
日本酒の飲み方といえば、冷やしたり温めたり温度を変えるというイメージが強いですが、「水割り」で飲んだことはありますか?
日本酒に何かを混ぜるなんて邪道だ!と思う人もいるかもしれませんが、水割りファンも増えているようです。今回は日本酒の水割りの魅力についてご紹介します。
目次
1. 日本酒の水割りにするメリットは「飲みやすさ」
日本酒の水割りの魅力は、なんといっても飲みやすくなること。日本酒はビールやワインと比べるとアルコール度数が高めで、とくに「原酒」と呼ばれる日本酒は20度前後のものがほとんどです。味や香りは好きなのに、アルコール度数が高めで飲みにくい、すぐに酔ってしまうという悩みを解決してくれるのが水割りなのです。
2.日本酒の水割りの作り方とポイント!
水割りは日本酒に水を加えるだけですが、美味しく飲むちょっとしたコツがあります。薄くなりすぎると、日本酒の味や風味を大きく損なってしまいますので、おおよそ アルコール度数12度を限度に希釈するのがベストです!
作り方とポイントをくわしく見ていきましょう。
2-1. 用意するもの
- グラス(冷蔵庫で事前に冷やすと◎)
- 軟水
- 日本酒 (この記事では、アルコール度数15度を想定しています ※後述)
全て冷蔵庫で冷やしておくと、ぬるくなりにくいのでおすすめです!
2-2. 日本酒の水割りの作り方
- 冷蔵庫で冷やしておいた グラスと日本酒を取り出します
- グラスに先に水を注ぐ
グラスの底から 1cm を目安に - 日本酒を加え、底から5cm もしくはグラス半分くらいまで注ぐ。
4cmの日本酒と1cmの水で、およそ 8:2。
日本酒が 15度であればこれで アルコール度数が 12% ほどになります!
もし、まだアルコールが強いと感じられる場合は、氷を入れて少しずつ変化を楽しむか、少しずつ水を加えてください。
2-3. 水割りを作るときのポイント!
甘口で味わいのしっかりした銘柄がおすすめ!
日本酒ならすべて水割りすれば美味しいというわけではありません。日本酒は温めた方がすべて美味しいというわけではないですよね。それと同じなのです。
水割りをするときは、甘口で味わいのしっかりとした銘柄がおすすめ。元々後味すっきりで水のようにさらさらと飲めるような辛口の日本酒を水割りしてしまうと、味が薄く感じることでまずい…となってしまうのです。
甘口な日本酒の見分け方はこちらを参考に!
水割りに適したのは軟水
日本酒の水割りは「軟水」がおすすめ。水割りを考える人は「飲みやすくしたい」という思いが強いため、ミネラルの含有量が少ない軟水の方が、まろやかで優しい口当たりになります。ちなみに水道水は軟水ですので、浄水器にかけた水道水で水割りをしても大丈夫です。
一方、硬水がNGというわけではありません。日本酒のキリっとした引き締まった味は残したいけど、二日酔いは避けたいので飲みすぎに気をつけたいといったときは硬水を選びましょう。肉料理や味付けの濃い料理のときは、軟水よりも硬水の方が◎。
水割りの温度は冷蔵庫から出してすぐの5度
日本酒が温度によって味が変化するのは水割りにしても一緒です。水の温度は5~8℃くらいがベスト。冷蔵庫に冷やすとだいたい5~8℃くらいになります。これは冷酒と同じ温度で、ほどよい香りと甘味が楽しめる温度です。
冷やしすぎると酸味が強く出てしまうので、まずいと感じてしまうかもしれません。5~8℃は口に含んだときに心地よく冷たさを感じることができ、口の中で温まるとほどよい甘味が生まれるいい温度といえます。
日本酒と水の割合は アルコール度数 12% を限度に!
日本酒は、水割りなど希釈をしないで楽しむように造られているケースが多いお酒です。水をたくさん入れて薄めて楽しむのももちろん楽しみ方としてOKですが、日本酒の風合いを残しつつ楽しむなら、ぜひ 12% でお楽しみください!
また、日本酒のアルコール度数はさまざまなので、一覧でどれくらい加水をするのが良いのかがわかるように一覧にまとめました!
15度 | 18度 | 20度 | |
日本酒の量 | 80ml | 約70ml | 60ml |
水の量 | 20ml | 30ml | 40ml |
アルコール度数 | 12% | 12% | 12% |
↓↓↓日本酒の水割りは、実際に試した内容をレポートとしてまとめています↓↓↓
ここがPOINT!
- 甘口で味わいのしっかりした銘柄がオススメ
- 日本酒の水割りは、アルコール度数12度になるように希釈するのがオススメ
- 割り水に適しているのは軟水、ミネラルの少なく多くの日本酒と調和しやすい
- 温度は冷蔵庫から出してすぐの5度くらいが◯
3.日本酒を水で割るのって失礼じゃない?
「日本酒を何かで割るなんて邪道だ!」「杜氏や蔵元に失礼」という考えの方もいらっしゃいますし、その考えのお気持ちも多少わかるつもりです。ですが、その上で多くの方が日本酒の美味しさを知ってくれるように、日本酒を割って楽しむことはNGではないということを説明したいと思います。
3-1. 日本酒はすでに水で割られている
日本酒は原酒と呼ばれるもの以外は、すでに酒蔵で水を加えられています。原酒に水を加え、アルコール度数が14~15度程度になるように調整されています。なので更に水を加えても安心…といいたいところですが、この水加減の調整(加水)はかなり重要で蔵元でも慎重に行っている難しい作業。
つまりその日本酒が一番美味しい状態に調整されてから瓶詰めされているので、飲むときに水で割ったりするときは、水や氷を足しすぎると、日本酒の風合い自体も消えてしまいます。なので、「適当にミネラルウォーターを混ぜればOK。」ということではなく、可能な限り日本酒の良さを損なわないように注意しましょう!
3-2. 日本酒を好きになってもらうことが一番
「何かを加えたりするのは、日本酒を造った人に失礼だ、こだわりを無視することになる」という考えがある方もいますが、形式に囚われて日本酒を美味しくないと感じてしまうより、それぞれがおいしいと感じる飲み方で楽しむことが一番大事です。
日本酒を造ってくれている造り手の方を軽んじるような行動はゼッタイにNGですが、その点を配慮した上で自分好みの楽しみ方を探すことは決して邪道なことではありません。
3-2.水で割る場合は「原酒」がオススメ
水で割るときは「原酒」がおすすめです。先ほどもご紹介しましたが、原酒は加水していないことから、味が濃厚でアルコール度数も20度近くあるものがほとんどなので、そのまま飲むときついという種類でも、水割りにするとちょうどいい口当たりになるのです。元々最初はそのまま飲んでいても、あとから少しずつ水を加えてゆっくり飲むという人も多く、原酒は自分好みの味に変えられる魅力的な日本酒です。水を加えると味が薄まる感じがするという人は、水を加えた後に、熱燗にするのもおすすめです。温めると米の旨味を感じやすくなります。ちなみに名前に原酒と書いていなくても無加水と書いてあれば原酒という意味です。
ここがPOINT!
- 多くの日本酒は製造時に水を足してアルコール度数が14~15度程度になるように調整
- 水加減の調整(加水)はかなり重要。適当に水を入れると日本酒の良さが消える。
- 「水割り≠NG行為」 それぞれがおいしいと感じる飲み方で楽しむのが一番
- 正しくトライすれば「水割りはおいしい」
まとめ
水割りが邪道だという人もいますが、お酒の楽しみ方は人それぞれ。そのため水割りがいけないというわけではありません。日本酒を水で割ることで、アルコール度数も低くなるので飲みやすくなり、そのまま日本酒を飲めない人が飲めるようになったり、今日は飲み過ぎたくないなと思ったときに活躍したりするのです。自分の体調やスケジュールに合わせてお酒を楽しむのも大人のたしなみといえるのではないでしょうか。
ここがPOINT!
- 日本酒の水割りは、アルコール度数12度になるように希釈するのがオススメ
- 割り水に適しているのは軟水、ミネラルの少なく多くの日本酒と調和しやすい
- 温度は冷蔵庫から出してすぐの5度くらいが◯
- 多くの日本酒は製造時に水を足してアルコール度数が14~15度程度になるように調整
- 水加減の調整(加水)はかなり重要。適当に水を入れると日本酒の良さが消える。
- 「水割り≠NG行為」 それぞれがおいしいと感じる飲み方で楽しむのが一番
- 正しくトライすれば「水割りはおいしい」
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