日本酒の輸出が止まらない!日本酒が世界で人気なワケと輸出相手国TOP3

海外での日本食ブームに合わせ、日本酒の輸出量は増加の傾向をみせています。ワインのように洋食とのペアリングを楽しむ銘柄も増え、今や日本酒はオシャレなお酒として世界で高い人気を得ているのです。

近年では輸出だけでなく、大手の酒造メーカーが現地に蔵元をかまえてお酒造りをすることも珍しくありません。

こちらでは、日本酒が海外で人気となった理由ととともに、日本酒の主な輸出国についてご紹介していきます。

1.日本酒の輸出量が急増中!

2020年2月、日本酒造組合中央会は2019年の清酒の輸出総額が234億円を突破し、10年連続で最高記録を更新することを発表しました。海外への日本酒の輸出量は、ここ数年で大きな伸びをみせているのです。

1-1.日本酒の海外輸出量は伸び続けている

日本酒の輸出量推移

(出典:日本酒造組合中央会

日本酒の輸出額は、2018年に初の200億円を突破。2019年には約234億円(昨対比105.3%)と過去最高を記録しています。その額は実に10年前の約3倍。伸び続ける輸出総額と共に、輸出量もまた右肩上がりの伸びをみせています。

2007年の約11,000㎘から2018年の約25,000㎘まで、およそ10年間でその量は約2倍以上に。

2019年の輸出量は、輸出額が増加する一方で昨対比96.8%と減少の傾向をみせますが、これは海外のトレンドが量より質へ移行したことの表れと言えるでしょう。

1-2.逆に国内総出荷量は減少傾向

日本酒の輸出量が増加したとはいえ、全体の生産数にしめる輸出の割合は全体の5%にすぎません。しかし、日本酒の国内出荷量はピーク時(昭和48年)の170万㎘に比べ、近年は50万㎘と3分の1以下まで減少しているのです。

チューハイなどのリキュールやウィスキーの人気が高まる一方で、国内で口にされる機会が減りつつある日本酒。その中で生産量の増加傾向をみせているのが、吟醸酒や純米酒といった「特定名称酒」にあたるお酒です。

特定名称殊の種類別出荷量の推移

特定名称酒の割合

(出典:日本酒をめぐる状況 農産水産省政策統括官

国内出荷量に占める特定名称酒の割合は、平成10年の26%から令和元年には35%まで増加。中でも、高級ランクにあたる純米酒や純米吟醸酒の出荷量は、特定名称酒全体の6割以上にあたります。

特定名称酒の人気の高さは、消費者が日本酒に求めるニーズの表れ。近年は多くの蔵元から、素材や製造法にこだわりを見せた数々の銘酒が誕生しています。

2.日本酒の輸出が伸びている理由

国内での日本酒の消費量が減少する中で、伸び続けている海外への輸出量。その理由は一体どこにあるのでしょうか?

2-1.海外で「SAKE」が流行

輸出量が増加する前の海外では、日本酒は和食にしか合わないアルコール度数の高い蒸留酒というイメージが主流となっていました。燗酒で飲まれることが多く、イタリアでは湯気がたつほど温めた日本酒を食後酒にしていたほどです。

食事と一緒に美味しく楽むお酒としてなかなか定着しなかった日本酒を、海外で大きく変えるきかっけとなったのが「吟醸酒」の登場。華やかでフルーティーな香りを持つ吟醸酒は、升(ます)やおちょこではなく、ふくらんだフォルムのワイングラスでこそ味が引き立つ日本酒でした。

洋食との相性も良く、日本酒は「SAKE」の名称を持つオシャレな飲み物として海外で流行していったのです。

2-2.日本食ブームも影響

海外で日本酒が受け入れられるもうひとつのきかっけとなったのが、世界的な日本食ブームです。

2013年、「和食」が無形文化遺産としてユネスコに登録されると、日本食は健康志向ブームとともに世界で高い人気を得ることになります。

2013年に約5万店だった世界の和食レストランは、2019年には約16万店と3倍近くまで増加。日本食とともに、質が良く美味しい日本酒が世界で広く口にされるようになったのでした。

3.日本酒の主な輸出先ランキングTOP3

2019年時の日本酒の輸出国は69ヵ国。その中でもアメリカ、中国、韓国、台湾、香港の五カ国の輸出量と金額は全体の約7割以上を占めています。

ここからは、2019年のデータをもとに、日本酒の主な輸出国TOP3をご紹介していきます。

3-1.第1位 アメリカ合衆国

輸出量、金額ともに第1位。令和元年の総輸出額は約68億円と、全体の3割近くを占めるのがアメリカです。

北米には、日本酒を製造する蔵元が約20社点在。日本でおなじみの酒造メーカー以外にも、アメリカ人が現地で立ち上げたオリジナルブランドの蔵元まであるんですよ。

最大の消費地となるのは、日本食レストランが多数点在するカルフォルニア州。スーパーマーケットにも日本酒が並び、有名銘柄の定番商品を中心に高い人気を得ています。

3-2.第2位 中国

2017年からの3年間で輸出量は約3倍に急増。輸出額とともに最も高い伸び率をみせているのが第2位の中国です。

中国での日本酒人気の要因といえるのが、日本に来日する中国人観光客の増加。来日をきかっけに日本食に興味を持ち、帰国してからも和食レストランに通う人が増えたと考えられます。

輸出された日本酒の販路は和食レストランが多く、ラベルや化粧箱のデザインに日本を感じるもの、高級感のあるものが人気です。

3-3.第3位 韓国

第3位は、外飲み市場や居酒屋などで日本酒が親しまれている韓国です。2018年の輸出量は5,351㎘と、過去10年間で3.5倍まで増加。第1位のアメリカに次いで、全体の約20%を占めるものでした。

しかし、2019年の輸出量は2,912㎘と、昨対比の約55%まで減少。背景には、2019年に起こった日韓問題が影響していると考えられます。

韓国では日本酒の価格は非常に高いため、安価な900mlのパック酒が流通の主流となっているのが特徴。和食レストランでも、同様の価格帯の日本酒を気軽に飲むことが好まれています。

4.まとめ

日本古来のお酒であった日本酒は、「和食」という文化とともに世界で広く知られるようになりました。酒蔵の努力と研究によってその味は年々進化し、今では和食だけでなく世界各国の料理とともに親しまれています。

こだわりの日本酒ほど、その土地の風土や伝統の技術によって造られているもの。一杯の美味しい「SAKE」が、これからも世界で日本文化が知られるきっかけのひとつになっていくと嬉しいですね。