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日本酒は料理酒としても使える!日本酒と料理酒の違いなどについて解説

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日本酒は料理酒としても使える!日本酒と料理酒の違いなどについて解説

執筆者情報

shiho
お酒とねこでできているライター。日本酒、ウイスキー、ワイン…すべてのお酒をこよなく愛す。酒好きが高じて利酒師免許を取得。 blog「わたしの酒棚」 https://sakadana.net/

監修者

日本酒ラボ編集部
日本酒ラボに携わってから日本酒のおいしさ・奥深さを知り、唎酒師の資格を取得。日本酒ラボを通して、日本酒のおいしさ・楽しさを日本酒にもあまり馴染みがない方にもお伝えしていきます。

料理に使うお酒と言えば料理酒が一般的ですが、レシピの「酒」の文字に「日本酒は使えないの?」と迷ったことはないでしょうか。

実は日本酒は、料理の味わいを引き立ててくれるお酒。「開栓してから日にちが経つものの、捨てるのはもったいない」という日本酒の有効活用にもおすすめです。

今回は、日本酒と料理酒の違いや、料理に日本酒を使うメリットについてご紹介!ぜひ、身近な調味料として日本酒を活用してみてくださいね。

1.料理に日本酒を使って美味しさアップ!

日本酒は料理の美味しさをワンランクアップさせてくれるアイテム。まずは、日本酒と料理酒の違い、日本酒を料理に使うメリットについてご紹介します。

それぞれを理解したうえで、日本酒と料理酒を上手に活用していきましょう。

1-1.日本酒と料理酒の違い

日本酒と料理酒の違い

塩分の有無の違い

原材料の表示を見てもわかるように、料理酒には食塩や水あめなどが含まれています。料理酒を直接舐めると、塩味や甘みを感じるのはこのためです。

味が調整されている料理酒は、手軽に使える反面、仕上がりの味わいが濃くなりすぎることがあります。そのため、料理酒を使うときは、ほかの調味料を加減しながら味のバランスを整えるのがおすすめです。

日本酒のなかでも、醸造アルコールを添加せず、米と米こうじのみを原料に造る「純米酒」にはしっかりとした旨味があります。上品な香りやコクが生まれやすく、料理に使う日本酒におすすめです。

「お酒」と「調味料」の違い

塩分などを含む料理酒は「調味料」として扱われます。そのため、日本酒のように酒税はかからず、安価で手軽に購入できることが特徴です。

一方、日本酒は調理用ではなく「飲むためのお酒」に位置付けられています。販売には酒類免許が必要なほか、酒税がかかるぶん、価格が高くなることも料理酒との違いのひとつです。

1-2.料理に日本酒を使う4つのメリット

料理に日本酒を使うメリットには、以下の4点があげられます。

  • 素材の臭みが消え上品な香りに
  • 味が染み込む効果が高い
  • 素材がやわらかく仕上がる
  • 料理にコクと旨味が生まれる

料理酒や日本酒に含まれる「有機酸」には、素材の臭みを消す働きがあります。日本酒を使った料理は、さらに上品な香りに仕上がることが特徴です。

また、日本酒は塩分を含まないぶん、料理に味が染み込む効果が高いというメリットがあります。塩の浸透圧によって素材の水分が外に抜け出すこともなく、ふっくらとやわらかく仕上がることもポイントです。

さらに、アミノ酸が料理に旨味やコクを与えるなど、料理に使う日本酒にはさまざまなメリットが期待できます。

1-3.料理に日本酒を使う際の2つのポイント

料理に日本酒を使う際は、以下の2つのポイントを心がけてみてください。いつもの料理もグッとランクアップした味わいに仕上がりますよ。

料理酒と上手に使い分ける

さまざまなメリットがあるとはいえ、日本酒は料理酒と比べてどうしても価格が高くなりがち。調理の際は、それぞれのメリットを活かしながら上手に使い分けましょう。

下ごしらえに大量に使うのであれば、料理酒がおすすめ。塩分や旨味のある料理酒を使えば、食材に下味を付けることもできます。

シンプルに素材の風味を活かしたいときには、香りと旨味のある日本酒を。しっかりとした旨味、コクが引き出されるため、塩分の使用量をおさえたいときにもおすすめです。

アルコールを飛ばしてから使う

日本酒はアルコール度数が高いお酒です。そのまま使用するとアルコール分が料理の味わいに影響してしまいます。調理の際は、しっかりとアルコールを飛ばしてから使用しましょう。

煮物のように煮汁を沸騰させる料理であれば、調理時にアルコールも一緒に飛んでいきます。加熱しない料理の場合は、あらかじめ日本酒だけを火にかけたり、電子レンジで加熱したりしてから使用してみてくださいね。

2.日本酒を使うとより美味しくなる料理

日本酒を使うとより美味しくなる料理には「煮物」「照り焼き」「汁物」などがあげられます。レシピ欄に「酒」と書かれているのを見つけたら、ぜひ日本酒でチャレンジしてみてください。

2-1.煮物、煮つけ

材料をコトコトと煮込む煮物に日本酒を使うと、より一層食材に味が染み込みやすくなります。一定量を使うため、飲みきれない日本酒があるときにもおすすめです。

ぶり大根や豚の角煮など、魚や肉を使った料理も臭みが消え、食材がふっくらとやわらかく仕上がりますよ。

煮付け

2-2.照り焼き

照り焼きに日本酒を使うと、料理全体にコクと旨味が生まれます。鶏肉やぶりの照り焼きも、臭みがなくまろやかな味わいに仕上がるでしょう。照り焼きならではの甘みを残しつつ、香り良く上品に仕上げたいというときにおすすめです。

てりやき

2-3.汁物

ご飯のおともに欠かせない汁物にも、ぜひ日本酒を使ってみてください。特に、魚介類の出汁をベースにしたシンプルな汁物におすすめです。素材の臭みを消すだけでなく、日本酒による味の相乗効果が期待できます。

豚汁やけんちん汁のような、具だくさんの味噌汁にも日本酒をプラス。味わい深く、コクのある汁物ができあがりますよ。

汁物

3.隠し味として日本酒をちょい足し!おすすめの活用方法

何気ない家庭料理にも、隠し味として日本酒をちょい足し!いつものメニューがグッと美味しくなり、日本酒がより身近に感じられるはずです。ここからは「日本酒が余ってしまった…」というときにもぴったりの活用方法を紹介します。

3-1.炊飯時に日本酒を入れる

毎日食べるご飯にも日本酒を活用!炊飯スイッチを押す前に日本酒を加えれば、ふっくらと美味しいご飯が炊きあがります。

分量の目安は、お米1合に対し日本酒小さじ1~2杯程度。甘みとつやがアップし、少し古いお米も美味しく仕上がりますよ。

炊飯に日本酒を入れる

3-2.蕎麦つゆに日本酒を加える

お家で本格的なお蕎麦を楽しみたい!というときは、蕎麦つゆに日本酒を加えてみてください。日本酒ならではの風味が引き立ち、蕎麦つゆのコクもアップします。

ポイントは、あらかじめ日本酒のアルコールを飛ばしてから使用すること。蕎麦つゆ1人前に小さじ1杯を目安に、量を調整してみてくださいね。

そばつゆ

3-3.しゃぶしゃぶの通し湯に加える

飲みきれない日本酒がたくさんある…というときは、しゃぶしゃぶの通し湯に加えてみましょう。ぐつぐつと煮ている間にアルコール分が飛び、日本酒の旨味だけが出汁のなかに残ります。

肉や野菜をくぐらせるたびに、素材の旨味が出汁に溶け出しより奥深い味わいに。シメにはぜひご飯を入れて、凝縮された日本酒と素材の旨味を楽しんでみてください。

3-4.カレーの隠し味で和風カレーに

いつものカレーも、日本酒を加えることでひと晩寝かせたようなカレーに早変わり!肉と野菜を炒めたところに水と日本酒を注ぎ、アルコール分が飛ぶまで煮込めばコクのある和風カレーができあがります。

手軽なレトルトカレーは、小鍋に移してから日本酒を少量プラス。そのまま温めるだけで、いつもと違う美味しさを楽しめますよ。

まとめ

米と米こうじを原料にする日本酒は、料理の味わいを引き立ててくれるお酒。料理酒との違いを理解したうえで上手に使い分ければ、料理の腕もグッとレベルアップします。

なじみある家庭料理の調味料のほか、ちょっとした隠し味に使えることもうれしいポイント。ぜひ、日本酒を使った美味しい料理にチャレンジしてみてくださいね。