無濾過生原酒とは、濾過や火入れ、加水をしていない日本酒のことです。今回は、おすすめ無濾過生原酒13選をご紹介!「濾過って?」「火入れってなに?」という疑問もわかりやすく解説します。ぜひ日本酒選びの参考にしてくださいね。
目次
1.日本酒の「無濾過生原酒」とは
「無濾過生原酒(むろかなまげんしゅ)」は、「濾過」をしていない「生」の「原酒」です。日本酒を造るうえで、次の3つの工程をおこなわないことを表します。
- 濾過
- 火入れ(加熱処理)
- 加水
「ムロカナマゲンシュ」とまるで呪文のようなネーミングも、ひとつひとつを紐解けばスッキリ納得。日本酒選びがより一層楽しくなりますよ。
無濾過
日本酒造りの工程で「濾過(ろか)」をしないことを「無濾過(むろか)」といいます。濾過は、搾ったお酒に残る固形物を除去する作業です。同時に、色や香りの調整もおこないます。
通常であれば、濾過をおこなうのは全部で2回。日本酒を搾った後と、加水をした後です。濾過機と呼ばれる専用の機械を使うほか、粉末状の活性炭をタンクに入れる方法もあります。
濾過をしていない日本酒は、うっすら黄色く香り豊かなことが特徴です。
生
加熱処理をしない日本酒は「生」「生酒」と呼ばれます。搾ったままの日本酒は、糖化酵素と呼ばれる成分が生きた状態。そのままでは、味の変化や腐敗の原因になります。
そこで、日本酒造りでは「火入れ」と呼ばれる低温加熱殺菌を2回にわけておこないます。2回とも火入れをしないものが「生酒」。1回目だけ火入れしたものは「生詰め酒」、2回目だけ火入れしたものは「生貯蔵酒」です。
1回目の火入れ | 2回目の火入れ | |
生酒 | なし | なし |
生詰め酒 | あり | なし |
生貯蔵酒 | なし | あり |
一度も加熱しない「生」の日本酒は、できたての味わいが詰まった状態。冷蔵で保管し、鮮度が良いうちに飲み切るのがおすすめです。
原酒
「原酒」は加水をしていないお酒です。日本酒は、瓶に詰める前に「仕込み水」を加え、アルコール度数と香りを調整します。加水をした後のアルコール度数は、15~16%が一般的です。
加水をしない原酒は、アルコール度数18~20%と高いのが特徴です。味わいもよりくっきりと明確で、酸味や甘みが引き立つものが多くみられます。
1-1.無濾過生原酒の特徴
濾過ナシ、火入れナシ、加水ナシの無濾過生原酒は、次のような特徴があります。
- 香りがフルーティーで華やか
- 口当たりがなめらか
- 甘みと酸味が強くジューシーな味わい
無濾過生原酒は「吟醸酒」と呼ばれる香り豊かな日本酒に多くみられます。顔を近づけるとハッとするような、フルーティーな香りが特徴です。
口当たりはなめらか。と同時に、しっかりとした甘みと酸味が感じられます。「ジューシー」といわれることも多い個性的な味わいです。
一方で、後口はさらりと軽くアルコール度数の高さを忘れてしまうほど。「日本酒は重たく、香りが独特で飲みづらい」と感じる方ほど、真逆のイメージに驚いてしまうかもしれません。
2.無濾過生原酒の日本酒おすすめ13選
ここからは、おすすめの無濾過生原酒13銘柄をご紹介!どれも「お!」と驚くような味わいを持つ日本酒ばかりです。
前述したように、無濾過生原酒は加熱処理をしていないお酒です。蔵が目指す美味しさを味わうためにも、ぜひ保存管理が行き届いたお店で購入し、自宅でも冷蔵保管を基本にしてくださいね。
2-1.早瀬浦 純米吟醸 限定生原酒
香りはメロンや洋ナシのように甘く華やか。スムーズな飲み口の後にジュワッとした旨味が広がります。福井県の人気蔵「早瀬浦(はやせうら)」の季節限定商品です。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-2.農口尚彦研究所 山廃愛山 無濾過生原酒
手間ひまかかる山廃(やまはい)仕込みで造った無濾過生原酒です。香りは甘酸っぱいベリーのよう。山廃ならではの爽やかな酸味が絶妙にマッチしています。燗にしてもおいしい日本酒です。
(出典元:農口尚彦研究所 ONLINE STORE)
2-3.加茂錦 荷札酒 槽場汲み 純米大吟醸 無濾過生原酒
「槽場汲み(ふなばくみ)」とは、搾ったお酒をその場で瓶詰すること。そのなかでも「仲汲み(なかぐみ)」と呼ばれるバランスに優れた部分のみを選別しています。味わいは実にフレッシュ。無濾過生原酒の醍醐味を体感できるお酒です。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-4.手取川 純米無濾過生原酒 トワイライト
「黄昏どきに1杯いかが?」と誘う夏の夕暮れにぴったりの1本。アルコール度数12%と、原酒のなかでも低めの設定です。冷たくしてワイングラスで、氷を浮かべてロックでと思い思いのスタイルで楽しめます。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-5.廣戸川 純米大吟醸 無濾過生原酒
地元福島県産の酒米「夢の香」を使用。一粒の米を50%まで磨いた贅沢な無濾過生原酒です。香りは甘く、口当たりまろやか。上品な酸味が後口を引き締め、ついつい「もう少し…」と次の1杯を誘います。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-6.阿櫻 特別純米 無濾過生原酒 超旨辛口+10
ジュワッと広がる旨味を引き締めるキレの良さ。香りはあくまでもスッキリと、食中酒にもぴったりの1本です。天ぷらや、少し濃い味付けの煮物とも好相性。寒い時期にはぬる燗でいただくのもおすすめです。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-7.岩の井 純米吟醸 美山錦 無濾過生原酒
香りはあくまでも控えめ。口に含むとピチピチとしたガス感が感じられます。「美山錦(みやまにしき)」は長野県の酒米です。岩の井では「玉栄(たまさかえ)」「雄町(おまち)」など、酒米ごとの無濾過生原酒も製造しています。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-8.うごのつき 純米大吟醸 千本錦 無濾過生原酒
広島県の銘酒といわれる「雨後の月(うごのつき)」。繊細かつ深みのある旨味が感じられます。原酒ならではのキリッとした酸味も印象的。食事とあわせても美味しい1本です。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-9.仙禽 かぶとむし 無濾過生原酒
もぎたてのリンゴのようなジューシーな甘みと酸味。しっかりとした輪郭がありつつ、後口はあくまでクリア。きらめくような味のコントラストに驚く1本です。アルコール度数も低く、普段日本酒を口にしない方もぞんぶんに楽しめます。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-10.陸奥八仙 シルバーラベル 吟醸あらばしり 無濾過生原酒
青森の人気銘柄「陸奥八仙(むつはっせん)」。新酒シーズンに登場する人気の無濾過生原酒です。香りはフルーティーでボリュームのある味わい。フレッシュなガス感とキレの良さを楽しめます。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-11.出羽桜 純米吟醸 出羽燦燦 無濾過生原酒
「出羽燦々(でわさんさん)」は山形県の酒米。地元の米と水、蔵人が醸す生酒は実に豊かな味わいです。山形の恵みが詰まった1本は、適度に冷やしていただくのがおすすめ。スッキリとした酸味が料理の味わいを引き立てます。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-12.不動 彗星 純米吟醸 無濾過生原酒
グレープフルーツのように爽やかな香り。口に含むと旨味とコクがジュワッと広がります。キリッとした酸味も心地よく、飲み飽きしない美味しさ。人気蔵「鍋店(なべだな)」の夏季限定銘柄です。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-13.山丹正宗 初しぼり 純米 生原酒
そのシーズンで初めて搾ったお酒をそのまま瓶詰め。新酒ならではのフレッシュな旨味が際立つ無濾過生原酒です。米のコクが感じられる芳醇タイプ。さわやかな香りとほのかな甘みが心地よい酔いの世界へと誘います。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
まとめ
無濾過生原酒は、搾りたてそのままの味わいが大きな魅力。特に、新酒のシーズンは生まれたての美味しさを堪能できます。酒屋さんで、飲食店で「無濾過生原酒」の文字を見かけたら、ぜひ一度その味わいを試してみてくださいね。