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佐賀から世界に評価をされる酒へ。「鍋島」を解説!

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佐賀から世界に評価をされる酒へ。「鍋島」を解説!

日本酒のなかでも、年月を追うごとに存在感を増しているのが鍋島です。鍋島は品質の高さに定評があり、話題性は海外にまで及びます。日本酒好きなら1度は飲んでみたい銘柄です。

今回は鍋島の詳細、各種類の特徴を解説していきます。読むだけで鍋島の魅力がわかるので、参考にしてみてください。

1.日本酒の鍋島とは

鍋島は佐賀県で酒造されている日本酒です。誕生したのは1998年のこと。日本酒としてはまだ歴史の浅い銘柄です。しかし、職人の探求心と熱意により、王道的な銘柄に負けない品質を誇っています。

とくにこだわられているのは原料。地元の米と水を活かし、国内外に通用する地酒を目指して作られています。佐賀の美味しいお酒の代名詞といえるのが鍋島です。

1-1.酒造元について

鍋島の酒造元は富久千代酒造です。佐賀県南部の鹿島市に蔵を構えています。創業は大正時代。もとの社名は「盛寿」でしたが、戦争の混乱を生き残ったおりに富久千代と改称されました。

業界のなかでは生産量が少なく、小規模蔵として知られています。しかし、3代目の蔵元である飯盛直喜氏は小規模蔵では将来的な存続が難しいと判断。生き残りをかけて地元の人たちと協力して生み出したのが鍋島です。その判断は見事成功し、鍋島はコンペで賞を受賞するほどに至っています。

富久千代酒造有限会社
佐賀県鹿島市浜町1244-1
TEL.0954-62-3727
公式サイト(https://nabeshima.biz/

1-2.鍋島という名の由来

鍋島という名前は江戸時代の佐賀藩藩主「鍋島氏」に由来しています。鍋島氏は300年近くに渡って佐賀藩を統治していました。銘柄名としての鍋島も長く愛されるようにとの意味が込められています。名付け親は開発時に行われた企画の一般公募者です。商品名としての採用は鍋島氏の子孫の方からも許可を得ています。

高い品質を維持し続け、今なお進化を続けているのが鍋島です。日本だけにとどまらず、世界中の日本酒ファンから評価されています。

2.鍋島の種類と値段について

鍋島には製造法によって種類が分かれています。詳しい特徴や値段は以下のとおりです。

2-1.大吟醸

精米歩合 酒米(麹米/掛米) 価格
35% 山田錦 1800ml 5940円 (税込)

評判

大吟醸は元祖鍋島ともいえる存在です。鍋島ブランドが開発された当初から販売されています。日本酒らしい辛さと、芳醇な香りが特徴。さっぱりした口当たりなので、食中酒として最適です。和洋中問わず、どんな料理にも合います。

2011年に行われたインターナショナルワインチャレンジでは、日本酒部門で最優秀賞「チャンピオン・サケ」を受賞。鍋島の名前を世界に届けた名品です。

鍋島大吟醸

(出典元:鍋島公式サイト

2-2.雫取 純米大吟醸

精米歩合 酒米(麹米/掛米) 価格
35% 山田錦 720ml 11,000円

評判

雫取は鍋島のなかでも最高級の銘柄です。圧力をかけずに慎重に米を絞り、角の取れた味わいに仕上がっています。鍋島の良さを凝縮した完成度です。一口飲めば、豊かな旨味と香りがゆっくりと染み渡ります。

高級感のある風味はゆっくり日本酒をたしなみたいときにおすすめ。休日の晩酌や誕生日などの特別な日にいただきたい1本です。

鍋島 雫取 純米大吟醸

(出典元:楽天市場

2-3.純米大吟醸 山田穂

精米歩合 酒米(麹米/掛米) 価格
40% 山田穂 1800ml 10670円 (税込)

評判

山田穂は年に1度出荷される貴重な鍋島です。銘柄名の元である「山田穂」は酒米の王道「山田錦」の先祖といえる品種。香りの高さと酸味のあるフレッシュな口当たりが特徴です。純米らしさを感じられます。

軽い飲み口なので、平日の晩酌などにぴったり。飽きることなく、日常的に日本酒を楽しむことができます。

鍋島純米大吟醸 山田穂

(出典元:鍋島公式サイト

2-4.純米吟醸 雄町

精米歩合 酒米(麹米/掛米) 価格
50% 雄町 1800ml 3850円 (税込)

評判

雄町は鍋島らしさが一番出ていると評判の銘柄です。名前のとおり、高品質の酒米として知られる雄町を原料に採用。濃厚な米の旨味がありながら、後味の良さが魅力です。香りも良く、白いワインに似たフレッシュな匂いが鼻を抜けます。

雄町は国内だけではなく海外評価も高いのが特徴です。それだけ万人に愛される味わいといえます。日本酒が苦手な人にも、ぜひチャレンジしてもらいたい1本です。

鍋島純米吟醸 雄町

(出典元:鍋島公式サイト

2-5.純米大吟醸 きたしずく

精米歩合 酒米(麹米/掛米) 価格
40% きたしずく 1800ml 6050円 (税込)

評判

きたしずくは鍋島のなかでも、味わいのバランスがいいといわれる銘柄です。酒米の「きたしずく」は雄町を片親にしている品種。雄町由来の甘みはそのままに、ほのかな余韻が残るのが特徴です。口にすると透明感が広がり、徐々に米の旨味が大きくなります。

香りは柑橘系に似ており、女性でも飲みやすい日本酒です。徳利よりもグラスが似合う上品な日本酒といえます。

鍋島純米大吟醸 きたしずく

(出典元:鍋島公式サイト

2-6.純米吟醸 五百万石

精米歩合 酒米(麹米/掛米) 価格
50% 五百万石 1800ml 3300円 (税込)

評判

山田錦に並ぶ酒米「五百万石」を使った純米吟醸です。鍋島の他の吟醸酒に比べると、爽やかなテイストになっています。口の中を洗うような清涼感があり、肉料理との相性抜群。日本酒らしいキレが食をぐんぐん進めてくれます。

やや辛めのほうが好みという人は五百万石がぴったりの銘柄です。玄人もうならせる本格的な味わいが楽しめます。

鍋島純米吟醸 五百万石

(出典元:鍋島公式サイト

2-7.吟醸 Summer Moon

精米歩合 酒米(麹米/掛米) 価格
50% 山田錦 1800ml 3300円 (税込)

評判

Summer Moonは名前のとおり、夏の夜に飲むことをイメージして作られた銘柄です。心地よい酸味と甘みのバランスが魅力。暑い季節の喉を爽やかに潤してくれます。鍋島のなかでも、ダントツで飲みやすいお酒です。

柔らかな味わいなので、ほんのり塩の効いた珍味とあわせるといいでしょう。シンプルな野菜料理と一緒に飲むのもおすすめです。

鍋島吟醸 Summer Moon

(出典元:鍋島公式サイト

2-8.特別純米酒

精米歩合 酒米(麹米/掛米) 価格
55% 山田錦 1800ml 2970円 (税込)

評判

特別純米酒は大吟醸と同じく、鍋島のなかでは歴史の古い銘柄です。2002年に行われた国際酒祭りでは、純米酒部門にて日本一に輝きました。自他ともに認める最高品質の鍋島です。原料の良さがわかる香り高さと、抜群のキレが特徴。玄人好みの味わいです。

米の旨味が強く、純米酒らしい厚みが感じられます。夏場は冷酒、冬場は熱燗にして飲みたくなる1本。季節を問わず楽しめる日本酒です。

鍋島特別純米酒

(出典元:鍋島公式サイト

3.鍋島の購入方法

ここまでの解説で鍋島の購入意欲が高まった人も多いことでしょう。鍋島を購入する方法はいくつかパターンがあります。詳しくは以下を参考にしてみてください。

3-1.鍋島が購入できる実店舗

鍋島は生産量が少ないため、一般的なスーパーや量販店では取り扱いがほほありません。実店舗で購入するのであれば、各酒屋をめぐるといいでしょう。関東近郊であれば、以下の店舗で取り扱いがあります。

ヤマザキヤ
田島屋酒店

上記以外にも近隣の酒屋に問い合わせれば、在庫確認や仕入れを行ってくれることがあります。また、もっと手軽に購入したい人は次の項目で紹介する通販サイトを利用してみるといいでしょう。

3-2.鍋島が購入できる通販サイト

鍋島は各通販サイトでも購入することができます。ただし。Amazon・楽天といった大手通販サイトは正規価格ではないことがあるので注意が必要。他のお酒も一緒に買うのであれば、酒店が運営しているオンラインショップがおすすめです。以下は一例となります。

うらの酒店
酒泉洞掘一
いずみや

上記の他にも鍋島を取り扱うオンラインショップはいくつもあります。自分が使いやすいショップで購入してみてください。

4.鍋島の美味しい飲み方・楽しみ方

鍋島の美味しい飲み方は冷酒にすることです。冷酒にすることで日本酒らしいキレ、米の雑味のない旨味を味わえます。グラスを使って飲むと、香りがダイレクトに鼻を抜けるのでおすすめです。とくに吟醸酒系は最初は冷酒にすると本来の美味しさを感じられます。

ただし、冷酒にするのはあくまでも基本の飲み方です。季節に応じて常温や熱燗で楽しむのもアリでしょう。どんな飲み方をしても鍋島の品質の良さを実感できます。

4-1.-5度で保管?

購入した鍋島を保管するときは-5度の環境にするのが理想です。醸し人九平次をはじめ、多くの日本酒は熱によって劣化する特性があります。-5度は日本酒が凍らないギリギリの温度。劣化を最小限に抑え、長く品質を維持できます。

ただし、一般の家庭で−5度の環境を用意するのは難しいです。予算がある人は専用の日本酒セラーを購入するといいでしょう。難しいときは冷蔵庫など、常に温度が一定になっている日陰に保管してください。

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5.鍋島の期間限定品

鍋島には期間限定の銘柄がいくつかあります。そのなかでも通に人気なのが「鍋島 隠し酒」です。2月のみの限定出荷の銘柄。もろみ絞りの際に出る最初と最後の部分を特別に瓶詰めにしています。本来は下級クラスの銘柄に混ぜられる部分です。

飲めばクリアな味わいと、ゆるやかなキレを感じられます。高級酒ほどの厚みはないものの、飲みやすい1本です。別名「裏鍋島」とも呼ばれます。鍋島にハマった際は、ぜひ購入機会を待ってみてください。

6.まとめ

佐賀の地酒、鍋島について解説してきました。鍋島は蔵元の情熱と地元愛が込められた日本酒です。国際コンペで賞を獲得するほど高い品質に定評があります。

もし、鍋島を飲んでみたい!と思った人は、本記事で紹介した種類から気になる銘柄を選んでみてください。ハイレベルな日本酒の味わいに驚くことでしょう。