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【唎酒師が解説】日本酒度とは?日本酒度とお酒の甘口・辛口について解説

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【唎酒師が解説】日本酒度とは?日本酒度とお酒の甘口・辛口について解説

執筆者情報

shiho
お酒とねこでできているライター。日本酒、ウイスキー、ワイン…すべてのお酒をこよなく愛す。酒好きが高じて利酒師免許を取得。 blog「わたしの酒棚」 https://sakadana.net/

監修者

日本酒ラボ編集部
日本酒ラボに携わってから日本酒のおいしさ・奥深さを知り、唎酒師の資格を取得。日本酒ラボを通して、日本酒のおいしさ・楽しさを日本酒にもあまり馴染みがない方にもお伝えしていきます。

日本酒度とは、お酒の比重を数値で表したものです。水との比重を測定し、+(プラス)と-(マイナス)で表記されます。一般的に、日本酒度がプラスであるほど辛口、マイナスであるほど甘口のお酒です。

今回は、日本酒度について詳しく解説します。日本酒の味を構成する酸度も紹介するので、ぜひ日本酒選びの参考にしてください。

1.日本酒度とは

「日本酒度(にほんしゅど)」とは、日本酒の甘さや辛さの目安となる数値のことです。「0」を基準に、甘口であるほど「-(マイナス)」、辛口であるほど「+(プラス)」で表記されます。

日本酒度

 

日本酒度の確認方法

日本酒度は、15℃の日本酒を注いだシリンダーに「日本酒度計」と呼ばれる重りのついた浮秤(うきばかり)を浮かべて計測します。

糖分の多い甘口のお酒は水よりも重たくなるため、水の方が軽いことを示す「-」。反対に、糖分が少ない辛口のお酒は軽く、水の方が重たくなるため「+」というわけです。

日本酒度の数値は、もろみを搾るタイミングを見極める際に用いられます。もろみとは、蒸した米や米麹、酒母(しゅぼ)、水などを発酵させた白い液体のことです。発酵させたもろみを搾ると、私たちが普段目にするような日本酒ができあがります。

もろみの品質管理のため、酒蔵では日本酒度だけでなく、アルコール度数や酸度、アミノ酸度などが日々分析されています。

2.日本酒度と酸度

酸度とは酸っぱさではなく「芳醇(ほうじゅん)」や「淡麗(たんれい)」といった旨味やキレを表す数値のことです。およそ1.5~1.7を基準に、酸度が高いほど濃醇、低いほど淡麗な味わいの日本酒に仕上がります。

日本酒の複雑な味わいは、日本酒度と酸度の組み合わせによって生まれます。つまり、日本酒度と酸度の数字によって、お酒の大まかな味わいがわかるというわけです。

日本酒度と酸度の図

上の図にあるように、酸度が高く日本酒度がマイナスのお酒は、濃醇で甘口の味わいになります。反対に、酸度が低く、日本酒度がプラスの日本酒は、淡麗辛口のスッキリとした味わいが特徴です。

日本酒のラベルには、日本酒度や酸度が記載されているものもあります。2つの数値を見つけたら、日本酒選びの参考にしてみてくださいね。

3.味わいの感じ方は人それぞれ

一定の指標はあるものの、日本酒の「甘い」「辛い」といった感じ方は人それぞれです。同じお酒を口にしても「甘いお酒」と感じる人もいれば、「キリッとした辛口のお酒」と感じる人もいます。

その理由は、日本酒度や酸度以外にも「アミノ酸度」や「香り」が味わいに影響するからです。アミノ酸度は、日本酒に欠かせないコクと旨味を生み出します。また、フルーティーな香りのお酒は「甘いお酒」という印象を飲み手に与えやすいのが特徴です。

前述したように、数字はあくまでも味の目安のひとつです。日本酒度や酸度を気にしながらいろいろなお酒を楽しめば「自分は日本酒度が甘口寄りのお酒がすきなんだな」といった好みが見えてくるかもしれません。

日本酒のなかには、日本酒度が極端にプラス寄りの「超辛口」をうたう銘柄もあります。自分好みのお酒がいつも日本酒度プラスであれば、そんな銘柄にチャレンジしてみるのもいいですよね。

日本酒は、多くの人に寄り添う味の幅の広さが魅力です。数字を参考にしつつ「どっしりとコクのあるお酒がすき」、「冷やして飲むスッキリタイプのお酒がすき」など、ぜひ自分好みの味わいを見つけてみてください。

まとめ

日本酒度や酸度の数値は、お酒の個性を知るヒントのひとつです。酒蔵ではそれらの数値を分析し酒造りが行われています。ラベルに日本酒度や酸度の文字を見つけたら、ぜひ味わいを思い浮かべてみてください。日本酒選びがもっと楽しく奥深いものになりますよ。