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日本酒は冷凍すると瓶が割れる可能性有り!保存方法〜みぞれ酒の作り方を解説!

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日本酒は冷凍すると瓶が割れる可能性有り!保存方法〜みぞれ酒の作り方を解説!

執筆者情報

shiho
お酒とねこでできているライター。日本酒、ウイスキー、ワイン…すべてのお酒をこよなく愛す。酒好きが高じて利酒師免許を取得。 blog「わたしの酒棚」 https://sakadana.net/

監修者

日本酒ラボ編集部
日本酒ラボに携わってから日本酒のおいしさ・奥深さを知り、唎酒師の資格を取得。日本酒ラボを通して、日本酒のおいしさ・楽しさを日本酒にもあまり馴染みがない方にもお伝えしていきます。

保存のため、またはみぞれ酒を作るために、日本酒をそのまま冷凍庫に入れてもいいのか不安ですよね。冷凍庫で瓶が割れていたら、他の食材にも影響してしまいます。

また、日本酒にはさまざまな飲み方・楽しみ方ができるお酒でもあり、その楽しみ方の一つにみぞれ酒があります。

今回は日本酒を冷凍したい人に、日本酒の凍る温度や凍らせるときの注意点、みぞれ酒の作り方もご紹介します。

1. 日本酒は、冷凍庫で保存できる?

日本酒は-5度で保存するのがいいといわれていますが、実は冷凍保存も可能です。一般的な家庭用冷蔵庫でも冷凍保存は可能なのでしょうか?

1-1. 日本酒は-10度以下で凍り始める

日本酒は温度が-10度以下になると凍り始めます。アルコールが凍る温度は-114.5度といわれているため、アルコール度数が高ければ高いお酒ほど凍りにくくなります

正確な計算方法ではないですが、アルコール度数にマイナスをつけた温度がそのお酒が凍る温度といわれています。つまりビールはアルコール度数が5度くらいなので、-5度程度で凍ります。ワインは14度前後、日本酒は15度前後、焼酎は35度前後、ウォッカは40度以上のアルコール度数になるので、冷凍庫で完全に凍るのはビールやカクテルなどアルコール度数が10度以下の低いものだけです。

1-2. 冷凍庫の温度は-20度〜-18度

一般的な家庭用の冷蔵庫の冷凍室は、日本工業規格によって-18度以下とするよう決められています。そのため家庭用の冷凍室はだいたい-20~-18度に設定されています。

そのため冷凍庫で日本酒を保存することは可能です。しかし日本酒も完全には凍りません。焼酎などアルコールが高いお酒もシャーベット状にはなります。ブランデーなどもアルコール度数が高いので凍ることはありませんが、とろっとした状態になり、冷やして飲むのとはまた違った楽しみ方ができます。

1-3. 中途半端に凍った日本酒は、みぞれ酒として人気

中途半端にシャーベット状に凍ったお酒をみぞれ酒といいます。日本酒のみぞれ酒は純米酒がおすすめ。味の変化が少なく、凍らせても風味を損なう可能性が低く美味しい日本酒のみぞれ酒を楽しむことができます。

ここがPOINT!

  • 日本酒は、冷凍庫で保存できるが、凍りづらい特性をもっている!(-10度以下で凍り始める)
  • 冷凍庫の温度は-20度〜-18度なので、日本酒は凍り始めるが完全には凍らない
  • 中途半端に凍った日本酒は、シャーベット状のみぞれ酒として人気!

氷 凍った背景 冷凍庫

2. 冷凍庫で日本酒を凍らせると瓶が割れる可能性がある

買ってきた日本酒をそのまま冷凍庫で凍らせてしまうと、瓶が割れてしまう可能性があります。日本酒を凍らせるときにどうしたらいいのでしょうか?

2-1. 水は凍らせると体積が増える

通常であれば固体、液体、気体の順に体積が増えますが、水は液体の状態よりも固体である氷の方が、体積が大きいのです。氷の方が10%ほど体積は増えるため、そのまま凍らせると膨張してしまい、瓶が割れる可能性があるのです。

2-2. 凍らせる場合は、別の容器に移し替えましょう

日本酒を凍らせると体積がかなり増えるので、瓶が割れる可能性があります。膨張しても余裕のある紙パックやペットボトル、かなり厚手のガラスの瓶はそのまま凍らせることもできますが、それ以外は危ないので別の容器に移し替えましょう。

日本酒は匂いが移りやすく、空気に触れれば触れるほど劣化するので、しっかり密閉できる容器が◎。そのためキッチン用品が豊富なホームセンターなどで、冷凍可能なガラス容器などを購入するのがおすすめです。

2-3. 日本酒を凍らせると、酒質に変化はある?

日本酒を凍らせると、味や香りが変化するという種類もあれば、全く変わらないというものもあります。こればかりは好みもあるので凍らせてみないとわからないですが、冷凍して保存する場合は、何度も解凍〜冷凍が繰り返されないように温度が安定した状態になるようにしましょう。溶けたり、凍ったりを繰り返すと風味が落ちてしまう可能性があります。

ここがPOINT!

  • 【注意】日本酒をそのまま冷凍庫で凍らせると、瓶が割れてしまう可能性がある!
  • 凍らせる場合は、瓶以外の容器に移し替えるようにしましょう
  • 何度も溶けたり凍ったりを繰り返すと、風味が落ちてしまう可能性があります

割れた瓶

3. 暑い夏に試してみたいみぞれ酒の作り方!

暑い夏にぴったりの日本酒のみぞれ酒は、家の冷蔵庫でも簡単に作れます。作り方をチェックしていきましょう。

3-1. 用意するもの

  • 日本酒(アルコール度数 15度以下) 200~300ml
  • グラス

アルコール度数が高すぎると凍らないので、15度以下がおすすめ。瓶の日本酒だと忘れてそのまま凍らせてしまった場合、割れる可能性があり危ないので、別の容器に移すか、ふなぐち菊水一番しぼりのように缶の日本酒の方が安全です。

3-2. 作り方

  1. 日本酒をまずは冷蔵庫で冷やします。冷蔵庫の温度は約5度。しっかりと冷やしたいので、開け閉めするときに温度変化が起こるドアポケットなどではなく、なるべく奥の方へ入れ4時間以上冷やしましょう。
  2. 冷蔵庫でしっかり冷やしたら、日本酒とグラスを一緒に冷凍庫(-18度)に入れ90分待ちます。
  3. 90分経ったら日本酒をゆっくりと衝撃を与えないよう静かに冷凍庫から取り出し、一緒に冷やしたグラスに50cmくらいの高さから注ぎます。日本酒がグラスにぶつかる衝撃でシャーベット状になり、みぞれ酒の完成です。

まとめ

日本酒は冷凍保存も可能ですが、凍らせるときは容器に気をつけましょう。またみぞれ酒は暑い夏に日本酒を飲みたいときにぴったりです。味の変化は日本酒によるので、さまざまな日本酒でみぞれ酒を試してみては?

ここがPOINT!

  • 日本酒は、冷凍庫で保存できるが、凍りづらい特性をもっている!(-10度以下で凍り始める)
  • 冷凍庫の温度は-20度〜-18度なので、日本酒は凍り始めるが完全には凍らない
  • 中途半端に凍った日本酒は、シャーベット状のみぞれ酒として人気!
  • 【注意】日本酒をそのまま冷凍庫で凍らせると、瓶が割れてしまう可能性がある!
  • 凍らせる場合は、瓶以外の容器に移し替えるようにしましょう
  • 何度も溶けたり凍ったりを繰り返すと、風味が落ちてしまう可能性があります

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