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日本酒が劣化したときのサインの一つ「劣化臭」。熟成酒と劣化した日本酒の香りの違いは?

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日本酒が劣化したときのサインの一つ「劣化臭」。熟成酒と劣化した日本酒の香りの違いは?

日本酒は劣化すると「劣化臭」という臭いが生まれます。「開栓してしばらく経つ日本酒、香りや味が変わったみたい」と感じるときは、酸化も関係しているかもしれません。

今回は、劣化した日本酒の香りについてくわしく解説します。劣化防止のポイントや、劣化したお酒の使い道もぜひ参考にしてください。

1.日本酒が劣化した際の臭い「劣化臭」とは?

「劣化臭」とは、日本酒が劣化した際に生じる臭いのことです。そもそも日本酒は、賞味期限のない飲み物。そのため、未開封の状態で適切に保管すれば腐ることはありません。

しかし、日本酒は光や温度の影響を受けやすいお酒です。そのため、保存時や製造工程の途中で以下のような臭いが生まれることがあります。

老香(ひねか)

「老香」は、日本酒を温度の高い場所で保管した際に生まれる臭いです。老香を放つお酒は「老ねた(ひねた)お酒」ともいわれ、香りは漬物のたくあんに例えられます。

日光臭(にっこうしゅう)

「日光臭」は、紫外線の影響で生じる劣化臭です。焦げ臭や獣臭(けものしゅう)とも呼ばれます。傷んだ玉ネギやガスなどに例えられることからも、人に不快感を与える香りといえるでしょう。

酸臭(さんしゅう)

「酸臭」は、製造過程で生まれる香りです。醪(もろみ)の発酵がうまくいかなかったり、細菌に汚染されたりすることで、酢のような酸っぱい臭いが生じます。

ほかにも、製造過程で生まれる不快な香りには「つわり香(つわりか)」や「木香様臭(きがようしゅう)」、「ゴム臭(ごむしゅう)」などが挙げられます。しかし、現在は製造技術の発達により、これらの香りはほとんど発生の心配がなくなっています。

2.熟成香と劣化した老香の違い

日本酒を良い環境で長期間保管すると「熟成香」と呼ばれる香りが生まれます。熟成香の主成分は、カラメルやカレー、ドライフルーツなどを思わせるソトロンという臭い成分です。琥珀色に変化し、古酒特有の粘性を持つ熟成酒からは、ソトロン由来の奥深い香りを感じることができます。

一方で、老香はソトロンだけでなく、漬物臭のポリスルフィドを含むのが特徴です。日本酒本来の香りはツンと鼻をつくような臭いに代わり、美味しく飲むことができなくなってしまいます。

3.香り以外に劣化したサインはある?

日本酒は、劣化すると香りや見た目、味わいに変化が生まれます。前述したように、日本酒は賞味期限のない飲み物。劣化=腐敗とはいえないものの、蔵の目指す美味しさがキープされているうちに飲み切るのがおすすめです。「長い間置いたままの日本酒があるけど大丈夫?」と不安なときは、香り以外に次の項目をチェックしてみてくださいね。

3-1.色が黄色みがかっている

紫外線や熱の影響を受けた日本酒は、色が黄色く変化します。この場合、同時に老香や日光臭が発生していることが多いでしょう。

3-2.酸化によって苦味や辛味が強くなる

日本酒を劣化させる要因として、光や熱以外に「酸化」が挙げられます。特に、一度開栓した日本酒は、酸化による劣化に注意が必要です。空気に触れる面積が大きくなり酸化した日本酒は、苦みや辛味が強くなります。

4.劣化してしまった日本酒の活用方法

劣化により香りや味わいが変化してしまった日本酒。「そのまま捨ててしまうのはもったいない!」というときは、料理や酒風呂に使ってみてください。日本酒を無駄にすることなく有効活用できます。

4-1.料理酒の代わりに使う

味や香りが落ちてしまった日本酒は、ふだんの料理に使ってみましょう。日本酒を使った料理は、素材の臭みが消え、肉や魚がふっくら仕上がるのが特徴です。また、日本酒は料理酒と違い塩分が含まれていません。そのため、食事の塩分が気になるときにもおすすめです。

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4-2.お風呂に入れて酒風呂に

日本酒をお風呂に入れた酒風呂は、美肌効果や発汗作用が期待できるといわれています。日本酒を入れる目安はコップに1~3杯程度。飲み頃を過ぎた日本酒がたくさんあるときにおすすめです。

直接お酒を飲むわけではないものの、子どもや妊婦の方の入浴は避けたほうがベターです。肌との相性もあるため、初めは少量ずつ試しながら適量を見つけてみてください。

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5.日本酒を劣化させないための保存方法

日本酒を劣化させないためには、紫外線や熱、酸化を避けることがポイントです。また、種類によっては長期保管に向いていない日本酒もあります。ぜひポイントをおさえ、蔵から届いた味わいそのままに美味しい日本酒を楽しんでみてください。

5-1.冷暗所か冷蔵庫に保管

紫外線や熱の影響が劣化へつながる日本酒は、冷暗所か冷蔵庫で保管しましょう。劣化による老香や日光臭が発生するリスクを軽減できます。

特に「火入れ」と呼ばれる加熱殺菌処理をしていない生酒は、冷蔵保管が基本です。開栓後は早めに飲み切れば、生酒ならではのフレッシュな香りと味わいを楽しめます。

5-2.横置きより縦置き

日本酒は、酸素に触れる面積を少なくできるため、横置きより縦置きで保管したほうが劣化を防ぐことができます。冷蔵庫に縦置きできるスペースがないときは、小さな容器に移し替えるのもひとつの方法です。その際は、清潔で乾いた容器を使いましょう。

また、紫外線を避けつつ縦置きできる専用セラーがあれば、日本酒の美味しさを長期間キープできます。好みの日本酒を、その日の気分にあわせて楽しめることもうれしいポイントです。

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まとめ

日本酒から感じる不快な香りは、劣化による劣化臭かもしれません。色や味に変化を感じるときは、飲用以外の使い道を検討するのもひとつの方法です。また、劣化させないためのポイントを抑えておけば、日本酒をなるべく長く美味しく味わえます。紫外線や熱、酸化の影響を避けながら、今日も美味しい日本酒を楽しみましょう!

shiho
お酒とねこでできているライター。日本酒、ウイスキー、ワイン…すべてのお酒をこよなく愛す。酒好きが高じて利酒師免許を取得。 blog「わたしの酒棚」 https://sakadana.net/