仙禽(せんきん)は、栃木県さくら市でしか出会えない味わいを求めて造られている日本酒です。土地の個性を最大限に引き出すため、仕込み水と同様の水で酒米を栽培。「亀ノ尾」「山田錦」「雄町」と、蔵の地下水と同じ水脈上で育てられた酒米を使用しています。
今回は、超自然派の酒造りで注目を集める仙禽の魅力をご紹介!おすすめ銘柄や季節の限定品、購入方法についても解説しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
目次
1.日本酒の仙禽(せんきん)とは
仙禽は、江戸時代の醸造方法「EDO STYLE(エドスタイル)」で生まれるお酒です。発酵には酵母を添加せず、天然の蔵付き酵母を使用。昔ながらの木桶を用いた生もと造り(きもとづくり)、オーガニックの古代米と、どこまでも自然派にこだわって造られています。
仙禽がなにより大切にしているのは、「ドメーヌ」を活かした酒であること。ワイン用語であるドメーヌは、自社畑でブドウを栽培し、製造から瓶詰めまですべて行う醸造元を意味します。
仙禽もまた、栃木県さくら市の土と風、自然すべてを体現したお酒。醸造技術が整った現代の酒造りにあえて逆行したその味わいは、甘みと酸味のバランスに優れ、日本酒の新たな歴史を築き上げています。
1-1.酒造元について
仙禽を造る株式会社せんきんは、文化3年(1806年)創業の蔵元です。蔵が位置するのは、関東平野の北端にあたる栃木県さくら市。豊かな自然を育む鬼怒川に沿って、広大な水田地帯が広がっています。
酒蔵が仕込み水に使用するのも、この鬼怒川の伏流水。日本酒の生命は「水」という考えから、原料米の田んぼにも同じ水が引かれています。中でも「亀ノ尾」は、農業の原点回帰を求めて栽培を始めたこだわりの古代米。これらのポリシーから仙禽を誕生させたのが、蔵を支える薄井兄弟です。
11代目蔵元にあたる兄の薄井一樹氏は、元ソムリエの観点からドメーヌ仙禽を生み出した人物です。「安酒の仙禽」のイメージ脱却を図るため、伝統工芸品としての酒造りに着手。弟である真人氏が杜氏を務めることにより、200年以上続く仙禽に”兄弟がする酒造り”という新たなストーリーを加えました。
仙禽は広報活動や営業活動をほとんどせず、酒販店との取引や飲食店向けの講演を行うのは、蔵元である一樹氏のみ。仙禽の本当の良さを分かったファンがさらなる道を広げ、近年は国外でも高く評価されています。
1-2.仙禽という名の由来
仙禽の名は、仙界に住み仙人に仕える鳥「鶴」を意味しています。ラベルに赤・黒・白3色で描かれているシンボルも、鶴をイメージしたもの。赤は愛情、白は伝統、黒は革新とそれぞれのカラーには深い意味が隠されています。
そのすべてが響き合あうことで、ほかにはない唯一無二の味わいを生み出すのが、仙禽。酒蔵で代々受け継がれてきた名を持つ酒は、薄井兄弟を筆頭に、約30名の蔵人たちによってさらなる進化を続けています。
2.仙禽の種類と値段について
仙禽は、甘酸っぱさをキーワードに多種多様な銘柄を揃えるお酒です。完全無添加の伝統製法にこだわった「ナチュール」、洋食に合う「モダン」、和食におすすめの「クラシック」、ワンランク上の「プレミアム」とニーズに合わせた1本を選ぶことができます。
2-1.クラシック仙禽 亀ノ尾
精米歩合 | 酒米 | 価格 |
50% | 亀ノ尾(栃木県産) | 720ml 1800円(税込) 1800ml 3600円(税込) |
評判
仙禽が自社栽培する3種の酒米の中でも、強い個性を持つ古代米「亀ノ尾」を使った銘柄です。早期に火入れすることで、亀ノ尾の個性と超軟水の仕込み水の味の調和を実現。アルコール度数は15%と若干低めにすることで、よりナチュラルな味わいを生み出しています。
水のように透明で、上品かつ極上の甘みはワイングラスで味わうのもおすすめ。好みの和食とともに、ゆったり味わいたくなる日本酒です。
(出典元:お酒の通販 – いまでや)
2-2.モダン仙禽 無垢 火入れ
精米歩合 | 酒米 | 価格 |
50% | 山田錦(栃木県産) | 720ml 1600円(税込) 1800ml 3000円(税込) |
評判
普段の食事と合わせて気軽に楽しむ、仙禽の日常酒として愛されている銘柄です。「無垢」の名のとおり、味わいは実にクリアで滑らか。それでいて、米のダイレクトな旨味が感じられる力強い1本となっています。
白桃やマスカットのようなエレガントな香りは、上質な白ワインのよう。適度に冷やし、イタリアンやフレンチなどと合わせるのもおすすめです。
(出典元:お酒の通販 – いまでや)
2-3.SUMIDAオリジナル一聲(いっせい) 生
精米歩合 | 酒米 | 価格 |
35% | 山田錦(栃木県産) | 720ml 3080円(税込) |
評判
「仙禽一聲」(せんきんいっせい)とは、鶴の一声を表す言葉。名前に仙禽の存在感を込めた1本は、自社栽培の米の旨味を最大限まで引き出した特別なお酒です。
その中でも、SUMIDAの1周年を記念して造られた「仙禽一聲」は酒蔵直送のフレッシュな味わいが魅力のスペシャルバーション。ジューシーな口当たりと穏やかな酸味は、キリッと冷やすことでより一層旨味を増します。シャンパーニュグラスに注いで、ぜひその繊細なバランスをお楽しみください。
(出典元:お酒の通販 – いまでや)
2-4.オーガニック ナチュール 2019
精米歩合 | 酒米 | 価格 |
90% | 亀ノ尾(栃木県産) | 720ml 2799円(税込) |
評判
オーガニック米「亀ノ尾」と天然蔵付き酵母によって生まれる、超自然派の日本酒です。米を磨く度合いを示す精米歩合(せいまいぶあい)は90%。米の中心部分をあえて多く残すことで、古代米である亀ノ尾のポテンシャルを十分に引き出しています。
中でも2019年のナチュールは、過去のシリーズを進化させた全く新しいお酒。今までの仙禽ファンや日本酒好きも納得の、深い味わいを感じられる1本となっています。
(出典元:お酒の通販 – いまでや)
2-5.醸(かもす) 30BY
精米歩合 | 酒米 | 価格 |
40% | 山田錦、亀ノ尾、雄町 (栃木県産) | 720ml 11,000円(税込) |
評判
「時をかけて自然に創り上げる」という意味を込めた、仙禽のトップに立つブランドです。原料には、自社栽培の「山田錦」「亀ノ尾」「雄町」3種を使用。複数のブドウ品種をブレンドするワインの技法「アッサンブラージュ」を取り込んだお酒となっています。
3品種の酒を黄金比でブレンドした「醸」は、まさに仙禽だからこそ生まれる1本。香りは巨峰やラ・フランスのように華やかで、口に含めば繊細さと厚みを兼ね備えた味わいが広がります。蔵のこだわりが体現された、仙禽の頂点にふさわしい銘柄です。
(出典元:お酒の通販 – いまでや)
2-6.麗(うらら)
精米歩合 | 酒米 | 価格 |
17% | 山田錦 (栃木県産) | 720ml 5500円(税込/桐箱あり) |
評判
仙禽のプレミアム・シリーズのひとつです。「麗」がイメージするのは、美しいエネルギーと密度が幾重にも重なり合う世界。こだわりの上質酒米・山田錦をぜいたくに17%にまで磨き上げ、袋しぼりの製法でゆっくりこぼれる雫を集めたお酒です。
蔵の威信をかけて送り出す1本は、もぎたての青リンゴや白ブドウのような華やかな香りが魅力。特別な祝いの席にもぴったりの、上質な味わいを持つ銘柄です。
(出典元:お酒の通販 – いまでや)
3.仙禽の購入方法
仙禽は、特別な広報活動や営業活動をほとんどしていないお酒です。そのため、実際に購入できるのは仙禽の良さを理解した正規取扱店や通販ショップとなります。日本酒を適切な環境で保管しているお店を選べば、繊細な味わいを持つ仙禽を安心して購入することができますよ。
3-1.仙禽が購入できる実店舗
仙禽は、以下の正規取扱店で購入可能です。正規取扱店では、限定品や季節の銘柄も正規価格で購入できることがポイントです。人気商品は品切れになってしまう可能性もあるため、実際に足を運ぶ際は事前に確認してから出かけるのがおすすめですよ。
矢島酒店 | 千葉県船橋市藤原7-1-1 | 047-438-5203 |
うらの酒店 | 福岡県行橋市行事7丁目5-12 | 0930-22-2673 |
お酒のアトリエ吉祥 | 神奈川県横浜市港北区新吉田東5-47-16 | 045-541-4537 |
3-2.仙禽が購入できる通販サイト
仙禽は大手通販サイトでも購入できますが、正規の価格ではない価格で販売されていることがあるので注意が必要です。また、日本酒を専門に扱っていないお店では、品質管理が行き届いていない場合もあります。
直接商品を手にすることができない通販サイトは、日本酒に適した保存管理を行っている専門ショップを選ぶのがおすすめ。酒蔵が求める酒質そのままの、本当に美味しい仙禽を購入することができますよ。
4.仙禽の美味しい飲み方・楽しみ方
仙禽は、甘酸っぱい味わいと木桶の香りが特徴的なお酒です。繊細な香りと旨味は、適度に冷やすことでより美味しく楽しむことができます。
ワインのようにドメーヌを重視している仙禽は、ワイングラスやシャンパーニュグラスに注いで洋食と合わせるのもおすすめ。料理とのペアリングで、日本酒の楽しみをより一層広げてくれる銘柄です。
4-1.-5度で保管?
購入した仙禽を美味しく保管するためには、温度管理がポイントとなります。日本酒は温度による酒質の変化を受けやすいお酒。蔵直送の味わいをキープするために理想的な温度帯は、酵母の働きがストップする-5℃だと言われています。
とはいえ、家庭用の冷蔵庫では-5℃をキープするのは簡単なことではありません。そこでおすすめしたいのが、日本酒専用に開発された冷蔵庫「日本酒セラー」です。日本酒に大敵な紫外線を避けつつ、-5℃をキープできるセラーなら、一度開栓した日本酒も美味しいまま保管できます。
日本酒セラーがない場合には、紫外線のあたらない冷暗所で縦置きで保管するのがおすすめ。日本酒は空気に触れると酸化しやすくなるため、開戦後はなるべく早く飲みきるように心がけてくださいね。
5.仙禽の期間限定品
仙禽では、四季折々に季節を味わう限定品が販売されています。春の限定のお酒は「さくら(OHANAMI)」。まろやかな旨味を持つうすにごりのお酒は、春の桜を見上げながら楽しみたくなる1本です。
夏に登場するのは、その名も「かぶとむし」。七色のかぶとむしが描かれた透明のボトルには、かぶとむしが好む蜜のようにうっすら黄色い生原酒が詰められています。秋には「赤とんぼ」、冬は「雪だるま」と、季節をイメージした商品はどれも仙禽のこだわりが溢れる銘柄ばかり。仙禽ファンが登場を待ちわびる、人気商品となっています。
6.まとめ
仙禽は、超自然派の酒造りで唯一無二の味わいを誕生させた銘柄です。元ソムリエの蔵元が生み出すブランドは革新的でありながら、根本にあるのはあくまでも伝統的な製法。今までの日本酒にはないドメーヌを意識した酒造りや限定銘柄が、日本酒好きを楽しませてくれます。
栃木県から国内、そして世界へと躍進を続ける仙禽は、今後も高い注目度を集めるお酒。英語で描かれるラベルにも、その意気込みがぞんぶんに表れていると言えるでしょう。