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日本酒のラベルに見る「あらばしり」「中取り」「責め」とは?
日本酒のラベルで「あらばしり」や「中取り」といった文字を見かけたことはないでしょうか?実はこれは、搾ったお酒を採ったタイミングをあらわすもの。わざわざ明記するのは、きちんと理由があるのです! 今回は「あらばしり」や「中取り」、「責め」の特徴について解説します。それぞれの違いを知れば、いつものお酒がより味わい深く美味しいものになりますよ。 1.搾ったお酒を採るタイミングをあらわす「あらばしり」や「中取り」「責め」 「あらばしり」や「中取り」、「責め」という言葉は、搾ったお酒を採るタイミングをあらわしています。 お酒を搾ったとき、最初に出てくる部分が「あらばしり」。次に出てくるのが「中取り」、最後が「責め」と呼ばれる部分です。 あえて名前が付いているのは、採るタイミングによって異なる個性が生まれるから。それぞれの特徴を理解するために、まずは「お酒を搾る」という工程について確認していきましょう! 1-1.そもそも「お酒を搾る」とは? 液体である日本酒は、白くどろどろとした醪(もろみ)を搾ることでできあがります。醪とは、米や米麹、酒母(しゅぼ)、水などをアルコール発酵させたもの。醪を袋に入れてぎゅーっと搾り、袋から染み出た液体を集めたものが日本酒です。 この工程は、「搾り」または「上槽(じょうそう)」と呼ばれ、主な搾り方として次の5つが挙げられます。 薮田式(やぶたしき)自動圧搾機を用いた搾り 槽搾り(ふなしぼり・ふねしぼり) 袋吊り 遠心分離 氷結取り® ここでは、それぞれの方法をかんたんに紹介していきますね。 1.薮田式(やぶたしき)自動圧搾機を用いた搾り 機械の名をとり「ヤブタ式」と呼ばれる代表的な方法です。自動圧搾機は、布状の袋が何枚にも連なるアコーディオンのような形をしています。そこへグーッと両側から圧力を加え、絞り出した液体が日本酒です。搾ったあとの袋には、板状になった酒粕が残ります。 2.槽搾り(ふねしぼり・ふなしぼり) 槽搾りでは、大きな長方形の槽(ふね)を使用します。槽のなかに醪を入れた酒袋をいくつも積み重ね、ゆっくりとお酒を絞り出す方法です。時間はかかるものの、無理な圧力がかからないぶん雑味のない日本酒ができあがります。主に、大吟醸のような繊細な香りを持つお酒に用いられる上槽方法です。 3.袋吊り 袋吊りは、醪を入れた酒袋を吊るし、ぽたぽたとこぼれる液体を集める方法です。ラベルには「雫取り」と書かれることもあります。重力に任せゆっくりとお酒を採るため時間がかかり、採取できる量も決して多くはありません。そのため、袋吊りで採ったお酒の多くは特別な商品として扱われます。 4.遠心分離 遠心分離は、国内でも数少ない上槽方法です。醪を遠心分離機にかけ、液体と固体に分離させていきます。布を使わないため布由来の雑味がなく、圧力をかけないぶん、口当たりなめらかで香り豊かなお酒に仕上がるのが特徴です。 5.氷結取り® 氷結取り® は、「風の森」ブランドで知られる奈良県の油長酒造が特許取得している上槽方法です。醪が発酵しているタンク内で液体と固体とに分離させ、上澄み部分を抽出します。機械や布にまったく触れないため醪に余計なストレスがかからず、雑味のないクリアな酒質が生まれます。 2.「あらばしり」「中取り」「責め」の味わいの違い 前述したように、お酒は採取するタイミングによって「あらばしり」、「中取り」、「責め」の3つの部位にわかれます。それぞれの特徴や味わいについて知れば、お酒選びがもっと楽しくなりますよ。 2-1.フレッシュ感あふれる「あらばしり」 あらばしりは、上槽工程で醪から自然と流れ出る部分です。滓(おり)と呼ばれる固形物が含まれているため、あらばしりは薄く濁っています。そのぶんフレッシュで、香りと味の個性が感じられるお酒です。アルコール度数は若干低く、ピチピチとした微発泡感も楽しめます。 2-2.味と香りのバランスに優れた「中取り」 あらばしりが終わると、透明な中取り部分が出始めます。「中汲み」とも呼ばれる中取りは、もっとも酒質が安定しているといわれる部分です。味と香りのバランスに優れ、品評会の出品酒として採用されることもあります。贈答用の日本酒選びに迷うときや、蔵こだわりの1本を飲みたいというときにおすすめです。 2-3.アルコール度数高め濃醇な味わい「責め」 責めは、上槽の最後にさらに圧力をかけて搾り出した部分です。あらばしりや中取りに比べ、アルコール度数は高くなります。雑味があり味わいは荒いといわれることから、市場に出回る機会は多くありません。しかし、責めならではの濃醇な味わいも飲み手によっては魅力のひとつとなるでしょう。 まとめ 米と米麹というシンプルな材料から、さまざまな味わいが生まれる日本酒。搾るお酒を採るタイミングによって、さらに味が変化するなんて驚きですよね。 ラベルに「あらばしり」や「中取り」とあるときは、そのことを知って味わってほしいという蔵の想いが込められているということ。ぜひ、それぞれの味の個性を感じながら、日本酒の世界を楽しんでみてください。
【交野市・山野酒造】笑顔花咲く大阪の地酒に出会う
山野酒造は、大阪府交野市(かたのし)に建つ酒蔵です。代表銘柄「片野桜(かたのさくら)」をはじめ、幅広いラインナップを持つ蔵でも知られています。『令和3酒造年度全国新酒鑑評会』では、10度目となる金賞を受賞。今回は、地元関西はもちろん、全国で愛されるお酒造りの裏側についてインタビューさせていただきました! ※『全国新酒鑑評会』とは? 1911年(明治44年)から続く、全国規模の新酒鑑評会。2022年(令和4年)に開催された鑑評会の出品点数は826点。うち、特に成績優秀と認められた金賞酒は205点。 1.大阪府交野市で伝統を受け継ぐ「山野酒造」 「ここからまっすぐ見てね、ちょうど正面が交野山。うちからは、奈良も大阪市内も同じような距離にあるんです」 遠くまで見渡せる、屋外の螺旋階段の上。そう教えてくれたのは、蔵を支える山野久幸社長です。蔵の代表酒「片野桜」の仕込み水には、生駒山からの伏流水が使われています。 京都や奈良との県境に位置する交野市は、平安時代、貴族が狩りなどを楽しみに訪れる土地だったそう。現在も豊かな自然が残るこの場所で、山野酒造は丁寧な酒造りを続けています。 今回は、山野社長と、令和元年に杜氏に就任した濱田杜氏にお話を伺いました。 1-1.順風満帆ではない中での南部杜氏との出会い 明治以前は、大阪南西部の泉州で酒造りをしていたという山野酒造。歴史の深い交野市で酒造りを始めたのは、明治に入ってからのことだそう。泉州から来たことから、今でも「泉屋(いずみや)さん」と呼ばれることもあるそうです。 「当時は新参者いうことで、なかなか相手にされなかった。飲んだら頭いたなるから、“頭痛い桜”やとか、いろんなこと言われてね」 現在の蔵の評判からは、想像もできない社長の言葉に驚きます。社長自身が仕事を始めた当時も、それほど長くは続かないと思っていたのだとか。 やがて、時代の流れとともに地元の酒蔵は減少。山野酒造は、酒造りの要ともいえる杜氏の確保に苦労したといいます。 「やることやってあかんのはがまんできるけど、手抜いてあかんかったのは悔いが残る」 そう考える社長が新たに出会ったのが、前杜氏である浅沼政司氏でした。浅沼氏は、関西では珍しい南部杜氏。浅沼氏と社長の考えが一致したのを機に、酒質は徐々に向上し、山野酒造の日本酒は評判を広めていきます。 現在の杜氏である濱田氏も、浅沼氏のもとで働きつつ南部杜氏資格を取得したのだそう。やがて、浅沼氏が病に倒れたことをきっかけに、杜氏の仕事は濱田氏へと引き継がれます。 『令和3酒造年度全国新酒鑑評会』の金賞は、濱田杜氏にとっては初となるもの。同時に、蔵にとってはちょうど10度目となる金賞受賞でもありました。 1-2.金賞は、安定した技術があるという証 山野酒造の公式サイトやSNSでは、金賞受賞について大きく取り上げられていません。そのことについて触れると「金賞は特別なことじゃなく、あくまでも安定した技術を持っているという証やからね」と社長は語ります。 「それでも、たくさんのお酒が並び多くの審査員が吟味するなか、絶対に賞を外さないというのはすごいこと。何年も続けて金賞受賞する蔵は、やっぱりすごいと思います。せやからうちもその域までいかんと、なっ(笑)」 社長の力強い言葉に「はい」と苦笑いする濱田杜氏。聞くと、時代と共に金賞受賞する大吟醸の捉え方は変化しているそう。 以前は淡麗な味わいが評価されていたものの、現在は、キレるだけではない、香りと旨味のある酒質が求められるのだとか。 味の設計図に沿った酒造りは、まさに杜氏の腕の見せどころ。社長の隣で小さくほほ笑む濱田杜氏にがぜん興味がわいてきました。 1-3.「麹っていいもんがあるから、そこを活かしたい」 前杜氏、浅沼氏のもとで22年あまり経験を重ねたという濱田杜氏。丸いメガネと、控えめながらもおちゃめな笑顔が印象的です。 「彼は極力、酵素剤を使用したくない言うんですわ。なんかポリシーがあるんよな」 「いやいや、ポリシーいうほどでもないですけど(笑)」 酵素剤とは、酒質の安定を図るために用いられる添加剤のこと。もちろん、規定にのっとった酵素剤の使用は誤りではなく、珍しいことでもありません。社長の横で苦笑いをしつつ、濱田杜氏は続けます。 「酵素剤のことは全否定しないけど、基本的に使うのはやめとこかな、と。せっかく麹っていいもんがあるから、そこを活かしていきたいなと思っています」 近年、山野酒造は「生酛造り(きもとづくり)」のお酒にチャレンジ。きっかけは多々あるものの、濱田杜氏の「生酛造りをしてみたかった」という願望も、大きな理由のひとつだといいます。 令和2年、3年と続けてリリースされた生酛は、それぞれわずか2カ月で完売。3年目となる今年は、火入れをした生酛のリリースが10月に予定されています。 2.甘いも辛いも、なんでも。難しいからおもしろい。 山野酒造のお酒の特徴といえば「片野桜」を中心に幅広いラインナップが揃うこと!前述した「生酛」はもちろん、市民大学“交野おりひめ大学”とともに造った「百天満天」、自社田の米で造る「富楼那(ふるな)」と、バリエーションは多岐に渡ります。 「うちは何が一番と聞かれたら、これもそれも、あれも売れてますよ、となる。それは短所といえるのかもしれない」 そう前置きしたうえで、山野社長は語ります。 「でも、うちの長所は、甘いのが好きな人にも、辛いのが好きな人にも、フレッシュなんがいい人にも熟成酒が飲みたい人にも…なんでもありますよ、と言えること」 「むずいですけど、いろんなんできて楽しいですよ」横から笑顔で濱田杜氏が続けます。「ただねぇ、どれも1点ものだから、これはずしたらどないすんねんってなるんですわ(笑)」 金賞を受賞する大吟醸のようなお酒は、ある意味再現性の高いお酒なのだそう。反対に、自然の力を借りて造る山廃のようなお酒は、全く同じ味わいに仕上げるのは難しいのだとか。 「同じ米、同じやり方でやっても、その都度全く同じにはできないんです。それが難しく、それが、おもしろい」 難しいけど楽しいと言う濱田杜氏のように、そう言い切る山野社長。笑いを交えたインタビューのなか、さりげなく力強いそのひと言は、とても印象的なものでした。 3.「ひとつに固定せず、いろんなもんをどんどん飲んで」 ときに、選び方が難しいともいわれる日本酒。日本酒をより楽しむポイントってなんでしょう?日本酒ビギナーに向け、山野社長と濱田杜氏からメッセージをいただきました。 「そのシーンそのシーンで合うものをチョイスできるように、いろんなもん飲んでもらうのが、好みに出会う近道かな」 そう社長が語る“いろんなもん”は、日本酒だけに限らないのだとか。ビールでもワインでも、お酒の種類や銘柄にこだわることなく、人が良いというものをどんどん飲んでほしいそう。日本酒を楽しむ温度帯も人それぞれ。正解はないという言葉に社長の懐の広さを感じます。 「飲み慣れない方は、低アルコールの日本酒から試すのもいいですよ」と話すのは濱田杜氏。 山野酒造では、低アルコール原酒の販売が秋に予定されているそうです。低いアルコール度数を狙って設計された原酒は搾ってすぐに瓶詰めされ、現在は低温保管庫でデビューの日を待っているのだとか。 「低アルコール原酒の構想は、何気なく聞いてます(笑)自分がタッチすると、違うやろとか口出してしまうから。やる気ある人が、やりたいようにやるのが一番やから」 気合い入れて造りましたと話す濱田杜氏に、そう言いながら笑う山野社長。 飲み手の好み、ニーズにあわせ、難しいことを楽しみながらこなす。山野酒造の酒造りは、確かな技術と信念、チームワークがあってこそできるものかもしれません。 お酒離れが懸念されたここ数年も、地元おりひめ大学とのコラボをはじめ、クラウドファンディングにSNSでの情報発信と、山野酒造の日本酒は人と人とをしっかりと繋いできました。 造り手、飲み手それぞれに笑顔を咲かせる山野酒造のお酒。ぜひ、手に取って自分好みの1本を見つけてみてはいかがでしょうか。 <山野酒造> 住所:大阪府交野市私部(キサベ)7-11-2 TEL:072-891-1046 FAX:072-891-1846 mail:info@katanosakura.com 営業時間:9時〜17時 定休日:土・日・祝日(12月は土曜日も営業) 公式HP(オンラインショップあり):https://www.katanosakura.com/ Instagram:https://www.instagram.com/katanosakura6765/
日本一小さな酒蔵が造る幻の酒「射美」の種類・ラインナップを紹介
「射美(いび)」は、日本一小さな蔵といわれる岐阜県の杉原酒造が造る日本酒です。香りは果実のように甘く華やか。ジューシーな旨味と甘みが評判を集める一方、入手困難なことから「幻の酒」ともいわれています。 今回は「射美」の魅力やラインナップをご紹介!「射美の美味しさが忘れられない!」という方も「射美はまだ未体験」という方も、ぜひ詳しい内容をチェックしてみてくださいね。 1.「射美(いび)」とは? 「射美(いび)」は、岐阜県の杉原酒造で2009年(平成21年)に誕生した日本酒です。原料米には、地元の契約農家と共同開発した「揖斐の誉(いびのほまれ)」が使用されています。「揖斐」は地名、「誉」は蔵元の妻の名前からとったものだそうです。 酒造りに使われるのは、蔵の近くを流れる揖斐川の伏流水。米を洗う水はマイクロろ過、仕込みに使う水は、さらに炭素ろ過されています。 小さな酒蔵で丁寧に作られる「射美」は希少性が高く「幻の酒」「レア酒」と呼ばれるほど。華やかな香りと甘味、旨味のバランスに魅了されるファンは多く、発売日に即完売となることも珍しくありません。 2.醸造元は「杉原酒造」 杉原酒造は、年間生産量が限られた日本一小さな酒蔵です。5代目となる杉原慶樹氏は、かつて青年海外協力隊として海外で活躍していました。 やがて、実家の酒蔵は廃業寸前に。杉原氏は日本の伝統産業を守りたいと、揖斐へ戻り蔵の再構築に乗り出します。手探りから始まった酒造りは、地元農家との酒米開発を経て「射美」を誕生させるまでに発展。徹底した温度管理とデータ収集のもと、蔵ではすべてのお酒が手仕事で造られています。 3.射美の種類・ラインナップ【定番酒】 3-1.吟撰 射美 「吟撰(ぎんせん)」は、シーズン初めに販売される商品です。「射美」らしい甘さと華やかな香り、スッキリとしたキレ味を楽しめます。販売時期は年の瀬に重なり、年末年始の祝いの席にぜひおすすめしたい1本です。 (出典元:杉原酒造株式会社 射美) 3-2.純米吟醸酒 射美 蔵が誇る酒米「揖斐の誉」と米麹、水のみで造られた日本酒です。低温でじっくりと発酵させ、フルーティーな香りを引き出しています。味わいは芳醇甘口。後口を適度な酸味が引き締め、食中酒にもおすすめです。 (出典元:杉原酒造株式会社 射美) 3-3.特別純米酒 射美 ボリューミーな旨味と酸味、香りのバランスに優れ、甘口タイプを好む方におすすめしたい日本酒です。使用しているのはもちろん「揖斐の誉」。酒米に対する蔵の愛情が強く感じられる定番酒です。 (出典元:杉原酒造株式会社 射美) 3-4.WHITE 射美 日本酒造りには主に「黄麹」が使われますが「WHITE 射美」は「白麹」で造られています。白麹は、酸っぱさのもととなるクエン酸を生み出す麹。「射美」らしい華やかな香りとともに、チャーミングな甘酸っぱさを堪能できます。 (出典元:杉原酒造株式会社 射美) 3-5.RED 射美(国外) 「RED 射美」は国外限定の商品です。醸造アルコールと呼ばれる純度の高いアルコールを、冷凍貯蔵してから添加しています。国外での販売先も限られた「射美」のなかでも特に希少性の高い銘柄です。 (出典元:杉原酒造株式会社 射美) 3-6.BLUE 射美(国外) 「BLUE 射美」も国外向けの定番商品です。こちらは醸造アルコールを添加せず、米と米麹、水のみで造られています。「射美」らしい華やかな香りは、キリッと冷やしワイングラスに注いで楽しむのもおすすめです。 (出典元:杉原酒造株式会社 射美) 4.射美の種類・ラインナップ【限定酒】 4-1.特別純米酒 射美 BLUE 冬季限定販売の特別純米酒です。はっきりとした販売時期や味の設計は、例年未定なのだとか。まさに一期一会の出会いを楽しめるファン待望の1本です。 (出典元:杉原酒造株式会社 射美) 4-2.特別純米酒 射美 PINK ピンク色の文字が春の訪れを告げる春季限定商品です。味わいは例年少しずつ異なるものの、トロリとした甘さと旨味を堪能できます。春の山菜料理に合わせて楽しみたい銘柄です。 (出典元:杉原酒造株式会社 射美) 4-3.吟撰 射美 (高アルコール酒) アルコール度数は18%以上。ガツンとした飲みごたえとキレ味を堪能できる日本酒です。販売時期は不定期と「射美」のなかでも特にレアな商品。氷を入れてロックスタイルで味わうのもおすすめです。 (出典元:杉原酒造株式会社...
日本酒の火入れとは?生酒と火入れの関係や見分け方をご紹介!
日本酒のラベルやネーミングで目にする「火入れ」という文字。「火入れの目的は何?」「火入れの有無で味わいは違うの?」と疑問に感じたことはないでしょうか。 今回は、火入れの目的やタイミング、火入れをしていないお酒との違いについて紹介します。専門用語をひとつ理解するだけで、日本酒選びがもっと楽しくなりますよ。 1.日本酒の「火入れ」とは? 日本酒の「火入れ」とは、加熱殺菌処理のことです。一般的な日本酒の製造工程では、2回火入れをおこないます。 火入れの目的は、お酒の色合いや味の劣化を防ぐため。搾ったばかりのお酒は、「糖化酵素」や「火落ち菌」などが含まれた状態です。 糖化酵素が残ったまま瓶に詰められたお酒は、デンプンが糖化し、味わいが変化する恐れがあります。また、乳酸菌の一種である火落ち菌などの微生物も、日本酒の色や香りを変化させる成分のひとつです。 そのため、日本酒の製造工程では60~65℃で10分ほど加熱する低温加熱殺菌をおこないます。 火入れをおこなう方法は、熱湯を張ったタンク内を流れる管にお酒を通す「蛇管式」や短時間で殺菌できる「プレートヒーター」など、蔵によってさまざまです。 2.火入れをしたお酒と火入れをしていないお酒の違い 火入れをしたお酒としていないお酒では、味わいだけでなく呼び名も変化します。「これは火入れをした日本酒?」と疑問に感じたときは、呼び名をチェックするのもひとつの方法です。 火入れは、「貯蔵する前」と「瓶に詰める前」の2回おこなわれます。 貯蔵前の火入れだけおこない、そのまま瓶詰めしたお酒は「生詰め酒」。生の状態で貯蔵し、瓶詰め前に火入れしたお酒は「生貯蔵酒」と呼ばれます。 また、どちらの火入れもしないお酒は「生酒」(なまざけ・きざけ)と呼ばれます。 1度も火入れをしていない生酒は、みずみずしい味わいが持ち味。そのぶん、味や香りが変化しやすいため、低温保管が基本とされています。 https://sake-5.jp/sake-kizake/ 3.火入れのタイミング 前述したように、日本酒の製造工程では火入れを2度おこないます。ここでは、具体的な製造工程とあわせ、火入れのタイミングについて深掘りしていきましょう。また、新たな手法といわれる「瓶火入れ」も紹介します。 3-1.ろ過後におこなう「貯蔵前火入れ」 日本酒は、米と麹、水を原料とした醪(もろみ)と呼ばれる液体を搾ってできあがります。 絞った後におこなうのが「滓引き(おりびき)」と「ろ過」と呼ばれる工程です。 滓引きではお酒に残った米粒などの固形物を取り除き、ろ過でさらに細かい固形物の除去や色味の調整などをおこないます。 1回目の「貯蔵前火入れ」は、ろ過のあとにおこなう工程です。火入れ後のお酒は、タンクでしばらく貯蔵されます。 3-2.瓶詰め前の「瓶詰前火入れ」 貯蔵後は、タンクごとの調合や加水調整を経て、2回目のろ過と火入れがおこなわれます。 この、2回目の火入れが「瓶詰前火入れ」です。2回目の火入れ後、お酒は瓶に詰められます。前述したように、瓶詰前火入れのみをおこなうお酒は生貯蔵酒と呼ばれます。 3-3.フレッシュな状態を保ちやすい「瓶燗火入れ」 前述した2つの火入れは、古くからおこなわれてきた製造方法です。近年は、新たな手法として「瓶燗火入れ」と呼ばれる殺菌方法が注目されています。 瓶燗火入れはその名のとおり、お酒を瓶に詰めてから加熱処理をおこなう方法です。また、貯蔵はタンクではなく、瓶に詰めた状態でおこないます。 瓶燗火入れは、お酒の酸化を防ぐことができ、フレッシュな状態を保ちやすい手法だといわれています。一方で、貯蔵に大型の冷蔵庫が必要だったり、手間がかかったりとコストがかかることも特徴です。 また、近年はパストライザーと呼ばれる機器で火入れをおこなう「瓶囲い」にあたる日本酒も増えつつあります。 4.火入れをしたお酒でも保存には要注意! 火入れは、日本酒の味や香りの安定を目的におこなわれます。しかし、火入れをしたお酒でも、保存方法を誤ると劣化する恐れがあるため注意が必要です。 特に、紫外線や高い温度は日本酒の品質に変化をもたらします。紫外線の影響を受けると「日光臭(にっこうしゅう)」と呼ばれる劣化臭が生じるため注意しましょう。また、温度の高い場所で保管したお酒は、色合いが黄色く変化してしまいます。 火入れしたお酒の美味しさをキープするためにも、日本酒は紫外線を避けながら涼しい場所で保管するように心がけてくださいね。 まとめ 火入れは、日本酒造りで古くからおこなわれてきた製法です。日本酒は、火入れの回数やタイミングによって、味わいや呼び名が変化します。 米と麹、水というシンプルな材料を用いつつ、製造方法によって生まれるさまざまな変化は日本酒の魅力のひとつ。 「自分の好みは火入れをしたお酒」「火入れをしていない生酒が好き」など、ぜひ自分なりの好みを見つけてみてくださいね。 関連記事 https://sake-5.jp/sake-how-to-save/ https://sake-5.jp/sake-preservation-complete-version/
知ると日本酒がもっと楽しくなる!基礎知識から雑学まで日本酒まとめ
「大好きな日本酒、もっとくわしく知りたい」「ラベルに表記されている文字の意味は?」と思ったことはないでしょうか。 知れば知るほど奥が深い日本酒の世界。今回は、思わず誰かに教えたくなる雑学を紹介します!知るともっと楽しくなる基礎知識をベースに、日本酒の世界をさらに広げていきましょう。 1.知るともっと楽しくなる日本酒の基礎知識 種類や原料、製造方法などでさまざまな表情を見せる日本酒。基礎知識を知っておくと、日本酒の世界はもっと楽しくなります。 まずは、日本酒の種類を表す特定名称酒や、ラベルから読み取れる情報についておさえていきましょう。 1-1.特定名称酒について 「特定名称酒」とは、日本酒の原料や製法を表す基準のことです。「純米酒」「本醸造酒」「吟醸酒」の大きく3つのグループに分類されます。 グループ 特徴 純米酒 米と米麹だけを原料にしたもの 本醸造酒 米と米麹、醸造アルコールを使用したもの 吟醸酒 精米歩合60%以下の米を使用したもの 日本酒のラベルを見ていると「大吟醸」や「純米吟醸」などの文字を見かけることがありますよね。これは、3つのグループをさらに細かく分類したものです。 特定名称酒の具体的な分類は以下の8つ。これらの条件に加え「こうじ米の使用割合15%以上」「1等から3等に該当する米を使う」などの条件を満たしていなければ、特定名称酒を名乗ることはできません。 吟醸酒はフルーティーな香り、純米酒はふくよかな味わい、本醸造酒はスッキリ辛口系など、それぞれの個性と合わせて覚えると日本酒選びがぐっと楽しくなりますよ。 特定名称 原料 精米歩合 吟醸酒 米、米麹 醸造アルコール 60%以下 大吟醸酒 米、米麹 醸造アルコール 50%以下 純米酒 米、米麹 ー 純米吟醸酒 米、米麹 60%以下 純米大吟醸酒 米、米麹 50%以下 特別純米酒 米、米麹 60%以下 または特別な製造方法 本醸造酒 米、米麹 醸造アルコール 70%以下 特別本醸造酒 米、米麹 醸造アルコール 60%以下 または特別な製造方法 醸造アルコールとは? 原料欄にある「醸造アルコール」は、サトウキビなどを原料にした純度の高いアルコールのことです。醸造アルコールを入れたお酒は、スッキリとしたドライテイストに仕上がります。 吟醸香(ぎんじょうか・ぎんじょうこう)と呼ばれる華やかな香りが引き立ちやすいことも特徴です。 醸造アルコールを添加する理由など、醸造アルコールについて詳しくはこちらの記事で解説しています。 https://sake-5.jp/why-brewing-alcohol-is-added-to-sake/ 特別純米酒、特別本醸造酒の「トクベツ」とは? 特別純米酒や特別本醸造酒の「特別な製造方法」には、はっきりとした基準はありません。各蔵で自社製品と比較し「よし、これは特別だ」と判断した際に表記できます。 例えば「酒造好適米(酒米)を100%使用」も特別な製造方法の一例です。この場合、「山田錦100%使用」とラベルに何が特別なのか表記する必要があります。 飲食店や酒販店で「特別」の文字を見つけたら、特別なポイントを探し当ててみるのも楽しいですよ。 1-2.日本酒のラベルから分かる基礎知識 日本酒のラベルはお酒の情報がギュッと詰まった、いわば自己紹介文のようなもの。原材料だけでなく、味の目安を知る手がかりにもなります。 日本酒のラベルについてはこちらの記事でより詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。 https://sake-5.jp/how-to-read-sake-labels/ 原材料名 水以外の原材料名が、使用量の多い順に記載されています。 精米歩合 精米歩合(せいまいぶあい)とは、一粒の米の外側をどれくらい削ったかを示す割合のことです。「精米歩合40%」とあれば、米の外側を60%削っているということ。米の中心部分40%だけを使って仕込んだお酒になります。 https://sake-5.jp/rice-polishing-rate/ アルコール度数 日本酒の平均的なアルコール度数は15度~16度です。この数字を下回る低アルコール日本酒は、口当たりが軽く日本酒初心者にもおすすめです。 日本酒度 「甘い」「辛い」といわれる味の目安になるものです。標準はマイナス1.4度~プラス1.4度。マイナスになるほど甘口、プラスになるほど辛口タイプのお酒です。 日本酒の甘辛度合いは、酸度やアミノ酸度によっても左右されます。あくまでも味の目安のひとつとして参考にしてくださいね。 https://sake-5.jp/sake-degree/ 酸度 日本酒の酸度は、「すっぱさ」ではなく「キレ」を表します。日本酒度が同じ場合、酸度が高いほど辛く、低いほど甘く感じるのが特徴です。 https://sake-5.jp/sake-acidity/ 原料米 ラベルには「山田錦(やまだにしき)」「雄町(おまち)」など、使用した酒米の名前を記載する場合があります。各蔵が酒米の種類にこだわるのは、酒米によって日本酒の味わいに個性が生まれるからです。山田錦の特徴やおすすめ銘柄については、こちらからもチェックできます。 https://sake-5.jp/sake-made-from-yamada-nishiki/ BY(Brewing Year) 「Brewing Year(ブリューイングイヤー)」つまり、日本酒の醸造年度を表す数字です。日本酒のBYは、7月1日から翌年の6月30日までを基準としています。 例えば、画像「松の司」の「2019 R1BY」は「2019年(令和元年)の7月1日から6月30日の間に仕込んだお酒ですよ」ということ。 では製造年月日はというと、こちらは仕込んだお酒を「瓶詰めした時期」を表しています。製造年月日は必ず表示しなくてはいけない項目ですが、BYは各蔵の判断で記載するものです。 「去年仕込んだ新酒なんだな」「しばらく熟成させてから瓶詰めしたのか」など、BYが表す違いも楽しんでみてくださいね。 1-3.「生酛」や「山廃」とは? 「生酛(きもと)」や「山廃(やまはい)」は、日本酒造りに必要な乳酸菌を自然に任せて育てる製法です。味わい濃く、繊細な香りの日本酒に仕上がります。 「速醸酛(そくじょうもと)」は乳酸菌を添加する製法です。それぞれ手間ひまやコスト、仕上がりの味わいも異なります。 生酛(きもと) 蒸した米と麹を桶に入れ、水を加えてすりつぶす製法です。すりつぶす作業は「山卸し(やまおろし)」と呼ばれます。 市場に出回る日本酒のうち、生酛造りのお酒はわずか1%と少ないものの、近年は各蔵、日本酒ファンから高い注目を集める製法です。 山廃酛(やまはいもと) 生酛のように米をすりつぶさない手法です。山卸しをしない、つまり廃止することから「山廃酛」と呼ばれるようになりました。燗酒に適した銘柄が多いのが特徴です。 山廃仕込みについては https://sake-5.jp/yamahai-brewing-and-kimoto/ 速醸酛(そくじょうもと) 醸造用の乳酸を添加する、日本酒シェアのおよそ90%を占める製法です。タンク内がすぐに酸性になり、安全に効率よく日本酒造りが進められます。生酛や山廃酛に比べ、軽やかな味わいに仕上がるのが特徴です。 2.知っていますか?日本酒の雑学あれこれ ここからは日本酒の雑学8選を紹介します!日本の歴史や文化とともに育まれた日本酒は、目からウロコの雑学の宝庫。友人と日本酒を楽しむ際の話のネタにもなりますよ。 2-1.「10月1日」が日本酒の日の理由 10月1日、日本酒の日は1978年に日本酒造組合中央会が制定したものです。近年は、SNSで日本酒の日をアピールする酒蔵や酒販店も多く見受けられるようになりました。 ではなぜ、10月1日が日本酒の日になったのか?その理由は12種類の動物で例える「十二支」に関係しています。 干支の10番目にあたる「酉(とり)」の字は、壺を表す象形文字で「酒」を意味しています。また「酉の月」にあたる9月から10月はちょうど新米が収穫され、お酒の仕込みが始まる時期です。同時に「ひやおろし」と呼ばれるひと夏熟成させた日本酒が出回る時期でもあります。 さらに、10月といえば秋の味覚と日本酒のペアリングを楽しめる季節。実りの多い時期、日本酒の文化や伝統を多くの人に引き継いでほしいという日本酒業界の想いが「10月1日、日本酒の日」には込められています。 2-2.酒税法上、「リキュール」に分類される日本酒がある リキュールとは、蒸留酒や醸造酒に果実や香草などの香り成分を溶かしたお酒のことです。カクテルに使う「カンパリ」、焼酎に梅を漬け込んだ「梅酒」もリキュールに分類されます。 日本酒もリキュールのもととなる醸造酒にあたるお酒です。近年は、日本酒を使ったおしゃれで飲みやすい「日本酒リキュール」を製造する蔵も見受けられます。 度数が高い日本酒リキュールは、ソーダ割りやロックなど、さまざまなスタイルで楽しめるのが大きな魅力です。 (参考:朝日酒造株式会社「久保田ゆずリキュール」) 2-3.日本酒の銘柄名に一番使われている漢字は「山」 「日本酒の名前は漢字がたくさん!」と思ったことはありませんか?そのなかでも一番使われている漢字はズバリ、「山」。 平成11年度の日本酒造組合中央会のデータによると、2位以下には次のような漢字が続いています。 ランキング 漢字 使用銘柄数 1 山 247 2 鶴 191 3 正 177 4 宗 164 5 菊 157 6 大 156 7 乃 146 8 金 131 9 白 131 10 泉 125 (参考:日本酒造組合中央会「日本酒FAQ」) 秋田県の「山本」、山形県の「月山」、新潟県の「八海山」など「山」が付く銘酒は多数。「鶴」や「菊」、「宗」といった漢字も、たしかに日本酒を連想させる漢字ですよね。 2-4.日本酒の造り手さん達は仕込みシーズン中、納豆が食べられない 日本酒造りには「納豆」が天敵だといわれています。なぜなら、ネバネバのもとである納豆菌が、酒造りに必要な微生物の成長をじゃましてしまうから。仕込みシーズン中は、納豆を食べることを禁止する酒蔵もあるほどです。 ところが、この「日本酒×納豆」のありえない組み合わせで評判を呼んでいる日本酒があるのをご存じでしょうか? 宮城県「金の井酒造」が造るその名も「川口納豆」は、ラベルもまさに納豆そのもの!の異色の銘柄。原料には、地元の納豆製造会社「川口納豆」が自社栽培した酒米を使用しています。 2021年の予約販売時には、わずか1週間で完売したという人気ぶり。見つけたときにはぜひ一度試してみたいですね。 安心してください。今年は特別に720mlも用意しておりますフフッ(´ー+`)キラッ 両方四合瓶で試飲してからお気に召した方を一升で ドウゾ() HTTPS://T.CO/XHERVENBRG PIC.TWITTER.COM/JAYXJGNPNA — 綿屋/川口納豆@金の井酒造【公式】 (@kanenoi_1915) AUGUST 27, 2021 2-5.日本酒の製造は世界でも最先端の技術だった 日本酒造りでは「火入れ」と呼ばれる低温加熱殺菌をおこないます。火入れの目的は2つ。搾ったお酒に残る糖化酵素の働きを抑えることと、乳酸菌の一種である火落ち菌などの微生物を除去することです。 糖化酵素が働いてしまうと、瓶内のデンプンが糖化され味が甘く変化してしまいます。また、火落ち菌などの微生物は、日本酒の味を劣化させてしまう要因のひとつです。 火入れの手法は、室町時代からすでに存在していたといわれています。これは、フランスの科学者が低温加熱殺菌法を開発する300年も前のこと。日本酒の製造法は、はるか昔から世界で最先端の技術だったのです。 2-6.日本酒は他の酒よりも体温が2度高くなる 日本酒造組合中央会によると、日本酒は、他のお酒を飲んだときより体温が2度高くなるといわれています。燗酒に限らず、常温の日本酒でも同様です。血液循環が良くなり、冷え性改善の効果も期待できます。米と米麹を発酵させて造る日本酒は、体に良い成分がたくさん含まれているお酒なのです。 https://sake-5.jp/sake-is-good-for-health/ 2-7.「角打ち」の名前の由来 「角打ち(かくうち)」とは、酒屋の一角に設けられたスペースで日本酒を楽しむことです。飲食店のように料理を提供する店舗もあれば、店内で販売しているおつまみを自分で購入して楽しむ店舗もあります。 角打ちは、本来は「升(ます)」からお酒を飲むことを表していました。升の角に口をつけるから「角打ち」というわけです。 かつて、日本酒は店頭で升を使い、量り売りするスタイルが一般的でした。ところが、自宅まで持ち帰る間が待ちきれないのんべえ達が現れたのです。 「今すぐ飲みたい!」という要求に応え、升で量った酒をそのまま提供したのが現在の角打ちスタイルの始まり。升で飲むことではなく、店頭で日本酒を飲むことを「角打ち」と表すようになった由来といわれています。 角打ちの歴史や角打ちができるお店など、詳しくはこちらの記事で解説しています。 https://sake-5.jp/square-hit/ 2-8.酒造りにおいて、唄を歌っていた文化がある かつて、酒蔵では「酒造り唄(さけづくりうた)」と呼ばれる唄を仕込み中に歌ったといわれています。酒造り唄は作業時間の長さを計る目安になるほか、寒い冬に仕込みを続ける蔵人たちの心を癒すものでした。 唄の歌詞やメロディは、全国各地でさまざまに異なります。以下は、丹波杜氏の酒造り唄の一節です。 アー寒や北風 ア今日は南風 明日は浮名のたつみ風 アー今日の寒さに 洗い番はどなた 可愛いや殿サの声がする 大手酒造メーカー「大関株式会社」の公式HPでは、メロディ付きの酒造り唄が紹介されています。厳寒期にお酒を仕込む杜氏たちに想いをはせながら、ぜひ耳を傾けてみてはいかがでしょうか。(参考:大関株式会社「酒造り唄」) まとめ 日本酒の基礎知識と雑学あれこれ、いかがでしたか?難しそうに思われる漢字ばかりの表記も、意味がわかると日本酒の楽しみ方がさらに広がります。近年はリキュールのようなニュータイプの商品もぞくぞく登場。常に進化を続ける日本酒から、ますます目が離せなくなりそうですね。
酒造りの最高責任者「杜氏」とは?
「杜氏(とうじ)」とは、日本酒造りの最高責任者のことです。杜氏に蔵元、蔵人など…それぞれどう違うの?と疑問に感じたことはないでしょうか。 今回は、杜氏の由来や歴史、仕事内容について詳しく解説!日本三大杜氏と呼ばれる杜氏集団や、女性杜氏に関する情報もお伝えします。 1.杜氏とは?名前の由来や歴史 「杜氏(とうじ)」とは、蔵に雇われ、酒造りの一切を取り仕切る責任者のことです。スポーツに例えるなら、杜氏はいわばチームの監督。そのため、杜氏は各蔵に1人しか存在しません。杜氏のほかに酒造りに関わる人たちは「蔵人(くらびと)」と呼ばれます。 そもそも、なぜ杜氏という存在が生まれたのでしょうか?その理由を知るために、まずは名前の由来や歴史について紐解いていきましょう。 1-1.杜氏の由来は「刀自(とじ)」 杜氏の名の由来は、お酒を造る女性をあらわす「刀自(とじ)」だといわれています。古来、宮中で盛んに造られていたお酒は、神様へ捧げるものでした。酒造りの役割は女性たちが担い、それらを束ねる女性を刀自と呼んでいたのです。 今のように、酒造りが男性中心の仕事へと変化したのは、江戸時代に入ってからのこと。日本酒は、神様に捧げるものから庶民でたしなむものへと変化を遂げていました。 やがて幕府からのお触れをきっかけに、大きな道具を使用し、冬場に大量にお酒を仕込む必要性が生まれます。 必然的に、酒造りは力仕事へとシフトし、働く人々も男性が中心に。刀自の名はその響きを残したまま、「杜氏」の字があてられるようになりました。 1-2.約300年前から続く杜氏の歴史 杜氏の歴史は、江戸時代から現在まで約300年以上続いています。その始まりとなったのが、米不足を懸念する幕府が出した「お酒を造るのは冬季のみ」というお触れでした。 このお触れをきっかけに、日本酒は年中造るものから冬に大量に造るものへと変化していきます。 冬になり、酒蔵の繁忙期に活躍したのが、手が空いている農民たちです。冬になると、酒蔵へと出稼ぎに出かける農民と蔵人たちが集結し、各地で酒造りの集団ができあがりました。 この集団を束ねたのが、ほかでもない「杜氏」と呼ばれる存在です。現在も、各地ではさまざまな杜氏集団が活躍しています。 1-3.日本三大杜氏とは 前述したような杜氏集団は、全国に30近く存在するといわれています。なかでも、代表的なものが以下の3つのグループです。それぞれが高度な技術を持つことから「日本三大杜氏」と呼ばれています。 南部杜氏(岩手県) 杜氏の数は全国最多。かつて南部と呼ばれた岩手県花巻市を拠点とする杜氏集団です。現在も300名近くの杜氏が活躍しています。 越後杜氏(新潟県) 米どころであり酒どころ、新潟県の酒造りを支える杜氏集団です。「八海山(はっかいさん)」や「久保田(くぼた)」など、数々の銘酒を手がける杜氏たちが名を連ねます。 丹波杜氏(兵庫県) 灘地方の酒造りを担ってきた杜氏集団です。その名が世に広まった理由は、丹波人特有の誠実さや勤勉さにあったといわれています。3つの集団のなかではもっとも規模が小さいものの、現在も灘の名水で多くの銘酒が造られています。 2.杜氏の仕事内容と蔵元との違い 杜氏の仕事内容は多岐にわたります。日本酒造りは、繊細な温度管理や日々の分析が必要。杜氏はすべての工程に目を配らなくてはいけません。 その理由は、酒蔵の経営者である「蔵元」に雇われているという点にもあるといえます。蔵元は、スポーツに例えればチームを運営するオーナーのようなもの。最高責任者の杜氏は、蔵元の考えに沿って酒造りをおこないます。 また、蔵人たちの人員配置なども杜氏の大切な仕事のひとつ。ときには書類作成も手がけるなど、杜氏は実に多くの仕事をこなす大役なのです。 ちなみに、杜氏のもとで働く蔵人たちは、受け持つ仕事内容によって以下のように呼ばれています。 頭(かしら)…杜氏の補佐役 代師・麹師・麹屋(だいし・こうじし・こうじや)…麹づくりの担当者 釜屋(かまや)…米を蒸す工程の担当者 酛師・酛屋(もとし・もとや)…酒母づくりの担当者 船頭(せんどう)…お酒を搾る工程の担当者 3.杜氏になるには?求められる資格やスキル 「杜氏になりたい!」そう思ったときに求められるのは、お酒に関する資格と優れたスキルです。資格は必須ではないものの、実務に大きく役立ちます。代表的なものとして挙げられるのが「酒造技能士」です。 酒造技能士とは、日本酒製造に関する知識とスキルを持つことを認める国家資格のこと。1級を取得するには、7年以上、または2級合格後2年以上の実務経験が必要です。 また、杜氏には酒造りにおける優れたスキルも求められます。繊細な酒造工程をコントロールする力はもちろん、蔵人たちをまとめるコミュニケーション能力も必要となってくるでしょう。 4.オーナー杜氏や女性杜氏、外国人杜氏の活躍も 長年の歴史を誇る杜氏の世界には、時代と共に変化が生まれています。そのなかのひとつが「オーナー杜氏」です。 オーナー杜氏とは、杜氏を雇うことなく、蔵元自らが杜氏となり酒造りをおこなう仕組みのこと。商品開発からプロモーションまで自らが手がけることで、唯一無二の個性を生み出す酒蔵も数多くみられます。 また、実務経験の長さにとらわれず、若い蔵人を杜氏に採用するケースも少なくありません。 2018年(平成30年)、「伯楽星(はくらくせい)」で知られる新澤醸造店(にいざわじょうぞうてん)では、入社3年目となる当時22歳の女性社員が杜氏に就任しました。 ほかにも「天美(てんび)」を造る長州酒造(ちょうしゅうしゅぞう)、「信州亀齢(きれい)」で知られる岡崎酒造など、各地で女性杜氏が活躍。 瀬戸内海で「富久長(ふくちょう)」を醸す今田酒造本店の今田美穂氏は、2020年、英国BBCが選ぶ世界に影響を与えた『100人の女性』に、日本人として唯一選出されています。 さらに、京都の玉川酒造では、国内初の外国人杜氏フィリップ・ハーパー氏が活躍。 多様性を見せる現代社会のように、各蔵でも年齢、性別、国籍を越えた酒造りがおこなわれています。 まとめ 日本酒造りの要ともいえる存在、杜氏。江戸幕府のお触れから始まった杜氏の歴史は、日本酒造りの歴史そのものといえるかもしれません。 今夜は美味しい日本酒に口をつけるその前に、ちょっとひと呼吸。杜氏をはじめとする蔵人たちや蔵元に、想いをはせてみてはいかがでしょうか。
世界中から愛される日本酒「梵(ぼん)」の種類・ラインナップを紹介
日本酒「梵(ぼん)」は、福井県から世界へと羽ばたくお酒です。世界各国で商品登録されているほか、数多くの大使館などに輸出されています。米と米麹のみで造る純米酒にこだわった味わいは、国内でも多くの日本酒ファンに愛されてきました。 今回は、梵の魅力を徹底解説!「梵ってどんなお酒?」「どうしてそんなに人気なの?」という疑問にお答えするべく、豊富なラインナップの数々もご紹介します。 1.「梵」とは 福井県鯖江の地で生まれ、世界でも広くその名が知られる日本酒「梵(ぼん)」。米と米麹のみで造られた透明感あふれる味わいは、世界各国で高く評価されています。梵ブランドを商品登録する国や地域は、およそ100以上。さらに、約70カ国の大使館や領事館にも輸出されています。 2022年(令和4年)にロンドンで開催された「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)」では、SAKE部門でゴールドメダルを受賞。ロサンゼルスの「国際ワイン・スピリッツコンペティション」では、最高賞となるベストオブクラスに輝きました。 梵が各界で高く評価される理由として挙げられるのが、和食はもちろん、洋食にもそっと寄り添う清らかな美味しさです。香りは上品で、口当たりはシルクのようになめらか。後口に残るやわらかな余韻が料理の味わいを引き立てます。 「飲みやすさ」と「本物の美味しさ」が共存した梵は、日本酒を飲み慣れない方にもおすすめの銘柄といえるでしょう。 2.梵を造る「加藤吉平商店」 梵を造る「加藤吉平商店(かとうきちべえしょうてん)」は、1860年(万延元年)から酒造りを始めた酒蔵です。当初「梵」の名は、最高級のお酒だけにつけられた名前だったといいます。1963年(昭和38年)には、すべてのお酒の名を梵に統一。国内外の式典やイベントでその名は広く知られることとなります。 加藤吉平商店が重視しているのは、添加物を加えない"純米酒"のみを手造りすることです。原料米には、酒米の王様といわれる「兵庫県特A地区産契約栽培山田錦」と「福井県産五百万石」が使用されています。クリアな味わいを生み出すため、米をなるべく小さく精米することもこだわりのひとつです。 米と並び、日本酒の味わいを大きく左右する水には、地下約184mからくみ上げた井戸水を使用。さらに、お酒をマイナスの温度帯でじっくり熟成することで、果実のように華やかな香りを引き出しています。 熟成期間は、長いもので10年以上にもおよぶそう。さらに、急激な温度変化を起こさないよう梱包も冷たい予冷庫でおこなうなど、美味しい日本酒を飲み手に届けるためのさまざまな創意工夫がなされています。 3.梵が造る日本酒の種類・ラインナップ 梵のラインナップには、米と米麹、水のみで造られた純米酒が並びます。なかでも、純米吟醸酒や純米大吟醸酒は、フルーティーな香りとクリアな飲み口を楽しめる銘柄です。 そのほか、季節のお酒やスパークリング酒、梵こだわりの長期氷温熟成酒も見逃せません。ここからは、26銘柄を一挙ご紹介します! 3-1.フランス製の木製樽でじっくり熟成「梵・天使のめざめ」 "パイナップル・すももちゃん酵母"という、かわいらしいネーミングの酵母を使用。さらに、フランス製の樫樽(かしだる)で氷温熟成させた甘酸っぱいお酒です。 樫樽は、本来ウイスキーやブランデーを熟成させる樽。梵を小さなグラスに入れて手のひらで包めば、魅惑的な香りと味わいが静かに目を覚まします。 (出店元:加藤吉平商店) 3-2.究極の純米大吟醸酒「梵・超吟」 原料米は、特に質が良いとされる「兵庫県特A地区」の山田錦。さらに、米を小さく精米し中心部分20%だけを使用した梵の代表銘柄です。気品あふれる香りとなめらかな口当たり、静かに続く伸びやかな余韻は、まさに美酒のひとこと。大切な席の乾杯にもふさわしい一品です。 (出店元:加藤吉平商店) 3-3. 燗酒で楽しむ上質な旨味「梵・団」 梵の味わいを燗酒で楽しみたいときはこちら。「団」と名付けられた純米大吟醸がおすすめです。温めるほどに立つ旨味は、出汁のきいた和食と好相性。なかでも、福井の冬の味覚、越前ガニとのペアリングはたまりません。精米歩合は20%と、米の外側を8割削りながら芳醇かつ上品な旨味を実現しています。 (出店元:加藤吉平商店) 3-4.人生の勝利者に捧げる一献「梵・夢は正夢」 日本酒の容量は4合(750ml)や1升(1800ml)が多いなか、こちらの梵は1L(1000ml)。ずっしり重たいその姿は、人生の勝利者(オンリーワン=1)をたたえるトロフィーを表しているといいます。 甘美な香りが鼻をくすぐるものの、味わいはしっとりとなめらか。夢の実現を願う1杯はもちろん、夢が叶った喜びに浸るお酒としてじっくり味わいたくなる美味しさです。 (出店元:加藤吉平商店) 3-5.日本政府専用機で世界へ「梵・日本の翼」 「日本の翼」と名付けられたこちらの梵は、日本政府専用機の正式機内酒に採用されたお酒です。精米歩合の異なる純米大吟醸を2種類ブレンドし、低温で約2年間熟成させています。 引っかかりのないスムースな飲み口と香り、後口のキレのバランスは実に絶妙。"Wing Of Japan"の名のとおり世界へ羽ばたき、多くの人を魅了した味わいをぜひ一度お試しください。 (出店元:加藤吉平商店) 3-6.梵のロングセラー「梵・極秘造大吟醸」 日本で初めて販売された純米大吟醸です。販売当初の精米歩合は40%。一粒の米を半分以上削って仕込むお酒は、当時の最高峰のクオリティでした。 透明感のある旨味と華やかな香りは、もちろん現在も健在。梵のロングセラー商品として多くの人々を魅了し続けています。 (出店元:加藤吉平商店) 3-7.福井のオリジナル酒米を使用「梵・さかほまれ 磨き三割五分」 原料米は山田錦と五百万石のみとしている加藤吉平商店が、福井県の新酒米「さかほまれ」を使って造り上げたお酒です。 さかほまれは、約8年の歳月をかけ開発された福井県独自の酒米。「梵・さかほまれ 磨き三割五分」の販売当初は、福井県内の酒蔵でさかほまれを使ったお酒がそろってリリースされました。ぜひ福井の名産品とあわせて、地元愛あふれる味わいを楽しんでみてください。 (出店元:加藤吉平商店) 3-8.気高く美しい味わいを「梵・寒椿」 ひんやり静かな雪景色のなか、凛と花開く一輪の椿。梵の「寒椿」は、そんな風景を思わせる気品あふれる味わいです。和風の外箱にお酒を包む和紙と、外装にも和の要素がたっぷり。日本酒を贈り物にするときにも、ぜひおすすめしたい銘柄です。 (出店元:加藤吉平商店) 3-9.芳醇旨口の味わいは好みの温度帯で「梵・特撰純米大吟醸」 梵の純米大吟醸の定番といえる1本です。0度以下で1~2年氷温熟成させたお酒がブレンドされています。 味わいはしっかりと輪郭のある芳醇旨口タイプ。香り高い純米大吟醸は冷たく冷やすことが多いものの、こちらの梵はぬる燗で味わうのもおすすめです。ぜひ、好みのおつまみを用意して楽しんでみてください。 (出店元:加藤吉平商店) 3-10.清涼な水のような美しさ「梵・地球」 「地球(ほし)」と名付けられた梵が目指したのは、地球にとって一番大切な「水」。スーッと喉を通り過ぎ体に染み渡る味わいは、まさに清涼な水のようです。 ブルーのボトルデザインは、過去に世界的なワインコンペティションでゴールドメダルを受賞。味わい、装いともに梵のセンスが光り輝く1本です。 (出店元:加藤吉平商店) 3-11.飲み飽きしない上質な味わい「梵・吉平」 屋号である「吉平(きちべえ)」と名付けられたこちらは、手間ひまかかる古来からの製法「生もと造り」で仕込まれています。 芳醇かつ繊細な味わいは、日々の食卓を彩るお酒にぴったり。飲み飽きせず、スイスイと盃が進みます。バターやチーズを使ったコクのある料理にあわせるのもおすすめです。 (出店元:加藤吉平商店) 3-12.季節にあわせて艶めく味わい「梵・艶」 ラベルに描かれているのは、七色にきらめく艶(つや)の文字。中に詰められているのは、マイナスの温度環境で約1年間熟成させたお酒です。 じっくりと寝かせたぶん、口当たりはマイルドで香りはおだやか。季節の料理にそっと寄り添う、やわらかな味わいを堪能できます。 (出店元:加藤吉平商店) 3-13.世界一の味わいを食卓に「梵・吟撰」 2010年の「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)」で、最高賞となる「チャンピオン・サケ」を受賞。そのほか、数々の名だたる賞に輝いた純米大吟醸です。 旨味がしっかり乗りつつ後口は爽やか。1本あたり1000円台と、求めやすい価格設定も魅力のひとつです。 (出店元:加藤吉平商店) 3-14.福井の酒米の魅力を堪能「梵・五百万石無濾過純米大吟醸」 地元福井が誇る酒米「五百万石」で造られた純米大吟醸です。搾りたてのお酒を、マイナス10度の超低温な環境で約1年間熟成させています。 火入れと呼ばれる加熱殺菌処理は、出荷前の1度だけ。フルーティーな香りとふくよかな旨味、スムースな飲み口を堪能できる一品です。 (出店元:加藤吉平商店) 3-15.無濾過で淡い黄金色の純米大吟醸酒「梵・ゴールド」 透明瓶におさめられているのは、薄黄金色の液体。金色に輝くラベルにボトルキャップと、華やかな見た目に心躍る1本です。 お酒が黄金色に色づいているのは、一般的におこなう「ろ過」をしていないから。鼻から喉へと抜ける清らかな香りと芳醇な旨味、やわらかな余韻をぜひ堪能してみてください。 (出店元:加藤吉平商店) 3-16.本格的な味わいを気軽に楽しめる「梵・純粋」 梵の美味しさを気軽に楽しめる飲み切りサイズの純米大吟醸です。中には、加熱処理をせず生のまま瓶詰し、0度以下で1年間熟成させたお酒が詰められています。「梵の味わいを試してみたい」「外出先で梵を美味しく味わいたい」というときにおすすめの商品です。 (出店元:加藤吉平商店) 3-17.乾杯シーンを華やかに彩る「梵・プレミアムスパークリング」 シュワッとした発泡感を楽しめるスパークリング酒です。精米歩合は20%と、厳選した米をより小さく精米し洗練された味わいを生み出しています。 お酒が詰められているのは、フランス製のシャンパン瓶。乾杯のシーンを華やかに彩る1本は、祝いの席やパーティーにおすすめです。 (出店元:加藤吉平商店) 3-18.フレッシュで飲みごたえのある逸品「梵・無ろ過生原酒」 「無ろ過生原酒」とは、ろ過や火入れ、加水をしていないお酒のこと。できたてそのままのフレッシュな味わいを堪能できる1本です。 瓶に詰められているのは、一番質がよいとされるお酒を搾る際の中間部分「中取り」。しっかりと飲みごたえのある美味しさと伸びやかな香りは、ぜひ適度に冷やしてお楽しみください。 (出店元:加藤吉平商店) 3-19.福井県産五百万石にこだわった生原酒「梵・五百万石 無濾過 生原酒」 福井県産の酒米「五百万石」を使用した無ろ過生原酒です。超低温環境でじっくりと寝かすことで、まろやかな旨味と豊かな香りを実現しています。山田錦を使った無ろ過生原酒と並べ、味の違いを楽しむのもおすすめです。 (出店元:加藤吉平商店) 3-20.うっすら白い活性生酒「梵・ささ雪(酒雪)」 うっすらと白く濁る、芳醇旨口タイプのお酒です。加熱殺菌処理をしていない生酒のため、シュワッとした微発泡感を楽しめます。口当たりなめらかで旨味はやわらか。梵らしい気品あふれる香りも存分に楽しめる、冬におすすめの1本です。 (出店元:加藤吉平商店) 3-21.搾りたての美味しさそのままに「梵の初雪しぼりたて山田錦」 梵は氷温熟成が基本となるなか、搾りたての新鮮な美味しさを楽しめる1本です。新酒が搾られる冬季限定でリリースされています。飲みごたえのある芳醇旨口タイプの味わいは、ロックのほか、ぬる燗で楽しむのもおすすめです。 (出店元:加藤吉平商店) 3-22.五百万石の旨味を感じる「梵の初雪しぼりたて五百万石」 五百万石の新米を小さく磨き、上品な香りを生み出した季節限定のお酒です。うっすらと白いにごり酒に仕上げられています。 さわやかな香りの後に広がるのは、五百万石の豊かな旨味。ぜひ、キリッと冷やして旨味と香りのハーモニーをお楽しみください。 (出店元:加藤吉平商店) 3-23.搾りたての旨さを封じ込めた原酒「梵・五百万石 無濾過 原酒」 キリッと冷やした冷酒はもちろん、ロックに燗酒と好みのスタイルで楽しめる純米吟醸です。加水調整していない原酒のため、しっかりとした旨味があり、どんな温度帯でも味のバランスが崩れることがありません。 意外なところでは、ライムを入れた日本酒カクテルもおすすめ。ぜひ、気軽に梵の美味しさを楽しんでみてください。 (出店元:加藤吉平商店) 3-24.和食にあわせたい豊かな味わい「梵・ときしらず」 和食好き、日本酒好きに愛される梵の銘品です。氷温熟成させたお酒をブレンドし、奥深い味と香りを実現しています。まろやかな口当たりとこっくりした味わいは、燗酒好きにもおすすめ。ぜひ、湯気から立ち上る米の旨味を堪能してみてください。 (出店元:加藤吉平商店) 3-25.1日の終わりに燗で楽しみたい「梵・純米55」 燗酒好きにおすすめしたい梵といえばこちら「純米55」です。しっかりとしたコクがありつつ、後味はスパッとキレよく、温度が上がるほど魅力的な旨味を放ちます。求めやすい価格設定で1升瓶も販売されているため、自宅に美味しい日本酒をキープしておきたいという方にうれしい商品です。 (出店元:加藤吉平商店) 3-26.秋の味覚と相性ばつぐん「梵・純米吟醸 ひやおろし」 「ひやおろし」とは、冬に搾ってからひと夏寝かし、秋に出荷するお酒のこと。梵のひやおろしは、氷温熟成させることで品のある香りと奥深い味わいを生み出しています。 芳醇旨口タイプのひやおろしは、旨味たっぷりの秋の味覚とも好相性。燗酒にしてしっとり楽しみたくなる豊かな味わいです。 (出店元:加藤吉平商店) まとめ 日本を飛び出し、世界各国で愛される日本酒「梵」。その味わいには、日本の文化ともいえる米へのこだわりと地元福井県への愛情があふれています。 日常酒として楽しめる1本から贈答用にふさわしい1本まで、幅広いラインナップも魅力のひとつ。ぜひ、思い思いのスタイルで世界が認めたJapaneseSake「梵」の味わいを楽しんでみてください。
日本酒のラベルから何がわかるの?日本酒のラベルの見方・読み方を解説!
おしゃれだったり、かっこよかったり、多種多様なデザインが施された日本酒のラベル。実は、そのなかにさまざまな情報が隠されているのをご存じでしょうか? 日本酒好きのなかには、ラベルの情報をもとにお酒を選ぶという人も。今回は、日本酒のラベルの読み方について詳しくお伝えします! 「ラベルをコレクションしたい」という方におすすめの、ラベルの剥がし方もぜひチェックしてみてくださいね。 1.ラベルに必ず記載されている項目 日本酒のラベルには、「必ず記載する項目」と「任意で記載する項目」があります。酒類業組合法で記載が義務付けられているのは、以下のような項目です。 酒類の品目 原材料名 製造時期(製造年月または製造年月日) 原産国名、外国産清酒を使用したものの表示 保存又は飲用上の注意事項 製造者の氏名または名称、製造場の所在地 容器の容量 アルコール分 その他 これらが書かれた日本酒のラベルは、いわばお酒のプロフィールともいえるもの。まずは、必ず記載されている項目についてチェックしていきましょう。 1-1.酒類の品目 ラベルでまず目に入るのが、酒類の品目です。品目欄には、「清酒」または「日本酒」と表示されています。 ただし、どのようなお酒でも清酒や日本酒を名乗れるわけではありません。酒税法では、以下の条件をクリアするものが日本酒と定義されています。 必ず米、米麹を使用すること 必ずこすこと アルコール分が22度未満であること 条件にある「こす」とは、醪(もろみ)を搾り、液体と固体に分ける工程のことです。日本酒は、米と米麹、水を発酵させた醪を搾って造られます。 そのため、搾らずに仕上げる「どぶろく」などは、清酒または日本酒と表示することはできません。 ほかにも、使用する醸造アルコールや糖類などの重量が、米の重量の50%を超えた場合も日本酒、清酒と表示できないことになっています。 「これは日本酒です!」と名乗って販売するためには、さまざまな条件をクリアする必要があるということですね。 1-2.原材料名 ラベルの原材料名は、使用する量が多い順に表示されています。これは日本酒に限ったことではなく、すべての食品ラベルに通ずる基本的なルールです。 前述したように、日本酒の主原料は米と米麹です。さらに、醸造アルコールを添加した日本酒のラベルには「米・米麹・醸造アルコール」の順で原材料名が表示されます。 また、純米酒や純米吟醸といった「特定名称酒(とくていめいしょうしゅ)」を名乗るお酒の場合は、原材料名のそばに「精米歩合 〇%」と米をどれだけ精米しているかわかる数値を表示します。 1-3.製造時期(製造年月または製造年月日) 食料品のラベルでは、製造年月日や賞味期限をチェックする人も多いのではないでしょうか。 実は日本酒は、賞味期限の表示義務がないお酒。代わりに、ラベルには「製造時期」が記されています。 製造時期とは、日本酒を瓶に詰めた日、または日にちのこと。ちなみに「〇年貯蔵」など貯蔵期間を表示するお酒の場合は、瓶に詰めた年月日だけでなく、製造場から移出した時期の表示も必要です。 1-4.原産国名 海外から輸入された日本酒の場合は、原産国名を表示する必要があります。また、国内産と外国産両方を使用して製造した場合は、外国産清酒の原産国名と使用割合を表示しなくてはいけません。 「海外から日本酒を輸入?」とふしぎに感じるかもしれませんが、近年は海外でも美味しい日本酒が造られています。 “日本酒を世界酒に”をコンセプトにかかげる「WAKAZE(わかぜ)」は、フランス・パリに日本酒の醸造所を持ち、東京・三軒茶屋でどぶろくを造る酒造メーカー。 また、同じくフランスの「昇涙酒造(しょうるいしゅぞう)」では、鳥取で酒造りを学んだフランス人の蔵元がこだわりの日本酒を生み出しています。 1-4.保存又は飲用上の注意事項 「生酒」と呼ばれる加熱殺菌処理をしていないお酒は「なるべく冷暗所に保管し、開栓後は早めにお召し上がりください」など、保存時の注意点を表示する必要があります。 日本酒は賞味期限の表示義務がないお酒ですが、ラベルには美味しく飲むためのトリセツが書かれていることも覚えておきたいですね。 1-5.製造者の氏名または名称、製造場の所在地 ラベルには、お酒を造った人または蔵の名前や、造られた場所の表示が義務付けられています。美味しい日本酒を飲んで「どこでできたの?誰が造っているの?」と気になったときは、ぜひラベルをチェックしてみてください。 1-6.容器の容量 日本酒の容器の容量は、四合(720ml)と一升(1800ml)が一般的です。また、近年は300~360ml容量の飲み切りサイズも多く販売されています。ちなみに、ラベルに表示する文字の大きさも、容量や文字数にあわせて細かく規定されているんですよ。 1-7.アルコール分 日本酒は、製造工程で水を加えアルコール度数を15~16%に調整します。「原酒」と呼ばれる加水調整しない日本酒の場合は、アルコール度数が18%以上になることも珍しくありません。 日本酒を飲み慣れない方や、度数の高さが不安という方は、ラベルのアルコール分をチェックしてみてください。近年は、アルコール度数をおさえた「低アルコール日本酒」も続々と登場しています。 度数が高い飲みごたえがある原酒であれば、ロックスタイルで楽しむのもおすすめですよ。 1-8.その他 「お酒は二十歳になってから」「未成年の飲酒は法律で禁止されています」といった表記。実は、こういった未成年飲酒防止に関する文言も、表示が義務付けられている項目なんです。 お酒によっては「妊娠中、授乳中の飲酒はお控えください」「美味しく楽しく健康に」など、蔵独自の注釈も確認することができますよ。 2.酒蔵によって任意で記載する項目 日本酒のラベルに表示される項目には、酒蔵によって任意で記載されているものもあります。日本酒の味わいを知るヒントになるため、ぜひ必要事項とあわせてチェックしてみてください。 2-1.特定名称酒 特定名称酒とは、純米酒や大吟醸といった、原料と製法で分類された呼び名のことです。日本酒のラベルでよく見る表示ですが、記載するしないの判断は酒蔵に任されています。 酒蔵によっては「スペックで味わいを判断しないで」との思いから、あえて特定名称酒を表示しないことがあります。 2-2.成分表記 日本酒の繊細な味わいは、さまざまな成分が複雑に絡み合うことで生まれます。ラベルによっては、以下のような成分表記でお酒のおおまかな味わいをイメージすることができます。 酵母 日本酒は、酵母によって味や香りが複雑に変化します。そのため、使用する酵母は蔵のこだわりが色濃く表れる部分です。 また、福島県の「うつくしま夢酵母」、岩手県の「ジョバンニの調べ」など、各県ではオリジナル酵母の開発が進んでいます。酒米の種類はもちろん、酵母に着目してお酒を選んでみるのもおもしろいですよ。 日本酒度 日本酒度は、お酒の甘辛度合いを示す指標のひとつです。「+」と「-」で表記され。数値がプラスになるほどキリッとした辛口のお酒、マイナスになるほど甘口のお酒とされています。 酸度 酸度は、日本酒に酸味や旨味をもたらす有機酸の量をあらわす数値です。日本酒度が同じお酒でも、酸度が高ければ濃醇で辛く、低ければ甘く端麗な味わいに感じられます。 アミノ酸度 アミノ酸度は、お酒に旨味やコクをもたらすアミノ酸の量をあらわしています。アミノ酸度が高いお酒は、濃醇な味わいに仕上がるのが特徴です。反対に、アミノ酸が低いお酒はスッキリとした淡麗な味わいに仕上がります。 3.記載してはいけない情報はある? 日本酒のラベルには、次のような3つの項目は表示することはできません。 品質や製法が「最高」「第一」「代表」など最上級を意味する用語 官公庁御用達またはこれに似た用語 特定名称酒以外のお酒に用いる特定名称に似た用語 例えば「3」に関しては、特定名称“純米酒”の規格を満たしていないにもかかわらず“米だけのお酒”と似た用語を用いるのはNGということになります。 この場合、消費者に誤解を与えないよう「特定名称酒には該当しません」という追加の説明表示が必要です。 4.日本酒のラベルの剥がし方と保存方法 個性あふれる日本酒のラベル。お気に入りのものはとっておきたい!という方も多いのではないでしょうか。ここでは、日本酒のラベルの剥がし方と保存方法をご紹介します。 4-1.日本酒のラベルの剥がし方 1)お湯に浸ける いちばん手軽で確実な方法です。日本酒のラベルの多くは、一定時間お湯に浸けることでスルリと剥がれます。 おすすめは、お風呂のお湯の中。大きな瓶を浸けおきたいときも場所を取りません。瓶が複数あっても一度に浸けおきできます。剥がしたラベルは、接着面を上にした状態でタオルなどに置いて乾かしてくださいね。 2)シール剥がしを使う 市販のシール剥がし液や専用スプレーを使うのもひとつの方法です。一定の手間や時間を要するものの、ラベルを濡らさずに剥がすことができます。 3)ドライヤーで温める ラベルを霧吹きなどで軽く濡らし、ドライヤーで温めると徐々に剥がすことができます。一定の時間を要するほか、瓶が熱くなることがあるため作業時は十分に気を付けてください。 4-2.ラベルの保存方法 剥がしたラベルは、画用紙やノートなどに貼って保存するのがおすすめです。お気に入りのラベルであれば、そのままフレームに入れて飾るのも良いですね。飲んだ日の日付や味などをメモすれば、お酒の思い出もそのまま保存することができますよ。 まとめ 日本酒のラベルには、どんな人がどこで造ったお酒なのかという大切な情報が記されています。日本酒を飲み慣れない方は、ラベルのアルコール度数を目安にお酒を選ぶのもおすすめです。 また、成分表記があれば、味をイメージするひとつの目安になります。ぜひ、お酒を彩るラベルにも注目しながら、日本酒選びを楽しんでみてくださいね。
七号酵母の発祥となった蔵が造る日本酒「真澄」の種類・ラインナップを紹介
「真澄(ますみ)」は、信州を代表する日本酒です。醸造元は、「七号酵母」と呼ばれる酵母の発祥蔵でもあります。 江戸時代からの伝統を誇る真澄は、新しい定番酒を皮切りにブランドコンセプトを一新。今回は、「上質な食中酒」を目指して造られるラインナップの数々を紹介します! 飲みやすい低アルコールタイプからこだわりの本格派まで、真澄が自信をもっておくるお酒の数々、ぜひチェックしてみてくださいね。 1.「真澄」とは 「真澄(ますみ)」は、食事に寄り添う上質な食中酒として知られる日本酒です。原材料には、地元長野県産の“美山錦(みやまにしき)” や“ひとごこち” を中心に、厳選した兵庫県産の酒米を使用しています。 真澄のなめらかな味わいを生み出すキーとなるのが、信州の山々から流れる伏流水。仕込み水に使われるのは、八ヶ岳や南アルプルの地層をゆっくりとくぐり抜け、地表へと流れ出た天然水です。 国内の全国新酒鑑評会から海外のコンペティションまで、真澄の輝かしい受賞歴は数えきれないほど。 人、自然、そして時を結ぶことをテーマにしている真澄は、日本酒が料理とあわせて美味しいお酒であることや、誰かと酌み交わすお酒の喜びを飲み手へと伝えてくれます。 2.真澄を造る「宮坂醸造」とは 真澄を造る「宮坂醸造(みやさかじょうぞう)」は、長野県諏訪市に位置する酒蔵です。創業は江戸時代にあたる1662年(寛文2年)。以来、350年以上もの間その伝統は受け継がれてきました。 今では世界へとその名が知られる真澄も、大正時代には廃業の危機を迎えていたそう。そんななか、酒蔵の革命に売って出たのが蔵を任された宮坂 勝氏です。 勝氏は大胆にも熟練の職人を退職させ、自分と同年代の若き職人を杜氏に抜擢。公共交通機関が発展していなかった時代に2人で全国の酒蔵を巡り、酒造りの水準を向上させていきます。 やがて努力が実を結び、1943年(昭和18年)には、全国新酒鑑評会で真澄が1位から3位を独占。真澄の名は、名実ともに全国へと広がっていきました。 七号酵母を生んだ蔵 上質な酒を生み出す真澄は、「七号酵母」の発祥蔵として知られています。 酵母とは、米や水、米麹とともに、日本酒造りに欠かすことができない要素。日本酒の味や香りに大きく影響し、さまざまな種類があります。 真澄の酵母が「七号」と名付けられたのは、1946年(昭和21年)のこと。真澄の品質の良さに着目し、蔵を調査した研究者の手により、新酒の酵母「七号酵母」は発見されました。現在も、七号酵母(協会七号酵母)は日本醸造協会によって全国の酒蔵へと頒布されています。 https://sake-5.jp/role-and-types-of-yeast/ 3.真澄の銘柄の種類は大きく分けて5つ 真澄のラインナップは、大きく次の5つに分かれます。 昔ながらの真澄 こだわりの真澄 極上の真 泡を楽しむ真澄 季節の真澄 宮坂醸造では、2019年(令和元年)に七号酵母への原点回帰を決意。酒蔵から新たに酵母を採取し、選抜を重ねたうえで優良酵母「七号系自社株酵母」を発見しました。ラインナップの数々にも、新たな真澄の個性を生み出すこの酵母が使用されています。 3-1.昔ながらの真澄 「昔ながらの真澄」は、古くから愛され続けてきた真澄の定番酒です。祭りで、祝いの席で…信州の人々の間で酌み交わされてきた伝統の味わいが活きています。 3-2.こだわりの真澄 「上質な食中酒」というブランドコンセプトを明確にした「こだわりの真澄」。海外の方が色で自分の好みを見つけられるよう、ラベルには日本の伝統色が採用されています。 3-3.極上の真澄 「極上の真澄」が目指すのは、究極の食中酒です。醪(もろみ)の入った袋をからこぼれる雫を集めた“袋吊り”のお酒や、お酒を搾る際にもっとも美味しいといわれる“中取り部分”を集めた銘柄が並びます。 3-4.泡を楽しむ真澄 乾杯のシーンにも、真澄の味わいを。「泡を楽しむ真澄」は、シュワシュワと泡立つスパークリング酒です。アルコール度数は低めに設定され、日本酒を飲み慣れない方も気軽に真澄の美味しさを楽しめます。 3-5.季節の真澄 新酒が出る冬から春、夏、秋と、1年をかけ4本リリースされる「季節の真澄」。季節のうつろいとともに変化する自然のように、表情を変える味わいを堪能できます。 4.昔ながらの真澄の種類・ラインナップ 4-1.真澄 辛口生一本 時代に合わせ改良が重ねられ、進化し続けてきた定番辛口酒です。華やかな香りとやわらかな甘味、ドライな味わいが共存しています。苦みが美味しい鮎の塩焼きやフキノトウの天ぷら、ハーブを使った料理とも相性のよいお酒です。 (出典元:宮坂醸造株式会社) 4-2.真澄 奥伝寒造り 米と米麹のみで仕込まれた、豊かな味わいの純米酒です。原料米には、長野県産の3種の酒米が使用されています。燗酒にして盃に注げば、米の甘い香りがふんわりと。信州味噌や醤油を使った料理にもおすすめの銘柄です。 (出典元:宮坂醸造株式会社) 4-3.真澄 YAWARAKA TYPE-1 アルコール度数は12度と、低アルコールタイプの日本酒です。日本酒を飲み慣れない方が手に取りやすいよう、ラベルはスタイリッシュなデザインに仕上げられています。さわやかな香りとライトな飲み口は、上質な白ワインを思わせるよう。カジュアルなシーンでも活躍する上質な1本です。 (出典元:宮坂醸造株式会社) 5.こだわりの真澄の種類・ラインナップ 5-1.真澄 真朱(AKA) 「山廃(やまはい)」と呼ばれる、自然の乳酸菌の力を借りる製法で生まれたお酒です。複雑かつ繊細な、滋味深い味わいを堪能できます。スルメやカラスミ、イカの塩辛といった酒の肴と好相性。意外なところでは、チーズを使った洋食と合わせるのもおすすめです。 (出典元:宮坂醸造株式会社) 5-2.真澄 漆黒(KURO) 冷酒から燗酒まで、幅広い温度帯で実力を発揮する「漆黒(KURO)」。日常のお惣菜からハレの日の料理まで、合わせる料理を選びません。「4つのなかで迷ったらまずはコレ」とおすすめしたい、こだわりの真澄です。 (出典元:宮坂醸造株式会社) 5-3.真澄 白妙(SHIRO) 白妙(しろたえ)とは、樹木の皮の繊維で織った白い布のこと。軽やかでやさしい口当たりは、なめらかな布の手触りを思わせるようです。アルコール度数は12度と飲みやすく、繊細な味わいの和食にもよく合います。 (出典元:宮坂醸造株式会社) 5-4.真澄 茅色(KAYA) あえて精米する度合いを抑えた信州米を使用。おだやかな香りのなかで、芳醇な旨味がじわっと広がる純米酒です。焼き魚やブリ大根、肉じゃがなど、ご飯におかずを合わせるイメージでお酒のおともを選んでみてください。 (出典元:宮坂醸造株式会社) 6.極上の真澄の種類・ラインナップ 6-1.真澄 夢殿(ゆめどの) 精米歩合(せいまいぶあい)は35%と、小さく磨き上げた酒米を使用。ていねいに仕込んだ醪(もろみ)を袋で吊るし、こぼれる雫を集めた日本酒です。白い花を思わせる上品な香りを持ち、味わいはどこまでもクリアでのびやか。明治から受け継がれてきた、真澄最高峰の銘柄です。 (出典元:宮坂醸造株式会社) 6-2.真澄 七號(ななごう) 長野県木島平村産の特別栽培米“金紋錦”を原料に、七号系自社株酵母で仕込んだ「七號(ななごう)」。さらに、昔ながらの山廃づくりを採用し、信州真澄ならではの味わいを生み出しています。心地よい旨味の余韻が続く、贈答用にもおすすめの銘柄です。 (出典元:宮坂醸造株式会社) 6-3.真澄 山花(さんか) 山花(さんか)がイメージしているのは、八ヶ岳に咲く可憐な野の花々たち。グラスの口からは、飲み手を野山へいざなうような爽やかで品のよい香りが広がります。淡白な味わいの和食に合わせるほか、ワイングラスに注いで洋食と合わせても◎。海外からも高い支持を得ている銘柄です。 (出典元:宮坂醸造株式会社) 7.泡を楽しむ真澄 7-1.真澄 スパークリング 乾杯のシーンを華やかに彩る「真澄 スパークリング」。甘さを控えたスッキリした味わいは、日本酒ラバーはもちろん日本酒ビギナーにもおすすめです。泡酒になっても真澄の本質は変わらず、和食から洋食まで料理にあわせる食中酒として楽しめます。 (出典元:宮坂醸造株式会社) 7-2.真澄 スパークリング Origarami 「おりがらみ」とは、お酒を搾ったときに出る固形物、滓(おり)をあえて残した日本酒のこと。スパークリング酒の爽快感はそのままに、ほんのりとクリーミーな風味を楽しめます。乾杯の1杯はもちろん、デザート酒にもおすすめの銘柄です。 (出典元:宮坂醸造株式会社) 7-3.真澄...
日本酒造りにかかせない「麹菌」とは?麹菌の役割について解説!
麹菌は、日本酒造りに欠かせないカビの一種です。日本酒の原料である「米麹(こめこうじ)」は、蒸した米に種麹(たねこうじ)を振りかけ、麹菌を繁殖させて造ります。 おいしい日本酒ができあがるのも、目に見えない麹菌の活躍があるからこそ。今回は、麹菌の種類や日本酒造りに必要な理由について詳しくお伝えします。 1.麹菌とは? 麹菌(こうじきん、きくきん)とは、自然界に多くみられるカビの一種です。麹カビ菌、とも呼ばれます。 胞子の大きさは、3~10マイクロメートルほど。1マイクロメートルが、1ミリの1000分の1の長さであることを考えると、その小ささがよくわかるのではないでしょうか。 麹菌はそのまま使うのではなく、「麹(こうじ)」として用いられます。麹とは、米や麦に麹菌を繁殖させたものです。 日本酒造りには、蒸した米に麹菌を繁殖させた「米麹(こめこうじ)」を使用します。 1-1.麹菌の主な種類 麹菌にはさまざまな種類があり、お酒造りには主に「黄麹菌」、「黒麹菌」、「白麹菌」などが用いられます。それぞれに特性が異なり、お酒の味わいが大きく変化するのが特徴です。 黄麹菌 (アスペルギルス・オリゼ/Aspergillus oryzae) 日本酒造りに使用される代表的な麹菌です。黄麹菌が繁殖した米は、黄色や黄緑色に変化します。米のデンプンを糖へと変える「糖化力」の高さが特徴です。 黒麹菌 (アスペルギルス・リュウキュウエンシス/Aspergillus luchuensis) 名前に「琉球(りゅうきゅう)」とあるように、沖縄の泡盛醸造に用いられてきた麹菌です。糖化力が高く、酸味成分のクエン酸を大量に生成します。菌が繁殖すると、黒色の麹ができあがります。 白麹菌 (アスペルギルス・カワチ/Aspergillus kawachii) 発見者の河内源一郎 氏にちなみ「カワチ」と名付けられています。特性は黒麹菌と似ていますが、麹が黒く色付くことはありません。近年は日本酒造りに用いられることも多く、個性的な酸味を生み出します。 1-2.麹菌から生まれる食品 麹菌は、日本酒や味噌、醤油といった発酵食品に用いられます。米に繁殖させた米麹、麦に繁殖させた麦麹が生み出す食品は、実にさまざまです。 例えば、味噌は大豆と麹、塩を原料に作られます。米麹を使ったものが米味噌、麦麹を使ったものが麦味噌です。 また、麹菌が生息できるのは、温暖多湿な日本だけといわれています。国を代表する「国菌」にも認定されている麹菌は、日本の発酵文化に欠かせない存在といえるでしょう。 1-3.日本酒造りで重要な役割をもつ「種麹」 種麹(たねこうじ)は、麹菌を培養し、胞子が定着した米を乾燥させたものです。日本酒造りでは、米麹を造る際に用いられます。 蒸した米にハラハラと種麹を振りかける様子は、まさに種をまいているかのよう。種麹は「種もやし」とも呼ばれ、多くの酒蔵が専門業者から購入して使用します。 平安時代末期から室町時代、種麹を製造できたのは、朝廷や幕府から認められた専門業者のみだったそう。国内の数少ない種麹屋のなかには、300年から600年以上の歴史を持つ老舗業者も存在します。 2.日本酒造りに麹菌が必要な理由 日本酒造りに麹菌が必要な理由には、以下の2点が挙げられます。 米のデンプンを糖化させる 日本酒の香りやコクを引き出す デンプンの糖化は、お酒造りに欠かせないアルコール発酵に必要な要素です。また、麹菌はお酒の香りや味わいにも大きく作用します。米と米麹から日本酒ができる仕組みとあわせ、それぞれの理由を深掘りしていきましょう。 2-1.米のデンプンを糖化させる 日本酒造りにおける「糖化」とは、米のデンプンを糖類へと変化させることです。 日本酒の主原料は米ですが、米を水に浸けておくだけではお酒はできません。アルコール発酵でお酒を造るためには、「糖類」が必要です。 ところが、米の主成分はデンプンで、アルコール発酵に必要な糖類はほとんど含まれていません。 ここで登場するのが、麹菌のもつ「糖化酵素」です。糖化酵素には、米のデンプンを糖類へと変化させる働きがあります。 ご飯を噛んでいると、だんだんと甘く感じられたことはないでしょうか?これは、唾液中の酵素がご飯のデンプンを糖類へと変えるためです。日本酒のはじまりは、米を噛んで造った口噛み酒だといわれています。 日本酒造りでは、麹菌の力で米のデンプンを糖類へと糖化させます。さらに、酵母の働きでアルコール発酵を促していくというわけです。 2-2.日本酒の香りやコクを引き出す 麹菌のもうひとつの役割は、日本酒の香りやコクを引き出すことです。麹菌のもつ「プロテアーゼ」という酵素は、米のタンパク質を分解し、アミノ酸やペプチドなどを生成します。 アミノ酸やペプチドは、コクや旨味のもととなる成分です。また、麹由来の豊かな香りも生み出します。 3.麹菌を繁殖させる「製麹」ってどんな作業? 蒸した米に麹菌を繁殖させ、米麹を造る作業を「製麹(せいぎく)」と呼びます。 昔から「一麹、二酛、三造り(いちこうじ、にもと、さんつくり)」というほど、製麹は重要な工程です。米麹のできがお酒の品質に大きく影響するといわれています。 3-1.高温多湿な麹室でおこなう製麹 麹菌を繁殖させるため、製麹は高温多湿の環境でおこなわれます。使用するのは、温度約32~38℃、湿度60~70%に保たれた麹室(こうじむろ)と呼ばれる部屋です。工程は「床作業(とこさぎょう)」と「棚作業(たなさぎょう)」にわかれます。 床作業 床作業の目的は、蒸した米に麹菌を繁殖させることです。床(とこ)と呼ばれる台一面に蒸米を広げ、種麹の胞子をパラパラと振りかける「種付け」をおこないます。 その後、胞子が均一になるように全体を混ぜ、何回かにわけて固まりをほぐしてから、一定量ずつ木箱に移していきます。 棚作業 床作業の後は、棚作業に移ります。麹菌を繁殖させるとともに、酵素の生成を促す工程です。 蒸米を木箱に移してから数時間すると、蒸米の温度が34~36℃まで上昇します。この段階でおこなわれるのが仲仕事(なかしごと)と呼ばれる作業です。蒸米を攪拌し、急激な温度上昇を防ぎながら温度を均一にします。 その後、蒸米の温度はさらに上昇するため、蒸米を広げて溝を作る仕舞仕事(しまいしごと)をおこないます。 最後は麹室から蒸米を出し、温度を下げると米麹の完成です。質の良い麹を造るため、棚作業では、慎重な温度管理が求められます。 3-2.麹は「総破精型麹」と「突き破精型麹」の2種類 できあがった麹は、麹菌の繁殖度合いで「総破精型(そうはぜがたこうじ)」と「突き破精型(つきはぜがたこうじ)」の2つに分類されます。 総破精型麹は、菌糸が米の表面を覆いつくし、米の内部まで菌が繁殖した状態です。糖化力が強く溶けやすいため、濃醇な味わいのお酒に仕上がります。しっかりとした旨味が感じられる純米酒などに用いられる麹です。 突き破精型麹は、内部まで菌糸が繁殖しているものの、表面の菌糸の繁殖はまばらな状態です。糖化力が弱く、吟醸酒のように香り高く端麗な味わいのお酒に用いられます。 まとめ 日本酒は、目に見えない微生物の力で生まれるお酒です。麹菌は日本酒の発酵だけでなく、味や香りにも深い関係があります。 微生物の力で、白い醪(もろみ)がぷくぷくと発酵する様子は生き物のよう。日本に古くから伝わる麹や日本酒の文化に想いをはせながら、おいしい日本酒を楽しんでみてはいかがでしょうか。
信州のお米と名水から生まれる日本酒「信州亀齢」の種類・ラインナップを紹介!
「信州亀齢(しんしゅうきれい)」は、長野県上田市で造られている日本酒です。きれいの響きのとおり、澄み切った美しい味わいは、全国に亀齢ファンを増やし続けています。 信州亀齢のラインナップに並ぶのは、“ひとごこち” や“山恵錦”など、長野生まれの酒米で造ったお酒の数々。今回は、その魅力についてたっぷりとお伝えします! 「信州亀齢がお気に入り!」という方はもちろん「名前は知っているけど未体験」という方も、ぜひチェックしてみてくださいね。 1.「信州亀齢(しんしゅうきれい)」とは 「信州亀齢(しんしゅうきれい)」は、長野県上田市の岡崎酒造が造る日本酒です。原料となるのは、長野県産の酒米“美山錦(みやまにしき)”や“ひとごこち”。米をお酒へと変える酵母(こうぼ)には、350年余り蔵に住みつく“住み付き酵母”が使用されています。 また、体にすっと染み渡るきれいな酒質を生み出すのが、アルプスの山々から伝え流れる信州の名水。芳醇でありながらすっきりとキレが良く、唯一無二の味わいを生み出しています。 適度に冷やせば、信州名物・信州そばとも好相性。春先のほろ苦い山菜料理にもよく合います。燗酒にし、野沢菜漬けや味噌を使った料理とあわせても、スイスイと盃が進むお酒です。 2.信州亀齢を造る「岡崎酒造」 岡崎酒造で信州亀齢が生まれたのは、1665年(寛文5年)のこと。現在も蔵には、当時の酒造りの道具や書物が残されています。 岡崎酒造が大切にしているのは、信州の自然を基調とした酒造りです。上田市の北東部に位置し「日本の棚田百選」にも選ばれた稲倉の棚田では、自ら酒米栽培を手がけています。 信州の豊かな自然のなか、2003年(平成15年)から杜氏を務めているのは、国内でも数少ない女性杜氏・岡崎美都里氏。2022年(令和4年)には、美都里氏の姉である漫画家・おかざき真理氏がラベルを描いた『信州亀齢 真理ラベル』が販売され、多くのファンを魅了しました。 また、酒蔵のある柳町には江戸時代の風情が残り、蕎麦屋や味噌の直売所が立ち並ぶなど、観光地としても賑わいをみせています。 https://sake-5.jp/shinshu-kirei-mari-label/ 3.純米酒の種類・ラインナップ 純米酒とは、米と米麹を原料に造られる日本酒のことです。信州亀齢では、長野県産の“ひとごこち”を使った純米酒が製造されています。 3-1.信州亀齢 ひとごこち 純米酒 “ひとごこち”は、1994年(平成6年)に長野県で誕生した酒米です。純米酒には、長野県産の“ひとごこち”を100%使用。ふくよかな旨味がありつつ、キレのよい辛口酒は料理にもよく合います。ご飯におかずを合わせるように、美味しいおつまみと一緒に楽しんでみてください。 (出典元:岡崎酒造) 4.純米吟醸の種類・ラインナップ 純米吟醸は、より小さく精米した米を使用し、吟醸造りと呼ばれる製法で造られるお酒です。岡崎酒造では3種の酒米を使用し、それぞれの個性を活かした純米吟醸を造り上げています。 4-1.信州亀齢 山田錦 純米吟醸 無濾過生原酒 高級酒米“山田錦”を使用した純米吟醸です。「無濾過生原酒」とは、ろ過や加水調整、加熱殺菌処理をしていない、ありのままのお酒のこと。“山田錦”が持つ上品な香り、スムースな飲み口が際立っています。 (出典元:岡崎酒造) 4-2.信州亀齢 ひとごこち 純米吟醸 無濾過生原酒 味のふくらみがありつつ、淡麗でするする飲める。“ひとごこち” の魅力がたっぷりと詰まった純米吟醸です。生原酒ならではのフレッシュな香りも堪能できます。 (出典元:岡崎酒造) 4-3.美山錦 純米吟醸 無濾過生原酒 “美山錦”は、寒い地域での栽培に適した酒米です。長野産“美山錦”を使った信州亀齢の純米吟醸は、上品な香りがほんのりと漂います。スッと静かに消えていく後口のバランスに優れたお酒です。 (出典元:岡崎酒造) 5.大吟醸、純米大吟醸の種類・ラインナップ 大吟醸、純米大吟醸は、米の外側を半分以上削り中心部分のみをぜいたくに使用したお酒です。信州亀齢では、スペック、味わいともに贈答用にも好まれるラインナップが並びます。 5-1.信州亀齢 山田錦 大吟醸 精米歩合(せいまいぶあい)は39%。米の外側を6割以上磨き、小さく光る山田錦を使って仕込んだ大吟醸です。ラベルの色から「金色亀ラベル」とも呼ばれています。透明感があり、のびやかな旨味を楽しめる至福の1本です。 (出典元:岡崎酒造) 5-2.信州亀齢 美山錦 純米大吟醸 信州亀齢の最高峰ともいえる1本。長野県産“美山錦”を39%まで磨き、手仕事でていねいに仕込まれています。開栓するとふわっと立ち上るのは、心地よい華やかな香り。信州の自然の美、亀齢の美しい味わいを存分に感じられる銘柄です。 (出典元:岡崎酒造) 6.特別限定商品の種類・ラインナップ 季節を感じる夏酒や、長野の自然が生み出すこだわりの信州亀齢も見逃せません。なかには数量限定の商品もあります。亀齢ファンが心待ちにする1本を、ぜひチェックしてみてください。 6-1.信州亀齢 夏の純吟 ひとごこち スッキリ爽やかな味わいの夏の純米吟醸です。アルコール度数は低めに設定され、ライトな飲み口を楽しめます。暑い夏の日や夕暮れに、スッと体に染みわたる美味しさです。 (出典元:岡崎酒造) 6-2.信州亀齢 稲倉の棚田産 ひとごこち 岡崎酒造が自ら栽培した“ひとごこち”から生まれたお酒です。太陽の光をたっぷりと浴び、清らかな水で育った米の旨味が詰められています。 米から生まれる酒、日本酒の魅力を改めて実感できる1本です。 (出典元:岡崎酒造) 6-3.信州亀齢 稲倉の棚田産 ひとごこち 純米吟醸...
にごり酒とはどんなお酒?どぶろくとの違いは?にごり酒の種類や楽しみ方も解説!
「にごり酒」とは、その名のとおり白くにごった日本酒のことです。おいしく飲みながら「なんで白いの?」「どぶろくもにごり酒?」と、疑問に感じたことはないでしょうか。 今回は、にごり酒の特徴や種類を詳しく解説します。おすすめの飲み方や相性のいいおつまみなど、ぜひにごり酒を楽しむときの参考にしてください。 1.にごり酒とはどんなお酒? にごり酒とは、目の粗い布などで搾った日本酒のことです。見た目は白く濁り、濃厚な味わいを楽しめます。 同じように、どぶろくも白く濁ったお酒です。しかし、にごり酒とは酒税法上の扱いが異なります。まずは、にごり酒の特徴や、どぶろくや甘酒との違いをみていきましょう。 1-1.にごり酒とは 日本酒は、醪(もろみ)を搾ることで生まれるお酒です。醪とは、米や米麹、酒母(しゅぼ)などを発酵させた白いお粥状の液体のこと。搾り方は、機械でギューッと圧縮したり、袋に入れて吊るしたりと、お酒の種類によってさまざまです。 にごり酒は、搾るときにあえて目の粗い布などを使うことで、固形物を多く含む状態に仕上げています。そのぶん、米の甘さや旨味をより強く感じられるのが特徴です。 1-2.どぶろくや甘酒はにごり酒? 白く濁ったお酒というと「どぶろく」や「甘酒」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。 どぶろくは、醪を搾らずそのまま瓶詰めしたお酒です。甘酒は、米麹や酒粕などを原料に造られています。米麹を原料にしたものはアルコール分を含まず、酒粕を原料にしたものには若干のアルコール分が含まれます。 酒税法では、どぶろくや甘酒は、にごり酒のような「日本酒(清酒)」に分類されていません。 どぶろくは、「その他の醸造酒」または「濁酒」。アルコール分1%未満の甘酒は、お酒ではなく「清涼飲料水」に分類されています。 2.代表的なにごり酒4種と特徴 にごり酒には、シュワッとした発泡感をもつ「活性にごり酒」と呼ばれる種類があります。また、濁り方や製法で次のように種類が分かれるのが特徴です。 活性にごり酒 うすにごり ささにごり 澱酒(おりざけ)・おりがらみ これらのにごり酒は、それぞれ見た目や味わいが異なります。ここでは、代表的なにごり酒とその特徴を紹介します。 2-1.活性にごり酒 活性にごり酒は、火入れと呼ばれる加熱殺菌処理をしていないお酒です。醪の酵母が生きた状態で瓶詰めされるため、シュワシュワとした微発泡感があります。 2-2.うすにごり うすにごりは、透明感の高いにごり酒です。口当たりも軽く、やわらかな味わいを楽しめます。「味の濃いにごり酒は苦手」という方も飲みやすいタイプです。 2-3.ささにごり ささにごりは、うすにごりよりも白く濁ったお酒です。漢字で「細濁り」と書くように、見た目はわずかに白く濁っています。うすにごりのように飲みやすく、さらりとした飲み口を楽しめるにごり酒です。 2-4.澱酒(おりざけ)・おりがらみ 醪を搾ってすぐの日本酒は、小さな米粒や麹などが残った状態です。この固形物は「滓(おり)」(または澱)と呼ばれます。 搾ったお酒をタンクに入れしばらく置くと、滓は底部に沈殿します。澱酒は、滓をより多く含むタンク下部にある穴から抽出したお酒です。 また、透明のお酒に滓を少しだけ混ぜたものは、おりがらみと呼ばれます。 3.にごり酒の3つの飲み方 にごり酒の瓶を立てておくと、底に滓が沈殿します。飲むときは、滓を全体に混ぜたり、別々に飲んだりといろいろな楽しみ方を試してみましょう。 「滓がたっぷりあるほうがすき」「さらりとしたにごり酒がすき」など、自分好みの味わいが見つかりますよ。 3-1.上澄みと滓を混ぜて飲む まずは、瓶をゆっくりと上下に傾け、透明の上澄みと滓を混ぜてみましょう。ポイントは、瓶のなかの滓が移動するのを見ながら、そっと傾けること。滓が全体にまわり、にごり酒ならではの旨味とコクを楽しめます。 3-2.上澄みと滓を別々に楽しむ あえて、上澄みだけ先に飲むのも楽しみ方のひとつです。残り少なくなるほど、滓の味わいが濃くなっていきます。上澄みのスッキリ感と滓のコクを楽しめる、1本で2度おいしい飲み方です。 3-3.ロックスタイルや燗酒で楽しむ しっかりとした味わいのにごり酒は、アレンジして楽しむのもおすすめです。夏は氷を入れたグラスに注ぎ、ロックスタイルで楽しみましょう。炭酸水やオレンジジュース、ライムジュースで割ってもおいしいですよ。 滓をたっぷり含むにごり酒は、燗酒にするとまた違った味わいに。さまざまに変化するにごり酒のおいしさを、ぜひ気軽に楽しんでみてください。 4.にごり酒と相性のいい料理やおつまみ シュワッとした発泡感のある活性にごり酒は、洋食とのペアリングがおすすめです。チーズを使った料理や、揚げ物にもよく合います。 滓の少ないにごり酒は、淡白な味わいの料理と合わせてみましょう。おつまみの定番、冷奴や枝豆、お刺身などがおすすめです。 たっぷりと滓を含んだにごり酒は、塩辛いおつまみの良きパートナー。塩辛やいぶりがっこなどと相性のいいお酒です。にごり酒の香りとコク、おつまみの旨味が絶妙にマッチし、お酒を飲む手が進みますよ。 まとめ にごり酒は、滓と呼ばれる固形物を含む日本酒です。米や麹の味わいが、よりダイレクトに感じられます。 にごり酒の楽しみ方は、上澄みと滓を分けて飲んだり、アレンジしたりと実にさまざま。にごりの度合いによって、味わいが異なるのもおもしろいですよね。 日本酒の奥深さと幅の広さを感じつつ、にごり酒の世界を楽しんでみてくださいね。