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【2023年最新版】熱燗におすすめの日本酒20選を紹介!熱燗の作り方のポイントも解説

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【2023年最新版】熱燗におすすめの日本酒20選を紹介!熱燗の作り方のポイントも解説

執筆者情報

shiho
お酒とねこでできているライター。日本酒、ウイスキー、ワイン…すべてのお酒をこよなく愛す。酒好きが高じて利酒師免許を取得。 blog「わたしの酒棚」 https://sakadana.net/

監修者

日本酒ラボ編集部
日本酒ラボに携わってから日本酒のおいしさ・奥深さを知り、唎酒師の資格を取得。日本酒ラボを通して、日本酒のおいしさ・楽しさを日本酒にもあまり馴染みがない方にもお伝えしていきます。

日本酒を一定の温度まで温めた「熱燗」。寒い時期にはお家でも熱燗をと思う一方で、なんとなくハードルが高そう…と感じたことはありませんか?

幅広い温度帯で楽しめることこそ日本酒の醍醐味!今回は、熱燗の作り方や温度についてお伝えします。熱燗にするお酒の選び方やおすすめの銘柄もぜひ参考にしてくださいね。

1.熱燗とは50℃に温めた日本酒のこと

日本酒は、温める温度によって以下のように呼び名が変わります。温めた日本酒すべてを表す言葉は「燗酒(かんざけ)」です。

燗酒の呼称

飛び切り燗 55℃
熱燗 50℃
上燗 45℃
ぬる燗 40℃
人肌燗(ひとはだかん) 35℃
日向燗(ひなたかん) 30℃

 

熱燗は、燗酒のなかでもちょっと高めの温度帯。それぞれの呼び名と温度を覚えておくと、飲食店でも燗酒をオーダーしやすくなりますよ。

1-2.冷酒、熱燗による味わいの違い

日本酒は、温度による味や香りの変化が楽しめるお酒です。冷酒(れいしゅ・ひやざけ)のように冷やすと、スッキリとした飲み口が引き立ちフルーティーな香りの日本酒を味わうときにおすすめです。リンゴや洋ナシのようなみずみずしい香りを堪能できます。

一方、日本酒は温めるにつれ、味がなめらかに変化していきます。40℃のぬる燗にすると、米や米こうじ本来の香りがふわりと広がるのが感じられるでしょう。

さらに温度を上げ、上燗、熱燗の温度帯になると、シャープなキレのある味わいが際立ってきます。香りは抑えられ、後口がキリッと引き締まるのが特徴です。

とはいえ、温度はあくまでも目安のひとつ。選ぶお酒によっても味の変化は異なるため、以下の手順やポンイントをおさえつつ、ぜひ自分好みの味わいを見つけてみてください。

1-3.日本酒を熱燗にする手順

「よし、美味しい熱燗を作るぞ!」と、早速鍋に日本酒を入れて火にかけて…という方法はNGです。

熱燗にかぎらず、日本酒を温めるときは徳利(とっくり)などに入れ湯煎にかけるのが理想的。アルコールの沸点は78度のため、直接火にかけるとすぐに香りと風味が飛んでしまいます。

日本酒を入れる容器には、首の部分がくびれたお銚子(ちょうし)や徳利のほか、「ちろり」と呼ばれる持ち手が付いたものがあげられます。以下の手順を参考に、日本酒がお風呂のなかでじんわり温まるようなイメージで熱燗に仕上げましょう。

  1. 徳利に日本酒を入れ、香りが飛ばないよう口にラップをする。
  2. 鍋に水を入れ、徳利をつける。徳利の肩まで水につかるように水の量を調整する。
  3. 徳利を取り出し鍋を火にかける。
  4. 沸騰したら火を止め、徳利を入れる。
  5. 3分ほどそのままつけてできあがり。※途中でゆっくり徳利を振ると中の温度が均一になります。

手軽に楽しみたいときは電子レンジも!

「もっと手軽に熱燗を楽しみたい」という方には、電子レンジで温める「電子レンジ燗」もおすすめです。1合(180ml)あたり500wで約60秒温めれば、電子レンジでも美味しい熱燗ができあがります。

電子レンジ燗のポイントは、加熱ムラを防ぐこと。容器の上と下では温度に差ができやすいため、呑む前にはマドラーなどで必ずひと混ぜすることを忘れないようにしてくださいね。

熱燗

2.熱燗には純米酒や本醸造酒がおすすめ

日本酒には、フルーティーな香りがするものやコクがあるものなど、さまざまなタイプがあります。そのなかでも、燗酒におすすめなのが「純米酒」や「本醸造酒(ほんじょうぞうしゅ)」と呼ばれるお酒です。

純米酒とは、米と米こうじのみを原料に造られるお酒のこと。香りは穏やかでまろやかなコクを楽しめます。温めると旨味が増し、秋のサンマやキノコなど旬の食材とも相性の良いタイプです。

本醸造酒は、醸造アルコールと呼ばれるアルコール分を添加したお酒です。味わいはスッキリと軽く、温度を上げても味のバランスが崩れず温度が高めの燗酒に適しています。

純米酒や本醸造酒といった名称は、日本酒のラベルで確認できます。このほか、「生酛」や「山廃」と書かれているお酒も燗酒向きのタイプが多いため、ぜひチェックしてみてくださいね。

3.熱燗におすすめの日本酒20選

ここからは、熱燗におすすめの日本酒20選をご紹介!しっかり温めることで、より違った魅力が広がる銘柄を用意しました。まずは常温でひと口味わってから、温度で変わる味や香りを感じてみてください。

3-1.あたごのまつ 鮮烈辛口

キリッとした後口のキレがたまらない本醸造酒です。2021年の「燗酒コンテスト お値打ち熱燗部門」では金賞を受賞。1升瓶が1,000円台というコストパフォーマンスの高さも魅力です。冷やすとバナナのような香りがふくらみ、その日の気分に合わせてさまざまな温度帯で楽しめます。

あたごのまつ 鮮烈辛口
あたごのまつ 鮮烈辛口

(出典元:新澤醸造店

3-2.雪男 本醸造

雪男ラベルが印象的なお酒は、スッキリとした辛口タイプ。熱燗にするとシャープな飲み口がより一層引き立ちます。醸造元は、新潟県の青木酒造。辺り一面が白く染まる雪景色を思いながら、熱燗から立ち上る米の香りを堪能してください。

雪男 本醸造
雪男 本醸造

(出典元:青木酒造株式会社

3-3.早瀬浦 純米

漁師町で魚にあわせるお酒として長年愛されている「早瀬浦(はやせうら)」。一本芯が通ったような力強い旨味は、燗酒にしても消えることがありません。コクっと飲んだあとに「うん、うまい」と思わす口にしてしまうような魅力にあふれています。新鮮な刺身、焼き魚、煮魚にあわせるならコレ、とおすすめしたい1本です。

早瀬浦 純米
早瀬浦 純米

(出典元:はせがわ酒店

3-4.岩の井 山廃 辛口純米

「山廃(やまはい)」とは、手間ひまかかる昔ながらの製法のことです。複雑かつ繊細な味わいは、温めるとより奥深さを増します。おすすめポイントは、肉料理やチーズのようなコクのあるメニューと相性が良いこと。旨味と旨味の相乗効果でさらに盃が進みます。

岩の井 山廃 辛口純米
岩の井 山廃 辛口純米

(出典元:CHIBASAKE

3-5.福祝 燗酒純米 無濾過一火

「福祝(ふくいわい)」は、千葉県の地酒です。味わいふくよかで後口はスッキリ。まずは蔵の勧める40~50℃の温度帯で味わってみてください。縁起の良い名前の「福祝」は、祝いの席にもおすすめです。美味しい熱燗とともに、ハレの気分をしみじみと味わってみてはいかがでしょうか。

福祝 燗酒純米 無濾過一火
福祝 燗酒純米 無濾過一火

(出典元:藤平酒造

3-6.宝剣 純米

しっかりとした旨味、コクを堪能できるお酒「宝剣(ほうけん)」の純米酒。飲み飽きしない味わいは、日々の晩酌におすすめです。料理とも相性が良く、サバの味噌煮や煮物のような家庭料理にあわせたい美味しさ。寒い冬にはぜひ燗酒で、その魅力を体感してみてください。

宝剣 純米 広島八反錦
宝剣 純米 広島八反錦

(出典元:大和屋酒舗

3-7.黒龍 九頭龍 純米

純米酒らしいコクと品の良い香り、スッキリ感が共存したお酒です。アルコール度数は若干低く、冷酒でも燗酒でも美味しく楽しめます。合わせる料理もぜひフリースタイルで。おでんや湯豆腐のような和食の定番はもちろん、グラタンやポトフのような洋風メニューもおすすめですよ。

黒龍 九頭龍 純米
黒龍 九頭龍 純米

(出典元:黒龍酒造

3-8.清酒竹鶴 純米

広島県の地酒「竹鶴(たけつる)」の純米酒は、食事と楽しむ熱燗におすすめです。口当たりなめらかで、スルスルと飲み進めてしまいます。後口にじわっと広がる旨味もたまりません。もちろんぬる燗でも美味しいので、「はじめてお家で燗酒にチャレンジしたい」というときにおすすめですよ。

清酒竹鶴 純米
清酒竹鶴 純米

(出典元:竹鶴酒造株式会社

3-9.白瀑 純米 「ど辛」

どどーんと書かれた「ど辛」の日本酒度は+15。日本酒度はお酒の甘辛を示す数値ですが、+1.5からがやや辛口、+6以上が大辛口と呼ばれることを考えると、+15「ど辛」の名前も納得ですよね。

口にした瞬間は「甘くてやさしい?」と思わせておきながら、キレのある味わいがすぐに後を追いかけてきます。燗酒にしても味のバランスが崩れず、コストパフォーマンスに優れた1本です。

白瀑 純米 「ど辛」
白瀑 純米 「ど辛」

(出典元:佐金酒店

3-10.大七 生もと 純米

「生酛(きもと)」も山廃のように、昔ながらの製法で生まれるお酒です。適度な酸味が心地よく、燗酒にすると滋味深い旨味がジワッと広がります。おすすめは、燗酒と肉、魚料理とのペアリング。なかでもすき焼きやブリ大根のような旨味の強い料理と相性抜群です。

大七 生もと 純米
大七 生もと 純米

(出典元:大七酒造株式会社

3-11.貴 特別純米60

「貴(たか)」の特別純米は、柑橘系の心地よい酸味が特徴です。しなやかさのなかに、米の旨味がしっかりと生きています。熱燗にすると、よりシャープでキレのあるお酒へと表情を変えるのが日本酒のおもしろいところ。料理とあわせる食中酒にもおすすめです。

貴 特別純米60
貴 特別純米60

(出典元:永山本家酒造場

3-12.山形正宗 お燗純米

「お燗純米」とあるように、燗酒用に開発されたお酒です。温めたときに美味しく感じられるよう、原料や酵母にこだわり造られています。香りは穏やかでほのかに甘く、丸みのあるやさしい味わい。ぬる燗からやさしく温度を高め、熱燗にしたときの味や香りの変化を感じてみてください。

山形正宗 お燗純米
山形正宗 お燗純米

(出典元:はせがわ酒店

3-13.紀土 純米酒

「紀土(きっど)」は、和歌山県の平和酒造が手がけるお酒です。純米酒は蔵の代表銘柄。思わずほっと肩の力が抜けるような、やさしい旨味と香りにあふれています。熱燗にするとスッキリ感が際立ち、また違った表情に。コストパフォーマンスに優れ、日本酒ビギナーにもおすすめの1本です。

紀土 純米酒
紀土 純米酒

(出典元:うらの酒店

3-14.いづみ橋 「恵」 海老名耕地80%

「いづみ橋」を造る泉橋酒造は、米栽培から醸造まですべてを手がける酒蔵です。「恵(めぐみ)海老名耕地」は、蔵を代表する純米酒。肥料を控えた田んぼから、より良い山田錦を選び抜き原料に使用しています。ドライな味わいは燗酒にぴったり。熱燗まで温めると、山田錦の清らかな味わいがより一層引き立ちます。

いづみ橋 「恵」 海老名耕地80%
いづみ橋 「恵」 海老名耕地80%

(出典元:泉橋酒造株式会社

3-15.鳳凰美田 剱 辛口純米酒

香り高い「鳳凰美田(ほうおうびでん)」のなかでも、ドライな味わいが際立つ1本です。口に入れた瞬間に芳醇な旨味が広がり、スッと静かに引いていきます。適度に温めれば、よりやさしい味わいに。熱燗にすれば、スパッとキレる辛口の醍醐味を堪能できます。

鳳凰美田 剱 辛口純米酒
鳳凰美田 剱 辛口純米酒

(出典元:矢島酒店

3-16.にいだしぜんしゅ 燗誂(かんあつらえ)

蔵に住み着く自然の酵母が生み出すお酒「にいだしぜんしゅ 燗誂(かんあつらえ)」。できあがってから1年間蔵で熟成させ、やさしい旨味を実現しています。熱燗にそっと口を付ければ、自然酒の温かさと香り、旨味がじんわりと体に染み渡るはず。飾り気のない味わいにファンも多い銘柄です。

にいだしぜんしゅ 燗誂(かんあつらえ)
にいだしぜんしゅ 燗誂(かんあつらえ)

(出典元:仁井田本家ネットショップ

3-17.天狗舞 山廃仕込 純米酒

「天狗舞(てんぐまい)」は、昔ながらの製法で生まれる山吹色のお酒です。山廃仕込みは、蔵のこだわりと伝統の技が活きる1本。山廃らしい酸味とコクが絶妙なハーモニーを織りなします。石川県の地酒として広く知られ、燗酒好きへの贈り物にもおすすめです。

天狗舞 山廃仕込 純米酒
天狗舞 山廃仕込 純米酒

(出典元:日本酒といえば地酒 天狗舞

3-18.日高見 超辛口 純米酒+11

魚でやるなら日高見だっちゃ!が合言葉の「日高見(ひたかみ)」。なかでも超辛口をうたう純米酒は、辛さのなかにコクと旨味が感じられる1本です。熱燗まで温めれば、さらに魅力がパワーアップ。思わず「くーっ」とうなってしまうような熱燗好きにはたまらないキレ味を楽しめますよ。

日高見 超辛口 純米酒+11
日高見 超辛口 純米酒+11

(出典元:株式会社マツザキ

3-19.庭のうぐいす おうから

福岡県の地酒「庭のうぐいす」。熱燗におすすめのこちらは「おうから」とあるように、辛口タイプのお酒です。原料には、高級酒米山田錦を使用。後口には、ふんわりと米の旨味が広がります。ちなみに、鶯辛の「鶯」はうぐいすのこと。「大辛」とかけあわせた、遊び心あふれる1本です。

庭のうぐいす おうから
庭のうぐいす おうから

(出典元:山口酒造場

3-20.墨廼江 特別純米

「墨廼江(すみのえ)」が目指すのは、きれいでキレがあり、気品があるお酒。穏やかな香りとクリアな味わいに、ついついもう1杯と盃が進みます。冷酒に常温、そして熱燗と幅広い温度帯で楽しめることも魅力。燗酒にしても変わらないクリアな味わいを堪能できます。

墨廼江 特別純米
墨廼江 特別純米

(出典元:さぶん酒店

まとめ

熱燗は、50℃まで温めた日本酒を表す言葉です。高い温度まで温めることで、お酒のキレ味が引き立ちます。

お家で燗酒を作れば、その味と香りの変化に驚くはず。熱燗は冬のものと思われがちですが、日本酒通のなかには「お酒は夏でも燗」という燗酒好きも少なくありません。飲食店でも、お家でも。ぜひ気軽に燗酒の世界を楽しんでみてくださいね。