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奈良の日本酒「風の森」しゅわしゅわ感がたまらないと人気の銘酒を解説

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奈良の日本酒「風の森」しゅわしゅわ感がたまらないと人気の銘酒を解説

執筆者情報

shiho
お酒とねこでできているライター。日本酒、ウイスキー、ワイン…すべてのお酒をこよなく愛す。酒好きが高じて利酒師免許を取得。 blog「わたしの酒棚」 https://sakadana.net/

監修者

日本酒ラボ編集部
日本酒ラボに携わってから日本酒のおいしさ・奥深さを知り、唎酒師の資格を取得。日本酒ラボを通して、日本酒のおいしさ・楽しさを日本酒にもあまり馴染みがない方にもお伝えしていきます。

社会人になると、日本酒が好きといったら、上司や取引先の人が日本酒のお店を紹介してくれた…なんてことありますよね。しかし実際に行ってみたら知らない日本酒ばかりで何を頼めばいいのかわからないなんてことも。お店の人に聞いて楽しむのもいいですが、有名な銘柄くらいは知っておきたいものです。

今回は、奈良県の日本酒、風の森(かぜのもり)の名前の由来や種類、購入方法、飲み方など、くわしくご紹介していきます。

1.日本酒の風の森とは

風の森は生酒ブームの火付け役ともいわれており、大人気の日本酒です。まずは風の森の酒造元や名前の由来を見ていきましょう。

1-1.酒造元について

風の森は、奈良県御所市中本町にある油長酒造で作られています。江戸時代中期の享保4年(1719年)に酒造業をスタートしましたが、その前は製油業を営んでいました。油長(ゆうちょう)という名前はその名残なのです。油長酒造は、鷹長(たかちょう)という銘柄が有名でしたが、1998年に風の森で一気に知名度があがりました。

1-2.風の森という名の由来

風の森を作っている油長酒造の近くにある、「風の森峠」から名づけられました。風の森峠の周りの水田では、昔から秋津穂(あきつほ)という品種の米が育てられており、風の森にはこのお米と葛城山系の良質な深層地下水が使われています。

2.風の森の種類と値段について

風の森には種類があります。1つ1つその特徴を見ていきましょう。

2-1.秋津穂

精米歩合 酒米 製法
純米 秋津穂(奈良県) 無濾過生原酒

やや甘口の秋津穂。風の森の名前のあとについている数字は精米歩合と酵母を表しています。「657」であれば精米歩合65%、7号酵母という意味です。香りは強めなので冷やしてもしっかりと楽しめます。お米のボリュームをしっかりと感じることができ、甘口ですが後にしつこく残ることはなく、すっきりとしたなめらかな口当たりです。ピリピリとほのかに感じられる微炭酸がたまりません。風の森秋津穂657は720mlで1,050円(税抜)となっています。

評判

酸味と甘味のバランスがよく、しゅわしゅわ感がたまらないと好評です。辛口好きもこれなら飲めると納得の1本。

2-2.露葉風

精米歩合 酒米 製法
純米 露葉風(奈良県) 無濾過生原酒

希少価値が高い露葉風を使用。露葉風は栽培が難しく一時は途絶えたこともありましたが、復活を遂げたお米なのです。パイナップルのようなトロピカルな丸い香りと、しゅわしゅわ感がベストマッチ。香りに反して後味は甘ったるくなく、複雑で不思議な味わいの日本酒です。風の森露葉風807は720mlで1,200円(税抜)となっています。

評判

冷やしても常温でも美味しいと人気の露葉風。アルコール度数を感じないのでついつい飲みすぎてしまう人も。ゆっくりと楽しむのがおすすめ。

2-3.山田錦

精米歩合 酒米 製法
純米 山田錦(兵庫県) 無濾過生原酒

風の森山田錦は、超低温長期発酵を行っているため、低精米でありながら、山田錦の個性が光る酸味が強い日本酒です。切れ味もあることから、辛口好きにもおすすめ。酸味と微炭酸のコントラストも楽しめます。風の森山田錦807は720mlで1,250円(税抜)となっています。

評判

酸味と微炭酸の組み合わせが好きという人と、炭酸ガスが抜けてからが好きという人でわかれるようです。開封後、苦手だ…と感じても諦めず数日後にチャレンジしてみるのがいいかもしれません。

2-4.雄町

精米歩合 酒米 製法
純米 雄町(岡山県) 無濾過生原酒

風の森シリーズで一番甘味が強い雄町ですが、酸味も強くバランスの取れた日本酒です。バナナのような濃厚な甘味を感じられます。風の森雄町807は720mlで1,250円(税抜)となっています。

評判

セメダインの香りが強めで苦手な人もいますが、嫌いな香りではないという意見も。甘さが強くても炭酸ガスのおかげでカクテルのように楽しめると人気です。夏は氷を入れて楽しむ人もいます。

2-5.愛山

精米歩合 酒米 製法
純米 純米愛山(兵庫県) 無濾過生原酒

マスカットのような香りがする愛山。他のシリーズよりも香りが強いのが特徴です。透明感があり優しい甘さがある日本酒です。風の森愛山807は720mlで1,400円(税抜)となっています。

評判

ジューシーな香りにファンが多い愛山。濃厚な魚の煮つけなどの食事にも負けない味。おつまみと一緒にゆっくり楽しみたい日本酒のようです。

3.風の森の購入方法

3-1.風の森が購入できる実店舗

風の森は直接販売をしておらず、会員登録をしている販売店に売っているようです。その販売店も公開していませんが、近くの販売店が知りたいときはホームページから問い合わせてみましょう(https://yucho-sake.jp/)。

3-2.風の森が購入できる通販サイト

直接販売をしていないため、風の森は公式の通販サイトもありません。現在販売している通販サイトは以下とおり。一部ご紹介しますので参考にしてみてください。楽天やAmazonにもありますが、希少価値が高いものはかなり高額なこともあります。

・蔵の酒みろくや ONLINE SHOP

https://www.minobe-sake.com/SHOP/107166/45751/list.html

・大和屋酒舗 オンラインショップ

https://www.yamatoya-e.com/SHOP/76110/82267/list.html

・酒やの鍵本

http://www.kagimoto.com/site_sake/xhp_nihonsyu/p_list_kazenomori.html

4.風の森の美味しい飲み方・楽しみ方

風の森は1瓶で2通り味わうことができるといわれています。開封したばかりの風の森は、炭酸ガスが含まれており、しゅわしゅわと爽快感のある日本酒。数日たち炭酸ガスが抜けると、米の旨味やフルーティーな香り、繊細な酸味を楽しむことができるのです。

開封したての風の森は、やはり生酒なので冷やして飲むのがおすすめ。スパークリングワインのような感覚で楽しめるので日本酒初心者や女性でも飲みやすいですよ。数日経った風の森は常温やぬる燗もいいでしょう。温めすぎてしまうと生酒本来の良さがなくなってしまうので注意。風の森は保管方法を守れば、開封後も1カ月ほど楽しめます。

4-1.-5度で保管?

日本酒の正しい保管方法をご存知ですか?実は日本酒を保管するのに適している温度は「-5度」。よく5度前後で保管と書いてあるのを見かけますが、実は間違いなのです。お酒のプロである酒屋さんでも「-5度」を推奨しています。

ところで家庭用の冷蔵庫にはこの「-5度」の環境がないのです。冷蔵室は0度以上ですし、冷凍庫は-18度以下とうまく保管ができません。

また、立てて保管することが好ましい日本酒は置き方にも気を使わなくてはいけません。日本酒を本格的に自宅で楽しみたいという人におすすめなのが、日本酒セラー。日本酒専用なんて大げさだなと思うかもしれませんが、ワインセラーを持っている人はたくさんいますよね。

日本人だったら日本酒セラーを持っていてもおかしくないのです!日本酒通は保管にもこだわりましょう。

日本酒の正しい保存方法を学ぶ!マイナス5度が最適って知ってた?

5.ALPHAシリーズとは?

風の森のALPHAシリーズは、従来の風の森の枠を超えて目標を定め、独創的な技術で日本酒の可能性を追求するブランド。TYPE1は「次章への扉」と名付け、アルコールを低めの14%に設定。TYPE2は、「この上なき華」と名付け、秋津穂を22%まで精米。現在TYPE7まで出ているのです。実験的な日本酒ALPHAシリーズはどこまで続くのか…今後も楽しみですね。

6.まとめ

風の森はまだまだ歴史は浅いですが、私たちを常に楽しませてくれる日本酒です。生酒を飲みたいと思ったら風の森から試してみてはいかがでしょうか。価格も手頃なので自宅用の日本酒にもぴったりですよ。