日本酒の数ある銘柄のなかでも、高い人気を誇る寫楽。初心者に日本酒を教えるなら、まずは寫楽からという玄人もいます。
本記事をお読みのみなさんも、寫楽の評判を聞きつけて詳しい情報を調べているのではないでしょうか。実際に購入してみようと検討している人もいるはずです。
今回は寫楽の詳細、魅力を隅々まで解説するので参考にしてみてください!
目次
1.日本酒の寫楽(しゃらく)とは
寫楽とは日本酒造りが盛んな福島の地酒です。品質の良さ、飲みやすさに定評があり、幅広い世代から人気があります。日本酒は寫楽しか飲まない人もいるほどです。寫楽とはどのようなこだわりを持って造られているのでしょうか。詳しくは以下を参考にしてみてください。
1-1.酒造元について
寫楽を酒造しているのは福島県会津若松市にある宮泉銘醸です。創業は昭和30年。全国の名立たる蔵元に比べると若い酒造メーカーです。もともと、創業者が老舗の酒造会社「花春酒造」で修業しており、独立して宮泉銘醸が誕生しました。創業当初から地元では信頼のある会社です。
日本酒造りにおけるモットーは「会津産にこだわる」こと。会津の人、米、水で造る安心安全の日本酒を生み出すことに熱意を注いでいます。今でこそ県外産の米も使用しますが、品質は入念にチェック。妥協のない日本酒造りに励んでいます。
1-2.寫楽という名の由来
寫楽は実はもともと宮泉銘醸で造っていた銘柄ではありません。本来は宮泉銘醸と同じく、花春酒造から独立した東山酒造の代表的なブランドでした。しかし、東山酒造は残念ながら2009年に廃業しました。そこで兄弟分である宮泉銘醸が寫楽を引き継ぐことになったのです。
寫楽はすでに地元の人たちにとってお馴染みの銘柄。宮泉銘醸は商標ごと引き継くことで、慣れ親しまれている寫楽の名を今に至るまで残したのです。寫楽は人情によって生き残った銘柄といえます。
2.寫楽の種類と値段について
寫楽にはいくつかの種類があります。それぞれ風味や価格が違うため、初心者はどれを選べばいいかわからないことも多いです。以下では寫楽の種類ごとに特徴を解説するので、参考にしてみてください。
2-1.純米大吟醸 極上二割
精米歩合 | 酒米 | 価格 |
20% | 山田錦 | 720ml 20,000円(税抜) |
評判
極上の名前が示すとおり、寫楽のなかで最も高級な銘柄です。酒米のなかでも最高品質の山田錦を使い、丁寧に米の旨味を抽出した絶品。透明感のある味わいは職人の技量の高さを思わせます。優美な香りが漂うため、封を開けた瞬間から品質の高さがわかることでしょう。
上質な木箱と黒のラベルのパッケージは贈り物としても最適です。飲まずにずっと部屋に飾っておきたい重厚感があります。気軽に購入できるお酒ではないですが、それだけに特別な意味合いが強い銘柄です。
(出典元:宮泉銘醸株式会社)
2-2.純米酒
精米歩合 | 酒米 | 価格 |
60% | 夢の香 | 1800ml 2,800円(税抜) |
評判
純米酒は寫楽の基本といえる銘柄です。果実のような甘味と酸味のバランスの良さが特徴。後を引く淡麗の味わいで、誰もが飲みやすいと評判です。日本酒を初めて飲む人、これから日本酒を勉強したい人にもおすすめできます。
一般的な日本酒に比べて、香りが強いのも魅力です。お猪口はもちろん、グラスに注げば洋食にも合わせやすいでしょう。どのタイミングで飲んでも美味しい銘柄です。
(出典元:宮泉銘醸株式会社)
2-3.純米吟醸
精米歩合 | 酒米 | 価格 |
50% | 五百万石 | 1800ml 3,400(税抜) |
評判
純米吟醸は純米酒と並ぶ寫楽の基本銘柄です。純米酒に比べて、落ち着いた大人の香りが特徴。口に含むと、果実味のあるジューシーな酸味が広がります。後からドッシリと押し寄せてくる米の旨味がたまりません。抜群のキレは日本酒らしい刺激を与えてくれます。
お酒を飲み慣れている人であれば、純米酒より純米吟醸を選ぶといいでしょう。最上級の大人の味わいを教えてくれます。
(出典元:宮泉銘醸株式会社)
2-4.純米吟醸 酒未来
精米歩合 | 酒米 | 価格 |
50% | 酒未来 | 1800ml 3,700円(税抜) |
評判
酒未来は名前のとおり、1999年に誕生した比較的新しい酒米「酒未来」を使った銘柄です。フルーティな香りと、爽やかなキレが抜群の1本。純米酒や普通の純米吟醸とはまた違うテイストに仕上がっています。
さらっとした後味が食欲をかきたててくれるため、食中酒として最適です。クリアな喉越しは料理の味を邪魔しません。和食だけに限らず、中華や洋食とも試してほしい日本酒です。
(出典元:宮泉銘醸株式会社)
2-5.純米大吟醸 しずくどり
精米歩合 | 酒米 | 価格 |
40% | 山田錦 | 720ml 4,800円(税抜) |
評判
しずくどりは搾りたての酒をすぐに火入れして瓶に詰めた銘柄です。寫楽のなかでも新鮮味が売りの特別な純米大吟醸。香りの立ちが良く、上品な酸味はワインを思わせる味わいです。じっくり舌の上で風味を楽しんでから飲みたくなります。
山田錦を使った日本酒は全国に多くありますが、飲みやすさは寫楽ならではです。日本酒好きの人は他の銘柄と飲み比べてみると面白いでしょう。
(出典元:宮泉銘醸株式会社)
3.寫楽の購入方法
ここまでの解説で寫楽を実際に飲んでみたいと感じた人も多いことでしょう。寫楽を購入する方法はいくつかあります。詳しくは以下を参考にしてみてください。
3-1.寫楽が購入できる実店舗
寫楽を実店舗で購入するのであれば、「酒専門店鍵や」が適切です。鍵やは寫楽の正規取扱店。寫楽であればどんな種類でも販売を行っています。通年商品から期間限定品まで揃っているので、寫楽ファンであれば困ることはないでしょう。
ただし、在庫がなかったり、距離的に行けなかったりすることも少なくありません。寫楽は専門的な酒屋であれば、全国各地で取り扱いがある可能性があります。近隣の酒屋に問い合わせてみるといいでしょう。仮に取り扱いがなくても、交渉すれば仕入れてくれることがあります。
3-2.寫楽が購入できる通販サイト
寫楽は大手通販サイトでも購入できますが、正規の価格ではない価格で販売されていることがあるので注意が必要です。また、日本酒を専門に扱っていないお店では、品質管理が行き届いていない場合もあります。
直接商品を手にすることができない通販サイトは、日本酒に適した保存管理を行っている専門ショップを選ぶのがおすすめ。酒蔵が求める酒質そのままの、本当に美味しい寫楽を購入することができますよ。
4.寫楽の美味しい飲み方・楽しみ方
寫楽は基本的にどんな飲み方をしても美味しくいただくことができます。強いていうなら、冷酒にして飲むのがおすすめです。冷やすことで香りが緩やかになり、日本酒特有のキレが増します。寫楽を飲むときは、まずは冷酒から試してみてください。
4-1.-5度で保管?
購入した寫楽を美味しく保管するためには、温度管理がポイントとなります。日本酒は温度による酒質の変化を受けやすいお酒。蔵直送の味わいをキープするために理想的な温度帯は、酵母の働きがストップする-5℃だと言われています。
とはいえ、家庭用の冷蔵庫では-5℃をキープするのは簡単なことではありません。そこでおすすめしたいのが、日本酒専用に開発された冷蔵庫「日本酒セラー」です。日本酒に大敵な紫外線を避けつつ、-5℃をキープできるセラーなら、一度開栓した日本酒も美味しいまま保管できます。
日本酒セラーがない場合には、紫外線のあたらない冷暗所で縦置きで保管するのがおすすめ。日本酒は空気に触れると酸化しやすくなるため、開戦後はなるべく早く飲みきるように心がけてくださいね。
5.寫楽の期間限定品
寫楽は月ごとに期間限定品を販売しています。たとえば、先に紹介した「純米大吟醸 しずくどり」は6月、「純米吟醸 酒未来」は8月の限定販売品です。毎月のように味わいの違う限定品が発売されるため、寫楽ファンは飽きることなく楽しめます。
ただし、12月と1月は統一されており、限定品は全部で11種類です。通年商品と高級酒を含めると、14種類あります。バリエーション豊富で自分にあった味を見つけやすいのが寫楽の魅力といえるでしょう。
6.まとめ
福島の地酒である寫楽について解説しました。寫楽は一度は失われかけたものの、別の蔵元によって引き継がれた銘柄。かつての良さを残しつつ、今なお進化を続けています。万人に愛される高品質の日本酒として広がっていくことでしょう。
もし、寫楽を実際に飲んでみたい人は、本記事を参考に気になる種類を購入してみてください。日本酒の世界観がひっくり返るはずです!