日本酒のおすすめから、日本酒を選ぶ際に選び方の一つとして「辛口・甘口」があります。
日本酒の味わいは「辛口」や「甘口」などで表現されます。銘柄によって異なるものの、辛口の日本酒はスッキリとしたキレの良さが魅力です。
今回は、辛口の日本酒の特徴や選び方についてご紹介します。おすすめの辛口日本酒もたっぷり登場するので、ぜひお酒選びの参考にしてください。
目次
1.辛口の日本酒はどんなお酒?
一般的に「辛口」と呼ばれるのは、キレのあるドライな味わいの日本酒です。「甘口」に比べ、香りが穏やかなタイプが多く見られます。
辛口の味わいは、使う米の種類や原料、製造方法によって生まれます。辛口の地酒も多く、新潟県は端麗辛口の代表格として知られる地域です。
冷酒から常温、燗酒と幅広い温度帯で楽しめる点も特徴のひとつ。温めるほどにシャープ味わいが引き立ち、燗酒好きにも好まれています。
2.辛口の日本酒の選び4つのポイント
「辛口の日本酒を楽しみたい」というときは、以下の4つのポイントをチェックしてみてください。
- 日本酒度で選ぶ
- 日本酒の種類(特定名称酒)で選ぶ
- 味わいや口当たりで選ぶ
- 日本酒の香りで選ぶ
「甘い」、「辛い」といった感じ方はあくまでも人それぞれですが、これらのポイントをふまえれば自分好みの味を見つけやすくなります。飲食店や酒販店でお酒を選ぶときも、ぜひ参考にしてください。
2-1.日本酒度で選ぶ
日本酒度とは、日本酒の「甘口」、「辛口」の目安となる数値のことです。以下のように、「-(マイナス)」の数字が大きいほど甘口、「+(プラス)」であれば辛口と判断されます。
辛口のお酒が飲みたいときは、日本酒度がプラスのお酒を選んでみてください。なかには、日本酒度+10以上の「大辛口」、「超辛口」をうたう銘柄もあります。
また、日本酒の味わいには日本酒度だけでなく、「酸度」も関係しています。詳しい情報は、以下の記事をぜひチェックしてみてくださいね。
2-2.日本酒の種類(特定名称酒)で選ぶ
日本酒は、原料や製造方法により「特定名称酒」と呼ばれる種類に分類されます。それぞれのおおまかな個性を知っておくと、「コクのあるお酒が飲みたい」、「フルーティーな日本酒がほしい」というときに役立ちますよ。
本醸造酒
本醸造酒は、米と米こうじ、醸造アルコールで造られる日本酒です。比較的リーズナブルな銘柄が多く、常温から燗酒まで幅広い温度帯で美味しく味わえます。後口がキレる辛口の銘柄が多いことも特徴です。
純米酒
純米酒は、米と米こうじのみを原料とする日本酒です。香りはおだやかで、しっかりとした米のコク、旨味が感じられます。辛口のお酒が「淡麗」と呼ばれるのに対し、「濃醇」や「旨口」といわれることが多いタイプです。
吟醸酒
吟醸酒とは、醸造アルコールを使い、吟醸造りで仕込んだお酒のことです。より小さく精米した米を原料に、低温でゆっくり発酵させ「吟醸香(ぎんじょうこう・ぎんじょうか)」と呼ばれるフルーティーな香りを引き出しています。醸造アルコールによる、スッキリとしたキレ味も魅力です。
大吟醸酒
吟醸酒と大吟醸酒の違いは、使用する米の「精米歩合(せいまいぶあい)」です。精米歩合とは、米の外側を削った後に残る割合を示した数値のこと。吟醸酒の精米歩合が60%以下であるのに対し、大吟醸酒は50%以下と決められています。
米をより小さく磨いているため華やかな香りが生まれやすく、雑味のないクリアな味わいに仕上がるのが特徴です。
純米吟醸酒
純米吟醸酒は、米と米こうじを原料に、吟醸造りで仕込んだお酒です。米の本来の旨味とともにスッキリとした飲み口を楽しめます。
純米大吟醸酒
純米大吟醸は、精米歩合50%以下の米と米こうじを原料に吟醸造りで造られます。米の中心部分のみを使用するため、原料や時間などのコストがかかるお酒です。全般的にクリアな味わいの銘柄が多いものの、甘い香りやコクのある味わいなど蔵ごとの個性も楽しめます。
2-3.味わいや口当たりで選ぶ
辛口のお酒を飲みたいときは、どっしりとしたコクのあるタイプよりは、口当たりなめらかでスッキリとした味わいのお酒がおすすめです。「淡麗辛口」と呼ばれるお酒であれば、シャープな飲み口を楽しめます。
「後口にキレがある」といわれるのもこのタイプです。香りも穏やかな銘柄が多く、食事と楽しむお酒に適しています。
2-4.日本酒の香りで選ぶ
「香り」は味の印象を左右する大きな要素です。例えば、「辛口」と表記されたお酒でも、フルーティーな香りをもつものは甘く感じられることがあります。
大吟醸酒や純米大吟醸酒のように、小さく磨いた米を原料に吟醸造りで造るお酒も甘い香りが生まれやすいタイプです。反対に、本醸造酒などは香りが穏やかでスッキリとキレのあるタイプが多く見られます。
3.【2023年最新版】辛口の日本酒おすすめ20選
ここからは、辛口日本酒のおすすめ20選をご紹介!端麗辛口の定番酒から、近年人気上昇中の銘柄までバリエーションも豊富です。スッキリとした飲み口とともに、フルーティーな香りを楽しめる日本酒もあります。ぜひ自分好みの1本を見つけてくださいね。
3-1.雪男 本醸造
小さな目がキラリと光る、ユーモラスなラベルの「雪男」。本醸造酒はキリッとしたキレが際立つ端麗辛口のお酒です。
雪のようにひんやり冷たい冷酒はもちろん、燗酒でも美味しいのがうれしいポイント。寒い冬の夜は熱燗にして、シャープなキレ味を楽しんでみてはいかがでしょうか。
(出典元:青木酒造)
3-2.加茂錦 荷札酒 月白 純米大吟醸
上品な香りがスッキリとした味わいを引き立たせる「加茂錦(かもにしき)」荷札シリーズの「月白(げっぱく)」。原料には、小さく磨いた高級酒米・山田錦が使用されています。
繊細な味付けの和食、寿司と好相性。燗酒からふわりと立ち上る、やさしい香りを楽しむのもおすすめです。
(出典元:はせがわ酒店)
3-3.来福 純米吟醸 超辛口
日本酒度は+18。「来福(らいふく)」の純米吟醸は、”辛口の限界への挑戦”をテーマに造られたお酒です。香りを極力おさえ、シャープなキレ味を実現しています。
ただ辛いだけではなく、旨味を兼ね備えているのが大きな特徴。料理とあわせれば魅力がより一層花開きます。
(出典元:さぶん酒店)
3-4.会津中将 純米吟醸 夢の香
「夢の香(ゆめのかおり)」は、福島県で開発された酒米の名前です。「会津中将(あいづちゅうじょう)」の純米吟醸は、夢の香を原料に福島県オリジナル酵母「うつくしま夢酵母」で醸されています。ほどよい香り、コクも楽しめるオール福島県産の辛口日本酒です。
(出典元:はせがわ酒店)
3-5.雨後の月 辛口純米
「雨後の月(うごのつき)」は、透明感のある味わいが人気の広島県の地酒です。「辛口純米」は、広島を代表する酒米・八反錦と米麹のみで造られています。口に含むと広がるのは、穏やかでやさしい旨味。後口はスッキリとキレよく、食中酒におすすめです。
(出典元:大和屋酒舗)
3-6.東光 洌(とうこう れつ) 純米吟醸 雄町
味わい清らかでありながら、ジュワッとした旨味が広がる「東光 洌(とうこう れつ)」。原料の酒米・雄町が複雑かつ深い味わいを生み出しています。
コクのあるチーズや、味噌を使った料理とのペアリングもおすすめです。ただ辛いだけではない、ふくよかな旨味を堪能できます。
(出典元:佐野屋)
3-7.黒龍 大吟醸
福井県の「黒龍(こくりゅう)」は、大吟醸酒の先駆けとなった銘柄です。華やかな香りとクリアな飲み口を楽しめます。山田錦のやわらかな味わいも心地よく、適度な辛味、甘味をぞんぶんに堪能できる一品です。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
3-8.ゆきの美人 純米酒
ほんのりと甘く、酸味も感じられる純米酒です。後口のキレもよく、爽やかな味わいを堪能できます。720mlあたり1000円台とコストパフォーマンスの良さも魅力的。燗酒にするときは、香りと旨味のバランスが引き立つ人肌程度の温度がおすすめです。
(出典元:本多屋)
3-9.阿櫻 超旨辛口 特別純米 無濾過原酒
「超旨辛口」とあるように、日本酒度は+10のお酒です。秋田県産の秋田酒こまちを原料に、しっかりとしたコクを引き出しています。
「無濾過原酒」とは、ろ過や加水をしていないお酒のこと。ジューシーな美味しさは、ロックスタイルで味わうのもおすすめです。
(出典元:くるみや)
3-10.日高見 芳醇辛口 純米吟醸 弥助
『魚でやるなら日高見だっちゃ!』が合言葉の「日高見」は、辛口ファンから人気の高いお酒です。「弥助」とは、芸者の世界で「鮨」を意味する言葉。新鮮な魚をあてに1杯やりたいときにおすすめの銘柄です。イカや貝、白身の魚などの魚介の味をぞんぶんに引き立ててくれますよ。
(出典元:矢島酒店)
3-11.あたごのまつ 鮮烈辛口
「あたごのまつ」の鮮烈辛口は、キレ味際立つ本醸造酒です。蔵では純米酒と同様に、-5℃の環境で氷温貯蔵し品質管理を徹底しています。
2021年の「燗酒コンテスト お値打ち熱燗部門」では金賞を受賞。どんな料理にも静かに寄り添うスッキリとした味わいです。
(出典元:株式会社新澤醸造店)
3-12.鳳凰美田 剱(つるぎ) 辛口純米酒
「鳳凰美田(ほうおうびでん)」は、華やかで品の良い香りが特徴的なお酒です。「剱(つるぎ)」と名付けられた辛口純米酒は、スパッとしたキレ味も兼ね備えています。
ふんわりとした甘みも感じられ、味のバランスに優れた1本。「普段の食卓に上質なお酒を」という方にぜひおすすめしたい日本酒です
(出典元:矢島酒店)
3-13.くどき上手 ばくれん 超辛口吟醸
「くどき上手 ばくれん」は、キレの良い辛口純米吟醸の研究を重ねるなかで生まれたお酒です。醸造後は、蔵内で2年間熟成。ただ辛いだけではない、まろやかな飲み口を堪能できます。ほのかな吟醸香も心地良く、食事と一緒にスイスイと飲み進められる美味しさです。
(出典元:阿部酒店)
3-14.紀土 特別純米 カラクチキッド
和歌山県の地酒「紀土(きっど)」は、やわらかな旨味、甘味が特徴的なお酒です。そのなかでも「カラクチキッド」は適度な刺激が心地よい1本。まろやかでありながら、後味はスッとキレていきます。冷酒から燗酒まで、料理やシチュエーションにあわせたスタイルを楽しめますよ。
(出典元:大和屋酒舗)
3-15.水芭蕉 純米吟醸 辛口スパークリング
「水芭蕉(みずばしょう)」の辛口スパークリングは、スッキリとした泡感を楽しめる1本です。高級酒米・山田錦を使用し、上品な味わいを生み出しています。香りは白桃や洋ナシのようにフルーティー。パーティーシーンにぜひおすすめしたい辛口日本酒です。
(出典元:永井酒造株式会社)
3-16.モダン仙禽 無垢
「モダン仙禽(せんきん)」は、ジューシーな甘酸っぱさが特徴的なお酒です。素朴さを意味する「無垢(むく)」は、米本来のピュアな旨味が際立ちます。
きれいなキレの後に広がるは、フルーツを思わせる甘い香りの余韻。仙禽ならではの辛さと甘さの共演をぜひ体感してみてください。
(出典元:株式会社せんきん)
3-17.久保田 千寿 純米吟醸
新潟県の地酒「久保田(くぼた)」は、淡麗辛口の代表格ともいえる銘柄です。香りは穏やかで適度なキレがあり、澄み切った味わいを堪能できます。
「千寿(せんじゅ)」もまた、スッキリとした旨味が特徴的な1本。和食はもちろん、中華やイタリアンなどさまざまな料理とのペアリングを楽しめます。
(出典元:朝日酒造株式会社)
3-18.美丈夫 特別純米
純米酒のふくよかな旨味と、適度な酸味、キレを楽しめる1本です。後口のきれいな余韻がもう1杯とグラスを進めます。しっかりとしたコクがあるため、肉料理とのペアリングもおすすめ。スルメや塩辛といった、定番おつまみとも相性の良い辛口酒です。
(出典元:はせがわ酒店)
3-19.瀧自慢 滝水流(はやせ) 純米
伊勢志摩サミットの晩餐会のお酒に採用された銘柄です。日本酒度は+10と、キリッとしたキレ味を堪能できます。蔵が目指しているのは「百人が一杯飲む酒より、一人が百杯飲みたくなる酒」。飲み飽きしない味わいは、いつ飲んでもスッと体になじんでくれます。
(出典元:瀧自慢酒造株式会社)
3-20.石鎚 本醸造 極み辛口+10
「石鎚(いしづち)」の本醸造酒は、これぞ辛口という魅力にあふれる1本。キレの良さとほのかな香り、旨味をぞんぶんに堪能できます。1升瓶が2000円台と、コストパフォーマンスの良さも人気の理由。自宅に美味しいお酒を常備しておきたい方におすすめの銘柄です。
(出典元:はせがわ酒店)
まとめ
「辛口」といわれる日本酒は、スムーズな飲み口とキレの良さが特徴です。香り穏やかなタイプが多く、食事と一緒に美味しく楽しめます。
ひとくちに「辛口」といっても、旨味やコクがあるものなど、さまざまな種類が揃うのが日本酒のおもしろさ。ぜひ、今回ご紹介したポイントを参考に、自分好みの辛口酒を見つけてみてくださいね。