新潟県の朝日酒造が造る日本酒「久保田」は、淡麗辛口で柔らかな口当たりが人気のお酒です。しかし、久保田には多くの種類があるため、どれを飲めばいいか迷うこともあるでしょう。
吟醸酒に純米酒、大吟醸酒と幅広いランクのお酒を取り扱っている久保田。中でも純米大吟醸「萬寿」は特別な日にふさわしい酒として贈答用にも人気の日本酒です。
こちらでは、久保田の各銘柄の特徴や値段、購入方法などについてご紹介していきます。
目次
1.日本酒の久保田とは
久保田は新潟県で酒造される日本酒として知られています。新潟の米、水といった新潟産の原料にこだわった銘柄。品質の良さから、国内外に愛好家の多い日本酒です。
「久保田」が誕生したのは1985年5月。当時は日本酒業界は低迷期を迎え、出荷量も減少傾向にありました。
そんな中、「日本酒の地位回復を」「日本酒を日本を代表するお酒に」との想いから、朝日酒造は新商品の開発に着手。やわらかな米の旨味を持ちながら、きりっとしたキレのある味わいを楽しめる淡麗辛口のお酒「久保田」が誕生したのです。
1-1.酒造元について
久保田の酒造元は新潟県長岡市の「朝日酒造」です。創業は1830年。200年近くに渡って日本酒造りを行っている老舗酒造となります。
朝日酒造が位置するのは、水田と里山が一面に広がる自然豊かな越路地域。酒蔵周辺の地下を流れる軟水は、久保田の清らかですみきった味わいの原点となっています。
また、酒米にこだわりを持つ朝日酒造は「あさひ農研」を設立。自ら酒米の研究を重ねながら、地域の契約栽培農家と質の高い酒米の栽培に力を注いでいるのです。
それらの厳選された素材を極上の日本酒へと造り上げるのが、越路杜氏の技を受け継いだ蔵人たち。飲み手の「美味しい」にまっすぐと向き合いながら、酒蔵では日々新しい挑戦が重ねられています。
朝日酒造株式会社
所在地:新潟県長岡市朝日880-1
電話番号: 0258-92-3181
1-2.久保田という名の由来
久保田という名はもともと、朝日酒造の創業時の屋号「久保田屋」から取ったものです。現在の銘柄としての久保田が誕生したのは1985年のこと。ユーザーの意見を参考に品質の向上を目指し生み出されました。
当時の日本酒では珍しい淡麗辛口の久保田。「新たな挑戦をする」という朝日酒造のポリシーを体現した仕上がりだったそうです。その熱意を忘れないように、敬意を込めて創業時の屋号から名をもらったとされています。
2.久保田の種類と値段について
常に新しい酒造りに挑戦する久保田は、吟醸酒から大吟醸まで幅広いラインアップが揃うことが魅力です。一方で「〇寿」という名前のお酒が多いため、その違いを覚えにくい一面もあります。
ここからは、久保田の種類ごとの魅力や値段をご紹介。ぜひ、飲食店で久保田を飲む際や購入時の参考になさってくださいね。
2-1.萬寿(純米大吟醸)
精米歩合 | 酒米(麹米/掛米) |
50%/33% | 五百万石/新潟県産米 |
評判
萬寿(まんじゅ)は久保田のなかでも最高峰との呼び声が高い銘柄です。喉にスッと入る優しい口当たりが特徴。上質なワインを思わせるフルーティな香りがあり、グラスで飲む人も多いです。
後味がクリアなので、こってり系の洋食にもあいます。口当たりの良さを残せる冷酒、常温で飲むのがおすすめです。
参考小売価格(税抜):720ml 3,640円
(出典元:横浜君嶋屋オンラインショップ)
2-2.千寿(吟醸酒)
精米歩合 | 酒米(麹米/掛米) |
50%/55% | 五百万石/五百万石 |
評判
千寿(せんじゅ)は1985年に発売された久保田の元祖といえる存在。淡麗辛口の味わいはそのままに時代のニーズにあわせて洗練されています。冷酒で飲めば日本酒特有のキレ。熱燗なら、まろやかなコクを味わえると好評。幅広い飲み方ができる銘柄です。
雑味がないため、食材の風味を邪魔することがありません。シンプルな味付けの和食のお供に最適です。
参考小売価格(税抜):720ml 1,080円
(出典元:横浜君嶋屋オンラインショップ)
2-3.雪峰(純米大吟醸)
精米歩合 | 酒米(麹米/掛米) | 製造法 |
50%/33% | 五百万石/新潟県産米 | 山廃仕込み |
評判
7月に限定出荷される異色の久保田が雪峰(せっぽう)です。伝統製法「山廃仕込み」で酒造されています。バランスの取れた酸味のなかに複雑なコクを感じられるのが特徴。ロック、冷酒で飲むと喉を爽快感で満たします。
アウトドアで飲むことをコンセプトにしており、鉄板焼きと相性抜群。夏のキャンプ、バーベキューにあわせて用意したい限定品です。
参考小売価格(税抜):500ml 3,100円
(出典元:横浜君嶋屋オンラインショップ)
2-4.碧寿(純米大吟醸)
精米歩合 | 酒米(麹米/掛米) | 製造法 |
50%/50% | 五百万石/五百万石 | 山廃仕込み |
評判
碧寿(へきじゅ)は雪峰と同じく山廃仕込みで作られる久保田です。雪峰よりも飲み口が軽く、万人向けに仕上がっている印象。冷酒ではシャープなのど越しがあり、洋食とあわせやすいです。ぬる燗にすれば優しい香りが広がり、お酒が苦手な人でも飲みやすくなります。
人を選ばない風味なので、贈呈品に選ぶ人も多数。初心者なら碧寿から試してみるといいでしょう。
参考小売価格(税抜):720ml 2,230円
(出典元:横浜君嶋屋オンラインショップ)
2-5.紅寿(純米吟醸)
精米歩合 | 酒米(麹米/掛米) |
55%/55% | 五百万石/五百万石 |
評判
バランスの取れた味わいで人気の久保田が紅寿(こうじゅ)です。一口飲んだ瞬間、果実に似たフレッシュな香りが鼻を抜けていきます。スッキリした後味は食中酒として最適。日常的に飲む日本酒としておすすめです。
香りが高いので、料理酒として使う人もいます。購入すればあっという間になくなってしまう1本です。
参考小売価格(税抜):720ml 1,500円
(出典元:横浜君嶋屋オンラインショップ)
2-6.百寿(特別本醸造)
精米歩合 | 酒米(麹米/掛米) |
60%/60% | 五百万石/新潟県産米 |
評判
百寿(ひゃくじゅ)はシンプルで飲み飽きない日本酒として生まれた久保田。他の種類に比べて、控えめな香りが特徴。しかし、飲んでいくうちに味わい深い辛さと酸味を感じられます。軽く1杯やりたいときにおすすめ。
飲み口があっさりしているので、女性でも飲みやすいです。急な宅飲みでも手軽に出せるため、1本は常備しておくといいでしょう。
参考小売価格(税抜):720ml 920円
(出典元:横浜君嶋屋オンラインショップ)
2-7.翠寿(大吟醸)
精米歩合 | 酒米(麹米/掛米) | 製造法 |
50%/40% | 五百万石/新潟県産米 | 生酒 |
評判
翠寿(すいじゅ)は4~9月に限定出荷される久保田です。加熱処理をしない生酒として出荷されており、フレッシュな米の旨味が魅力。洋酒のような華やかな香りが漂います。軽めの口当たりは燻製系のおつまみと相性がいいです。
生酒のため、長く保管ができないことには注意が必要。しかし、飲みやすさが抜群なので、余らす心配はありません。
参考小売価格(税抜):720ml 2,810円
(出典元:横浜君嶋屋オンラインショップ)
3.久保田の購入方法
ここまでの解説で実際に久保田を飲んでみたくなった人も多いでしょう。以下では久保田を購入する方法を紹介しています。
3-1.久保田が購入できる実店舗
久保田は全国各地の酒店で取扱があります。具体的な店舗は以下の公式情報から確認できるので、近隣の酒店を探してみてください。
3-2.久保田が購入できる通販サイト
久保田を酒造元である朝日酒造は公式オンラインショップを開設しています。全国どこからでも久保田を購入することが可能。新着情報をいち早く入手できるほか、正規価格で購入できるメリットがあります。
Amazon、楽天といった大手通販サイトでも購入できますが、正規価格ではないことがあるので注意が必要。自分にとってメリットの大きいサイトで購入してみてください。
4.久保田の美味しい飲み方・楽しみ方
初めて久保田を飲むなら、冷酒から試すのがおすすめです。久保田は種類によって適した温度が異なります。しかし、今回紹介した久保田はいずれも冷酒に適しているのが共通点。
まずは冷酒で味わってから、色々と飲み方を変えてみるといいでしょう。
4-1.-5度で保管?
購入した久保田を保管するときは-5度の環境にするのが理想です。久保田をはじめ、多くの日本酒は熱によって劣化する特性があります。-5度は日本酒が凍らないギリギリの温度。劣化を最小限に抑え、長く品質を維持できます。
ただし、一般の家庭で−5度の環境を用意するのは難しいです。予算がある人は専用の日本酒セラーを購入するといいでしょう。難しいときは棚の奥など、常に温度が一定になっている日陰に保管してください。
5.久保田の期間限定品
「翠酒」は、4月~9月に販売される久保田の限定商品です。加熱殺菌をしていないため、生酒ならではのフレッシュな味わいを楽しむことができます。
また、「アウトドアで日本酒を楽しむ」という新たな発想から生まれたのがアウトドアブランド・スーピークとの共同開発となる「雪峰」。
春の柔らかさを表現したホワイトボトルは4月、夏の夜をイメージしたブラックボトルは7月に限定販売されています。自然の中で友人や家族と日本酒を楽しみたいという方は、ぜひ一度チェックしてみてくださいね。
6.まとめ
日本酒のなかでも人気の高い「久保田」について解説しました。久保田は新潟の原料を使ったこだわりの銘柄。発売当初より進化を続けており、今ではいくつもの種類があります。
久保田が気になった人は、お近くの酒店、公式オンラインショップで購入してみてください。日本酒の真のおいしさを味わえるはずです。