生酒は、常温ではなく冷蔵保存が基本です。開栓後はなるべく早く飲み切ったほうが生酒の魅力を堪能できます。
今回は、生酒の保存方法についてお伝えします。生酒ってどんなお酒?手元にあるけどどう保存したら良い?と気になる方はぜひチェックしてみてください。
目次
1.生酒とは?
生酒(なまざけ)とは、加熱殺菌処理をしていない日本酒のことです。
日本酒の一般的な製造工程では、火入れ(ひいれ)と呼ばれる加熱殺菌を2度おこないます。搾った酒に残る酵素の働きを抑え、味や香りを安定させるためです。乳酸菌の一種でもある火落ち菌などといった日本酒の品質低下につながる微生物も除去でき、保存性も高まります。
火入れをしていない生酒は、搾ったままのフレッシュな味と香りが魅力です。一方で、味や香りが変化しやすく冷蔵保存が基本となります。
生酒についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
日本酒の生酒とは?火入れをした日本酒との違いや楽しみ方を解説!
2.生酒は開栓後、何日以内に飲み切るべき?
生酒は、開栓後数日以内に飲み切るのが理想的です。開栓して空気に触れると、味や香りがどんどん変化してしまいます。開栓直後は、生酒ならではのシュワシュワとした微発泡感も魅力です。
開栓せず冷蔵保管している場合も、3~6カ月以内に飲んでしまうのがおすすめです。生酒には糖化酵素が残っており時間と共に味わいが変化する可能性があります。
また、理想の保存期間はお酒によって異なります。なかには「半年も待たずに早く飲んでほしい」という銘柄もあるでしょう。反対に「しばらく置くことで味わいが落ち着く」という銘柄もあります。不明点などはぜひ購入時に酒販店に相談してみてください。お酒に関する思わぬ情報が得られるかもしれません。
3.生酒の保存方法
生酒は冷蔵保存が基本です。酒販店でも冷蔵庫で保管されています。また、日本酒の味や香りをキープするには、日光や紫外線にも注意が必要です。
3-1.生酒は冷蔵保存が必須
生酒は5~10℃の冷蔵保存が必須です。特に、糖化酵素が生む生老香(なまひねか)と呼ばれる劣化臭は、5~10℃の環境でも発生してしまいます。可能であれば、5℃以下、または0℃以下で保存できると良いでしょう。
生酒は常温保存にすると腐る?
常温(20~25℃)で生酒を保存すると、糖化酵素の働きにより味や香りが変化してしまいます。甘さが濃く感じられる一方、後口のキレが薄れてしまうため注意が必要です。
熱の影響を受けると、ツンと鼻をつくような劣化臭も生じます。生酒の魅力を存分に味わうためにも、購入後はなるべく早く冷蔵庫に入れるように心がけましょう。
3-2.日光や紫外線は避ける
日光や紫外線は、日本酒の色や香りに影響を及ぼします。紫外線の当たる場所で保管すると、色が茶色く変化してしまうこともあるでしょう。日光臭(にっこうしゅう)と呼ばれる木が焦げたような劣化臭の発生も紫外線の影響によるものです。
常温保存可能な火入れ酒も、日光や紫外線の当たらない冷暗所で保存しましょう。日本酒を劣化させることなく美味しさをキープできます。
4.生酒のフレッシュさをキープするにはSAKECABINETがおすすめ!
生酒の保管には、日本酒セラー「SAKECABINET」がおすすめです。「SAKECABINET」なら、生酒をマイナス5℃で保管できます。マイナス5℃は、生老香の発生を極端に遅らせることができるといわれる温度帯です。密閉デザインが採用され、光の影響も最小限に抑えられます。
(出典元:SAKECABINET STORE)
筆者は生酒を1年間保管したのですが、開栓時はプシュッとガスが漏れる音が聞こえ、注いだグラスには小さな泡が付いていました。また、口にしてみるとシュワシュワとした微発泡感が残っていることにも驚きました。
お酒によって異なるため一概にはいえないものの、マイナス5℃のセラーは購入時の状態をキープするのにかなり有効な環境といえるでしょう。
まとめ
生酒は、フレッシュな味と香りが魅力的なお酒です。そのぶん品質は変わりやすく、冷蔵保存が基本となります。
開栓後はなるべく早く飲み切るのがおすすめです。また、マイナス5℃に設定できる日本酒セラーがあれば、生酒の美味しさを長期間キープできます。お酒の個性を知り、ぜひその魅力を存分に味わってみてください。