
日本酒の「甘口・辛口」は、味わいや風味のイメージを表す判断材料のひとつ。プレゼントや自分の好みにベストな日本酒を選ぶためには、日本酒の甘口・辛口の判断基準を押さえておくことも大切なポイントです。
こちらの記事では、日本酒のラベルやデザインから見極められる、甘口の特徴・辛口の日本酒との違い・傾向についてご紹介します。
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目次
1.甘口の日本酒とは?
甘口の日本酒は、酸度・糖度の多少によって辛口との違いを見極めることができます。日本酒がビギナーの人や、女性にも人気の甘口の日本酒は、口当たりがおだやかでやさしく、飲みやすいという特徴があります。
また甘口の日本酒は、原料となるお米本来の甘みとうまみを同時に引き出した芳醇な味わいが魅力で果物の果実をブレンドした商品のラインナップも多数。
甘口の日本酒には、
- コクが深い濃醇甘口
- スッキリとした風味、口当たりが特徴の淡麗甘口
のふたつに分かれています。このふたつの飲み口は、パッケージにも記載されていることが多いので、甘口の日本酒は手軽に選ぶ・見つけることができますよ。
2.甘口と辛口の見分け方
その日本酒が甘口なのか辛口なのか、それは成分からも大まかに判断することができます。
ここでは、日本酒の甘口・辛口を見極める判断のポイント、
- 日本酒度
- 酸度
- アミノ酸
の3つをご紹介していきます。
日本酒の甘口・辛口の判断は、この3つがラベルに記載されている場合もありますので、購入の際にもぜひ商品内容をチェックしてくださいね。
2-1.日本酒度で見分ける
その日本酒が甘口なのか辛口なのかを判断する場合は、「日本酒度」がもっとも参考になる指標といわれています。
日本酒の日本酒度とは、
- お酒にどのくらいの糖分が含まれているか
- 糖分が少なければすっきりとした飲み口の辛口
- 糖分が多いとやわらかな風味が特徴の甘口
になります。
日本酒の平均的な日本酒度は0.0~+5.0となり、この数値が高くなるにつれ、日本酒の辛みも強くなります。
日本酒の甘口・辛口は、一般的にマイナスが付く場合が甘口、+5よりも数値が高い日本酒の場合は、辛口であることを判断できます。
2-2.日本酒の酸度も確認する
日本酒の「酸度」とは、乳酸・コハク酸・リンゴ酸・クエン酸など、酸味のもととなる成分の使用量を示す指標です。
日本酒のこれらの酸には、味わいや風味にキレを与える作用があります。
日本酒酸度が同じ場合は、
- 酸度が低い方:甘口の日本酒
- 酸度が高い方:辛口の日本酒
になります。
2-3.日本酒のアミノ酸度で甘口・辛口を判断する
日本酒の「アミノ酸度」とは、日本酒の中に含まれているアミノ酸の量を示す指標です。
アミノ酸には、日本酒のコクや旨味、奥深い風味を生み出す働きがあり、日本酒度が同じ場合は、
- アミノ酸度が高い方・甘口の日本酒
- アミノ酸度が低い方:辛口の日本酒
になります。
2-4.甘口が多い日本酒の種類とは
ここまでの甘口と辛口の見分け方を簡単にまとめると…
見分け方 | 甘口 | 普通 | 辛口 |
日本酒度 | マイナスが付く | ±0~+5の間 | +5以上 |
酸度 | 低い | 中間 | 高い |
アミノ酸度 | 高い | 中間 | 低い |
このようになります。
この方法で見分ける以外に、種類によっても甘口が多いものもあります。飲みやすくてマイルドが味わいが魅力の甘口の日本酒は、「純米酒」に多いといわれています。
純米酒とは、日本酒のスッキリとしたキレや辛みを生み出す醸造アルコールを添加していないことで、アルコール特有の苦みや辛みを感じにくい特徴があります。
また、純米酒は、お米本来の甘み・旨味を活かして作られているため、キレや辛みを感じにくい日本酒です。
3.甘口でおすすめの日本酒20選
甘口の日本酒の特徴や魅力、辛口の日本酒との見極め方がわかると、これからは時間をかけずに自分好み・プレゼントに最適な一本を選ぶことができそうですね。
ここからは、甘口でおすすめの日本酒20選を厳選してご紹介!
日本酒が好きな人・ビギナーの人へのプレゼントや、自分へのご褒美に日本酒を選ぶ際の参考にしてくださいね。
3-1.上善如水 生酛にごりの上善如水 純米
日本酒を呑み始めた女性にも人気がある「上善如水 生酛にごりの上善如水 純米 」は、今までの日本酒には見られなかったような、ピンク色が魅力のキレイな日本酒。
うまみが濃厚で女性にも飲みやすく、親しみやすさを感じるモモと白クマのボトルデザインがとても可愛らしいので、大切な彼女や奥さまへのプレゼントにもおすすめです。
(出典元:白瀧酒造株式会社)
3-2.北雪 YK35 カートン入り
海外の人にも人気がある「北雪 YK35 カートン入り」は、「全米日本酒鑑評会2016」や、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2014」など、たくさんの栄誉ある賞を受賞しています。
北雪 YK35 カートン入りは、酒蔵好的米として知られている山田錦を35%も含み、ワインのようなフルーティーな味わいなので、リピートする男女が後を絶たないそうです。
(出典元:amazon)
3-3.沢の鶴 特別純米酒 本格甘口 山田錦
甘口の日本酒の決定版、「特別純米酒 本格甘口 山田錦」は、お酒の原料となるお米の王様、山田錦を100%使用した名品!
美容やダイエットの効果にも注目されている麹を、純米酒酒規格の2倍以上使用しているため、やわらかな甘みを楽しみながら、コウジの栄養成分を一緒に補えるメリットがあります。
(出典元:沢の鶴コーポレートサイト)
3-4.富久錦 Fu.
飲んだ瞬間に口の中いっぱいに甘さが広がる「富久錦 Fu.」は、ワインボトルのような外国風のデザインがオシャレなので、飾っておくだけでも満足することができそうです。
まるでスイーツのような甘い日本酒を探している人にもおすすめの富久錦 Fu.は、アルコール度数が低い8度、日本酒度が-60となっているので、辛口の日本酒が苦手だと感じた人にもおすすめです。
(出典元:沢の鶴コーポレートサイト)
3-5.越後鶴亀 ワイン酵母仕込み
日本酒と同じように、ワインも好きな人におすすめなのが、ワイン酵母が仕込まれている「越後鶴亀 ワイン酵母仕込み」。
新潟県の越後鶴亀酒蔵にて造られている越後鶴亀 ワイン酵母仕込みは、日本国内に数多く展開されている甘口の日本酒の中でも、貴重でめずらしいタイプの逸品として知られています。
ワイン酵母を使っていることで、濃厚な甘みとさわやかな酸味両方を味わうことができ、ワイングラスで優雅に飲む愛飲者が増えているそうですよ。
(出典元:越後鶴亀)
3-6.極上の甘口
実績ある酒蔵メーカー、「大関」から誕生した「極上の甘口」は、ワインボトルのような女性らしく、華やかな印象が魅力の日本酒。
大関から造られている数多くの日本酒の中でも、極上の甘口はもっとも甘い日本酒で、お米特有の甘さと旨味を贅沢に引き出しています。
今までにあった甘口の日本酒よりも、たくさんのお米を使用しているため、いろいろな料理とも相性バツグンです。
(出典元:大関株式会社)
3-7.スパークリング清酒
いつも飲み慣れている日本酒とは違った風味・味わいが楽しめる「スパークリング清酒」は、身近な店舗でも手軽に購入することができます。
スパークリング清酒は、フルーティーな味わいと発泡性の日本酒をベースにした、スパークリングワインのような美味しさ!
スイーツや洋風のアラカルトとの相性もピッタリなので、ホームパーティーのサプライズドリンクにもおすすめです。
3-8.屋守 純米酒
東京都の豊島屋酒造の銘柄「屋守(おくのかみ)」は、珍しい東京産の日本酒です。日本酒はお米の有名な産地で生産されるイメージがあるかと思いますが、屋守はその常識を根底からひっくり返しています。
雑味を除いて生産されているため、とても甘くフルーティな逸品に仕上がっています。甘口に挑戦してみたい人にオススメの飲みやすい日本酒です。
3-9.十四代 龍の落とし子
十四代という銘柄は高級日本酒として知られていて、山形県を代表する銘柄のひとつです。
そんな十四代を造っている高木酒造の「龍の落とし子」はまるで果実酒のような芳醇な味わいが特徴です。
銘柄の日本酒度を見ると、どちらかというと辛口の日本酒に位置する日本酒度ではありますが、実際に味わってみると飲みやすい甘さと、すっきりとした口当たりがクセになることでしょう。
(出典元:楽天市場)
3-10.くどき上手 出羽燦々33 純米大吟醸 生
どこまでも「3」にこだわった、亀の井酒造の自信作。平成に開発された、山形県酒米3部作のひとつ「出羽蝶々」で仕込んだ究極の「くどき上手」です。
販売店は33店限定。価格は税別3,333円。そして3月3日に発売開始というこだわりぶり。くどき上手を生み出した今井専務の、酒米への想いがぎゅっと詰まった1本になります。
香りは華やかでありながらも、決して派手すぎない品の良さ。はじけるようなフレッシュ感は、新酒生酒だからこそと言えるでしょう。もぎたてのフルーツのような爽やさと、ジューシーな甘みを堪能できる純米大吟醸です。
(出典元: IMADEYA ONLINE STORE)
3-11.鳳凰美田 赤判 純米大吟醸 無濾過本生
「鳳凰美田」(ほうおうびでん)はフルーティーな香りと甘み、旨味が特徴の栃木県の地酒です。かつて「美田村」(みたむら)と呼ばれた土地で仕込まれるお酒は、美しい女性を思わせる、上品でしっかりとした味わいを兼ね備えています。
「赤判」は、40%まで精米した兵庫県産・山田錦を、とちぎ酵母で仕込んだ純米大吟醸。ろ過をしていないためほんのりと白くにごり、芳醇でクリーミーな味わいが魅力です。さらりとした甘みが後引く1本は、女性へのプレゼントにもおすすめですよ。
(出典元: IMADEYA ONLINE STORE)
3-12.風の森 秋津穂 657 純米奈良酒 無濾過生
「秋津穂65」から「秋津穂657」へと、2020年2月にリニューアルした純米酒です。秋津穂(あきつほ)は、地元の契約農家で栽培している酒米。「65」は米の精米度合い、「7」は自社酵母である7号酵母を表しています。
生まれたてのお酒を火入れせず、そのまま瓶詰めした生酒はフレッシュで甘い香りが際立つ1本。秋津穂ならではの旨味の後には、軽い酸味が駆け抜けます。500年前の奈良酒の伝統を今に受け継ぐ日本酒、風の森。酵母が生きたままの生酒は、ぜひしっかりと冷やしてお召し上がりください。
(出典元: IMADEYA ONLINE STORE)
3-13.磯自慢 特別純米 雄町53%
「磯自慢」は、華やかな香りと透明感のある味わいで、多くの日本酒ファンに愛されているお酒です。中でも特別純米は、SAKE COMPETITION2019でシルバーを受賞した自信作。酒米・雄町の酒が集まる「雄町サミット」では、10年連続金賞の実績を誇ります。
厚みのあるふくよかな甘みの後に、ほのかな苦みが残るのが雄町を使ったお酒の特徴。それぞれを絶妙なバランスで仕上げた特別純米酒には、老舗蔵の杜氏の技が光ります。「磯自慢」の名のとおり、新鮮な魚料理との相性もばつぐん。日本酒ビギナーから愛好家まで、幅広い層を満足させてくれる、ふところの広い1本です。
(出典元: はせがわ酒店)
3-14.加茂錦 荷札酒 純米大吟醸 生詰原酒
酒どころ新潟県で、2016年にデビューした日本酒、「荷札酒」。当時若干25歳の若き造り手、田中悠一氏が生み出したお酒は、日本酒界で一躍注目を集める存在となりました。
多方面から人気のその理由は、インパクトのあるラベルデザインだけでなく確かな味わい。香りと甘さ、旨味の絶妙なバランスは、日本酒が苦手と感じていた方でもすんなり飲めてしまうほどです。
「純米大吟醸 生詰原酒」は、火入れをしないフレッシュな味わいが魅力のお酒。心地よい甘みと香りを感じながら、すいすいと飲み進めることができますよ。
(出典元: IMADEYA ONLINE STORE)
3-15.獺祭 純米大吟醸 磨き三割九分
山口県・旭酒造の「獺祭」(だっさい)は、今や世界でもその名を知られる人気銘柄です。磨き三割九分は、米の精米歩合を表す名前。一粒の米の外側を半分以上削り、中心部分の39%だけをぜいたくに使った日本酒です。
グラスに注ぐと立ち上るのは、フルーツのように華やかな香り。口に含むと、蜂蜜のように濃厚で品の良い甘みが広がります。300mlの飲みきりサイズから1800mlまで、容量のバリエーションが豊富なこともポイント。箱入りの商品は、日本酒好きな方へのプレゼントにもおすすめです。
(出典元: IMADEYA ONLINE STORE)
3-16.黒龍 大吟醸
昭和50年に、大吟醸の先駆けとして誕生した「黒龍」。高精米の酒米を手間と時間のかかる吟醸造りで仕込んだお酒は、多くの日本酒好きに愛されてきました。
口を近づけると感じるのは、ふくよかな米の香り。口当たりはなめらかで、やわらかな甘さと心地良い旨味が広がります。芳醇な白ワインを思わせる1本は、ワイングラスに注いで洋食と合わせても◎。日本酒通も納得の、確かな酒質が自慢の大吟醸です。
(出典元: IMADEYA ONLINE STORE)
3-17.陸奥八仙 特別純米 火入 赤ラベル
寒さ厳しい青森県の漁師町に建つ酒蔵、八戸酒造。漁師たちに愛されてきた辛口酒「陸奥男山」に対し、なめらかな口当たりと甘さを持つお酒として誕生したのが「陸奥八仙」(むつはっせん)です。
その中でも赤ラベルは、陸奥八仙の入門編とも言われる1本。栓を開けると、陸奥八仙ならではのフルーティーで華やかな香りが広がります。甘さはおだやかで、あくまでもなめらかですっきり。青森が誇る地酒の味わいは、冷やから常温で楽しむのがおすすめです。
(出典元: IMADEYA ONLINE STORE)
3-18.花の香 純米大吟醸 桜花
「花の香」は、熊本県の小さな酒蔵、花の香酒造で生まれるお酒です。「花の香 桜花」をはじめ、「梅花」「菊花」と、花のような美しさを持つ銘柄の数々が人気を得ています。
ピンク色の桜の花が描かれた「桜花」は、最高級の酒米・山田錦を半分まで磨いて仕込んだ純米大吟醸。フランスの日本酒コンテスト「KURA MASTER」審査員特別賞をはじめ、さまざまなコンテストの受賞歴を誇ります。
花のような香りと佇まいのお酒は、女性にも人気の1本。普段は日本酒を飲まないという方でも、心地よい飲み口を楽しむことができますよ。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
3-19.出羽桜 一路(純米大吟醸)
サクランボと将棋の駒で有名な、山形県天童市で造られる日本酒「出羽桜」。同じく特産品であるラ・フランスを思わせる香りの「一路」(いちろ)は、芳醇な甘さが魅力的なお酒です。
ロンドンで開催されるインターナショナル・ワイン・チャレンジ「SAKE部門」では、最高賞であるチャンピオン・サケを受賞。海外でも高い人気を持つ一路は、普段は日本酒を飲まない方にもおすすめの銘柄です。芳醇な旨味と甘さだけでなく、すっきりしたキレを楽しむためにも、ぜひ適度に冷やしてお召し上がりください。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
3-20.たかちよ 純米おりがらみ 火入
高千代酒造の「たかちよ」シリーズは、フレッシュな果実をイメージして造られるお酒。中でも青ラベルは、ジューシーなグレープフルーツを思わせる銘柄です。
甘みを乗せた旨味の後に感じるのは、果実のように爽やかな酸味。後口には、ほどよい苦みが残ります。濃厚な味わいを楽しめるのは、「おり」と呼ばれる細かな米や酵母が残ったお酒だからこそ。うっすら濁った見た目も、まさにグレープフルーツジュースのような新世代のお酒です。
(出典元:酒専門店鍵や)
4.まとめ
日本酒がビギナーの人・女性にも好まれている甘口の日本酒は、やわらかでホッとするような癒しの風味・味わいが魅力です。
甘口の日本酒はラインナップが続々と増え続けていて、店舗やネットで情報をチェックするだけでも楽しい気分になることができそうです。
この機会に、いろいろなタイプの甘口の日本酒を、その日の気分や、おつまみに合わせて楽しんでみてはいかがでしょうか♪