「新酒」はできたてのフレッシュな味わいを楽しめる日本酒です。夏の夏酒、秋のひやおろしと、日本酒はシーズンごとにさまざまな味わいが登場します。「では新酒の時期はいつ?」と疑問に感じることもあるのではないでしょうか。
そこで今回は、新酒を楽しめる時期や味わいの特徴について解説します!おすすめ新酒10選もぜひチェックしてみてくださいね。
目次
1.日本酒の新酒が楽しめる時期はいつ?
「新酒(しんしゅ)」とは、蔵で貯蔵せず、しぼって間もなく出荷されお酒のことです。明確な定義はないものの、例年開催されている全国規模の鑑評会「全国新酒鑑評会」では、酒造年度(BY)内に製造されたお酒が審査されています。
日本酒の酒造年度は、7月1日から翌年6月30日までです。つまり、この期間に製造、出荷されたお酒は新酒に該当するといえます。
一方で、日本酒の多くは冬から春にかけて造られます。そのため、一般的には11月から3月ごろにかけて販売されるお酒を新酒と呼ぶことが多いでしょう。
なかでも、その年の秋に収穫した新米で仕込んだお酒は「新米新酒」と呼ばれます。冬の寒い時期に仕込んだお酒は「寒づくり新酒」、季節を問わずしぼってそのまま瓶詰したお酒を「しぼりたて」「初しぼり」と呼ぶなど、新酒を表す言葉はさまざまです。
2新酒の味わいの特徴
熟成されていない新酒は、フレッシュでジューシーな味わいが特徴です。荒々しくも心地よい苦みと酸味、キレのある飲み口を楽しめます。
「火入れ」と呼ばれる加熱処理をしない「生酒」の場合は、シュワッとしたガス感が生まれます。加水をしない「原酒」はアルコール度数が高く、しっかりとした飲みごたえを楽しめるでしょう。
3.新酒は冷蔵保管が基本
フレッシュ感が持ち味の新酒は、味や香りが変化しやすいお酒です。前述したように、火入れをしていない生酒も多いことから冷蔵保管が基本となります。
新酒として販売されている日本酒はぜひ冷蔵庫で保管し、早めに飲みきるように心がけてみてくださいね。
4.新酒のおすすめ10選
できたての味わいを楽しめる新酒は、その時期だけの旬の味わいが魅力!ここからは、おすすめ新酒10選を紹介します。
どれも各蔵から届く、フレッシュでみずみずしいお酒たちばかり。ぜひ季節のおつまみを用意して、できたての美味しさを楽しんでみてくださいね。
4-1.AKABU F NEWBORN 新酒 生
岩手を代表する人気蔵「赤武(あかぶ)」より、できたての新酒が登場。しぼりたてのお酒をそのまま瓶に詰めた生酒が誕生しました。
瓶の中身は、お酒をしぼったとき、味と香りのバランスがもっとも優れているといわれる「中取り」部分です。開栓すると青りんごのように爽やかな香りが広がります。年末年始に楽しむ特別な1本としてもおすすめです。
(出典元:うらの酒店)
4-2.仙禽 一聲(いっせい) 新酒 生酒
土地の個性を大切に、完全無添加の超古代製法を手がける「せんきん」。「仙禽 一聲(いっせい)」は、そのプレミアムラインとなるお酒です。
新酒としてリリースされたこちらは、ろ過や火入れ、加水をしていない“無濾過生原酒”。地元の土地で育った酒米・山田錦のエレガントな個性が引き出されています。味わい、スペック、美しい桐箱ともに贈答用にも喜ばれる1本です。
(出典元:佐野屋)
4-3.あべ 純米吟醸 Vol.6 おりがらみ
“開栓注意”とあるように、ガス感たっぷりの新酒です。ゆっくり慎重に栓を開けると、ポンという音とともにフルーティーな香りが広がります。
滓(おり)と呼ばれるお酒をしぼったときの固形物を含む“おりがらみ”は、うっすら白く濁っています。フルーツのような甘酸っぱさとクリアな飲み口が心地よく、すいすい飲み進められるおいしさです。
(出典元:尾崎商店)
4-4.鳳凰美田 初しぼり 純米吟醸酒 無濾過本生
華やかな香りにシルクのような口当たり、上品な甘味、旨味が多くの人を魅了する「鳳凰美田(ほうおうびでん)」。しぼりたての新酒は、ファンが心待ちにする1本です。
開栓して静かにグラスに注げば、新酒ならではのフレッシュな香りが立ち上ります。舌を刺激するほのかなガス感も心地よく、新酒の魅力をぞんぶんに楽しめる1本です。
(出典元:矢島酒店)
4-5.山本 純米吟醸 ピュアブラック 生原酒
秋田県の人気蔵、山本酒造店のしぼりたて生原酒です。原料はすべて秋田県産。従来の「ピュアブラック」のキレ味はそのままに、新酒ならではのジューシーな旨味を堪能できます。
この時期だけの特別な1本は、年末年始の祝いの席にもおすすめです。飲む人を笑顔にする「山本」の魅力をぜひ堪能してください。
(出典元:佐金酒店)
4-6.浦霞 純米辛口 しぼりたて 生
「浦霞(うらかすみ)」は東北の港町、塩釜で造られる日本酒です。しぼりたてを生のまま瓶詰した新酒には、宮城県を代表する“ひとめぼれ”を親に持つ“まなむすめ”が用いられています。
まろやかで品よく、飲み飽きしない味わいは食中酒にぴったり。新酒シーズンに旬を迎える蟹や生牡蠣とのペアリングもおすすめです。
(出典元:さかや栗原)
4-7.田中六五 生酒
「田中六五(たなかろくじゅうご)」の田中は、8代目蔵元の性であるとともに、田んぼのなかに建つ蔵で造られたことを意味しています。六五は、米の精米の程度を表す精米歩合のこと。原料には、外側を35%削った精米歩合65%の米が使用されています。
加熱処理をしていない生酒は、爽快感がありつつ、まろやかな口当たり。後口に酸味と旨味がほんのり残り、心地よい余韻を楽しめます。
(出典元:はせがわ酒店)
4-8.紀土 純米吟醸酒 しぼりたて
全国に多くのファンをもつ和歌山のお酒「紀土(きっど)」。しぼりたての純米吟醸は、紀土ならではのフレッシュでジューシーな魅力にあふれています。
注目したいのは、日本酒ビギナーも親しみやすいなめらかな口当たり。フルーツのような香りが心地よく、上品な甘さとともにスーッと喉へ流れていきます。年末年始の手土産や贈り物にもおすすめの1本です。
(出典元:はせがわ酒店)
4-9.酔鯨 純米吟醸 吟麗 しぼりたて生酒
ラベルに大きなクジラが描かれた「酔鯨(すいげい)」は、高知県の地酒です。「しぼりたて生酒」には、酒造りが始まってから1本目の吟醸酒が瓶詰されています。
口にするとまず感じるのは、新酒ならではのフレッシュ感。程度に冷やして味わえば、キリリとした酸味が引き立ちます。古くから酒文化が根付く高知のお酒。ぜひ好みのおつまみを用意して、1杯また1杯と堪能してください。
(出典元:酔鯨酒造)
4-10.加茂錦 荷札酒 槽場汲み 純米大吟醸 生
加茂錦の「荷札酒」シリーズは、若き杜氏、田中悠一氏が醸すお酒です。フルーティーな香りと清らかな味わいは、誕生以来多くのファンに愛されています。
新酒はしぼってすぐのお酒が瓶詰めされています。原料に使用されているのは、地元新潟県産の五百万石。日本酒ビギナーにもぜひおすすめしたい、フレッシュでジューシーな味わいが魅力です。
(出典元:矢島酒店)
まとめ
しぼりたての味わいが楽しめるお酒「新酒」。多くの新酒が出そろう冬から春は、日本酒ファンが心待ちにするシーズンです。
火入れや加水などをしていない新酒は、生まれたてのすっぴんの味わいが何よりの魅力。ぜひフレッシュ感あふれる新酒の美味しさを楽しんでみてくださいね。