一升瓶は大きいということはわかっても、どのくらいの量が入っているかすぐにわかる人は少ないのではないでしょうか。今回は日本酒ではお馴染みの一升瓶の量や日本酒が一升瓶で作られている理由などをご紹介していきます。
目次
1.一升瓶の日本酒は1,800mlの量で、高さ39.8cm、幅10.4cm!
日本酒といえば紙パックもありますが、やはり一升瓶が並んでいるところが思い浮かびますよね。一升瓶はどのくらいの量の日本酒が入っているのでしょうか?
1-1.サイズと容量について
一升瓶には1,800ml入っています。1合入る徳利(とっくり)だと10本分、一寸おちょこ(18ml)だと100坏分になります。一般的な一升瓶の高さは39.5cm。底の部分の直径は10.53cm、ふたの部分の直径は3cmです。
1-2.尺貫法について
一升瓶の「升」は計量するときに使われる単位。「尺貫法(しゃっかんほう)」と呼ばれており、長さを尺(しゃく)、質量を貫(かん)、体積を升(しょう)と表します。
先ほどご紹介したとおり、10合で1升になります。合は日本酒だけではなくお米でもお馴染みの数え方です。また10升で1斗(と)。つまり一斗缶は18,000ml入っているのです。
1-3.一升瓶の色について
日本酒の一升瓶の色は、緑や茶が多いですが、これには理由があります。日本酒は紫外線に弱く、日光が当たると味や香りに影響してしまうため、瓶に光が通りにくい色がつけられているのです。
にごり酒や夏限定といった日本酒には、日本酒の色を見せたい、清涼感が出るようにといった理由で、透明や青など薄い色の瓶で販売されているものもあります。薄い色の瓶の日本酒は、店頭では中身の入っていない見本が置いてあり、商品は箱などに入れてあることが多いです。遮光がされておらず、そのまま出ている場合は、日本酒の扱い方をよくわかっていないお店です。店頭に出ているものではなく光にあたっていない場所で保管してある日本酒を購入しましょう。
ここがPOINT!
- 一升瓶には1,800ml入っています。1合入る徳利(とっくり)だと10本分
- 一升瓶の高さは39.5cm。底の部分の直径は10.53cm、ふたの部分の直径は3cm
- 10升で1斗(と)。つまり一斗缶は18,000ml
2.一升瓶で日本酒が作られる理由
日本酒が一升瓶で作られているのは、明治時代に桶などで量り売りをしていたのですが、水増しなど不正を防ぎ、衛生的に販売するためにと一升瓶に入れるようになった習慣が現在まで続いているのだとか。
紙パックの日本酒もありますが、高級な銘柄は一升瓶のイメージが強いですよね。実は同じ銘柄であれば、一升瓶でも紙パックでも味や品質が変わるわけではないのですが、紙パックの方が安いので美味しくないのでは?というイメージがあり、高級な日本酒は紙パックにすることをためらっているのです。
3.一升瓶の日本酒を正しく保存する3つの方法
大人数で飲むとき以外、日本酒の一升瓶が一気になくなるということは少ないですよね。一升瓶は大きいので場所を選びますが、正しく保存しないと美味しい日本酒を台無しにしてしまうことが。一升瓶の日本酒を買ったときのために、保存方法をしっかり学んでおきましょう。
3-1.光を避ける
先ほどもご紹介しましたが、瓶の色にもこだわるくらい日本酒は光に弱いのです。日光に30分でも当たると紫外線の影響で色が変化し、劣化したサインでもある日光臭がしてきます。
また、日光だけではなく室内の蛍光灯からも紫外線は出ているので、外ではないからと安心してはいけません。光の当たらない場所での保存が難しいときは、箱に入れたままにしたり、新聞紙で包んだり、とにかく光を避けて保存しましょう。
3-2.温度差を避ける
日本酒を保存するときは、温度が一定に保たれた冷暗所が基本です。光が避けられるからといって、暑い季節に急に温度が上がるような場所で保存することはやめましょう。日本酒が好きで家に常備しているという人は、一定に温度が保たれている日本酒専用の冷蔵庫があると便利です。
3-3.縦置きで保管する
日本酒の一升瓶は大きいからといって横向きに入れてしまう人もいますが、実はあまりよくないのです。横に置いてしまうと、日本酒が空気に触れる面積が増えるので劣化が早くなったり、キャップが金属の場合は味が移ってしまったり、キャップが錆びてしまったりするので、必ず縦置きにしましょう。
縦に置く場所がないというときは、小さな瓶に移すのも◎。ただし、瓶は煮沸消毒をした綺麗な瓶に移してくださいね!
4.マイナス5度で保存する?
日本酒の保存に適した温度は実は「-5度」。5度前後で大丈夫といった情報も目にしますが、-5度で保存するのが美味しい状態を保てると酒蔵などでも推奨されている温度なので覚えておきましょう。
日本酒を保存するときは、冷蔵庫に入れればとりあえずOKと考えている人もいるかもしれませんが、冷蔵室は3~5度、ドアポケット部分は6~9度、チルドは0度前後、野菜室は3~7度、冷凍室は-20~-18度となっています。こうしてみると-5度の部屋が冷蔵庫にはないことがわかります。
そこでおすすめなのが日本酒専用の冷蔵庫!まだまだ数は多くありませんが-5度を保つことができる冷蔵庫が販売されています。「大げさな・・・。」と感じるかもしれませんが、日本酒通ならワインセラーならぬ日本酒専用の冷蔵庫があってもいいのではないでしょうか。
5.まとめ
日本酒を一升瓶で買うなら最後まで美味しく飲みたいものです。日本酒の保存に適した温度は「-5度」。正しい保存方法で一滴残らず美味しく楽しみましょう。最近は720mlの4合瓶も増えてきています。一升瓶だとなかなか保存が難しい、飲み切らないといったときは便利なので試してみては?