
赤酒は、熊本県で古くから親しまれているお酒です。甘く濃密な味わいで、みりんのように料理用に使われることもあります。今回は、赤酒の美味しい飲み方をご紹介! 熊本発の赤酒の世界をぜひお楽しみください。
目次
1.熊本の地酒「赤酒」の歴史と製法
赤酒は、熊本地方に古くから伝わるお酒です。色はほんのり赤みをおびたオレンジ色。味わいは濃く、甘く、ほかの清酒にはない魅力にあふれています。
また、赤酒の味を生み出すのが「灰持(あくもち)」と呼ばれる伝統製法です。平安時代に生まれた製法は、現在は熊本県の2社の酒蔵に受け継がれています。
1-1.赤酒は熊本地方で長い歴史を持つお酒
江戸時代、赤酒は「お国酒」として肥後細川藩(現熊本県)で保護されていました。赤酒以外の酒の製造や、他藩からの酒の流入を禁止していたほどです。
ところが、明治時代になると、現在主流となっているような清酒が熊本県にも流入してきます。徐々に赤酒の需要は減少し、第二次世界大戦中には製造が禁止され、赤酒は市場から姿を消してしまいました。
しかし、戦後には「熊本の地酒は赤酒」という地元民の声に後押しされ、赤酒造りが復活。赤酒はお正月のお屠蘇や日常酒として、現在も熊本県で愛され続けています。
1-2.「灰持(あくもち)」という伝統製法で造られる
赤酒は「灰持(あくもち)」という伝統製法で造られるお酒です。もろみに灰を入れる「灰持」の製法は、古く平安時代に誕生したといわれています。
一般的な日本酒は、保存性を高めるために「火入れ」という加熱処理をほどこします。一方、赤酒はもろみを搾る前に「木灰(もくはい)」を入れて保存性を高めるのが特徴です。木灰を入れることで酸が中和され、独特の香りを持つ微アルカリ性の赤酒ができあがります。
火入れするお酒を「火持酒(ひもちざけ)」と呼ぶのに対し、灰持製法で造った赤酒は「灰持酒(あくもちざけ)」ともいわれています。
1-3.お屠蘇(とそ)や料理酒として熊本で愛される
赤酒は、熊本の人々に古くから愛されるお酒です。新しい年の始まり、熊本ではおせち料理とともに、赤酒を「お屠蘇(とそ)」としていただきます。
屠蘇散(とそさん)と呼ばれる、お屠蘇用の植物を詰めた袋を赤酒にひたし、お屠蘇酒に仕上げることもあるんですよ。
また、赤酒はみりんに代わる調味料としても親しまれています。料理用赤酒は「肉や魚料理がふっくら仕上がる」「甘みが和食の味を引き立てる」と全国の飲食店でも愛用されています。
2.「千代の園酒造 赤酒」の種類
熊本県の酒蔵「千代の園酒造」では、3種類の赤酒を製造しています。料理に使ったり、ロックやソーダ割りにしたりと、さまざまな楽しみ方ができるのが特徴です。
2-1.極上赤酒
極上赤酒は、すっきりとした甘みに仕上げられた赤酒です。ひんやり冷やすと、赤酒のコクとさらりとした甘みをより一層楽しめます。炭酸割りやジンジャーエール割りと、さまざまなアレンジができる赤酒です。
(出典元:千代の園酒造)
2-2.肥後特産赤酒
肥後特産赤酒は、昔ながらの味わいが活きた赤酒です。こっくりとした甘みと、深いコクを楽しめます。熊本のお正月のお屠蘇にも欠かせない1本。料理用にも適しています。
(出典元:千代の園酒造)
2-3.料理酒用赤酒
甘さとコクが料理の味を引き立ててくれる、調理用の甘酒です。煮魚や煮物のような和食にぴったり。めんつゆも甘くまろやかに美味しく仕上がります。
(出典元:千代の園酒造)
3.赤酒をより美味しく!おすすめの飲み方5選
今回は「千代の園 極上赤酒」を使った、おすすめの飲み方5選をご紹介します!
赤酒の甘く濃い味わいは、そのままはもちろん、アレンジをきかせても美味しいことが何よりの魅力。熊本県民でなくても、一家に1本、赤酒を常備したくなりますよ。
3-1.赤酒ロック
まずはキリッと冷やしたロックで! ひんやりさせることで、赤酒のさらりとした甘さを楽しめます。それでいて、赤酒ならではのコクと香りはしっかり。暑い夏にもぴったりの1杯です。
3-2.赤酒ソーダ
続いてご紹介するのは、赤酒のソーダ割り。シュワシュワっとした泡とともに、赤酒の甘い香りが立ち上ります。赤酒ならではのオレンジ色がきれいな1杯。ぐびぐびっと飲み干したくなる美味しさです。
3-3.赤酒ジンジャーエール
大人の味わいが恋しい人には、ぜひ赤酒ジンジャーエール割りを。赤酒の甘みを、ショウガのピリリとした辛みが引き締めてくれます。お好みでレモンスライスを浮かべても◎。
3-4.赤酒ミルク
赤酒の甘さとミルクのコクが絶妙にマッチング! 赤酒ミルクはお酒が苦手な方にもおすすめです。赤酒を入れたグラスに静かにミルクを注げば、きれいな2層に。寒い時期には温めても美味しそうですね。
3-5.赤酒アイス
赤酒はデザートにも大活躍。バニラアイスに注げば美味しい大人のデザートのできあがりです。溶けかけのバニラアイスと甘い赤酒のペアリングがたまりません。
熊本の伝統酒「赤酒」を新スタイルで楽しもう
熊本県の赤酒は、甘さとコクが魅力的なお酒です。そのまま飲むだけでなく、料理に使ったり、アレンジをきかせたりして味わえます。伝統酒である赤酒を、ぜひ好みの新スタイルで楽しんでみてくださいね。