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日本酒の原酒をおいしく楽しみたい!原酒の水割りの作り方とポイントを解説

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日本酒の原酒をおいしく楽しみたい!原酒の水割りの作り方とポイントを解説

「原酒と書いてある日本酒はアルコール感が強くて飲みづらい」という方におすすめなのが、日本酒の水割り。「日本酒を水割りにして美味しいの?」と思う方もいるかもしれませんが、正しい方法で作れば美味しいですし、日本酒の新たな味わいを発見できるかも?

今回は、原酒を水割りで美味しく飲みたいという方に向け、作り方のコツやポイントをご紹介していきます。

1. 日本酒の原酒についてのおさらい

日本酒は、米と水を発酵させてできあがった醪(もろみ)を搾った後、一般的に火入れをしてから貯蔵されます。約半年から1年間寝かせ味がまろやかになった日本酒は、「割水」(わりみず)と呼ばれる加水工程を経て、アルコール度数15度ほどのお酒に仕上がるのです。

「原酒」とは、加水をする前の段階の日本酒のこと。加水をしないまま瓶詰めされた日本酒は、ラベルに「原酒」と記載されています。原酒には、以下のような2つの特徴があります。

原酒の特徴1)アルコール度数が高い

市販されている日本酒のアルコール度数は、一般的に15度前後です。一方、加水をしていない原酒のアルコール度数は平均より3~4度ほど高く、18~20度になります。

ビールのアルコール度数が4.5~5度、ストロング系と呼ばれる缶チューハイは9度であることを考えても、日本酒はアルコール度数の高いお酒であることが分かりますね。そのため、お酒を飲み慣れない方にとっては、日本酒の原酒は少々飲みづらいともいえるのです。

原酒の特徴2)お米の甘みと旨味が存分に味わえる

日本酒は割り水によって、アルコール度数が少し低くなり、味と香りのバランスが調和したまろやかなお酒になります。

一方、加水していない原酒は、米本来の香りや旨味をダイレクトに味わえるのが特徴です。日本酒に使う酒米は、収穫する地域や種類によってその風合いが大きく異なります。また、仕込み水や酒蔵の建つ環境によっても日本酒の味は大きく変化するのです。

加水をしていない原酒は、まさにその個性が色濃く表れているお酒。日本酒好きにとっては、たまらない魅力を持つお酒でもあります。

しかし、日本酒を飲み慣れない方やアルコールに弱い方にとっては、その個性が苦手意識のもとになることも。そこでおすすめしたいのが、日本酒を水で割って飲む方法です。美味しい日本酒の水割りを飲むポイントについて、次の章で更に詳しく解説していきますね。

ここがPOINT!

  • 一般的な日本酒は、造られる過程で割り水によってアルコール度数15度前後に調整されている
  • 日本酒の原酒は、アルコール度数が高く、米本来の香りや旨味を強く感じられる

純米酒 原酒

2. 原酒の水割りの作り方とポイント!

原酒の水割りの作り方は、その名のとおり日本酒に水を加えるだけといたってシンプル。しかし、水で割って薄くなりすぎると、せっかくの原酒の風味が損なわれてしまいます。

美味しい原酒の水割りを飲むためには、ちょっとしたコツが大切。おすすめは仕上がりがアルコール度数12度の水割りです。さっそく詳しい作り方とポイントをチェックしていきましょう。

2-1. 用意するもの

  • グラス
  • 軟水
  • 原酒

用意するものはこの3つだけ!水割りがぬるくならないよう、グラスと水、そして原酒も事前にしっかりと冷やしておくのがおすすめです。

2-2. 原酒の水割りの作り方

  1. 冷蔵庫でしっかり冷やしたグラスと原酒、水を用意します。
  2. グラスの底2cmを目安に原酒を注ぎます。
  3. 底から5cm、もしくはグラス半分程度まで原酒をゆっくりと注ぎます。

ポイントはグラスの中の日本酒と水の割合が6:4になること。20度の日本酒の場合、この比率で割ればアルコール度数12度ほどの水割りができあがります。

まだアルコールが強い、飲みづらいと感じる場合には氷を加えてみましょう。溶ける氷とともに、少しずつ原酒の味が変化していくのを感じられます。水を加えながら、自分好みの比率を見つけるのもおすすめですよ。

2-3. 水割りを作るときのポイント

日本酒の水割りを作るときのポイントは「水」「割合」「温度」の3点。この3つに注意して、自分好みの美味しい水割りを作りましょう。

point 1. 水割りに適したのは軟水

日本酒の水割りに使用するのは「軟水」がおすすめです。日本の水は基本的に軟水のため、多くの日本酒が軟水で仕込まれています。

軟水は水中のカルシウムやマグネシウムといったミネラル濃度が低く、まろやかでやさしい口当たりが特徴。そのため、原酒の風味が生きたマイルドな味わいの水割りに仕上がります。

point 2. 日本酒と水の割合は アルコール度数 12% を限度に!

原酒の水割りはアルコール度数12%が美味しさの目安です。割合は原酒の度数によって異なるため、以下の分量を参考に加水してみましょう。

15度 18度 20度
日本酒の量 80ml 約70ml 60ml
水の量 20ml 30ml 40ml
アルコール度数 12% 12% 12%


上記の割合でも飲みづらいと感じる場合には、氷や水を足してみるのもおすすめです。
お気に入りの日本酒があるという場合も、水割りにすることで、飲み飽きることなく新たな味の発見を楽しむことができますよ。

水の温度は冷蔵庫から出してすぐの5度

日本酒は「冷」や「燗」といった飲み方があるように、さまざまな温度帯で味の変化を楽しめるお酒です。裏を返せば、それだけ温度に敏感で繊細なお酒であるともいえます。

水割りにする時には、しっかりと冷えた水を使うのがポイント。理想は冷蔵庫から出してすぐの5度の水です。合わせる日本酒も、冷蔵庫に入れて冷やしておきましょう。日本酒と水をベストな状態で組み合わせることで、水割りの飲みやすさがより一層引き立ちます。

ここがPOINT!

  • 日本酒の水割りに使用するのは、ミネラルなどの雑味の無い「軟水」がおすすめ
  • 原酒が薄くなりすぎると日本酒の良さが消えてしまうので、アルコール度数12%までを限度に!

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3. 日本酒の水割りについてのよくある疑問

ウイスキーや焼酎の水割りに比べ、日本酒の水割りがメジャーでないのは以下のような疑問点が原因かも?不安や疑問点を解消して、日本酒をもっと気軽に美味しく楽しみましょう。

3-1. 日本酒を水で割るのって失礼じゃない?

「完成された味わいの日本酒を水で割るなんて!」「杜氏や酒蔵に失礼じゃないの?」と感じる方も多いのではないでしょうか。日本酒についてはさまざまな考えがありますが、当メディアでおすすめしたいのは、それぞれが美味しいと思える飲み方で日本酒を楽しむスタイル。

日本酒の水割りに関する記事でも、以下のような考えをご紹介しています。

「何かを加えたりするのは、日本酒を造った人に失礼だ、こだわりを無視することになる」という考えがある方もいますが、形式に囚われて日本酒を美味しくないと感じてしまうより、それぞれがおいしいと感じる飲み方で楽しむことが一番大事です。

(引用:日本酒の水割りを美味しく作る方法!アルコール度数12度、温度は5度が目安

もちろん、日本酒を造ってくれる造り手の方を軽んじるような行動はゼッタイにNG!しかし、造り手の想いに配慮した上で、自分好みの楽しみ方を探すことは決して邪道なことではないのです。

日本酒の水割りを美味しく作る方法!アルコール度数12度、温度は5度が目安

3-2. 氷を入れる場合は、どれくらいの比率にしたらいい?

日本酒の水割りを冷たく楽しみたい!という時には、氷を入れてみるのもおすすめです。もともと味の濃い原酒であれば、味を薄めることなく最後まで冷たい水割りを楽しめます。

その際も、ポイントとなるのはアルコール度数12%。下記の表を参考に、ぜひキリっと冷えた原酒の水割りを作ってみてください。

原酒(20度)の場合
日本酒の量 60ml
水の量 20ml
氷の数 2個
アルコール度数 12%

 

日本酒の水割りは氷を入れるのもオススメ!比率の早見表と作り方を解説

ここがPOINT!

  • 「日本酒を水で割るのは失礼では?」という考えもありますが、それぞれがおいしいと思える飲み方で日本酒を楽しむことが一番大事。

質問と解決

まとめ

原酒の水割りは、日本酒を飲み慣れない方でもお酒の個性を楽しめる飲み方です。日本酒は種類が多いだけに難しく考えられがちですが、あくまでも嗜好品。好みの味わいも、人それぞれ違うからこそ楽しみ方が広がります。

ぜひ今回ご紹介したポイントを参考に、原酒の水割りの世界を堪能してみてくださいね。

ここがPOINT!

  • 一般的な日本酒は、造られる過程で割り水によってアルコール度数15度前後に調整されている
  • 日本酒の原酒は、アルコール度数が高く、米本来の香りや旨味を強く感じられる
  •  

    日本酒の水割りに使用するのは、ミネラルなどの雑味の無い「軟水」がおすすめ

  • 原酒が薄くなりすぎると日本酒の良さが消えてしまうので、アルコール度数12%までを限度に!
  • 「日本酒を水で割るのは失礼では?」という考えもありますが、それぞれがおいしいと思える飲み方で日本酒を楽しむことが一番大事。