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天恵の美酒。「大信州」を解説!

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天恵の美酒。「大信州」を解説!

「大信州」(だいしんしゅう)は、その名の通り長野県の豊かな自然が育む日本酒です。地元の米と水を原料に、名杜氏から受け継がれた技によって造られています。

すべての酒に同じだけの手をかけて造られる大信州は、「天恵の美酒」とも呼ばれるお酒。今回は、おすすめ銘柄や購入方法、限定品の紹介など、大信州の魅力をたっぷりとお届けします。

1.日本酒の大信州とは

信州を代表する地酒「大信州」は、北アルプス連峰の自然の恵みによって育まれた日本酒です。仕込み水に使われるのは、何十年もの時を経て自然にろ過された雪解け水。契約農家と二人三脚で栽培した米を原料に、手間ひまかけた酒造りで生まれるお酒は「天恵の美酒」とも呼ばれています。

「以和為貴(和を以って貴しと為す)」の言葉を目指した大信州は、調和のとれた味わいがどこまでも心地よいお酒。日々の食事に寄り添う、心をほっと和ませるやさしい味わいが人気を得ています。

1-1.酒造元について

大信州酒造は、1888年(明治21年)創業の原田屋酒造店を中心に、長野の酒蔵7社が合併して生まれた酒蔵です。大信州酒造を語る上ではずすことができないのが、その礎を築いた下原多津栄(しもはら たづえ)大杜氏。「おやじさん」「おやっさ」「じっさ」と呼ばれていた下原大杜氏は、引退する91歳まで、実に75年ものあいだ酒造りに携わった人物です。

神がかり的な唎き酒技術とともに、長年蔵を支えたのは精米歩合(せいまいぶあい)にこだわらない手間ひまかけた酒造り。「米が黒えってだけで大事にされなくて、米がかわいそうだ」。米が黒い=精米歩合の低いお酒は手をかけられないことをなげく下原大杜氏の姿勢は、全ての酒に鑑評会出品酒同様の手をかける蔵の酒造りに息づいています。

また、下原大杜氏は道具や米、水、人、すべてに愛情や感謝の気持ちをもって酒造りに臨んでいました。その世界観を受け継ぐ蔵人たちは、今も「愛感謝」と手書きした紙を持ち場に貼り、酒造りができることに感謝をささげています。

1-2.大信州という名の由来

「大信州」は、信州の豊かな自然の恵みをイメージして付けられた名前です。「酒を醸す(かもす)ことは、蔵を取り巻く大自然と融合すること」。大信州といった名前には、そういった蔵の想いが込められているのです。

代表銘柄「手いっぱい」は、手間ひまかける蔵の酒造りを体現したお酒。あえて米を磨きすぎず、絶妙な味のバランスに仕上げた「手いっぱい」は、蔵の名刺代わりとも言われています。

2.大信州の種類と値段について

大信州は日常の食事に寄り添う通年品から、特別な祝いの席や贈り物にもふさわしい高級酒まで、さまざまなラインアップが揃っています。そのどれもが手間を惜しまない製法によって造られ、高い酒質を誇るのが特徴です。通常酒は1本あたり2000円台と、求めやすいことも人気のひとつ。ぜひ好みに合わせた1本を見つけてみてくださいね。

2-1.手いっぱい 純米大吟醸

精米歩合 酒米 価格
長野県産契約栽培米

「金紋錦」

720ml:3080円(税込)

1800ml:6050円(税込)

評判

「手いっぱい」は、蔵の代名詞とも言えるお酒です。入荷した玄米をさらに選別し、精米から醸造、貯蔵と蔵が「手いっぱい」天塩にかけた純米大吟醸の中でも、さらに選別された特別なお酒になります。

ふくよかな味わいと華やかな香りは、フルーティーな白桃に例えられることもあるほど。鑑評会出品酒と同等の仕込みで造られた、蔵を代表する自信作です。

大信州 手いっぱい

(出典元:天恵の美酒 大信州

2-2.辛口特別純米酒

精米歩合 酒米 価格
70% 長野県産契約栽培米 720ml:1430円(税込)

1800ml:2750円(税込)

評判

長野県産の契約栽培米を100%使用し、淡麗辛口のキレのある味わいに仕上げた特別純米酒です。口当たりはやわらかく、後味はスッキリとキレのある心地よさ。淡麗辛口の味わいは、冷やはもちろん燗酒でも楽しめます。

辛口ファンから人気の大信州は、長野ならではの山菜料理や煮込み料理にもぴったり。好みの食事とあわせて、しみじみ味わいたくなる銘柄です。

大信州 辛口特別純米酒

(出典元:天恵の美酒 大信州

2-3.NAC金紋錦

精米歩合 酒米 価格
49% 長野県産契約栽培米

「金紋錦」

720ml:2200円(税込)

1800ml:4180円(税込)

評判

使用しているのは、契約栽培した「金紋錦」の粒選り米。仕込み水、醸造地、すべて信州にこだわって造られた特別な純米大吟醸です。

穏やかな香りとなめらかな口あたりは、「まあるい味」を目指す大信州ならでは。米の味を前面を引き出しながらもさらりとキレが良く、白ワインを思わせる上品な仕上がりです。1本あたり2000円台と、コストパフォーマンスにも優れた銘柄になります。

大信州 NAC金紋錦

(出典元:天恵の美酒 大信州

2-4.梓水龍泉純米大吟醸

精米歩合 酒米 価格
38% 長野県産契約栽培米

「金紋錦」

720ml:3850円

評判

梓水龍泉(しすいりゅうせん)は、鑑評会用に仕込まれた瓶囲いの純米大吟醸です。瓶囲いとは、もろみを入れた袋を吊るし、一滴ずつこぼれる雫を集めたお酒のこと。手間をおしまない大信州のなかでも、より長い時間と洗練された技術によって造られました。

香り、旨味、酸味のバランスはまさに絶品。桐箱入りの特別な1本は、贈答用にも好まれています。

大信州 梓水龍泉 純米大吟醸

(出典元:天恵の美酒 大信州

2-5.超辛口純米吟醸

精米歩合 酒米 価格
59% 長野県産契約栽培米

「ひとごこち」

720ml:1650円(税込)

評判

長野県産の「ひとごこち」100%で仕込まれた辛口日本酒です。甘辛の度合いを示す日本酒度は、+13前後。辛口日本酒が+3.5~+5.9であることを考えると、そのキレの良さがよく分かります。

「超辛口」とうたいながらも、口に含むと広がるのはまろやかで優しい旨味と酸味。後口にすーっと心地よい余韻が残る、きれいな味わいの辛口酒です。さっぱりとした味わいは料理とも相性が良く、辛口ファンにぜひおすすめしたい銘柄です。

大信州 超辛口純米吟醸

(出典元:天恵の美酒 大信州