日本酒が好きだけど、種類が多すぎてどれを選んだらよいかわからない!と困ったことはありませんか?
米と水というシンプルな材料から生まれる日本酒も、土地や蔵によって味わいは千差万別。購入時も迷うことが多いですよね。
そこで今回は「これだけは知っておきたい!」という有名銘柄30選をご紹介します。自分好みの銘柄を見つけたら、同じ蔵の日本酒や、同じ地域で造られる日本酒を試してみるのもおすすめ。日本酒の楽しみ方がより一層広がりますよ。
また、日本酒おすすめランキングをこちらで紹介しているので、こちらもぜひ参考にしてみてください。
目次
1.これだけは知っておきたい、おいしい有名銘柄30選
日本酒を造る会社は、全国で1300社以上にのぼるといわれています。片っ端から飲んで試してみよう!と思っても、なかなか網羅できる数ではありませんよね。
日本酒ファンが愛する銘柄を知ることは、自分好みの味を見つける近道ともいえます。それぞれの魅力を深掘りすれば、日本酒がもっとおいしく、楽しくなりますよ。
(参考:国税庁「清酒製造業の概要(平成30年度調査分)」)
1-1.いまや世界的にも有名「獺祭(だっさい)」
「獺祭(だっさい)」は山口県の旭酒造(あさひしゅぞう)が造る日本酒です。その名は世界でも広く知られ、2018年にはフレンチの神様とも呼ばれる「ジョエル・ロブション」氏とのコラボレーションショップがフランスにオープンしました。
「獺祭」の確かな味わいを世に知らしめたのが、代表銘柄である「磨き二割三分(みがきにわりさんぶ)」の誕生。米の外側を7割以上磨き上げ、小さく光る中心部分23%だけを使った日本酒です。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
シュワシュワ泡立つスパークリング酒をはじめ、酒粕から生まれるスイーツや化粧品など、豊富なラインアップも「獺祭」の魅力のひとつ。
獺祭を楽しみたい!というときは、磨きの度合いが違う3種類が入った「おためしセット」もおすすめですよ。
「獺祭」をもっと知りたい!という方はコチラ!
1-2.新潟の日本酒といえば:その1「久保田(くぼた)」
豊かな自然に恵まれた新潟県は、日本有数の酒どころとして知られています。スッキリとキレの良い味わいの銘柄が多く、1980年~90年代には「淡麗辛口ブーム」「地酒ブーム」を巻き起こしました。
朝日酒造(あさひしゅぞう)の「久保田(くぼた)」もそのひとつ。水と米にこだわり抜いた豊かな味わいは、世代を越え多くの人々に愛されています。
代表的な銘柄は、デイリーラインの「千寿(せんじゅ)」とプレミアムラインとなる「萬寿(まんじゅ)」の2つ。いずれもあわせる料理にそっと寄り添い、その魅力を一層引き立ててくれます。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
また、代々の伝統を受け継ぐ朝日酒造では、近年新たな取り組みも進められています。
2019年には、アウトドアブランド「スノーピーク」と共同開発した「雪峰(せっぽう)」が誕生。焚火の赤い炎を囲みながら、ゆったりと盃を傾ける。そんな新しい日本酒の楽しみ方を提案しています。
キャンプ好き・日本酒好きという方は、ぜひアウトドアのおともにチェックしてみてはいかがでしょうか。
久保田についてはこちらの記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
1-3.新潟の日本酒といえば:その2「八海山(はっかいさん)」
「八海山(はっかいさん)」もまた、新潟県の地酒として名高い銘柄です。米の旨味がありつつ、スッキリとキレがある。食中酒にぴったりのきれいな味わいが人気を得ています。
デイリーユースにぴったりの「普通酒」から、贈答用にふさわしい「純米大吟醸酒」までバリエーションも豊富。
なかでも「雪室貯蔵三年」は、雪室(ゆきむろ)と呼ばれる大量の雪を収納した蔵で熟成させたこだわりの逸品です。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2004年には、最新鋭の設備を兼ね備えた「第二浩和蔵」を新設。周囲には一面に田んぼが広がり、カフェや売店なども併設するなど、南魚沼の心安らぐスポットとして親しまれています。
八海山についてはこちらの記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
酒の神に愛された場所で醸される日本酒「八海山」の種類・ラインナップを紹介
1-4.新潟の日本酒といえば:その3「越乃寒梅(こしのかんばい)」
新潟県の有名銘柄といえば「越乃寒梅(こしのかんばい)」もはずせません。
醸造元の石本酒造(いしもとしゅぞう)が位置するのは、新潟県のほぼ中央にあたる亀田郷。周囲は梅の産地でもあり「越乃寒梅」の名も残雪のなかで咲く梅の姿に由来しています。
「農作業に励む地元の人々に喜んでもらえる酒を」との思いで生まれた「越乃寒梅」は、毎日飲んでも飽きないキレのある飲み口が魅力。日常に寄り添う本当に旨い酒として、地元から全国へと人気を広めていきました。
「日本酒になじみのない世代にも越乃寒梅を楽しんでほしい」という思いから、2016年には「灑(さい)」をリリース。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
さらりと舌の上を流れる上質でクリアな味わいは、日本酒ビギナーにもおすすめです。
越乃寒梅はこちらの記事で詳しく紹介しているので、参考にしてみてください。
料理にもぴったりの「越乃寒梅」!初心者でも飲みやすいクセのない日本酒
1-5.新潟の日本酒といえば:その4「上善如水(じょうぜんみずのごとし)」
「上善如水(じょうぜんみずのごとし)」は、冬になると真っ白な雪があたりを覆いつくす越後湯沢で生まれる日本酒です。醸造元の白瀧酒造(しらたきしゅぞう)の敷地内には、清らかな地下水が湧き出ています。
水のごとしの名のとおり、口あたりはするりとなめらか。何年もの月日を経て地上へと湧き出た、雪どけ水のやわらかな旨味が活きています。
華やかな香りとシンプルな味わいは「飲みやすい」と日本酒ビギナーにも人気。180ml入りのボトル缶も販売されるなど、手ごろなサイズ感もうれしいですね。
(出典元:白瀧酒造株式会社)
ペンギンラベルがかわいい「ロック酒の上善如水」は、氷をたっぷり入れて味わう日本酒オン・ザ・ロックの楽しみ方を教えてくれますよ。
上善如水についてはこちらの記事で詳しく紹介しているので参考にしてみてください。
1-6.6号酵母から生まれる唯一無二の味わい「新政(あらまさ)」
秋田県の「新政(あらまさ)」は、地元で栽培された米のみで造られる日本酒です。使用するのは、1930年(昭和5年)に蔵で採取された「きょうかい6号」(六号酵母)のみ。製法は手間と技術を要する「生酛(きもと)」のみと、細部にこだわりがあふれています。
「Colors(カラーズ)」「No.6(ナンバーシックス)」「PRIVATE LAB(プライベート ラボ)」など、ラインアップも実に個性的。口にした瞬間ハッとするような洗練された味わいは、多くの日本酒ファンを魅了しています。
(出典元:新政酒造)
また、新政酒造は秋田県内の蔵元杜氏が集結したユニット「NEXT5」のメンバーの一員でもあります。
「白瀑(しらたき)」に「山本(やまもと)」、「ゆきの美人」、「春霞(はるかすみ)」、「一白水成(いっぱくすいせい)」と、どの銘柄も秋田県から全国へとその名が知られる銘柄ばかり。
「新政」をきっかけに、秋田県の銘酒を味わってみるのも楽しいですよ。
新政についてより詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
1-7.伊勢志摩サミットでの乾杯酒「作(ざく)」
清水清三郎商店が造る日本酒「作(ざく)」は2016年の「G7伊勢志摩サミット」で乾杯酒として採用されたことから、その名が知られるようになりました。
清水清三郎商店が目指すお酒は究極のキレと透明感のあるお酒。
通年販売されている「作 玄乃智」「作 穂乃智」を筆頭に、フルーティーさが際立つ「作 奏乃智」「作 雅乃智」やG7伊勢志摩サミットの乾杯酒に選ばれた「作 特撰酒 智」など、ラインナップも豊富にあります。
作についてより詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
(出典元:清水清三郎商店)
1-8.伝統と革新「仙禽(せんきん)」
栃木県の「仙禽(せんきん)」が重視しているのは、その土地で生まれる唯一無二の個性。原料となる酒米は、蔵の地下水と同じ水脈上で造られています。
シリーズのひとつである「NATURE(ナチュール)」は、超自然派の「古式生もと」製法を採用。あえて過度な精米を控え、蔵で生まれる無添加酵母を使用し、木桶で仕込んでいます。
原料となる「亀ノ尾(かめのお)」は米の祖先ともいわれ、蔵が情熱をかけてよみがえらせた酒米です。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
どこまでも自然派にこだわった「仙禽」は、米のエネルギーとピュアな甘み、ジューシーな旨味がギュッと詰まった、ほかにはない味わいが魅力。日本酒を飲みなれた方にも初心者にも、うれしい驚きを運んできてくれます。
仙禽についてより詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
1-9.プレミア日本酒でおなじみ「十四代(じゅうよんだい)」
「十四代(じゅうよんだい)」は、高い酒質と入手困難なことから「幻の酒」「プレミア酒」とも呼ばれています。端麗辛口ブーム全盛だった時代、芳醇旨口のお酒として一躍人気となった銘柄です。
そのきっかけとなったのが「十四代 本丸 秘伝玉返し」の誕生。リーズナブルな本醸造酒でありながら、香り高い吟醸酒並みのクオリティが高い評判を呼びました。
(出典元:ミツワネットショップ)
醸造元である高木酒造(たかぎしゅぞう)は酒米の開発にも力を注ぎ「龍の落とし子」「酒未来(さけみらい)」を使った銘柄もリリースしています。
とはいえ「十四代」は購入が難しいお酒。ネットでは何倍もの値で取引されていることもあります。
十四代を飲んでみたい!と思ったら、特約店の抽選販売を利用するほか、日本酒を取り扱っている飲食店をチェックするのがおすすめです。
十四代についてより詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
日本酒界のレジェンド「十四代」を解説!プレミアがつくその魅力とは?
1-10.大吟醸の先駆け「黒龍(こくりゅう)」
福井県が誇る地酒「黒龍(こくりゅう)」。ワインに深い興味を抱いた7代目が「大吟醸 龍」を生み出し、全国に先駆けて大吟醸酒を商品化させたことでも知られています。
蔵の近くに流れるのは、福井県最大の河川「九頭竜川」です。澄み切った伏流水が「黒龍」の軽くしなやかな口当たりを生み出しています。
「黒龍」のなかでも”極みの酒”に位置するのが「黒龍 石田屋」。兵庫県東条産の山田錦を使った純米大吟醸を、低温で静かに熟成させたこだわりの逸品です。
(出典元:黒龍酒造)
日本酒好き、お酒好きからも人気の高い銘柄のため、贈答用にもおすすめですよ。
黒龍についてより詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
大吟醸の先駆けとなった日本酒「黒龍」の種類やラインナップを解説!
1-11.すべては田んぼと畑から「醸し人九平次(かもしびとくへいじ)」
「醸し人九平次(かもしびとくへいじ)」は愛知県の萬乗醸造(ばんじょうじょうぞう)が造る日本酒です。九平治は、蔵で代々襲名される名。現在の久野九平治氏は15代目にあたる人物です。
大量生産から、手作りにこだわる少量生産へと路線を変えた15代目九平治氏は、フランスでプロモーションを開始。
白ワインに引けをとらない酒質はシェフ・ソムリエ達に高く評価され、多くの三ツ星レストランで採用されました。
自ら米の栽培も手がけ、兵庫県黒田庄の田で育った山田錦を使った「黒田庄に生まれて、」をはじめ、パリの稲作地帯で育った米を使用した「CAMARGUEに生まれて、(カマルグにうまれて、)」もリリースしています。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
洗練されたボトルデザインはもちろん、味わいや香りも白ワインのように繊細な「醸し人九平次」。日ごろワイン好む方にもおすすめの日本酒です。
醸し人九平次についてより詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
1-12.JAL国際線ファーストクラスに搭載された酒「伯楽星(はくらくせい)」
“究極の食中酒”をコンセプトにした「伯楽星(はくらくせい)」。料理のおいしさを引き立てると、JAL国際線のファーストクラスでも提供された日本酒です。食前酒、食後酒がメジャーだった時代に”食中酒”というジャンルを確立させた銘柄でもあります。
「伯楽星 特別純米」はシリーズの代表格。冷やでも燗でもおいしく楽しめる銘柄です。メロンやバナナのような甘い香りとスッキリとしたキレ味が光ります。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
また、シリーズ最高峰となるのが「伯楽星 純米大吟醸 ひかり」です。グラスに注ぐと甘い香りがふんわりと広がり、魚介類との相性はばつぐん。
「おいしい料理には、おいしい日本酒が欠かせない」という方はぜひチェックしてみてくださいね。
伯楽星についてより詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
1-13.食卓の主役となる存在感のあるお酒「飛露喜(ひろき)」
「飛露喜(ひろき)」は福島県の会津地方で生まれるお酒です。生産数が限られ、入手困難ともいわれる「飛露喜」を造る「廣木酒造(ひろきしゅぞう)」も、かつては廃業の危機を迎えた時代がありました。
そんな蔵を立て直すきっかけとなったのが「無濾過生原酒(むろかなまげんしゅ)」の誕生です。
ろ過も加熱も、加水もしないピュアで力強い味わいは高い評判を呼び、多くの酒販店が「飛露喜」取り扱うようになりました。
初めて「飛露喜」を味わうのであれば、ぜひ「特別純米 無濾過生原酒」を。喜びの露(つゆ)が飛ぶ、という名にふさわしい感動を味わえるはずです。
(出典元:松仙)
飛露喜についてより詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
無濾過生原酒の先駆けとなった日本酒「飛露喜」の種類や味わいを解説!
1-14.会津を代表する銘酒「寫楽(しゃらく)」
福島県会津地方の酒蔵「宮泉銘醸(みやいずみめいじょう)」が手がける日本酒「冩樂(しゃらく)」。年間を通し、その月ごとに季節に沿った銘柄をリリースしています。
通年商品となる「冩樂 純米酒」は、こだわりの酒米と米麹、水のみで造られたフレッシュな味わいです。口の中で米の旨味が豊かに広がり、すっと消えたかと思うと心地よい余韻が残ります。
(出典元:宮泉銘醸株式会社)
福島県は「冩樂」をはじめ、数多くの銘酒が生まれる地域です。全国新酒鑑評会での金賞受賞数は、2021年まで8回連続”日本一”を達成しています。
おいしい日本酒に出会いたい!というときは、「飛露喜」「冩樂」はもちろん、その他の福島県の銘酒をチェックしてみるのも楽しいですよ。
寫楽についてより詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
1-15.やさしく五感を刺激し、体に馴染む自然体のお酒「鍋島(なべしま)」
「鍋島(なべしま)」は佐賀県が誇る地酒です。醸造元、富久千代酒造(ふくちよしゅぞう)は有明海に面した土地に建ち、蔵だけでなく町並みにも江戸時代の面影が残ります。
2011年、世界最大規模となる「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)」では、日本酒部門の最高峰となる「チャンピオン・サケ」を受賞。
やさしく五感を刺激し、すっと体になじむ「鍋島」の名は、海外でも広く知られています。
また、2021年には日本初の酒蔵オーベルジュ「御宿 富久千代」をオープン。宿泊者は「鍋島」と料理のペアリングを楽しめるほか、通常非公開とされる酒蔵見学も楽しめます。
美味しい日本酒や料理との出会いを求め、「鍋島」のふるさとに足を運ぶのも楽しそうですね。
鍋島についてより詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
(出典元:富久千代酒造)
1-16.農×人×自然をつなぐ「風の森」
「風の森(かぜのもり)」は、日本酒ビギナーから日本酒通まで幅広い人気を誇る銘柄です。醸造元は、奈良県の油長酒造。酒造りには地元産の米が用いられます。
大きな特徴は、舌をちりちりと刺激する微発泡感。果実のような香りとともに、しっかりとした旨味が広がります。低アルコールの「次章への扉」や、自分でブレンドして楽しむ2本セットの「一期一会」など、お酒好きの心をくすぐるラインナップも魅力です。
近年は米を作る農家がお酒を販売するという「農家酒屋」という取り組みをスタート。持続可能な農業の実現や、里山の環境を保全するための活動も続けています。
1-17.過去と現在、未来の融合「而今」
木屋正(きやしょう)酒造6代目が自ら杜氏として生み出したお酒「而今(じこん)」。伊賀産山田錦を中心に名張川の湧き水で仕込まれるお酒は、全国各地の日本酒ファンを魅了しています。
「而今」という名に込められているのは、「過去にも囚われず未来にも囚われず、今をただ精一杯生きる」という蔵人の思い。築約200年の酒蔵で丁寧に手造りされるお酒は、口当たりまろやかでフレッシュな旨味にあふれています。月ごとにリリースされる、愛山や酒未来、雄町といった酒米違いの銘柄もおすすめです。
(出典元:木屋正酒造)
1-18.青森を代表する地酒「田酒」
田んぼの酒と書くお酒「田酒(でんしゅ)」は、青森を代表する地酒です。米と米麹、水で造られる純米酒のみが製造されています。
米への思い入れは強く、青森県初の酒造好適米「古城錦(こじょうにしき)」を復活させたお酒もリリース。酒米の特性を活かし、柔らかで芳醇な味わいを生み出しています。
旨味があふれる「田酒」は燗酒でいただくのもおすすめです。漬物や味噌を使った料理、海鮮料理などにも絶妙にマッチします。
(出典元:楽天市場)
1-19.上品で華やかな香り「鳳凰美田」
「鳳凰美田(ほうおうびでん)」の魅力は、なんといっても華やかな香りです。グラスに注ぐとライチや白桃を思わせる品の良い香りが広がります。シルクのようになめらかな口当たりも特徴的。ほんのり甘く心地よい余韻がすーっと喉に染み渡ります。
日本酒はもちろん、素材の美味しさが活きたリキュールもおすすめです。限定販売の「いちご」は、香りも舌触りもいちごそのもの。酒造りに対する蔵のこだわりが感じられます。
1-20.蔵人のエネルギーを感じるキレの良さ「赤武」
「赤武(あかぶ)」は岩手の若き蔵人たちが造る日本酒です。蔵が建つのは岩手県盛岡市。震災の影響を受け大槌町から現在の地へと蔵を移した2013年当時、蔵人たちは酒造りに関する経験はなかったといいます。
当時、史上最年少杜氏であった古舘龍之介氏を筆頭に「赤武」は邁進。芳醇な旨味とキレを兼ね備えた「赤武」は、多くの日本酒ファンからの支持を集めます。
日々に寄り添うスタンダード酒から「SAKURA」や「XMAS」と名付けられたシーズン商品、贈答用にふさわしいプレミアム酒まで、幅広いラインナップも魅力です。
1-21.香りと甘さのバランスがクセになる「花陽浴」
華やかな香りの「花陽浴(はなあび)」は、埼玉県の南陽醸造で造られています。キラキラと輝くラベルのように、味わいは実に華やか。甘味と旨味がほどよく調和し、スルスルと飲み進められるお酒です。
小さな蔵で醸造されるため、生産量は限られています。各地の正規販売店や飲食店などで出会った際は、ぜひおすすめしたい日本酒です。
(出典元:矢島酒店)
1-22.紀州の風土が生むお酒「紀土」
「紀土(きっど)」は和歌山生まれの日本酒です。醸造元の平和酒造は、地域の人々や紀土ファンとともに米作りも手がけています。
控えめな香りとやさしい味わいは、紀州の穏やかな風土を思わせるよう。米の旨味もしっかりと感じられます。
平和酒造は2022年、東京に「平和どぶろく兜町醸造所」を開設。こさないお酒、どぶろくの魅力を存分に感じられるスペースが誕生しました。日本酒の美味しさ、奥深さを知るきっかけとして「紀土」もどぶろくも、ぜひ手にとってみてください。
1-23.雪国秋田を感じるお酒「雪の茅舎」
茅舎(ぼうしゃ)とは、かやぶきの家のこと。「雪の茅舎(ゆきのぼうしゃ)」は、雪深い秋田県を代表する日本酒です。醸造元、齋彌酒造店の住宅や店舗、蔵などは国の登録有形文化財に登録されています。
齋彌酒造店では、自然の力に任せた酒造りを実践しています。櫂入れ(かいいれ)と呼ばれる材料をかき混ぜる作業はせず、酵母の力でゆっくりと発酵させるのが特徴です。
雪解け水のように澄んだ味わいは、日本酒ビギナーにもおすすめです。なかでも「製造番号酒」は、洋梨のようなフルーテイーな香りを楽しめます。
1-24.和食にも洋食にも「陸奥八仙」
「陸奥八仙(むつはっせん)」は、八戸酒造の「陸奥男山」に並ぶブランドです。青森県産の米と酵母を使い、旨味とキレを兼ね備えた味わいを生み出しています。
なかでもおすすめは、華やかな香りの「ピンクラベル」。メロンやバナナのような甘い香りと芳醇な旨味を堪能できます。和食はもちろん洋食にもマッチするため、1本常備しておけば日々の食卓で大活躍してくれますよ。
(出典元:八戸酒造株式会社)
1-25.ラインナップには超辛口も「くどき上手」
ネーミングと浮世絵ラベルが印象的なお酒「くどき上手」。その名前は、武力ではなく心で何人をも説き伏せた武将の姿に由来しています。
美味しさだけなく楽しさをという社長のポリシーから生まれるのは、酒好きの心をくすぐるバリエーション豊かなお酒です。超辛口の「ばくれん」や「不愛想」など、個性的なラインナップが並びます。ぜひ、酒米や製法による違いを感じてみてください。
1-26.高知生まれの食中酒「酔鯨」
「酔鯨(すいげい)」が生まれるのは、料理と一緒にお酒を楽しむ文化が根付く高知県です。穏やかな香りとスッキリとしたキレは、料理の味わいを引き立ててくれます。ただ辛いだけではない、しっかりとした旨味も魅力です。
なかでも「純米酒 れのわ」は、やわらかな口当たりを楽しめます。オシャレなラベルデザインでパーティーなどの差し入れにもおすすめです。ぜひ好みのメニューを用意して、日本酒と料理のペアリングを楽しんでみてください。
(出典元:酔鯨酒造)
1-27.心に寄り添い癒す酒「天美」
「天美(てんび)」を造る長州酒造は、地元で長く愛されてきた児玉酒造の事業を継承した酒蔵です。1871年(明治4年)から続く歴史を受け継ぎ、下関市菊川町に蔵を新設しました。
杜氏を務めるのは、奈良県や香川県の酒蔵で経験を重ねた後、リキュールや新たな日本酒の開発をおこなってきた藤岡美樹氏。「天美」のやさしい味わいは、早くも多くの日本酒ファンを魅了しています。穏やかな香りが心をほっと和ませてくれる日本酒です。
(出典元:長州酒造株式会社)
1-28.フルーティーな香りとピュアな甘み「東洋美人」
『0杯から1杯へ』を目指す「東洋美人(とうようびじん)」は、日本酒ビギナーも親しみやすい味わいが特徴です。フルーティーな香りとピュアな甘みを楽しめます。
2016年(平成28年)には、日露首脳会談の夕食酒に選出。JALのファーストクラスで提供されるなど、世界での評価も高いお酒です。上品な白い皮袋の付いた「特吟 純米大吟醸 愛山」は、贈答用にもおすすめですよ。
(出典元:株式会社澄川酒造場)
1-29.世界も認める広島の地酒「雨後の月」
「雨後の月(うごのつき)」は、広島県を代表する日本酒です。名前には、雨上がりの空に光り輝く月のように、澄み切った美しい酒を醸したいという蔵の願いが込められています。
全国新酒鑑評会では10年連続金賞を受賞。「SAKE COMPETITION」などでも数々の受賞歴を誇ります。上品な香りとキレのある味わいは、瀬戸内の魚介類と好相性。するりとなめらかな飲み口で、日本酒になじみがない方でも親しみやすい酒質です。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
1-30.オゼユキの名で愛される「尾瀬の雪どけ」
「尾瀬の雪どけ(おぜのゆきどけ)」は、日本酒ファンから「オゼユキ」の愛称で親しまれているお酒です。フレッシュでジューシーな旨味と、メロンのような甘い香りを楽しめます。
ハロウィンやバレンタインのシーズン商品や「共演NG!」と題した酸味の強い商品をリリースするなど、遊び心も盛りだくさん。素材と製法にこだわりながらも、日本酒の美味しさ、楽しさを教えてくれる銘柄です。
(出典元:高橋与商店)
まとめ
自分好みの有名銘柄を見つけておくと、酒販店や飲食店で日本酒が選びやすくなります。また、ひとつひとつにストーリーがあるのも日本酒の魅力。有名銘柄が生まれる背景を知れば、日本酒を楽しむ幅がさらに広がるはずです。
いろいろな銘柄にチャレンジしながら、ぜひ自分だけの特別な1本を見つけてみてくださいね。