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世界中から愛される日本酒「梵(ぼん)」の種類・ラインナップを紹介

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世界中から愛される日本酒「梵(ぼん)」の種類・ラインナップを紹介

執筆者情報

shiho
お酒とねこでできているライター。日本酒、ウイスキー、ワイン…すべてのお酒をこよなく愛す。酒好きが高じて利酒師免許を取得。 blog「わたしの酒棚」 https://sakadana.net/

日本酒「梵(ぼん)」は、福井県から世界へと羽ばたくお酒です。世界各国で商品登録されているほか、数多くの大使館などに輸出されています。米と米麹のみで造る純米酒にこだわった味わいは、国内でも多くの日本酒ファンに愛されてきました。

今回は、梵の魅力を徹底解説!「梵ってどんなお酒?」「どうしてそんなに人気なの?」という疑問にお答えするべく、豊富なラインナップの数々もご紹介します。

目次

1.「梵」とは

福井県鯖江の地で生まれ、世界でも広くその名が知られる日本酒「梵(ぼん)」。米と米麹のみで造られた透明感あふれる味わいは、世界各国で高く評価されています。梵ブランドを商品登録する国や地域は、およそ100以上。さらに、約70カ国の大使館や領事館にも輸出されています。

2022年(令和4年)にロンドンで開催された「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)」では、SAKE部門でゴールドメダルを受賞。ロサンゼルスの「国際ワイン・スピリッツコンペティション」では、最高賞となるベストオブクラスに輝きました。

梵が各界で高く評価される理由として挙げられるのが、和食はもちろん、洋食にもそっと寄り添う清らかな美味しさです。香りは上品で、口当たりはシルクのようになめらか。後口に残るやわらかな余韻が料理の味わいを引き立てます。

「飲みやすさ」と「本物の美味しさ」が共存した梵は、日本酒を飲み慣れない方にもおすすめの銘柄といえるでしょう。

2.梵を造る「加藤吉平商店」

梵を造る「加藤吉平商店(かとうきちべえしょうてん)」は、1860年(万延元年)から酒造りを始めた酒蔵です。当初「梵」の名は、最高級のお酒だけにつけられた名前だったといいます。1963年(昭和38年)には、すべてのお酒の名を梵に統一。国内外の式典やイベントでその名は広く知られることとなります。

加藤吉平商店が重視しているのは、添加物を加えない”純米酒”のみを手造りすることです。原料米には、酒米の王様といわれる「兵庫県特A地区産契約栽培山田錦」と「福井県産五百万石」が使用されています。クリアな味わいを生み出すため、米をなるべく小さく精米することもこだわりのひとつです。

米と並び、日本酒の味わいを大きく左右する水には、地下約184mからくみ上げた井戸水を使用。さらに、お酒をマイナスの温度帯でじっくり熟成することで、果実のように華やかな香りを引き出しています。

熟成期間は、長いもので10年以上にもおよぶそう。さらに、急激な温度変化を起こさないよう梱包も冷たい予冷庫でおこなうなど、美味しい日本酒を飲み手に届けるためのさまざまな創意工夫がなされています。

3.梵が造る日本酒の種類・ラインナップ

梵のラインナップには、米と米麹、水のみで造られた純米酒が並びます。なかでも、純米吟醸酒や純米大吟醸酒は、フルーティーな香りとクリアな飲み口を楽しめる銘柄です。

そのほか、季節のお酒やスパークリング酒、梵こだわりの長期氷温熟成酒も見逃せません。ここからは、26銘柄を一挙ご紹介します!

3-1.フランス製の木製樽でじっくり熟成「梵・天使のめざめ」

“パイナップル・すももちゃん酵母”という、かわいらしいネーミングの酵母を使用。さらに、フランス製の樫樽(かしだる)で氷温熟成させた甘酸っぱいお酒です。

樫樽は、本来ウイスキーやブランデーを熟成させる樽。梵を小さなグラスに入れて手のひらで包めば、魅惑的な香りと味わいが静かに目を覚まします。

梵・天使のめざめ

(出店元:加藤吉平商店

3-2.究極の純米大吟醸酒「梵・超吟」

原料米は、特に質が良いとされる「兵庫県特A地区」の山田錦。さらに、米を小さく精米し中心部分20%だけを使用した梵の代表銘柄です。気品あふれる香りとなめらかな口当たり、静かに続く伸びやかな余韻は、まさに美酒のひとこと。大切な席の乾杯にもふさわしい一品です。

梵・超吟

(出店元:加藤吉平商店

3-3. 燗酒で楽しむ上質な旨味「梵・団」

梵の味わいを燗酒で楽しみたいときはこちら。「団」と名付けられた純米大吟醸がおすすめです。温めるほどに立つ旨味は、出汁のきいた和食と好相性。なかでも、福井の冬の味覚、越前ガニとのペアリングはたまりません。精米歩合は20%と、米の外側を8割削りながら芳醇かつ上品な旨味を実現しています。

梵・団

(出店元:加藤吉平商店

3-4.人生の勝利者に捧げる一献「梵・夢は正夢」

日本酒の容量は4合(750ml)や1升(1800ml)が多いなか、こちらの梵は1L(1000ml)。ずっしり重たいその姿は、人生の勝利者(オンリーワン=1)をたたえるトロフィーを表しているといいます。

甘美な香りが鼻をくすぐるものの、味わいはしっとりとなめらか。夢の実現を願う1杯はもちろん、夢が叶った喜びに浸るお酒としてじっくり味わいたくなる美味しさです。

梵・夢は正夢

(出店元:加藤吉平商店

3-5.日本政府専用機で世界へ「梵・日本の翼」

「日本の翼」と名付けられたこちらの梵は、日本政府専用機の正式機内酒に採用されたお酒です。精米歩合の異なる純米大吟醸を2種類ブレンドし、低温で約2年間熟成させています。

引っかかりのないスムースな飲み口と香り、後口のキレのバランスは実に絶妙。“Wing Of Japan”の名のとおり世界へ羽ばたき、多くの人を魅了した味わいをぜひ一度お試しください。

梵・日本の翼

(出店元:加藤吉平商店

3-6.梵のロングセラー「梵・極秘造大吟醸」

日本で初めて販売された純米大吟醸です。販売当初の精米歩合は40%。一粒の米を半分以上削って仕込むお酒は、当時の最高峰のクオリティでした。

透明感のある旨味と華やかな香りは、もちろん現在も健在。梵のロングセラー商品として多くの人々を魅了し続けています。

梵・極秘造大吟醸

(出店元:加藤吉平商店

3-7.福井のオリジナル酒米を使用「梵・さかほまれ 磨き三割五分」

原料米は山田錦と五百万石のみとしている加藤吉平商店が、福井県の新酒米「さかほまれ」を使って造り上げたお酒です。

さかほまれは、約8年の歳月をかけ開発された福井県独自の酒米。「梵・さかほまれ 磨き三割五分」の販売当初は、福井県内の酒蔵でさかほまれを使ったお酒がそろってリリースされました。ぜひ福井の名産品とあわせて、地元愛あふれる味わいを楽しんでみてください。

梵・さかほまれ 磨き三割五分

(出店元:加藤吉平商店

3-8.気高く美しい味わいを「梵・寒椿」

ひんやり静かな雪景色のなか、凛と花開く一輪の椿。梵の「寒椿」は、そんな風景を思わせる気品あふれる味わいです。和風の外箱にお酒を包む和紙と、外装にも和の要素がたっぷり。日本酒を贈り物にするときにも、ぜひおすすめしたい銘柄です。

梵・寒椿

(出店元:加藤吉平商店

3-9.芳醇旨口の味わいは好みの温度帯で「梵・特撰純米大吟醸」

梵の純米大吟醸の定番といえる1本です。0度以下で1~2年氷温熟成させたお酒がブレンドされています。

味わいはしっかりと輪郭のある芳醇旨口タイプ。香り高い純米大吟醸は冷たく冷やすことが多いものの、こちらの梵はぬる燗で味わうのもおすすめです。ぜひ、好みのおつまみを用意して楽しんでみてください。

梵・特撰純米大吟醸

(出店元:加藤吉平商店

3-10.清涼な水のような美しさ「梵・地球」

「地球(ほし)」と名付けられた梵が目指したのは、地球にとって一番大切な「水」。スーッと喉を通り過ぎ体に染み渡る味わいは、まさに清涼な水のようです。

ブルーのボトルデザインは、過去に世界的なワインコンペティションでゴールドメダルを受賞。味わい、装いともに梵のセンスが光り輝く1本です。

梵・地球

(出店元:加藤吉平商店

3-11.飲み飽きしない上質な味わい「梵・吉平」

屋号である「吉平(きちべえ)」と名付けられたこちらは、手間ひまかかる古来からの製法「生もと造り」で仕込まれています。

芳醇かつ繊細な味わいは、日々の食卓を彩るお酒にぴったり。飲み飽きせず、スイスイと盃が進みます。バターやチーズを使ったコクのある料理にあわせるのもおすすめです。

梵・吉平

(出店元:加藤吉平商店

3-12.季節にあわせて艶めく味わい「梵・艶」

ラベルに描かれているのは、七色にきらめく艶(つや)の文字。中に詰められているのは、マイナスの温度環境で約1年間熟成させたお酒です。

じっくりと寝かせたぶん、口当たりはマイルドで香りはおだやか。季節の料理にそっと寄り添う、やわらかな味わいを堪能できます。

梵・艶

(出店元:加藤吉平商店

3-13.世界一の味わいを食卓に「梵・吟撰」

2010年の「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)」で、最高賞となる「チャンピオン・サケ」を受賞。そのほか、数々の名だたる賞に輝いた純米大吟醸です。

旨味がしっかり乗りつつ後口は爽やか。1本あたり1000円台と、求めやすい価格設定も魅力のひとつです。

梵・吟撰

(出店元:加藤吉平商店

3-14.福井の酒米の魅力を堪能「梵・五百万石無濾過純米大吟醸」

地元福井が誇る酒米「五百万石」で造られた純米大吟醸です。搾りたてのお酒を、マイナス10度の超低温な環境で約1年間熟成させています。

火入れと呼ばれる加熱殺菌処理は、出荷前の1度だけ。フルーティーな香りとふくよかな旨味、スムースな飲み口を堪能できる一品です。

梵・五百万石無濾過純米大吟醸

(出店元:加藤吉平商店

3-15.無濾過で淡い黄金色の純米大吟醸酒「梵・ゴールド」

透明瓶におさめられているのは、薄黄金色の液体。金色に輝くラベルにボトルキャップと、華やかな見た目に心躍る1本です。

お酒が黄金色に色づいているのは、一般的におこなう「ろ過」をしていないから。鼻から喉へと抜ける清らかな香りと芳醇な旨味、やわらかな余韻をぜひ堪能してみてください。

梵・ゴールド

(出店元:加藤吉平商店

3-16.本格的な味わいを気軽に楽しめる「梵・純粋」

梵の美味しさを気軽に楽しめる飲み切りサイズの純米大吟醸です。中には、加熱処理をせず生のまま瓶詰し、0度以下で1年間熟成させたお酒が詰められています。「梵の味わいを試してみたい」「外出先で梵を美味しく味わいたい」というときにおすすめの商品です。

梵・純粋

(出店元:加藤吉平商店

3-17.乾杯シーンを華やかに彩る「梵・プレミアムスパークリング」

シュワッとした発泡感を楽しめるスパークリング酒です。精米歩合は20%と、厳選した米をより小さく精米し洗練された味わいを生み出しています。

お酒が詰められているのは、フランス製のシャンパン瓶。乾杯のシーンを華やかに彩る1本は、祝いの席やパーティーにおすすめです。

梵・プレミアムスパークリング

(出店元:加藤吉平商店

3-18.フレッシュで飲みごたえのある逸品「梵・無ろ過生原酒」

「無ろ過生原酒」とは、ろ過や火入れ、加水をしていないお酒のこと。できたてそのままのフレッシュな味わいを堪能できる1本です。

瓶に詰められているのは、一番質がよいとされるお酒を搾る際の中間部分「中取り」。しっかりと飲みごたえのある美味しさと伸びやかな香りは、ぜひ適度に冷やしてお楽しみください。

梵・無ろ過生原酒

(出店元:加藤吉平商店

3-19.福井県産五百万石にこだわった生原酒「梵・五百万石 無濾過 生原酒」

福井県産の酒米「五百万石」を使用した無ろ過生原酒です。超低温環境でじっくりと寝かすことで、まろやかな旨味と豊かな香りを実現しています。山田錦を使った無ろ過生原酒と並べ、味の違いを楽しむのもおすすめです。

梵・五百万石 無濾過 生原酒

(出店元:加藤吉平商店

3-20.うっすら白い活性生酒「梵・ささ雪(酒雪)」

うっすらと白く濁る、芳醇旨口タイプのお酒です。加熱殺菌処理をしていない生酒のため、シュワッとした微発泡感を楽しめます。口当たりなめらかで旨味はやわらか。梵らしい気品あふれる香りも存分に楽しめる、冬におすすめの1本です。

梵・ささ雪(酒雪)

(出店元:加藤吉平商店

3-21.搾りたての美味しさそのままに「梵の初雪しぼりたて山田錦」

梵は氷温熟成が基本となるなか、搾りたての新鮮な美味しさを楽しめる1本です。新酒が搾られる冬季限定でリリースされています。飲みごたえのある芳醇旨口タイプの味わいは、ロックのほか、ぬる燗で楽しむのもおすすめです。

梵の初雪 しぼりたて山田錦

(出店元:加藤吉平商店

3-22.五百万石の旨味を感じる「梵の初雪しぼりたて五百万石」

五百万石の新米を小さく磨き、上品な香りを生み出した季節限定のお酒です。うっすらと白いにごり酒に仕上げられています。

さわやかな香りの後に広がるのは、五百万石の豊かな旨味。ぜひ、キリッと冷やして旨味と香りのハーモニーをお楽しみください。

梵の初雪 しぼりたて五百万石

(出店元:加藤吉平商店

3-23.搾りたての旨さを封じ込めた原酒「梵・五百万石 無濾過 原酒」

キリッと冷やした冷酒はもちろん、ロックに燗酒と好みのスタイルで楽しめる純米吟醸です。加水調整していない原酒のため、しっかりとした旨味があり、どんな温度帯でも味のバランスが崩れることがありません。

意外なところでは、ライムを入れた日本酒カクテルもおすすめ。ぜひ、気軽に梵の美味しさを楽しんでみてください。

梵・五百万石 無濾過 原酒

(出店元:加藤吉平商店

3-24.和食にあわせたい豊かな味わい「梵・ときしらず」

和食好き、日本酒好きに愛される梵の銘品です。氷温熟成させたお酒をブレンドし、奥深い味と香りを実現しています。まろやかな口当たりとこっくりした味わいは、燗酒好きにもおすすめ。ぜひ、湯気から立ち上る米の旨味を堪能してみてください。

梵・ときしらず

(出店元:加藤吉平商店

3-25.1日の終わりに燗で楽しみたい「梵・純米55」

燗酒好きにおすすめしたい梵といえばこちら「純米55」です。しっかりとしたコクがありつつ、後味はスパッとキレよく、温度が上がるほど魅力的な旨味を放ちます。求めやすい価格設定で1升瓶も販売されているため、自宅に美味しい日本酒をキープしておきたいという方にうれしい商品です。

梵・純米55

(出店元:加藤吉平商店

3-26.秋の味覚と相性ばつぐん「梵・純米吟醸 ひやおろし」

「ひやおろし」とは、冬に搾ってからひと夏寝かし、秋に出荷するお酒のこと。梵のひやおろしは、氷温熟成させることで品のある香りと奥深い味わいを生み出しています。

芳醇旨口タイプのひやおろしは、旨味たっぷりの秋の味覚とも好相性。燗酒にしてしっとり楽しみたくなる豊かな味わいです。

梵・純米吟醸 ひやおろし

(出店元:加藤吉平商店

まとめ

日本を飛び出し、世界各国で愛される日本酒「梵」。その味わいには、日本の文化ともいえる米へのこだわりと地元福井県への愛情があふれています。

日常酒として楽しめる1本から贈答用にふさわしい1本まで、幅広いラインナップも魅力のひとつ。ぜひ、思い思いのスタイルで世界が認めたJapaneseSake「梵」の味わいを楽しんでみてください。