日本酒ウォッチ

最新の記事

酒蔵取材レポートvol-3-4:青木酒造_伝えるべきは、味もさておき世界観

青木酒造について(https://aokishuzou.co.jp/) 青木酒造は天保2年(1831年)創業の、茨城県古河唯一の造り酒屋です。 青木酒造のお酒と言えば「御慶事(ごけいじ)」。「最高のよろこびごと」を意味するこのお酒は、山田錦や雄町といった全国的に有名な酒米を原料とするものだけでなく、茨城県の酒米、ブランド米や県産の酵母も使用して醸造されます。これらのお酒は高い評価を受けており、茨城の地酒としての顔を持つことでも知られています。 これからの日本酒の可能性や青木酒造の酒造りについて、7代目蔵元青木滋延氏と、専務取締役の青木知佐氏にお話を伺いました。   これからのお酒造りは、作り手の想いによって多様化していくのだと感じています。例えば蔵の大きさによって目指す酒造りが全く違うものだと実感しています。AIやIoTといった、テクノロジーの使い方ひとつをとっても、蔵が目指す方向性によって使い方は全く異なるでしょう。沢山のお酒を供給する大手の蔵の様に、品質を高いレベルで安定させるために、データをお酒造りの軸にする使い方も一つの形だと思います。   当蔵では、センサーや温度計などを活用したIoT機器を、人の判断を助けるために使っていきたいと思っています。全ての変数を管理して、データ通りにお酒を造るとすれば、1+1は何回やっても2にしかなりませんが、テクノロジーを使い分析を効率化する、意思決定をしやすくすることで、人が創意工夫をする余地が生まれて、1+1を3にするための新しいアイデアを実施する余裕を与えてくれます。色々な思いを基に作られたお酒が増えた方が、日本酒の味と表現はもっと多様化してもっと面白くなると思います。   お酒を造るときに、味にこだわる事は当然として、お酒の味を通して世界観が伝わるものである必要性を感じています。 以前地元の人から偽物が出回っている!という連絡を受けたことがありました。実際は当蔵の既存商品であって偽物ではなかったのですが、最近注目される事の多いフルーティーで米の旨みがしっかり出ているタイプの御慶事ではなかったので少し驚かれたそうで。御慶事が得意とするお酒の表現や一貫性を良く知ってくれている人がいるという、うれしい事例の一つだとも思っています。   世界観を知ってもらう観点からは、造り手についてもっと見て、知ってもらう機会を創りたいですね。例えば、前出のIoT機器を導入しようとしたときに、当蔵の杜氏は快く導入を受け入れてくれました。むしろ後世に酒造りを残そうと考えたときに、やりたかった事とも言ってくれました。 伝統を重んじる南部杜氏であるとともに、お酒造りのこれからとテクノロジーがもたらす貢献に理解のある、とても懐が深い杜氏です。そんな想いを持った人が、どんなお酒を造るのか、今度どういうお酒を造っていきたいと思っているのか、等、興味を持ってもらうきっかけを増やしたいです。   杜氏だけでなく、お酒造りに携わるメンバーが実際にどういった酒造りをしているか見てもらう機会として、当蔵では不定期ですが土曜日の午後に蔵見学をしております。直接蔵を見てもらって、お酒を好きになるきっかけを見つけてもらえれば幸いです。 蔵に来ると、意外な事がきっかけに、お酒に対する興味が芽生える事はよくあります。例えば実際にあった話なのですが、生産設備のバルブが気になってしょうがなくて、それがきっかけでそこで作られているお酒について興味を持って頂いたとか、そんなこともありました(笑)   青木酒造の世界観を知ってもらう機会をどんどん増やして、お酒造りを通してその世界観もどんどん多様化して行きたいですね。これからもフットワーク軽く、色々な事にチャレンジしていきたいと思います。   編集部のお勧め-「御慶事 純米吟醸 雄町」- 素直にお米の特徴と向き合ってお酒を造られる蔵だな、というのが私の第一印象でした。お米のほとんどは糖質で出来ているわけで、その味の特徴は当然「甘み」となります。青木酒造はその甘みを誇張もせず、削りすぎもせず、米質と技術、そして醸造条件を調和させて「旨み」としてしっかりお酒に表現される事がとても上手な蔵元です。 「御慶事 純米吟醸 雄町」(https://aokishuzou.co.jp/product/116/)もそのお酒造りの特徴がしっかり表現された逸品で、雄町独特の「らしさ」を調和された酸味と甘みで包み込んで出来た、爽やかな後味が包み込むお酒です。2020年はJALのビジネスクラスでも楽しむことが出来るとのこと。 【参考】 青木酒造 御慶事 純米吟醸 雄町

なかなか聞けないお酒の基本2:蒸留酒と醸造酒の違いって何?

「お酒の製造方法」と聞くと何を思い浮かべますか? お酒は主に、「醸造酒」と「蒸留酒」、そして「混成酒」の3つの製造方法があります。「醸造酒はワイン、ビールや日本酒、蒸留酒は焼酎やウィスキー」の事、と何となく知っている!という方も多いかと思いますが、それぞれの特徴や製造方法の違いなどについて今更聞けないけど、実はよく知らない・・という方もいらっしゃるのではないでしょうか。 そこで今回は「醸造酒」と「蒸留酒」、「混成酒」の違いについてご紹介したいと思います。 まず、日本酒、ビール、ワインなどが代表格に挙げられる「醸造酒」。実は醸造プロセスによって更に細分化されています。 1.醸造酒とは? ワインなどの果実酒は、「単発酵」とされています。原料の状態で糖分(グルコース)が多く合まれているため、酵母を加えるだけでアルコールへと発酵させるプロセスのことを指します。

なかなか聞けないお酒の基本3:日本酒の製造工程について知る

日本酒は多くの人に愛され、親しまれていますが、その製造過程についてはご存知でしょうか?今日はお酒が造られるまでの工程について、簡単にご紹介いたします。 1:精米 日本酒の原料となる米を精米し、不要な部分を削ります。ちなみに多くの場合、お酒造りには山田錦など、酒造り専用の「酒米」を使いますが、食用米でも日本酒は作れるので、例えばササニシキを使ったお酒造りも行われています。 2:洗米・浸漬 米の表面に残っている糠を取ります。洗米をした後、米を水に浸す「浸漬」を行い、適量の水分を吸収させます。特に精米歩合が低いほど浸漬の状況が影響するので、秒単位での管理を行う事もある層です。

人気の記事

最新の投稿

読んで日本酒をもっと楽しく