「お酒を飲むと頭が痛くなるのはなぜ?」と疑問に感じたことはないでしょうか。お酒好きな方にとっては、日本酒と頭痛の関係も気になるところかもしれません。
今回は、アルコールで頭痛を引き起こさないための4つの予防法をご紹介!ぜひ、お酒を美味しく楽しむための参考にしてくださいね。
目次
1.お酒を飲むと頭痛が起きるのはなぜ?
お酒を飲むと頭痛が起きるのは、「アセトアルデヒド」と「脱水症状」が原因だといわれています。どちらも、体内に入り込んだアルコールに深く関係するものです。
お酒を美味しく楽しむためには、アルコールについて正しく理解することが大切。まずは、お酒がどのように頭痛を引き起こすのか、その原因を探っていきましょう。
1-1.アセトアルデヒドが原因
アセトアルデヒドとは、アルコールを飲んだときに肝臓で作られる有害物質のことです。
体内に入ったアルコールは、胃や小腸で吸収され、肝臓で分解されます。このときに発生するのがアセトアルデヒド。アセトアルセヒドは、酵素の働きで酢酸へと酸化されます。
酢酸は、筋肉や心臓を移動しながらさらに分解され、最終的には炭酸ガスと水になります。これがアルコール分解の一連の流れです。
この流れがスムーズに働けば、頭痛や二日酔いは発生しません。
ところが、一度に大量のアルコールを摂取した場合はどうでしょう。肝臓の分解処理速度は追い付かなくなってしまいます。
結果、発生した大量のアセトアルセヒドは酢酸へ酸化されず、そのまま血中に流れ出てしまうのです。
このアセトアルセヒドこそが頭痛の原因。血管が有害なアセトアルデヒドを排出しようと拡張し、神経押さえつけることで痛みが発生します。人によっては顔が赤くなったり、吐き気や動機を引き起こす場合もあるでしょう。
1-2.脱水症状が原因
お酒を飲むとトイレに行く回数が増える。そんな経験はありませんか?これは、アルコールによる利尿作用で水分が体外に排出されるからです。
有害物質アセトアルデヒドを分解するためには、水分が必要です。つまり、水分が排出されて脱水症状になると、アセトアルデヒドの分解が遅れることになります。
結果的にアセトアルデヒドが体内に残り、頭痛を引き起こすという悪循環が生まれることになるのです。
2.日本酒は頭痛になりやすい?
飲酒による頭痛を防ぐためには、アルコール分解がきちんとおこなわれる適量を守ることが大切です。では、日本酒の適量は一体どのくらいなのでしょうか?
厚生労働省は、1日あたりアルコール20g以下の摂取を適量としています。アルコール20gを酒類ごとにみた分量は、以下のとおりです。
酒類(アルコール度数) | 分量 |
ビール(5度) | 中瓶1本 |
日本酒(15度) | 1合 |
焼酎(25度) | 0.6合 |
ウイスキー(43度) | ダブル1杯 |
ワイン(14度) | 1/4本 |
缶チューハイ(5度) | ロング缶1本 |
アルコール度数の高いお酒は、それだけ分量も少なくなります。こうして比較すると、ビールに比べて日本酒の度数が高いことがよく分かりますね。
つまり、日本酒を度数の低いお酒と同じペースで飲むと、頭痛が起こりやすいと考えられます。
また、日本酒を飲んだときの頭痛が気になるときは分量だけでなく原料成分をチェックしてみるのもおすすめです。
日本酒のなかには、味や香りを調えるために糖類や旨味成分が足されているものもあります。お酒に添加物が含まれていると、アルコールの分解速度が遅くなってしまうのです。
ちなみに、「醸造アルコール」を添加する日本酒は「アル添酒(あるてんしゅ)」と呼ばれることがありますが、醸造アルコールはサトウキビなどを原料にした純度の高いアルコールであり、頭痛の大きな要因ではありません。
「日本酒が体に合わないな」と思うときには、米と米麹、適度な量の醸造アルコールのみで造られるお酒を試してみるのも良いかもしれませんね。
3.お酒を飲むときの4つの頭痛予防法
お酒を飲むときに頭痛を予防するには、次の4つの方法がおすすめです。
- 空腹のままお酒を飲まない
- 和らぎ水(チェイサー)を飲む
- 適量をゆったり楽しむ
- 頭痛予防に効果的なおつまみを選ぶ
せっかくの美味しいお酒、頭痛を心配せず楽しみたいものですよね。「お酒は好きだけどいつも頭が痛くなる」というときも、ぜひ試してみて下さい。
3-1.空腹のままお酒を飲まない
空腹の状態でお酒を飲むと、アルコール成分が胃から急速に吸収されてしまいます。そのまま肝臓に運ばれたアルコールは、分解処理が追い付かず、大量のアセトアルデヒドを発生することに。
結果的に頭痛の原因となるため、飲酒は空腹時を避けるのがおすすめです。すきっ腹にクーッと染み渡るビールも美味しいですが、その前に軽食で胃をカバーするのを忘れずにいたいですね。
3-2.和らぎ水(チェイサー)を飲む
アルコールによる脱水症状を防ぐためには、適度な水分補給が大切です。日本酒の合間に飲む水は「和らぎ水(やわらぎみず)」と呼ばれます。洋酒にあわせるチェイサーと役割は同じです。
食事の合間の和らぎ水には、口内をリフレッシュさせる作用もあります。また、日本酒はもともとアルコール度数の高いお酒。酔うのが心配なときは、あえてロックにしたり、水割りにして楽しむのもひとつの方法です。
3-3.適量を楽しむ
お酒でつらい思いをしないためには、適量をゆっくり楽しむことが大切。一般的に、女性のほうが男性よりもアルコールの分解速度は遅いといわれています。また、年齢や体重、体質によっても適量はさまざまです。
たとえ適量であっても、勧められるままに勢いよく飲んでは気付かぬうちに酔っぱらってしまいます。
二日酔いにならないためにも自分の適量を知り、水や料理と一緒にゆったりお酒を楽しむ余裕を持ちましょう。
3-4.頭痛を防ぐためのおつまみの選び方
頭痛を防ぐためには、おつまみの選び方にもひと工夫。ポイントは、タンパク質・ビタミンB・タウリンを意識することです。
タンパク質が豊富なものを食べる
良質なタンパク質は、肝臓や酵素の働きを活性化してくれます。タンパク質を豊富に含む食材は、肉類や豆類、乳製品などです。
味の濃い料理は、ついついお酒も進んでしまうもの。お酒に合わせるときは、脂質の低いさっぱりしたメニューを選びましょう。
・枝豆、冷奴、チーズの盛り合わせ、とりわさなど
ビタミンBが含まれているものを食べる
ビタミンBは、アルコールを無害な物質に変えるときに必要な成分です。豚肉は、ビタミンBを豊富に含む代表的な食材。魚類では、ブリやサーモン、うなぎなどがおすすめです。
・豚肉のソテー、豚の角煮、豚しゃぶ、うなぎのかば焼き、ぶりの照り焼きなど
タウリンが含まれているものを食べる
アミノ酸の一種であるタウリンは、肝機能を高める効果が期待できます。血圧やコレステロールを下げる作用もあり、二日酔い防止にも効果的な食材です。
タウリンを豊富に含む食材は、貝類にタコやイカ、ブリ、カツオなどがあげられます。タウリンは水に溶けやすいため、汁物や煮物にするのもおすすめです。
・スルメ、タコのカルパッチョ、ブリ大根、しじみの味噌汁など
まとめ
日本酒を飲んだときの頭痛を防ぐためには、適量をゆったり楽しむことが大切です。頭痛だけでなく、二日酔い予防も期待できます。お気に入りのお酒に、和らぎ水とおつまみを添えれば準備ばんたん。ぜひ美味しく健康に、日本酒を楽しんでみてくださいね。