日本酒は常温で保存していい?正解は”火入れ”の有無で変わる!

たくさんの日本酒

観光土産や贈呈品としてもらうことが多い日本酒。冷蔵庫に収まりきらないからと、キッチンの片隅に置いておくことも多いですよね。

しかし、実際のところ、日本酒は常温で保管してもいいのか心配になりますよね。とくに高級な日本酒は特別な日に飲むために長期間保管しておきたい人もいるでしょう。

そこで今回は日本酒を常温で保管して大丈夫なのか解説します。日本酒を保管するときのポイントも紹介しているので、参考にしてみてください!

1.日本酒は常温で保管できる?

日本酒はいくつかの条件をクリアすれば常温でも保管可能です。詳しくは以下で解説していきます。

1-1.火入れをした日本酒は常温保管でも大丈夫

日本酒は火入れをしてあるものであれば常温で保存することができます。火入れとは製造過程における加熱処理のことですね。日本酒は大別すると、火入れされたお酒と、火入れされていない「生酒」があります。火入れされた日本酒は酵素の働きが弱まり、品質が安定化。常温で長期間保存しても、劣化しづらくなっています。

ちなみに火入れされているかどうかはラベルで確認可能。ラベルに「生」の字が記載されている場合は火入れされていない生酒。それ以外は火入れされていると考えて大丈夫です。どうしても不安な場合は販売元に問い合わせてみましょう。

1-2.生酒は常温保管に向かない

生酒については基本的に常温で保管するのは避けたほうがいいです。生酒は熱によって味が劣化しやすく、場合によっては異臭を放つことがあります。常温で放置することは避けて、冷蔵庫や専用の日本酒セラーに保管しましょう。

一応、冬場の気温が低いときであれば常温でも保管できます。その場合は押し入れの奥など、暖房で気温が変化しない場所で保管するようにしてください。暖かい空気にさらされると、すぐに劣化してしまいます。ワンルームのように暖房で部屋全体が温まってしまうときはあきらめるしかないですね。

生酒を放置して気がつけば暖かい時期になっていることもあるので、冷蔵庫で保管するようにしましょう。

2.日本酒を常温で保管すると熟成される?

日本酒の楽しみ方の一つに”熟成”があります。熟成とはお酒を長期間寝かせて、うま味などの品質を高めることです。日本酒は常温で保管することで熟成が進み、より味わい深いおいしさになるといわれています。

しかし、日本酒をうまく熟成させるには細かな温度管理が必要です。単に常温で放置するだけでは季節による温度変化などにより、むしろ劣化してしまうことがあります。日本酒の熟成には専門的な知識と、適切な環境が必要ということですね。

初心者が日本酒を常温で保管するときは、熟成のことは忘れて早めに飲み切ることを意識したほうがいいでしょう。

2-1.熟成の速度について

初心者にはオススメしていませんが、もし開栓したときに「飲み頃ではないかも?」と感じられた場合にはあえて保管し続けて熟成させるテクニックもあります。

その際、保管方法によって熟成の進度が変わってきますので注意が必要です。

熟成する速度 仕上がりイメージ
常温で保管 少し早い しっかりとした味わい
冷蔵庫で保管 少し遅め 優しい口当たりの味わい
温度の低い冷蔵庫 遅い 繊細でやわらかい味わい

2-2.もし開栓後に熟成させたくない場合は?

保管方法によって熟成してしまう日本酒ですが、一度栓を開けたあと「この味を変えたくない」と思うこともあると思います。

すぐに飲み切ってしまえば問題はありませんが、時間をかけて味わいたい、特別な一本を味の変化なく楽しみたいと思うこともあるかもしれません。

そういった場合には窒素ガスを利用する方法があります。

ワインの専門店などに窒素ガスで味をキープできる商品が置いてありますので、瓶の中にガスをワンプッシュ入れることで味の変化を抑えることができます。

これは窒素の方が空気よりも重いため、瓶の中の空気とお酒の間に窒素の層が生まれ、空気と触れ合わなくなるため味に変化が起きにくくなるという仕組みです。

ただしこの方法は永遠に味が変わらないというわけではないので、味を変えたくない場合はなるべく早く飲み切ってしまうことをオススメします。

3.常温での保管期限は約1年程度

日本酒は基本的に消費期限がありません。よほど劣悪な環境で放置していない限りはいつでも飲むことが可能です。しかし、”おいしく飲める期間”にはある程度の目安があります。常温で保管する場合は以下のとおり。

  • 未開封の日本酒:約1年
  • 開封済みの日本酒:約半年
  • 未開封の生酒:半年~9か月
  • 開封済みの生酒:約1ヶ月

火入れされた未開封の日本酒を常温で保管する期間は約1年が目安。期間を過ぎても飲むことはできますが、気温の変化などにより味が落ちる可能性があります。開封済みの場合は空気に触れてさらに劣化が進むので、できれば半年以内に飲み切るのがいいでしょう。

火入れされていない生酒はさらに期間が短くなります。生酒は原料のフレッシュな味わいが魅力。そのため、購入直後に飲み切るのが理想です。保管する場合は長くても半年から1年弱がおいしく飲める期間と考えましょう。開封済みの場合は数週間以内に飲み切ってください。

4.日本酒を常温保管するときのポイント

ここでは日本酒を常温で保管するときのポイントを解説していきます。

4-1.光のあたらない冷暗所に保存する

日本酒を常温で保管するときは光のあたらない冷暗所に置くのが基本です。冷暗所とはその名のとおり、低温で暗い場所のことですね。日本酒は光に弱い性質があり、直射日光にあてるのは厳禁。人口の光でも劣化する可能性があるため、保管するには冷暗所を選ぶ必要があります。

家のなかでいえば、押し入れや扉付の戸棚などが考えられます。一軒家では床下の収納スペースに保管することもありますね。どうしても暗所がないときは、段ボールに入れて涼しい場所に置いておくのも手です。

4-2.低温で温度変化の少ない場所を選ぶ

日本酒は低温で温度変化の少ない場所に保管することも重要です。冷暗所だと思っている場所でも、季節や時間帯で高温になることがあります。事前に確認しないと、実は日本酒にとって不適切な環境であることも多いです。

たとえば、コンロ付近の戸棚は注意が必要。調理中の熱により、気温が上昇する可能性があります。押し入れやクローゼットは、冬に暖房の空気が流れ込まないか確認が必要ですね。

4-3.匂いが強いものを近くに置かない

日本酒を保管するときは近くに匂いの強いものを置かないようにしましょう。近くに匂いが強いものがあると、日本酒の香りと混ざり、せっかくの風味が台無しになってしまいます。

よくあるのは冷暗所に日本酒と一緒に漬物樽を置くケース。漬物の発酵臭は独特で強烈なため、日本酒にも匂いが移りやすいです。醤油やソースなどの匂いが強い調味料を近くに置くのも注意したほうがいいですね。

6.日本酒の保管に一番適しているのはマイナス5度

日本酒を常温で保管するポイントを解説しました。しかし日本酒は基本的に熱によって劣化するため、冷やして保管するのが理想です。

特に火入れしていない日本酒は、酵母などの働きにより常温では劣化が早いので、凍るギリギリのマイナス5度で保管するのが最も良いと言われています。

ただ実際のところ、常にマイナス5度を維持できる環境を用意するのは難しく、温度設定のできる冷蔵庫や専用の日本酒セラーが必要となります。環境を整えるためには大きな出費が必要となるわけですね。

7.まとめ

日本酒は火入れしてある種類であれば常温でも保管可能です。火入れされていない生酒でも冬場に限っては常温で保管ができます。ただし、日本酒は非常にデリケートなお酒。くれぐれも保管する場所には気をつけてください。

また、保管期間にも注意が必要。日本酒に消費期限はありませんが、おいしくいただくためにはなるべく早く飲むことが大事です。日本酒を最高の状態で飲むためには、適切な管理と飲むタイミングを意識しましょう。