日本酒は日本だけで楽しむものではなく、今海外からも注目され、日本の食文化や日本酒が海外で人気急増中です。
今回は海外で日本酒人気が急増している理由や、外国人の日本酒に対する評価や反応などを紹介します。
目次
1.日本酒が海外でも人気上昇中!
今や世界的に人気の高い日本酒。いつから知名度がグッと上がって輸出量が増えたのでしょうか?また知名度に合わせて、高級ワインと比較される高級ラインや、海外に醸造拠点を構えてる蔵元も増えてきているんです!旭酒造さんは、全体の約3割は海外での売上になってきていたり、この流れは今後も加速すると思われます。
1-1.日本酒の輸出量は2013年から増加。ユネスコに「和食」が登録されたことも要因
日本酒の輸出量は2013年以降、急速に伸びています。2013年は日本の「和食」がユネスコの世界無形文化遺産に登録された年で、和食に対する海外からの興味や関心にともなって世界中から日本酒も注目されるようになったのです。
日本酒造組合中央会の発表で、2018年度までの9年間で輸出額は約3倍まで伸び200億円を突破しています。
1-2.世界のワインに引けを取らない高価格帯の日本酒が登場
国によっては日本酒を贈答品として扱うこともあり、高級ワインのように高価格帯の日本酒も人気が出始めています。
日本酒を贈るということが海外文化の中で馴染みはじめているのです。受け取った側も日本酒を喜んだり、贈る側も楽しんで日本酒を選ぶなど、高価格帯の日本酒は外国人にとってもひとつの交流や文化として定着しつつあります。
1-3.海外で醸造される日本酒も出てきている
日本の蔵元が海外で酒造りをするというパターンが増えてきています。これには日本酒の製造技術を活かしつつ、それぞれの国の食文化に合わせた味わいに仕上げる目的があります。
兵庫県小西酒造や、青森県の桃川酒造などはすでにオーストラリアやアメリカに進出しており、日本の日本酒とは一味違う味わいの日本酒を海外で製造しています。
1-4.日本酒のために来日する外国人も増加
日本の蔵元が海外に進出するだけでなく、海外の人が日本酒を造る技術に興味をもって来日し、日本酒造りを学ぶ外国人も増えました。また本場の日本酒の味わいを楽しむため、わざわざ海外から日本まで足を運ぶ外国人も増え、日本酒は世界中から注目されるお酒となりました。
1-5.訪日外国人客の8割が日本滞在中に日本酒を飲む
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社が2017年、最近1年以内に観光で訪日した外国人(アメリカ人・イギリス人が対象)について調査した結果によると、およそ8割以上が「日本滞在中に日本酒を飲んだ」と回答(下記グラフ)し、さらに6割については「酒蔵に行ったことがある」とも回答しています。
(出典元:NTTコム リサーチ と 実践女子大学 による共同企画調査)
この割合が、“予想よりも多かった”と感じる方もいるのではないだろうか。もちろんすべての海外旅行客に当てはまるわけではないが、日本の飲食店が「より深い部分で外国人が日本酒の魅力を求めている」という意識をもつに越したことはないだろう。
2.国によって人気銘柄が違う?
ワインなどのように年々生活の中に浸透してきている海外の日本酒事情。地域によって日本酒の楽しみ方が違うため、人気の銘柄もそれぞれです。
2-1.アメリカで人気の銘柄
日本酒の輸出量がもっとも多いアメリカでは、日本酒のことをSAKEと呼びます。
日本食の流行とともにアメリカ国内で日本酒の人気は高まり、日本食の専門店以外でも楽しむことができるようになっています。
アメリカで人気のある銘柄は、日本でも定番の「菊水」や「八海山」そして「月桂冠」などです。
また1984年にアメリカへと展開しはじめた「男山」も根強い人気があります。
2-2.ヨーロッパで人気の銘柄
ワインが好きなヨーロッパ人が日本酒に興味を持つケースが多く、特に食事中に日本酒を楽しむ傾向にあります。
萬乗製造の「醸し人久平次(かもしびとくへいじ)」や「勝山純米大吟醸 伝(でん)」も人気です。
またイギリスの新聞でも日本酒が紹介されるなど、年々注目が高まってきています。
2-3.アジアで人気の銘柄
アジア圏における日本酒人気は、贈答品やお祝いの席などで好まれる高級品として日本酒を扱う地域と、日常で楽しむ普段用として好まれる地域があります。
中国では年々日本酒の高級志向が高まり日本酒が飲まれるのは、多くが日本食レストランで、米の甘さを感じられる大吟醸酒が人気です。高級日本料理店などでは、1本何万円もする日本酒が注文されることもあるのだとか。
縁起の良い文字として「龍」を含む「白龍」が特に人気です。
また韓国では日本酒の認識が広がっており、アメリカの次に輸出量も多く輸出量世界2位です。普段からお酒を飲む習慣もあるため比較的安価なパック酒が人気。その中でも日本酒は普段用のお酒として白龍酒蔵の日本酒が人気です。
3.日本酒に対する外国人の評価
日本酒の輸出は最近始まったことではなく、2013年以降に和食がより世界から注目され始める前からすでに海外で日本酒は飲まれていました。
しかし当時の日本酒は劣化した日本酒や、味や質の悪い日本酒が流出していたこともあり、日本酒はまずい酒だと評価されてしまった時期がありました。
しかし近年、日本酒が食事と同時に楽しめるお酒であると認識されるようになり、評価はどんどん上がってきています。
3-1.日本に来ている外国人の反応
日本を訪れる外国人に日本酒の味わいについて質問をすると、海外でも日本酒がブームになっていることを知ることができます。
味についても銘柄ごとの味わいの違いや風味の違いを楽しんでくれる外国人も多く、日本が好きで日本に来ている外国人には日本酒についても興味の強い人が多い印象です。
それぞれ出身国の土地ごとに食文化が違い、好みの日本酒の種類も分かれますが、さまざまな国の食文化と日本酒がマッチするということでもあります。
3-2.海外セレブにも人気?
海外ドラマのオーシャンズ13に出演するジョージ・クルーニーは、日本が好きな海外セレブの一人です。
そんなジョージ・クルーニーは和食、とくに寿司などが好きであることを公言していますが、インタビューなどで日本酒は外せないとも回答しています。
このオーシャンズ13のシーン中に日本酒の久保田が登場する場面がありますが、これはジョージ・クルーニーが日本酒の久保田を好んで飲んでいるためだと言われています。
4.世界でも人気の日本酒、海外に持ち出しOK?
海外でブームになっている日本酒。海外の友人と会う時にはぜひお土産として海外に日本酒を持っていきたいところです。
日本酒は海外に持ち出しても良いのか、という疑問がありますが、その答えはというと……持ち出し自体はOK、となります。
しかし日本酒は原則的に機内に持ち込むことができない他、100ミリリットル以下の液体しか持ち込めないためワンカップサイズさえ持ち込むことができません。
また税関で止められてしまい、関税を支払わなければならないケースもあるため、海外に持ち込む場合には郵送か手荷物を預けるなどの方法をとる必要があります。
5.まとめ
海外で注目を集め、ブームとなっている日本酒。
その背景には和食への関心や普及、そしてどんな食事にも合う日本酒ならではの楽しみ方が浸透してきていることが挙げられます。
お酒が好きな外国人と会う時には、日本酒をお土産にすると喜ばれることもあり、和食と一緒に日本酒を勧めるとより日本のことを好きになってもらえるかもしれません。