
おすすめの日本酒を探す際に、都道府県から探すのも日本酒の選び方の一つです。
グルメ大国北海道。なかでも近年注目を集めているのが「日本酒」です。きっかけとなったのは北海道産の酒米の登場。今回は、北海道のおすすめ日本酒20選をご紹介します。ぜひ、北の大地が生み出す日本酒の世界をお楽しみください。
目次
1.優秀な酒造好適米の登場で注目されている北海道の日本酒
北海道で栽培される酒米は、タンパク質が少なく、日本酒造りに適しているといわれています。北海道で酒米の作付けが始まったのは、1998年(平成10年)のこと。北海道発の酒米は「初雫(はつしずく)」と名付けられました。
現在は、2000年(平成12年)に登場した「吟風」をはじめ、「彗星」、「きたしずく」が北海道酒米の主要品種となっています。
現在は道内だけでなく、全国でも北海道の酒米を使用する蔵が年々増加。代表的な酒米に引けを取らない品質が注目を集めています。
吟風(ぎんぷう)
北海道産酒米を世に広めた品種。初雫の次に登場した酒米です。芳醇な香りと旨味、コクのあるお酒を生み出します。
彗星(すいせい)
初雫と吟風をかけあわせた酒米です。吟風に比べ、香りおだやかなキレのあるお酒に仕上がります。
きたしずく
やわらかな旨味が特徴。雑味のないクリアな味わいに仕上がります。岡山の酒米「雄町」と「吟風」の系統を持つ酒米です。
2.北海道で造られる日本酒おすすめ20選
2021年(令和3年)現在、北海道酒造組合に登録する酒蔵は全16蔵。各蔵が北海道の自然が育む美味しい日本酒を醸しています。
今回はそのなかから、20銘柄をご紹介!ぜひ、飲食店や酒販店で日本酒を選ぶ際の参考にしてくださいね。
2-1.二世古 純米吟醸 赤ラベル 彗星50%
「二世古(にせこ)」は大正5年創業。加水をしない原酒にこだわる酒蔵です。冬になると雪が一面を覆いつくす豪雪地帯に位置します。
自然が生み出す低温環境でじっくり発酵した日本酒は、口当たりマイルド。「赤ラベル」は甘みと酸味が引き立つ仕上がりです。ぜひ、鍋やおでんといった温かい料理と一緒にお楽しみください。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-2.上川大雪 純米吟醸 吟風
創業は2016年。「川上大雪(かわかみたいせつ)」近くの国立公園は、アイヌ語で「神々が遊ぶ庭」を意味するカムイミンタラと呼ばれています。実に雄大なスケールのなか、すべて手作りでていねいに仕込まれた日本酒です。
ほどよい香りと旨味の調和が心地よく、後味はスッキリ。飲み飽きせず、スイスイと盃が進みます。北海道弁で「ついつい飲んでしまう」ことを意味する「飲まさる酒」の代表格です。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-3.男山 生もと 純米
北海道旭川の地酒「男山(おとこやま)」。国内外のコンクール、鑑評会で数多くの金賞を受賞している銘柄です。その歴史は古く、江戸時代までさかのぼるほど。当時の浮世絵や歌舞伎にもその名が登場しています。
「生もと(きもと)」と呼ばれる伝統製法で造った純米酒は、実にふくよかでコクのある味わい。燗酒にするとまろやかな旨味が一層広がります。日常酒として常備したいコストパフォーマンスに優れた1本です。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-4.「十勝」 純米大吟醸
こちらは川上大雪が帯広市に構える「碧雲蔵(へきうんぐら)」で造られています。蔵があるのは帯広畜産大学のキャンパス内という珍しい環境です。
まず感じるのは大吟醸らしい華やかな香り。力強く、それでいて飲み飽きしないのは川上大雪ならではです。前述した「吟風」との飲み比べも楽しい1本ですよ。
(出典元:上川大雪酒造Online Shop)
2-5.三千櫻 彗星 純米大吟醸
創業は明治10年。岐阜県で143年の歴史を持つ「三千櫻(みちざくら)酒造」は、2020年に転機を迎えます。蔵を北海道東川町に構え、公設酒蔵として新たなスタートを切りました。
東川町は北海道屈指の米どころ。使用する「彗星」は、地元の有志が三千櫻のために初めて育てた酒米です。「北海道でも100年、1000年と続く蔵であってほしい」。蔵の想いが詰まった酒は、口当たりやわらかく、彗星らしいキレもしっかりと感じられます。
(出典元:三千櫻酒造)
2-6.北の錦 大吟醸
醸造元は夕張にある「小林酒造」。「北の錦」という名には、北海道で錦を飾るという熱い想いが込められています。造る人、米、水すべて北海道にこだわったオール北海道産の日本酒です。
使用した酒米は吟風。大吟醸らしいフルーティーな香りも特徴です。後口はキレ良く、天ぷらのような揚げ物とも良く合います。適度に冷やして味わうのがおすすめです。
(出典元:kitanonishiki – 北の錦オンラインショップ)
2-7.純米大吟醸 雪心
こちらも小林酒造の渾身の1本。吟風と彗星、2種類の酒米を使用した日本酒です。精米歩合は35%と、一粒の米を半分以上磨いて使用しています。
口当たりは実になめらか。雪解け水のようにクリアな味わいです。上品な香りが心地よく、1杯また1杯と盃が進みます。純白のラベルデザインも美しく、贈答用にもおすすめです。
(出典元:kitanonishiki – 北の錦オンラインショップ)
2-8.特別純米酒 まる田
米の旨味にこだわった「小林酒造」の特別純米酒です。原料には吟風を使用しています。日本酒本来の色あい、旨味を楽しめる1本です。
純米酒ならではの濃醇な味わいは、こってりとした料理と好相性。クリーム煮やシチュー、肉料理とのペアリングがおすすめです。冷やで、燗でと好みに合わせて楽しめます。
(出典元:kitanonishiki – 北の錦オンラインショップ)
2-9.純米吟醸 北斗随想
北海道産酒米を100%使用。販売店や数量が限られた希少な銘柄です。吟風を45%まで磨き上げ、フルーティーな香りを引き出しています。
美味しく楽しむなら、ぜひ冷やしてワイングラスで。吟風が生む香りとスッキリとした味わいが引き立ちます。オール北海道の魅力がギュッと詰まった日本酒です。
(出典元:北の錦)
2-10.千歳鶴 純米吟醸
吟風を使った酒造りにいち早く取り掛かっていた「千歳鶴(ちとせつる)」。現在は地元の契約農家とタッグを組み、新十津川町で育つ酒米を使用しています。新十津川町は、高級酒米「山田錦」の名産地、吉川町によく似ているといわれる場所です。水はけが良く、質の良い酒米がぐんぐんと育ちます。
こちらの純米吟醸の原料は「きたしずく」。上品でやわらかな香りが特徴です。スーッと静かに消える余韻が心地よく、ワイングラスで飲みたい日本酒です。
(出典元:「千年鶴」「余市ワイン」の日本清酒公式オンラインショップ)
2-11.北の稲穂 大吟醸
北海道産の酒米を100%使用。一粒の米を6割近く磨いて仕上げたぜいたくな大吟醸です。「男山」の「北の稲穂シリーズ」最新作として2018年に登場しました。
口を近づけると感じるのは、甘くフルーティーな香り。口に含むとスッキリとした味わいが広がります。甘みはほどよく、食事と合わせるお酒にもぴったり。キャッチフレーズの「北海道は、米が酔い」に納得の1本です。
(出典元:男山株式会社 公式ホームページ)
2-12.大吟醸酒 国士無双
醸造元は旭川市の「高砂酒造」。旭川は「北の灘」とも呼ばれ、水の質が良く、酒造りに適した環境だといわれています。「国士無双(こくしむそう)」は辛口酒として多くの地酒ファンに愛されてきました。
大吟醸に使用するのは、40%まで磨き上げた「彗星」。国士無双の中でも特に贅沢な1本です。辛口の味わいはそのままに、豊かな香りと旨味を楽しめます。
(出典元:髙砂酒造株式会社)
2-13.福司 吟香造り
大正8年に創業した「福司(ふくつかさ)酒造」は、戦時中も休造することなく、今日まで酒造りを続けてきました。仕込み水は、世界一の透明度を誇るといわれる摩周湖の伏流水です。
「吟香造り(ぎんこうづくり)」と名付けられた吟醸酒は、吟風を使用しています。華やかな香りが心地よく、さらりとした飲み口です。「福を司る酒」の名のとおり、幸せな晩酌タイムを彩ってくれます。
(出典元:福司酒造株式会社)
2-14.純米吟醸 大雪乃蔵 絹雪
「大雪乃蔵(たいせつのくら)」は「本当にうまい北海道ならではの地酒を」という想いから生まれた酒蔵です。北海道の酒米を使用し、地元産にこだわった酒造りを続けています。
「絹雪」は、雪景色を思わせるような佇まいの1本。香りはメロンのように甘くやわらかです。米の旨味が心地よく、後口はさらりと軽やか。雪のようにひんやりとした温度帯でお楽しみください。
(出典元:オエノングループ)
2-15.郷宝 純米吟醸
北海道の南に位置する函館生まれの日本酒です。「郷宝(ごうほう)」という名には、地元の水や米にこだわる蔵の想いが込められています。その土地の風土を表す「テロワール」を追求した淡麗旨口の味わいです。
純米吟醸には、吟風と彗星を使用。香り高く、みずみずしい旨味が引き立ちます。きらめくボトルデザインも美しく、まるでジュエリーのような華やかさ。日本酒好きな方へのプレゼントにもおすすめです。
(出典元:郷宝 GOHHOU)
2-16.金滴 純米吟醸
「金滴(きんてき)」酒造は、明治39年の創業以来100年以上の歴史を持つ蔵です。北海道のほぼ中央に位置しています。清らかな伏流水と北海道産酒米で仕込む日本酒は、芳醇でまろやかな味わいです。
純米吟醸には、吟風をメインに空知産の酒米を使用しています。もちろんオール北海道産。米の旨味をしっかりと楽しめます。魚介類との相性が良く、刺身や寿司と合わせるのもおすすめです。
(出典元:金滴通販サイト)
2-17.国稀
最北の酒蔵として知られる「国稀(くにまれ)酒造」。石造りの蔵には、今も明治時代の面影が色濃く残されています。資料室や利き酒コーナーも構える観光客に人気のスポットです。
冷やでも燗でも美味しいこともうれしいポイント。飲み手の好みに寄り添うお酒です。穏やか香りが疲れた心をそっと解きほぐしてくれます。コストパフォーマンスに優れた日常酒にぴったりの銘柄です。
(出典元:国稀酒造株式会社 公式オンラインショップ )
2-18.純米大吟醸 鰊御殿(にしんごてん) 北の誉
「鰊御殿(にしんごてん)」とは、明治初期に建てられた豪華な建造物のこと。鰊漁で巨万の富を得た青山氏が建てたことからその名が付けられました。また、鰊御殿で振る舞われた酒は絶品だったといわれています。
そのお酒を再現したのがこちらの1本です。低温でじっくり発酵させ、ふくよかでクリアな味わいを実現しています。香りが引き立つよう、冷やか常温で味わうのがおすすめです。
(出典元:オエノングループ )
2-19.えぞ乃熊 純米吟醸
高砂酒造が送るかわいらしい熊ラベル。原料は「きたしずく」です。冷蔵貯蔵したお酒を瓶に詰め、そのまま火入れをして急冷保存する「一火瓶貯蔵」という製法で造られています。
口に含むと広がるのは、上品でさわやかな香り。きたしずくらしい米の旨味がじんわりと後を追います。後口はスッキリと、ついつい飲み進めてしまう美味しさです。
(出典元:株式会社マツザキ)
2-20.十一州 純米大吟醸酒
「十一州(じゅういっしゅう)」とは、北海道のこと。時代が明治へと移り変わったとき、北海道を11ヶ国に分けたことが由来です。原料には契約農家が栽培した「吟風」を使用しています。
香りは決して派手ではなく、上品でおだやか。ゆったりと楽しみたくなる酒質です。好みの料理と一緒に、食前から食中まで思いのままにお楽しみください。
(出典元:地酒のまるしん商店)
まとめ
北海道産酒米の登場以来、各蔵では地元北海道にこだわった酒造りが続けられています。北海道の米と水、そして人が生み出す豊かな味わいが魅力です。北海道といえば、魚介にチーズ、農産物と食材の宝庫。ぜひ地元の料理と一緒に美味しい日本酒を楽しんでみてくださいね。