日本酒のなかでも上等な銘柄として名高い菊正宗(きくまさむね)。
今回は日本酒の菊正宗とはどんな銘柄なのか解説していきます。
購入方法や美味しい飲み方も紹介するので、参考にしてみてください!
目次
1.日本酒 菊正宗の酒造元や由来について
1-1.酒造元は菊正宗酒造
菊正宗は関西有数の都市、神戸にある蔵元「菊正宗酒造」で作られています。屋号がそのまま主力商品の銘柄名になっているわけですね。
菊正宗酒造が創業したのは1659年にまでさかのぼります。当時の酒造業は商売でも新しい分野。今でいうベンチャー企業を立ち上げる感覚で、創業者が酒造りをはじめたそうです。
そこから1700年代になると、関西から江戸(今の東京)に送られるお酒の人気が高まりました。その人気に後押しされて、菊正宗酒造の品質の高さが全国に広まったそうです。
今では300年以上の歴史を持つ老舗酒造として、菊正宗酒造は全国の日本酒ファンから愛されています。
1-2.菊正宗という名の由来
菊正宗はもともと「正宗」のみの名前だったそうです。正宗の訓読み=セイシュウと清酒=セイシュをかけて名付けられたといわれています。しかし、1つ問題点がありました。日本酒好きの間では有名ですが、正宗という銘柄は全国に多く存在するのです。
その理由は江戸の日本酒人気に火をつけた銘柄が「正宗(菊正宗とは別)」だったこと。各地の蔵元はそれにあやかって、同じ正宗という名前でお酒を販売していました。そのため、商標登録という概念ができたとき、正宗という商標は数が多すぎて受理されなかったそうです。
そこで当時の菊正宗酒造の主がふと思いついた”菊”の字をつけて、菊正宗という銘柄・屋号ができたといわれています。
2.菊正宗の種類と値段について
2-1.菊正宗 純米大吟醸
菊正宗の吟醸酒は2種類の主力商品があります。その1つが上等な酒造米として知られる山田錦を100%使った「純米大吟醸」。菊正宗の味を知るにはまず純米大吟醸といわれるほど、定番の商品です。
味わいは雑味のないすっきりした口当たりが特徴。米のうま味を最大限に引き出した上質な日本酒です。爽快な後味が食をぐいぐいと進めてくれます。食中酒に最適な1本です。
純米大吟醸720ml:参考小売価格5,000円
(出典元:amazon.com)
評判
菊正宗の純米大吟醸は飲みやすいことに定評があります。普通の吟醸酒はクセが強く、苦手な人も多いですよね。しかし、菊正宗の純米大吟醸は喉に心地いいキレのよさがあります。思わず飲み過ぎてしまう人も珍しくありません。
はじめて日本酒を飲むなら菊正宗の純米大吟醸がイチオシという声も多数。飲みやすい日本酒を探しているなら、純米大吟醸を選んでみるといいでしょう。
2-2.菊正宗 生酛大吟醸
純米大吟醸と並んで人気なのが、伝統製法”生酛造り(きもとづくり)”で造られる「生酛大吟醸」です。生酛造りは簡単にいうと、一からすべて手作業で行う酒造法。職人の熟練の技で仕込まれた大吟醸は大量生産品にはない複雑なコクがあります。
淡麗辛口として造られていますが、ほのかな甘みもありバランスの取れた味です。総合的にクオリティの高いお酒といえます。
生酛大吟醸720ml:参考小売価格1,100円
(出典元:amazon.com)
評判
生酛大吟醸は和食だけではなく、洋食・中華にも相性がいいと好評。本来、味の濃い料理には繊細な味の日本酒はあわないことが多いです。しかし、生酛大吟醸はしっかりとしたコクがあるため、強い味付けにも負けません。洋食・中華の独特な風味もしっかり引き立ててくれます。
グルメな人にぜひ飲んで欲しいお酒です。
2-3.菊正宗 嘉宝蔵 雅
菊正宗の純米酒といえば「嘉宝蔵(かほうぐら)」シリーズが有名です。吟醸酒と同じく山田錦を100%使用。さらに兵庫では有名な酒造用水「宮水」を使うなど、素材のこだわりを感じられるお酒です。
米のうま味が濃く、舌に残る風味豊かな余韻が特徴。原料の米の味を壊さないように丹念に造られたことが伝わってきます。老舗酒造の技術を感じられる純米酒です。
嘉宝蔵 雅720ml:参考小売価格2,000円
嘉宝蔵 灘の生一本720ml:参考小売価格1,028円
(出典元:amazon.com)
評判
菊正宗の純米酒は香りがいいことで人気です。本来、純米酒は吟醸酒に比べて香りが劣ることが一般的。しかし、菊正宗の純米酒は吟醸酒に負けない芳醇な香りを楽しむことができます。口に含むと鼻を抜ける米の匂いが、食欲をかき立ててくれますね。
ワインのように香りを楽しむお酒が好きな人は菊正宗の純米酒がおすすめです。
2-4.菊正宗 上撰
菊正宗の本醸造酒は「上撰」が代表的です。喉を刺激するキレと、さわやかな後味が特徴。いわゆる辛口淡麗の飲み口にこだわりを持って造られています。あっさりしているのにコクがあり、不思議な飲みごたえがあるお酒です。
夕食に軽く飲みたいときにぴったり。高品質ながら、お手ごろ価格なので、日常的に飲む人も多くいます。安くておいしいお酒なら菊正宗の本醸造酒で間違いないです。
上撰・本醸造720ml:参考小売価格790円
(出典元:amazon.com)
評判
菊正宗の本醸造酒を好む人がよく口にするのは「飲み飽きない」です。辛口淡麗を売りにする日本酒は蔵元独自の個性を強く出していることがあります。
しかし、菊正宗の本醸造酒は良い意味で個性がありません。毎日飲んでも飽きることがなく、いつ飲んでも筋の通ったおいしさを味わえます。お寿司やお刺身など、雑味が天敵となる料理にも相性抜群です。
変わり種ではなく、王道的な日本酒を求めている人は菊正宗の本醸造酒を選んでみてください。
3.菊正宗が購入できる実店舗・通販サイト
3-1.菊正宗が購入できる実店舗
菊正宗は実店舗では各地の酒屋さんなどで購入することができます。身近な場所で買えるので、探すのに苦労することはないでしょう。しかし、どうせ実店舗で購入するのなら「菊正宗酒造記念館」に行くのがおすすめです。
菊正宗酒造記念館は文化財に指定された古い酒造用具などを展示した資料館。菊正宗酒造と同じく神戸にあり、一般の人も入場することが可能です。酒造の歴史を学べるほか、菊正宗の限定ラベルやお土産品を販売しています。
近隣にお住いの場合や、神戸に観光に訪れたときは立ち寄ってみるといいでしょう。
菊正宗酒造記念館
所在地:兵庫県神戸市東灘区魚崎西町1-9-1
電話番号:078-854-1029
3-2.菊正宗が購入できる通販サイト
菊正宗は酒造が運営する公式ネットショップでも購入することができます。もちろん、Amazonや楽天といった通販サイトでも購入可能。しかし、公式ネットショップのほうがお酒好きにうれしいサービスがたくさんあるのでおすすめです。
たとえば、公式ネットショップでは和食、洋食といった感じでジャンルごとに相性のいい商品を紹介しています。より自分好みの日本酒を見つけられるのはうれしいですよね。ほかにも、期間限定の蔵出し商品や、新商品の情報をいち早くゲットできるメリットもあります。
自宅にいながら菊正宗を購入したい人は公式ネットショップを利用してみてください。
4.菊正宗の美味しい飲み方・楽しみ方
菊正宗は基本的にどの種類も辛口として造られています。そのため、常温で飲むのがおすすめです。常温は辛口特有のキレをちょうどよく味わえる状態。菊正宗特有の爽快さも十分に感じ取れます。
普段から日本酒をたしなむ人は冷酒にしてもいいでしょう。清涼感が増し、夏にあっさりと食べたい漬物などと相性がよくなります。
菊正宗を飲むときは、ぜひ常温か冷酒にして飲んでみてください。
4-1.-5度で保管?
菊正宗を含め、多くの日本酒は-5度で保存するのが望ましいとされています。日本酒は熱に弱い性質があり、直射日光はもちろん、部屋の明かりにも弱いです。暗所に保存していても、気温の上がる夏場では味や風味が劣化する可能性があります。
できれば、日本酒が凍らない温度である-5度で保存するのが理想的。しかし、常に-5度を実現するには専用のセラーなどが必要です。自宅にそこまでの設備を用意できないときは、普通に冷蔵庫で保存しておきましょう。
5.本流辛口へのこだわり
菊正宗は糖分の少ない”本流辛口”であることにこだわっています。その理由は辛口の日本酒が料理の味を抜群に引き立ててくれるからです。つまり、菊正宗は食事と一緒に飲む食中酒として造られているわけですね。
菊正宗はどの種類も雑味のないクリアな味わいが特徴。繊細な味付けが多い和食によくあいます。ピリッとした刺激は洋風の肉料理などにも相性がいいです。菊正宗は料理と一緒に味わってこそ、本当の魅力がわかるといっても過言ではないでしょう。
菊正宗を購入した人は、ぜひ料理と一緒にいただいてみてください。
6.まとめ
日本酒のなかでも名高い銘柄、菊正宗ついて解説してきました。菊正宗は江戸時代から続く辛口の日本酒です。吟醸酒、純米酒、本醸造酒など、さまざまな種類がありますが、いずれも料理の味を格段に引き出してくれます。食中酒といえば菊正宗といって過言ではないでしょう。
もし、菊正宗を購入したい!と思ったら記事で紹介した菊正宗酒造記念館、公式ネットショップを利用してみてください。菊正宗の魅力をより深く知ることができるはずです。