日酔い予防に効果的 梅干しには、健康効果のある成分がたくさん含まれています。「ピクリン酸」や「ピルビン酸」は、二日酔い予防に効果的です。肝機能を向上させ、体内のアルコールの排出を促してくれます。 酸味のもとである「クエン酸」も、胃腸や肝臓の細胞を修復し、二日酔いを防いでくれる成分です。さらには疲労回復効果も期待できます。 また、日本酒に豊富に含まれる「アミノ酸」にも肝臓を修復する働きがあります。日本酒のアルコールに含まれる「アデノシン」は血行を促進させるため、疲労回復に効果的です。 つまり、日本酒と梅干しはとても体にやさしい組み合わせ。お酒に弱く二日酔いが心配なときは、日本酒に梅干しを合わせてみるのもおすすめですよ。 1-3.どういう梅干しがよりおすすめ? 日本酒に辛口や甘口があるように、梅干しもさまざまな種類があります。白干し梅、赤じそ梅、ハチミツ梅など、それぞれと相性の良い日本酒を選んで楽しむのもおすすめです。 白干梅 塩だけで漬け込んだ梅干しの王道「白干梅」はどんな日本酒とも相性抜群!ちびりちびりと梅干しをつまみながら日本酒を飲みたいときにぴったりです。「これぞ梅干し」という塩辛さと酸っぱさに、一杯また一杯とお酒がすすみますよ。 赤じそ梅 塩と赤じそで漬けた梅干しは、キレ味のある辛口日本酒と好相性。さわやかなしその香りがより一層引き立ちます。キリッと冷やした夏酒と合わせるのもおすすめです。 ハチミツ梅 甘酸っぱいハチミツ梅は、ふくよかな味わいの日本酒と良く合います。米と米麹だけでできた純米酒と合わせるのもおすすめです。生酛(きもと)、山廃酛(やまはいもと)などと書かれた、しっかりした味わいの日本酒と合わせても美味しいですよ。 2.梅干しと日本酒の楽しみ方 梅干しはおつまみとしてだけでなく、日本酒の中に入れて楽しむのもおすすめです。また、最近注目されているのが万能調味料「煎り酒」。ここからは、煎り酒の特徴やレシピもあわせて紹介します。 2-1.熱燗に梅干しを入れる おちょこの中に梅干しをぽとん。その上から温めた日本酒をとっとっと…と注げば、寒い冬にぴったりの「梅干し燗」のできあがりです。温かい日本酒に、梅干しの酸味と塩味がじんわりと溶け出します。 湯気からもふんわりと梅の香りがただよい、味わいはまるで梅風味の出汁のよう。お酒は体を冷やしやすい飲み物ですが、米と米麹だけで造られる日本酒は体を冷やしにくいといわれています。 特に、米と米麹のみを原料とする純米酒を梅干し燗にすれば、体の芯から温まる一杯に。前述したような二日酔い予防効果も期待できる楽しみ方です。 2-2.江戸時代の調味料「煎り酒」にする 「煎り酒(いりざけ)」は、醤油よりも古い歴史を持つ調味料です。考案されたのは室町時代のこと。日本酒、梅干し、かつお節のシンプルな材料で作れる手軽さから、江戸中期まで長く親しまれてきました。 長期保存できる醤油の誕生とともに姿を消した煎り酒は、近年また人気が広まっています。 その理由は、醤油と同じように使える万能調味料でありながら、塩分が少ないこと。かつお節の風味が効いた煎り酒は、梅干しとわずかな塩分でしっかりとした旨味が感じられます。 お刺身、おひたし、お豆腐と使い方は実にさまざま。オリーブオイルと混ぜればドレッシング代わりにもなります。自宅で手軽に作れるため、食事の塩分が気になる方にもおすすめです。 煎り酒の作り方 【材料】 日本酒 200ml 梅干し 大さじ1(塩味の強いもの) かつお節 5g 塩 少々 【作り方】 材料をすべて鍋に入れ、中火にかけます。 沸騰したら弱火にし、半分になるまで煮詰めます。 冷めてからキッチンペーパーでこして、完成!お好みで昆布を入れても美味しく仕上がります。 3.日本酒にぴったり!梅干しをつかったおつまみ5選 ここからは、梅干しを使ったおつまみ5選を紹介します。かんたんできちんと味が決まるのが、梅干しおつまみのうれしいポイント。お家で手軽に「日本酒×梅干し」のペアリングを楽しみましょう! 3-1.梅キュウ 梅干しの種をとり軽くたたいたら、かつお節となじませます。スティック状に切ったキュウリに梅干しを付けながら、ポリポリといただきましょう。 夏にぴったりのおつまみ梅キュウは、ぜひ夏酒と一緒に。キリッと冷やした辛口日本酒とも相性抜群です。 3-2.ささみと梅肉の和え物 高タンパクで低カロリー。ささみと梅肉の和え物は、ダイエット中にもぴったりのおつまみです。 ささみはラップに包んで電子レンジで火を通します。器の中でほぐしながら梅肉と和えれば、まな板いらず。日本酒を飲みながら「もう一品ほしい」というときにもおすすめです。好みに合わせてゴマやしそを入れても美味しいですよ。 3-3.梅水晶 梅水晶は、居酒屋でよく見かけるメニュー。サメの軟骨を千切りにし、たたいた梅干しや調味料で和えたものです。 自宅で作るときは、ゆでたヤゲン軟骨で代用できます。千切りキュウリ、梅肉と合わせ、顆粒だしと砂糖、塩を各少量入れて混ぜればできあがり。コリコリとした食感と酸味に、ついついお酒がすすみます。 3-4.大根の梅じそサンド まずは大根を厚さ1cmの半月状にカット。カーブしているほうから、厚さ半分になるように切込みを入れます。 切込みに、しその葉と梅肉を挟めば大根の梅じそサンドのできあがり。パリパリッとした大根の食感と梅の酸味、しそのさわやかな香りがたまりません。フルーティーな香りの日本酒とも相性の良いおつまみです。 3-5.クリームチーズの梅肉和え カットしたクリームチーズに梅肉を和えるだけ。かつお節をはらりとかければ、ふくよかな味わいの日本酒と相性抜群のおつまみのできあがりです。コクのある純米酒や、秋のひやおろしにも良く合います。 甘酸っぱいハチミツ梅干しで作れば、また違った味わいに。スパークリング日本酒にもぴったりの洋風おつまみに仕上がりますよ。 まとめ 梅干しと日本酒は、日本で古くから親しまれてきた組み合わせ。美味しいだけでなく、二日酔い予防効果も期待できます。お酒に直接入れたり、調味料にしたりと楽しみ方はさまざま。今夜は梅干しをおつまみに、日本酒を楽しんでみませんか?

入手困難な日本酒が生まれる理由とは?レアな日本酒10選を紹介!

種類豊富な日本酒のなかには「入手困難」「レア」「幻」などと呼ばれる銘柄が存在します。「美味しいけどなかなか手に入らない」といわれると、ますますその存在が気になるものですよね。 そこで今回は、入手の難しいレアな日本酒10選をご紹介します!レアなお酒との出会いを逃さないためにも、ぜひチェックしてみてくださいね。 レアな日本酒の中には人気な日本酒も多いです。日本酒のおすすめ人気ランキングはこちらで紹介しているので、ぜひ見てみてください。 1.入手困難な日本酒が生まれる3つの理由 入手困難な日本酒が生まれる背景には、以下のような3つの理由があると考えられます。 製造数、販売数が限られている 販売先は特約店のみ 地元だけで流通している 「美味しい」と人気の日本酒にこれらの理由が当てはまると、さらに入手は難しくなります。まずは、それぞれの理由について詳しく解説していきますね。 1-1.製造数、販売数が限られている 製造元が小さな蔵だったり、工程をすべてを手仕事でおこなったりしている場合は、製造数や販売数が限られます。そのため、人気が高いお酒ほど必然的に入手困難になってしまうのです。なかには、メディアに取り上げられたことをきっかけに注文が殺到し、入手が難しくなるケースもあります。 1-2.販売先は特約店のみ 日本酒は、温度や光の影響で品質が変化しやすいお酒です。そのため、蔵によっては信頼できる特約店にのみ販売先を限定しています。この場合、街中の酒販店やネットショップなどで手軽に入手することは難しくなります。特約店であっても「販売は抽選のみ!」という入手のハードルが高い銘柄もあるほどです。 1-3.地元だけで流通している 入手困難な日本酒のなかには、地元でのみ流通している銘柄があります。この場合、首都圏などでは簡単に入手することはできません。販売数も少なく、地元以外ではプレミア価格で取引されることがあります。 2.入手困難!レアな日本酒10選 ここからは「入手困難」、「レア」といわれる日本酒10選をご紹介します。飲食店などでこれらを見つけたときは、味を試してみるチャンス!ぜひ、名前を覚えて日本酒の楽しみ方を広げてみてくださいね。 2-1.而今 「而今(じこん)」は、三重県の『木屋正(きやしょう)酒造』が造る日本酒です。江戸後期創業の小さな蔵では、昔ながらの製法で日本酒が造られています。 6代目が生み出したブランド「而今」は、香り華やかで旨口、それでいて後口はスッキリとした清らかな味わい人気の高さに対し製造数、販売先は限られ入手の難しいお酒のひとつです。 (出典元:木屋正酒造) 2-2.十四代 プレミア日本酒、幻のお酒といえば名前があがるのがこちら。『高木酒造』の「十四代(じゅうよんだい)」です。飲食店ではグラスが数千円で提供されることもあるほど。日本酒ファンなら一度は口にしてみたいお酒といえるかもしれません。 「十四代」の魅力は、フルーティーな香りとやさしい甘味、スルリと舌の上を通り過ぎるなめらかな酒質。なかでも「本丸 秘伝玉返し 特別本醸造」は、本来リーズルナブルな本醸造の造りでありながら、ハイクラスな香りと味わいを堪能できる逸品です。 (出典元:amazon) 2-3.田酒 「田酒(でんしゅ)」は青森県の『西田酒造店』で生まれるお酒です。田んぼの酒と書く「田酒」は、醸造用アルコールや醸造用糖類は一切使用せず、手作業で造られています。 なかでも「田酒 古城乃錦(こじょうのにしき)」は、青森県産の初代酒米 “古城錦(こじょうにしき)”を使った地元向けの商品。人気銘柄「田酒」のなかでも、生産数が限られたレアな限定酒です。 (出典元:酒の志筑屋) 2-4.花陽浴 「花陽浴(はなあび)」は、埼玉県の小さな蔵『南陽醸造(なんようじょうぞう)』で造られています。正規販売店は地元埼玉を中心に15店舗ほどと、入手先が限られている日本酒です。 キラキラとラベルが輝く「花陽浴」の特徴は、なんといっても華やかな香り。ハチミツのような甘さと適度な酸味、旨味のバランスが心地よく、一度飲めば忘れられない魅力にあふれています。 (出典元:矢島酒店) 2-5.飛露喜 「飛露喜(ひろき)」を造る『廣木酒造』は、一時は存続が危ぶまれていた酒蔵です。その危機を救ったのが、今では入手困難となったお酒「飛露喜」。製造数が限られているため、地元の会津地方でも品切れになることが少なくありません。 クリアな旨味としっかりとした余韻を兼ね備えた「飛露喜」は、食事とあわせて楽しむお酒におすすめ。飲食店などで見かけた際は、ぜひその味わいをお試しください。 (出典元:株式会社マツザキ) 2-6.記念限定酒 射美 「射美(いび)」は、日本一小さな酒蔵『杉原酒造』で造られる日本酒です。自社開発した酒米“揖斐の誉(いびのほまれ)”を原料にしたお酒は、酒質の高さが評価されたちまち人気となりました。製造量は極めて少なく、販売日に完売してしまうことも多いレアなお酒です。 なかでも「記念限定酒 射美」は、製造販売10周年を記念した限定商品。ファンの間では、今後20周年、30周年時の販売も心待ちにされています。 (出典元:杉原酒造株式会社 岐阜 射美) 2-7.黒龍 しずく 「黒龍(こくりゅう)」は、日本酒通からも人気の高い福井県の地酒です。その歴史は古く、香り高い大吟醸酒の先駆けとして知られています。 黒龍はラインナップが幅広く、なかには300mlから購入できる商品もあります。そんななか、人気を集めているのが「黒龍 しずく」です。吊るした酒袋からポタポタとこぼれる雫を集めた「しずく」が販売されるのは、年に数度だけ。生産本数にも限りがありレア度の高いお酒です。 (出典元:黒龍酒造) 2-8.御前酒 特等雄町2.2 生産数は年間わずか500本。岡山県で特別栽培された“雄町(おまち)”を100%使用したレア酒がこちら「御前酒(ごぜんしゅ) 特等雄町2.2」です。 「2.2」とは、米をふるいにかけるときの目の大きさのこと。通常2.1mmのところを2.2mmの目でふるいにかけ、残った大粒の雄町が酒造りに使用されています。外箱には、新国立競技場にも採用された真庭市の木材を使用。もちろん醸造元は岡山の酒蔵と、どこまでもオール岡山産にこだわりぬいた限定酒です。 (出典元:御前酒蔵元 辻本店) 2-9.花邑 純米吟醸 雄町 「花邑(はなむら)」は、「十四代」を造る高木酒造の技術指導のもと誕生したお酒です。その完成度は高く、「十四代」と同様に入手の難しいお酒として知られています。 酒米“雄町”を使った純米吟醸は、もぎたての桃のようにフレッシュでジューシーな香り、甘味が魅力的。特約店での販売時も、1人1本に本数が限られるほど人気の商品です。 (出典元:株式会社マツザキ) 2-10.作 特撰酒 智 人気銘柄「作(ざく)」の特撰酒「智(さとり)」は、G7伊勢志摩サミット2016の乾杯酒に採用されたお酒です。750mlあたり2万円台という価格帯はもちろん、シックな外箱に漆黒のボトル、木製のキャップと最高グレードにふさわしい風格が漂っています。 高級酒米“山田錦”を小さく磨き上げ、醪(もろみ)を吊るした袋からしたたる雫を集めた「智」は、希少なお酒。研ぎ澄まされた香りと味わいを存分に堪能できます。 (出典元:清水清三郎商店) まとめ 多くの人に愛されながら、製造数の少なさなどから「入手困難」「レア」と呼ばれるお酒たち。酒販店や飲食店で見つけたら、ぜひその味わいを確かめてみてください。「今までにない味と香り」「もっといろいろ飲んでみたい!」など、これまで以上に日本酒を飲むのが楽しくなるはずですよ。

山形県のオリジナル酒米「出羽燦々」。出羽燦々で醸されたおすすめの日本酒10選も紹介!

おすすめの日本酒を探す際に、使用されている酒米を参考にするのも日本酒の選び方の一つです。 日本酒のラベルを眺めていると「出羽燦々」「山田錦」「美山錦」といった漢字に出会うことはないでしょうか。これらはすべて、日本酒の原料となる酒米(酒造好適米)のこと。酒米の違いによって、味に個性が生まれるのも日本酒の魅力のひとつです。 数ある酒米のなか、今回は山形県が生んだ「出羽燦々(でわさんさん)」をピックアップ!出羽燦々で造られる日本酒の味わいや、おすすめ銘柄について詳しくご紹介します。酒米の知識を身に付ければ、日本酒がもっとおもしろく味わい深いものになりますよ。 1.山形県で初となるオリジナル酒米「出羽燦々」とは? 「出羽燦々(でわさんさん)」は、山形県がおよそ11年の月日をかけ開発した酒米です。「美山錦(みやまにしき)」と「華吹雪(はなふぶき)」を交配させ、1995年(平成7年)、山形県初のオリジナル酒米として誕生しました。現在は山形県内の多くの蔵が出羽燦々を使用し、個性豊かな日本酒を造り出しています。 1-1.地酒ブランド確立を目指して造られた酒米 豊かな自然に恵まれ、清らかな銘水が流れる山形県は日本酒造りに適した土地として知られています。 全国に先がけて香り高い「吟醸酒(ぎんじょうしゅ)」の開発に取り組み、1985年(昭和59年)には酒米の研究開発を開始。翌年には県内統一ブランドとなる「山形讃香(やまがたさんが)」という名の純米吟醸酒を誕生させました。 その後も「山形酵母」や「清々酵母」を発見するなど、地酒の品質向上をめざした取り組みは進められます。品評会での入賞数も着々と増加し、1995年(平成7年)にはついに山形県初のオリジナル酒米「出羽燦々」が品種登録されました。 出羽とは、かつての山形県の呼び名のこと。出羽燦々という名には「山形県が生んだ酒米にふさわしく、印象の強い名前に」という想いが込められています。 当初、山形県や農協、酒造組合連合会が出した名称候補は200点以上。また、選考時には東北芸術工科大学からもアドバイスを受けたそう。山形県の出羽燦々に込める熱い想いが伝わってくるようですね。 1-2.雑味が少なく、キレのある淡麗な味わいの酒質に 出羽燦々で造る日本酒は、雑味のないキレのある味わいが特徴です。また、米粒がやわらかく醪(もろみ)に溶けやすいため、香りが濃く、後味にやわらかな余韻が生まれます。 吟醸県とも呼ばれる山形県では、出羽燦々を使用した純米吟醸に「DEWA33」という認定基準を設けています。DEWA33の多くは、純米吟醸ならではの華やかな香りと、透明感のあるきれいな味わいが持ち味です。 「33」の数字は、山形県に33の1400m級の山があることや、オリジナル酒米「出羽燦々」の名に由来しています。DEWA33の厳しい認定基準は以下の5つです。 出羽燦々を100%使用 米と米麹のみを原料とする純米吟醸酒 米の外側を削る割合、精米歩合(せいまいぶあい)が55%以下 山形酵母を使用 山形オリジナル麹菌「オリーゼ山形」使用 これらの基準をクリアした山形県の地酒には、DEWA33の青い認定シールが貼られています。 参照:山形県酒造組合「DEWA33」 「出羽燦々を使ったこだわりの地酒が飲みたい!」というときには、DEWA33の名をチェックしてみるのもおすすめです。 2.出羽燦々で醸されたおすすめ日本酒10選 酒米のことを知ると、その酒米で生まれる日本酒の味が知りたくなるものですよね。ここからは、出羽燦々で醸されたおすすめ日本酒10選をご紹介します!ぜひ、ラベルやネーミングにも注目して、お気に入りの1本を見つけてみてくださいね。 2-1.山川光男 山川鶏男 2021 ふゆ 個性豊かな「山川光男(やまかわみつお)」は、山形県内の4つの酒蔵が結成したユニットです。それぞれの主力銘柄「男山(おとこやま)」、「東光(とうこう)」、「楯野川(たてのかわ)」、「山形正宗(やまがたまさむね)」の1文字を取って名付けられています。 2021年冬のテーマは、鶏肉。1年の締めくくりとなるお酒は、男山酒造が製造を手がけました。山形県では歯ごたえのある親鳥を食べる文化があるそう。ほどよい酸味が心地よく、コクのある鶏肉料理にもぴったりの味わいです。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 2-2.月の井 吟醸 原酒 火入れ 「月の井(つきのい)」は茨城県の大洗町で生まれる地酒です。「火入れ原酒シリーズ」のひとつである吟醸酒は、山形県産の出羽燦々を100%使用して造られました。 酒造りを手がけたのは、広島県の竹鶴酒造で活躍していた石川達也杜氏。令和2年の造りより月の井酒造に移籍し、13年ぶりに新シリーズを生み出しました。 こだわりは、醪段階でしっかりと発酵させてから醸造アルコールを添加するという、ほかにはない製法。原酒ならではの芳醇な香りとコクが活きた、ロックスタイルでも美味しい日本酒です。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 2-3.磐城壽 季造りしぼりたて 山形県長井市産の出羽燦々を使用。その年初となるしぼりたてのお酒を詰めた1本です。澱(おり)と呼ばれる小さな固形物をあえて残し、うっすら白く濁ったお酒に仕上げています。 口に含むと米のやさしい甘みがふんわりと広がり、後味はスッキリ。キレ味も良く、料理と合わせるお酒にもおすすめです。火入れと呼ばれる加熱処理をしていない生酒のため、ぜひ適度に冷やしてお楽しみください。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 2-4.来福 純米酒 山廃仕込み 山形県産の出羽燦々と米麹、水のみで醸した純米酒です。酵母には、マリーゴールドの花から生まれた「花酵母」を使用しています。 「山廃仕込み(やまはいじこみ)」とは、手間と時間のかかる伝統製法のこと。来福酒造では、年に1度だけ山廃仕込みの純米酒を販売しています。穏やかな香りが心地よく、燗酒にするとより一層魅力が花開く1本です。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 2-5.出羽桜 純米吟醸酒...

日本酒のラベルに見る「あらばしり」「中取り」「責め」とは?

日本酒のラベルで「あらばしり」や「中取り」といった文字を見かけたことはないでしょうか?実はこれは、搾ったお酒を採ったタイミングをあらわすもの。わざわざ明記するのは、きちんと理由があるのです! 今回は「あらばしり」や「中取り」、「責め」の特徴について解説します。それぞれの違いを知れば、いつものお酒がより味わい深く美味しいものになりますよ。 1.搾ったお酒を採るタイミングをあらわす「あらばしり」や「中取り」「責め」 「あらばしり」や「中取り」、「責め」という言葉は、搾ったお酒を採るタイミングをあらわしています。 お酒を搾ったとき、最初に出てくる部分が「あらばしり」。次に出てくるのが「中取り」、最後が「責め」と呼ばれる部分です。 あえて名前が付いているのは、採るタイミングによって異なる個性が生まれるから。それぞれの特徴を理解するために、まずは「お酒を搾る」という工程について確認していきましょう! 1-1.そもそも「お酒を搾る」とは? 液体である日本酒は、白くどろどろとした醪(もろみ)を搾ることでできあがります。醪とは、米や米麹、酒母(しゅぼ)、水などをアルコール発酵させたもの。醪を袋に入れてぎゅーっと搾り、袋から染み出た液体を集めたものが日本酒です。 この工程は、「搾り」または「上槽(じょうそう)」と呼ばれ、主な搾り方として次の5つが挙げられます。 薮田式(やぶたしき)自動圧搾機を用いた搾り 槽搾り(ふなしぼり・ふねしぼり) 袋吊り 遠心分離 氷結取り® ここでは、それぞれの方法をかんたんに紹介していきますね。 1.薮田式(やぶたしき)自動圧搾機を用いた搾り 機械の名をとり「ヤブタ式」と呼ばれる代表的な方法です。自動圧搾機は、布状の袋が何枚にも連なるアコーディオンのような形をしています。そこへグーッと両側から圧力を加え、絞り出した液体が日本酒です。搾ったあとの袋には、板状になった酒粕が残ります。 2.槽搾り(ふねしぼり・ふなしぼり) 槽搾りでは、大きな長方形の槽(ふね)を使用します。槽のなかに醪を入れた酒袋をいくつも積み重ね、ゆっくりとお酒を絞り出す方法です。時間はかかるものの、無理な圧力がかからないぶん雑味のない日本酒ができあがります。主に、大吟醸のような繊細な香りを持つお酒に用いられる上槽方法です。 3.袋吊り 袋吊りは、醪を入れた酒袋を吊るし、ぽたぽたとこぼれる液体を集める方法です。ラベルには「雫取り」と書かれることもあります。重力に任せゆっくりとお酒を採るため時間がかかり、採取できる量も決して多くはありません。そのため、袋吊りで採ったお酒の多くは特別な商品として扱われます。 4.遠心分離 遠心分離は、国内でも数少ない上槽方法です。醪を遠心分離機にかけ、液体と固体に分離させていきます。布を使わないため布由来の雑味がなく、圧力をかけないぶん、口当たりなめらかで香り豊かなお酒に仕上がるのが特徴です。 5.氷結取り® 氷結取り® は、「風の森」ブランドで知られる奈良県の油長酒造が特許取得している上槽方法です。醪が発酵しているタンク内で液体と固体とに分離させ、上澄み部分を抽出します。機械や布にまったく触れないため醪に余計なストレスがかからず、雑味のないクリアな酒質が生まれます。 2.「あらばしり」「中取り」「責め」の味わいの違い 前述したように、お酒は採取するタイミングによって「あらばしり」、「中取り」、「責め」の3つの部位にわかれます。それぞれの特徴や味わいについて知れば、お酒選びがもっと楽しくなりますよ。 2-1.フレッシュ感あふれる「あらばしり」 あらばしりは、上槽工程で醪から自然と流れ出る部分です。滓(おり)と呼ばれる固形物が含まれているため、あらばしりは薄く濁っています。そのぶんフレッシュで、香りと味の個性が感じられるお酒です。アルコール度数は若干低く、ピチピチとした微発泡感も楽しめます。 2-2.味と香りのバランスに優れた「中取り」 あらばしりが終わると、透明な中取り部分が出始めます。「中汲み」とも呼ばれる中取りは、もっとも酒質が安定しているといわれる部分です。味と香りのバランスに優れ、品評会の出品酒として採用されることもあります。贈答用の日本酒選びに迷うときや、蔵こだわりの1本を飲みたいというときにおすすめです。 2-3.アルコール度数高め濃醇な味わい「責め」 責めは、上槽の最後にさらに圧力をかけて搾り出した部分です。あらばしりや中取りに比べ、アルコール度数は高くなります。雑味があり味わいは荒いといわれることから、市場に出回る機会は多くありません。しかし、責めならではの濃醇な味わいも飲み手によっては魅力のひとつとなるでしょう。 まとめ 米と米麹というシンプルな材料から、さまざまな味わいが生まれる日本酒。搾るお酒を採るタイミングによって、さらに味が変化するなんて驚きですよね。 ラベルに「あらばしり」や「中取り」とあるときは、そのことを知って味わってほしいという蔵の想いが込められているということ。ぜひ、それぞれの味の個性を感じながら、日本酒の世界を楽しんでみてください。

【交野市・山野酒造】笑顔花咲く大阪の地酒に出会う

山野酒造は、大阪府交野市(かたのし)に建つ酒蔵です。代表銘柄「片野桜(かたのさくら)」をはじめ、幅広いラインナップを持つ蔵でも知られています。『令和3酒造年度全国新酒鑑評会』では、10度目となる金賞を受賞。今回は、地元関西はもちろん、全国で愛されるお酒造りの裏側についてインタビューさせていただきました! ※『全国新酒鑑評会』とは? 1911年(明治44年)から続く、全国規模の新酒鑑評会。2022年(令和4年)に開催された鑑評会の出品点数は826点。うち、特に成績優秀と認められた金賞酒は205点。 1.大阪府交野市で伝統を受け継ぐ「山野酒造」 「ここからまっすぐ見てね、ちょうど正面が交野山。うちからは、奈良も大阪市内も同じような距離にあるんです」 遠くまで見渡せる、屋外の螺旋階段の上。そう教えてくれたのは、蔵を支える山野久幸社長です。蔵の代表酒「片野桜」の仕込み水には、生駒山からの伏流水が使われています。 京都や奈良との県境に位置する交野市は、平安時代、貴族が狩りなどを楽しみに訪れる土地だったそう。現在も豊かな自然が残るこの場所で、山野酒造は丁寧な酒造りを続けています。 今回は、山野社長と、令和元年に杜氏に就任した濱田杜氏にお話を伺いました。 1-1.順風満帆ではない中での南部杜氏との出会い 明治以前は、大阪南西部の泉州で酒造りをしていたという山野酒造。歴史の深い交野市で酒造りを始めたのは、明治に入ってからのことだそう。泉州から来たことから、今でも「泉屋(いずみや)さん」と呼ばれることもあるそうです。 「当時は新参者いうことで、なかなか相手にされなかった。飲んだら頭いたなるから、“頭痛い桜”やとか、いろんなこと言われてね」 現在の蔵の評判からは、想像もできない社長の言葉に驚きます。社長自身が仕事を始めた当時も、それほど長くは続かないと思っていたのだとか。 やがて、時代の流れとともに地元の酒蔵は減少。山野酒造は、酒造りの要ともいえる杜氏の確保に苦労したといいます。 「やることやってあかんのはがまんできるけど、手抜いてあかんかったのは悔いが残る」 そう考える社長が新たに出会ったのが、前杜氏である浅沼政司氏でした。浅沼氏は、関西では珍しい南部杜氏。浅沼氏と社長の考えが一致したのを機に、酒質は徐々に向上し、山野酒造の日本酒は評判を広めていきます。 現在の杜氏である濱田氏も、浅沼氏のもとで働きつつ南部杜氏資格を取得したのだそう。やがて、浅沼氏が病に倒れたことをきっかけに、杜氏の仕事は濱田氏へと引き継がれます。 『令和3酒造年度全国新酒鑑評会』の金賞は、濱田杜氏にとっては初となるもの。同時に、蔵にとってはちょうど10度目となる金賞受賞でもありました。 1-2.金賞は、安定した技術があるという証 山野酒造の公式サイトやSNSでは、金賞受賞について大きく取り上げられていません。そのことについて触れると「金賞は特別なことじゃなく、あくまでも安定した技術を持っているという証やからね」と社長は語ります。 「それでも、たくさんのお酒が並び多くの審査員が吟味するなか、絶対に賞を外さないというのはすごいこと。何年も続けて金賞受賞する蔵は、やっぱりすごいと思います。せやからうちもその域までいかんと、なっ(笑)」 社長の力強い言葉に「はい」と苦笑いする濱田杜氏。聞くと、時代と共に金賞受賞する大吟醸の捉え方は変化しているそう。 以前は淡麗な味わいが評価されていたものの、現在は、キレるだけではない、香りと旨味のある酒質が求められるのだとか。 味の設計図に沿った酒造りは、まさに杜氏の腕の見せどころ。社長の隣で小さくほほ笑む濱田杜氏にがぜん興味がわいてきました。 1-3.「麹っていいもんがあるから、そこを活かしたい」 前杜氏、浅沼氏のもとで22年あまり経験を重ねたという濱田杜氏。丸いメガネと、控えめながらもおちゃめな笑顔が印象的です。 「彼は極力、酵素剤を使用したくない言うんですわ。なんかポリシーがあるんよな」 「いやいや、ポリシーいうほどでもないですけど(笑)」 酵素剤とは、酒質の安定を図るために用いられる添加剤のこと。もちろん、規定にのっとった酵素剤の使用は誤りではなく、珍しいことでもありません。社長の横で苦笑いをしつつ、濱田杜氏は続けます。 「酵素剤のことは全否定しないけど、基本的に使うのはやめとこかな、と。せっかく麹っていいもんがあるから、そこを活かしていきたいなと思っています」 近年、山野酒造は「生酛造り(きもとづくり)」のお酒にチャレンジ。きっかけは多々あるものの、濱田杜氏の「生酛造りをしてみたかった」という願望も、大きな理由のひとつだといいます。 令和2年、3年と続けてリリースされた生酛は、それぞれわずか2カ月で完売。3年目となる今年は、火入れをした生酛のリリースが10月に予定されています。 2.甘いも辛いも、なんでも。難しいからおもしろい。 山野酒造のお酒の特徴といえば「片野桜」を中心に幅広いラインナップが揃うこと!前述した「生酛」はもちろん、市民大学“交野おりひめ大学”とともに造った「百天満天」、自社田の米で造る「富楼那(ふるな)」と、バリエーションは多岐に渡ります。 「うちは何が一番と聞かれたら、これもそれも、あれも売れてますよ、となる。それは短所といえるのかもしれない」 そう前置きしたうえで、山野社長は語ります。 「でも、うちの長所は、甘いのが好きな人にも、辛いのが好きな人にも、フレッシュなんがいい人にも熟成酒が飲みたい人にも…なんでもありますよ、と言えること」 「むずいですけど、いろんなんできて楽しいですよ」横から笑顔で濱田杜氏が続けます。「ただねぇ、どれも1点ものだから、これはずしたらどないすんねんってなるんですわ(笑)」 金賞を受賞する大吟醸のようなお酒は、ある意味再現性の高いお酒なのだそう。反対に、自然の力を借りて造る山廃のようなお酒は、全く同じ味わいに仕上げるのは難しいのだとか。 「同じ米、同じやり方でやっても、その都度全く同じにはできないんです。それが難しく、それが、おもしろい」 難しいけど楽しいと言う濱田杜氏のように、そう言い切る山野社長。笑いを交えたインタビューのなか、さりげなく力強いそのひと言は、とても印象的なものでした。 3.「ひとつに固定せず、いろんなもんをどんどん飲んで」 ときに、選び方が難しいともいわれる日本酒。日本酒をより楽しむポイントってなんでしょう?日本酒ビギナーに向け、山野社長と濱田杜氏からメッセージをいただきました。 「そのシーンそのシーンで合うものをチョイスできるように、いろんなもん飲んでもらうのが、好みに出会う近道かな」 そう社長が語る“いろんなもん”は、日本酒だけに限らないのだとか。ビールでもワインでも、お酒の種類や銘柄にこだわることなく、人が良いというものをどんどん飲んでほしいそう。日本酒を楽しむ温度帯も人それぞれ。正解はないという言葉に社長の懐の広さを感じます。 「飲み慣れない方は、低アルコールの日本酒から試すのもいいですよ」と話すのは濱田杜氏。 山野酒造では、低アルコール原酒の販売が秋に予定されているそうです。低いアルコール度数を狙って設計された原酒は搾ってすぐに瓶詰めされ、現在は低温保管庫でデビューの日を待っているのだとか。 「低アルコール原酒の構想は、何気なく聞いてます(笑)自分がタッチすると、違うやろとか口出してしまうから。やる気ある人が、やりたいようにやるのが一番やから」 気合い入れて造りましたと話す濱田杜氏に、そう言いながら笑う山野社長。 飲み手の好み、ニーズにあわせ、難しいことを楽しみながらこなす。山野酒造の酒造りは、確かな技術と信念、チームワークがあってこそできるものかもしれません。 お酒離れが懸念されたここ数年も、地元おりひめ大学とのコラボをはじめ、クラウドファンディングにSNSでの情報発信と、山野酒造の日本酒は人と人とをしっかりと繋いできました。 造り手、飲み手それぞれに笑顔を咲かせる山野酒造のお酒。ぜひ、手に取って自分好みの1本を見つけてみてはいかがでしょうか。 <山野酒造> 住所:大阪府交野市私部(キサベ)7-11-2 TEL:072-891-1046 FAX:072-891-1846 mail:info@katanosakura.com 営業時間:9時〜17時 定休日:土・日・祝日(12月は土曜日も営業) 公式HP(オンラインショップあり):https://www.katanosakura.com/ Instagram:https://www.instagram.com/katanosakura6765/

日本一小さな酒蔵が造る幻の酒「射美」の種類・ラインナップを紹介

「射美(いび)」は、日本一小さな蔵といわれる岐阜県の杉原酒造が造る日本酒です。香りは果実のように甘く華やか。ジューシーな旨味と甘みが評判を集める一方、入手困難なことから「幻の酒」ともいわれています。 今回は「射美」の魅力やラインナップをご紹介!「射美の美味しさが忘れられない!」という方も「射美はまだ未体験」という方も、ぜひ詳しい内容をチェックしてみてくださいね。 1.「射美(いび)」とは? 「射美(いび)」は、岐阜県の杉原酒造で2009年(平成21年)に誕生した日本酒です。原料米には、地元の契約農家と共同開発した「揖斐の誉(いびのほまれ)」が使用されています。「揖斐」は地名、「誉」は蔵元の妻の名前からとったものだそうです。 酒造りに使われるのは、蔵の近くを流れる揖斐川の伏流水。米を洗う水はマイクロろ過、仕込みに使う水は、さらに炭素ろ過されています。 小さな酒蔵で丁寧に作られる「射美」は希少性が高く「幻の酒」「レア酒」と呼ばれるほど。華やかな香りと甘味、旨味のバランスに魅了されるファンは多く、発売日に即完売となることも珍しくありません。 2.醸造元は「杉原酒造」 杉原酒造は、年間生産量が限られた日本一小さな酒蔵です。5代目となる杉原慶樹氏は、かつて青年海外協力隊として海外で活躍していました。 やがて、実家の酒蔵は廃業寸前に。杉原氏は日本の伝統産業を守りたいと、揖斐へ戻り蔵の再構築に乗り出します。手探りから始まった酒造りは、地元農家との酒米開発を経て「射美」を誕生させるまでに発展。徹底した温度管理とデータ収集のもと、蔵ではすべてのお酒が手仕事で造られています。 3.射美の種類・ラインナップ【定番酒】 3-1.吟撰 射美 「吟撰(ぎんせん)」は、シーズン初めに販売される商品です。「射美」らしい甘さと華やかな香り、スッキリとしたキレ味を楽しめます。販売時期は年の瀬に重なり、年末年始の祝いの席にぜひおすすめしたい1本です。 (出典元:杉原酒造株式会社 射美) 3-2.純米吟醸酒 射美 蔵が誇る酒米「揖斐の誉」と米麹、水のみで造られた日本酒です。低温でじっくりと発酵させ、フルーティーな香りを引き出しています。味わいは芳醇甘口。後口を適度な酸味が引き締め、食中酒にもおすすめです。 (出典元:杉原酒造株式会社 射美) 3-3.特別純米酒 射美 ボリューミーな旨味と酸味、香りのバランスに優れ、甘口タイプを好む方におすすめしたい日本酒です。使用しているのはもちろん「揖斐の誉」。酒米に対する蔵の愛情が強く感じられる定番酒です。 (出典元:杉原酒造株式会社 射美) 3-4.WHITE 射美 日本酒造りには主に「黄麹」が使われますが「WHITE 射美」は「白麹」で造られています。白麹は、酸っぱさのもととなるクエン酸を生み出す麹。「射美」らしい華やかな香りとともに、チャーミングな甘酸っぱさを堪能できます。 (出典元:杉原酒造株式会社 射美) 3-5.RED 射美(国外) 「RED 射美」は国外限定の商品です。醸造アルコールと呼ばれる純度の高いアルコールを、冷凍貯蔵してから添加しています。国外での販売先も限られた「射美」のなかでも特に希少性の高い銘柄です。 (出典元:杉原酒造株式会社 射美) 3-6.BLUE 射美(国外) 「BLUE 射美」も国外向けの定番商品です。こちらは醸造アルコールを添加せず、米と米麹、水のみで造られています。「射美」らしい華やかな香りは、キリッと冷やしワイングラスに注いで楽しむのもおすすめです。 (出典元:杉原酒造株式会社 射美) 4.射美の種類・ラインナップ【限定酒】 4-1.特別純米酒 射美 BLUE 冬季限定販売の特別純米酒です。はっきりとした販売時期や味の設計は、例年未定なのだとか。まさに一期一会の出会いを楽しめるファン待望の1本です。 (出典元:杉原酒造株式会社 射美) 4-2.特別純米酒 射美 PINK ピンク色の文字が春の訪れを告げる春季限定商品です。味わいは例年少しずつ異なるものの、トロリとした甘さと旨味を堪能できます。春の山菜料理に合わせて楽しみたい銘柄です。 (出典元:杉原酒造株式会社 射美) 4-3.吟撰 射美 (高アルコール酒) アルコール度数は18%以上。ガツンとした飲みごたえとキレ味を堪能できる日本酒です。販売時期は不定期と「射美」のなかでも特にレアな商品。氷を入れてロックスタイルで味わうのもおすすめです。 (出典元:杉原酒造株式会社...

日本酒の火入れとは?生酒と火入れの関係や見分け方をご紹介!

日本酒のラベルやネーミングで目にする「火入れ」という文字。「火入れの目的は何?」「火入れの有無で味わいは違うの?」と疑問に感じたことはないでしょうか。 今回は、火入れの目的やタイミング、火入れをしていないお酒との違いについて紹介します。専門用語をひとつ理解するだけで、日本酒選びがもっと楽しくなりますよ。 1.日本酒の「火入れ」とは? 日本酒の「火入れ」とは、加熱殺菌処理のことです。一般的な日本酒の製造工程では、2回火入れをおこないます。 火入れの目的は、お酒の色合いや味の劣化を防ぐため。搾ったばかりのお酒は、「糖化酵素」や「火落ち菌」などが含まれた状態です。 糖化酵素が残ったまま瓶に詰められたお酒は、デンプンが糖化し、味わいが変化する恐れがあります。また、乳酸菌の一種である火落ち菌などの微生物も、日本酒の色や香りを変化させる成分のひとつです。 そのため、日本酒の製造工程では60~65℃で10分ほど加熱する低温加熱殺菌をおこないます。 火入れをおこなう方法は、熱湯を張ったタンク内を流れる管にお酒を通す「蛇管式」や短時間で殺菌できる「プレートヒーター」など、蔵によってさまざまです。 2.火入れをしたお酒と火入れをしていないお酒の違い 火入れをしたお酒としていないお酒では、味わいだけでなく呼び名も変化します。「これは火入れをした日本酒?」と疑問に感じたときは、呼び名をチェックするのもひとつの方法です。 火入れは、「貯蔵する前」と「瓶に詰める前」の2回おこなわれます。 貯蔵前の火入れだけおこない、そのまま瓶詰めしたお酒は「生詰め酒」。生の状態で貯蔵し、瓶詰め前に火入れしたお酒は「生貯蔵酒」と呼ばれます。 また、どちらの火入れもしないお酒は「生酒」(なまざけ・きざけ)と呼ばれます。 1度も火入れをしていない生酒は、みずみずしい味わいが持ち味。そのぶん、味や香りが変化しやすいため、低温保管が基本とされています。 https://sake-5.jp/sake-kizake/ 3.火入れのタイミング 前述したように、日本酒の製造工程では火入れを2度おこないます。ここでは、具体的な製造工程とあわせ、火入れのタイミングについて深掘りしていきましょう。また、新たな手法といわれる「瓶火入れ」も紹介します。 3-1.ろ過後におこなう「貯蔵前火入れ」 日本酒は、米と麹、水を原料とした醪(もろみ)と呼ばれる液体を搾ってできあがります。 絞った後におこなうのが「滓引き(おりびき)」と「ろ過」と呼ばれる工程です。 滓引きではお酒に残った米粒などの固形物を取り除き、ろ過でさらに細かい固形物の除去や色味の調整などをおこないます。 1回目の「貯蔵前火入れ」は、ろ過のあとにおこなう工程です。火入れ後のお酒は、タンクでしばらく貯蔵されます。 3-2.瓶詰め前の「瓶詰前火入れ」 貯蔵後は、タンクごとの調合や加水調整を経て、2回目のろ過と火入れがおこなわれます。 この、2回目の火入れが「瓶詰前火入れ」です。2回目の火入れ後、お酒は瓶に詰められます。前述したように、瓶詰前火入れのみをおこなうお酒は生貯蔵酒と呼ばれます。 3-3.フレッシュな状態を保ちやすい「瓶燗火入れ」 前述した2つの火入れは、古くからおこなわれてきた製造方法です。近年は、新たな手法として「瓶燗火入れ」と呼ばれる殺菌方法が注目されています。 瓶燗火入れはその名のとおり、お酒を瓶に詰めてから加熱処理をおこなう方法です。また、貯蔵はタンクではなく、瓶に詰めた状態でおこないます。 瓶燗火入れは、お酒の酸化を防ぐことができ、フレッシュな状態を保ちやすい手法だといわれています。一方で、貯蔵に大型の冷蔵庫が必要だったり、手間がかかったりとコストがかかることも特徴です。 また、近年はパストライザーと呼ばれる機器で火入れをおこなう「瓶囲い」にあたる日本酒も増えつつあります。 4.火入れをしたお酒でも保存には要注意! 火入れは、日本酒の味や香りの安定を目的におこなわれます。しかし、火入れをしたお酒でも、保存方法を誤ると劣化する恐れがあるため注意が必要です。 特に、紫外線や高い温度は日本酒の品質に変化をもたらします。紫外線の影響を受けると「日光臭(にっこうしゅう)」と呼ばれる劣化臭が生じるため注意しましょう。また、温度の高い場所で保管したお酒は、色合いが黄色く変化してしまいます。 火入れしたお酒の美味しさをキープするためにも、日本酒は紫外線を避けながら涼しい場所で保管するように心がけてくださいね。 まとめ 火入れは、日本酒造りで古くからおこなわれてきた製法です。日本酒は、火入れの回数やタイミングによって、味わいや呼び名が変化します。 米と麹、水というシンプルな材料を用いつつ、製造方法によって生まれるさまざまな変化は日本酒の魅力のひとつ。 「自分の好みは火入れをしたお酒」「火入れをしていない生酒が好き」など、ぜひ自分なりの好みを見つけてみてくださいね。 関連記事 https://sake-5.jp/sake-how-to-save/ https://sake-5.jp/sake-preservation-complete-version/

知ると日本酒がもっと楽しくなる!基礎知識から雑学まで日本酒まとめ

「大好きな日本酒、もっとくわしく知りたい」「ラベルに表記されている文字の意味は?」と思ったことはないでしょうか。 知れば知るほど奥が深い日本酒の世界。今回は、思わず誰かに教えたくなる雑学を紹介します!知るともっと楽しくなる基礎知識をベースに、日本酒の世界をさらに広げていきましょう。 1.知るともっと楽しくなる日本酒の基礎知識 種類や原料、製造方法などでさまざまな表情を見せる日本酒。基礎知識を知っておくと、日本酒の世界はもっと楽しくなります。 まずは、日本酒の種類を表す特定名称酒や、ラベルから読み取れる情報についておさえていきましょう。 1-1.特定名称酒について 「特定名称酒」とは、日本酒の原料や製法を表す基準のことです。「純米酒」「本醸造酒」「吟醸酒」の大きく3つのグループに分類されます。 グループ 特徴 純米酒 米と米麹だけを原料にしたもの 本醸造酒 米と米麹、醸造アルコールを使用したもの 吟醸酒 精米歩合60%以下の米を使用したもの 日本酒のラベルを見ていると「大吟醸」や「純米吟醸」などの文字を見かけることがありますよね。これは、3つのグループをさらに細かく分類したものです。 特定名称酒の具体的な分類は以下の8つ。これらの条件に加え「こうじ米の使用割合15%以上」「1等から3等に該当する米を使う」などの条件を満たしていなければ、特定名称酒を名乗ることはできません。 吟醸酒はフルーティーな香り、純米酒はふくよかな味わい、本醸造酒はスッキリ辛口系など、それぞれの個性と合わせて覚えると日本酒選びがぐっと楽しくなりますよ。 特定名称 原料 精米歩合 吟醸酒 米、米麹 醸造アルコール 60%以下 大吟醸酒 米、米麹 醸造アルコール 50%以下 純米酒 米、米麹 ー 純米吟醸酒 米、米麹 60%以下 純米大吟醸酒 米、米麹 50%以下 特別純米酒 米、米麹 60%以下 または特別な製造方法 本醸造酒 米、米麹 醸造アルコール 70%以下 特別本醸造酒 米、米麹 醸造アルコール 60%以下 または特別な製造方法 醸造アルコールとは? 原料欄にある「醸造アルコール」は、サトウキビなどを原料にした純度の高いアルコールのことです。醸造アルコールを入れたお酒は、スッキリとしたドライテイストに仕上がります。 吟醸香(ぎんじょうか・ぎんじょうこう)と呼ばれる華やかな香りが引き立ちやすいことも特徴です。 醸造アルコールを添加する理由など、醸造アルコールについて詳しくはこちらの記事で解説しています。 https://sake-5.jp/why-brewing-alcohol-is-added-to-sake/ 特別純米酒、特別本醸造酒の「トクベツ」とは? 特別純米酒や特別本醸造酒の「特別な製造方法」には、はっきりとした基準はありません。各蔵で自社製品と比較し「よし、これは特別だ」と判断した際に表記できます。 例えば「酒造好適米(酒米)を100%使用」も特別な製造方法の一例です。この場合、「山田錦100%使用」とラベルに何が特別なのか表記する必要があります。 飲食店や酒販店で「特別」の文字を見つけたら、特別なポイントを探し当ててみるのも楽しいですよ。 1-2.日本酒のラベルから分かる基礎知識 日本酒のラベルはお酒の情報がギュッと詰まった、いわば自己紹介文のようなもの。原材料だけでなく、味の目安を知る手がかりにもなります。 日本酒のラベルについてはこちらの記事でより詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。 https://sake-5.jp/how-to-read-sake-labels/ 原材料名 水以外の原材料名が、使用量の多い順に記載されています。 精米歩合 精米歩合(せいまいぶあい)とは、一粒の米の外側をどれくらい削ったかを示す割合のことです。「精米歩合40%」とあれば、米の外側を60%削っているということ。米の中心部分40%だけを使って仕込んだお酒になります。 https://sake-5.jp/rice-polishing-rate/ アルコール度数 日本酒の平均的なアルコール度数は15度~16度です。この数字を下回る低アルコール日本酒は、口当たりが軽く日本酒初心者にもおすすめです。 日本酒度 「甘い」「辛い」といわれる味の目安になるものです。標準はマイナス1.4度~プラス1.4度。マイナスになるほど甘口、プラスになるほど辛口タイプのお酒です。 日本酒の甘辛度合いは、酸度やアミノ酸度によっても左右されます。あくまでも味の目安のひとつとして参考にしてくださいね。 https://sake-5.jp/sake-degree/ 酸度 日本酒の酸度は、「すっぱさ」ではなく「キレ」を表します。日本酒度が同じ場合、酸度が高いほど辛く、低いほど甘く感じるのが特徴です。 https://sake-5.jp/sake-acidity/ 原料米 ラベルには「山田錦(やまだにしき)」「雄町(おまち)」など、使用した酒米の名前を記載する場合があります。各蔵が酒米の種類にこだわるのは、酒米によって日本酒の味わいに個性が生まれるからです。山田錦の特徴やおすすめ銘柄については、こちらからもチェックできます。 https://sake-5.jp/sake-made-from-yamada-nishiki/ BY(Brewing Year) 「Brewing Year(ブリューイングイヤー)」つまり、日本酒の醸造年度を表す数字です。日本酒のBYは、7月1日から翌年の6月30日までを基準としています。 例えば、画像「松の司」の「2019 R1BY」は「2019年(令和元年)の7月1日から6月30日の間に仕込んだお酒ですよ」ということ。 では製造年月日はというと、こちらは仕込んだお酒を「瓶詰めした時期」を表しています。製造年月日は必ず表示しなくてはいけない項目ですが、BYは各蔵の判断で記載するものです。 「去年仕込んだ新酒なんだな」「しばらく熟成させてから瓶詰めしたのか」など、BYが表す違いも楽しんでみてくださいね。 1-3.「生酛」や「山廃」とは? 「生酛(きもと)」や「山廃(やまはい)」は、日本酒造りに必要な乳酸菌を自然に任せて育てる製法です。味わい濃く、繊細な香りの日本酒に仕上がります。 「速醸酛(そくじょうもと)」は乳酸菌を添加する製法です。それぞれ手間ひまやコスト、仕上がりの味わいも異なります。 生酛(きもと) 蒸した米と麹を桶に入れ、水を加えてすりつぶす製法です。すりつぶす作業は「山卸し(やまおろし)」と呼ばれます。 市場に出回る日本酒のうち、生酛造りのお酒はわずか1%と少ないものの、近年は各蔵、日本酒ファンから高い注目を集める製法です。 山廃酛(やまはいもと) 生酛のように米をすりつぶさない手法です。山卸しをしない、つまり廃止することから「山廃酛」と呼ばれるようになりました。燗酒に適した銘柄が多いのが特徴です。 山廃仕込みについては https://sake-5.jp/yamahai-brewing-and-kimoto/ 速醸酛(そくじょうもと) 醸造用の乳酸を添加する、日本酒シェアのおよそ90%を占める製法です。タンク内がすぐに酸性になり、安全に効率よく日本酒造りが進められます。生酛や山廃酛に比べ、軽やかな味わいに仕上がるのが特徴です。 2.知っていますか?日本酒の雑学あれこれ ここからは日本酒の雑学8選を紹介します!日本の歴史や文化とともに育まれた日本酒は、目からウロコの雑学の宝庫。友人と日本酒を楽しむ際の話のネタにもなりますよ。 2-1.「10月1日」が日本酒の日の理由 10月1日、日本酒の日は1978年に日本酒造組合中央会が制定したものです。近年は、SNSで日本酒の日をアピールする酒蔵や酒販店も多く見受けられるようになりました。 ではなぜ、10月1日が日本酒の日になったのか?その理由は12種類の動物で例える「十二支」に関係しています。 干支の10番目にあたる「酉(とり)」の字は、壺を表す象形文字で「酒」を意味しています。また「酉の月」にあたる9月から10月はちょうど新米が収穫され、お酒の仕込みが始まる時期です。同時に「ひやおろし」と呼ばれるひと夏熟成させた日本酒が出回る時期でもあります。 さらに、10月といえば秋の味覚と日本酒のペアリングを楽しめる季節。実りの多い時期、日本酒の文化や伝統を多くの人に引き継いでほしいという日本酒業界の想いが「10月1日、日本酒の日」には込められています。 2-2.酒税法上、「リキュール」に分類される日本酒がある リキュールとは、蒸留酒や醸造酒に果実や香草などの香り成分を溶かしたお酒のことです。カクテルに使う「カンパリ」、焼酎に梅を漬け込んだ「梅酒」もリキュールに分類されます。 日本酒もリキュールのもととなる醸造酒にあたるお酒です。近年は、日本酒を使ったおしゃれで飲みやすい「日本酒リキュール」を製造する蔵も見受けられます。 度数が高い日本酒リキュールは、ソーダ割りやロックなど、さまざまなスタイルで楽しめるのが大きな魅力です。 (参考:朝日酒造株式会社「久保田ゆずリキュール」) 2-3.日本酒の銘柄名に一番使われている漢字は「山」 「日本酒の名前は漢字がたくさん!」と思ったことはありませんか?そのなかでも一番使われている漢字はズバリ、「山」。 平成11年度の日本酒造組合中央会のデータによると、2位以下には次のような漢字が続いています。 ランキング 漢字 使用銘柄数 1 山 247 2 鶴 191 3 正 177 4 宗 164 5 菊 157 6 大 156 7 乃 146 8 金 131 9 白 131 10 泉 125 (参考:日本酒造組合中央会「日本酒FAQ」) 秋田県の「山本」、山形県の「月山」、新潟県の「八海山」など「山」が付く銘酒は多数。「鶴」や「菊」、「宗」といった漢字も、たしかに日本酒を連想させる漢字ですよね。 2-4.日本酒の造り手さん達は仕込みシーズン中、納豆が食べられない 日本酒造りには「納豆」が天敵だといわれています。なぜなら、ネバネバのもとである納豆菌が、酒造りに必要な微生物の成長をじゃましてしまうから。仕込みシーズン中は、納豆を食べることを禁止する酒蔵もあるほどです。 ところが、この「日本酒×納豆」のありえない組み合わせで評判を呼んでいる日本酒があるのをご存じでしょうか? 宮城県「金の井酒造」が造るその名も「川口納豆」は、ラベルもまさに納豆そのもの!の異色の銘柄。原料には、地元の納豆製造会社「川口納豆」が自社栽培した酒米を使用しています。 2021年の予約販売時には、わずか1週間で完売したという人気ぶり。見つけたときにはぜひ一度試してみたいですね。 安心してください。今年は特別に720mlも用意しておりますフフッ(´ー+`)キラッ 両方四合瓶で試飲してからお気に召した方を一升で ドウゾ() HTTPS://T.CO/XHERVENBRG PIC.TWITTER.COM/JAYXJGNPNA — 綿屋/川口納豆@金の井酒造【公式】 (@kanenoi_1915) AUGUST 27, 2021 2-5.日本酒の製造は世界でも最先端の技術だった 日本酒造りでは「火入れ」と呼ばれる低温加熱殺菌をおこないます。火入れの目的は2つ。搾ったお酒に残る糖化酵素の働きを抑えることと、乳酸菌の一種である火落ち菌などの微生物を除去することです。 糖化酵素が働いてしまうと、瓶内のデンプンが糖化され味が甘く変化してしまいます。また、火落ち菌などの微生物は、日本酒の味を劣化させてしまう要因のひとつです。 火入れの手法は、室町時代からすでに存在していたといわれています。これは、フランスの科学者が低温加熱殺菌法を開発する300年も前のこと。日本酒の製造法は、はるか昔から世界で最先端の技術だったのです。 2-6.日本酒は他の酒よりも体温が2度高くなる 日本酒造組合中央会によると、日本酒は、他のお酒を飲んだときより体温が2度高くなるといわれています。燗酒に限らず、常温の日本酒でも同様です。血液循環が良くなり、冷え性改善の効果も期待できます。米と米麹を発酵させて造る日本酒は、体に良い成分がたくさん含まれているお酒なのです。 https://sake-5.jp/sake-is-good-for-health/ 2-7.「角打ち」の名前の由来 「角打ち(かくうち)」とは、酒屋の一角に設けられたスペースで日本酒を楽しむことです。飲食店のように料理を提供する店舗もあれば、店内で販売しているおつまみを自分で購入して楽しむ店舗もあります。 角打ちは、本来は「升(ます)」からお酒を飲むことを表していました。升の角に口をつけるから「角打ち」というわけです。 かつて、日本酒は店頭で升を使い、量り売りするスタイルが一般的でした。ところが、自宅まで持ち帰る間が待ちきれないのんべえ達が現れたのです。 「今すぐ飲みたい!」という要求に応え、升で量った酒をそのまま提供したのが現在の角打ちスタイルの始まり。升で飲むことではなく、店頭で日本酒を飲むことを「角打ち」と表すようになった由来といわれています。 角打ちの歴史や角打ちができるお店など、詳しくはこちらの記事で解説しています。 https://sake-5.jp/square-hit/ 2-8.酒造りにおいて、唄を歌っていた文化がある かつて、酒蔵では「酒造り唄(さけづくりうた)」と呼ばれる唄を仕込み中に歌ったといわれています。酒造り唄は作業時間の長さを計る目安になるほか、寒い冬に仕込みを続ける蔵人たちの心を癒すものでした。 唄の歌詞やメロディは、全国各地でさまざまに異なります。以下は、丹波杜氏の酒造り唄の一節です。 アー寒や北風 ア今日は南風 明日は浮名のたつみ風 アー今日の寒さに 洗い番はどなた 可愛いや殿サの声がする   大手酒造メーカー「大関株式会社」の公式HPでは、メロディ付きの酒造り唄が紹介されています。厳寒期にお酒を仕込む杜氏たちに想いをはせながら、ぜひ耳を傾けてみてはいかがでしょうか。(参考:大関株式会社「酒造り唄」) まとめ 日本酒の基礎知識と雑学あれこれ、いかがでしたか?難しそうに思われる漢字ばかりの表記も、意味がわかると日本酒の楽しみ方がさらに広がります。近年はリキュールのようなニュータイプの商品もぞくぞく登場。常に進化を続ける日本酒から、ますます目が離せなくなりそうですね。

酒造りの最高責任者「杜氏」とは?

「杜氏(とうじ)」とは、日本酒造りの最高責任者のことです。杜氏に蔵元、蔵人など…それぞれどう違うの?と疑問に感じたことはないでしょうか。 今回は、杜氏の由来や歴史、仕事内容について詳しく解説!日本三大杜氏と呼ばれる杜氏集団や、女性杜氏に関する情報もお伝えします。 1.杜氏とは?名前の由来や歴史 「杜氏(とうじ)」とは、蔵に雇われ、酒造りの一切を取り仕切る責任者のことです。スポーツに例えるなら、杜氏はいわばチームの監督。そのため、杜氏は各蔵に1人しか存在しません。杜氏のほかに酒造りに関わる人たちは「蔵人(くらびと)」と呼ばれます。 そもそも、なぜ杜氏という存在が生まれたのでしょうか?その理由を知るために、まずは名前の由来や歴史について紐解いていきましょう。 1-1.杜氏の由来は「刀自(とじ)」 杜氏の名の由来は、お酒を造る女性をあらわす「刀自(とじ)」だといわれています。古来、宮中で盛んに造られていたお酒は、神様へ捧げるものでした。酒造りの役割は女性たちが担い、それらを束ねる女性を刀自と呼んでいたのです。 今のように、酒造りが男性中心の仕事へと変化したのは、江戸時代に入ってからのこと。日本酒は、神様に捧げるものから庶民でたしなむものへと変化を遂げていました。 やがて幕府からのお触れをきっかけに、大きな道具を使用し、冬場に大量にお酒を仕込む必要性が生まれます。 必然的に、酒造りは力仕事へとシフトし、働く人々も男性が中心に。刀自の名はその響きを残したまま、「杜氏」の字があてられるようになりました。 1-2.約300年前から続く杜氏の歴史 杜氏の歴史は、江戸時代から現在まで約300年以上続いています。その始まりとなったのが、米不足を懸念する幕府が出した「お酒を造るのは冬季のみ」というお触れでした。 このお触れをきっかけに、日本酒は年中造るものから冬に大量に造るものへと変化していきます。 冬になり、酒蔵の繁忙期に活躍したのが、手が空いている農民たちです。冬になると、酒蔵へと出稼ぎに出かける農民と蔵人たちが集結し、各地で酒造りの集団ができあがりました。 この集団を束ねたのが、ほかでもない「杜氏」と呼ばれる存在です。現在も、各地ではさまざまな杜氏集団が活躍しています。 1-3.日本三大杜氏とは 前述したような杜氏集団は、全国に30近く存在するといわれています。なかでも、代表的なものが以下の3つのグループです。それぞれが高度な技術を持つことから「日本三大杜氏」と呼ばれています。 南部杜氏(岩手県) 杜氏の数は全国最多。かつて南部と呼ばれた岩手県花巻市を拠点とする杜氏集団です。現在も300名近くの杜氏が活躍しています。 越後杜氏(新潟県) 米どころであり酒どころ、新潟県の酒造りを支える杜氏集団です。「八海山(はっかいさん)」や「久保田(くぼた)」など、数々の銘酒を手がける杜氏たちが名を連ねます。 丹波杜氏(兵庫県) 灘地方の酒造りを担ってきた杜氏集団です。その名が世に広まった理由は、丹波人特有の誠実さや勤勉さにあったといわれています。3つの集団のなかではもっとも規模が小さいものの、現在も灘の名水で多くの銘酒が造られています。 2.杜氏の仕事内容と蔵元との違い 杜氏の仕事内容は多岐にわたります。日本酒造りは、繊細な温度管理や日々の分析が必要。杜氏はすべての工程に目を配らなくてはいけません。 その理由は、酒蔵の経営者である「蔵元」に雇われているという点にもあるといえます。蔵元は、スポーツに例えればチームを運営するオーナーのようなもの。最高責任者の杜氏は、蔵元の考えに沿って酒造りをおこないます。 また、蔵人たちの人員配置なども杜氏の大切な仕事のひとつ。ときには書類作成も手がけるなど、杜氏は実に多くの仕事をこなす大役なのです。 ちなみに、杜氏のもとで働く蔵人たちは、受け持つ仕事内容によって以下のように呼ばれています。 頭(かしら)…杜氏の補佐役 代師・麹師・麹屋(だいし・こうじし・こうじや)…麹づくりの担当者 釜屋(かまや)…米を蒸す工程の担当者 酛師・酛屋(もとし・もとや)…酒母づくりの担当者 船頭(せんどう)…お酒を搾る工程の担当者 3.杜氏になるには?求められる資格やスキル 「杜氏になりたい!」そう思ったときに求められるのは、お酒に関する資格と優れたスキルです。資格は必須ではないものの、実務に大きく役立ちます。代表的なものとして挙げられるのが「酒造技能士」です。 酒造技能士とは、日本酒製造に関する知識とスキルを持つことを認める国家資格のこと。1級を取得するには、7年以上、または2級合格後2年以上の実務経験が必要です。 また、杜氏には酒造りにおける優れたスキルも求められます。繊細な酒造工程をコントロールする力はもちろん、蔵人たちをまとめるコミュニケーション能力も必要となってくるでしょう。 4.オーナー杜氏や女性杜氏、外国人杜氏の活躍も 長年の歴史を誇る杜氏の世界には、時代と共に変化が生まれています。そのなかのひとつが「オーナー杜氏」です。 オーナー杜氏とは、杜氏を雇うことなく、蔵元自らが杜氏となり酒造りをおこなう仕組みのこと。商品開発からプロモーションまで自らが手がけることで、唯一無二の個性を生み出す酒蔵も数多くみられます。 また、実務経験の長さにとらわれず、若い蔵人を杜氏に採用するケースも少なくありません。 2018年(平成30年)、「伯楽星(はくらくせい)」で知られる新澤醸造店(にいざわじょうぞうてん)では、入社3年目となる当時22歳の女性社員が杜氏に就任しました。 ほかにも「天美(てんび)」を造る長州酒造(ちょうしゅうしゅぞう)、「信州亀齢(きれい)」で知られる岡崎酒造など、各地で女性杜氏が活躍。 瀬戸内海で「富久長(ふくちょう)」を醸す今田酒造本店の今田美穂氏は、2020年、英国BBCが選ぶ世界に影響を与えた『100人の女性』に、日本人として唯一選出されています。 さらに、京都の玉川酒造では、国内初の外国人杜氏フィリップ・ハーパー氏が活躍。 多様性を見せる現代社会のように、各蔵でも年齢、性別、国籍を越えた酒造りがおこなわれています。 まとめ 日本酒造りの要ともいえる存在、杜氏。江戸幕府のお触れから始まった杜氏の歴史は、日本酒造りの歴史そのものといえるかもしれません。 今夜は美味しい日本酒に口をつけるその前に、ちょっとひと呼吸。杜氏をはじめとする蔵人たちや蔵元に、想いをはせてみてはいかがでしょうか。

世界中から愛される日本酒「梵(ぼん)」の種類・ラインナップを紹介

日本酒「梵(ぼん)」は、福井県から世界へと羽ばたくお酒です。世界各国で商品登録されているほか、数多くの大使館などに輸出されています。米と米麹のみで造る純米酒にこだわった味わいは、国内でも多くの日本酒ファンに愛されてきました。 今回は、梵の魅力を徹底解説!「梵ってどんなお酒?」「どうしてそんなに人気なの?」という疑問にお答えするべく、豊富なラインナップの数々もご紹介します。 1.「梵」とは 福井県鯖江の地で生まれ、世界でも広くその名が知られる日本酒「梵(ぼん)」。米と米麹のみで造られた透明感あふれる味わいは、世界各国で高く評価されています。梵ブランドを商品登録する国や地域は、およそ100以上。さらに、約70カ国の大使館や領事館にも輸出されています。 2022年(令和4年)にロンドンで開催された「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)」では、SAKE部門でゴールドメダルを受賞。ロサンゼルスの「国際ワイン・スピリッツコンペティション」では、最高賞となるベストオブクラスに輝きました。 梵が各界で高く評価される理由として挙げられるのが、和食はもちろん、洋食にもそっと寄り添う清らかな美味しさです。香りは上品で、口当たりはシルクのようになめらか。後口に残るやわらかな余韻が料理の味わいを引き立てます。 「飲みやすさ」と「本物の美味しさ」が共存した梵は、日本酒を飲み慣れない方にもおすすめの銘柄といえるでしょう。 2.梵を造る「加藤吉平商店」 梵を造る「加藤吉平商店(かとうきちべえしょうてん)」は、1860年(万延元年)から酒造りを始めた酒蔵です。当初「梵」の名は、最高級のお酒だけにつけられた名前だったといいます。1963年(昭和38年)には、すべてのお酒の名を梵に統一。国内外の式典やイベントでその名は広く知られることとなります。 加藤吉平商店が重視しているのは、添加物を加えない"純米酒"のみを手造りすることです。原料米には、酒米の王様といわれる「兵庫県特A地区産契約栽培山田錦」と「福井県産五百万石」が使用されています。クリアな味わいを生み出すため、米をなるべく小さく精米することもこだわりのひとつです。 米と並び、日本酒の味わいを大きく左右する水には、地下約184mからくみ上げた井戸水を使用。さらに、お酒をマイナスの温度帯でじっくり熟成することで、果実のように華やかな香りを引き出しています。 熟成期間は、長いもので10年以上にもおよぶそう。さらに、急激な温度変化を起こさないよう梱包も冷たい予冷庫でおこなうなど、美味しい日本酒を飲み手に届けるためのさまざまな創意工夫がなされています。 3.梵が造る日本酒の種類・ラインナップ 梵のラインナップには、米と米麹、水のみで造られた純米酒が並びます。なかでも、純米吟醸酒や純米大吟醸酒は、フルーティーな香りとクリアな飲み口を楽しめる銘柄です。 そのほか、季節のお酒やスパークリング酒、梵こだわりの長期氷温熟成酒も見逃せません。ここからは、26銘柄を一挙ご紹介します! 3-1.フランス製の木製樽でじっくり熟成「梵・天使のめざめ」 "パイナップル・すももちゃん酵母"という、かわいらしいネーミングの酵母を使用。さらに、フランス製の樫樽(かしだる)で氷温熟成させた甘酸っぱいお酒です。 樫樽は、本来ウイスキーやブランデーを熟成させる樽。梵を小さなグラスに入れて手のひらで包めば、魅惑的な香りと味わいが静かに目を覚まします。 (出店元:加藤吉平商店) 3-2.究極の純米大吟醸酒「梵・超吟」 原料米は、特に質が良いとされる「兵庫県特A地区」の山田錦。さらに、米を小さく精米し中心部分20%だけを使用した梵の代表銘柄です。気品あふれる香りとなめらかな口当たり、静かに続く伸びやかな余韻は、まさに美酒のひとこと。大切な席の乾杯にもふさわしい一品です。 (出店元:加藤吉平商店) 3-3. 燗酒で楽しむ上質な旨味「梵・団」 梵の味わいを燗酒で楽しみたいときはこちら。「団」と名付けられた純米大吟醸がおすすめです。温めるほどに立つ旨味は、出汁のきいた和食と好相性。なかでも、福井の冬の味覚、越前ガニとのペアリングはたまりません。精米歩合は20%と、米の外側を8割削りながら芳醇かつ上品な旨味を実現しています。 (出店元:加藤吉平商店) 3-4.人生の勝利者に捧げる一献「梵・夢は正夢」 日本酒の容量は4合(750ml)や1升(1800ml)が多いなか、こちらの梵は1L(1000ml)。ずっしり重たいその姿は、人生の勝利者(オンリーワン=1)をたたえるトロフィーを表しているといいます。 甘美な香りが鼻をくすぐるものの、味わいはしっとりとなめらか。夢の実現を願う1杯はもちろん、夢が叶った喜びに浸るお酒としてじっくり味わいたくなる美味しさです。 (出店元:加藤吉平商店) 3-5.日本政府専用機で世界へ「梵・日本の翼」 「日本の翼」と名付けられたこちらの梵は、日本政府専用機の正式機内酒に採用されたお酒です。精米歩合の異なる純米大吟醸を2種類ブレンドし、低温で約2年間熟成させています。 引っかかりのないスムースな飲み口と香り、後口のキレのバランスは実に絶妙。"Wing Of Japan"の名のとおり世界へ羽ばたき、多くの人を魅了した味わいをぜひ一度お試しください。 (出店元:加藤吉平商店) 3-6.梵のロングセラー「梵・極秘造大吟醸」 日本で初めて販売された純米大吟醸です。販売当初の精米歩合は40%。一粒の米を半分以上削って仕込むお酒は、当時の最高峰のクオリティでした。 透明感のある旨味と華やかな香りは、もちろん現在も健在。梵のロングセラー商品として多くの人々を魅了し続けています。 (出店元:加藤吉平商店) 3-7.福井のオリジナル酒米を使用「梵・さかほまれ 磨き三割五分」 原料米は山田錦と五百万石のみとしている加藤吉平商店が、福井県の新酒米「さかほまれ」を使って造り上げたお酒です。 さかほまれは、約8年の歳月をかけ開発された福井県独自の酒米。「梵・さかほまれ 磨き三割五分」の販売当初は、福井県内の酒蔵でさかほまれを使ったお酒がそろってリリースされました。ぜひ福井の名産品とあわせて、地元愛あふれる味わいを楽しんでみてください。 (出店元:加藤吉平商店) 3-8.気高く美しい味わいを「梵・寒椿」 ひんやり静かな雪景色のなか、凛と花開く一輪の椿。梵の「寒椿」は、そんな風景を思わせる気品あふれる味わいです。和風の外箱にお酒を包む和紙と、外装にも和の要素がたっぷり。日本酒を贈り物にするときにも、ぜひおすすめしたい銘柄です。 (出店元:加藤吉平商店) 3-9.芳醇旨口の味わいは好みの温度帯で「梵・特撰純米大吟醸」 梵の純米大吟醸の定番といえる1本です。0度以下で1~2年氷温熟成させたお酒がブレンドされています。 味わいはしっかりと輪郭のある芳醇旨口タイプ。香り高い純米大吟醸は冷たく冷やすことが多いものの、こちらの梵はぬる燗で味わうのもおすすめです。ぜひ、好みのおつまみを用意して楽しんでみてください。 (出店元:加藤吉平商店) 3-10.清涼な水のような美しさ「梵・地球」 「地球(ほし)」と名付けられた梵が目指したのは、地球にとって一番大切な「水」。スーッと喉を通り過ぎ体に染み渡る味わいは、まさに清涼な水のようです。 ブルーのボトルデザインは、過去に世界的なワインコンペティションでゴールドメダルを受賞。味わい、装いともに梵のセンスが光り輝く1本です。 (出店元:加藤吉平商店) 3-11.飲み飽きしない上質な味わい「梵・吉平」 屋号である「吉平(きちべえ)」と名付けられたこちらは、手間ひまかかる古来からの製法「生もと造り」で仕込まれています。 芳醇かつ繊細な味わいは、日々の食卓を彩るお酒にぴったり。飲み飽きせず、スイスイと盃が進みます。バターやチーズを使ったコクのある料理にあわせるのもおすすめです。 (出店元:加藤吉平商店) 3-12.季節にあわせて艶めく味わい「梵・艶」 ラベルに描かれているのは、七色にきらめく艶(つや)の文字。中に詰められているのは、マイナスの温度環境で約1年間熟成させたお酒です。 じっくりと寝かせたぶん、口当たりはマイルドで香りはおだやか。季節の料理にそっと寄り添う、やわらかな味わいを堪能できます。 (出店元:加藤吉平商店) 3-13.世界一の味わいを食卓に「梵・吟撰」 2010年の「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)」で、最高賞となる「チャンピオン・サケ」を受賞。そのほか、数々の名だたる賞に輝いた純米大吟醸です。 旨味がしっかり乗りつつ後口は爽やか。1本あたり1000円台と、求めやすい価格設定も魅力のひとつです。 (出店元:加藤吉平商店) 3-14.福井の酒米の魅力を堪能「梵・五百万石無濾過純米大吟醸」 地元福井が誇る酒米「五百万石」で造られた純米大吟醸です。搾りたてのお酒を、マイナス10度の超低温な環境で約1年間熟成させています。 火入れと呼ばれる加熱殺菌処理は、出荷前の1度だけ。フルーティーな香りとふくよかな旨味、スムースな飲み口を堪能できる一品です。 (出店元:加藤吉平商店) 3-15.無濾過で淡い黄金色の純米大吟醸酒「梵・ゴールド」 透明瓶におさめられているのは、薄黄金色の液体。金色に輝くラベルにボトルキャップと、華やかな見た目に心躍る1本です。 お酒が黄金色に色づいているのは、一般的におこなう「ろ過」をしていないから。鼻から喉へと抜ける清らかな香りと芳醇な旨味、やわらかな余韻をぜひ堪能してみてください。 (出店元:加藤吉平商店) 3-16.本格的な味わいを気軽に楽しめる「梵・純粋」 梵の美味しさを気軽に楽しめる飲み切りサイズの純米大吟醸です。中には、加熱処理をせず生のまま瓶詰し、0度以下で1年間熟成させたお酒が詰められています。「梵の味わいを試してみたい」「外出先で梵を美味しく味わいたい」というときにおすすめの商品です。 (出店元:加藤吉平商店) 3-17.乾杯シーンを華やかに彩る「梵・プレミアムスパークリング」 シュワッとした発泡感を楽しめるスパークリング酒です。精米歩合は20%と、厳選した米をより小さく精米し洗練された味わいを生み出しています。 お酒が詰められているのは、フランス製のシャンパン瓶。乾杯のシーンを華やかに彩る1本は、祝いの席やパーティーにおすすめです。 (出店元:加藤吉平商店) 3-18.フレッシュで飲みごたえのある逸品「梵・無ろ過生原酒」 「無ろ過生原酒」とは、ろ過や火入れ、加水をしていないお酒のこと。できたてそのままのフレッシュな味わいを堪能できる1本です。 瓶に詰められているのは、一番質がよいとされるお酒を搾る際の中間部分「中取り」。しっかりと飲みごたえのある美味しさと伸びやかな香りは、ぜひ適度に冷やしてお楽しみください。 (出店元:加藤吉平商店) 3-19.福井県産五百万石にこだわった生原酒「梵・五百万石 無濾過 生原酒」 福井県産の酒米「五百万石」を使用した無ろ過生原酒です。超低温環境でじっくりと寝かすことで、まろやかな旨味と豊かな香りを実現しています。山田錦を使った無ろ過生原酒と並べ、味の違いを楽しむのもおすすめです。 (出店元:加藤吉平商店) 3-20.うっすら白い活性生酒「梵・ささ雪(酒雪)」 うっすらと白く濁る、芳醇旨口タイプのお酒です。加熱殺菌処理をしていない生酒のため、シュワッとした微発泡感を楽しめます。口当たりなめらかで旨味はやわらか。梵らしい気品あふれる香りも存分に楽しめる、冬におすすめの1本です。 (出店元:加藤吉平商店) 3-21.搾りたての美味しさそのままに「梵の初雪しぼりたて山田錦」 梵は氷温熟成が基本となるなか、搾りたての新鮮な美味しさを楽しめる1本です。新酒が搾られる冬季限定でリリースされています。飲みごたえのある芳醇旨口タイプの味わいは、ロックのほか、ぬる燗で楽しむのもおすすめです。 (出店元:加藤吉平商店) 3-22.五百万石の旨味を感じる「梵の初雪しぼりたて五百万石」 五百万石の新米を小さく磨き、上品な香りを生み出した季節限定のお酒です。うっすらと白いにごり酒に仕上げられています。 さわやかな香りの後に広がるのは、五百万石の豊かな旨味。ぜひ、キリッと冷やして旨味と香りのハーモニーをお楽しみください。 (出店元:加藤吉平商店) 3-23.搾りたての旨さを封じ込めた原酒「梵・五百万石 無濾過 原酒」 キリッと冷やした冷酒はもちろん、ロックに燗酒と好みのスタイルで楽しめる純米吟醸です。加水調整していない原酒のため、しっかりとした旨味があり、どんな温度帯でも味のバランスが崩れることがありません。 意外なところでは、ライムを入れた日本酒カクテルもおすすめ。ぜひ、気軽に梵の美味しさを楽しんでみてください。 (出店元:加藤吉平商店) 3-24.和食にあわせたい豊かな味わい「梵・ときしらず」 和食好き、日本酒好きに愛される梵の銘品です。氷温熟成させたお酒をブレンドし、奥深い味と香りを実現しています。まろやかな口当たりとこっくりした味わいは、燗酒好きにもおすすめ。ぜひ、湯気から立ち上る米の旨味を堪能してみてください。 (出店元:加藤吉平商店) 3-25.1日の終わりに燗で楽しみたい「梵・純米55」 燗酒好きにおすすめしたい梵といえばこちら「純米55」です。しっかりとしたコクがありつつ、後味はスパッとキレよく、温度が上がるほど魅力的な旨味を放ちます。求めやすい価格設定で1升瓶も販売されているため、自宅に美味しい日本酒をキープしておきたいという方にうれしい商品です。 (出店元:加藤吉平商店) 3-26.秋の味覚と相性ばつぐん「梵・純米吟醸 ひやおろし」 「ひやおろし」とは、冬に搾ってからひと夏寝かし、秋に出荷するお酒のこと。梵のひやおろしは、氷温熟成させることで品のある香りと奥深い味わいを生み出しています。 芳醇旨口タイプのひやおろしは、旨味たっぷりの秋の味覚とも好相性。燗酒にしてしっとり楽しみたくなる豊かな味わいです。 (出店元:加藤吉平商店) まとめ 日本を飛び出し、世界各国で愛される日本酒「梵」。その味わいには、日本の文化ともいえる米へのこだわりと地元福井県への愛情があふれています。 日常酒として楽しめる1本から贈答用にふさわしい1本まで、幅広いラインナップも魅力のひとつ。ぜひ、思い思いのスタイルで世界が認めたJapaneseSake「梵」の味わいを楽しんでみてください。

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