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【2023年最新版】全国2位の酒蔵数。長野県で醸される日本酒おすすめ14選

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【2023年最新版】全国2位の酒蔵数。長野県で醸される日本酒おすすめ14選

執筆者情報

shiho
お酒とねこでできているライター。日本酒、ウイスキー、ワイン…すべてのお酒をこよなく愛す。酒好きが高じて利酒師免許を取得。 blog「わたしの酒棚」 https://sakadana.net/

おすすめの日本酒を探す際に、都道府県から探すのも日本酒の選び方の一つです。

飛騨山脈に木曽山脈と、3000m級の山々が連なる長野県。冬場の寒冷な気候は日本酒造りに適しています。県内の酒蔵数はおよそ80と、酒どころ新潟県に次ぐ多さです。

今回は、長野県の日本酒造りの歴史や特徴、おすすめ銘柄をご紹介ます!真澄、明鏡止水といった有名銘柄から、地元に愛される地酒まで内容はもりだくさん。

長野県で美味しい日本酒を飲みたい方、地酒ファンの方はぜひチェックしてみてくださいね。

長野県

1.長野県で造られる日本酒について

本州の中央部に位置する長野県は、実に多くの日本酒が生まれる地域です。およそ80近くの酒蔵が、1本1本ていねいな酒造りを続けています。

まずは、長野県の日本酒造りの歴史や原料、味わいの特徴について探っていきましょう。

1-1.長野県の日本酒造りの歴史

長野県の日本酒造りの歴史は、朝廷や神社への供え物としての酒造りから始まります。鎌倉時代以降になると、商売としての酒蔵が登場。明治時代の酒蔵数は、実に1,000蔵以上にのぼったといわれています。

昭和に入ると、太平洋戦争における米不足を契機に、長野県独自の酒米の栽培が進められます。1939年(昭和14年)には「たかね錦」、3年後には幻ともいわれる「金紋錦(きんもんにしき)」が品種登録されました。

1950年(昭和25年)には、酒蔵の後継者による「若葉会」が設立。酒造りの技術革新を目指し「長野県醸友会」が結成されたのもこの年でした。

酒造好適米や酵母の開発はさらなる発展を遂げ、「美山錦(みやまにしき)」「ひとごこち」をはじめとする高品質な酒米は、全国にその名が知られるほどに。

2020年(令和2年)には新品種「山恵錦(さんけいにしき)」が登場し、県内の酒蔵数は80近くになるなど、日本屈指の酒どころとして日本酒業界をけん引しています。

1-2.長野県で使われる酒米・酵母・水

日本酒は酒米と麹、水を原料に、酵母によるアルコール発酵で造られるお酒です。各地では気候の特性を活かし、酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)と呼ばれる酒米の開発が進められています。

ここでは長野県で使われる酒米や酵母、水の個性に着目してみましょう。

長野県の酒米

長野県では古くから独自の酒米開発が進められています。代表的なものは以下の7品種。なかでも「たかね錦」はもっとも歴史が古く、1939年(昭和14年)に長野県立農事試験場で開発されました。

  • たかね錦
  • 山田錦
  • しらかば錦
  • 金紋錦
  • 美山錦
  • ひとごこち
  • 山恵錦

1956年(昭和31年)に誕生した「金紋錦」は、一度はなくなりかけた幻の酒米。「たかね錦」と「山田錦」を親に持つ高品質な酒米でありながら、栽培や醸造が難しいことから次第に使用する酒蔵が減っていきました。

一時期は姿を消しかけた「金紋錦」は、県内で酒質が再評価されると次第に各地で栽培されるようになります。2012年(平成24年)には、関東信越国税局酒類鑑評会で金紋錦100%で造った大吟醸酒が最優秀賞を受賞。名実ともにその名が広く知られることとなりました。

2018年(平成30年)には、品種登録出願中だった「山恵錦」を使った純米大吟醸が全国新酒鑑評会で金賞を受賞。芳醇な香りとなめらかな味わいを生み出す山恵錦は、各蔵から高い注目を集めています。

長野県の酵母

酵母は米の糖分をアルコールへと変える微生物です。長野県を代表する酵母といえば「7号酵母」。長野の地酒「真澄(ますみ)」を造る宮坂醸造で発見されたことから「真澄酵母」とも呼ばれています。

そのほか、長野県食品工業試験場では「NP1(長野ピンク号)」や、りんごのような甘い香りの「長野酵母C(アルプス酵母)」「長野酵母D」を開発。

2019年(令和元年)には、リンゴ酸由来の甘酸っぱい味わいを生み出す「長野酵母R」も誕生しています。

長野県の水

米と麹というシンプルな材料で造られる日本酒は、使用する水の味わいが仕上がりを大きく左右します。

日本有数の山岳地帯を有する長野県は、清らかな雪解け水が流れる地域。県内の多くの酒蔵が、仕込み水に美しい湧水を使用しています。

長野県の湧水は、アルコール発酵を促すカリウムやマグネシウムを豊富に含んでいるのが特徴。反対に、味の雑味の原因となる鉄分は少ないといわれています。

春の雪解けとともに大地に染み込み、長い年月をかけて姿を現す長野県の湧水。その水を生む雄大な自然こそが、多くの人に愛される地酒の源といえるのかもしれません。

長野の水

1-3.長野県で造られる日本酒の特徴

長野県で造られる日本酒は、香り穏やかで濃醇な味わいが特徴です。長野県は、古くから味噌や漬物といった発酵食品が愛されてきた地域。料理の邪魔をせず、それでいてふくよかな味わいは、濃い味付けの料理と好相性です。

また、日本で4番目に大きな面積を誇る長野県は、北は中野エリアから南は飯田エリアまで10のエリアにわかれます。各地に点在する酒蔵数は75と、その数は全国第2位。

伝統的な味わいはもちろん、各蔵が生み出す個性あふれる銘柄も、長野県の地酒の大きな魅力です。
参考:国税庁「清酒製造業の概況(平成30年度調査分)企業数の推移(都道府県別)

長野県

2.長野県で醸されるおすすめの日本酒14選

長野県は酒蔵の数が多く、日本酒の種類も多いからこそどれを飲もうか迷ってしまいますよね。

ここからは、長野県で醸されるおすすめ日本酒14選を紹介します。「長野でこれだけは飲んでおきたい!」「飲食店で長野のお酒を楽しみたい」というときは、ぜひ参考にしてくださいね。

2-1.真澄 真朱(AKA)

「真澄(ますみ)」は長野県の老舗蔵「宮坂醸造」で造られる日本酒です。長野県の地酒といえば真澄といわれるほど、高い知名度を誇ります。

「真朱(AKA)」は、蔵で生まれた酵母「7号酵母」への原点回帰第一弾となるお酒。料理に合う上質な食中酒をテーマに、蔵では2019年からすべての製品を7号酵母仕込みに転換する運びとなりました。

長野県を代表する深く濃醇な味わいは、ぜひ美味しい酒の肴をおともにお楽しみください。

真澄 真朱(AKA)

(出典元:IMADEYA ONLINE STORE

2-2.明鏡止水 純米吟醸 ALL NAGANO 生

使う米、水、酵母、そして人とオール長野産。地元へのこだわりをギュッと詰め込んだ日本酒です。加熱処理をしていない生酒のため、生まれたてのフレッシュな味わいを楽しめます。

「明鏡止水(めいきょうしすい)」を造る「大澤酒造」が建つのは、浅間山と蓼科山の豊かな自然が見渡せる場所。澄み切った水が生み出すやわらかな味わいに、ついつい1杯、もう1杯ととグラスが進みます。

明鏡止水 純米吟醸 ALL NAGANO 生

(出典元:IMADEYA ONLINE STORE

2-3.岩清水 Origin 2019 袋吊り 生原酒

「袋吊り」とは醪を入れた袋を吊るし、ポタポタとこぼれる雫を集めたお酒のこと。「岩清水(いわしみず)」の袋吊りは、さらに生のまま、マイナス5℃以下でじっくりと熟成させたお酒です。

「Origin 2019」が目指したのはズバリ、「肉」に合う味わい。和食はもちろん、フレンチやイタリアンなどこってりした洋食とのペアリングもおすすめです。岩清水 Origin 2019 袋吊り 生原酒

(出典元:IMADEYA ONLINE STORE

2-4.亀の海 純米吟醸 GOROBEI 金紋錦

「亀の海(かめのうみ)」は、浅間山や八ヶ岳に囲まれた自然豊かな佐久市で生まれるお酒です。「GOROBEI」とは、佐久市のかつての地名「五郎兵衛新田」からとったもの。農薬を一切使用しない地元産酒米100%で造られています。

まろやかなコクがありつつ、後口はスッキリと。温めるとより一層味がふくらむため、燗酒好きな方にもおすすめです。

 

亀の海 純米吟醸 GOROBEI 金紋錦

(出典元:IMADEYA ONLINE STORE

2-5.真澄 純米吟醸 活性うすにごり

長野県を代表する老舗蔵「宮坂醸造」がおくる白くにごった日本酒です。「しぼりたてのお酒を味わってほしい」という蔵の想いから、あえて細かい酵母や固形物を残して仕上げています。

販売されるのは2月から3月の雪解けの季節。信州の淡く清らかな雪景色を思いながら、ゆっくり楽しみたいお酒です。

真澄 純米吟醸 活性うすにごり

(出典元:IMADEYA ONLINE STORE

2-6.勢起 低温熟成 純米大吟醸 金紋錦

「勢起(せき)」は「明鏡止水」を造る大澤酒造のお酒です。信州産の酒米「金紋錦」を100%使用し、1年間じっくりと熟成させています。

精米歩合(せいまいぶあい)は49%と、一粒の米を半分以上削って仕込み、気品あふれる香りを実現。透明感のある清らかな味わいを堪能できる1本です。

勢起 低温熟成 純米大吟醸 金紋錦

(出典元:IMADEYA ONLINE STORE

2-7.大信州 手いっぱい

北アルプスに囲まれた場所で生まれる日本酒、その名も「大信州(だいしんしゅう)」。「手いっぱい」は、米の選別から貯蔵まで、蔵で手一杯手塩にかけたお酒の中から、さらに選りすぐった1本です。

鑑評会出品用のお酒と同等の仕込みで造り、あえてスペックを記載しないこだわりぶり。地元長野や飲食店で見つけた際は、ぜひ口にしたい銘柄です。

大信州 手いっぱい

(出典元:天恵の美酒 大信州

2-8.彗 ベネット 中取り純米大吟醸

「遠藤酒造場」が造る「彗(シャア)」は、人気アニメ「機動戦士ガンダム」のキャラクターと同名なことからアニメファンからも人気を得ています。

「中取り」とは、日本酒を搾る工程でもっとも味と香りのバランスに優れた中間部分のこと。使用するのは長野県産の美山錦です。

華やかでフルーティーな香りは、ワイングラスで楽しむのもおすすめ。ほんのりとした米の甘みが心地よく、カルパッチョやイタリアンサラダのような洋食にも良く合います。

彗 ベネット 中取り純米大吟醸

(出典元:遠藤酒造場

2-9.直虎 別誂(べつあつらえ)純米大吟醸

「直虎(なおとら)」は「彗」を造る遠藤酒造場が手がける銘柄。その名は須坂藩第13代藩主だった堀直虎公を意味しています。

使用するのは長野県産の美山錦。アルコール度数15%と、一般の日本酒よりややライトな仕上がりです。後味をキリッと引き締める酸味も印象的。加熱していない生酒のため、ぜひ適度に冷やしてお楽しみください。

直虎 別誂(なおとら べつあつらえ)純米大吟醸

(出典元:遠藤酒造場

2-10.木曽路 純米大吟醸 金紋錦

「木曽路(きそじ)」が生まれるのは、かつての信州木曽街道の奥深く。長野県では2番目の老舗蔵となる「湯川酒造店」です。蔵が建つのは、標高936mと酒蔵では日本で2番目に高い場所。もっとも星に近いと酒蔵ともいわれています。

長野県産の金紋錦を使った純米大吟醸は、香り豊かでコクのある味わいひんやりとした温度帯で米のピュアな甘みを楽しむのがおすすめです。

木曽路 純米大吟醸 金紋錦

(出典元:湯川酒造店

2-11.十六代九郎右衛門 純米吟醸 愛山

湯川酒造店で「木曽路」と並ぶ代表銘柄といえばこちら。「十六代 九郎右衛門(くろうえもん)」です。ピンクラベルの九郎右衛門は春と夏に限定販売されています。

酒米「愛山」を使った純米吟醸は、米の濃醇な甘みを堪能できる1本春はろ過や加水をしていない「無濾過生原酒」、夏には白くにごった「うすにごり」と、それぞれの違いをお楽しみください。

十六代九郎右衛門 純米吟醸 愛山

(出典元:湯川酒造店

2-12.七笑 蔵隠し

「七笑(ななわらい)」は木曽路の自然が生み出す芳醇旨口の日本酒です。コクがありつつ飲み飽きしない、食事に寄り添うお酒として地元で長く愛されています。

「蔵隠し」は酒蔵のショップ販売限定酒。キリッとした辛口タイプの生酒に仕上げています。ひとくち飲めば思わずにっこりと笑顔になってしまう。そんな魅力にあふれた長野県の地酒です。

七笑

(出典元:七笑酒造

2-13.ひとごこち 純米吟醸 <無濾過生原酒>

「信州亀齢(しんしゅうきれい)」は、長野県上田市にある「岡崎酒造」が造る日本酒です。杜氏を務めるのは、日本に25人ほどしかいないといわれる女性杜氏。伝統技術を受け継ぎながら、信州ならではの味わいを持つお酒を生み出しています。

酒米「ひとごこち」を使った無濾過生原酒は、しぼりたてそのままのフレッシュな味わい。ピチピチッとしたガス感を楽しめるジューシーな旨味が持ち味です。

ひとごこち 純米吟醸 <無濾過生原酒>

(出典元:岡崎酒造へようこそ

2-14.信州亀齢 美山錦 純米大吟醸

「岡崎酒造」がおくる酒米「美山錦」を使った純米大吟醸です。精米歩合は39%と、一粒の米の外側を6割近く削って仕上げています。

香り高く、スッキリと品の良い味わいは新鮮な魚介類と好相性。冬の鍋物のような淡白な料理にも良く合います。長野の水の美しさ、美味しさをしみじみ感じられる1本です。

美山錦 純米大吟醸

(出典元:岡崎酒造へようこそ

まとめ

およそ80の個性豊かな酒蔵が点在する長野県。日本屈指の清涼な湧水と寒暖差のある気候のもと、長野県の地酒は造られています。

昔ながらの味わいを守る一方で、蔵それぞれの個性が垣間見えるのが長野県の日本酒の魅力。使う酒米、水、造りの違いを感じながら、ぜひ自分好みの味わいを見つけてみてくださいね。

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