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日本酒は料理酒としても使える!日本酒と料理酒の違いなどについて解説

料理に使うお酒と言えば料理酒が一般的ですが、レシピの「酒」の文字に「日本酒は使えないの?」と迷ったことはないでしょうか。 実は日本酒は、料理の味わいを引き立ててくれるお酒。「開栓してから日にちが経つものの、捨てるのはもったいない」という日本酒の有効活用にもおすすめです。 今回は、日本酒と料理酒の違いや、料理に日本酒を使うメリットについてご紹介!ぜひ、身近な調味料として日本酒を活用してみてくださいね。 1.料理に日本酒を使って美味しさアップ! 日本酒は料理の美味しさをワンランクアップさせてくれるアイテム。まずは、日本酒と料理酒の違い、日本酒を料理に使うメリットについてご紹介します。 それぞれを理解したうえで、日本酒と料理酒を上手に活用していきましょう。 1-1.日本酒と料理酒の違い 塩分の有無の違い 原材料の表示を見てもわかるように、料理酒には食塩や水あめなどが含まれています。料理酒を直接舐めると、塩味や甘みを感じるのはこのためです。 味が調整されている料理酒は、手軽に使える反面、仕上がりの味わいが濃くなりすぎることがあります。そのため、料理酒を使うときは、ほかの調味料を加減しながら味のバランスを整えるのがおすすめです。 日本酒のなかでも、醸造アルコールを添加せず、米と米こうじのみを原料に造る「純米酒」にはしっかりとした旨味があります。上品な香りやコクが生まれやすく、料理に使う日本酒におすすめです。 「お酒」と「調味料」の違い 塩分などを含む料理酒は「調味料」として扱われます。そのため、日本酒のように酒税はかからず、安価で手軽に購入できることが特徴です。 一方、日本酒は調理用ではなく「飲むためのお酒」に位置付けられています。販売には酒類免許が必要なほか、酒税がかかるぶん、価格が高くなることも料理酒との違いのひとつです。 1-2.料理に日本酒を使う4つのメリット 料理に日本酒を使うメリットには、以下の4点があげられます。 素材の臭みが消え上品な香りに 味が染み込む効果が高い 素材がやわらかく仕上がる 料理にコクと旨味が生まれる 料理酒や日本酒に含まれる「有機酸」には、素材の臭みを消す働きがあります。日本酒を使った料理は、さらに上品な香りに仕上がることが特徴です。 また、日本酒は塩分を含まないぶん、料理に味が染み込む効果が高いというメリットがあります。塩の浸透圧によって素材の水分が外に抜け出すこともなく、ふっくらとやわらかく仕上がることもポイントです。 さらに、アミノ酸が料理に旨味やコクを与えるなど、料理に使う日本酒にはさまざまなメリットが期待できます。 1-3.料理に日本酒を使う際の2つのポイント 料理に日本酒を使う際は、以下の2つのポイントを心がけてみてください。いつもの料理もグッとランクアップした味わいに仕上がりますよ。 料理酒と上手に使い分ける さまざまなメリットがあるとはいえ、日本酒は料理酒と比べてどうしても価格が高くなりがち。調理の際は、それぞれのメリットを活かしながら上手に使い分けましょう。 下ごしらえに大量に使うのであれば、料理酒がおすすめ。塩分や旨味のある料理酒を使えば、食材に下味を付けることもできます。 シンプルに素材の風味を活かしたいときには、香りと旨味のある日本酒を。しっかりとした旨味、コクが引き出されるため、塩分の使用量をおさえたいときにもおすすめです。 アルコールを飛ばしてから使う 日本酒はアルコール度数が高いお酒です。そのまま使用するとアルコール分が料理の味わいに影響してしまいます。調理の際は、しっかりとアルコールを飛ばしてから使用しましょう。 煮物のように煮汁を沸騰させる料理であれば、調理時にアルコールも一緒に飛んでいきます。加熱しない料理の場合は、あらかじめ日本酒だけを火にかけたり、電子レンジで加熱したりしてから使用してみてくださいね。 2.日本酒を使うとより美味しくなる料理 日本酒を使うとより美味しくなる料理には「煮物」「照り焼き」「汁物」などがあげられます。レシピ欄に「酒」と書かれているのを見つけたら、ぜひ日本酒でチャレンジしてみてください。 2-1.煮物、煮つけ 材料をコトコトと煮込む煮物に日本酒を使うと、より一層食材に味が染み込みやすくなります。一定量を使うため、飲みきれない日本酒があるときにもおすすめです。 ぶり大根や豚の角煮など、魚や肉を使った料理も臭みが消え、食材がふっくらとやわらかく仕上がりますよ。 2-2.照り焼き 照り焼きに日本酒を使うと、料理全体にコクと旨味が生まれます。鶏肉やぶりの照り焼きも、臭みがなくまろやかな味わいに仕上がるでしょう。照り焼きならではの甘みを残しつつ、香り良く上品に仕上げたいというときにおすすめです。 2-3.汁物 ご飯のおともに欠かせない汁物にも、ぜひ日本酒を使ってみてください。特に、魚介類の出汁をベースにしたシンプルな汁物におすすめです。素材の臭みを消すだけでなく、日本酒による味の相乗効果が期待できます。 豚汁やけんちん汁のような、具だくさんの味噌汁にも日本酒をプラス。味わい深く、コクのある汁物ができあがりますよ。 3.隠し味として日本酒をちょい足し!おすすめの活用方法 何気ない家庭料理にも、隠し味として日本酒をちょい足し!いつものメニューがグッと美味しくなり、日本酒がより身近に感じられるはずです。ここからは「日本酒が余ってしまった…」というときにもぴったりの活用方法を紹介します。 3-1.炊飯時に日本酒を入れる 毎日食べるご飯にも日本酒を活用!炊飯スイッチを押す前に日本酒を加えれば、ふっくらと美味しいご飯が炊きあがります。 分量の目安は、お米1合に対し日本酒小さじ1~2杯程度。甘みとつやがアップし、少し古いお米も美味しく仕上がりますよ。 3-2.蕎麦つゆに日本酒を加える お家で本格的なお蕎麦を楽しみたい!というときは、蕎麦つゆに日本酒を加えてみてください。日本酒ならではの風味が引き立ち、蕎麦つゆのコクもアップします。 ポイントは、あらかじめ日本酒のアルコールを飛ばしてから使用すること。蕎麦つゆ1人前に小さじ1杯を目安に、量を調整してみてくださいね。 3-3.しゃぶしゃぶの通し湯に加える 飲みきれない日本酒がたくさんある…というときは、しゃぶしゃぶの通し湯に加えてみましょう。ぐつぐつと煮ている間にアルコール分が飛び、日本酒の旨味だけが出汁のなかに残ります。 肉や野菜をくぐらせるたびに、素材の旨味が出汁に溶け出しより奥深い味わいに。シメにはぜひご飯を入れて、凝縮された日本酒と素材の旨味を楽しんでみてください。 3-4.カレーの隠し味で和風カレーに いつものカレーも、日本酒を加えることでひと晩寝かせたようなカレーに早変わり!肉と野菜を炒めたところに水と日本酒を注ぎ、アルコール分が飛ぶまで煮込めばコクのある和風カレーができあがります。 手軽なレトルトカレーは、小鍋に移してから日本酒を少量プラス。そのまま温めるだけで、いつもと違う美味しさを楽しめますよ。 まとめ 米と米こうじを原料にする日本酒は、料理の味わいを引き立ててくれるお酒。料理酒との違いを理解したうえで上手に使い分ければ、料理の腕もグッとレベルアップします。 なじみある家庭料理の調味料のほか、ちょっとした隠し味に使えることもうれしいポイント。ぜひ、日本酒を使った美味しい料理にチャレンジしてみてくださいね。

飲み会の二日酔い対策に!コンビニで買えるサプリとドリンク5選

今夜は飲み会!楽しみだけど、明日は予定もあるし二日酔いは避けたい…。と悩んだことはありませんか?気を付けていても、楽しい飲み会はついつい飲みすぎてしまうこともありますよね。 そこで今回は、コンビニでできる二日酔い対策について紹介します!手軽に購入できるサプリやドリンク、知って得する二日酔い予防法など、ぜひ参考にしてくださいね。 1.二日酔い対策に!サプリ&ドリンク選び3つのポイント コンビニにズラリと並ぶサプリやドリンク。「どれを選べばいいの?」と迷ったら、次の3つのポイントをチェックしてみましょう。 二日酔い予防に役立つ成分をチェックする 飲みやすい味を選ぶ ビタミン補給できるものを選ぶ より効果的、かつ自分に合ったサプリやドリンクを見つけることができますよ。 1-1.二日酔い予防に役立つ成分をチェックする 二日酔い対策として名前が挙がりやすい「ウコン」。ウコンを含むサプリやドリンクは、肝機能の働きをサポートするといわれています。 しじみに多く含まれる「オルニチン」は、アミノ酸の一種。疲労感をもたらすアンモニアを分解・除去する働きがあるため、飲酒翌日のだるさを軽減したい方にもおすすめです。 1-2.飲みやすい味を選ぶ 二日酔い対策に効果的なドリンクは、さまざまな味わいの商品が販売されています。ドリンクの多くは少量販売されているものの、飲み残すことがないよう、自分が飲みやすい味を選びたいですね。 1-3.ビタミン補給できるものを選ぶ 二日酔いが心配なときは、サプリやドリンクのビタミン量も要チェック。ビタミン類は、悪酔いを引き起こすアセトアルデヒドの分解をサポートしてくれます。特に、飲酒時はアルコールによって消耗されるビタミンB類の摂取がおすすめです。 2.コンビニで買えるおすすめサプリ&ドリンク5選 ここからは、コンビニで買える二日酔い対策サプリ&ドリンク5選を紹介します。「今日は飲みすぎそうな予感」「絶対に二日酔いは避けたい!」というときは、ぜひチェックしてみてくださいね。 ※各商品の詳細は公式サイトの情報を参考にしたものであり、必ずしも効果効能を保証するものではありません。 2-1.ヘパリーゼW 「ヘパリーゼW」は肝臓を構成するタンパク質の原料を効率よく摂取することができる肝臓エキスとウコンエキスの2つの成分を配合。食物繊維やビタミン類も含まれています。すっきりとしたパイン味で飲みやすいドリンクです。 また、ヘパリーゼWには携帯しやすく飲みやすい粒タイプもあります。 (出典元:ゼリア新薬) 2-2.ウコンの力 秋ウコン由来の健康成分であるビサクロン400μgとクルクミン30m、ビタミンB群4種(B1・B2・B6・ナイアシン)といった健康成分を配合。カシスオレンジ味やパイン味など、味のバリエーションも豊富です。携帯しやすい顆粒タイプも販売されています。 (出典元:ウコンの力公式ブランドサイト) 2-3.カンゾコーワ 肝臓加水分解物やウコン抽出物のほか、しじみ628個相当のオルニチンを配合しています。クイッと飲みきれる飲みやすいパインマンゴー味。1本あたり約15kcalと控えめなカロリーもうれしいですね。 1日2粒の携帯しやすい粒タイプもあります。 (出典元:カンゾコーワ【公式サイト】) 2-4.SUPALIV(スパリブ) 8種類の天然成分の黄金配合比率で世界特許を取得しているドクターズサプリメントです。麦芽糖やコエンザイムQ10、 ビタミンCなどを配合。アルコール代謝だけでなく、抗酸化作用も期待できます。 (出典元:スパリブ SUPALIV BRAND SITE) 2-5.ノ・ミカタ しじみに多く含まれている「アミノ酸アラニン」が約30分で体内にスピード吸収。飲み会前はもちろん、途中でも効果が期待できます。甘酸っぱいプラム味の顆粒タイプのため、水なしで美味しく飲めることもうれしいポイントです。 (出典元:味の素株式会社) 3.一緒に買いたいソフトドリンク コンビニでサプリやドリンクを買うときは、ソフトドリンクもあわせて購入するのがおすすめです。飲み会の前後に意識的に口にすれば、脱水症状を防ぐことができます。 3-1.ミネラルウォーター、お茶 二日酔いが心配なときは、ミネラルウォーターやお茶をじゅうぶんに摂取しましょう。頭痛や吐き気を引き起こす、アセトアルデヒドの濃度を薄めることができます。利尿作用で代謝が良くなるため、二日酔い症状をやわらげる効果も期待できますよ。 3-2スポーツドリンク 「果糖」を含むスポーツドリンクは、飲酒による低血糖症状を防いでくれます。利尿作用によって排出される、ナトリウムやカリウムといったミネラルを補えることもポイントです。ミネラルウォーターと同様、水分補給にも役立ちます。 3-3.トマトジュース 大手食品会社の研究によると、飲酒時にトマトジュースを摂取すると、血中アルコール濃度が低下するという結果が確認されています。体内からアルコールが消える速度も早まるため、二日酔いが気になるときはトマトジュースの摂取もおすすめです。 3.知って安心!3つの二日酔い予防法 二日酔いを避けたいときは、前述したような水分補給のほか、飲酒のタイミングやおつまみ選びも気を付けてみましょう。「お酒に弱く、いつも悪酔いしてしまう」という方にもおすすめです。 3-1.飲み会前から後まで水分補給を心がける お酒を飲むときは、飲み会前から後まで水分補給を心がけるようにしましょう。お酒の合間に飲む水は、日本酒の場合は「和らぎ水(やわらぎみず)」、洋酒の場合は「チェイサー」などと呼ばれています。 悪酔いや二日酔いを防ぐには、お酒と同量またはそれ以上の水分補給が効果的です。 3-2.空腹時の飲酒を避ける 空腹の状態で飲酒をすると、胃から小腸へアルコールが急速に吸収されてしまいます。アルコールが胃を荒らす恐れもあるため、空腹時の飲酒は避けるようにしましょう。サプリやドリンクと一緒に、コンビニで軽食を購入するのも良いですね。 3-3.二日酔い予防に効果的なおつまみを選ぶ 二日酔いが心配なときは、タンパク質や食物繊維を含むおつまみを選びましょう。肝臓の働きをサポートしたり、アルコールで排出される栄養素を補う効果が期待できます。 たんぱく質が豊富な豆類や肉類、魚介類。食物繊維を含む野菜を使った以下のようなメニューがおすすめです。 枝豆、冷奴 豚しゃぶサラダ 焼き鳥 焼き魚、刺身 温野菜のグリル 鍋 まとめ 美味しいお酒も飲みすぎてしまえば楽しさが半減。過剰なアルコール摂取は肝臓への負担も大きく、体にも良くありません。二日酔いを防ぐためにも、サプリやドリンクを上手に活用つつ、適量を美味しく楽しむように心がけていきたいですね。 関連記事 https://sake-5.jp/hangovers-from-year-end-and-new-years-parties/ https://sake-5.jp/sake-is-not-prone-to-intoxication/ https://sake-5.jp/headache-from-sake/

日本酒の作り方を図解でわかりやすく解説

さまざまな味や個性が魅力的な日本酒。美味しく飲むうちに「一体どうやって作るの?」と作り方に疑問を感じたことはないでしょうか。 日本酒は、ほかのお酒の製造工程とは違う、世界でも珍しい手法で作られるお酒です。 そこで今回は、日本酒の作り方をひとつずつわかりやすく解説!日本酒とほかのお酒の発酵メカニズムの違いも紹介します。 身近な食材、お米から日本酒ができるまでの工程を知れば、日本酒がより美味しく興味深いものになりますよ。 ※ 家で日本酒をつくるのは酒税法違反です。 第五十四条 第七条第一項又は第八条の規定による製造免許を受けないで、酒類、酒母又はもろみを製造した者は、十年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。 (参照元:e-Gov法令検索) 1.日本酒と他のお酒の発酵のメカニズムの違い 日本酒は、米と水を主原料に作られるお酒です。日本酒の作り方は、これらの材料からお酒ができる「アルコール発酵」のメカニズムを知るとよりわかりやすくなります。 アルコール発酵とは、微生物のひとつ「酵母(こうぼ)」の働きにより、食品に含まれる「糖分」が「アルコール」と「炭酸ガス」に変化することです。 例えば、ブドウを原料とするワインは、ブドウの糖分に酵母が働きかけることによってアルコール発酵がおこります。 ところが、穀物である米は、デンプンは多く含むものの糖分はほとんど含まれていません。つまり、米にいくら酵母を足してもお酒にはならないのです。 ここで必要となるのが「糖化(とうか)」という工程。 米のデンプンに「糖化酵素(とうかこうそ)」とよばれる物質を加えることで、デンプンとわずかな糖分を分離させ、そこから発酵させよう、というわけです。ちなみに、麦を原料とするビールも同様に、糖化の工程を経て作られます。 ビールは、糖化が完了した原料に酵母を加え、アルコール発酵させます。 一方、日本酒は糖化とアルコール発酵を、タンク内で同時進行させていくのが大きな特徴です。 この仕組みは「並行複発酵(へいこうふくはっこう)」と呼ばれ、日本酒のアルコール度数が高い理由のひとつでもあります。 2.日本酒ができるまでの工程 米と水というシンプルな材料は、以下の工程を経て日本酒へと生まれ変わります。 精米 洗米・浸漬(せんまい・しんせき) 蒸米・放冷(むしまい・ほうれい) 麹づくり(こうじづくり) 酒母づくり(しゅぼづくり) 仕込み(もろみ作り) 搾り 濾過 火入れ 貯蔵 調合・割水 瓶詰め 「麹?酒母?なんのこと?」という日本酒ビギナーでも大丈夫!ここからは、一つひとつの工程をわかりやすく紹介していきます。 2-1.精米(せいまい) 玄米を削り、白米の状態にすることを「精米」といいます。精米の大きな目的は、米の表面にある雑味のもとを取り除くことです。 米の表面には、タンパク質や脂質、ビタミン、ミネラルといった栄養素が含まれています。 食用米では旨味のもととなる栄養素も、日本酒の場合はかえって味に雑味を生んでしまうことも。そのため、日本酒作りでは、より多く米の表面を削る必要があります。 食用米の場合、米を削る度合いは8%程度。一方、日本酒作りでは30%以上削り、白く光る米の中心部分のみを使用するのが一般的です。 精米には竪型精米機(たてがたせいまいき)と呼ばれる見上げるほど大きな精米機が使用されます。 30%以上精米するのにかかる時間は約8時間。60%以上精米する場合は、約48時間もの時間を要するというからすごいですよね。 精米したてのホカホカの温かい米は、専用の袋に詰められ「枯らし」と呼ばれる2~3週間の期間を経て次の工程へと移ります。 2-2.洗米・浸漬(せんまい・しんせき) 「洗米」の目的は、米の表面についた糠(ぬか)や米くずを洗い流すことです。洗い流す間も水分は吸収されていくため、作業時は細心の注意を払わなくてはいけません。 「浸漬」は、洗った米に水分を吸わせる作業です。その後の麹(こうじ)のできを決める重要な作業だといわれています。 米が水分を吸っていく速度は、その日の気温や湿度、水温などによってさまざま。最適な時間を見極めるため、蔵人はストップウォッチで浸漬時間を計測することもあります。 その後、米やお酒の種類に合わせた状態まで水を切ったら準備は完了!いよいよ米を蒸す工程へと移ります。 2-3.蒸米・放冷(むしまい・ほうれい) 米を蒸す最大の目的は、麹菌(こうじきん)の作用を受けやすい状態に米を変化させることです。 かちかちの生米よりも、加熱してやわらかくなった米のほうがその後の工程で溶けやすくなります。 理想の蒸し加減は「外硬内軟(がいこうないなん)」と呼ばれる、外は硬く内側がやわらかい状態。蒸米を手のひらサイズに丸めた「ひねり餅」を作り、手の感触で蒸し加減を確認することもあります。 蒸しあがった米は、一定の温度まで冷ましていきます。これは「放冷」と呼ばれ、自然冷却のほかファンで冷やすなど、蔵によって手法はさまざまです。 できあがった蒸米は、この後の麹、酒母(しゅぼ)、醪(もろみ)づくりすべてに使用します。 2-4.麹づくり(こうじづくり) 蒸米を使い、米麹(こめこうじ)を作ります。米麹とは、蒸米に麹菌を繁殖させたもの。この工程は「製麹(せいぎく)」とも呼ばれます。 前述したように、米をアルコール発酵させるには、まず「糖化」しなくてはいけません。製麹は、そのために欠かせない作業です。 製麹にかかる期間は、約2日間。麹菌を繁殖させるため、麹室(こうじむろ)と呼ばれる高温多湿の環境で以下の作業をおこないます。 引き込み 34~36℃になった蒸米を麹室に運び、温度を均一にさせるために布をかけて休ませます。布団をかぶった蒸米が眠っているような状態です。 種付け/床もみ(とこもみ) 眠っていた蒸米を崩し、床(とこ)と呼ばれる台一面に広げます。その上に、麹菌の胞子をぱらぱらと振りかける作業が「種付け」です。その後、胞子がまんべんなく行き渡るように混ぜ込む「床もみ」と呼ばれる作業に移ります。 切り返し 数時間から半日後、硬くなった米をほぐす「切り返し」をおこないます。切り返した米はひとつにまとめ、再度布で包んで休ませます。 盛り 切り返し後、数時間から半日すると、米にぽつぽつと白い斑点が浮かび上がります。そのままにすると温度が上がりすぎてしまうため、木箱に蒸米を小分けする「盛り」をおこないます。 仲仕事 数時間後、木箱の蒸米が熱くなりすぎないよう、まんべんなく混ぜてから均一の厚さに広げます。 仕舞仕事(しまいしごと) 仲仕事から数時間たつと、38~39℃まで蒸米の温度が上昇します。仕舞仕事は、蒸米の温度を均一にし、余分な水分を蒸発させるための作業です。広げた蒸米にうずのような溝を作り、表面積を大きくします。 出麹(でこうじ) 麹の温度を下げるため、麹室から木箱を運び出す作業です。できあがった米麹は「酒母づくり」と「もろみ作り」に使うものに分けられます。日本酒作りに欠かせない米麹のできあがりです! 2-5.酒母つくり(しゅぼつくり) ここまでの工程で、日本酒作りに必要な「米」と「米麹」が揃ったことになります。ただ、これだけでは日本酒はできあがりません。この2つをお酒へと変えるために欠かせないのが、お酒の母と書く「酒母(しゅぼ)」です。 酒母は、蒸米と米麹、水を入れたタンクに「酵母(こうぼ)」と「乳酸」を加えて作ります。 酵母は、アルコール発酵を促す成分です。酵母はほかの微生物より弱いものの、酸性に強いという特性があります。 乳酸は、タンク内を酸性に保つために投入するアイテム。ほかの微生物は酸性に弱いため、タンク内に乳酸を入れれば酵母が活動しやすい環境になるというわけです。 不用な微生物が入り込まないよう、高温多湿の麹室とは違い、酒母づくりはひんやりとした酒母室でおこなわれます。 2-6.仕込み(もろみ作り) いよいよ日本酒作りも最終段階。蒸米・米麹・酒母と「糖化」と「アルコール発酵」に必要な材料が揃いました。 この3つを混ぜてできた液体を「醪(もろみ)」と呼びます。もろみ作りは、アルコール発酵を進めていく作業です。 とはいえ、これらの材料は一度に全部混ぜるわけではありません。材料の投入は、4日間で3回に分けておこなわれます。江戸時代から続く「三段仕込み」と呼ばれる製法です。 すべての材料を合わせたあとは、3週間から5週間かけてアルコール発酵を進めていきます。このときのポイントとなるのが温度管理。お酒の種類に合わせ、醪はおよそ15℃前後、または10℃以下に保たれます。 発酵が進んだ醪の表面は、ふわふわと真っ白な泡に包まれた状態。泡が消え、液体化してきたらできあがりの合図です。数日から1週間後に「搾り」の段階へと移ります。 2-7.搾り アルコール発酵が完了した醪は、白くにごった状態。搾りやろ過などの工程を進めることで、わたしたちが目にする透き通った日本酒ができあがります。 上槽(じょうそう) 醪が入った袋を絞り、固形物の酒粕(さけかす)と液体に分離させる作業です。槽(ふね)と呼ばれる大きな長方形の器具を使用するものや、醪を入れた袋を吊り下げるもの、自動圧搾機を使うものなど、さまざまな手法があります。 滓引き(おりびき) 搾った液体は、滓(おり)と呼ばれる米粒や麹などの固形物が残った状態です。液体をタンクに入れて滓を沈殿させ、澄んだ部分だけを抽出する作業を「滓引き」といいます。 2-8.濾過(ろか) 滓引きしたお酒の固形物をさらに除去し、色や香りの調整をおこなう作業です。通常の日本酒作りでは「濾過」は2回おこないます。 1回目の濾過の目的は、残った固形物や酵母を除去することです。フィルターのついた機械を使うほか、粉末状の活性炭を投入する場合もあります。 2-9.火入れ 「火入れ」とは、お酒を60~65℃の温度で加熱殺菌することです。濾過と同様に、火入れも2回おこないます。味や色、香りの変化を防ぐことが火入れの目的です。 2-10.貯蔵 火入れ後のお酒は、タンクで貯蔵します。貯蔵温度はお酒の種類によって異なり、15℃前後、または5℃から10℃が主流です。 2-11.調合・割水 貯蔵後のお酒は、タンクごとの酒質を一定にするため調合(ブレンド)されます。その後、アルコール度数と香りのバランスを調整するため、仕込み水と呼ばれる水を加えます。 2-12.瓶詰め 加水によってアルコール度数15~16%に調整したお酒は、2回目の濾過と火入れをおこない瓶詰めします。近年は、瓶に詰めてから火入れをおこなう「瓶火入れ」という手法もあります。 これらの工程を終えれば、いよいよ出荷!各酒販店への流通経路を経て、わたしたちのもとに美味しい日本酒が届けられます。 3.製造工程で変わる日本酒の味わい 日本酒は、製造工程の違いでさまざまな味わいに変化します。「生酒?新酒?なんのこと?」という日本酒にありがちな疑問も、違いがわかればスッキリ解決しますよ。 3-1.火入れの回数・タイミングで変わる生酒、生貯蔵酒、生詰め酒 日本酒は、火入れの回数によって次のように呼び名が変わります。 呼び名 1回目の火入れ 2回目の火入れ 生酒(なまざけ) なし なし 生貯蔵酒 なし あり 生詰め酒 あり なし 火入れを1度もしない生のお酒は、生酒(なまざけ、またはきざけ、なましゅ)と呼びます。味わいはフレッシュでジューシー。なかには、シュワシュワとした微発砲感が感じられるのものもあります。 火入れをせず、生のまま貯蔵したものは「生貯蔵酒」。1度火入れをし、そのまま瓶詰したものが「生詰め酒」というわけです。 3-2.蔵で貯蔵されずに出荷する「新酒」 「新酒」は、貯蔵をせずにすぐに出荷される日本酒です。明確な定義はないものの、冬から春にかけて登場するその年のお酒が新酒と呼ばれています。 同じ蔵、同じ銘柄のお酒であっても、その年によって少しずつ味わいは違うもの。新酒が登場する12月から3月は、日本酒ファンにとって待ち遠しいシーズンといえるかもしれませんね。 まとめ 日本酒は古くは弥生時代から存在し、平安時代には現在に近い製法が誕生していたといわれています。 お米を原料に、微生物の力を借りながら作る日本酒は、日本が大切にしてきた伝統文化のひとつ。日本酒の作り方に想いを馳せると、いつものお酒もより美味しく感じられそうですね。

日本酒と焼酎の違いとは?製造方法や原料の違い、それぞれの魅力など

日本で古くから親しまれるお酒「日本酒」と「焼酎」。どちらも身近な存在でありながら、違いとなるとわからないことも多いのではないでしょうか。 そこで今回は、カロリーや味、製造方法など日本酒と焼酎の違いについてくわしく解説します。それぞれの意外な共通点もぜひチェックしてみてくださいね。 1.日本酒と焼酎5つの違い 日本のお酒として知られる日本酒と焼酎には、主に次のような5つの違いがあります。 製造方法による分類 原料 香りや味わい 楽しみ方 カロリー どちらも愛飲していても、具体的な違いとなると難しい点も多いかもしれません。まずは、それぞれの細かな違いについて探っていきましょう。 1-1.日本酒は「醸造酒」、焼酎は「蒸留酒」 日本酒と焼酎は、製造方法が大きく異なります。日本酒は「醸造酒(じょうぞうしゅ)」、焼酎は「蒸留酒(じょうりゅうしゅ)」に分類されるお酒です。 醸造酒は、果実や穀物などの原料をアルコール発酵させたお酒のこと。日本酒のほか、ブドウを原料とするワインも醸造酒に含まれます。 一方、蒸留酒は醸造酒を加熱し、気体となったアルコールを集め、再び冷やして液体化したお酒です。焼酎は蒸留方法により「連続式蒸溜焼酎(別名:焼酎甲類)」、「単式蒸溜焼酎(別名:焼酎乙類)」に分類されます。 蒸留酒は、醸造酒を一気に気体化させることで、よりアルコール度の高いお酒を抽出できることが大きな特徴です。 一般的な醸造酒のアルコール度数が20度未満であるのに対し、蒸留酒は40度を超えることも珍しくありません。焼酎のほか、ウイスキーやジンなども蒸留酒に含まれます。 醸造酒 日本酒、ビール、ワイン、マッコリなど 蒸留酒 焼酎、ウイスキー、ジン、ウォッカ、ラム酒など   酒税法では、日本酒のアルコール度数は22度未満に定められています。市販されている日本酒の多くは、アルコール度数15度前後です。 蒸留酒である焼酎のアルコール度数は、焼酎甲類で36度未満、焼酎乙類は45度以下に定められています。市販される焼酎のアルコール度数も日本酒より高く、20度から25度が一般的です。 1-2.日本酒の原料は米。焼酎の原料は麦や芋などさまざま 日本酒はお米を原料に作られるお酒です。一方、焼酎は米や芋、そばなどさまざまな原料を使用します。 また、ひとくちに「お米」といっても、日本酒と焼酎では米の種類に違いがあります。 焼酎は食用米を原料にするのに対し、日本酒は「酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)」と呼ばれる日本酒用の米を使うのが一般的です。 酒造好適米は、食用米に比べ粒が大きく「心白(しんぱく)」と呼ばれる中心部分が占める割合が多いことが特徴。米の外側を削る「精米(せいまい)」に適したお米です。 原料が異なるということは、主要産地も異なるということ。米を原料とする日本酒は全国各地で作られているのに対し、全国の焼酎蔵の半数近くは九州地方に存在します。 これは、鹿児島県や宮崎県が焼酎の原料「サツマイモ」の名産地であることに関係するといえるでしょう。 1-3.日本酒と焼酎の味わいの違い 醸造酒である日本酒は、酒米の個性が香りや味わいに大きく影響します。ブドウを原料としたワインもまた、香りや色合いを楽しむお酒として有名ですよね。 一方、焼酎甲類はクセのない味や香りが特徴です。焼酎乙類は、米や芋、麦といった原料由来の個性が強く、さまざまな香りや味わいを楽しめます。 1-4.日本酒と焼酎の飲み方の違い 日本酒は温度による味の変化を楽しむ 日本酒は、温度による味の変化を楽しめるお酒です。冷やせばスッキリと、温めればふくよかなコクと香りを味わえます。 焼酎は好みのスタイルで割って楽しむ ピュアな香りと味わいの焼酎甲類は、好みのアレンジで楽しめるお酒です。炭酸で割る「チューハイ」のベースとしても使用されます。 味や香りが個性的な本格焼酎は、ストレートのほか、ロックやお湯割りなどで味わうのが一般的。地域によって専用の酒器が存在するなど、さまざまな飲用スタイルが楽しめるお酒です。 1-5.日本酒と焼酎のカロリーの差 日本酒と焼酎では、糖質やカロリーといった栄養素も異なります。以下の表は、日本酒と焼酎それぞれ100mlあたりに含まれるカロリーと糖質量です。 カロリー(kcal) 糖質(g) 日本酒 103~109 3.6~4.9 焼酎 146~206 0 参考:文部科学省「日本食品標準成分表」 種類によって数値は異なるものの、焼酎のカロリーは日本酒の2倍近くあることがわかります。ダイエット中の方にとってはびっくりしてしまう数字かもしれません。 しかし、前述したように焼酎はアルコール度数の高いお酒です。そのため、日本酒のようにストレートで口にするより、ロックやお湯割り、ソーダ割りなどで飲むことが多くなります。結果的に、一度あたりの摂取量は日本酒よりも少なくなると考えられるでしょう。 2.日本酒と焼酎の共通点 日本酒と焼酎には「麹菌(こうじきん)」を使って作るという共通点があります。 麹菌とは、"麹カビ菌"や"もやし"と呼ばれる微生物の一種のこと。日本酒や焼酎作りには「黄麹菌」「黒麹菌」「白麹菌」などが使用されます。 黄麹菌 主に日本酒作りに使用する麹菌です。先端にできる胞子は黄色や黄緑色で、強い糖化力を持ちます。 黒麹菌 主に泡盛作りに使用されます。学名は「アスペルギルス・リュウキュウエンシス」。沖縄で古くから守られ続けてきた麹菌です。 白麹菌 主に焼酎に使用される麹菌です。クエン酸を大量に生成し、近年は白麹菌を使った日本酒も注目を集めています。 まとめ 日本酒も焼酎も、日本で古くから作られてきたお酒です。麹菌という微生物の力を使用し、個性的な味と香りを生み出しています。 製造方法に大きな違いはあれど、どちらも日本文化を代表するお酒。ぜひ、その違いと共通点に想いをはせながらグラスを傾けてみてはいかがでしょうか。

初心者必見!!お店でもう困らない日本酒の注文方法

日本酒初心者の方のなかには「お家でいろいろな銘柄を飲むようになったけど、飲食店での注文はちょっと心配…」という方も多いのではないでしょうか。 「日本酒を注文してみたいけど、どれを選んだら良いかわからないし」と遠慮してしまうこともあるかもしれません。 そこで今回は、初心者も安心の日本酒選び、注文方法のポイントについて紹介します。飲食店の美味しい料理と一緒に、美味しい日本酒を楽しみましょう! 1.まずは日本酒選びから。知って役立つ4つのポイント メニューにズラッと並ぶ日本酒の数々。「漢字ばかりで何がなんだか…選ぶ決め手がわからない!」と困ったことはありませんか?そんなきは、次の4つのポイントをチェックするのがおすすめです。 日本酒の名前を参考にする 飲む温度帯を考える 料理との相性を考える 容量をチェックする 日本酒を提供する飲食店はもちろん、酒販店で日本酒を選ぶときにも役立ちますよ。 1-1.味のヒントがいっぱい!日本酒の名前を参考にする メニューに書かれた日本酒の名前には、味わいのヒントがたくさん隠れています。 1つめのヒントとなるのが、日本酒の種類を意味する「特定名称酒(とくていめいしょうしゅ)」。「純米酒」や「吟醸酒」などがそのひとつです。 特定名称酒だけでは味は固定化できないものの、次のようなおおまかな味わいがイメージできます。 吟醸酒 フルーティーで華やかな香り 大吟醸酒 純米吟醸酒 純米大吟醸酒 純米酒 香りふくよかリッチな味わい 特別純米酒 本醸造酒 キレがある辛口タイプ 特別本醸造酒   日本酒の名前には、「造り方」を表す言葉が含まれている場合があります。余裕があるときは、それらもあわせてチェックしてみましょう。 山廃(やまはい) 日本酒の伝統製法。繊細かつ奥深い味わい。 生酛 (きもと、なまもと) 生酒(なまざけ) 加熱処理をしていない日本酒。フレッシュな味わい。 原酒(げんしゅ) 加水をしていない日本酒。しっかりとした飲みごたえ。 無濾過生原酒 (むろかなまげんしゅ) ろ過をしていない無濾過×生酒×原酒、3つのスペックを持つお酒。 甘さと酸味がはっきりとしたジューシーな味わい。 ひやおろし 秋ごろに販売するお酒。まろやかでコクのあるタイプが多い。 古酒(こしゅ) 熟成させたお酒。濃縮された味と香り。   1-2.冷酒?燗酒?飲む温度帯を考える 日本酒は、冷酒や燗酒で楽しめるのが魅力のひとつ。日本酒を選ぶときは、飲む温度帯も考えてみましょう。 冷やして楽しみたいときは、フルーティーな香りの「吟醸酒」や、フレッシュ感が持ち味の「生酒」がおすすめです。 温かい日本酒を飲みたいときは、燗酒で魅力がパワーアップする「純米酒」や「本醸造酒」、「山廃」「生酛」なども美味しいですよ。 1-3.料理との相性を考える こってりした肉料理や塩辛いおつまみには、「純米酒」のようなコクのあるタイプの日本酒が良く合います。「山廃」「生酛」などは、意外にもチーズを使った洋食と好相性です。 すっきりキレのある日本酒は、新鮮な魚介類と相性ばつぐん。素材の味を活かしたイタリアン、フレンチのようなメニューがあるときは、フルーティーな香りの「純米大吟醸」もおすすめです。 1-4.容量、提供スタイルを選ぶ 飲食店では、日本酒を1合(180nl)で提供するのが一般的です。日本酒はアルコール度数15~16%と、ビールなどと比較すると度数が高いお酒。「1人で飲み切れるか不安」というときは、あらかじめ容量を確認しておきましょう。 また、日本酒はグラスまたは徳利(とっくり)で提供されます。何人かで少しずつシェアしたいときは、徳利でお願いするのがおすすめです。 2.初心者もこれで安心!注文時の5つのコツ メニューから日本酒を選んで、いざ注文!「やっぱり選びきれない」「ちょっと不安」というときも、次の5つのコツをおさせておけば安心です。 お店のおすすめを聞いてみる あわせたい料理を伝える 香りや味の好みを伝える 普段飲んでいるお酒を伝える 和らぎ水(やわらぎみず)を一緒に頼む 日本酒を提供する飲食店は、お酒のプロフェッショナル。遠慮せず、気軽に日本酒について相談してみてくださいね。 2-1.お店のおすすめを聞いてみる 美味しい日本酒を楽しみたいときは、お店のおすすめを聞いてみるのがいちばん。オールシーズン入荷しているお酒のほか、その時期だけの旬の味わいに出会えるからです。 おすすめ銘柄の味わいや特徴など、新たな知識が得られるのもうれしいですね。 2-2.あわせたい料理を伝える 多くの飲食店は、料理とお酒のペアリングを大切にしているもの。食べたい料理が決まっているときは「この料理にあう日本酒はどれですか?」と相談してみましょう。 「この日本酒を飲みたいのですが、あわせるならどのお料理が良いですか?」と聞いてみるのもおすすめ。日本酒にあわせたとっておきのペアリングを提案してもらえます。 2-3.香りや味の好みを伝える 自分好みの日本酒を注文するには、香りや味の好みを伝えるのがいちばんの近道です。特定名称酒や銘柄がわからなくても大丈夫。 「甘い香りの日本酒がすき」「スッキリした感じが好み」といったおおまかなイメージも、お店にとっては大きな参考要素になります。お酒にさほど強くない場合も、飲みやすい銘柄を紹介してもらえますよ。 2-4.普段飲んでいるお酒を伝える ビールやワインなど、日本酒以外に普段飲んでいるお酒を伝えるのもおすすめです。おうちで日本酒を飲んでいる場合、普段飲んでいる銘柄を伝えると、お酒の好みが日本酒選びの参考になります。 「初心者だし、注文に迷うなぁ」というときは、素直にお店側に伝えてみましょう。飲食店は、お店にやって来る方に美味しい日本酒を楽しんでほしいと思っているもの。初心者だからこそ美味しく楽しめる、おすすめ銘柄を提案してくれるはずです。 2-5.和らぎ水(やわらぎみず)も一緒に頼む 日本酒を注文するときは、和らぎ水も一緒にお願いしましょう。和らぎ水とは、日本酒の合間に飲む水のこと。日本酒と同量、またはそれ以上の水を飲むことで悪酔いを防げます。 口の中がすっきりとリセットされ、料理やお酒の味わいがより美味しく感じられるのもメリットのひとつです。 3.日本酒オーダーをシミュレーション 以上のポイントをふまえつつ、ここからは日本酒オーダーをシミュレーションしてみましょう。難しく考えず、ぜひ気軽に店員さんに相談してみてくださいね。   お家時間が増え、自宅で日本酒を楽しむ機会が増えた。お酒の購入はネットショップの利用が多い。ビールやワインも好き。今日は楽しみにしていた日本酒が豊富なお店に来店!うまく注文できるかちょっと心配…。 ラボオ すみません。日本酒をお願いしたいのですが、今日のおすすめはどれですか? 店員 今日はAとBがおすすめです。先日入荷したCも燗酒にすると美味しいですよ。 ラボオ うーん…実は日本酒を飲み始めたのは最近で。普段はワインもよく飲むのですが。料理は刺身盛りと生ハムサラダをお願いしようと思っていて…あわせるならどれがいいですか?どちらかといえばスッキリした味の日本酒が好みなんです。 店員 でしたら、Aがおすすめです。お刺身にあいますし、後口の酸味がきいているので、白ワインに近い感覚で楽しめますよ。冷やしていただくのがおすすめなのですが、いかがですか? ラボオ はい!ありがとうございます。あ、お水も少し多めに一緒にいただいていいですか? 店員 承知いたしました。少々おまちくださいませ。 いかがでしたか?ポイントは、食べたい料理や好みの味を伝えること。お目当ての料理とお酒がきたら、ぞんぶんに美味しい時間を楽しみましょう! 4.お気に入りの日本酒は記録しておこう! お気に入りの日本酒が見つかったら、なるべく記録しておきましょう。飲食店でお酒を注文したり、酒販店で購入したりするときの参考になります。 その場で手軽に入力するなら、日本酒アプリがおすすめ。写真や感想を記録するだけでなく、SNSなどで日本酒好きと情報共有できるのもうれしいですね。 日本酒を記録・検索できるアプリ「さけのわ」 ( Web版はコチラ → さけのわ ) まとめ 「名前が複雑」「わかりづらい」など、初心者にはちょっと敷居が高く感じられることもある日本酒。注文が不安なときは、お店のおすすめを聞きつつ、自分の好みを伝えてみるのがいちばんです。 料理とお酒でしあわせな時間を演出してくれる飲食店は「美味しい日本酒が飲みたい」という気持ちにきっと応えてくれるはず。難しく考えず、ぜひ気軽に日本酒の世界を楽しんでみてくださいね。

究極の食中酒、「伯楽星」を解説!

「伯楽星(はくらくせい)」は"究極の食中酒"として知られる日本酒です。全国のファンも多く、数々の受賞歴を誇ることから、その名を耳にする機会もあるのではないでしょうか。 そこで今回は、「伯楽星」の魅力や人気銘柄についてくわしく紹介します! 「おいしい日本酒を知りたい」「食事に日本酒をあわせるのが大好き」という方は、ぜひチェックしてみてくださいね。 1.伯楽星とは 「伯楽星(はくらくせい)」は宮城県の新澤醸造店(にいざわじょうぞうてん)が造る日本酒です。料理のおいしさを引き立てる"究極の食中酒"とも呼ばれています。 「伯楽星」が誕生する以前、食前酒や食後酒という言葉はあっても「食中酒」というジャンルは存在しませんでした。 香り高い吟醸酒が多いなか、新澤醸造店は「食事をよりおいしく感じさせる酒」を目指し、究極の酒造りに力を注ぎます。 2002年(平成14年)、"究極の食中酒"として「伯楽星」が誕生。 料理の素材が持つ力を引き出し、気づけばすいすいと呑み進められる酒「伯楽星」は全国へと人気が広がっていきます。 JAL国際線ビジネスクラス・ファーストクラスで12年連続提供されるほか、2010年・2014年FIFAワールドカップの公式酒として採用されるなど、世界でも高く評価されている日本酒です。 1-1.伯楽星の名前の由来 「伯楽星」という名は「千里の馬は常にあれども、伯楽は常にあらず」という言葉に由来しています。これは、"逸材を見出す眼力の重要性"を説いている言葉です。 また、地元に残る「伯楽が育てた名馬が天に昇った」という伝説にも由来するといわれています。 「伯楽」とは、中国周代を生きた名馬を見分ける力に長けた人物のこと。中国では天馬を守る星の名前でもあります。 「伯楽星」は「消費者に品質を見抜いていだたこう」という蔵人たちの熱い想いが込められた名前なのです。 2.伯楽星を造る新澤醸造店とは 新澤醸造店は、1873年(明治6年)創業の宮城県の酒蔵です。 1999年(平成11年)、東京農業大学農学部醸造学科を卒業した新澤巖夫(にいざわいわお)氏が、若干25歳で杜氏に就任。究極の食中酒「伯楽星」を誕生させます。 蔵が大切にしているのは「年齢や経歴に縛られない酒造り」です。ベテラン杜氏に酒造りをゆだねるのではなく、蔵人がお互いに刺激しあい、協力する酒造りをおこなっています。 2-1.移転後の設備の充実による酒質の向上 2011年(平成23年)、東日本大震災により蔵、母屋とも全壊の被害を受けた新澤醸造店は、現在の川崎町へと工場を移転します。 同年11月には酒造りを再開。新工場で特に力を注いだのが設備の拡充でした。 米は0.1℃刻みの温度調節ができる釜で蒸され、より質の良い麹(こうじ)へと姿を変えます。最新設備と蔵人の努力により「伯楽星」もまた、より磨き抜かれた味わいへと変化を遂げたのです。 さらに、敷地内にはマイナス5℃の保存が可能な冷蔵設備を完備。フレッシュな味わいを、そのまま飲み手へと届ける取り組みを導入しています。 2-2.全国最年少の杜氏が活躍 前述したように、新澤醸造店は「年齢や経歴に縛られない酒造り」をおこなう酒蔵です。 2018年(2018年)には、新澤杜氏に代わり、若干22歳の渡部七海(わたなべななみ)氏が杜氏に就任しました。 渡部氏が手がけた「あたごのまつ 洗練辛口」は、世界的に注目を集めるワインコンクール「ブリュッセル国際コンクール」の日本酒部門「SAKE selection 2018」の本醸造酒部門でトロフィー酒を受賞。 同年には初めて外国人副杜氏が就任するなど、世代や国籍を超え、少しでもおいしい日本酒になるようにとの酒造りが続けられています。 3.伯楽星を販売できるのは選ばれた酒屋だけ 新澤醸造店は、全商品マイナス5℃の品質管理を徹底しています。ほぼすべてのお酒が、1回だけ「火入れ」をする商品だからです。 火入れとは、味や香りの劣化を防ぐことを目的とした低温加熱殺菌のこと。通常であれば2回おこなう火入れを1回のみに限定している「伯楽星」は、そのぶん品質が変化しやすいお酒なのです。 蔵が採用しているマイナス5℃の環境は、フレッシュな味わいを長く保つことができる温度帯。「伯楽星」を販売する特約店も、徹底した冷蔵管理ができる店舗のみに限定されています。 4.伯楽星シリーズを紹介! 究極の食中酒「伯楽星」は、毎日の食事と一緒に楽しめるお酒です。新澤醸造店が手がけるもうひとつのブランド「あたごのまつ」に比べ、糖度を1/2ほど低く設定し、さらりとした飲み口を実現しています。 燗酒にもぴったりの純米酒からこだわりの純米大吟醸まで、早速それぞれの魅力をご紹介!ぜひ購入時の参考にしてくださいね。 4-1.伯楽星 特別純米 究極の食中酒をコンセプトに誕生した「伯楽星」の定番商品です。すっきりとした飲み口が、あわせる料理の味わいをぞんぶんに引き出します。冷やしてさわやかな酸味を楽しむほか、キレが際立つ熱めの燗酒で味わうのもおすすめです。 評判 世界唯一となる日本酒だけのコンペティション「SAKE COMPETITION」で2014年から4年連続GOLDを受賞。味のバランスに優れ、食中酒というジャンルを確立させた銘柄です。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 4-2.伯楽星 純米吟醸 蔵自らが「究極の食中酒をいちばん完璧に表現した」と語る1本です。蔵のこだわりでもあるフレッシュな味わいが活きています。パッションフルーツを思わせる香りが心地よく、魚介類とも相性ばつぐんの銘柄です。 評判 伯楽星ファンのなかでも人気の高い銘柄です。2019年の「G20 大阪サミット」では、2日目のワーキング・ランチで松花堂弁当とともに「伯楽星 純米吟醸」が振る舞われました。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 4-3.伯楽星 純米大吟醸 米をより小さく精米して造る純米大吟醸の多くは、華やかな香りが特徴です。「伯楽星」の純米大吟醸は、香りを強調するのではなく、米由来の味わいを大切にしています。やわらかな香りとにフレッシュな旨味は、ワイングラスで楽しむのがおすすめです。 評判 「和食にも洋食にもあう」と評判の銘柄です。「ワイングラスでおいしい日本酒アワード 2021」では、金賞を受賞。新鮮なお刺身から濃厚なチーズまで、さまざまな料理に寄り添ってくれます。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 4-4.伯楽星 純米大吟醸 東条秋津山田錦 高級酒米「山田錦」の産地として知られる東条秋津産の最高ランクの山田錦で造られた日本酒です。米の精米度合いを示す数値は29%と、酒米の中心部分だけをぜいたくに使用しています。伯楽星の文字が入った木箱も美しく、贈答用にもおすすめの銘柄です。 評判 フランスで開催される日本酒コンクール「Kura Master 2020」の純米大吟醸部門で金賞を受賞。トップソムリエも評価した味わいは、ふちの薄いワイングラスに注ぐとより一層魅力が花開きます。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 4-5.伯楽星 純米大吟醸...

日本酒界のレジェンド「十四代」を解説!プレミアがつくその魅力とは?

日本酒の世界を楽しんでいると「十四代(じゅうよんだい)」という名前を耳にすることもあるのではないでしょうか。「なかなか手に入らないプレミア酒」「十四代はレアなお酒」と聞くと、ますますどんなお酒なんだろうと気になってしまいますよね。 そこで今回は、プレミア日本酒「十四代」についてくわしく解説!名前の由来や代表銘柄もあわせて紹介します。 1.プレミア日本酒「十四代」とは? 「十四代(じゅうよんだい)」は、山形県の高木酒造(たかぎしゅぞう)が造る日本酒です。平成初期のリリース以来、香り高く、芳醇旨口の味わいに魅了される日本酒ファンは後を絶ちません。 その一方で、十四代は入手の難しさから「幻の日本酒」とも呼ばれています。まずは、十四代の名前の由来やプレミア日本酒といわれる理由について探っていきましょう。 1-1.十四代の名前の由来 十四代という名前は、1963年(昭和38年)頃、14代目当主「高木 辰五郎」氏によって名付けられました。 日本酒に名前を付けて販売するためには、商品登録しなくてはいけません。辰五郎氏は十四代以外にも「十三代」「十五代」「十六代」といった名前を申請しました。 通常であれば、数字は登録申請を通らないルールとなっています。ところがなぜか、十四代だけが審査を通過したのです。「としよ」「としひろ」といった、人名に間違われたのが理由では?ともいわれていますが、その真相は定かではありません。 こうして奇跡的に誕生した十四代という名は、古酒のブランド名として蔵で使用されてきました。 現在多くの人が知る十四代が誕生したのは、15代目「高木 顕統」氏が初めて日本酒を造り上げたときのこと。創業以来400年余り続く伝統とともに、その名も新たな時代へと受け継がれたのです。 1-2.十四代がプレミアな理由 十四代が誕生したのは、時代が平成に移ってからのこと。香り控えめ、スッキリした味わいの端麗辛口の日本酒ブームが巻き起こるなか、フルーティーな香りの十四代は一躍人気銘柄に躍り出ます。 一度飲んだら忘れられない、みずみずしく、研ぎ澄まされた味わいはまさにプレミアと呼ぶにふさわしい品格。全国各地の酒販店が、一切の妥協を許さないこだわりの製法と原料で生まれる十四代の販売を希望しました。 ところが、多くの日本酒ファンが十四代を求める一方、高木酒造は自社ホームページはおろかメールアドレスも持たない酒蔵だったのです。 新たな日本酒の時代を切り拓いた銘酒でありながら、くわしい情報はベールに包まれている。 確かな味わいはもちろん、そんな一面も、十四代がプレミアと呼ばれる理由のひとつといえるかもしれません。 2.十四代を造る高木酒造とは? 高木酒造は、1615年(元和元年)創業の老舗酒蔵です。蔵が建つ山形県村山市は、四季折々の気候がはっきりとした自然豊かな地域。美しい水源にも恵まれ、蔵自ら「酒未来(さけみらい)」「龍の落とし子」「羽州誉(うしゅうほまれ)」といった酒米の開発にも取り組んできました。 また、地元では古くから「朝日鷹(あさひたか)」という日本酒の醸造元としても知られています。山形県内のみの限定流通商品ですが、見かけた際はぜひこちらもチェックしておきたいですね。 2-1.十四代の生みの親、「高木 顕統(たかぎ あきつな)氏」 十四代の生みの親である高木 顕統(たかぎ あきつな)氏は、東京農業大学農学部醸造科を卒業後、東京の大手百貨店に勤務していた人物です。1993年(平成5年)、高齢になった杜氏の引退を機に蔵へと戻ると、杜氏として酒造りを始めました。 当時、日本酒業界はスッキリとした端麗辛口ブームのまっただなか。幼いころから蒸米の甘い香り、麹の匂いに触れて育った顕統氏は「本来の日本酒は、もっと芳醇で旨口であるべき」という信念を貫き、香り高く芳醇な味わいの十四代を造り上げます。 さらには、酒質の設計から商品ブランディングまで一貫して担当。現在の蔵元杜氏の流れを生み出したパイオニアともいえる存在です。 3.十四代の代表的な銘柄 プレミア日本酒「十四代」、日本酒好きなら知れば知るほど「飲んでみたい!」と思うものですよね。とはいえ、なかなか入手できないのが十四代の悩ましいところ。ここからは、十四代の代表銘柄を紹介します。 酒販店で十四代を購入するチャンスが訪れたり、飲食店で十四代に出会ったり…。ぜひ、ここぞ!という機会が訪れたときの参考にしてくださいね。 3-1.十四代 純米大吟醸 龍泉 十四代のなかでも最高ランクにあたる銘柄「龍泉(りゅうせん)」。入手困難を極め、ネットでは数十万円で取引されることも少なくありません。高級酒米「山田錦」を35%まで磨き上げ限界低温発酵させた後、酒袋からこぼれる雫を1滴ずつ集め氷温貯蔵熟成させた純米大吟醸酒です。 評判 原料、製法、ボトルとすべてがスペシャル。外箱と中箱の二重使用の高級化粧箱におさめられています。香りはバニラのように甘く華やか。多くの日本酒ファンが酔いしれる至極の逸品です。 (出典元:ミツワネットショップ) 3-2.十四代 双虹 大吟醸 「双虹(そうこう)」は、山田錦を三割五分まで磨いたフルーティーな甘さが香り立つ日本酒です。毎年11月ごろに限定販売されており、定価は1万円台でありながらネット通販では10万円全前後の高値で取引されています。 評判 吟醸香はほんのりと柔らかでフルーティー。後味も爽やかで、ほのかな酸味が米の余韻を思わせます。口当たりも滑らかで、まるで水のように何杯でも飲み進めたくなる上質な日本酒です。 (出典元:ミツワネットショップ) 3-3.十四代 純米大吟醸 龍月 「双虹」とならび、「龍泉」に次ぐ十四代の最高峰銘柄です。毎年11月に販売される限定酒であることが、さらに希少性を高めています。袋吊りで搾ったお酒を一斗(18リットル)入りの瓶で少量ずつ集め、氷温熟成させるという手間のかかる製法で造られた日本酒です。 評判 真っ白な化粧箱入りの「龍月(りゅうげつ)」は、贈答用にもふさわしい佇まい。「SAKE COMPETITION」では数々の受賞歴を誇るなど、もちろん味も折り紙付きです。十四代らしい香りと甘みはしっかりと。それでいて雑味のない研ぎ澄まされた味わいが光ります。 (出典元:ミツワネットショップ) 3-4.十四代 七垂二十貫 高木酒造の伝統の製法「七垂二十貫(しちたれにじっかん)」によって醸造された十四代です。七垂二十貫とは、二十貫(約75㎏)の米からわずか七垂れ(7滴)しか取れないほど希少な酒、という意味。「龍泉」「双虹」「龍月」と、十四代の代表銘柄はこの七垂二十貫によって造られています。 評判 袋から一滴一滴搾り取る雫酒の味わいはまさに絶品。その確かな酒質は世界でも認められ、「2015年SAKE COMPETITION」の純米大吟醸部門で第3位を受賞しました。ネット通販でも7万円近い額で取引される日本酒です。 (出典元:ミツワネットショップ) 3-5.十四代 純米吟醸 龍の落とし子 「龍の落とし子」は14代目当主の高木辰五郎氏が開発した酒米です。幾度も交配を重ね、実に18年の月日を経て誕生しました。裏ラベルに系譜が書かれていることからも、蔵の酒米への強いこだわりがうかがえます。 評判 開栓と同時に広がるみずみずしく爽やかな香り。米の甘みと旨味をじっくり堪能できる1本です。2日、3日と時間を置くと、よりまろやかに変化する味わいを楽しめます。 (出典元:ミツワネットショップ) 3-6.十四代 純米大吟醸 酒未来 「酒未来(さけみらい)」は「龍の落とし子」同様、高木酒造が独自に開発した酒米です。近年は全国各地の有名蔵で「酒未来」を使用した日本酒が造られています。お酒の未来を盛り上げたいという蔵の想いが伝わる1本です。 評判 甘くやわらかな香りは洋梨やマスカットのよう。口に含むと甘みと旨味、ほのかな酸味がじゅわっと広がります。入手困難なことは変わらないものの、定価は数千円台と比較的求めやすく、飲食店などで見かけたときはぜひ味わっておきたい銘柄です。 (出典元:ミツワネットショップ) 3-7.十四代 本丸 秘伝玉返し フルーティーで香り豊かでありながら、飲み口はすっきり。添加するアルコールに自社の粕取り焼酎を使用するという、こだわりに溢れた日本酒です。十四代のスタンダード的な存在であり、その人気を世に知らしめるきっかけとなった銘柄でもあります。 評判 日本酒の最高峰とされる味わいは、「間違いなくおいしい」と日本酒ファンがうなるほど。見た目も華やかで桐箱入りの商品もあるため、贈答用としても好まれています。十四代はまだ飲んだことがないという方に、まずおすすめしたい一本です。 (出典元:ミツワネットショップ) まとめ 日本酒ファンの憧れ的存在ともいえる「十四代」。その確かな味わいは、蔵の熱い情熱とこだわりによって生まれています。 それだけに繊細な十四代は、マイナス5℃からプラス5℃の低温保管が基本。高木酒造も保存管理の行き届いた酒販店への販売を基本としています。 十四代を入手できた際は、ぜひ一期一会のお酒との出会いを大切に、幻と呼ばれるその味わいを堪能してみてはいかがでしょうか。

正月明けにがっかりしないために!正月太りを避けるためのお酒との付き合い方

年末年始の楽しみといえば美味しい料理とお酒!しかし、同時に気になるのが「正月太り」ではないでしょうか。今回は正月太りの原因と、正月太りを避けるためのポイントを紹介します。体重増加を防ぎつつ、年末年始も美味しく楽しく日本酒を味わいましょう。 1.正月太りの原因はお酒とおつまみの相乗効果 正月休みが明けた仕事始め。「むむっ。いつもの服がなんだかキツイ!今年も正月太りか…」とうなだれる人も多いのではないでしょうか。 年末年始は何かと会食が増える時期。クリスマスメニューにおせち料理とごちそうが目白押しです。気の合う仲間と飲むお酒に、ついついおつまみを食べる手も進みます。 特に、発泡感のあるお酒は食欲を増進させるアイテム。食前酒として好まれるビールやシャンパンには、胃の働きを活発化させる働きがあるといわれています。 さらに、酔っぱらうと脳の視床下部にある満腹中枢が麻痺し、食べすぎへとつながってしまうのです。また、寒い季節はエネルギーを蓄えるために、体が皮下脂肪を溜め込みやすくなっています。 「ごちそう」×「お酒」×「寒い季節」。これらの相乗効果によって、正月太りが生まれてしまうというわけです。 2.年末年始に正月太りを避けるためのお酒との付き合い方 正月太りを避けつつ、上手にお酒と付き合うためのポイントは次の4つです。 おつまみやおせちの食べすぎに注意する 和らぎ水(チェイサー)を用意する 食べる順番、内容に工夫する 意識的に運動量を増やす 理屈はわかっていても、できれば避けたい正月太り。ポイントをおさえつつ、年末年始も美味しいお酒を楽しみましょう。 2-1.おつまみやおせちの食べすぎに注意する 年末年始の料理といえば、クリスマスケーキにチキンなどカロリーや脂質の高いものが多いですよね。和食のイメージが強いおせちも、実は食べすぎに気を付けたいメニューです。 おせちは、お正月三が日に料理をしなくて良いようにと保存食を中心に詰められています。黒豆や栗きんとんには砂糖、煮物には醤油が使用され、糖分や塩分が多いことが特徴です。 塩分の摂りすぎは、体のむくみにもつながります。お酒を飲みながらついつい食べ過ぎてしまわないよう、あらかじめ食べるぶんだけを取り分けておくなど、工夫をしながら楽しみたいですね。 2-2.和らぎ水(チェイサー)を用意する 和らぎ水とは、日本酒や焼酎の合間に飲む水のことです。洋酒とあわせるときはチェイサーとも呼ばれます。 和らぎ水には、アルコールによる脱水症状を防ぐ働きがあります。頭が痛くなったり、気持ち悪くなったりといった悪酔いを防ぐためにも、お酒を飲むときは和らぎ水をあわせるのがおすすめです。 また、和らぎ水はアルコールによる胃への刺激を和らげる効果も期待できます。食べすぎを防ぐためにも、年末年始のお酒は和らぎ水と一緒に楽しみましょう。 2-3.食べる順番、内容に工夫する 年末年始のごちそうを食べるときは食べる順番、内容にもひと工夫。なるべく野菜や海藻類から食べ始め、次に肉や魚などのメイン料理を食べましょう。野菜や海藻に含まれる食物繊維が血糖値をおだやかに上昇させ、脂肪の溜め込みを防ぐ効果が期待できます。 お酒のおつまみにするなら、ふろふき大根や湯豆腐、シーザーサラダなどがおすすめ。野菜たっぷりのスープを用意すれば、満腹感が高まり食べ過ぎ防止に効果的ですよ。 2-4.意識的に運動量を増やす お正月はついつい運動不足になってしまいがちですよね。テーブルの上にあるおせちをつまみつつ、酔っぱらってそのまま昼寝…というパターンも多いかもしれません。 運動量が減りがちな年末年始は、意識的に体を動かしましょう。朝晩のストレッチや軽い散歩も効果的です。天気が良い日は、近所の神社へお参りに行くだけでも運動量が増えますよね。雪の多い地域であれば、雪かきもかなりのカロリー消費につながります。 また、夜遅くまでお酒を飲むと、翌日まで体内にアルコールが残り日中の活動量が減りがちです。正月太りを防ぐためにも、お酒はなるべく早い時間に切り上げ生活リズムが乱れないように心がけましょう。 まとめ クリスマケーキにチキン、おせちにあわせるお酒はなんとも美味しいものですよね。たっぷり楽しんだ後の正月太りを防ぐには、やはり「食べ過ぎ」「飲みすぎ」に気を付けることが大切です。 野菜を意識的に摂ったり、運動量を増やすだけでもずいぶんと効果的。年末年始も元気に美味しくお酒を楽しみ、1年の良いスタートを切りましょう。 https://sake-5.jp/sake-calories-and-sugar/ https://sake-5.jp/sake-diet/ https://sake-5.jp/sake-calorie/

【2023年最新版】新潟生まれの酒米「五百万石」とは?五百万石で造られた日本酒20選

おすすめの日本酒を探す際に、使用されている酒米を参考にするのも日本酒の選び方の一つです。 五百万石(ごひゃくまんごく)は、日本酒造りに使う酒米の名前。新潟県を中心に、南は九州まで幅広い地域で栽培されています。 今回は、五百万石を使ったおすすめ日本酒をご紹介!酒米の特徴や味の個性を知れば、日本酒がもっと楽しく、もっと美味しくなりますよ。 1.五百万石ってどういう酒米? 五百万石(ごひゃくまんごく)は、新潟生まれの酒米です。酒米「菊水」を母に、「新200号」を父に交配されました。 兵庫県を中心に栽培される「山田錦(やまだにしき)」ともに、酒米の2トップともいえる品種。山田錦が西の横綱と呼ばれるのに対し、五百万石は東の横綱の名で知られています。 五百万石=米約75t 「ごひゃくまんごく」という耳慣れない名が表しているのは、米の量です。江戸時代は、米約140kgを「1石(こく)」と表していました。 1957年(昭和32年)、新潟県の米の生産量は約75万tを突破します。その量は、石(こく)で換算するとおよそ500万。酒米「五百万石」の名は、この生産量を記念して名付けられました。 全国各地で栽培できる早生種(わせしゅ) 昭和50年代後半になると、五百万石は酒米のシェア50%を占めるほどの人気銘柄になります。2013年(平成13年)に山田錦に抜かれるまで、40年近くもの間、作付面積1位をキープしてきました。 その理由は、比較的早く収穫できる早生種(わせしゅ)であり、全国各地で栽培できたことがあげられます。現在も東北南部から九州北部まで、幅広い地域で栽培されている酒米です。 心白(しんぱく)が大きい 酒米の中心には、心白(しんぱく)と呼ばれる白く濁る部分が存在します。心白が大きな五百万石は、精米時に崩れやすく削りにくい酒米です。 そのため、米を小さく削って仕込む「吟醸酒」には不向きなものの、蒸したときの粘りが少なく、麹が造りやすいといわれています。五百万石で造る日本酒は香りがスッキリと、クセのない味わいに仕上がるのが特徴です。 2.五百万石で造られた日本酒おすすめ20選 ここからは、五百万石で造られたおすすめ日本酒をご紹介します!同じ酒米を使っても、水や製法でさまざまな個性を見せるのが日本酒のおもしろいところ。スッキリとした五百万石ならではのお酒から、ふっくらやわらかな味わいのお酒までさまざまです。ぜひ、日本酒選びの参考にしてくださいね。 2-1.車坂 生もと純米酒 生酒 無農薬、無化学肥料で育った五百万石を100%使用。女性杜氏、藤田晃子氏の熱い想いが込められた1本です。「生もと(きもと)」と呼ばれる、昔ながらの伝統製法で造られています。 味わい深いラベルに描かれているのは、生もと造りの様子です。木桶に米と水を入れ、すりつぶしながら天然の乳酸菌を育てていきます。自然が生み出すしなやかな味わいは、まさに絶品。冷やはもちろん、ぬる燗でも美味しい日本酒です。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 2-2.久保田 萬寿 純米大吟醸 新潟県を代表する地酒「久保田(くぼた)」。「萬寿(まんじゅ)」が発売されたのは1986年(昭和61年)のことです。以来、端麗辛口の味わいは多くの日本酒ファンに愛されてきました。 グラスからフワッと舞い上がるのは華やかな香り。口に含むと米の甘みと旨味がじんわりと広がります。祝いの席の乾杯にもふさわしい、気品あふれる1本です。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 2-3.あべ 純米吟醸 シルバー 生詰め 「あべ」は新潟県の阿部酒造が造る日本酒です。カラーバリエーションを持つあべシリーズは、2015年に誕生しました。仕上げに加水をせず、原酒そのままで販売している銘柄です。 シルバーはシリーズ定番の純米吟醸酒。地元新潟県産の酒米を100%使用しています。製造年によりアルコール度数が微妙に異なるのもおもしろいところ。旨味と酸味のバランスに優れた、食中酒にぴったりの味わいです。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 2-4.大七 生もと 純米 大七(だいしち)酒造は、創業以来「生もと造り」にこだわり続ける酒蔵です。手間と時間をかけ、繊細かつ奥深い味わいの日本酒を生み出しています。 生もと造りで生まれる純米酒は、ふっくらとした旨味が心地良い1本。ぬる燗や熱燗で美味しいお酒です。冬の鍋はもちろん、ビーフシチューやクリーム煮のような洋食にも良く合います。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 2-5.黒龍 吟醸 いっちょらい 「いっちょらい」とは、福井県の方言で「一張羅」「自分にとって一番いいもの」を表す言葉。福井県の銘酒「黒龍(こくりゅう)」のなかでも、コストパフォーマンスに優れた1本です。 甘く華やかな香りは熟れたメロンのよう。後口はさっぱりと、飲み飽きしない美味しさです。キレと旨味を兼ね備え、黒龍ファンからも高い人気を得ています。 (出典元:IMADEYA ONLINE STORE) 2-6.澤屋まつもと 守破離 五百万石 京都伏見の人気酒蔵「澤屋まつもと」。使用する五百万石は、富山県南砺(なんと)市の五百万石です。米の産地で異なる味の違い、価値にこだわって造られています。 純米酒はふっくら、どっしりした酒質が多いなか、こちらの純米酒は実にフレッシュな味わい。舌を微かに刺激するガス感も活きています。さわやかな酸味と旨味、苦みが絶妙にマッチした1本です。 (出典元:IMADEYA...

「日本酒は悪酔い・二日酔いになりやすい」ってホント?悪酔いを防ぐ日本酒の楽しみ方も解説!

「日本酒を飲むと悪酔いする…」と感じたことはありませんか?実はそれ「日本酒」が原因ではないのかもしれません。 今回は、悪酔いと二日酔い、それぞれの違いをくわしく解説します!知っていると知らないとでは大違い、悪酔いを防ぐ3つのポイントもぜひチェックしてみてくださいね。 1.悪酔いと二日酔いはそれぞれ違う症状 悪酔いと二日酔いは、似ているようでそれぞれ症状が異なります。特に、悪酔いはお酒を飲みすぎなくても現れるのが大きな特徴です。 「悪酔い」は飲酒後2~6時間後に起こる 「悪酔い」とは、お酒を飲んでから2~6時間後に起こる症状です。赤面紅潮や吐き気、頭痛、脈拍数の上昇が主な症状としてあげられます。お酒が弱い人や、体調が悪い人に現れやすいのが特徴です。 悪酔いの原因は、体内で発生する「アセトアルデヒド」という有害物質です。 体内に入ったアルコールは、通常であれば肝臓で処理されます。しかし、体質や飲酒量によっては処理が追い付かず、アセトアルデヒドが発生してしまうのです。 特に、日本人の約6割はアルコールの処理能力が低く、基本的にアルコールには強くない体質だといわれています。 疲れがたまっていたり、体調が優れなかったりするときも同様です。アルコールの処理能力が落ち、悪酔いする可能性が高いため注意しましょう。 「二日酔い」は飲酒後8~14時間後に現れる 「二日酔い」は、飲みすぎた翌朝に起こる症状です。主に、頭痛や嘔吐、発汗をともなう不快症状が現れます。 二日酔いの主な原因は、お酒の飲みすぎです。大量にアルコールを摂取することで分解処理が追い付かず、体内のアセトアルデヒドの濃度が急上昇してしまいます。 もうひとつの原因物質が、お酒に含まれる「アデノシン」です。アデノシンには血管拡張作用があり、長時間お酒を飲むほど頭痛が起こりやすくなります。 アルコールが持つ利尿作用も、二日酔いの原因のひとつです。必要以上に水分が排出されると、体は脱水症状を引き起こします。結果、頭痛やだるさ、胃のむかつきといった二日酔い特有の症状が現れるのです。 2.「日本酒は悪酔い・二日酔いになりやすい」ということはない 「日本酒は悪酔いしやすい」「日本酒は二日酔いになりやすい」というイメージはありませんか?ひとことで言うなら、それは大きな誤解。大切なのはお酒の種類ではなく、飲む量や摂取するアルコール量です。 日本酒は、ほかの酒類に比べアルコール度数が高いお酒です。以下は度数の目安となります。 酒類 アルコール度数 日本酒 15度~16度 ビール 5度 焼酎 25度 ウイスキー 43度 ワイン 14度 缶チューハイ 5度 乾杯!の勢いでグビグビッと飲むビールのように、日本酒を飲んでしまったら?一度に摂取するアルコール量はおよそ3倍近くになってしまいますよね。 結果的にアルコールの分解処理が追い付かず、悪酔いや二日酔いが起こってしまいます。日本酒に限ったことではありませんが、お酒は自分に合ったペースで、自分に合った量を飲むように心がけたいですね。 醸造アルコールが添加された日本酒は酔いやすい? 日本酒には、醸造アルコールを添加した「本醸造酒」という種類があります。「アル添酒(あるてんしゅ)」とも呼ばれる本醸造酒は「悪酔いしやすい」「体に悪い」というイメージを持たれることも少なくありません。 醸造アルコールは、サトウキビなどを原料にした純度の高いアルコールです。焼酎と同じ原料で造られることもあり、本来は体に悪い成分ではありません。 ではなぜ、醸造アルコールを添加した日本酒に酔いやすいイメージが付いているのでしょうか? これには、戦後の物資不足の時代、醸造アルコールや糖類などで日本酒をかさ増ししていたことが関係すると考えられます。 当時の日本酒は、水で希釈した醸造アルコールなどで醪(もろみ)を3倍まで増量させることから「三増酒(さんじょうしゅ)」と呼ばれていました。粗悪な密造酒が横行するこの時代、安価で手に入りやすい三増酒は、人々のニーズを満たすものだったのです。 今でも、醸造アルコールを添加したお酒の多くはコストパフォーマンスに優れています。そのため「安い=質が低く酔いやすい」というイメージを持たれることがあるのかもしれません。 しかし、現在の醸造アルコールは、お酒のかさ増しではなく香りや味の調整を目的に使用されています。醸造アルコールを使った本醸造酒は、端麗辛口の味わいが特徴です。ドライテイストでついつい飲みすぎてしまうことから、悪酔いの可能性が高いとも考えられます。 悪酔いや二日酔いの原因は、あくまでもお酒の飲みすぎです。醸造アルコールを使っているからといって、悪酔いするわけではないことを覚えておきたいですね。 3.悪酔い・二日酔いを防ぐ3つのポイント 悪酔いや二日酔いを防止するためには次の3つのポイントが大切です。 適正なアルコール摂取量を知っておく 和らぎ水(チェイサー)を飲む 空きっ腹でお酒を飲まない 酒蔵が造った美味しい日本酒。せっかくなら悪酔いせずに、美味しく楽しみたいですよね。ぜひ、お酒を飲むときはこれらのポイントを意識してみてください。 3-1.適正なアルコール摂取量を知っておく 悪酔いや二日酔いを防ぐためには、適正なアルコール摂取量を守ることが大切です。厚生労働省は、以下の量を1日あたり摂取量の目安としています。 酒類(アルコール度数) 分量 ビール(5度) 中瓶1本 日本酒(15度) 1合 焼酎(25度) 0.6合 ウイスキー(43度) ダブル1杯 ワイン(14度) 1/4本 缶チューハイ(5度) ロング缶1本 日本酒1合は、およそ180mlです。とはいえ、体質によってアルコールの処理能力には差があります。「お猪口一杯で顔が赤くなる」という人もいれば、「4合瓶を1本空けても平気」という人もいますよね。 アルコールをきっかけで体調を崩さないためにも、自分の適正量を把握したうえで、飲みすぎに注意しながらお酒を楽しむように心がけましょう。 3-2.和らぎ水(チェイサー)を飲む 「和らぎ水(やわらぎみず)」は、日本酒の合間に飲む水のことです。洋酒に合わせるときはチェイサーと呼ばれています。 和らぎ水には、お酒による脱水症状を防ぐ働きがあります。また、口内をスッキリとリフレッシュしてくれることもポイントです。料理と一緒にお酒を楽しむときは、次に口にする素材の味がより感じやすくなります。 日本酒と料理のマリアージュを楽しみつつ、合間に和らぎ水をひとくち。このルーティーンを意識してみてくださいね。 3-3.空きっ腹でお酒を飲まない 1日の終わり、空きっ腹に染みわたるビールがたまらない!と感じる人も多いかもしれませんが、悪酔いを防ぐためには注意が必要です。空っぽの胃にお酒を流し込むと、アルコールが急速に吸収されてしまいます。 肝臓に運ばれたアルコールの処理能力が追い付かず、アセトアルデヒドを発生すれば悪酔いの原因に。頭痛や吐き気を防ぐためにも、お酒を飲む前は軽食をつまんでおくのがおすすめです。 まとめ 自分の適正量以上のお酒を飲むと、悪酔いや二日酔いの原因となります。せっかく美味しい日本酒を飲んでも、翌朝「もうお酒はいらない…」というほど体調を崩してしまっては残念ですよね。 「お酒は百薬の長」といわれるとおり、日本酒は飲み方次第では体に良い効果も期待できます。悪酔いを防ぐポイントをおさえつつ、今日も美味しく日本酒を楽しみましょう。 https://sake-5.jp/supplements-and-drinks-available-at-convenience-stores/ https://sake-5.jp/hangovers-from-year-end-and-new-years-parties/ https://sake-5.jp/headache-from-sake/

「熱燗」や「ぬる燗」の違いとは?日本酒のおいしいお燗のつけ方も解説!

日本酒には様々な飲み方・楽しみ方がありますが、「燗酒」は、冷やしても温めてもおいしい日本酒ならではの飲み方です。とはいえ「燗酒はお店で楽しむもの」というイメージを持つ方も多いかもしれません。 今回は、燗酒の温度帯や、お家でできるおいしい作り方についてご紹介します。寒い冬、選ぶお酒の種類やポイントをおさえ、ぜひお家で気軽に燗酒を楽しんでみてくださいね。 1.日本酒は日向燗(ひなたかん)から飛び切り燗まで楽しみ方はさまざま 「燗酒(かんざけ)」とは、加熱をした日本酒のことです。ひとくちで燗酒といっても、温度によって楽しみ方はさまざま。呼び名も次のように変化します。 30℃ 日向燗(ひなたかん) 35℃ 人肌燗(ひとはだかん) 40℃ ぬる燗 45℃ 上燗(じょうかん) 50℃ 熱燗(あつかん) 55℃~60℃ 飛び切り燗 30℃~40℃は、日本酒のふくよかな香りが楽しめる温度帯です。味わいもよりまろやかに、やさしい口当たりに変化します。 40℃から徐々に温度を上げると、キリッとしたドライな味わいが引き立っていきます。香りは落ち着き、甘みや酸味がより強く押し出されるのが特徴です。アルコール感が強調されるため、通好みの飲み方といえるかもしれません。 2.お燗をつけておいしい日本酒の選び方 お燗につける日本酒を選ぶときのポイントは、次の2つです。 酸度を見て選ぶ 純米酒か本醸造酒を選ぶ どちらも日本酒のラベルで確認でき、酸度は数字で表示されています。「純米酒」「本醸造酒」という名前は、ラベルの「特定名称」にあたるものです。 2-1.酸度を見て選ぶ 酸度は、日本酒の酸味や旨味のもととなる有機酸の量を表す数字です。日本酒の場合「酸度が高い=すっぱい」というわけではありません。酸度が高いほど、スッキリとしたドライな味わいに仕上がります。 いわゆる「辛口」にあたる酸度の高い日本酒は、お燗にするとおいしいタイプ。酸度の平均値はおよそ1.3前後のため、お燗にする場合は1.4以上を目安に選んでみましょう。 2-2.純米酒か本醸造酒を選ぶ 「純米酒」は、米と麹、水のみで仕込んだ日本酒です。外側をあまり削らない「低精米」の米で造るため、ふくよかな味わいに仕上がります。温めるとより味のふくらみが増し、燗酒にするお酒におすすめです。 純米酒のなかでも「山廃(やまはい)」「生もと(きもと)」と書かれている日本酒を見つけたら、ぜひぬる燗で味わってみてください。伝統製法である山廃、生もと仕込みの日本酒は、繊細で奥深い味わいが特徴です。燗酒にすると、その魅力がより一層引き立ちます。 「本醸造酒」は、醸造アルコールと呼ばれる蒸留酒を添加した日本酒です。端麗辛口タイプの本醸造酒は、上燗や熱燗のようなアツアツの燗酒に適しています。キリッとシャープな味わいが引き立ち、燗酒好きに好まれるお酒です。 3.おいしいお燗をつけるポイント 「お家で燗酒、なんだかハードルが高そう」と思っていませんか?ちょっとしたポイントに気を付ければ、自宅でもおいしい燗酒が楽しめます。 ここからは「湯煎」と「電子レンジ」でつける燗酒のポイントをご紹介。ぜひ、気軽に楽しくお燗にチャレンジしてみてくださいね。 3-1.湯煎でおいしいお燗をつけるポイント 湯煎でおいしいお燗をつけるポイントは「お湯の量」と「温度」、「時間」の3つです。 湯煎用のお湯は、徳利(とっくり)が肩までしっかりつかるくらい、たっぷりと用意しましょう。理想の温度は80℃。グラグラ沸くほど熱いと、日本酒のアルコールが揮発し、アルコール臭が強い燗酒になってしまいます。つける時間はおよそ2~3分。短時間で温めることで、日本酒の香りが残った美味しい燗酒ができあがります。 具体的な流れは以下のとおり。「80℃のお湯に肩までつかってサッとあがる!」のイメージで、徳利をお湯につけてあげてくださいね。 徳利の首の部分(くびれた部分)までお酒を入れる 徳利が肩までつかる量の水を鍋に入れる 徳利を取り出し、鍋を火にかけて水を沸騰させる 沸騰したら火を止め、ひと息ついてから徳利を入れる(やけどをしないように注意!) そのまま2~3分待ち、お酒がとっくりの表面まで持ち上がってきたらできあがり! ※好みのおつまみを用意するのも忘れずに…。 3-2.電子レンジでおいしいお燗をつけるポイント 「鍋を準備するのはちょっとめんどう」「寒い夜、帰宅してすぐ燗酒が飲みたい」というときは、電子レンジを活用しましょう! 電子レンジでおいしいお燗をつけるポイントは、温度ムラを防ぐこと。時間の目安は、お酒1合(180ml)あたり500Wで約40秒です。20秒たったら途中で徳利を取り出し、軽く振って上下の温度を均一に仕上げます。 残り20秒で人肌燗ができあがりますが、機種によっても仕上がりが違うので、ぜひ時間を調整しながら自分好みの温度を見つけてみてください。 香りが逃げてしまわないように、徳利の口をラップでふんわり覆うこともポイントです。ピチッと覆うと徳利にラップが張り付き、はがすときに「アチチ」とやけどする恐れがあるためじゅうぶんお気を付けください。 まとめ 米の香りがふんわりと立ち上る燗酒。口に含むとじんわりお酒のおいしさが広がり、心と体をやさしく温めてくれます。燗酒は玄人好みの飲み方と思わず、今年はぜひ気軽に、冬の醍醐味「燗酒の世界」を楽しんでみませんか?

酒蔵で行われている伝統行事「呑切り」とは?

「呑切り(のみきり)」は、酒蔵に伝わる伝統行事です。杜氏や蔵人たちが集い、熟成途中の日本酒の出来をチェックします。一般的に知られることの少ない呑切りも、蔵にとっては一大イベント。今回は、呑切りの内容や由来についてお伝えします! 1.呑切りとは 「呑切り(のみきり)」とは、熟成中の日本酒の質をチェックすることです。日本酒は冬に仕込み、春から夏へと熟成させ、1年をかけて新酒の季節を迎えます。 酒造技術が発達していないころは、熟成中に日本酒が腐敗してしまう恐れがありました。日本酒が白く濁り、酸味を帯びる「火落ち」と呼ばれる現象です。 火落ちを防ぎ、熟成度合いを見極めるため、各蔵では夏に唎酒がおこなわれるようになります。これが呑切りのはじまりです。 貯蔵技術が発達した現在は、季節を問わず日本酒が出荷できるようになりました。そのため、呑切りは出荷のつどおこなうのが一般的です。 しかし、夏場の呑切りだけは今も酒蔵にとって特別なもの。冬に仕込んだ日本酒と初対面する緊張の瞬間です。 色あい、味、そして香り。呑切りでは、数値化できない繊細な味わいを人の五感で判断していきます。 1-1.呑切りの由来 呑切りという呼び名は「栓を切る」ことに由来しています。日本酒を熟成させる貯蔵タンクには「吞み口」と呼ばれる栓が付いています。栓を切ると、中から日本酒がこぼれだす仕組みです。 呑切りは「栓を切る」、つまり「呑み口を切る」が転じて生まれました。シーズン初めての吞切りは「初呑切り」、合間におこなうものは「間呑切り」と呼ばれています。 1-2.呑切りに使う「蛇の目の唎猪口」 呑切り当日、蔵には「蛇の目の唎酒猪口(じゃのめのききちょこ)」がズラッと並びます。蛇の目の唎猪口は、唎酒用に造られたお猪口です。 底にブルーの二重丸が描かれているのは、細かな浮遊物を見えやすくするため。白と青のコントラストにより、日本酒の色合いも確認しやすくなります。ぽってり丸く、適度な高さのある形は香りを包み込むためです。 ちなみに「蛇の目」とは、古くは和傘や家紋に用いられた模様を意味します。第1回目の全国新酒鑑評会より、お猪口の模様として採用されました。 2.6~8月のタイミングでおこなう「初呑切り」 冬から続く酒造りがひと段落するころ、蔵では「初呑切り」がおこなわれます。時期としては、温度が高くなる6月から8月。酒造技術が向上した現在は、日本酒の熟成度合いをチェックするのが主な目的です。 初呑切りは、その年の日本酒の出来を把握し、出荷時期を調整するための大切な行事です。杜氏や蔵人はもちろん、蔵によっては関係者を招いて呑切り酒を振る舞います。 2-1.初呑切りの際におこなう「切り鼻」 「切り鼻」は、日本酒の香りを吟味するためにおこなう行事です。「片口(かたくち)」と呼ばれる、縁の片側にくちばしのような注ぎ口がある器を使います。 切り鼻に使う片口は、両手で持つような大きめサイズ。タンクから日本酒を注ぎ、顔を近づけて香りを確認します。飲食店では見ることのできない、酒蔵ならではの伝統行事です。 2-2.夏の楽しみ「呑切り酒」 蔵によっては、初呑切りのお酒をそのまま「呑切り酒」として出荷しています。貯蔵途中の呑切り酒は、アルコール度数がやや高く、しっかりした味わいが特徴です。 飲みごたえのある呑切り酒は、暑い夏のロックやソーダ割りにぴったり。冷暗所で1年近く寝かせ、味わいの変化を楽しむのもおすすめです。 まとめ 日本酒は、時間や温度で味が変化する繊細なお酒です。よりベストな状態で出荷するためにも、呑切りは欠かせません。夏の訪れを感じるころ「そろそろ呑切りの季節だな」と日本酒を傾けるのもまたオツなもの。夏限定の呑切り酒を見つけたら、ぜひ一度試してみてくださいね。

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