「沢の鶴」(さわのつる)は、兵庫県神戸市灘区で造られる日本酒です。日本一の酒どころとも言われる「灘酒」のひとつで、純米酒の売上ナンバー1*のトップブランドでもあります。
今回は、身近な美味しい日本酒として人気を広げる沢の鶴の魅力をご紹介!おすすめ銘柄や購入方法、美味しい飲み方などぜひ参考になさってくださいね。
※インテージSRI調べ純米酒(特別純米酒含む)2018年10月~2019年9月累計販売金額(全国スーパーマーケット/CVS/酒DS/ドラッグストア計)
目次
1.日本酒の沢の鶴とは
沢の鶴は、純米酒のみにこだわって造られている日本酒です。米屋から始まった酒蔵の、米作りへの強い想いから生まれました。
使用するのは、約130年に渡り関わっている兵庫県三木市吉川町実楽地区の酒米。酒米の最高峰「山田錦」の、さらに特A地区に指定されている実楽地区では、醪(もろみ)に溶けやすい良質な米が栽培されています。
仕込み水には、日本名水百選のひとつである「灘の宮水」を使用。リンやカリウムを適度に含む硬水を用いることで、灘の男酒とも呼ばれるスッキリとキレのある味わいを実現しています。冬場に造った酒が半年後の秋に品質が良くなることから「秋晴れ」「秋映え」するとも呼ばれているお酒です。
1-1.酒造元について
沢の鶴は1717年(享保2年)創業という長い歴史を持つ蔵です。商品ラベルに記されている「※」のマークには、米屋を営んでいた初代の想いが受け継がれています。
米の目利きを得意とする蔵のこだわりは、米と水だけできあがる「純米酒」を貴重とした酒造り。「酒造りはひとづくり」というポリシーのもと、社員は若いうちから農家で米作りを学び、先輩のもとで人間性を磨きながら、水や酒の状態をみきわめる力を身につけます。
2004年に純米酒と表示できるようになった「沢の鶴 米だけの酒」は、まさにそんな蔵の想いが体現された1本。純米酒は重く飲みづらいといったイメージが先行する中、「飲みやすく美味しい純米酒」を目指した蔵の味は、多くの人々に愛され続けています。
1-2.沢の鶴という名の由来
「沢の鶴」の名は、三重県志摩市にある神社「伊雑の宮」(いざわのみや)の成り立ちに由来しています。真っ白な鶴が天照大神(あまてらすおおみかみ)へ稲穂をお供えしていることに感銘を受けた倭姫命(やまとひめのみこと)は、その稲穂から酒を造り、大神へ献上します。そして、その鶴を大歳神(おおとしのかみ=五穀の神)と呼び、たいそう大切にしました。
蔵の創設者はここへお参りした際、この「鶴の穂落とし」と呼ばれる故事に感激し「沢の鶴」を誕生させたと言われています。また、命を育む「沢」で「鶴」が羽を休め、やがて羽ばたいて行くように、人の心もうるおいの世界へ導きたいという蔵の願いも込められた名前です。
2.沢の鶴の種類と値段について
沢の鶴は、コストパフォーマンスに優れた純米酒からギフトに適した純米大吟醸まで、幅広い種類が揃うお酒です。180ml・300円台から販売している銘柄もあるため、手軽に沢の鶴の味を楽しむことができますよ。
2-1.生酛造り純米大吟醸原酒「瑞兆」
精米歩合 | 酒米 | 価格 |
47% | 国産米 | 720ml:3500円(税別) 1800ml:7000円(税別) |
評判
よろこびの兆しを意味する「瑞兆」(ずいちょう)と名づけられた純米大吟醸です。時間と高い技術が必要な「生酛」(なまもと)製法で造られたお酒になります。
どっしりとしたコクを持ちながらも、食事と合わせやすい軽やかな味は「沢の鶴」ならでは。香りも穏やかで、味吟醸と呼ばれる旨味にあふれた味わいに仕上がっています。祝いの席の乾杯や、大切な方への贈答用にもおすすめしたい銘柄です。
(出典元: 沢の鶴コーポレートサイト)
2-2.純米酒 山田錦
精米歩合(麹米/掛米) | 酒米 | 価格 |
65/75% | 山田錦・一般米 | 720ml:765円(税別) |
評判
「米だけの酒」にこだわり、最高峰の酒米・山田錦を使用した蔵の代表銘柄です。山田錦55%、一般米45%の比率にすることで、繊細な味わいとどっしりした旨味を実現しています。
やや辛口の仕上がりは、普段の食事に合わせる食中酒としてもぴったり。720ml・700円台とコストパフォーマンスに優れ、ファンから根強い人気を誇る銘柄です。
(出典元:沢の鶴コーポレートサイト)
2-3.Kobe1717
精米歩合 | 酒米 | 価格 |
57% | 山田錦 | 720ml:1793円(税別) |
評判
創業年の「1717」を名付けた兵庫限定の純米酒です。兵庫県産の山田錦を100%使用し、きめ細やかなコクのある味わいを生み出しています。
1本につき10円が神戸の子ども支援のプロジェクトに寄付されるという、まさに地元に根付いたお酒。ラベルには神戸の街並みがデザインされ、見た目も美しい1本です。
(出典元:沢の鶴コーポレートサイト)
2-4.特別純米酒 本格甘口 山田錦
精米歩合(麹米/掛米) | 酒米 | 価格 |
65/75% | 山田錦 | 720ml:906円(税別) |
評判
麹米を2倍以上使用し、旨味をぎゅっと凝縮させた味わいに仕上げた特別純米酒です。沢の鶴はキレのある辛口がスタンダードな中、重厚な甘口タイプのお酒になります。
山田錦を100%使用した贅沢なお酒は、燗酒好きな方にもおすすめ。「2020全国燗酒コンテスト」では金賞を受賞した、蔵の自信作となる1本です。
(出典元:沢の鶴コーポレートサイト)
2-5.たまには酔いたい夜もある
精米歩合(麹米/掛米) | 酒米 | 価格 |
65/75% | 国産米 | 180ml:350円(税別) |
評判
飲みたい時に気兼ねなく楽しめる「たま酔い」の名で親しまれている純米酒です。通常のお酒に比べ、麹は2倍量とたっぷり。やさしい甘みと贅沢な旨味が楽しめるお酒になっています。
まろやかな味わいの「たま酔い」は、日本酒を飲み慣れない方や女性にもおすすめ。紅茶や炭酸水、オレンジジュースなどで割っても美味しく楽しむことができますよ。
(出典元:沢の鶴コーポレートサイト)
2-6.X01
精米歩合 | 酒米 | 価格 |
50% | 国産米 | 180ml:1500円(税別) |
評判
先進的な開発技術を持つヤンマーと沢の鶴による「新しい酒米」を作るプロジェクトから生まれたお酒です。何万種におよぶ米の種子から、酒造りに最も適した品種をヤンマーが選出。沢の鶴が何度も試験醸造を行うことで誕生しました。
まだ世にないDNAを持つ酒米で仕込んだお酒は、果実のようにフルーティな香りが特徴。適度に冷やすことで、純米大吟醸らしい香りと旨味を楽しめます。
(出典元:沢の鶴コーポレートサイト)
3.沢の鶴の購入方法
日常に寄り添う「沢の鶴」は、酒造取扱店やデパート、コンビニエンスストアなどでも購入できるお酒です。公式オンラインサイトの品揃えも充実しており、さまざまな商品を飲み比べることができますよ。
3-1.沢の鶴が購入できる実店舗
沢の鶴は、スーパーやコンビニエンスストア、デパートの酒造取扱店などで購入可能です。特に、パックで展開している「米だけの酒」、飲みやすさを追求した「たまには飲みたい夜もある」などは、販路の広い商品になります。
価格帯の高い純米大吟醸や、ヤンマーとのコラボ商品である「X」シリーズなどは品切れになることもあるため、お求めの際は事前に確認してからお出かけくださいね。
3-2.沢の鶴が購入できる通販サイト
沢の鶴は、公式オンラインショップの他、楽天市場とYahoo!にショッピングサイトを展開しています。定番商品から名入れギフト、古酒など幅広い銘柄が揃うのが特徴です。
沢の鶴は大手通販サイトでも購入できますが、正規の価格ではない価格で販売されていることがあるので注意が必要です。日本酒を専門に扱っていないお店は管理が行き届いていない場合もあるため、信頼できるショップで購入するようにしましょう。
4.沢の鶴の美味しい飲み方・楽しみ方
沢の鶴は、日々の食卓に寄り添う味の幅広さが魅力のお酒です。米と麹、水のみで造られたお酒の味わいは、家庭料理との相性もぴったり。キッチンに常備しておきたくなる魅力にあふれています。
甘口タイプのお酒は、普段日本酒を飲み慣れない方にもおすすめ。割っても美味しい「たまには酔いたい夜もある」は、日本酒の楽しみ方をより一層広げてくれますよ。
4-1.-5度で保管?
購入した沢の鶴を美味しく保管するためには、温度管理がポイントとなります。日本酒は温度による酒質の変化を受けやすいお酒。蔵直送の味わいをキープするために理想的な温度帯は、酵母の働きがストップする-5℃だと言われています。
とはいえ、家庭用の冷蔵庫では-5℃をキープするのは簡単なことではありません。そこでおすすめしたいのが、日本酒専用に開発された冷蔵庫「日本酒セラー」です。日本酒に大敵な紫外線を避けつつ、-5℃をキープできるセラーなら、一度開栓した日本酒も美味しいまま保管できます。
日本酒セラーがない場合には、紫外線のあたらない冷暗所で縦置きで保管するのがおすすめ。日本酒は空気に触れると酸化しやすくなるため、開戦後はなるべく早く飲みきるように心がけてくださいね。
5.沢の鶴の期間限定品
沢の鶴の秋冬の限定品が「生もと 純米 ひやおろし」です。春先にできたお酒をひと夏寝かせた沢の鶴は、秋しか飲めない旬の味わい。10月には、新米仕込みの「純米無濾過生原酒」が数量限定・公式ショップ限定で販売されています。
モダンなテイストの「SHUSHU」は、季節ごとにおしゃれなデザインボトルを展開。桜や浮世絵など見ているだけでウキウキしてくるボトルは、誰かと一緒に飲むお酒にもぴったりですよ。
6.まとめ
灘酒のひとつとして、その名を知られる「沢の鶴」。日常酒として多くの人に愛されているお酒には、「米」にこだわる蔵の想いがあふれています。
米の旨みを残しつつ軽やかな味わいの沢の鶴は、毎日の晩酌にもぴったり。ひとりでホッと一息つきたい夜に。家族や仲間と囲む食卓に。ぜひお好みのスタイルで沢の鶴を楽しんでみてくださいね。