日本酒を飲むときに使う酒器の1つとしてあるのが「ぐい呑み」。おちょことどう違うの?とふしぎに思ったことはないでしょうか。
少し容量の大きなぐい呑みは、普段使いにおすすめです。また、錫製品や江戸切子などはプレゼントにも喜ばれます。
今回は、ぐい吞みとおちょこの違い、材質などについて詳しくご紹介します。ぐい吞み選びに迷ったら、おすすめ9選もぜひ参考にしてくださいね。
目次
1.ぐい呑みとは
「ぐい呑み」は、お酒を飲むときに使用する器のひとつです。おちょこに比べサイズが大きく、「ぐいっと呑む」、「ぐいっとつかんで呑む」ことからぐい吞みと呼ばれるようになったといわれています。
おちょこが少量ずつお酒を飲むのに適しているように、ぐい吞みにも大きさを活かした楽しみ方があります。それぞれの違いを理解すると、日本酒の世界がさらに楽しくなりますよ。
1-1.おちょことの違いとおすすめポイント
おちょことぐい吞みの大きな違いは、サイズです。はっきりとした定義はないものの、おちょこは約30~90mlまでサイズがあります。一方、ぐい吞みと呼ばれる酒器は40~200ml容量が一般的です。
日本酒は、温度の影響を受けやすいお酒です。そのため、サイズの異なるおちょことぐい吞みには、以下のようにそれぞれの楽しみ方があります。
ぐい呑みは常温のお酒におすすめ
一度にたくさんお酒が入るぐい吞みは、常温のお酒を飲むときにおすすめです。温度による味の変化を気にせず、口を付けてから飲み干すまでゆったりと日本酒を味わえます。
特に、香りが穏やかでスッキリした味わいの「本醸造酒」は、ぐい吞みで飲まれることが多いお酒です。瓶から直接ぐい吞みに注ぎ、カジュアルにおいしいお酒を楽しめます。
また、あえてぐい吞みをチョイスし、温度による味の変化を楽しむという方法もあります。温度が伝わりやすい材質のぐい吞みに「純米酒」を注げば、手のぬくもりなどで徐々に変化する米の香り、深い味わいを感じることができますよ。
おちょこは燗酒や冷酒におすすめ
少量ずつお酒を味わうおちょこは、燗酒や冷酒におすすめです。熱いまま、冷たいままにおいしいお酒を味わえます。
また、香りが特徴的な「吟醸酒」もおちょこにおすすめしたいお酒です。時間と共に香りが飛ぶ心配もなく、おいしい温度帯でクイッと飲み干すことができますよ。
2.ぐい呑みに使われる材質
ひと口にぐい呑みといっても、陶磁器製やガラス製など材質はさまざまです。また、酒器の材質は日本酒の味や香りにも変化をもたらします。
ここでは、それぞれのぐい吞みの特徴を紹介します。新たにぐい吞みを購入するときはぜひ参考にしてください。
2-1.陶磁器製
陶磁器製のぐい呑みは、焼きものならではの色や手触りが特徴です。土の色や質感を残したものや絵付けしたもの、釉薬(ゆうやく)と呼ばれるガラス質をかけたものなど、さまざまなタイプが揃います。
飲み口は少し厚く、口当たりがやわらかなことも特徴です。市場にも出回ることも多く、購入しやすいタイプといえるでしょう。
2-2.錫製
錫(すず)製のぐい呑みは、軽く耐久性に優れています。落ち着いた銀色の見た目も魅力的です。
また、錫はアルコールと相性が良く、日本酒の雑味を取り除き味をまろやかに変化させるといわれています。希少性が高い金属のため決して安価ではないものの、ぜひ試してもらいたい材質のひとつです。
2-3.ガラス製
ガラス製のぐい吞みは、美しい見た目が魅力です。透明ガラスだけでなく、色ガラスやカッティングガラスなどさまざまなタイプが揃います。
また、サイズの大きなぐい吞みは、ロックで日本酒を味わうときにもおすすめです。ガラス製のぐい吞みに氷をたっぷりと入れ夏酒を注げば、清涼感あふれる味わいを楽しめます。
2-4.木製
木製のぐい呑みは、木ならではの質感や見た目などを楽しめます。特に、ヒノキなどの天然素材でできたぐい吞みはおすすめです。
ふんわり漂う木の香りと共に日本酒を味わえます。木の上に漆を塗った「漆器」は見た目も美しく、贈答用にも喜ばれますよ。
3.おすすめのぐい呑み9選
ここからは、おすすめのぐい吞み9選を一挙ご紹介!デザインや材質にこだわれば、日本酒がより楽しくなる酒器が見つかります。プレゼントにおすすめのぐい吞みもあるため、ぜひチェックしてみてくださいね。
3-1.漆器専門店 山田平安堂 天然木のぐい呑み
漆器専門店の「山田平安堂」が手がけるのは、美しい漆塗りのぐい呑みです。縁は唇に沿うよう、わずかに外側に沿っています。
軽い材質と美しい絵付けも魅力的。縁起の良い柄が揃っているため、人生の節目の贈り物におすすめです。
(出典元:漆器専門店 山田平安堂)
3-2.能作 ぐい呑 – 月
こちらは錫100%のぐい呑みです。大きな特徴は、底に施された金箔加工。お酒を注ぐと、ぐい吞みの底に金色の三日月が浮かび上がります。
熱伝導率の高い錫製のぐい呑みは、冷酒や燗酒におすすめです。冷たさ、温もりが引き立つ雑味のない味わいを堪能できますよ。
(出典元:能作公式オンラインショップ)
3-3.三宝産業 Migaki Meister ぐい呑み
ステンレス製のぐい呑みは、手入れのしやすさと手ごろな価格帯が魅力的です。「Migaki Meister」は内面にミラー加工が施され、美しい輝きを放っています。
85ml容量と、ゆったりお酒を楽しみたいときにちょうど良いサイズ感。日常使いに質の良いぐい吞みを揃えたい方におすすめです。
(出典元:amazon)
3-4.田島硝子 江戸切子 星切子 ぐい呑み
江戸切子は、美しいカッティング加工が特徴的な伝統工芸です。色ガラスと透明ガラスを重ね、繊細な文様を生み出しています。
こちらのぐい吞みの文様は、「八菊」と呼ばれるものです。お酒を注ぐと、光の加減でテーブルに美しいきらめきが浮かび上がります。
(出典元:amazon)
3-5.江戸切子 ぶどう紋 ぐい呑
こちらは「ぶどう」の文様が彫刻されたぐい呑みです。粒が多く実りツタが伸びるぶどうは「豊穣」や「生命力」を象徴する縁起の良いモチーフとされています。
縁結びや商売繁盛などをイメージさせることから、結婚祝いや開業祝いの贈り物におすすめです。グリーンと江戸紫の色合いが、日々の食卓を鮮やかに彩ってくれます。
(出典元:amazon)
3-6.テンマクデザイン ぐい呑み
銅に錫メッキを施したぐい吞みは、アウトドアシーンにおすすめです。持ち運びしやすく、屋外でもおいしい日本酒を楽しめます。
製造元は、ホットサンドメーカーなどで知られる燕三条。スタイリッシュで機能的なアウトドア用品を求める方も満足できるアイテムです。
(出典元:amazon)
3-7.金山ぐい吞み
こちらのぐい吞みは、底の部分があえて厚く造られています。中には金山を模した加工が施されるなど、手の込んだ商品です。
クリスタルガラスならではの透明感と、薄いガラスがもたらす口当たりの良さも魅力的。縁は金色に彩られ、高級感を醸し出しています。日本酒はもちろん、ウイスキーや焼酎にも適したサイズ感でお酒好きな方におすすめです。
(出典元:amazon)
3-8.信楽焼 湖鏡
信楽焼(しがらきやき)は、滋賀県甲賀市を中心に生産される焼きものです。琵琶湖から採取される土を使い、素朴な自然の風合いを生み出しています。
「湖鏡」と名付けられた酒器は、湖の底を覗き込んだかのような美しい青色が特徴的。個性的なぐい吞みで日本酒を味わいたい方におすすめです。
(出典元:amazon)
3-9.木曽工芸 徳利 日本製 木製 ひのき 丸 ぐい呑み
ヒノキの美しい木目が印象的なぐい吞みです。天然木ならではの温かみがあり、しっとりやわらかな感触に癒されます。
とっくりがセットになっているのもうれしいポイント。ふんわり漂うヒノキの香りと共においしいお酒を楽しめます。
(出典元:amazon)
まとめ
少し大きなサイズのぐい吞みは、日常使いにおすすめの酒器です。多めにお酒を注ぎ、気取らずにその味わいを楽しめます。
素材やデザインにこだわれば、いつもの日本酒もひと味違うおいしさに感じられるはず。お気に入りのぐい吞みで、ぜひおいしい日本酒を楽しんでくださいね。