美味しいものも保存方法を間違うと台無しになってしまいます。日本酒も例外ではなく、保存方法には気をつけなくてはいけません。
日本酒には賞味期限が書かれておらず、長期保存に向いている飲み物であることが知られています。
しかし正しい保存方法でなければ長期保存に向いている日本酒でさえ飲めない状態になってしまうこともあります。しっかりと保存の仕方を学んでいきましょう!
目次
1.日本酒の保存のポイントは「光・温度・空気」
日本酒は種類によって保存方法が少し変わってきますが、基本的に冷暗所で保管するのがポイント。冷暗所とは、一定に低い温度で保たれた、日の当たらない暗い場所のことです。1~15℃くらいの場所のことをいいます。
よく冷暗所と呼ばれる場所は、床下や流しの下などです。ちょうどいい冷暗所がないときには、発泡スチロールの容器を使う人もいます。日本酒の保存に冷暗所が適している理由を見ていきましょう。
1-1.日本酒は光に弱い
日本酒の大敵である光。それは紫外線が出ているからなのです。紫外線が出ているのは日光だけではなく、蛍光灯などからも出ているので、室内に置いてあるからといって安心してはいけません。
日本酒の専門店などで冷蔵庫のライトが消えているのは、つけ忘れているのではなく、紫外線を防ぐためだったのですね。たった数分でも日向香(ひなたか)という、匂いの原因になってしまうため要注意。どうしても光を遮ることができないときは、新聞紙で日本酒の瓶を巻くといいでしょう。未開封でも開封後でもとにかく日本酒は光から守ることが大切なのです。
瓶に色がついている理由
日本酒の瓶は緑や茶など濃い色が多くなっています。このように濃い瓶の場合は、紫外線の吸収率がいいため、劣化しにくいといえます。しかし最近は透明や薄い青などでフレッシュな日本酒の印象を与えたり、女性人気の高い日本酒はピンクなど可愛らしい色で売り出したりしているものもあります。このように、薄い色の瓶は光から守ってくれるものがないため、劣化しやすくなっているので、より慎重に保存しなくてはなりません。
1-2.温度の変化で劣化する
温度も紫外線と同じくらい日本酒の味などに影響します。急激な温度変化にも弱い日本酒は、一定の温度に保たれた場所で保管するのが基本です。高温になると、老香(ひねか)という劣化した匂いがしてきます。温度と同じく湿度も保たれた場所で保管しましょう。
日本酒のキャップは金属製のことが多いため、湿度が高いと錆びる原因になります。まれにコルクの栓がしてあることがあります。コルクの場合は乾燥しすぎると、よくないため湿度が高めの場所で保存する方がいいでしょう。
1-3.空気に触れると劣化する
日本酒を開けたあとに劣化する理由は酸化するからです。酸化は空気に触れるたびに起こります。日本酒が瓶に詰められるときは真空状態ですが、開けると気をつけても空気に触れないというのは無理です。空気に触れることで、香りや旨味が生まれる種類の日本酒もありますが、開けてから1週間以上経つと酸化してしまうので開封後はなるべく早く飲みきりましょう。
ここがPOINT!
- 日本酒の保存は冷暗所(1~15℃くらいの場所)が基本
- 日本酒は「紫外線」「温度変化」「空気」に弱い飲み物
2.日本酒は縦に置く?横に置く?
日本酒を保管するときは縦置きが基本です。サイズによっては横向きにしないと入らないなんてこともあるかもしれませんが、横向きにするとキャップに日本酒が触れることで味が変化してしまう可能性が。
また縦に置いたときよりも、横の方が空気に触れる面積が増えるため、酸化が早くなってしまうのです。ちなみにワインの空気抜きは日本酒にも使えることがあります。酸化を防ぎたいときは使ってみてはいかがでしょうか。
ここがPOINT!
- 日本酒を保管するときは縦置きが基本
3.日本酒は冷蔵庫に入れる
生酒や吟醸酒、開封後の日本酒は冷蔵庫で、生貯蔵酒と記載がない純米酒・本醸造酒・古酒などは常温でもOKといわれることがありますが、実は日本酒はマイナス5度が最適な環境なのです。
そのためできれば常に冷蔵庫で縦置きにして保存するのがおすすめ。冷蔵庫ではマイナス5度にはなりませんが、常温よりも良い状態を保つことが可能です。
また「光を防ぐ」効果もあるため、可能な限り冷蔵庫で保存しましょう。
ここまで紹介した保存方法を簡単にまとめてみます。
保存方法 | 理由など |
光を避ける | 紫外線で劣化するため |
温度差を避ける | 急激な温度変化で劣化するため |
空気を避ける | 空気に触れると劣化するため |
縦置きにする | キャップに触れると劣化するため |
最適な温度 | マイナス5度が日本酒に最適です! |
4. マイナス5度保管にこだわるなら日本酒セラーが最高!
マイナス5度が日本酒の保管に適していることはわかりましたが、冷蔵庫の温度をご存知ですか?
冷蔵庫の種類によって差はありますが、冷蔵室は3~5度、ドアポケット部分は6~9度、チルドは0度前後、野菜室は3~7度、冷凍室は-20~-18度となっています。
こうして温度をみると日本酒にぴったりのマイナス5度の空間が冷蔵庫にはないことがわかります。
いったいどこに保管すればいいのかと悩んでいる日本酒通の皆さん!実は日本酒専用のセラーが発売されています。たくさんの日本酒をそろえている人や、日本酒にこだわりのある飲食店の皆さんには日本酒セラーをおすすめします。
ここがPOINT!
- 日本酒を大事に保管するなら、紫外線を遮断できて温度管理も完璧な日本酒セラーがベスト!
5.まとめ
日本酒はただ置いておくだけではダメなのです。せっかく購入してきた日本酒ですので、美味しく飲めるように保存方法にも気を配りましょう。紫外線から守り、温度や湿度にも気を配ります。
そして日本酒の保管は-5度が最適。
冷蔵庫には-5度という環境が残念ながらありません。美味しい状態で常に日本酒を楽しみたい人は、日本酒セラーも考えてみてはいかがでしょうか。
日本酒の繊細な味わいを変化をさせないためには、「温度(−5℃)・縦置き・紫外線対策」が整った最適な保管環境が必要です。 蔵元も実践している環境を”美味しいお酒体験を届ける日本酒セラー SAKE CABINET”で実現しました。
ここがPOINT!
- 日本酒の保存は冷暗所(1~15℃くらいの場所)が基本
- 日本酒は「紫外線」「温度変化」「空気」に弱い飲み物
- 日本酒を保管するときは縦置きが基本
- 日本酒を大事に保管するなら、紫外線を遮断できて温度管理も完璧な日本酒セラーがベスト!