日本酒が残ってしまい冷蔵庫を開けると、置くスペースがなかったという経験がある人もいるのではないでしょうか。
日本酒を縦に置くスペースが取れない場合、横置きにしてもいいのでしょうか。
今回は冷蔵庫で横置きにしたときに、日本酒にはどのような影響があるのか、また正しい日本酒の保管方法を学んでいきましょう。最後に飲み切れなかった日本酒の活用方法もご紹介しているので参考にしてみてくださいね。
目次
1. 日本酒って冷蔵庫で横置き保存していいの?
日本酒を冷蔵庫に保管しようと思ったら、置けるスペースがないなんてことありませんか?一升瓶の縦置きはなかなか難しいこともあるでしょう。横置きならなんとか置ける場所を発見したら、横向きに保管してもいいのでしょうか。
1-1. 日本酒を保管するときは縦置きが基本。
実は日本酒を保管するときは縦置きがいいのです。横置きにすることで、キャップの部分に日本酒が触れ、味や風味が変化してしまうことがあるのです。また、横に置くと縦に置いたときよりも空気に触れる面積が多くなるので、これも味や風味を損なう原因となります。
さらに、日本酒の栓がしっかりと閉まっていなかったときや、元々打栓が安定していない場合、横置きにすると漏れてしまうこともあるため、縦置きが基本なのです。
1-2.冷蔵庫の場合は、どの部屋で保管するかが重要!
冷蔵庫はご存知のとおり場所によって温度が違います。日本酒の保存は「-5度」がベストといわれていますが、家庭用の冷蔵庫に保存する場合どの部屋がいいのかおすすめ順にご紹介します。
肉や魚、生鮮食品に適している「パーシャル室」の温度は約-3度。縦置きできるのであればパーシャル室がおすすめです。
次におすすめなのが「チルド室」。約0度なのでこちらも日本酒の保存には適しています。
パーシャル室やチルドが狭い場合におすすめなのは「冷蔵庫」。こちらは約3度。一番縦置きしやすい場所です。ただしドアポケットなど入り口近くは5~7度くらいになることも多いので、日本酒は奥の方に入れるのが◎。
冷蔵庫の次に温度が低いのは「野菜室」。こちらは約5度ですが、大きい瓶でも縦置きできるのが魅力的。
ちなみに冷凍庫は-18度。冷凍するともつイメージがありますが、凍らせるときは瓶のまま凍らせると割れることがあるので、ちょっとした工夫が必要です。
1-3. 紫外線や温度変化の高いところよりは、冷蔵庫で横置き!
日本酒は「紫外線」・「温度変化」・「空気」からの刺激を受けると劣化してしまいます。
そのため、直射日光が当たる場所や温度が高い・変化が激しい場所よりは、縦置きができなくとも冷蔵庫などの冷暗所で横置きで保管した方がいいといえます。縦に置けないからといって常温のまま部屋に放置するのはやめましょう。
ここがPOINT!
- 日本酒は「縦置き」での保管が基本
- 冷蔵庫内でのおすすめ順はパーシャル室>チルド室>冷蔵庫
- 紫外線が当たる場所や温度変化の高い場所よりは冷蔵庫内で横置きしたほうがいい
日本酒の繊細な味わいを変化をさせないためには、「温度(−5℃)・縦置き・紫外線対策」が整った最適な保管環境が必要です。 蔵元も実践している環境を”美味しいお酒体験を届ける日本酒セラー SAKE CABINET”で実現しました。
2. 冷蔵庫で横置きの場合、どれくらい持つ?
2-1. 未開封なら、そこまで期限は気にしなくてOK!10年後でも飲めるケースも。
日本酒は食品表示法でも賞味期限の表示は免除されており、適切な環境で保存した未開封のものであればいつまでも飲むことができます。そのため、正しく保管すれば保存期間を気にしなくてもOKです。
しかし、横置きの場合、スクリューキャップの金属部分に触れることにより、味や風味が変化する可能性が考えられます。化学的な数値としてみると多少変化があるくらいで、人が飲んでわかるくらい味が変わるわけではありませんが、気になる人は早めに飲みましょう。
また、未開封でも“生酒”や”生貯蔵酒”の日本酒は賞味期限が短いので、最初から冷蔵庫で保管し、早めに飲み切りましょう。
2-2. 開封後の日本酒は3日~5日で酒質が変化。数ヶ月で変化を楽しみつつ飲みきろう!
日本酒の開封後は、どんなにしっかり栓をしても、空気に触れるので3~5日で酒質が変化してきます。5日以内を目安に飲み切る方がいいですが、酒質が変化することで、決して飲めなくなるわけではないので数ヶ月で味の違いを楽しむのもあり。開けたばかりのものより、少し時間が経った方が美味しかったという日本酒も人によってはあるようです。
ここがPOINT!
- 未開封であれば保存期間は気にしなくてもOK!ただ、横置きすると味が変わったのがわかるくらいではないが味は落ちる
- 未開封でも“生酒”や”生貯蔵酒”の日本酒は賞味期限が短いので、最初から冷蔵庫で保管し、早めに飲み切ろう。
- 日本酒の開封後は、どんなにしっかり栓をしても、空気に触れるので3~5日で酒質が変化してきます。ただ、味の違いを愉しむというのもあり。
3. もし飲みきれなかった日本酒は?
時間が経ってしまいあまり美味しくない、一升瓶でもらったけど好みの味ではなかったなどの理由で飲み切れなかった日本酒は、そのまま捨ててはいけません。日本酒は飲めなくてもさまざまなシーンで活躍します。
3-1. 料理酒として使える!
日本酒は料理酒として使えます。料理の味に影響することはほとんどないので、自分が苦手な味の日本酒を料理に使っても問題ありません。煮物を作るときやスープなど、和食には欠かせないものです。
3-2. 日本酒風呂として使える!
かなり劣化してしまった日本酒は、飲むのも料理に使うのも気が引けますよね。そんなときは入浴剤代わりに日本酒を入れてみましょう。身体が温まるので寒い季節にもぴったりです。
ここがPOINT!
- 飲みきれなかった日本酒は料理酒としてや入浴剤代わりにお風呂に入れて有効活用!
まとめ
日本酒は基本的には「縦置き」が正しい保管方法です。しかしどうしても縦置きできないときは、環境が悪い場所に縦置きするよりも、冷蔵庫に横置きの方がおすすめです。また、一升瓶で縦に置けないときは他の容器に移し替えるという手もあります。
縦置きする場所が常にないけど日本酒が大好きという人は、ワインセラーならぬ日本酒セラーを購入するという手もあります。縦置き保管はもちろんのこと、日本酒の保管に適した「-5度」を保つことができますよ。
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