日本酒の味わいは「甘口」「辛口」と表現されることがあり、おすすめの日本酒を選ぶ際に、このような甘口や辛口から選ぶのも日本酒の選び方の一つです。
日本酒の味わいは「甘口」、「辛口」と表現されることがあります。甘口はフルーティーな香りのお酒が多く、日本酒ビギナーでも飲みやすいタイプが多いことが特徴です。
今回は、甘口の日本酒の選び方とおすすめ9選をご紹介します。「甘口の日本酒ってどんな感じ?」と気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
目次
1.甘口の日本酒とは
日本酒の「甘口」、「辛口」の指標には日本酒度が用いられます。一般的に、日本酒度が「-(マイナス)」であるほど甘口、「+(プラス)」であるほど辛口のお酒です。
また、日本酒を「甘い」と感じる要素には、酸度やアミノ酸度といった日本酒の成分が関係します。さらに、味の感じ方に大きな影響を与えるのが日本酒の「香り」です。
リンゴやバナナのようなフルーティーな香りを持つ日本酒は、日本酒度がプラスであっても、飲み手に「甘い」という印象を与えることがあります。つまり、甘い辛いの感じ方は、必ずしも数値に一致するわけではないということです。
それでも、数多くの種類があるなかで「甘口」、「辛口」は日本酒選びのひとつの基準となります。飲食店で日本酒を頼むときも「コクがある甘口のお酒が好きです」、「スッキリとした辛口タイプをよく飲みます」など、オーダーの際の目安になるため、ぜひ自分の好みを見つけてみてくださいね。
2.甘口の日本酒選び3つのポイント
甘口の日本酒選びのポイントは、以下の3つです。
- 日本酒度がマイナスに近いお酒を選ぶ
- お米の種類にも注目してみる
- スパークリング酒やにごり酒、貴醸酒も要チェック
前述したように、日本酒度は甘口辛口のひとつの目安になります。また、日本酒はお米の種類によって味に変化が生まれるのが特徴です。
なかには、スパークリング酒やにごり酒など、甘口タイプが多い日本酒もあります。「甘口のお酒を飲んでみたいな」というときは、ぜひこれらのポイントを参考に日本酒を選んでみてください。
2-1.日本酒度がマイナスに近いお酒を選ぶ
前述したように、日本酒度がマイナスのお酒は甘口に該当します。日本酒度を知りたいときは、お酒のラベルをチェックしてみてください。すべてのお酒に記されているわけではないものの、日本酒度の数値を確認できます。
「甘口」にあたるのは、日本酒度-5.9~ー3.5の範囲です。ー6以上のお酒は「大甘口」になります。
2-2.お米の種類に注目してみる
甘口の日本酒を飲みたいときは、お米の種類にも注目してみましょう。例えば、酒米の王様ともいわれる「山田錦(やまだにしき)」を使ったお酒は、香り良く、ふくよかな味わいに仕上がるのが特徴です。山田錦を小さく削って仕込んだお酒には、フルーティーで甘い香りを持つ銘柄もあります。
反対に、酒米のトップ2といわれる「五百万石(ごひゃくまんごく)」は、スッキリとしたタイプのお酒によく用いられる酒米です。香りはおだやかで、クセのない味わいを楽しめます。
ほかにも、華やかな香りのお酒に仕上がる「美山錦(みやまにしき)」、オマチストと呼ばれるファンを持つ「雄町(おまち)」など、酒米の個性はさまざまです。日本酒選びに迷ったら、ぜひ酒米の違いにも注目してみてください。
2-3.スパークリング酒やにごり酒、貴醸酒も要チェック
シュワッとした発泡感が楽しめるスパークリング酒は、比較的アルコール度数が低く、甘口タイプが多いことが特徴です。滓(おり)と呼ばれる固形物をあえて残したにごり酒も、米の旨味と甘みを楽しめます。
貴醸酒(きじょうしゅ)は、水の代わりにお酒を使って仕込んだ日本酒です。口当たりなめらかで濃醇な甘さを持つ貴醸酒は、熟成タイプも多くロックスタイルでも美味しく味わえます。
3.おすすめの甘口日本酒9選
ここからは、おすすめの甘口日本酒9選をご紹介します。しっかりとした飲みごたえのあるタイプから、ワイングラスで楽しむカジュアルなタイプまで幅広いバリエーションを揃えました。
甘口日本酒は、お酒を飲み慣れない方や日本酒ビギナーにおすすめです。比較的アルコール度数の低い銘柄もあるため、ぜひ好みの1本を見つけてみてくださいね。
3-1.亀泉 純米吟醸生原酒 CEL-24
「CEL-24」は、高知で開発された酵母の名前です。生原酒とあるように、加熱殺菌処理や加水調整はされておらず、しぼりたてそのままのジューシーな味わいを楽しめます。
日本酒度は-16と、爽やかな甘みも魅力です。リンゴやパインのようなフルーティーな香りも堪能できますよ。
(出典元:はせがわ酒店)
3-2.八海山 貴醸酒
淡麗辛口の代名詞「八海山(はっかいさん)」が手がける貴醸酒です。仕込み水の代わりに清酒を使い、品の良い甘さを生み出しています。
日本酒度は-36と、貴醸酒ならではの濃密な甘さが魅力です。五百万石で造られる、八海山らしい清らかな旨味も活きています。熟成前の状態で瓶詰されているため、年数による色や味の変化を楽しむのもおすすめです。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
3-3.富久錦 Fu.
「富久錦 Fu.(ふくにしき ふ)」は、果実のような甘酸っぱさを楽しめる日本酒です。アルコール度数は8%と、加水をしない状態で低アルコールに仕上げられています。
クセのないチーズや新鮮な野菜を使ったサラダ、ピッツァのような料理との相性は抜群。日本酒を飲み慣れない方も、カジュアルに美味しい日本酒を楽しめます。
(出典元:富久錦株式会社)
3-4.来福 MELLOW 貴醸酒
とろりとした濃密な甘さを楽しめる貴醸酒です。仕込み水の一部には、純米酒が使用されています。
「来福(らいふく)」の貴醸酒は、甘さとフレッシュな旨味を兼ね備えているのが大きな特徴です。食前酒のほか食後酒としても楽しめます。ロックやソーダ割りで味わうのもおすすめです。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
3-5.讃岐くらうでぃ
香川生まれの「讃岐くらうでぃ」は、クリーミーで甘酸っぱいにごり酒です。とろりとした舌触りと味わいは、まさに大人のカルピス!アルコール度数は6%とライトな飲み口も魅力です。
注目したいのは、ロックにソーダ割り、ビール割りと幅広いスタイルで楽しめること。暑い夏にはジョッキに注ぎ、グイッと味わうのもおすすめです。唐揚げや焼き鳥といったボリューミーなおつまみとも相性抜群ですよ。
3-6.すず音
「すず音(すずね)」は、シュワシュワとしたスパークリングタイプの日本酒です。口に含むと細やかな泡とともに甘酸っぱい旨味が弾けます。
300mlの飲み切りサイズのため、乾杯のお酒にもおすすめです。アルコール度数は5%と通常の日本酒より低く、ライトな飲み口を楽しめます。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
3-7.木戸泉 アフス スパークリング
うっすらと白くにごる甘酸っぱいスパークリング酒です。「アフス」という名は、開発に携わった人々の名に由来しています。
木戸泉(きどいずみ)を代表する「アフス」は、白ワインを思わせるフルーティーな香りとライトな飲み口が魅力。スッキリとした大人の甘さを堪能できます。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
3-8.陸奥八仙 ナチュラルスパークリング
「陸奥八仙(むつはっせん)」は、青森県を代表する地酒です。ナチュラルスパークリングは、瓶内の発酵で生まれるやさしい泡感を楽しめます。
ほんのり甘く、酸味も効いた味わいは辛口を好む方にもおすすめです。エレガントなボトルデザインも美しく、パーティーの差し入れにも喜ばれます。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
3-9.にごり純米原酒 英雄(ひでお)
「英雄(ひでお)」は、米と米麹のみで造られたにごり純米原酒です。原酒とあるように、加水調整はせずに瓶詰めされています。その名前は、1人でも多くの人に日本酒を飲んでもらいたい、日本酒界の「英雄=HERO」にという思いから付けられました。
アルコール度数は11%と若干低く、日本酒ビギナーでも飲みやすいライトな味わい。にごり酒ならではの、ほんのりとした甘さと米の旨味を感じてみてください。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
まとめ
甘口タイプの日本酒は、比較的アルコール度数が低く飲みやすいタイプが多いことが特徴です。スパークリング酒やにごり酒、貴醸酒など幅広いバリエーションが揃います。
ロックにしたり、ソーダ割り、ビール割りにしたりとアレンジしやすい銘柄が多いこともポイント。ぜひ、自由にいろいろな日本酒を楽しみながら、自分の“推し酒”を見つけてみてくださいね。