「太平山」(たいへいざん)は、秋田随一の醸造元・小玉醸造が造る日本酒です。醤油や味噌の醸造も手掛ける蔵が造るお酒は、本醸造酒から純米大吟醸まで高い品質を誇ります。
その酒質は国内外でも高く評価され、名だたる鑑評会で度々トップにランクイン。今回は、秋田で長年親しまれている銘酒「太平山」の魅力やおすすめ銘柄、購入方法などをご紹介します!
目次
1.日本酒の太平山とは
太平山は、風土に根差した酒造りが注目を集める日本酒です。秋田の酒米研究会と団結し、地元産米にこだわった味わいを生み出しています。
秋田県内一の生産量を誇る「ヤマキウ味噌」を手がける蔵が造るお酒は、醸造技術を活かした酒質の良いものばかり。電動ドリルを用いて酒米をすりつぶすという「秋田流生もと造り」が特徴です。
生もと造りの日本酒は酸味が強いものが多い中、太平山はエレガントな酸味を持つまろやかな味わいが魅力。辛口タイプの銘柄はすっきりとキレが良く、食事と合わせる日本酒としても好まれています。
1-1.酒造元について
太平山を造るのは、明治12年創業の小玉醸造株式会社です。創業時は醤油や味噌の醸造を手がけていた小玉醸造は、大正2年から酒造業に着手。今や秋田を代表する地酒である「太平山」を誕生させます。
レンガ造りの蔵の中にずらりと並ぶのは、今では珍しい木桶や醤油の貯蔵タンク。蔵内見学の後は試飲も楽しめる、観光客にも人気のスポットです。
昭和8年には全国初となる冷用酒「玲琅太平山」を発売。翌9年には、全国清酒品評会において、出品総数約5000点の中から第1位を獲得します。平成5年には全国・東北・秋田と揃ってトップとなる三冠を達成するなど、確かな品質が人気を得ている酒蔵です。
1-2.太平山という名の由来
「太平山」の名は、地域で最も親しまれている明峰・太平山の名に由来しています。標高は約1170m。頂上からは秋田市内を望むことができ、県立自然公園にも指定されています。
雄大な自然に包まれた山の名を持つお酒は、秋田の定番酒とも言える味わい。酒質は名だたる鑑評会でも高く評価され、その名は全国各地で知られています。
2.太平山の種類と値段について
太平山は本醸造酒から純米酒、吟醸酒に大吟醸酒と幅広いラインアップが揃う日本酒です。辛口ですっきりした味わいの銘柄を中心に、手ごろなものは四合瓶1本・1000円台から購入できます。蔵のトップブランドとなるお酒は、桐箱入りで5000円台と贈答用にも好まれる1本。ぜひ好みに合わせた銘柄を見つけけてみてくださいね。
2-1.純米吟醸 津月(つづき)
精米歩合 | 酒米 | 価格 |
55% | 山田錦 | 1800ml:3000円(税込) |
評判
高級酒米「山田錦」を100%使用し、秋田流生もと製法で造った中取りの純米吟醸酒です。「中取り」とは、日本酒を搾る工程で2番目に出てくるお酒のこと。甘みと香りのバランスに優れた、もっとも品質の良い部分とされています。
こだわりの純米吟醸は、米の旨味を引き出しつつ、口当たりは実になめらか。ほどよい辛みと酸味が心地よい、日本酒好きに人気の銘柄です。
(出典元:小玉醸造(株) オンラインショップ)
2-2.純米大吟醸 iron man+121
精米歩合 | 酒米 | 価格 |
40% | 秋田酒121号 | 720ml:2000円(税別) 1800ml:4000円(税別) |
評判
お酒を手がけた猿田修杜氏を表す「iorn man」を名前に冠した日本酒です。猿田杜氏は、国内外の様々なコンクールで輝かしい受賞歴を誇る人物。「鉄人杜氏」(iron man)のを名乗るお酒は、華やかさと繊細さを兼ね備えた仕上がりとなっています。
使用しているのは、新たに誕生した酒米「秋田酒121号」。グラスに注げば華やかな香りが広がり、スッキリとしたキレの良さも楽しめます。ホワイトベースのラベルも美しく、女性へのプレゼントにもおすすめの1本です。
(出典元:小玉醸造(株) オンラインショップ)
2-3.純米大吟醸 神月(しんげつ)
精米歩合 | 酒米 | 価格 |
40% | 山田錦 | 1800ml:4300円(税別) |
評判
英字新聞の包装が目を引く、蔵こだわりの純米大吟醸です。白神山地の伏流水とAK-1酵母が生み出す、エレガントな吟醸香が魅力となっています。
芳醇な旨味を持つ「神月」は、燗酒にしても美味しい1本。ほどよく温め、塩味の強いおつまみとゆったり楽しむのもおすすめです。
(出典元:小玉醸造(株) オンラインショップ)
2-4.純米大吟醸「天巧」(てんこう)
精米歩合 | 酒米 | 価格 |
40% | 山田錦 | 720ml:2800円(税別) 1800ml:5400円(税別) |
評判
IWC(インターナショナルワインチャレンジ)でゴールドメダルを受賞。全米日本酒鑑評会ではグランプリを獲得するなど、世界でもその酒質が認められた日本酒です。
香りは果実のように華やかで、澄み切った味わいが後引く美味しさ。祝いの席にもおすすめの、確かな品質を誇る日本酒です。
(出典元:小玉醸造(株) オンラインショップ)
2-5.大吟醸 壽保年(じゅほうねん)
精米歩合 | 酒米 | 価格 |
35% | 山田錦 | 720ml:5200円(税別) 1800ml:10000円(税別) |
評判
最高級の酒米「山田錦」を35%まで精米して仕込んだ、贅沢な味わいの大吟醸です。甘辛の度合いを示す日本酒度は、+3とやや辛口。低温でじっくりと熟成させたことで生まれる香りの中に、キレの良さを持ち合わせた銘柄となります。
桐箱におさまったゴールドラベルの大吟醸は、大切な方への贈り物にもふさわしい1本。品評会グレードの味わいを兼ね備えた、蔵のトップにふさわしいお酒です。
(出典元:小玉醸造(株) オンラインショップ)
3.太平山を購入する方法
秋田の地酒「太平山」は、正規取扱店や通販サイトで購入可能です。どちらで購入する場合も、大切なのは日本酒を適切に管理しているお店を選ぶこと。太平山は種類も豊富なお酒のため、ぜひ信頼できるお店でお気に入りの1本を見つけてみてくださいね。
3-1.太平山が購入できる実店舗
太平山は首都圏での取扱店が少なく、正規取扱店は地元秋田が中心となります。人気商品は品切れになることも珍しくないため、購入の際は事前に確認してから出かけるのがおすすめですよ。
秋田の地酒店 佐金商店 | 秋田県北秋田市東横町12-1 | 0186-62-1032 |
柴田酒店 | 秋田県雄勝郡羽後町西馬音内字本町21 | 0183-62-1717 |
3-2.太平山が購入できる通販サイト
取扱店舗の少ない太平山は、公式のオンラインショップでも購入できます。豊富な種類の他、蔵が手掛ける醤油や味噌といった自慢の品が並ぶのも魅力のひとつ。その他の通販ショップで購入する際も、多くの地酒を取り扱うお店を選べば、本当に美味しい太平山を味わうことができますよ。
4.太平山の美味しい飲み方・楽しみ方
すっきりとした味わいの太平山は、銘柄ごとにさまざまな楽しみ方ができる日本酒です。手ごろな価格の本醸造酒は、キレのある辛口の味わいがより一層引き立つお酒。普段の料理に合わせたい気取らない魅力にあふれています。
良質な米の旨味を引き出した純米酒は、燗酒にしても楽しめる1本。適度に温めることで、ふんわりとしたやさしい香りが広がります。香り高い純米大吟醸は、ワイングラスに注いで味わうのもおすすめ。自分へのご褒美に、大切な方と酌み交わすお酒に、ぜひゆったりとその味わいを楽しんでみてくださいね。
4-1.-5度で保管?
購入した太平山を美味しく保管するためには、温度管理がポイントとなります。日本酒は温度による酒質の変化を受けやすいお酒。蔵直送の味わいをキープするために理想的な温度帯は、酵母の働きがストップする-5℃だと言われています。
とはいえ、家庭用の冷蔵庫では-5℃をキープするのは簡単なことではありません。そこでおすすめしたいのが、日本酒専用に開発された冷蔵庫「日本酒セラー」です。日本酒に大敵な紫外線を避けつつ、-5℃をキープできるセラーなら、一度開栓した日本酒も美味しいまま保管できます。
日本酒セラーがない場合には、紫外線のあたらない冷暗所で縦置きで保管するのがおすすめ。日本酒は空気に触れると酸化しやすくなるため、開戦後はなるべく早く飲みきるように心がけてくださいね。
5.太平山の期間限定品
太平山の季節の限定酒が「純米酒 ひやおろし」です。春に搾った純米酒を、低温庫でひと夏じっくり寝かせて仕上げています。穏やかで落ち着いた味わいは、秋の味覚と楽しむ日本酒としてもぴったり。販売本数が限られた、ファンからも人気の高い銘柄です。
また、夏に販売されるのが原酒をそのまま瓶詰めした「純米 夏にごり」。さわやかな微発泡感が、暑い夏にぴったりのお酒です。袋吊りした酒袋から一滴ずつこぼれる雫を集めた「天巧 無濾過生酒 別誂」は、数量108本のみという超限定酒。今では入手困難な、蔵の芸術品とも言える1本となっています。
6.まとめ
秋田県のふるさとの味として知られる「太平山」。世界遺産でもある白川山地の伏流水で仕込んだお酒は、スッキリとキレがありながら、まろやかな味わいが特徴です。
多種多様な種類が揃うため、シーンに合わせた美味しい1本を選べるのも人気のひとつ。ぜひお好みのおつまみと一緒に、その上質な味わいを楽しんでみてくださいね。