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熊本の伝統酒「赤酒」とは?歴史や種類、おすすめの飲み方5選をご紹介

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熊本の伝統酒「赤酒」とは?歴史や種類、おすすめの飲み方5選をご紹介

執筆者情報

shiho
お酒とねこでできているライター。日本酒、ウイスキー、ワイン…すべてのお酒をこよなく愛す。酒好きが高じて利酒師免許を取得。 blog「わたしの酒棚」 https://sakadana.net/

監修者

日本酒ラボ編集部
日本酒ラボに携わってから日本酒のおいしさ・奥深さを知り、唎酒師の資格を取得。日本酒ラボを通して、日本酒のおいしさ・楽しさを日本酒にもあまり馴染みがない方にもお伝えしていきます。

赤酒は、熊本県で古くから親しまれているお酒です。甘く濃密な味わいで、みりんのように料理用に使われることもあります。今回は、赤酒の美味しい飲み方をご紹介! 熊本発の赤酒の世界をぜひお楽しみください。

1.熊本の地酒「赤酒」の歴史と製法

赤酒

赤酒は、熊本地方に古くから伝わるお酒です。色はほんのり赤みをおびたオレンジ色。味わいは濃く、甘く、ほかの清酒にはない魅力にあふれています。

また、赤酒の味を生み出すのが「灰持(あくもち)」と呼ばれる伝統製法です。平安時代に生まれた製法は、現在は熊本県の2社の酒蔵に受け継がれています。

1-1.赤酒は熊本地方で長い歴史を持つお酒

江戸時代、赤酒は「お国酒」として肥後細川藩(現熊本県)で保護されていました。赤酒以外の酒の製造や、他藩からの酒の流入を禁止していたほどです。

ところが、明治時代になると、現在主流となっているような清酒が熊本県にも流入してきます。徐々に赤酒の需要は減少し、第二次世界大戦中には製造が禁止され、赤酒は市場から姿を消してしまいました。

しかし、戦後には「熊本の地酒は赤酒」という地元民の声に後押しされ、赤酒造りが復活。赤酒はお正月のお屠蘇や日常酒として、現在も熊本県で愛され続けています。

1-2.「灰持(あくもち)」という伝統製法で造られる

赤酒は「灰持(あくもち)」という伝統製法で造られるお酒です。もろみに灰を入れる「灰持」の製法は、古く平安時代に誕生したといわれています。

一般的な日本酒は、保存性を高めるために「火入れ」という加熱処理をほどこします。一方、赤酒はもろみを搾る前に「木灰(もくはい)」を入れて保存性を高めるのが特徴です。木灰を入れることで酸が中和され、独特の香りを持つ微アルカリ性の赤酒ができあがります。

火入れするお酒を「火持酒(ひもちざけ)」と呼ぶのに対し、灰持製法で造った赤酒は「灰持酒(あくもちざけ)」ともいわれています。

1-3.お屠蘇(とそ)や料理酒として熊本で愛される

赤酒は、熊本の人々に古くから愛されるお酒です。新しい年の始まり、熊本ではおせち料理とともに、赤酒を「お屠蘇(とそ)」としていただきます。

屠蘇散(とそさん)と呼ばれる、お屠蘇用の植物を詰めた袋を赤酒にひたし、お屠蘇酒に仕上げることもあるんですよ。

また、赤酒はみりんに代わる調味料としても親しまれています。料理用赤酒は「肉や魚料理がふっくら仕上がる」「甘みが和食の味を引き立てる」と全国の飲食店でも愛用されています。

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2.「千代の園酒造 赤酒」の種類

熊本県の酒蔵「千代の園酒造」では、3種類の赤酒を製造しています。料理に使ったり、ロックやソーダ割りにしたりと、さまざまな楽しみ方ができるのが特徴です。

2-1.極上赤酒

極上赤酒は、すっきりとした甘みに仕上げられた赤酒です。ひんやり冷やすと、赤酒のコクとさらりとした甘みをより一層楽しめます。炭酸割りやジンジャーエール割りと、さまざまなアレンジができる赤酒です。

極上 赤酒

(出典元:千代の園酒造

2-2.肥後特産赤酒

肥後特産赤酒は、昔ながらの味わいが活きた赤酒です。こっくりとした甘みと、深いコクを楽しめます。熊本のお正月のお屠蘇にも欠かせない1本。料理用にも適しています。

肥後特産赤酒

(出典元:千代の園酒造

2-3.料理酒用赤酒

甘さとコクが料理の味を引き立ててくれる、調理用の甘酒です。煮魚や煮物のような和食にぴったり。めんつゆも甘くまろやかに美味しく仕上がります。

料理酒赤酒

(出典元:千代の園酒造

3.赤酒をより美味しく!おすすめの飲み方5選

今回は「千代の園 極上赤酒」を使った、おすすめの飲み方5選をご紹介します!

赤酒の甘く濃い味わいは、そのままはもちろん、アレンジをきかせても美味しいことが何よりの魅力。熊本県民でなくても、一家に1本、赤酒を常備したくなりますよ。

3-1.赤酒ロック

赤酒ロック

まずはキリッと冷やしたロックで! ひんやりさせることで、赤酒のさらりとした甘さを楽しめます。それでいて、赤酒ならではのコクと香りはしっかり。暑い夏にもぴったりの1杯です。

3-2.赤酒ソーダ

赤酒ソーダ

続いてご紹介するのは、赤酒のソーダ割り。シュワシュワっとした泡とともに、赤酒の甘い香りが立ち上ります。赤酒ならではのオレンジ色がきれいな1杯。ぐびぐびっと飲み干したくなる美味しさです。

3-3.赤酒ジンジャーエール

赤酒ジンジャーエール

大人の味わいが恋しい人には、ぜひ赤酒ジンジャーエール割りを。赤酒の甘みを、ショウガのピリリとした辛みが引き締めてくれます。お好みでレモンスライスを浮かべても◎。

3-4.赤酒ミルク

赤酒ミルク

赤酒の甘さとミルクのコクが絶妙にマッチング! 赤酒ミルクはお酒が苦手な方にもおすすめです。赤酒を入れたグラスに静かにミルクを注げば、きれいな2層に。寒い時期には温めても美味しそうですね。

3-5.赤酒アイス

赤酒アイス

赤酒はデザートにも大活躍。バニラアイスに注げば美味しい大人のデザートのできあがりです。溶けかけのバニラアイスと甘い赤酒のペアリングがたまりません。

熊本の伝統酒「赤酒」を新スタイルで楽しもう

熊本県の赤酒は、甘さとコクが魅力的なお酒です。そのまま飲むだけでなく、料理に使ったり、アレンジをきかせたりして味わえます。伝統酒である赤酒を、ぜひ好みの新スタイルで楽しんでみてくださいね。