にごり酒とは、日本酒ビギナーでも飲みやすい白くにごったお酒のことです。冷やしてそのまま飲んだりロックにしたりと、さまざまな飲み方が楽しめます。今回は、おすすめのにごり酒20選を一挙ご紹介!「大人のカルピス」ともいわれるにごり酒の世界を、ぜひお楽しみください。
目次
1.にごり酒とは?
「にごり酒」とは、その名のとおり白くにごった日本酒のことです。にごりのもとは、お酒に含まれる「滓(おり)」と呼ばれる成分。にごり酒のボトルの下に、白く沈殿しているものです。
一般的な日本酒は、米と米麹を発酵させた醪(もろみ)を酒袋に入れ、ぎゅーっと圧縮して搾り出します。このとき、袋のなかに残る個体が酒粕(さけかす)です。この工程を日本酒造りでは「上槽(じょうそう)」と呼びます。上槽をおこなわず、醪のまま瓶詰めされるのが「どぶろく」です。
にごり酒は、あえて目の粗い酒袋を使い、細かい米粒や麹の固形物をそのまま搾り出すのがポイント。滓を含んだにごり酒は、濃醇な味わいに仕上がります。
また、搾りたてのお酒をそのまま瓶詰めしたにごり酒は、シュワシュワッとした微発泡感が特徴的。「火入れ」と呼ばれる加熱殺菌をしていないため、瓶内で発酵が進み炭酸ガスが生まれるからです。
「噴き出し注意!」「横にしないで」と注意書きがあるのは、開栓時にプシューッとガスが噴き出すため。反対に、炭酸ガスがないタイプのにごり酒は、トロリとなめらかでヨーグルトのような味わいを楽しめます。
米や麹をそのまま含むにごり酒は、まさに「発酵食品」であり「生きたお酒」といえるかもしれませんね。
2.おすすめのにごり酒20選
ひとくちに「にごり酒」といっても、トロリと濃厚なものからシュワッと発泡感のあるものまで種類はさまざま。甘酸っぱいヨーグルトのような味わいもあれば、スッキリとした辛口タイプもあります。
ここからは、おすすめのにごり酒20選をご紹介!ぜひ自分好みのにごり酒を見つけてみてくださいね。
2-1.にいだしぜんしゅ にごり
見るからにやさしい風合いの「にいだぜしぜんしゅ」は福島県の仁井田本家が造るお酒です。原料は農薬や化学肥料をいっさい使わない自然米。山の湧き水と田んぼの井戸水、自然派酵母で仕込まれています。
ひと口飲んでまず驚くのは、とろりとした口当たり。滓たっぷりの味わいはまるで乳酸飲料のようです。糀の風味もしっかりと乗り、後に残るのはほのかな酸味。容器には再利用できるリユース瓶を使用するなど、次世代へ向けた新しい日本酒です。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-2.五橋 純米にごり酒
「五橋(ごきょう)」は山口県の酒井酒造が手がける日本酒。「純米にごり酒」は冬限定の人気商品です。販売数が限られているため、売り切れになることもめずらしくありません。
香りは新酒らしくフレッシュで華やか。ピリピリとした微炭酸が舌の上を刺激します。さわやかな旨味のあるにごり酒は、おでんやお鍋と好相性。仲間と囲む冬の食卓がより一層楽しくなりますよ。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-3.にごり純米原酒 英雄(ひでお)
日本酒ビギナーにおすすめのにごり酒がこちら。埼玉県の「釜屋(かまや)」が造る「英雄(ひでお)」です。その名には「多くの人に日本酒を飲んでもらいたい」「日本にとっての英雄=HEROになってもらいたい」という蔵の願いが込められています。
アルコール度数は11%と、通常の日本酒より若干控えめ。スッキリとした甘さは肉料理や濃い味付けの料理とよく合います。そのまま冷やしていただくのはもちろん、ロックスタイルで楽しむのもおすすめです。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-4.八海山 発泡にごり
「八海山(はっかいさん) 発泡にごり」は、シュワッとした口当たりのスパークリング日本酒です。醸造元は新潟県の有名蔵「八海醸造」。淡麗辛口で人気の「八海山」の発泡にごり酒は、スッキリとした大人の味わいです。
しっかりとした発泡感があるため、乾杯のお酒としてもおすすめ。甘さ控えめの味わいは、チョコレートやフルーツのようなデザートともよく合います。アルコール度数は15%あるため、日本酒ならではのしっかりとした飲みごたえも楽しめますよ。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-5.大那 特別純米 にごり 生
「大那(だいな)」のにごり酒は、シュワッとした爽快な口当たりが楽しめるお酒です。香りはマスカットのように瑞々しくさわやか。にごり酒ならではの甘さと酸味、グレープフルーツのような苦みも感じられます。
滓を含んだコクのある味わいは、キムチ鍋のような個性の強い料理と合わせるのもおすすめ。パーティーで仲間と楽しむ1本にもぴったりです。乾杯の際は炭酸の噴き出しに注意しながら、ゆっくりと開栓してくださいね。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-6.白瀑 純米 「ど」 にごり酒 生
真っ白なお酒を背景にひときわ目立つ「ど」の一文字。「白瀑(しらたき) 純米 ど」は山本酒造の人気商品です。
米をそのまま食べているのでは?と思うほどのコクは、まるでどぶろくのよう。トロリとした滑らかさとともに、シュワシュワした爽快感も楽しめます。「こんなお酒ほかにはない!」とワクワクさせてくれるのは、ユニークなお酒を生み出す山本酒造ならでは。米の香りも心地よく、人気が集まるのも納得の味わいです。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-7.紀土〈KID〉 純米吟醸 にごりざけ 生
爽快な飲み口が心地よいにごり酒がこちら。「紀土(きっど) 純米吟醸 にごりざけ 生」です。酒米・五百万石(ごひゃくまんごく)で仕込んだにごり酒は、まろやかでクリーミー。「紀土」らしいスッキリときれいな味わいも活きています。
やや甘口のにごり酒は、きっちりと冷やしていただくのがおすすめ。お肉たっぷりのすき焼きのほか、クリーミーなパスタとあわせても美味しい1本です。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-8.不動 辛口吟醸にごり生原酒
「不動(ふどう)」のにごり酒は甘さをおさえた辛口タイプ。濃厚でありながらさっぱりとしたキレの良さを楽しめます。醸造元は千葉県の「鍋店(なべだな)」。「不動」は2014年に登場したブランドです。
クリーミーなにごり酒は、冬だけの限定品。口にすると炭酸ガスの刺激がピリリと舌を刺激します。香りはさわやかで、辛みと酸味のバランスが絶妙。アルコール度数は18%と少々高く、日本酒のしっかりとしたコクと旨味が楽しめますよ。
(出典元:かき沼オンラインショップ)
2-9.喜楽長 純米にごり 新酒生
なめらかでシルキーなにごり酒は「喜楽長(きらくちょう)」の冬の風物詩。新酒のさわやかな香りとシュワシュワ感が印象的な1本です。
醸造元は滋賀県の老舗蔵「喜多酒造」。「喜楽長」という名前には「喜び、楽しく、酒を飲みながら長生きしてほしい」という願いが込められています。その名のとおり、にごり酒も思わず笑みがこぼれるような心地よいお酒。しっかりとした甘みのなかに酸味が効いた、料理とも合わせやすい味わいです。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-10.雪男 純米酒 発泡にごり
もさもさっとした雪男が愛らしいお酒は、青木酒造の人気シリーズ。冬限定のにごり酒は、ボトルの底に積もる雪の上を雪男が歩いているかのようです。
可愛らしい姿とうらはらに、味わいはスッキリとした辛口タイプ。シュワシュワとした微発泡感が舌と喉を刺激します。アルコール度数は11%と低めのため、日本酒を飲み慣れない方にもおすすめ。スイスイと飲み進めてしまう美味しさですよ。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-11.穏 純米吟醸 うすにごり 生
「穏(おだやか)」は完全無農薬の酒米から生まれるにごり酒。「日々がおだやかでありますように」という願いが込められたお酒です。本来は地元の飲食店だけに出荷されるお酒でしたが、2016年から数量限定で販売されるようになりました。
白麹で仕込んだ「穏」は、さわやかな酸味が印象的。上品な香りとジューシーな旨味、微発泡感は上質なシャンパンを思わせます。季節限定の爽快な美味しさは、ぜひワイングラスに注いでお楽しみください。
(出典元:柴田屋酒店 online)
2-12.山形正宗 純米吟醸 うすにごり
「山形正宗」はキレのある味わいが刀にも例えられる日本酒。にごり酒もまた、スッキリとしたキレの良さが持ち味です。
香りはグレープフルーツのようにさわやか。新酒ならではのフレッシュでジューシーな旨味が活きています。「山形正宗」は食中酒として人気ですが、こちらのにごり酒は食前酒にもおすすめ。瓶を軽く振って滓を混ぜ合わせたら、和食や洋食、好みの料理とあわせてお楽しみくださいね。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-13.日高見 吟醸うすにごり 本生原酒
魚介類と相性ばつぐんのにごり酒がこちら。宮城県の「日高見(ひたかみ)」です。高級酒米・山田錦で仕込んだうすりにごりタイプのお酒になります。
香り高くきれいな酒質は、淡麗芳醇な「日高見」ならでは。うっすら積もる滓とシルバーラベルは東北の冬を思わせます。生まれたての新酒を瓶詰めしたにごり酒は、年に1度だけの特別な味わい。ぜひ美味しいお刺身やお鮨と一緒にお楽しみください。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-14.雨後の月 純米吟醸 微発泡にごり
きれいな酒質で人気の「雨後の月(うごのつき)」が贈る夏限定のにごり酒です。生産本数は2000本。「雨後の月」ファンならぜひとも味わっておきたい1本です。
プシュッと栓を開けると広がるのは、白桃のように甘やかな香り。シュワシュワ感と上品な甘み、適度なコクがクセになる美味しさです。後口はスッキリしているので、夏の暑い日にもぴったり。キリリと冷やして飲みほしたくなる味わいです。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-15.庭のうぐいす 純米吟醸 うすにごり
ちょこんと描かれたピンクのうぐいすが何とも可愛らしい「庭のうぐいす」。淡い乳白色が美しい、冬だけの特別なにごり酒です。
「庭のうぐいす」は、福岡県の山口酒造場が手がける人気銘柄。新酒を詰めたにごり酒は、ピチピチとした口当たりが楽しいお酒です。うすにごりならではの甘みがありつつ、香りはスッキリと。飲み飽きせずにスイスイ楽しめる味わいに仕上がっています。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-16.羽根屋 純米吟醸 CLASSIC CLOUDY SAKE にごり生
「CLASSIC」とあるように、こちらは約20年前の先代杜氏のレシピを再現した復刻版。それも、うすにごりで仕上げた「羽根屋(はねや)」の特別商品です。
口あたりはふんわりと軽く、舌触りはなめらか。ほどよい甘みと酸味がスーッと喉の奥まで通り抜けます。軽快な飲み口は、にごり酒であることを忘れてしまうほど。「CLOUDY SAKE」の名のとおり、雲のようにやわらかな味わいです。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-17.尾瀬の雪どけ 純米大吟醸 桃色にごり
日本酒ファンの間で「オゼユキ」の名で知られる「尾瀬の雪どけ」。キュートなピンク色のにごり酒は、春限定の味わいです。
赤色酵母が生み出すのは、もぎたてのイチゴを思わせる甘酸っぱい味わい。舌触りなめらかで、イチゴのデザートを食べているかのようです。アルコール度数10%と、軽やかな飲み口も魅力的。女性へのプレゼントにもおすすめのにごり酒です。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-18.手取川 春純米 辛口 うすにごり 生
「手取川(てどりがわ)」のにごり酒は、人気の四季シリーズのひとつ。蔵の近くの春の景色をイメージした菜の花ラベルが美しい1本です。
シュワッとしたガス感とともに広がるのは、おだやかでやさしい甘み。ほのかな苦みのあとを、キリッとした酸味が引き締めます。喉もとをとおるキレの良さは「手取川」ならでは。春風のようにさわやかな味わいが楽しめるにごり酒です。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-19.生メガネ専用 特別純米 うすにごり
「メガネ専用」は、リリース以来日本酒ファンから大注目のお酒。蔵人全員がメガネという萩野酒造で造られています。うすにごりは「生メガネ専用」という、これまた心躍るネーミングです。
しっかりとした香りと酸味が立ち、後味はスッキリ。氷をたっぷり入れたグラスに注ぐ、ロックスタイルもおすすめです。裸眼の方もコンタクトの方も、そしてメガネの方はレンズが曇らないようによく拭いて(笑)好みのスタイルでお楽しみください。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-20.ゆきの美人 純米吟醸 活性にごり 生
「ゆきの美人」のにごり酒はシュワシュワとした微発泡感がさわやかなお酒です。甘さはあくまでも控えめ。スイスイと心地よい飲み口を楽しめます。
「ゆきの美人」が生まれるのは、マンションの1階という珍しい環境。秋田県の小さな酒蔵ながら、研ぎ澄まされた酒質は多くの日本酒ファンに愛されています。にごり酒「ゆきの美人」は、激しく振るとごきげん斜めになってプシュっと噴き出してしまうので要注意。ぜひゆっくり、やさしく取り扱ってくださいね。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
まとめ
滓を含んだにごり酒は、カジュアルに楽しめるのが何よりの魅力。アルコール度数が低いものも多く、日本酒ビギナーも飲みやすい銘柄がそろいます。微発泡タイプのにごり酒は「シュワッ」「ピチピチ」とした刺激も楽しい! ぜひ、にごり酒をきっかけに日本酒の世界を広げてみてくださいね。