「無濾過(むろか)」とは、濾過作業をしていない日本酒のことです。「無濾過生原酒」のように、濾過や加熱処理、加水をしない原酒タイプの日本酒もあります。無濾過のお酒は、より搾りたてに近いボリューム感ある味わいが特徴。今回は、無濾過の日本酒おすすめ20選を紹介します!
目次
1.無濾過の日本酒とは?
無濾過の日本酒とは「濾過(ろか)をしていない日本酒」のことです。
一般の日本酒づくりでは、濾過作業は2回おこないます。お酒に残る固形物を取り除き、色や香りを調整することが目的です。
近年はあえて濾過をせず、明確な味の個性を打ち出した日本酒が各蔵から登場しています。
1-1.無濾過の日本酒の特徴
無濾過の日本酒は、搾りたてに近いしっかりとした味わいが特徴です。無濾過であると同時に「生」、「原酒」とラベルに書かれものも多く見られます。
「無濾過生酒」とあれば、濾過も火入れもしていない日本酒ということです。加熱処理にあたる火入れをしないぶん、よりフレッシュでジューシーな味わいが楽しめます。加水でアルコール度数を調整しない「原酒」は、飲みごたえのある味わいが特徴です。
「無濾過生原酒」のように3つのスペックを持ち合わせる日本酒は、口にしたとたんハッとするような、個性的な魅力にあふれています。
1-2.無濾過の日本酒のおすすめの飲み方
無濾過のお酒は、冷酒から常温の温度帯で楽しむのがおすすめです。特に、20℃~25℃の常温は、ふくよかな味わいを感じやすくなります。
暑い夏には、ロックにして楽しむのもおすすめです。加水をしていない「原酒」も、氷でアルコール度数が抑えられ飲みやすくなります。
「無濾過生酒」とある場合は、低温保管を基本にフレッシュな味わいを楽しむのがポイント。シュワシュワとした生酒ならではのガス感を堪能できます。
2.無濾過のおすすめ日本酒20選
無濾過の日本酒といっても種類はさまざま。香りや甘み、旨味と酸味のバランスで味わいは大きく変化します。ここからは、各蔵が自信を持って送り出す無濾過のお酒を紹介します。
2-1.農口尚彦研究所 本醸造 無濾過生原酒
「酒造りの神様」ともいわれる杜氏、農口尚彦(のぐちなおひこ)氏が手がける逸品です。開栓すると洋梨のように甘く上品な香りが広がります。冷酒でフレッシュ感を楽しむほか、あえてぬる燗で味の奥深さを堪能するのもおすすめです。
(出典元:農口尚彦研究所 ONLINE STORE)
2-2.阿櫻 超旨辛口 特別純米 無濾過原酒
秋田を代表する酒米「秋田酒こまち」で造った日本酒です。香りおだやかで口当たりはなめらか。無濾過生原酒らしいジューシーな旨味もたまりません。後口はスッキリとキレよく、食中酒にもぴったりの味わいです。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-3.満寿泉 純米大吟醸 土遊野 無濾過生
土遊野(どゆうの)は玄米、野菜、卵などすべて自家生産する富山県の農場です。土遊野ファームで育った「イセヒカリ」を使った無濾過生酒は、米本来の豊かな味わいが活きています。軽やかな酸味が心地よく、スイスイと盃が進む日本酒です。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-4.加茂錦 荷札酒 純米大吟醸 黄水仙 無濾過生
アルコール度数13%と低アルコールタイプの無濾過生酒です。香り華やかで飲み口はマイルド。甘さと酸味のバランスに優れています。日本酒ビギナーから愛好家まで、幅広い層に人気の銘柄です。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-5.風の森 雄町 807 純米奈良酒 無濾過生
多くの日本酒が精米歩合40%前後であるのに対し、風の森は80%。精米歩合が低いと大味になると言われるなか、低温熟成発酵により実にスムーズな味わいを生み出しています。ピチピチとしたガス感とキリッとした酸味、まろやかな甘みは風の森ならでは。自然の豊かさ、力強さを感じさせてくれる日本酒です。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-6.鳳凰美田 Wine Cell 純米吟醸 無濾過本生
ワイン酵母で仕込んだ特別な純米吟醸です。白ワインのように軽やかな酸味とフルーティーな味わいを楽しめます。鳳凰美田を代表する華やかな香りもしっかりと。上品で奥行きのある味わいは、ぜひワイングラスでお楽しみください。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-7.上川大雪 特別純米 辛口 吟風・生酒
穏やかな香りと飲み口すっきりとした「飲まさる酒」(北海道弁で「ついつい飲んでしまう」の意。)の原点となる上川大雪の看板酒です。
しっかり冷やして飲むと、そのクリアでドライな味わいがより引き立ちます。北海道の海の幸と共にいただくとまた格別です。
(出典元:上川大雪酒造)
2-8.楽器正宗 純醸
フレッシュなガス感にさわやかな香り。無濾過生原酒ならではのジューシーな旨味の中に、米の甘さが引き立ちます。アルコール度数13%と低アルコールであることもポイント。「楽器政宗」の名のとおり、雅な笛の音が聞こえてきそうな軽やかな味わいです。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-9.早瀬浦 純米吟醸 限定生原酒
香りおだやかで口当たりなめらか。舌の上にじんわりとした旨味が広がる無濾過生原酒です。低温発酵で生まれるまろやかな風味を楽しめます。新鮮な魚介類、和食と合わせるお酒にもぴったり。日本酒ファンからも人気の高い季節限定商品です。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-10.みむろ杉 ろまんシリーズ Dio Abita 低アルコール酒
「Dio Abita」とは「神宿る」という意味。酒蔵のある奈良県三輪は、お酒の神様が鎮まる地だといわれています。口を近づけるとまずハッとするのは、ラムネのようにさわやかな香り。ひと口飲めばジューシーな酸味と甘みに思わず笑みがこぼれます。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-11.花巴 HANATOMOE スプラッシュ
シュワッとした発泡感が活きた無濾過生原酒です。うっすら白くにごっているのは、あえて固形物を残して仕上げているから。瓶内ではより強く発酵が進み、スパークリングワインのようなシュワシュワ感を生み出します。柑橘系のさわやかさが際立ち、日本酒を飲みなれない方にもおすすめです。
(出典元:美吉野醸造)
2-12.七田 純米大吟醸 無濾過生
毎年12月、新酒の季節に登場する蔵の人気商品です。しっかりとした旨味がありつつ、香りはライチのように華やか。エレガントな味わいが年末年始の食卓を彩ります。カニや数の子のような冬の食材とも相性ぴったり。贈り物にもおすすめの日本酒です。
(出典元:天山酒造株式会社)
2-13.出羽桜 純米吟醸 雄町 無濾過 生原酒
フルーティーな香りを持つ吟醸酒の代表格「出羽桜(でわざくら)」。無濾過生原酒の純米吟醸は「2009年純米酒大賞」受賞を記念して造られた限定品です。酒米「雄町(おまち)」が生み出すコクとほどよい酸味、やわらかな甘みを楽しめます。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-14.仙禽 かぶとむし 無濾過生原酒
可愛らしいカブトムシのラベルが人気の夏酒です。アルコール度数は14%と、夏にぴったりのライトな仕上がり。ピンクグレープフルーツのような爽やかな香りと酸味が楽しめます。氷をたっぷり入れたグラスに注ぎ、ロックで味わうのもおすすめです。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-15.貴 純米吟醸 山田錦 無濾過生原酒
テロワール(土地の風土)を重視した酒造りから生まれる「貴(たか)」。火入れをしていない生酒は、年に1度だけ登場する限定品です。微発泡感とともにやって来るのは、ジューシーな甘み。白ワインのような酸味、苦みと渋みが味のハーモニーを織りなします。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-16.富久長 純米吟醸 八反草 無濾過原酒
「富久長(ふくちょう)」は瀬戸内生まれの日本酒です。広島酒米のルーツ「八反草」を使った無濾過生原酒は、甘酸っぱくフルーティーな味わいが特徴。原酒でありながら、さらりと軽い口当たりです。ほんのりとしたガス感が心地よく、ついついグラスが進みます。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-17.白龍 純米吟醸 直汲み 無濾過生原酒
「直汲み」とは、搾ったお酒をそのまま瓶詰めすること。まさに、搾りたてそのままの味わいが楽しめる日本酒です。「白龍」の直汲みも旨味がたっぷり、なんともジューシー。甘み、旨味、酸味がそれぞれ主張しながら絶妙なバランスで調和しています。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-18.花の香 純米大吟醸 和水 無濾過生原酒
立ち上る優雅な香りはまさに花そのもの。口に含むと果物のような甘さと酸味が広がります。地元、和水町(なごみまち)の米と水にこだわった無濾過生原酒は、土地の風土を詰め込んだお酒。豊かな自然を感じるきれいな味わいです。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-19.南部美人 特別純米 無濾過生 プリマ
無濾過生原酒のボリューミーな味わいが際立つ1本です。ラベルの文字はバレリーナをモチーフにデザインされています。香りは氷上を舞うプリマのように華やか。「美人を表現したお酒」のコンセプト通り、美しくしなやかな強さが感じられる日本酒です。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-20.光栄菊 SNOW CRESCENT(スノウ・クレッセント) 雄山錦 無濾過生原酒
富山県産の雄山錦を60%精米で醸した、スッキリとした味わいが特徴のお酒です。シュワシュワとしたガス感とともに、和梨の爽やかな香り、ライチのような甘味が広がります。
グレープフルーツのほろ苦い酸味と酸味がアクセントとなり、爽やかな余韻を楽しむことができます。
(出典元:伊勢五本店)
まとめ
無濾過のお酒は、はっきりとした酸味と甘みが持ち味です。火入れをしない「生酒」や加水をしない「原酒」も多く、より搾りたてに近い味わいが楽しめます。
ジューシーな旨味がギュッと詰まった無濾過のお酒は、日本酒ビギナーにもおすすめ。思わず「おっ」と口にするような新鮮な驚きを、ぜひ一度お試しください。