日本酒と中華料理のペアリング。「合うのかなぁ」「なんだか意外な組み合わせ」と感じてはいませんか?
バリエーションが豊かな日本酒は、さまざまな料理と合うお酒です。中華料理も同様に、お互いの良さが引き立つペアリングを楽しめます。
今回は、唎酒師が中華料理におすすめの銘柄5選をご紹介!日本酒をもっと美味しく、自由に楽しめるペアリングの魅力をお伝えします。
目次
1.ペアリングとは?
ペアリングとは、相性の良い料理と飲み物の組み合わせのことです。日本酒に限らず、ワインやビールなどさまざまなお酒と料理に用いられます。
相性の良い料理とお酒は、それぞれの良さを引き立て合える関係です。中華に日本酒をあわせるときも、ペアリングを意識すればより美味しく食事を楽しめます。
2.ペアリングのコツ!日本酒4タイプを知ろう
日本酒の味や香りは、大きく以下の4タイプにわかれます。ペアリングのコツは、それぞれの個性に応じた料理をパートナーにすることです。
例えば、薫酒(くんしゅ)には香りを引き立て合えるシンプルな調理法のメニューがおすすめです。口内がスッキリする爽酒(そうしゅ)には、脂っこい料理が良く合います。
コクのある醇酒(じゅんしゅ)は旨味の強い料理の良きパートナー。熟酒(じゅくしゅ)の複雑な味わいは、スイーツやドライフルーツにマッチします。
タイプ | 特徴 | |
薫酒 | ・リンゴやメロンのようなフルーティーな香り ・シュワシュワとした微発泡感がある銘柄も ・日本酒ビギナーも飲みやすいタイプが多い | ・純米大吟醸 ・吟醸酒 などに多い |
爽酒 | ・比較的おだやかな香り ・「ドライテイスト」「キレがある」などと呼ばれる淡麗辛口の味わい | ・本醸造酒 などに多い |
醇酒 | ・米麹の豊かな香り ・まろやかな口当たり ・温めるとよりふくよかな味わいに | ・純米酒 ・生酛造り ・山廃 などに多い |
熟酒 | ・ナッツやスパイス、ハチミツなどに例えられる香り ・熟成による複雑で重厚な味わい ・黄金色、琥珀色の見た目 | ・ラベルに長期熟成酒、古酒と書かれたもの |
3.中華料理×日本酒ペアリングのポイント
中華料理に日本酒をあわせるときは、以下のポイントを意識するのがおすすめです。
- 中華料理の味わいに同調する日本酒を選ぶ
- 口内をリフレッシュできるスッキリした味わいの日本酒を選ぶ
唐辛子や花椒(ホアジャオ)など、さまざまな香辛料を用いる中華料理は、香り豊かで奥深い味わいが特徴です。あわせる日本酒も、甘味や旨味、酸味がはっきりしたタイプがマッチします。
例えば、日本でもなじみが深い紹興酒(しょうこうしゅ)は、アルコール度数14~18度と日本酒とほぼ同じで、熟成による複雑な味わいを持つお酒です。寝かせるほどまろやかな味わいに変化し、「熟酒」に似通ったタイプといえます。
酢豚やエビチリのように味の濃いメニューとのペアリングには、口内をリフレッシュしてくれる日本酒がおすすめです。スッキリした味わいの「爽酒」のほか、ソーダ割やビール割をあわせれば食事もお酒もどんどん進むペアリングができあがります。
4.中華×日本酒ペアリング!おすすめ銘柄5選
ここからは、中華とのペアリングにおすすめの銘柄5選をご紹介!日本酒を美味しく楽しむ自由な飲み方もぜひ参考にしてください。
4-1.川鶴 讃岐くらうでぃ(川鶴酒造)
甘酸っぱくジューシーな味わいはまるで大人のカルピス!「え、これ日本酒?」と思わず笑顔になってしまう「讃岐くらうでぃ」は、クリーミーなにごり酒です。ニンニクとスパイスがきいた香川のご当地グルメ『骨付鳥』のパートナーとして開発されました。
『骨付鳥』と相性ばつぐんの「讃岐くらうでぃ」は、香辛料がきいた中華料理にも絶妙にマッチ。なかでもおすすめしたいのが、ソーダやビールで割るスタイルです。
苦味とのど越しがプラスされたビール割は、ピリカラ麻婆豆腐や揚げたて春巻きにあわせたい美味しさ。できたてアツアツの中華料理を用意して、グビグビっとお試しください。
4-2.Time Machine 1712(木下酒造)
花椒(ホァジャオ)たっぷり、しびれる辛さの麻婆豆腐には、甘さとキレを兼ね備えたお酒「Time Machine 1712」を。江戸時代の製法から生まれる濃厚な甘味、苦味と酸味が香辛料と絡み合い新たなハーモニーを奏でます。
麻婆豆腐のほか、酢豚のように味のしっかりしたメニューにもおすすめです。ストレートやロック、燗酒で異なる表情を楽しめます。
杏仁豆腐にくるりと回しかければ、贅沢な大人のデザートのできあがり。「Time Machine」には長期熟成タイプもあるため、ぜひ好みのペアリングを探してみてください。
4-3.佳撰 梅一輪(梅一輪酒造)
(出典元:梅一輪酒造オンラインショップ)
「今夜はフライパンで焼いた餃子をあてに、いつものお酒を一杯」。そんな気分にぴったりのカジュアルな日本酒です。やや辛口のスッキリした味わいが、ニンニクや香辛料をきかせたメニューに良く合います。
720mlあたり770円と優れたコストパフォーマンスも魅力的。餃子にシュウマイ、炒飯まで…。その日食べたいもの、その日の気分に寄り添ってくれる懐の広いお酒です。
4-4.悠々燗々(玉櫻酒造)
くまさんが悠々とほほ笑むカップの中身は、熟成させた純米酒です。濃醇な味わいは、じっくりじっくり煮だした出汁のよう。燗酒にするとじんわりと旨味が広がり、おともの料理が恋しくなります。
煮物や焼き魚といった和食はもちろん、味の濃い中華とも好相性。ぜひ、ご飯に料理をあわせるイメージで酢豚に麻婆豆腐、かに玉など好みのメニューを選んでみてください。
4-5.生酛のどぶ(久保本家酒造)
(出典元:梅一輪酒造オンラインショップ)
生酛(きもと)とは、昔ながらの手間ひまかけた製法のこと。さらに、通常であれば袋に入れて搾るもろみを、目の粗いふるいでこしています。
ガツン!とパンチのきいた花椒や唐辛子たっぷりのメニューにも引けを取らない美味しさ。旨味と香辛料との相乗効果で食事もお酒も進みます。トロリとした口当たりとキリッとした後口がクセになるお酒です。
5.まとめ
味や香りの幅が広い日本酒は、さまざまな料理のパートナーとなるお酒です。個性と旨味にあふれる中華料理にも絶妙にマッチします。
ペアリングを意識すれば、料理もお酒もより美味しく味わえます。ぜひ自由な発想で、中華料理と日本酒のペアリングを楽しんでみてくださいね。