「出羽桜(でわざくら)」は、山形県の地酒として名高い日本酒です。華やかな香りとふくよかな甘味、キレのある味わいは、多くの日本酒ファンを魅了しています。
今回は、代表銘柄「雪漫々」から「一路」、「出羽の里」まで出羽桜のラインナップを一挙ご紹介!常に進化を続ける出羽桜の魅力をたっぷりとお伝えします。
目次
1.「出羽桜」とは
「出羽桜(でわざくら)」は、山形県の出羽桜酒造が造る日本酒です。華やかな香りを持つ『吟醸酒(ぎんじょうしゅ)』の先駆けとなった銘柄でもあります。
その味わいは世界でも高く評価され、英国インターナショナル・ワイン・チャレンジ2016(IWC)では、吟醸酒の最高賞を受賞。
代表的な「桜花吟醸酒」や「雪漫々(ゆきまんまん)」のほか、山形が誇る地酒の魅力をぞんぶんに味わえる銘柄がラインナップに並びます。
2.出羽桜を造る「出羽桜酒造」
出羽桜酒造は、1892年(明治25年)創業の酒蔵です。「出羽桜」のルーツは、1855年(安政2年)に仲野清五郎氏が造った「熊正宗」というお酒。
二代目、三代目、そして四代目へと酒造りの精神は受け継がれ、現在の社名は1970年(昭和45年)に誕生しました。
1980年(昭和55年)には、代表酒である「桜花吟醸酒」を発売。平成に入ると、英国王室御用達ワイン商が出羽桜の取り扱いを始めます。
世界的なコンペティションでも高く評価されるなど、山形から全国、そして海外へと躍進を続ける酒蔵といえるでしょう。
3.出羽桜の普通酒の種類・ラインナップ
普通酒とは、吟醸酒や純米酒などの特定名称酒(とくていめいしょうしゅ)に分類されないお酒のことです。リーズナブルな商品が多く、料理と楽しむ日常酒に適しています。
出羽桜の普通酒は燗でも冷酒でも美味しく、気軽にクオリティの高いお酒を味わえることが魅力です。
3-1.出羽桜 誠醸辛口
飲み口はやさしく、後味がさらりと引いていく日本酒です。燗酒にすると、キレ味がより一層引き立ちます。誠心込めて醸す感謝の意味を込め「誠醸」と名付けられました。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
3-2.出羽桜 誠醸
一升瓶のみ販売される「誠醸」は「美味しい日本酒をそばに置いておきたい」という方にぴったりのお酒です。飲み疲れすることなく、好みの料理と一緒に地酒の美味しさを堪能できます。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
3-3.出羽桜 花宝
桜が咲き誇る華やかなラベルは、フェラーリをデザインしたこともあるという奥山清行氏が手がけたもの。180ml容量から販売されているため「ちょっとした手土産にしたい」「出羽桜を試してみたい」というときにもおすすめです。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
3-4.出羽桜 冷卸(ひやおろし) 蔵涼み
ほどよい温度の燗酒で美味しい出羽桜です。一定期間蔵で熟成させ、まろやかな口当たりを実現しています。きのこやサンマなど、秋に旬を迎える食材と相性ぴったりの銘柄ですよ。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
4.出羽桜の本醸造酒・特別本醸造酒の種類・ラインナップ
本醸造酒、特別本醸造酒とは、精米を抑えた米を原料に醸造アルコールを添加して仕込んだ日本酒のことです。出羽桜の本醸造酒には、スッキリとした飲み口を楽しめるラインナップが並びます。
4-1.出羽桜 本醸造酒
インターナショナル・ワイン・チャレンジ2016で銀賞を受賞。冷でも燗でも美味しい懐の広さが魅力です。出羽桜の本格的な味わいをカジュアルに楽しめます。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
4-2.出羽桜 しぼりたて 春の淡雪
「淡雪」の名のとおり、うっすらと白く濁った日本酒です。火入れと呼ばれる加熱処理をしていない生酒タイプ。ぜひ、キリッと冷やしてフレッシュな味わいをお楽しみください。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
4-3.出羽桜 蔵涼み 特別本醸造
マイナス5℃の環境でじっくりと熟成させた特別本醸造です。出羽桜の持つ華やかな香りと、本醸造らしいスッキリとした後口を楽しめます。爽やかさが引き立つ夏の季節商品です。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
5.出羽桜の純米酒の種類・ラインナップ
純米酒は、米と米麹、水のみで造られた日本酒です。ふっくらとした米の旨味とコクを楽しめます。出羽桜の純米酒には、「山廃(やまはい)」と呼ばれる昔ながらの製法で造られた銘柄も並びます。
5-1.出羽桜 一耕
「一」はすべての始まり、「耕」は畑を耕す文化を表しています。口のなかでじんわりと広がるのは、米の奥深い旨味。米文化、農耕文化に想いをはせ、じっくりと味わいたくなる純米酒です。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
5-2.出羽桜 一耕(本生)
日本酒の一般的な製造工程では、2度加熱処理がおこなわれます。「一耕(本生)」は、一度も加熱処理をせずに瓶詰めされた日本酒です。マイナス5℃の貯蔵庫で保管されているため、年間通してみずみずしい味わいを堪能できます。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
5-3.出羽桜 出羽の里
山形県が開発したオリジナル酒米「出羽の里(でわのさと)」を使用した純米酒です。インターナショナル・ワイン・チャレンジ2016では、栄えあるチャンピオン・サケに輝きました。「出羽桜ってどんなお酒?」と気になる方は、ぜひこちらの純米酒で魅力を体感してみてください。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
5-4.出羽桜 伝統製法シリーズ 山廃(やまはい)仕込み
「山廃(やまはい)」とは、自然の微生物の力を活かしながら醸造する伝統製法のことです。山廃のお酒には、手間と時間、そして高い技術を要します。豊かで複雑みのある香りと味わいは、燗酒で楽しむのもおすすめです。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
5-5.出羽桜 山廃(やまはい)ひやおろし
「ひやおろし」は、暑い夏をまたぐ期間に熟成させ、涼しくなった秋口に販売される日本酒です。山廃仕込みのひやおろしは、まろやかな風味と旨味を兼ね備えています。ぜひ、秋の味覚とともにゆるりとお楽しみください。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
5-6.出羽桜 honu(ホヌ)
「honu(ホヌ)」とは、ハワイで幸運を呼ぶとされているウミガメのこと。こちらは涼やかなラベルが夏の訪れを感じさせる特別純米酒です。出羽桜らしい香りとやわらかな旨味。後口をほのかな酸味が引き締めます。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
5-7.出羽桜 しぼりたて生原酒 出羽の里
加熱処理や加水をせず、しぼりたての新酒のまま届けられる「出羽の里」です。フレッシュな香りとジューシーな旨味は生原酒ならでは。冬季限定発売の特別な1本です。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
5-8.出羽桜 特別純米缶
「気軽にちょっとだけ、美味しい日本酒を楽しみたい」というお酒好きの欲張りな心を満たしてくれる缶タイプ。冷から燗まで幅広い温度帯で楽しめます。レジャーやパーティーなど、手軽に持ち運びできるのもうれしいですね。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
6.出羽桜の純米吟醸酒の種類・ラインナップ
純米吟醸酒は、米粒の外側を4割以上削り、米と米麹、水のみで仕込んだ日本酒のことです。また、吟醸造りと呼ばれる特別な製法で造られています。
出羽桜の純米吟醸には、山形県産の酒米「出羽燦々(でわさんさん)」を使用した銘柄が多く並びます。
6-1.出羽桜 出羽燦々誕生記念
「出羽燦々(でわさんさん)」は、山形県が11年の歳月を経て開発した酒米です。その誕生を記念した純米吟醸酒には、麹菌、酵母すべてに山形県オリジナルの原料を使用しています。もぎたてのフルーツのように甘い香り、上品な旨味にぜひ酔いしれてみてください。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
6-2.出羽桜 出羽燦々誕生記念(本生)
加熱処理をしていない「出羽燦々誕生記念」です。香りの印象はよりくっきりと甘く、しっかりとした飲みごたえを楽しめます。後味の余韻は軽く、ついついグラスが進む銘柄です。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
6-3.出羽桜 出羽燦々誕生記念 無濾過生原酒
「ろ過」は、しぼったお酒に残る酵母の除去や香味の調整を目的におこなう工程です。ろ過や加熱処理、加水調整をしていない「無濾過生原酒」は、ボリューミーな旨味、酸味が際立っています。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
6-4.出羽桜 つや姫
「つや姫」は、食用米として親しまれている山形ブランドのお米です。つや姫を使った出羽桜は、しっとりとした米の甘みが特徴的。「食用米で造る日本酒ってどんな味?」と気になる方にもおすすめですよ。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
6-5.出羽桜 雄町
岡山県が主な生産地の酒米「雄町」を使用。しっかりとした米の旨味、コクを感じる出羽桜です。ぬる燗にすると、やさしい甘さがより一層花開きます。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
6-6.出羽桜 深緑ラベル
一般的な日本酒のアルコール度数が15~16%のなか「深緑ラベル」の度数は14%。軽やかな味わいを楽しめる出羽桜です。容量は300mlの飲み切りサイズと、より気軽に美味しい日本酒を味わえます。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
7.出羽桜の吟醸酒の種類・ラインナップ
吟醸酒は、より多く磨いた米と米麹、醸造アルコールを原料に吟醸造りで仕込んだ日本酒です。出羽桜の真骨頂ともいえる、香り豊かな銘柄を楽しめます。
7-1.出羽桜 桜花吟醸酒
吟醸ブームのきっかけとなった銘柄です。王室御用達であり、英国最古のワイン商が初めて取り扱った日本酒でもあります。300ml容量から販売されているため「フルーティーな香りの日本酒が好き」という方は、ぜひ一度お試しください。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
7-2.出羽桜 桜花吟醸酒(本生)
加熱処理をせず、そのまま瓶詰めされた「桜花吟醸酒」です。フレッシュな美味しさをキープできるよう、蔵ではマイナス5℃の環境で保管されています。自宅でも冷蔵保管を心がけ、みずみずしい旨味を楽しんでみてください。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
7-3.出羽桜 桜花吟醸酒 さらさらにごり
はらはらと舞い散る桜のラベルが美しい「さらさらにごり」。こちらは春に販売される出羽桜です。にごり酒ならではの濃醇な甘さと旨味を兼ね備えています。
(出典元:山形の地酒/日本酒専門店 木川屋)
7-4.出羽桜 吟醸缶
吟醸の魅力を手軽に体感できる缶酒です。コンパクトな缶には、出羽桜ならではの香りと旨味がギュッと詰められています。「気の合う仲間と気軽に美味しいお酒を楽しみたい」というときにもぴったりの商品です。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
8.出羽桜の純米大吟醸酒の種類・ラインナップ
純米大吟醸酒は、さらに小さく精米した米を原料に造られる日本酒です。出羽桜では、外側を7割近く削って仕込む銘柄も含まれています。味わい、スペックともに贈答用にもふさわしいラインナップです。
8-1.出羽桜 一路
インターナショナル・ワイン・チャレンジ2008でチャンピオン・サケに輝いた銘柄です。出羽桜の代名詞として知られています。香りはフルーティーで後味は軽く、日本酒ビギナーにもおすすめの銘柄です。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
8-2.出羽桜 一路 無濾過生原酒
ろ過や火入れ、加水処理をしていない「一路」です。チャンピオン・サケの受賞記念にリリースされました。味わいはよりフレッシュかつ濃醇に。飲みごたえのある「一路」の魅力が感じられます。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
8-3.出羽桜 愛山
「愛山」は、栽培が難しく幻ともいわれる酒米です。こちらの純米大吟醸酒には、より小さく精米した愛山をぜいたくに使用しています。やわらかな香りと甘みが心地よく、出荷量が限られた特別な商品です。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
8-4.出羽桜 雪女神 四割八分
「雪女神」は、米をより多く削る大吟醸酒に適した山形県の酒米です。「四割八分」とあるように、精米歩合は48%。米の外側を52%削って仕込まれています。山形に降り積もる雪のように、クリアな味わいが光る1本です。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
8-5.出羽桜 雪女神 三割五分
「三割五分」とは、精米歩合35%のこと。米の外側を65%精米し、中心部分のみをぜいたくに使用しています。地酒ファンへのプレゼントにも喜ばれる、年2回出荷の限定商品です。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
8-6.出羽桜 山形超限定 亀の尾
「亀の尾」は、出羽桜創業の翌年に山形県で発見された酒米です。「山形超限定」の名のとおり、山形県内の10店舗で限定販売されています。仕込みや商品デザインにも酒販店が携わるなど、地元への愛情が込められた1本です。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
8-7.出羽桜 雪若丸
「雪若丸」は、山形県が育成した食用米です。「つや姫」の弟的ポジションとして誕生しました。雪若丸を使った出羽桜は、食事にあわせる日本酒にぴったり。ぜひ美味しいアテを用意してお楽しみください。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
8-8.出羽桜 純米大吟醸 原酒
酒米の王様といわれる「山田錦」を使った純米大吟醸酒です。加水調整をせず、上品で華やかな香りを生み出しています。美しい木箱におさめられ、大切な方への贈り物にもおすすめの日本酒です。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
8-9.出羽桜 伝統製法シリーズ 生酛(きもと)仕込み
「生酛(きもと)仕込み」は、今では手がけることが少ない日本酒の伝統製法です。山廃と同じく、複雑かつ深みのある味わいが生まれるといわれています。出羽桜らしい、華やかさも持ち合わせた古くて新しい日本酒です。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
9.出羽桜の大吟醸酒の種類・ラインナップ
大吟醸酒は、吟醸酒よりもさらに小さく精米した米を原料に造られます。また、吟醸酒と同様、醸造アルコールを添加する日本酒です。出羽桜では代表銘柄「雪漫々」をはじめ、華やかな香りとキレが際立つ銘柄が並びます。
9-1.出羽桜 大吟醸酒
酒米「山田錦」を使った大吟醸酒です。300mlの飲み切りサイズのため、気軽に美味しい大吟醸酒を味わえます。後口はスッキリとキレが良く、辛口好きにもおすすめしたい銘柄です。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
9-2.出羽桜 山田錦 四割八分
「山田錦」を使用し、マイナス5℃の氷温貯蔵庫でじっくりと熟成させた大吟醸酒です。低温熟成のまろやかな口当たりと、上品な香りを堪能できます。適度に冷やし、ワイングラスに注いで楽しむのもおすすめです。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
9-3.出羽桜 春雷
春に鳴り響く雷「春雷(しゅんらい)」と名付けられたこちらは、スパッとキレる辛口タイプの出羽桜です。新鮮な刺身やこってりとした煮物、揚げ物などにも良く合います。冷酒から燗酒まで、ぜひ好みの温度帯で楽しんでみてください。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
9-4.出羽桜 雪漫々
マイナス5℃の氷温貯蔵庫で静かに熟成させた大吟醸酒です。大吟醸酒のなかでも、選りすぐりのお酒が詰められています。やさしく上品な香りとほどよい甘味、後味のキレのバランスに優れた1本です。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
9-5.出羽桜 雪漫々 氷点下五年熟成酒
5年間の熟成期間を経て販売される熟成酒です。原料には小さく磨き上げた山田錦を使用しています。5年の年月を感じながらゆったりと楽しみたい、上質な味わいが実現されています。
(出典元:出羽桜酒造株式会社)
まとめ
出羽桜は、香り高い吟醸酒の代名詞として知られる銘柄です。その味わいは決して画一的ではなく、フルーティーな香りのお酒からキレのあるタイプまで、幅広いラインナップが揃います。
ミニボトルや缶酒など、手軽に楽しめる商品の数々も魅力のひとつです。多くの日本酒ファンが酔いしれる「出羽桜」。ぜひ、気軽にその味わいを試してみてくださいね。