「世界酒蔵ランキング」は、日本酒コンテストの受賞実績をポイント化し、酒蔵を格付けしたものです。2020年にランキングの対象となった蔵は659蔵。コンテストに参加していない蔵もあるため、ランキングの順位が蔵の優劣のすべてというわけでは当然ありません。
しかし、種類の多い日本酒を選ぶときには、ランキングがガイド役になっています。日本酒ラボでは、2020年酒蔵ランキングの50位~1位までの酒蔵を詳しく掘り下げて紹介していきます。
こちらの記事では20位~11位までの蔵情報やその蔵が造っている日本酒についてなど解説していきますので、日本酒選びの参考にしてみてください。
50~41位、40~31位、30~21位のランキングは下記の記事で詳しく紹介しています!
世界酒蔵ランキング2020年の公式サイトはこちらになります。
目次
1.2020世界酒蔵ランキング20~11位
1-1.世界酒蔵ランキング20位タイ:天寿酒造株式会社
第20位タイは秋田の酒蔵「天寿酒造株式会社」です。「米から育てた純米酒 天寿(てんじゅ)」は「KURA MASTER」でプラチナ賞を受賞しています。
天寿の大きな特徴は、マリーゴールドやベゴニア、なでしこといった花から採取した花酵母を使うこと。「天寿 純米吟醸」には、なでしこの華やかな香りが広がります。「初槽純米吟醸生酒」は、搾りたてのフレシュな旨味がたまらない純米酒。秋田で収穫された新米の旨味を凝縮した1本です。
(出典元:天寿酒造オンラインショップ)
1-2.世界酒蔵ランキング20位タイ:合名会社鈴木酒造店
同じく第20位タイにも秋田の酒蔵が続きます。「合名会社鈴木酒造店」は、創業320年余りの歴史ある酒蔵。「インターナショナル・ワイン・チャレンジ」では3銘柄が入賞し、伝統の味わいは世界でも高く評価されました。
「純米大吟醸酒」は、果実のように爽やかな香りが広がるお酒。世界高評価の銘柄にふさわしく、パッケージもスタイリッシュな装いです。「純米吟醸酒 松声(しょうせい)」は、雑味のないきれいな味わいが印象的。スッと心地よいキレ味を感じさせる日本酒です。
(出典元:秋田の地酒 秀よし – 鈴木酒造)
1-3.世界酒蔵ランキン18位タイ:株式会社新澤醸造店
全米日本酒鑑評会では金賞を受賞。第18位の「株式会社新澤醸造店(にいざわじょうぞうてん)」は、世界17カ国へ輸出も行う酒蔵です。造ったお酒はすべて-5℃の冷蔵庫で保管。造りたてのフレッシュな状態のまま出荷することにこだわっています。
代表銘柄は地元で愛される「愛宕の松(あたごのまつ)」。「純米吟醸 さらら」は、甘い香りと酸味のバランスが絶妙なお酒です。平成12年には特約店限定で「伯楽星(はくらくせい)」を発売。どんな料理も引き立てる味わいは、究極の食中酒として高級レストランで多数採用されています。
(出典元:商品一覧|新澤醸造店)
1-4.世界酒蔵ランキング18位タイ:株式会社南部美人
18位タイは岩手の酒蔵その名も「株式会社南部美人」。「ルキオラ」と名付けられた貴醸酒は「KURA MASTER」のプラチナ賞に輝きました。
令和元年には「生まれたままの味わいを届けよう」と、急速冷凍させた生酒「フローズンビューティー」を発売。新しい取り組みにも意欲的な酒蔵です。「純米大吟醸 酒未来」は米の違いを楽しむビューティーシリーズの1本。冬限定「純米酒 しぼりたて生原酒」は、新酒ならではの特別な味わいを楽しむことができますよ。
(出典元:岩手の日本酒 南部美人)
1-5.世界酒蔵ランキング17位:石鎚酒造株式会社
2020年「インターナショナル・ワイン・チャレンジ」に入賞したお酒は全9銘柄。2021年には最高賞トロフィー賞を受賞するなど、年を追うごとに躍進を見せるのが第17位の「石鎚(いしづち)酒造株式会社」です。
「大吟醸 大雄峰(だいゆうほう)」は、蔵のトップ銘柄。香りは果実のように華やかで、口に含むとまろやかな味わいが広がります。「真精大吟醸」は杜氏の手仕事の技が光る渾身の1本。出会ったときはぜひとも口にしたい、生産量も限られた日本酒です。
(出典元:石鎚酒造株式会社)
1-6.世界酒蔵ランキング16位:株式会社一ノ蔵
第16位は宮城県の酒蔵「株式会社一ノ蔵」です。代々受け継がれる伝統の技で生まれる日本酒は、日本国内のみならず、世界でも多くの人々を魅了しています。
「一ノ蔵 大吟醸」は、軽快でフルーティーな香りが持ち味。ほどよい甘さが舌の上をさらりと流れ、さわやかな余韻が残ります。「一ノ蔵 純米吟醸 プリンセス・ミチコ」は、美智子上皇后陛下が皇太子妃時代に献呈されたバラ「プリンセス・ミチコ」に由来するお酒。バラ酵母を用いた気品あふれる味わいは、大切な人への贈り物にも好まれています。
(出典元:宮城県の伝統的な手づくりの日本酒蔵一ノ蔵)
1-7.世界酒蔵ランキング15位:天山酒造株式会社
全米日本酒鑑評会で4銘柄が金賞を受賞。第15位の「天山酒造株式会社」は、地元佐賀県産の米を中心に酒造りを続ける酒蔵です。
「天山 純米大吟醸 愛山34」は、後藤杜氏が生み出した究極の食中酒。桐箱に眠るボトルをそっと取り出し栓を開けると、上質なバニラのような香りが広がります。「天山 純米大吟醸」は、後口がスッキリしたタイプのお酒を好む方におすすめ。ほんのりと苦みのある山菜料理とも好相性の日本酒です。
(出典元: 商品情報 | 天山酒造)
1-8.世界酒蔵ランキング14位:株式会社外池酒造店
第14位の「株式会社外池酒造店」は栃木県の酒蔵です。「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」「全米日本酒鑑評会」と、それぞれで2銘柄が金賞受賞に輝いています。
「燦爛(さんらん) 大吟醸」もまた、金賞に輝いた銘柄のひとつ。香り立つなめらかな味わいは、適度に冷やしていただくのがおすすめです。「望(bo:)」は限られた酒販店のみで販売されるブランド。「純米吟醸 ひとごこち」は酸味が際立ち、フルーツとのペアリングも楽しい1本です。
(出典元:『益子の酒蔵』外池酒造店)
1-9.世界酒蔵ランキング12位タイ:株式会社三宅本店
第12位タイの「株式会社三宅本店」は、広島県呉市で愛され続ける酒蔵です。代表酒は、初代三宅清兵衛が母と妻の名をとって名付けたという「千福」。晩酌のパートナーともいえるカップ酒から、贈答用にもふさわしい純米大吟醸まで、多彩なラインアップが揃います。
その名も「王者」と名付けられた大吟醸は、スッキリ辛口で淡麗な味わい。爽快感が心地よい「生貯蔵酒」は、適度に冷やしていただくのがおすすめです。
(出典元:広島県呉市の日本酒メーカー「千福・三宅本店」)
1-10.世界酒蔵ランキング12位タイ:来福酒造株式会社
「来福酒造株式会社」は、茨城県で300年あまりの歴史を誇る酒蔵です。「来福」は創業当初から現代に受け継がれる代表銘柄。花酵母で仕込んだ純米酒の数々は、世界でも高く評価されています。
「来福 大吟醸」は、酒米の王様とわれる山田錦を使って仕込んだお酒。ぜいたくに中心部分40%のみを使用し、花酵母アベリアで華やかな香りを実現しています。「純米吟醸 なでしこ」には、なでしこ酵母を使用。青りんごのようにさわやかな香りと、米の甘さのバランスに心打たれる1本です。
(出典元:来福酒造株式会社)
1-11.世界酒蔵ランキング11位:株式会社瀬戸酒造店
第11位は神奈川県の酒蔵「株式会社瀬戸酒造店」です。昭和55年(1980年)から自家醸造を中断していた蔵は、平成30年(2018年)に醸造を再開。地域の気候風土にこだわった酒は、今や世界へとその名を広めています。
「坂田錦 純米」には、再建前から旧醸造所に寝付いていた蔵付酵母を使用。伝統と新たな息吹が融合した蔵の代表銘柄です。「あしあがり郷」は、地元開成町の町花、あじさいの酵母で造ったお酒。一面に広がる田園と青空、続く山並みといった風景を思わせる、きれいでやさしい味わいです。
(出典元:各種商品 | 瀬戸酒造店)
まとめ
今回は20~11位を紹介しました。どれも世界で高く評価される、美味しい日本酒を誕生させた蔵ばかり。
次週はついに10~1位を紹介していきますのでお楽しみに!