日本酒はさまざまな飲み方・楽しみ方ができるお酒。近年は、キンキンに冷たい「日本酒ロック」というスタイルが注目を集めています。
「日本酒に氷を入れていいの?」「邪道じゃない?」と心配しなくても大丈夫!冷たくスッキリした味わいの日本酒ロックは、日本酒ビギナーにもおすすめです。
今回は、日本酒の自由で新たなスタイル、日本酒ロックの作り方や楽しみ方をくわしくご紹介します。
目次
1.夏におすすめ!日本酒ロックとは
日本酒ロックは、氷を入れたグラスに日本酒を注ぐ夏にぴったりの飲み方です。とはいえ、ロックといえばウイスキーや焼酎を思い浮かべる方も多いかもしれません。
実は、日本酒ロックは日本で古くから親しまれているスタイル。近年は日本酒のカジュアルな楽しみ方として注目を集めています。
キリッと冷たい日本酒ロックは飲みやすく、日本酒通はもちろん日本酒ビギナーにもおすすめです。
1-1.日本で歴史ある飲み方
日本酒は冷酒や常温、燗酒など幅広い温度帯で楽しめるお酒です。とはいえ「日本酒に氷を入れてもいいの?」と戸惑うこともあるのではないでしょうか。
お酒の歴史を紐解くと、日本酒に氷を入れるスタイルは1300年以上前には誕生していたそう。
日本最古の歴史書である日本書紀には「氷室(ひむろ)の氷、熱き月に当たりて、水酒に浸して用(つか)ふ」という一文が残されているといわれています。
「氷室」とは、冬の間に切り出した氷を保管しておく貯蔵庫のこと。つまり「氷室の氷を暑い季節にお酒に入れ使っていた」というわけです。
はるか昔の日本人もロックスタイルを楽しんでいたと思うと、日本酒ロックがまた特別な味わいに感じられそうですね。
1-2.日本酒ビギナーにおすすめ
日本酒ロックは、氷の影響で日本酒がグッと飲みやすくなることが魅力のひとつ。「日本酒はちびちび飲まないとダメ?」「なんだか難しそう」という日本酒ビギナーにおすすめのスタイルです。
しっかり冷えることで飲み口が良くなり、食事と合わせやすくなることもポイント。揚げ物や味の濃い料理とも相性が良く、スルスルと飲み進められます。
また、氷が溶けることにより、アルコール度数が下がることも日本酒ロックのメリットです。日本酒は、ビールやワインに比べアルコール度数が高いお酒。お酒に弱い方や日本酒のアルコール感が苦手という方は、ぜひ一度ロックスタイルを試してみてください。
1-3.アウトドアでも楽しめる
暑い季節にぴったりの日本酒ロック。気軽に楽しめるロックスタイルは、アウトドアにもぴったりです。
カップと氷さえあれば、日本酒は冷えていなくても大丈夫。バーベキューやキャンプなど、好みのシーンでいつでも美味しい日本酒ロックを味わえます。
ちょっとそこまでのお散歩なら、コンビニで日本酒ロックの材料を購入するのもおすすめ。氷入りのカップを購入すれば、氷とカップそれぞれを用意する手間が省けます。春先には手軽な日本酒ロックを片手にお花見も楽しそうですね。
2.ロックで美味しい日本酒3タイプ
日本酒は製造方法によってさまざまな種類に分類されます。日本酒ロックをより美味しく味わうのであれば、ぜひ以下の3タイプを選んでみてください。
- 生酒
- 原酒
- にごり酒
氷を入れてもお酒の良い部分が消えることなく、ロックスタイルならではの魅力を味わえますよ。
2-1.生酒
生酒は、火入れと呼ばれる加熱処理をしていないお酒です。搾ったそのままの状態で瓶詰した生酒は、フレッシュで爽やかな味わいが魅力。ロックスタイルでもみずみずしい甘み、旨味を堪能できます。
また、生酒は加熱処理をしていないぶん、保存期間が短いお酒です。飲みきれない生酒があるときは、ぜひロックで味のバリエーションを楽しんでみてください。
2-2.原酒
原酒とは、加水調整をしていないお酒のことです。日本酒は、醪(もろみ)と呼ばれる米と米麹、水を発酵させた液体を搾って造られます。
醪を搾った段階では、アルコール度数は18%以上。製造工程ではここに仕込み水と呼ばれる水を足し、最終的にはアルコール度数15~16%に調整します。
アルコール度数が高く、しっかりとした飲みごたえのある原酒はロックスタイルにぴったり。氷を入れてもお酒の個性が消えることなく、力強い味わいが感じられます。
2-3.にごり酒
にごり酒は、その名のとおり白く濁ったお酒です。あえて目の粗い布で搾り、固形物を残したまま仕上げています。
濃厚でまったりとした味わいのにごり酒は、ロックでも旨味がしっかり残ることが大きな魅力。甘みや酸味が強いにごり酒のなかには「大人のヨーグルト」と呼ばれるほど飲みやすい銘柄もあります。
3.日本酒ロックの基本的な作り方
日本酒ロックは作り方がとにかく簡単!グラスとたっぷりの氷、日本酒を用意してぜひ気軽にトライしてみてください。
- グラスに氷をたっぷり入れる
- 日本酒を半分から6分目あたりまで注ぐ
- マドラーなどで軽くかき混ぜる
日本酒ロックは冷たさが命。氷はグラスにたっぷり用意しましょう。氷が溶けることを考え、日本酒は半分から6分目あたりまで注ぐのがおすすめ。日本酒が減るたびに継ぎ足せば、味が薄まりすぎない美味しい日本酒ロックを楽しめます。
4.美味しい日本酒ロック2つのこだわりポイント
手軽な日本酒ロックをもっと美味しく楽しみたい!そんなときは「氷」と「酒器」にこだわってみましょう。日本酒の種類にあわせて酒器を選べば、日本酒ロックの楽しみ方がより一層広がりますよ。
4-1.氷にこだわろう!
日本酒の香り、味わいを消さないためには氷にもひと工夫。おすすめは臭みのないロック用の氷です。形の大きなものや丸い形状のものは溶けにくく、ゆっくりと味や香りの変化を楽しめます。
自宅で氷を作る際は、ミネラルウォーターを使うのがおすすめです。その際も、なるべくサイズの大きな製氷機を使ってみてください。丸い氷ができる製氷機を使えば、お家でもお店気分が味わえますよ。
4-2.酒器にこだわろう!
ロックグラス
口が広く、背の低いロックグラスは日本酒ロックにぴったり。大きな氷をたっぷり詰めれば、ロックならではの味わいをゆったりと楽しめます。
ぐい吞み
にごり酒をロックにするときは、ぜひぐい吞みを。グラスと違い、ガラス面に滓(おり)がこびりつく心配がありません。唇にあたる陶器ならではのしっとりとした感触と、にごり酒のまったりとした味わいが絶妙にマッチします。
タンブラーグラス
背の高いタンブラーグラスは、日本酒の爽やかな香りを楽しみたいときにおすすめです。日本酒ロックのアレンジレシピ「サムライロック」のような日本酒カクテルの香り、色合いも引き立ちます。
まとめ
日本酒ロックは気軽にカジュアルに日本酒を楽しめることが大きな魅力。冷えることでスッキリと飲みやすくなり、溶ける氷とともに変化する味わいも楽しめます。
日本酒の種類、氷や酒器にこだわれば、日本酒ロックの世界がさらに奥深いものに。ぜひ自由に楽しく日本酒ロックを味わってみてくださいね。