黒龍は、こだわりの酒米と伝統製法を用いた吟醸酒で知られる日本酒です。特に、精米歩合35%の純米大吟醸「石田屋」は、高級日本酒として高い人気を誇る銘柄。品の良い香りとまろやかな飲み口が、日本酒を飲み慣れない方にも好まれています。
こちらの記事では、「黒龍ってどんなお酒?」「黒龍を美味しく飲みたい!」という方に向け、黒龍の特徴やおすすめ銘柄、購入方法などについてご紹介します。
目次
1.日本酒の黒龍とは
「黒龍」(こくりゅう)は、大吟醸の先駆けとして全国に名をはせるお酒です。仕込み水に使われるのは、九頭竜川の伏流水。自然のフィルターを通し山から川へと流れ込んだ水は、黒龍の軽くやわらかな口当たりの原点となっています。
酒米には、東条産の山田錦や福井県大野産の五百万石など、すべて酒造好適米を使用。米を磨く度合いを示す精米歩合は平均約50%と、米の美味しい部分だけを贅沢に用いたお酒です。
フルーティーな香りと繊細な味わいは、福井県の冬の名物でもある越前ガニとの相性もばつぐん。中でも、創業者の石田二左衛門からその名をとった「石田屋」と「二左衛門」は、黒龍のトップブランドとして日本酒好きから高い人気を得ています。
1-1.酒造元について
黒龍酒造は1804年(文化元年)創業の福井県の老舗酒蔵です。「自然と人の調和、豊かな生活文化の創造」をポリシーに、伝統の酒造りを続けています。
昭和50年には、全国に先駆けて大吟醸「龍」を販売。吟醸酒が市販化されていなかった時代に、「日本一高価な日本酒」として大吟醸は注目を集めました。以来、大吟醸・吟醸・純米吟醸と数々の吟醸酒の市販化に成功。現在は福井県だけでなく、全国に名をはせる吟醸蔵としてその名は知られています。
伝統の技法を重んじながらも「清酒の楽しみ方をもっと伝えたい」という思いから、ポットのお湯で手軽に燗酒を楽しめる「燗たのし」を開発。日本酒が苦手な人のためのお酒「黒龍 吟のとびら」、小容量が計量できるグラス「黒龍 酒グラス」を展開するなど、日本酒普及のためにさまざまな取り組みも行う酒蔵です。
1-2.黒龍という名の由来
「黒龍」の名は、酒蔵の近くを流れる九頭竜川の古い呼び名に由来しています。その名に込められたのは、「歴史と伝統を重んじたい」という蔵元の思い。
澄み切った川のように、黒龍はなめらかで軽やかな味わいが特徴。醪(もろみ)の搾りには、酒袋を吊って雫を集める「袋吊り」と、旧来の油圧式酒搾り機が使用されています。
2.黒龍の種類とについて
「黒龍」は、よく磨いた米を低温で熟成する吟醸造りを基本としています。米の磨き度合いや原料によって種類は異なりますが、高品質でありながら求めやすい価格帯であるのも人気の理由のひとつです。
2-1.大吟醸
精米歩合 | 酒米 | 価格 |
50% | 国産山田錦 | 720ml:2500円(税別) 1800ml:5000円(税別) |
評判
黒龍の代表酒となるのが「大吟醸」です。使用しているのは、50%まで精米した国産山田錦。ふくよかな香りさわやかな飲み心地が、一杯、また一杯と盃を持つ手を進めます。
香り高くクセのない味わいは、白身の刺身やイタリアンとの相性もばつぐん。適度に冷やし、ワイングラスに注いで楽しむのもおすすめです。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-2.特吟(大吟醸)
精米歩合 | 酒米 | 価格 |
50% | 国産酒造好適米 | 720ml:1600円(税別) 1800ml:3300円(税別) |
評判
「特吟」(とくぎん)は、高精米の酒造好適米を低温でゆっくりと仕込んだお酒です。青りんごや柑橘類を思わせる香りと、フレッシュな口当たりが特徴となっています。
大吟醸でありながら香りが軽やかな「特吟」は、日常酒としてそばに置いておきたくなるお酒。きゅっとレモンを搾った白身の焼き魚と合わせれば、清涼感とほのかな苦みをより一層楽しむことができますよ。
(出典元:黒龍公式サイト)
2-3.純吟 38号(純米吟醸)
精米歩合 | 酒米 | 価格 |
55% | 福井県産五百万石 | 720ml:1700円(税別) 1800ml:3800円(税別) |
評判
「純吟」(じゅんぎん)38号に使用している酒米は、福井県産の五百万石です。精米歩合は55%におさえ、米の旨味とふくよかな香りを引き出しています。
どっしりとした心地よい旨味は、原料と製法にこだわる黒龍ならでは。ココナッツのような甘く香ばしい香り、適度な苦みと酸味のバランスが絶妙な純米吟醸です。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
2-4.いっちょらい(吟醸)
精米歩合 | 酒米 | 価格 |
55% | 福井県産五百万石 | 720ml:1150円(税別) 1800ml:2450円(税別) |
評判
「いっちょらい」とは、福井県の方言で「一張羅」(いっちょうら)のこと。グレー地に濃いストライプのラベルのいっちょらいは、どこか襟を正したくなるようなピリッとした辛みを感じるお酒です。
クセのない旨さと心地よい吟醸香は、毎日の食卓を彩る日常酒にぴったり。スイカのような爽やかな香りのあとには、軽やかな余韻が広がります。300ml容量も販売されているため、ちょっと日本酒を楽しみたいという時に手軽に購入できるのもうれしいですね。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
3.黒龍の購入方法
すべてが手造り製法の黒龍は、一度に仕込む量が限られています。大吟醸や吟醸酒の多くが通年販売品であるものの、確実に購入するためには特約店や黒龍を扱う通販サイトを利用するのがおすすめです。
3-1.黒龍が購入できる実店舗
黒龍は、出荷まで冷蔵管理の行き届いた酒蔵で貯蔵されています。そのため、酒蔵では専門的なサービス提供と商品管理のできる、特約酒販店での購入をおすすめしています。
黒龍の特約酒販店は、公式サイトの「特約店サーチ」から確認することができます。実際に店舗に行く際には、希望の商品があるか事前に確認するのがおすすめです。
3-2.黒龍が購入できる通販サイト
黒龍は、Amaonや楽天といった大手通販サイトでも購入できます。しかし、正規価格ではなかったり、品質管理が行き届いていない場合もあるので注意が必要です。せっかく限定品の黒龍を購入しても、酒蔵が目指す酒質が劣化していてはもったいないですよね。
黒龍を扱う酒造専門店であれば、通販でも本当に美味しい黒龍を購入できます。ぜひ、自分の求める購入方法に合わせたお店をチェックしてみてください。
4.黒龍の美味しい飲み方・楽しみ方
吟醸酒である黒龍をより美味しく飲むためには、温度管理が大切です。黒龍の多くは、きりっと冷やすことで繊細な香りを楽しむことができます。
特におすすめしたいのは、酒質を劣化させない-5℃の温度帯。-5℃で保管すれば、酒蔵の目指す味わいそのままに、黒龍を美味しく味わうことができますよ。
4-1.-5度で保管?
お米に水を加え、麹の力で自然発酵させる日本酒は、温度変化に敏感なお酒です。特に、多くの日本酒は熱によって酒質が劣化する恐れがあります。-5℃は、日本酒が凍らないギリギリの温度帯。日本酒の劣化を最小限に抑え、品質を長く維持できるのです。
とはいえ、家庭用の一般の冷蔵庫で-5℃をキープするのは簡単なことではありません。そこでおすすめしたいのが、低温管理が可能な日本酒専用セラーです。日本酒専用のセラーであれば、より劣化しにくい縦置きの状態で日本酒をまとめて保管することができます。
専用セラーがない場合には、棚の奥や冷暗所など、温度変化が少なく紫外線を避けられる場所で保管するよう心がけましょう。
5.黒龍の期間限定品
黒龍酒造で「極みの酒」とも呼ばれるのが、季節ごとに販売される限定品です。中でも、1本10,000円の「石田屋」と「二左衛門」は黒龍のトップブランド。それぞれ11月に販売される純米大吟醸です。
「石田屋」は、東条産山田錦を35%まで磨いた純米大吟醸酒を、さらに低温で熟成させたお酒。おだやかな香りとまろやかな旨味は、きりっと冷やすことでより一層引き立ちます。
「二左衛門」は、袋吊りの手法で1滴ずつ搾ったお酒を、一升瓶が10本入る一斗瓶で低温熟成させた純米大吟醸。酒蔵独自の製法で熟成したお酒は、フレッシュでエレガントな香りが特徴です。
また、2月に登場する限定品が生酒の最高峰となる「火いら寿」(ひいらじゅ)。熟したフルーツのような香りは、時間とともにハーブのような青みのある香りに変化します。うっすら黄緑色の生酒は、ぜひクリアなグラスで楽しみたいお酒。日本酒を飲み慣れない方にもおすすめしたい銘柄です。
6.まとめ
黒龍は、福井県を代表する吟醸酒です。繊細な香りと味のバランスに優れ、日本酒通からも高い人気を得ています。
日本酒は種類が多く選ぶのに迷いがちなお酒ですが、黒龍は吟醸酒を好む方へのプレゼントにもおすすめ。ぜひ一度、吟醸酒の先駆けとなった確かな酒質をその舌で確かめてみて下さいね。